以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。なお、実施形態の説明では、便宜上、図面の記載に合わせて、穿孔刃の前進方向を「上方」と称し、後退方向を「下方」と称する。
本実施形態の貫通孔加工装置10は、板材である下地材Tに貫通孔Hを穿設するとともに、貫通孔H端面から配線・配管材を保護する保護具150を貫通孔Hに取り付けることに用いられる。本実施形態では、下地材Tは、壁や天井の裏面に下地として設置される断面視略コ字状の長尺の鋼板である。該下地材Tは、底壁及び該底壁の幅方向両側から立設した側壁を備える。さらに、側壁先端が内方及び下方に略直角に折り曲げられている。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態の貫通孔加工装置10の構成を説明する。図1は、貫通孔加工装置10の概略正面図である。図2は、貫通孔加工装置100の部分拡大斜視図である。
図1に示すとおり、本実施形態の貫通孔加工装置10は、下地材Tに貫通孔Hを穿設するための穿孔具100、及び、貫通孔Hに圧入される環状の保護具150を備える。図2に示すように、保護具150は、穿孔具100の穿孔刃121の保持部(柱状部121c,鍔部121d)に脱着自在に外挿されて装填される。後述するとおり、穿孔具100の受け部130と穿孔刃121との間に下地材Tが挟み込まれ、受け部130の第1開口132に穿孔刃121とともに保護具150が進入することにより、下地材Tに貫通孔Hを形成するとともに保護具150が貫通孔Hに取着される。
次に、図3乃至図7を参照して、本実施形態の穿孔具100の各構成要素を説明する。図3(a)〜(c)は、穿孔具100の正面図、側面図及び平面図である。図4は穿孔具100のA−A断面図であり、図5は、その部分拡大図である。図6及び図7は、該穿孔具100の動作を示す部分断面図である。
図3乃至図5に示すように、本実施形態の穿孔具100は、穿孔具本体110と、該穿孔具本体110に対して軸方向に相対移動可能に保持されたパンチ体120と、該パンチ体120と対向するように穿孔具本体110に固定された受け部130と、パンチ体120を駆動操作するように穿孔具本体110に支持された手動ハンドル140とを備える。
穿孔具本体110は、支持フレーム111と、該支持フレーム111から下方に延設された保持ハンドル115とからなる。支持フレーム111は、パンチ体120、受け部130及び手動ハンドル140を支持するように構成されている。支持フレーム111は、図3(a)の正面視において、板状の矩形部分と、該矩形部分の右側上端から左側に湾曲して延びるアーム部分とが組み合わさってなる。
支持フレーム111の矩形部分には、該支持フレーム111を上下方向に貫通して延びる駆動孔112が穿設されている。該駆動孔112には、パンチ体120の駆動軸122が支持フレーム111に対して上下(軸方向)に相対移動可能に挿通されている。駆動孔112は、正面方向に部分的に開放されており、該駆動孔112を介して駆動軸122の一部を正面から視認することができる。また、支持フレーム111の矩形部分には、パンチ体120の軸方向に沿って延びるガイド溝113が穿設されている。つまり、ガイド溝113は、駆動孔112に平行に並設されている。該ガイド溝113は、パンチ体120の傍らで上下に延びるスリット113aと、該スリット113aの上端に連設された丸孔113bとからなる。ガイド溝113には、手動ハンドル140の可動軸145が上下方向にスライド可能に遊挿されている。
支持フレーム111のアーム部分には、下地材120の幅方向の穿孔位置を定めるための位置決め機構114が設けられている。該位置決め機構114は、受け部130下端近傍に配置されている。該位置決め機構114は、支持フレーム111に一体化された筒部114aを備える。該筒部114aは、パンチ体120の軸方向とは直交する方向に延びており、左右方向に貫通する孔を有する。また、筒部114aの孔には、棒状の当接体114bが挿入されている。該当接体114bは、筒部114a内を左右に移動可能であり、受け部130に対して配置された下地材Tの側壁外面に当接可能である。そして、筒部114a外面には、目盛り窓114cが設けられ、当接体114bの受け部130側への突出長を視認することができる。つまり、当接体114bの突出長を調整して当接体114a先端を下地材Tの側壁に当接させることにより、下地材120の幅方向における穿孔位置を正確に位置合わせすることができる。
また、保持ハンドル115は、支持フレーム111の下端に固定され、下方に直状に延び出ている。保持ハンドル115の下端近傍には、作業者が把持可能なグリップが設けられている。後述するとおり、作業者は、この保持ハンドル115のグリップを把持しながら、手動ハンドル140を操作することにより、下地材Tへの加工作業を行うことができる。
パンチ体120は、その先端に配置された穿孔刃121と、該穿孔刃121を前進及び後退させるように軸方向に駆動される駆動軸122と、該穿孔刃121と連動して進退し、保護具150を保持する保持部(柱状部121c,鍔部121d)とを備えてなる。
穿孔刃121は、下地材Tを表面から打ち抜き可能に構成されている。該穿孔刃121は、図2に示したように、平面視円形状を有するとともにその先端が尖った円柱体である。すなわち、穿孔刃121は、二股に尖った鋭利な先端部121a及び該先端部121aの間の溝部121bからなる剪断部と、これら先端部121a及び溝部121bに連設された円柱状の柱状部121cと、該柱状部121c基端で側方に張り出した鍔部121dと、鍔部121dの裏面から突出する連結部121eと、を備えてなる。すなわち、穿孔刃121の先端部121a及び溝部121bによって、下地材Tを直接打ち抜く剪断部が定められる。この剪断部の溝部121bは、略中央の直径上に形成されて略半円状に凹んでいる。この溝部121bによって、下地材Tに貫通孔Hを穿孔する際に切断片が折り曲げられるように下地材Tから切り取られる。そして、穿孔刃121基端の鍔部121d裏面から突出した連結部121eが駆動軸122先端に埋設されることにより、穿孔刃121が駆動軸122先端に固定されている。本実施形態では、穿孔刃121は、駆動軸122先端面に穿設されたネジ孔に連結部121eを介して螺着されている。これにより、穿孔刃121が欠けたり、その切れ味が落ちた場合など、穿孔刃121のみを交換可能である。
また、穿孔刃121の基端側には、環状の保護具150を保持可能な保持部が一体的に形成されている。該保持部は、穿孔刃121の柱状部121c及び鍔部121dから構成されている。そして、保持部は、穿孔刃121と連動して進退し、保護具150先端(圧入部152)が穿孔刃121の剪断部121a,121bよりも後方に位置するように保護具150を穿孔刃121に一体的に外装保持する。すなわち、保護具150が鍔部121dに当接するまで柱状部121cに外挿されることで、保護具150が保持部によって保持される(図2参照)。
駆動軸122は、その先端に穿孔刃121を固定し、該穿孔刃121を前進及び後退させるように軸方向に駆動する。該駆動軸122は、穿孔具本体110の駆動孔112を貫通し、穿孔具本体110に対して軸方向に相対移動可能に保持されている。つまり、駆動軸122の長さが駆動孔122の貫通深さよりも長く、その先端及び/又は基端が駆動孔122の外側に延出可能である。そして、駆動軸122の先端側において、穿孔刃121の鍔部121dと支持フレーム111(駆動孔112周縁)との間にバネ124が外挿されている。該バネ124は、図3及び図4の状態で弾性的に収縮し、駆動軸122を前進(上)方向に付勢している。換言すれば、バネ124の弾性力に補助されるようにバネ124を伸張(弾性復帰)させつつ、駆動軸122が前進(上)方向に駆動される(図1、図6、図7参照)。すなわち、図3及び図4の該穿孔具100では、穿孔具100の穿孔刃121及び受け部130間の距離が最大となるように、バネ124が人力及び/又は重力(パンチ体120及び手動ハンドル140の重み)によって収縮し、鍔部121dが支持フレーム111(駆動孔112周縁)に当接した状態でパンチ体120が穿孔具本体110に保持されている。そして、穿孔刃121の先端部121aが受け部130の内方に進入するまで、駆動軸122が前進可能に構成されている(図7参照)。さらに、駆動軸122の略中央近傍には、駆動孔112の外方に突出して手動ハンドル140に該パンチ体120を回動式に連結するための回動軸125が固定されている。
受け部130は、軸方向に沿って前進する穿孔刃121を受け入れ可能な位置で穿孔具本体110の支持フレーム111のアーム部分の上端に一体的に固定されている。受け部130は、中空の筒体であり、下地材Tの裏面側に配置される。該受け部130は、下地材Tの裏面を支持する筒状の受け部本体131を備える。受け部本体131は、駆動軸122の同軸上に配置されている。換言すると、受け部本体131中心と駆動軸122中心とが平面視において合致する。また、受け部本体131の軸方向両端が開放されており、受け部本体131の下端には、穿孔刃121に対向して下方に開口する第1開口132が形成されている。図4及び図5に示すように、筒状の受け部本体131の下端で、内壁が径方向の内側に張り出し、受け部本体131の下端面に第1開口132の周縁が定められている。他方、受け部本体131の上端には上方に開口した蓋体133が固定されている。
第1開口132は、穿孔刃121とともに保持部(柱状部121c)に保持された保護具150を受け入れ可能な大きさで構成されている。より具体的には、本実施形態では、第1開口132の径は、穿孔刃121の柱状部121c及び鍔部121dでの外径よりも大きく、尚且つ、保護具150の最大外径よりも大きい。しかしながら、本発明は本実施形態に限定されず、第1開口は穿孔刃及び保護具を少なくとも部分的に受け入れ可能であればよい。
また、受け部130は、受け部本体131に対して軸方向に摺動可能であるように、受け部本体131内部に配置された摺動体135を備える。該摺動体135は、中空の筒状体であり、その内径が一様となるように軸方向に延伸し、尚且つ、下側部分において外面が拡径して段差を形成している。この摺動体135は、受け部本体131内部に入れ子式に収容されている。また、摺動体135の中心軸が受け部本体131(駆動軸122)の中心軸と同軸上に配置されている。そして、摺動体135の軸方向の移動が蓋体133と第1開口132周縁をなす壁部との間に制限されている。また、摺動体135の軸方向両端が開放されており、摺動体135の下端には、穿孔刃121と対向する第2開口136が形成されている。第2開口136は、第1開口132の内側で開口している。本実施形態では、第2開口136の内径は、穿孔刃121の外径とほぼ同一かそれよりも僅かに大きくなるように定められている。また、後述するように、摺動体135が保護具150とともに前進可能であるように、第2開口136の内径は、保護具150(圧入部152)の外径よりも小さい。
さらに、該受け部130では、摺動体135の拡径部分の上面と受け部本体131の蓋体133の下面との間に付勢部材として付勢バネ137が配置されている。付勢バネ137は、摺動体135の拡径部分の下面が第1開口132周縁壁部に当接するように、摺動体135を後方(穿孔刃121の後退方向)に付勢している。また、摺動体135の第2開口136の周縁面と、受け部本体131の第1開口132の周縁面とで略同一平面を構成している。つまり、摺動体135が下方に付勢された状態では、見かけ上、受け部本体131の下端面において第2開口136のみが下方に開口している。そして、摺動体135の端面に上方(穿孔刃121の前進方向)への力を加えることにより、付勢バネ137が収縮し、摺動体135が受け部本体131内部を軸方向に沿って摺動可能である。なお、付勢バネ137の硬さ(反発力)は、後述するとおり、保護具150に先行して穿孔刃121が貫通孔Hを形成するときに弾性変形せず、尚且つ、(より高い押圧力で)保護具150が貫通孔Hに圧入するときに弾性変形して収縮するように定められることが好ましい。
手動ハンドル140は、パンチ体120の駆動軸122を軸方向に沿って前進及び後退するように操作される。手動ハンドル140は、正面視略く字形状に屈折した長尺体である。手動ハンドル140は、穿孔具本体110及びパンチ体120に連結される連結アーム141と、作業者が把持及び操作するための把持部142とを備える。該手動ハンドル140では、把持部142の方が連結アーム141よりも長くなっている。図3(c)に示すように、連結アーム141は、一対の細長い板体であり、穿孔具本体110を正面及び背面から挟み込むように構成されている。そして、連結アーム141が先端側で屈折し、その先端に棒状の把持部142が着設されている。つまり、把持部142が該連結アーム141から直線的に延びている。
また、手動ハンドル140の連結アーム141の基端近傍には、長円状の回動孔143が穿設されている。この回動孔143は、連結アーム141の長さ方向に沿って延びている。該回動孔143を駆動軸122の回動軸125が貫通することにより、手動ハンドル140及びパンチ体120が回動式に連結されている。また、回動孔143が長円形状であることにより、手動ハンドル140の回動に伴い、回動軸125が連結アーム141の長さ方向に沿ってスライド可能である。
そして、連結アーム141には、その先端側で回動孔143に隣接して可動軸145が設けられている。この可動軸145がガイド溝113を正面から背面まで貫通することにより、手動ハンドル140が駆動軸122の軸方向に可動式に穿孔具本体110に保持及び連結されている。より詳細には、図4及び図5に示すように、可動軸145の断面視において、ガイド溝113の長さ方向の側面が湾曲して円弧面を形成しているとともに、ガイド溝113の幅方向の側面が直状の平面を形成している。該可動軸145の平面間の幅(左右の幅)は、スリット113aの幅とほぼ等しい。可動軸145の円弧面間の幅(上下の幅)は、スリット113aの幅よりも大きい。そして、ガイド溝113の直状のスリット113a内に可動軸145が配置されているとき、ガイド溝113の直状のスリット113a内を可動軸145が直線的に摺動可能であるが、スリット113a内で傾動することができない。これにより、手動ハンドル140の穿孔具本体110及びパンチ体120に対する回動が規制されている。つまり、スリット113aの幅方向内面と可動軸145の幅方向側面とが互いに近接又はほぼ当接しているため、スリット113a内において可動軸145の直線方向の移動のみが許容されている。他方、図6及び図7で後述するように、ガイド溝113の丸孔113bに可動軸145が位置している場合、可動軸145の円弧面のアールが丸孔113bの形状に対応しているため、手動ハンドル140の穿孔具本体110及びパンチ体120に対する回動が許容される。
次に、図5乃至図7を参照して、穿孔具100の駆動機構について詳細に説明する。
図5は、穿孔具100の第1形態を示し、バネ124が弾性変形して完全に収縮することで穿孔刃121が完全に後退している。この第1形態において、手動ハンドル140の可動軸145がガイド溝113のスリット113aの下端近傍に位置し、尚且つ、パンチ体120の回動軸125が手動ハンドル140の回動孔143の略中央近傍に位置している。このとき、手動ハンドル140の軸方向のスライド移動が許容されているが、その回動が規制されている。図5に示した第1形態は、穿孔刃121及び受け部130間の距離が最大となるため、側方から穿孔刃121と受け部130との間に下地材Tを側方から配置する際に選択され得る。図5の第1形態から手動ハンドル140を軸方向に沿って上方にスライドさせ、バネ124を伸張させつつ、可動軸145をガイド溝113内で上方に移動させると、図6の第2形態となる。
図6の形態では、可動軸145がガイド溝113の丸孔113b内に位置し、可動軸145上面が丸孔113b内面に当接している。すなわち、手動ハンドル140が穿孔具本体110に対して最上位置まで移動し、穿孔刃121の先端部121aが受け部130の第1開口132に近接している。本実施形態において、手動ハンドル140を最上位置まで移動させた状態で、穿孔刃121の先端部121aと受け部130の第1開口132との間の距離が、下地材Tの厚みよりも大きいことが好ましい。より好ましくは、該距離は下地材Tの厚みとほぼ等しい。例えば、手動ハンドル140が最上位置に移動する前(つまり、可動軸145が丸孔113b内に移動する前)に、穿孔刃121が下地材Tに当接したら、手動ハンドル140の回動が困難となるからである。そして、図6の形態から、可動軸145を中心に手動ハンドル140を下方に回動させると、可動軸145が丸孔113b内で回転し、パンチ体120及び手動ハンドル140が互いに回動する。より詳細には、回動軸125を介して駆動軸122が連結アーム141に対して回動すると同時に、回動軸125が長孔状の回動孔143内を連結アーム141の先端側(図6の右側)にスライドする。その結果、駆動軸122がさらに前進して、穿孔刃121が受け部本体131の第1開口132内に進入する。なお、可動軸145と回動軸125の距離よりも、可動軸145から把持部142までの距離が大きいため、穿孔の際、弱い力で駆動軸122を前進させることができる。
図7の第3形態では、手動ハンドル140が可動軸145を中心に穿孔具本体110に対して回動し、穿孔刃121及び駆動軸122が前進し、第1開口132を介して穿孔刃121の一部が受け部130内部に収容されている。より詳細には、摺動体135の第2開口136に穿孔刃121の剪断部(先端部121a、溝部121b)及び柱状部121cが進入し、鍔部121dが受け部130の摺動体135に当接している。このとき、可動軸145が丸孔113bで回転して傾斜しているとともに、回動軸125が回動孔143内で右端側に位置している。図7のような可動軸145が傾斜した状態では、可動軸145の円弧面間の幅がスリット113aの幅よりも大きいので、可動軸145が丸孔113bからスリット113aに進入することができない。つまり、図7の形態では、手動ハンドル140の穿孔具本体110及びパンチ体120に対する回動が許容されるが、軸方向への移動が規制されている。すなわち、作業者が手動ハンドル140を回動させる際、手動ハンドル140が不意に下方に降下することが防止されるので、その操作性が向上する。なお、手動ハンドル140を逆方向に回動させ、下方にスライドさせることで、穿孔具100を図5の第1形態に戻すことができる。
上記のとおり、図3乃至図7を参照して、本実施形態の穿孔具100を説明した。該穿孔具100は、保持部によって保護具150を保持可能に構成されているが、保護具150を装填せずに、板材に貫通孔を形成する用途のみに使用されてもよいことは言うまでもない。
次いで、図8を参照して、穿孔具100に装填される環状の保護具150について説明する。図8(a)〜(d)は、該保護具150の斜視図、正面図、平面図、B−B断面図である。図8に示すように、保護具150は、円筒状の保護部151、該保護部151の先端に形成された圧入部152、該保護部151基端に形成されたフランジ部153を備える。保護部151は、貫通孔23端面を内側から覆い、配線・配管材と貫通孔23端面とを隔てるように機能する。また、圧入部152は、保護部151から先細りした形状を有し、先端に向けて縮径したテーパー面を形成する。圧入部152の基端が保護部151よりも僅かに拡径し、圧入部152と保護部151との間には、段差状の係止部154が形成されている。そして、フランジ部153は、保護部151基端から張り出し、基端側に向けて拡径した傾斜面を有している。本実施形態では、保護具150(保護部151)の内径は、穿孔刃121の柱状部121cの外径とほぼ等しい。これにより、保護具150が柱状部121cに外挿されたとき、相互間の摩擦力によって容易に抜け落ちることがない。また、本実施形態では、保護具150の最大外径(フランジ部153の径)が受け部本体131の第1開口132の内径よりも小さく、且つ、保護具150の最小外径(圧入部152先端の径)が摺動体135の第2開口136の内径よりも大きい。
本実施形態の保護具150は、例えば、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンプラスチック)、ポリエチレン、ポリカーボネート等の硬質な合成樹脂から形成されている。しかしながら、本発明の保護具は上記材質に限定されず、金属等の他の材料で構成されてもよい。また、本実施形態の保護具150は、切れ目のない環状体として構成されているが、本発明の「環状の保護具」は、周方向の一部にスリットが形成され、一部が開いているC字形状やコ字状の環をも含む概念である。
続いて、図9乃至図12を参照し、本実施形態の貫通孔加工装置10を用いて、下地材Tを加工し、加工済下地材(又は加工済板材)T’を製造する方法を説明する。図9(a)〜(c)は一連の工程の流れを示す模式図である。図10乃至図12は各工程をより詳細に示した概略断面図である。なお、本実施形態では、下地材Tは断面視コ字形状の長手状の鋼材である。
まず、穿孔具100の保持部である穿孔刃121の柱状部121c及び鍔部121dに保護具150を外装保持(つまり、外挿及び装着)し、保護具150を穿孔具100に保持させることにより、貫通孔加工装置10を準備する。そして、図9(a)に示すように、穿孔刃121及び保護具150を下地材Tの表面側に配置するとともに、受け部130を下地材Tの裏面側に配置する。このとき、バネ124を収縮させるように弾性変形させ、手動ハンドル140を下方にスライドさせ、穿孔刃121と受け部130との距離を最大とすることにより、下地材Tを所定位置に配置し易くなる。次いで、下地材Tの裏面を受け部本体131(第1開口132周縁)に当接させるとともに、位置決め機構114の当接体114bを当接させることにより、下地材Tの穿孔位置の位置決めを行う。つまり、当接体114bの突出量を目盛り窓114cによって決定することにより、穿孔具100の穿孔中心位置を下地材T幅方向中央に合わせることができる。
次に、図9(a)の仮想線のごとく、手動ハンドル140を把持し、軸方向上方にスライドさせ、穿孔刃121先端を下地材T表面に当接又は近接させる。より詳細には、図10に示すように、手動ハンドル140の可動軸145がガイド溝113のスリット113a内を上方に移動し、丸孔113b内に移動するまで、手動ハンドル140を軸方向に沿って前進させる。このとき、バネ124の弾性復帰力が作用し、手動ハンドル140の上方スライドが補助される。そして、可動軸145がガイド溝113上側内壁に当接して、手動ハンドル140が穿孔具本体110に対して最上位置で停止する。
次いで、図9(b)に示すように、駆動軸122を前進操作し、穿孔刃121及び保護具150を受け部130に向けて前進させて、穿孔刃121で下地材Tを打ち抜いて貫通孔Hを形成する。すなわち、作業者は、穿孔具本体110の保持ハンドル115を把持しつつ、手動ハンドル140の把持部142を把持して操作し、手動ハンドル140を保持ハンドル115に対して近接させるように可動軸145を軸として回動させる。このように手動ハンドル140を下方に回動させることにより、穿孔刃121の剪断部121a,121bをさらに前進させ、下地材Tを穿孔することができる。なお、長尺の保持ハンドル115及び手動ハンドル140の下端を操作できるので、てこの原理を利用して、弱い力で手動ハンドル140を回動操作することができる。
図11に示すとおり、この貫通孔形成工程では、穿孔刃121の剪断部121a,121b及び柱状部121cの一部が(第1開口部132の内側に位置する)摺動体135の第2開口136内に前進することにより、穿孔刃121が下地材Tを貫通する。そして、保持部に保持された保護具150先端(圧入部152)が貫通孔Hの周縁に当接している。換言すると、この貫通孔Hを形成した後、下地材Tの貫通孔H周縁を摺動体135端面(第2開口136周縁)と保護具150先端(圧入部152)とで挟み込んでいる。
本実施形態では、図11に示すように、穿孔刃121の外径、第2開口136内径がほぼ等しく、形成される貫通孔Hの径もこれらとほぼ等しい。すなわち、穿孔時において、受け部本体131の第1開口132と穿孔刃121外縁との間に摺動体135(第2開口136周縁)が配置されることにより、下地材T裏面が第1開口132周縁だけでなく第2開口136周縁によっても下支えされる。このように、第1開口132周縁よりも穿孔刃121外縁に近い部分で下地材T裏面が支持されるので、穿孔刃121が下地材Tをより確実に、尚且つ、きれいな形状で打ち抜くことが可能である。特には、付勢バネ137は、穿孔工程において、収縮方向に弾性変形しない硬さ(反発力)を有してることが好ましい。すなわち、穿孔刃121が下地材Tを先んじて穿孔するときに、付勢バネ137の反発力によって下地材T裏面が安定的に支持され、(保護具150に先行する)穿孔刃121の剪断部によって貫通孔H周縁で下地材Tが裏面側に折れ曲がることを防止し、よりきれいな形状の貫通孔Hを形成することができる。また、図11に示すように、貫通孔Hの形成と同時に下地材Tの切除片T1が生成される。切除片T1は、穿孔刃121の刃形(先端部121a及び溝部121b形状)によって折り曲げられながら下地材Tから分離される。このように切除片T1が折り曲がって、その大きさが貫通孔Hや第2開口136と比べて実質的に小さくなるため、受け部130の内部から簡単に切除片T1を除去することができる。
続いて、図9(c)に示すように、駆動軸122をさらに前進操作し、貫通孔H周縁を押し拡げるように、保持部に外装保持された保護具150の圧入部152を貫通孔Hに圧入し、保護具150を貫通孔H周縁に取着する。すなわち、図9(b)及び図11の状態から、より強い力で手動ハンドル140を下方に回動させることにより、駆動軸122をさらに前進させ、図12に示すように、穿孔刃121(より具体的には、穿孔刃121の剪断部121a、121b)に続いて、保持部に保持された保護具150を貫通孔Hに圧入することができる。より詳細には、駆動軸122に前進方向の力が加わると、鍔部121cが保護具150を下地材Tに対して押圧する。そして、保護具150の圧入部152が下地材Tの貫通孔H周縁を裏面側に折り曲げつつ、受け部本体131の第1開口132内に受け入れられる。ここで、保護具150の圧入部152の先端がテーパー状であることにより、貫通孔H周縁の端縁(エッジ)近傍に押圧力を集中させて効果的に下地材Tを押圧することが可能である。これにより、弱い力でも保護具150(圧入部152)による貫通孔Hの拡径(貫通孔H周縁の折り曲げ)が容易となる。同時に、下地材Tを介して摺動体135が保護具150に押圧されることにより、付勢バネ137が収縮して摺動体135が(前進方向に)押し上げられる。つまり、穿孔刃121及び保護具150の前進に連動して摺動体135が軸方向に沿って摺動する。このように、保護具150及び摺動体135が下地材T(貫通孔H周縁)を挟持しつつ、駆動軸122が前進することにより、下地材Tをより確実且つ安定的に貫通孔Hを押し拡げることができる。
最終的に、図12に示すように、保護具150のフランジ部153端面が下地材T表面とほぼ面一となるように、保護具150基端(フランジ部153)が受け部本体131の第1開口132内に受け入れられるまで、駆動軸122を前進させる。より詳細には、保護具150のフランジ部153の傾斜面が下地材Tの貫通孔H周縁を裏面側に凹ませるように塑性変形させ、フランジ部153端面が下地材T表面と面一となるまで、保護具150が貫通孔Hに押し込まれる。該フランジ部153は、貫通孔H周縁の環状凹部に受け止められるので、裏面側に抜けることはない。特には、本実施形態では、加工済下地材T’の下面(表面)が天井パネルが設置される天井面に配置されるため、下地材T裏面に保護具150に起因する凹凸がない(又は少ない)ことが好ましい。その結果、保護具150を貫通孔Hに嵌め込み、加工済下地材T’(図13参照)を製造することができる。
以上説明したとおり、穿孔刃121の「一前進動作」によって、下地材Tへの貫通孔H形成から貫通孔Hへの保護具150の取着までの一連の工程を完遂することが可能である。この「一前進動作」とは、穿孔刃121が駆動軸122とともに一方向に前進する動作を意味する。しかしながら、本貫通孔加工装置10及び上記工程において、穿孔刃121により貫通孔Hを穿孔した後、穿孔刃121の前進を一旦停止し、あるいは、穿孔刃121を逆方向に後退させた後、再度、穿孔刃121を前進させて貫通孔Hに保護具150を取着してもよいことは言うまでもない。つまり、「一前進動作」とは、その経路を問わずに最終的に後退位置から前進位置まで穿孔刃が移動することを意味する概念である。
なお、下地材Tの加工後に、以下の手順によって穿孔具100を取り外すことができる。手動ハンドル140を上方に回動させ、図10のように、可動軸145を駆動軸122の軸方向に整列させる。そして、可動軸145をガイド溝113のスリット113aに進入させつつ、手動ハンドル140を下方に押し下げる。これにより、駆動軸122が後退し、穿孔刃121先端と加工済下地材T’表面との間の距離が広がり、穿孔具100を加工済下地材T’から離脱させることができる。
図13は、下地材Tに保護具150で保護された配線・配管材用挿通孔が形成された加工済下地材T’を示している。図13に示すとおり、加工済下地材T’では、下地材Tの貫通孔Hの内側に円環状の保護部151が配置され、保護部151内面が貫通孔H内方に臨むように、貫通孔H周縁を被覆している。つまり、貫通孔Hは、穿孔刃121による穿孔後に保護具150の保護部151外径まで拡張されている。また、保護具150先端の圧入部152が、加工済下地材T’の裏面側に突き抜けている。さらに、保護具150基端のフランジ部153が加工済下地材T’の表面に埋め込まれており、保護具150のフランジ部153端面が加工済下地材T’表面とほぼ面一となっている。つまり、貫通孔H周縁の屈折片が保護具150の保護部151及びフランジ部153の外面形状に沿って屈曲している。このとき、貫通孔H周縁の裏面側に折り曲げられた端面と圧入部152基端の係止部154とが係合することにより、保護具150が加工済下地材T’の表面側に抜け落ちることが規制されている。また、フランジ部153の最大径が拡張した貫通孔Hの径よりも大きいので、保護具150が加工済下地材T’の裏面側に抜け落ちることが規制されている。すなわち、加工済下地材T’において、保護具150が貫通孔H周縁に脱落防止に取着され、配線・配管材用の挿通孔が形成されている。
以下、本発明に係る一実施形態の貫通孔加工装置10及び穿孔具100における作用効果について説明する。
本実施形態の貫通孔加工装置10及び穿孔具100によれば、穿孔具100の穿孔刃121の柱状部121c及び鍔部121d(保持部)に保護具150が保持される。保護具150は、その厚入部152先端が穿孔刃121の剪断部121a,121bよりも後方に位置するように、穿孔刃121に一体的に設けられた保持部(柱状部121c、鍔部121d)によって外装保持され、穿孔刃121と連動して軸方向に進退する。また、受け部130の第1開口132が、保持部に保持された状態の保護具150を穿孔刃121とともに受け入れ可能に開口している。そして、穿孔刃121が先行して下地材Tに貫通孔Hを穿設し、保持部に保持された保護具150の圧入部152が貫通孔Hを押し拡げながら圧入することにより、保護具150が貫通孔H周縁に取着される。すなわち、穿孔具100の駆動軸122を一方向に前進駆動させるという一前進動作(一操作)によって、貫通孔Hの穿孔工程及び保護具150の取着工程の2つの工程を間髪入れずに連続的に実行することが可能である。換言すると、穿孔動作で下地材Tを打ち抜くとともに保護具150の嵌め込みができるため、従来の作業の手間を大幅に軽減した。
さらに、本実施形態の貫通孔加工装置10によれば、受け部本体131の第1開口132の内側には、軸方向に摺動可能に配置された摺動体135が設けられている。また、該摺動体135には、穿孔刃121の外径と同一かそれよりも大きいとともに保護具150(特には圧入部152)の外径よりも小さい径を有する第2開口136が形成されている。つまり、穿孔刃121が穿孔時に第2開口136に進入可能であり、且つ、圧入部152が下地材Tを介して摺動体135(第2開口136周縁)を押圧可能である。そして、受け部本体131の第1開口132と穿孔刃121外縁との間に摺動体135(第2開口136周縁)が配置されることにより、穿孔時に下地材T裏面が(付勢バネ137によって付勢された)摺動体135によっても下支えされる。このように、第1開口132周縁よりも穿孔刃121外縁に近い部分で下地材T裏面が支持されるので、穿孔刃121が下地材Tを確実且つきれいに打ち抜くことが可能となる。さらに、保護具150及び摺動体135が下地材T(貫通孔H周縁)を挟持しつつ、駆動軸122が前進することにより、下地材Tをより確実且つ安定的に貫通孔Hを押し拡げることができる。
本実施形態の貫通孔加工装置10は、保護具150を穿孔刃121に外装保持するので、貫通孔Hへの保護具150の付け忘れを未然に防止することができる。すなわち、従来の穿孔具では、穿孔工程と保護具取着工程とが完全に独立した工程からなるので、穿孔後に保護具の取着を忘れる虞があった。上記のとおり、本発明は、このような課題をも解決するものである。
したがって、本実施形態の貫通孔加工装置10は、より簡単且つ確実に、下地材Tに貫通孔Hを形成するとともに貫通孔Hに保護具150を取り付けて、配線・配管材用の挿通孔を備えた加工済下地材T’を容易に製造することができる。
本実施形態の製造方法によって製造された加工済下地材20’では、加工済下地材20’の下面が面一(つまり、フランジ部153が下地材表面側に突出しない)になるように、保護具150が貫通孔Hに圧入されているので、下地材20’に天井や壁等のパネル材を配設する際に邪魔にならないという効果が発揮される。
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の変形例を説明する。なお、各実施形態において、三桁で示される構成要素において下二桁が共通する構成要素は、特定がない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
(1)上記実施形態の貫通孔加工装置10及び穿孔具100では、手動ハンドル140を作業者が人力で回動させることにより、駆動軸122を前進又は後退させるように駆動するが、本発明はこれに限定されない。例えば、図14に示す貫通孔加工装置20(穿孔具200)は、手動ハンドルを省略し、且つ、穿孔具本体210からガイド溝を省略したものである。穿孔具200の駆動軸222は、人力でなく外部からの動力によって前後に駆動されてもよい。例えば、油圧シリンダ、電動アクチュエータなどの駆動軸222の前進及び後退手段を有する機械によって駆動軸222を自動で駆動可能である。すなわち、本発明の貫通孔加工装置及び穿孔具の技術的思想は、手動式に限らず、他の駆動形式においても同様に応用可能である。
(2)上記実施形態の貫通孔加工装置10及び穿孔具100では、穿孔刃121の保護具121c,121dは、1つだけの保護具150を保持可能に構成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図15に示す穿孔具300は、複数個の保護具350を保持部321c,321dに装填可能である。つまり、穿孔刃321の柱状部321cが複数の保護具350を積み重ねて外挿可能に長尺に構成されている。また、該穿孔具300は、図14と同様に機械(又は人力でもよい)によって駆動されるように構成されている。そして、複数の保護具350が保持部に保持された状態で駆動軸322が前進駆動され、下地材Tに穿孔刃321が打ち込まれることにより、最上段にセットされた保護具350が保持部から除去されて下地材Tの貫通孔Hに取着される。残りの保護具350も同様に下地材Tに取着可能である。すなわち、該貫通孔加工装置30によれば、予め複数の保護具350を充填しておくことにより、保護具350をその都度装填しなくとも連続的に複数の貫通孔を加工する作業を行うことが可能である。
(3)上記実施形態の穿孔具100は、第2開口136を有する摺動体135を備えるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の穿孔具から摺動体及び第2開口が省略されてもよい。このような最小構成においても、同様に、駆動軸の前進操作によって貫通孔の穿設に続いて貫通孔への保護具の取着を行うことが可能である。
(4)上記実施形態の穿孔具は、上記実施形態の形状・寸法に限定されることはない。すなわち、穿孔刃の形状は、板材を打ち抜き可能であれば、他の形状であってもよい。例えば、穿孔刃の剪断部は、溝部を設けない正面視において直線的な刃先を有していてもよい。さらに、穿孔刃や駆動軸の断面形状は多角形、楕円形などであってもよい。これに対応し、保護具の形状も多角形、楕円形のOリング、Cリング等であってもよい。また、上記実施形態では、保持部は、穿孔刃121の柱状部121c、鍔部121dで構成されるが、保護具を保持可能であれば、当該構成に限定されない。例えば、保持部は、穿孔刃でなく、穿孔刃の基端側に別途形成されてもよい。一例として、穿孔刃と駆動軸との間に柱状部及び鍔部を有する保持体(保持部)を設けたり、駆動軸先端に保持部を一体的に形成してもよい。つまり、本発明の「穿孔刃に外装保持する」とは、保持部が穿孔刃と軸方向に離隔した位置で保護具を保持することをも含む概念である。さらに、上記実施形態では、第1開口132は、穿孔刃121の鍔部121d及び保護具150のフランジ部153の径よりも大きく構成されているが、本発明は当該寸法に限定されない。すなわち、保護具の一部を板材に埋め込んで貫通孔端面を保護可能であれば十分であるため、第1開口の径が、穿孔刃の刃先及び保護部の圧入部の径よりも大きければ、穿孔刃の鍔部や保護具のフランジ部の径よりも小さくてもよい。つまり、加工済板材において、保護具の基端(フランジ部)が板材表面から突出していてもよい。
(5)上記実施形態では、貫通孔加工装置10は天井や壁裏の下地材Tに配線・配管材用の挿通孔を形成することに用いられる。しかしながら、本発明は、板材に保護具を取り付けた貫通孔を形成する用途であれば、下地材に配線・配管材用の挿通孔を形成する用途に限定されない。例えば、室内に露出する板材の貫通孔を保護具で保護し、人が貫通孔端面を触って怪我をすることを防止する用途に用いられてもよい。したがって、本発明は貫通孔加工装置及び穿孔具は、種々の用途に適用可能である。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。