以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。また、リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
この実施の形態において、スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画(たとえば、所定のキャラクタ動画等の動画)を表示した後、表示結果導出表示前の最終的な演出表示において、変動中の中演出図柄をスクロールさせる演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、前述の動画を表示せずに背景画像(図柄の背景を構成する画像)の種類をリーチ状態となる前に表示されていた画像とは異ならせるような比較的簡素な演出表示が実行される。このようなノーマルリーチでは、たとえば、中図柄の最終停止図柄の停止表示前のスクロール状態において、たとえば、3図柄前等の任意の図柄数(図柄配列数)前の図柄から変動表示速度を減速する演出が行なわれることにより、表示結果導出表示前の最終的な演出表示が行なわれる。なお、ノーマルリーチでは、その他の演出表示が行なわれる場合もある。
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様で大当り表示結果以外のはずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報(保留記憶情報)を示す(特定する)場合にも用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数および第2保留記憶数を合算(合計)した形式で表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。合算保留記憶表示部18cでは、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示されることにより、保留記憶数が示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
この実施の形態においては、高確率状態に制御されたときに、時短状態および高ベース状態に制御されるが、時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、リアルタイムクロック(RTC)108、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。RTC108は、年/月/日/曜日および時/分/秒の情報を含む時刻情報を出力する機能を備える。RTC108は、電波時計を用いて計時値を定期的に日本標準時刻に自動調整する機能を有する。RTC108は、パチンコ遊技機1への電力の供給が断たれている場合には、バックアップ電源回路(図示せず)から電力の供給を受けて動作する。なお、RTC108は、主基板31側に設けられ、その計時情報が演出制御用マイクロコンピュータに供給されるように構成してもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。変動パターン種別は、変動パターン種別選択テーブルに予め定められた選択割合で設定された複数種類の変動パターン種別のうちから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いてランダムに選択決定され、変動パターンは、変動パターン選択テーブルに予め定められた選択割合で設定された複数種類の変動パターンのうちから、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いてランダムに選択決定される。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定された変動パターン種別テーブルを用いることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短状態でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。また、時短状態では、時短状態でないときに用いられる変動パターンが設定された変動パターンテーブルよりも変動時間が短い変動パターンが設定された変動パターンテーブルを用いて変動パターンが選択されることにより、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする特別図柄の保留記憶数(第1特別図柄と第2特別図柄との合算保留記憶数)が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御が実行されるようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動時間自体を短くしてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図6に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図6のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図10参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図7(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図7(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図7(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図7(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図7(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1または第2始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理(たとえば、S1217,S1228の入賞時演出処理)の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次に、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次に、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図10は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図7で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図7に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図7(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次に、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターンの決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが1タイマ割込内に一括して送信される。
次に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図7(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次に、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドが1タイマ割込内に一括して送信される。
図11は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、客待ちデモ表示と呼ばれるデモンストレーション表示(以下デモ表示とも呼ぶ)を指定する客待ちデモ表示指定コマンドを送信するための処理をし(S77)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図7(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図9のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図6参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、本実施の形態で行なわれる特定演出としての一斉演出と、所定演出としての客待ちデモ表示演出との関係を説明する。客待ちデモ表示演出は、第1計時手段としての遊技停止期間計測タイマが、合算保留記憶個数が「0」となっている状態である遊技停止状態(遊技球を発射しているか否かに関わらず保留記憶情報が全くない状態)となったときからの経過時間を計時し、その計時値が所定値(たとえば、60秒間)となったときに、演出表示装置9において所定演出として、デモンストレーション用に設けられた客待ちデモ表示を実行する演出である。具体的には、図11のS77に示すように合算保留記憶個数が「0」となったときに客待ちデモ指定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、図18のS824に示すように演出制御用マイクロコンピュータ100において、そのコマンドを受信してから所定期間変動表示が実行されないときに客待ちデモ表示が実行される。このような客待ちデモ表示は、遊技が行なわれること(たとえば、新たに保留記憶が発生して変動表示が実行されること)により終了する。
なお、客待ちデモ表示は、合算保留記憶情報が全くない状態が所定期間継続したことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により計時したときに実行開始されるようにしてもよい。また、客待ちデモ表示は、合算保留記憶情報が全くなく、かつ、遊技球が発射されていない状態であることを、遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により認識し、その状態が特定期間継続したことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により計時したときに実行開始されるようにしてもよい。また、客待ちデモ表示は、合算保留記憶情報が全くなく、かつ、遊技者が打球操作ハンドル5に接触していない状態であることを、遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により認識し、その状態が特定期間継続したことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により計時したときに実行開始されるようにしてもよい。また、客待ちデモ表示は、変動表示が実行されていない状態であることを、遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により認識し、その状態が予め定められた期間継続したことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100により計時したときに実行開始されるようにしてもよい。
また、一斉演出は、RTC108の計時値に基づいて時刻の計時が可能な時間計測タイマの計時値が所定値(たとえば、時刻が10:00、11:00、12:00…というように計時値が正時に該当する値)となったときに、特定演出として、同一機種の他のパチンコ遊技機と同期する態様で複数台のパチンコ遊技機1が演出表示装置9等の演出装置を用いて、一斉に特定の演出を所定時間(たとえば、5分間)に亘り実行可能な演出である。つまり、一斉演出は、RTC108の計時結果に基づく演出である。このような一斉演出をする特定演出は、遊技(変動表示や遊技球の発射など)が行なわれていているか否かに関わらず、所定時間が経過するまで継続される。
客待ちデモ表示は、遊技が行なわれること(たとえば、新たに保留記憶が発生して変動表示がすること)により終了するので、表示の継続時間が不定となり得る。一方、一斉演出は、予め定められた所定期間に亘り実行されるようにデータが設定されているので、演出の継続時間は一定である。
なお、客待ちデモ表示は、遊技球の発射が検出されたことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が認識したことを条件として終了させてもよい。また、客待ちデモ表示は、遊技者の打球操作ハンドル5への接触が検出されたことを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が認識したことを条件として終了させてもよい。また、客待ちデモ表示は、変動表示が実行されることを遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が認識したことを条件として終了させてもよい。また、客待ちデモ表示は、たとえば、プッシュボタン120、トリガボタン125、または、傾倒方向センサユニット123等の所定の動作手段(ボタン、コントローラ等の動作(操作)手段)の動作が検出されたことが遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が認識したことを条件として終了させてもよい。また、客待ちデモ表示は、たとえば、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23等の遊技盤6に設けられたセンサのいずれかにより遊技球の進入が検出されたことが遊技制御用マイクロコンピュータ560または演出制御用マイクロコンピュータ100が認識したことを条件として終了させてもよい。
図12は、一斉演出をする特定演出、および、客待ちデモ表示をする所定演出が実行されるときの演出制御タイミングの一例を示すタイミングチャートである。図12においては、遊技店に設置された台番号「1」のパチンコ遊技機1における演出制御タイミングが(A)に示され、遊技店に設置された台番号「2」のパチンコ遊技機1における演出制御タイミングが(B)に示されている。台番号「1」と台番号「2」とは、同じ機種のパチンコ遊技機1である。遊技店においては、基本的に、同一機種のパチンコ遊技機が同一の遊技機設置島(遊技店内に所定数設けられ、複数台のパチンコ遊技機を集合させた態様で設置可能な島状の遊技機設置場所)に設置される。たとえば、台番号「1」と台番号「2」とは、同じ遊技機設置島内で隣合う位置に設置されている。
図12(A),(B)に示すように、遊技店において、たとえば時刻10:00に、パチンコ遊技機1を含む設置されている全台の遊技機の電源が一斉に自動投入されることにより、時刻10:00からパチンコ遊技機1の全台が同時に動作を開始する。なお、遊技店に設置されている全台の遊技機の電源投入は、自動的ではなく、遊技店の管理者が、全台の遊技機の電源投入をするために設けられた電源スイッチ等の操作手段を操作することにより一斉に(同時に)行なわれてもよい。
そして、台番号「1」および台番号「2」について、一斉の電源投入後、保留記憶情報が記憶されなかったことが遊技停止期間計測タイマの計時情報に基づいて、客待ちデモ表示を実行する条件となる時間としての所定期間(60秒間)が経過したときに、図12(A),(B)に示すように、台番号「1」および台番号「2」において、たとえば、所定の動画像の表示等の演出をする客待ちデモ表示(図中、デモ表示)が同時に実行開始される。これは、電源投入が同時に行なわれため、保留記憶情報が記憶されなかった所定期間の計時を開始するタイミングが同じタイミングとなったからである。これにより、台番号「1」および台番号「2」において、客待ちデモ表示が同期した態様で実行される。同じ機種のパチンコ遊技機1における客待ちデモ表示の表示態様は同一であるので、このように複数台のパチンコ遊技機1において客待ちデモ表示が同期した態様で実行されると、1台で客待ちデモ表示が実行されるときと比べて、デモ表示の演出の面白みを向上させることができる。
その後、各台のパチンコ遊技機1において遊技が実行されていると、図12(A),(B)に示すように、変動表示が実行される状況と、変動表示が実行されない状況とが台ごとに異なってくる。したがって、図12(A),(B)に示すように、電源投入後、しばらくの期間が経過すると、各台において、客待ちデモ表示が同期した態様で実行され得なくなる。
そこで、パチンコ遊技機1においては、たとえば、図12の(A),(B)に示す時刻12:00のような特定演出としての一斉演出を実行する設定時刻から特定時間(たとえば、5分間)が経過して一斉演出の終了条件が成立したときに、遊技停止期間計測タイマの計時値を初期化(0クリア)する計時初期化制御が実行される。このような計時初期化制御により、一斉演出の終了条件成立時に遊技停止期間計測タイマの計時値が初期化されると、図12の(A),(B)に示す一斉演出終了後のように、たとえば、遊技が行なわれていないと認められるような、保留記憶がない複数台のパチンコ遊技機1において、客待ちデモ表示の実行開始タイミングを一致させ、客待ちデモ表示の演出を同期させることが可能となる。
この実施の形態のパチンコ遊技機1においては、遊技者の操作(動作)に従って、たとえば、音量および輝度等の演出に関する複数種類の設定をすることが可能である。図13は、音量輝度設定画面の具体例を示す説明図である。
図13(A)に示すように、この実施の形態では、たとえば、客待ちデモ表示中において、「デモ表示中」等の客待ちデモ表示中であることを示す表示画像とともに、「音量を設定してね!」等の表示画像を含む音量輝度設定画面が演出表示装置9に表示される。図13(A)に示す音量輝度設定画面において、遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、演出時等にスピーカ27から出力される音量を0〜100(最大音量に対する%表示に相当する数値)の中から選択操作し、スティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したりプッシュボタン120を押下操作したりすることによって選択中の音量の決定操作を行なう。この場合、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の傾倒方向センサユニット123からの傾倒操作信号に基づいて音量を選択し、スティックコントローラ122のトリガセンサ125やプッシュボタン120のプッシュセンサ124からの信号を入力したことに基づいて、選択中の音量を音量設定値として入力する。
また、音量の設定が終わると、たとえば、図13(B)に示すように、音量輝度設定画面が「輝度を設定してね!」等の表示画像を含む画面に切り換わる。図13(B)に示す表示画面において、遊技者は、たとえば、スティックコントローラ122を左右に傾倒操作することにより、枠LED28の輝度を0〜100(最大輝度に対する%表示に相当する数値)の中から選択操作し、スティックコントローラ122のトリガボタン125を押引操作したりプッシュボタン120を押下操作したりすることによって選択中の輝度の決定操作を行なう。この場合、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の傾倒方向センサユニット123からの傾倒操作信号に基づいて輝度を選択し、スティックコントローラ122のトリガセンサ125やプッシュボタン120のプッシュセンサ124からの信号を入力したことに基づいて、選択中の輝度を輝度設定値として入力する。なお、輝度設定は、枠LED28の輝度に限らず、その他の発光手段の輝度を対象として設定可能なものとしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、トリガセンサ125、プッシュセンサ124、および、傾倒方向センサユニット123により、遊技者の動作による操作が検出され、その検出に基づいて、音量および輝度が選択可能となる。
なお、この実施の形態では、遊技開始前の客待ちデモ表示中に遊技者の操作に従って音量や輝度の設定を行なえるようにする場合を示しているが、客待ちデモ表示中に加えて、または客待ちデモ表示中に代えて、演出図柄の変動表示中に音量や輝度の設定や変更を行なえるようにしてもよい。この場合、たとえば、後述する演出図柄変動中処理においてS811F〜S811Iと同様の処理を行なうことによって、演出図柄の変動表示中であっても音量や輝度の設定や変更を行なえるようにすればよい。
また、遊技者の操作に従って設定可能な対象としては、前述した音量および輝度に限らず、演出モード等のその他の演出に関する設定を用いてもよい。たとえば、遊技状況に応じて制御される演出モードを選択して実行可能となるように、演出制御基板のROM102に複数種類の演出モードを実行するためのデータを記憶させておき、前述した音量および輝度と同様の設定画面を表示し、前述したような遊技者の操作に応じて、複数種類の演出モードのうちから1つの演出モードでの演出が選択されて実行されるようにすればよい。遊技者の操作に従って設定可能な対象としては、音量のみ、輝度のみ、演出モードのみ等、1種類の設定事項のみを設定可能としてもよく、音量と輝度との組合せ、音量と演出モードとの組合せ、輝度と演出モードとの組合せ、または、音量と輝度と演出モードとの組合せ等のような複数種類の設定事項の組合せを設定可能としてもよい。
また、この実施の形態では、トリガボタン125、プッシュセンサ124、および、傾倒方向センサユニット123のような、遊技者の動作による操作を検出可能な検出手段を用いて、遊技者による音量および輝度の設定を可能とする例を示した。しかし、これに限らず、遊技者による音量および輝度の設定は、遊技者の動作を検出可能な検出手段であれば、どのような検出手段を用いてもよく、たとえば、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。したがって、前述したような音量および輝度の設定は、前述したような、トリガボタン125、プッシュセンサ124、傾倒方向センサユニット123、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を検出可能な検出手段であれば、どのような検出手段を用いてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図14は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
次に、演出制御用CPU101は、RTC(リアルタイムクロック)108から時刻情報を読出す(S702)。次に、演出制御用CPU101は、読出した時刻情報に基づいて現在の時刻を特定し、特定した時刻に応じて時間計測タイマをセットする(S703)。この実施の形態では、毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。一般に、遊技店は時刻10:00に開店することから、S703では、時刻11:00にタイムアウトするように時間計測タイマをセットする。たとえば、時刻情報に基づいて特定した現在の時刻が9:50であった場合には、S703において、時刻11:00までの70分間に相当する値を時間計測タイマにセットする。
なお、この実施の形態では、RTC108および時間計測タイマを用いて計時する場合を示しているが、計時方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、RTC108を用いることなく、S703や後述する時間計測処理のS755で一律に1時間に相当する値を時間計測タイマにセットして、遊技機への電源供給を開始してから1時間ごとに時間計測タイマがタイムアウトして後述する特定演出が実行されるように構成してもよい。
その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S704)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S705)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S706)。次に、演出制御用CPU101は、時間計測処理を行なう(S707)。時間計測処理では、時間計測タイマを用いて時間計測を行なう処理を実行する。次に、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S708)。演出制御プロセス処理では、S706で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数値(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、および、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3の他、各種演出決定用の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S708)。このような乱数値SR1−1〜SR1−3等のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S709)。その後、S704に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図15は、図14の演出制御メイン処理における時間計測処理(S707)を示すフローチャートである。時間計測処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。まず、時間計測タイマの値を1減算し(S751)、減算後の時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S752)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。時間計測タイマがタイムアウトしていれば、特定演出の開始条件が成立したことを示す演出開始条件成立フラグをセットする(S753)。
「特定演出」とは、前述したように、所定条件が成立したことに基づいて所定期間に亘って実行される演出であり、たとえば、所定条件が成立したタイミングで遊技店に設置される複数台の遊技機において一斉に実行され得る演出である。特定演出としては、たとえば、演出表示装置9の背景において所定の動画が再生される。また、動画の再生に伴い、所定のランプの発光や、音声出力が行なわれる。このとき、演出図柄の変動表示は、一斉演出が実行されていない通常時と同様に実行されるが、一斉演出との関係で演出が相互干渉しないように、表示領域の位置、表示サイズ、および、演出画像等の表示態様が、通常時とは異なるように変更される。なお、動画の再生(または静止画の表示)、ランプの発光および音声出力のうちのいずれか、またはそれらの組合せにより、一斉演出が実現されていてもよい。
この実施の形態では、毎時00分という正時になったことに基づいて所定条件が成立し、所定期間として5分間に亘って所定の動画再生を一斉に開始するような態様の演出が特定演出として実行される。具体的には、この実施の形態では、毎時00分になると時間計測タイマがタイムアウトして演出開始条件成立フラグがセットされ(S752,S753参照)、演出開始条件成立フラグがセットされたことに基づいて、後述する特定演出処理(S810参照)において特定演出が実行される。
次に、演出制御用CPU101は、RTC(リアルタイムクロック)108から時刻情報を読出す(S754)。次に、演出制御用CPU101は、読出した時刻情報に基づいて現在の時刻を特定し、特定した時刻に応じて、予め定められた次回の時刻での演出を実行するために時間計測タイマをセットする(S755)。この実施の形態では、毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。たとえば、時刻情報に基づいて特定した現在の時刻が11:00であった場合には、S703において、次の時刻12:00までの60分間に相当する値を時間計測タイマにセットする。
なお、この実施の形態では、時間計測タイマをセットするごとにRTC108から時刻情報を読出す場合を示しているが、遊技機への電源投入時のみリアルタイムクロック108から時刻情報を読出して時間計測タイマをセットするようにし(S702,S703参照)、電源投入後2回目以降に時間計測タイマをセットする場合には、リアルタイムクロック108から時刻情報を読出すことなく、一律に60分間に相当する値を時間計測タイマにセットするようにしてもよい。そのようにすれば、S754の処理は不要となる。ただし、この実施の形態では、時間計測タイマをセットするごとにリアルタイムクロック108から時刻情報を読出すようにすることによって、より正確に毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトして特定演出を開始できるようにしている。
図16は、図14に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、前述の特定演出を実行する特定演出処理(S810)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S700)は、前述した先読み特定演出を実行するか否かの決定、および、先読み特定演出の種類の選択をする処理である。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が開始され、演出図柄の停止図柄が導出表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、次のようにこの演出図柄の停止図柄を決定する。演出図柄変動開始処理(S801)においては、表示結果に応じて、演出図柄の停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3のうちから各種表示結果を決定するために必要な種類の乱数値を抽出し、これらと、演出図柄を示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルとを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、演出制御基板80の側において、左演出図柄(左図柄)決定用の乱数値SR1−1、中演出図柄(中図柄)決定用の乱数値SR1−2、右演出図柄(右図柄)決定用の乱数値SR1−3、および、後述する特定演出決定用の乱数値SR2等のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
このような乱数値SR1−1〜SR1−3,SR2等のそれぞれは、演出制御用マイクロコンピュータ100においてソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて設定された所定の数値範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。すなわち、抽出した乱数値と同じ数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示を停止するときに、このように決定された停止図柄で演出図柄を停止させる。演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
具体的に、演出図柄の停止図柄は、たとえば、次のように決定する。なお、以下の説明において、リーチ状態となった後にはずれ表示結果となることを「リーチはずれ」といい、リーチ状態とならずにはずれ表示結果となることを「非リーチはずれ」というものとする。
非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブル(乱数値とはずれ図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。また、このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。このように決定された非リーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合においては、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、ROM102に記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄が、リーチ状態を形成する各演出図柄(左,右演出図柄)の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出された乱数に対応する図柄が、最後に停止する演出図柄(中演出図柄)の停止図柄として決定される。このように決定されたリーチはずれ図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、大当りの図柄の組合せを決定する場合においては、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定する。たとえば、確変大当りとなるときには、確変大当りを想起させるような確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。また、通常大当りとなるときには、通常大当りを想起させるような通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右演出図柄が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄が揃った図柄の組合せ)を選択決定する。
確変大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された確変大当り図柄決定用テーブル(乱数値と確変大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの奇数図柄で揃った組合せを選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の奇数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された確変大当り図柄の組合せが、変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、通常大当りにすることに決定されているときには、ROM102に記憶された通常大当り図柄決定用テーブル(乱数値と通常大当り図柄になる左,中,右の演出図柄との関係を示すデータテーブル)を用いて、左,中,右演出図柄がいずれかの偶数図柄で揃った組合せを選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の偶数図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄が、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右演出図柄の停止図柄の組合せとして決定される。このように決定された通常大当り図柄の組合せが変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、確変状態指定コマンドに基づいて確変状態であることを認識でき、時短状態指定コマンドに基づいて時短状態であることを認識できるので、演出表示装置9等の演出装置により、確変状態および時短状態に応じて特有の演出を行なうことができる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図17は、特定演出処理(S810)を示すフローチャートである。特定演出処理では、演出制御用CPU101は、まず、特定演出の終了条件が成立したことを示す演出終了条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(S5001)。演出終了条件成立フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、特定演出の実行中であることを示す特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S5002)。特定演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、特定演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU101は、演出開始条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(S5003)。演出開始条件成立フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
演出開始条件成立フラグがセットされていれば(すなわち、特定演出の開始条件が成立していれば)、演出制御用CPU101は、その演出開始条件成立フラグをリセットする(S5004)。また、演出制御用CPU101は、RAMに設けられている設定値格納領域からスピーカ27の音量設定値と枠LED28の輝度設定値とを読込む(S5004A)。
この実施の形態では、後述するように、遊技を開始するときの客待ちデモ表示中に遊技者の操作によりスピーカ27の音量と枠LEDの輝度とを設定可能である(後述する変動パターンコマンド受信待ち処理のS811G〜S811I参照)。そして、RAMに設けられた設定値格納領域には、遊技者によって設定されたスピーカ27の音量設定値および枠LED28の輝度設定値が格納されている。
次に、演出制御用CPU101は、特定演出に用いる音量および輝度を、S5004Aで読込んだ音量設定値および輝度設定値の値に設定する(S5004B)。次に、演出制御用CPU101は、S5004Aで読込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認する(S5004C)。なお、この実施の形態では、S5004Cにおいて、所定値としてスピーカ27の音量最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。音量設定値が所定値未満であれば、演出制御用CPU101は、S5004Bで設定した特定演出に用いる音量を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(S5004D)。
次に、演出制御用CPU101は、S5004Aで読込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認する(S5004E)。なお、この実施の形態では、S5004Eにおいて、所定値として枠LED28の輝度最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。輝度設定値が所定値未満であれば、演出制御用CPU101は、S5004Bで設定した特定演出に用いる輝度を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(S5004F)。
次に、演出制御用CPU101は、現在が客待ちデモ表示中であるか否かを確認する(S5004G)。客待ちデモ表示中であるか否かは、たとえば、後述するS824で客待ちデモ表示を開始したときに、客待ちデモ表示中であることを示す客待ちデモ表示中フラグがセットされ、S5004Gでその客待ちデモ表示中フラグがセットされているか否かを確認することにより行なわれる。
S5004Gで客待ちデモ表示中であると確認されたときは、実行中の客待ちデモ表示を中止させ(S5004H)、S5005に進む。一方、S5004Gで客待ちデモ表示中ではないと確認されたときは、S5004Hを経ずに、S5005に進む。これにより、客待ちデモ表示中において、特定演出の演出開始条件が成立したときは、実行中の客待ちデモ表示が中止される。
次に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の特定演出実行領域において、特定演出の動画再生を開始する制御を行なう(S5005)。この実施の形態では、演出表示装置9の表示領域のうちの上部領域が特定演出実行領域とされ、S5005では、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示領域の上部領域において、特定演出用の動画再生を開始する制御を行なう。この場合、演出制御用CPU101は、S5004B,S5004D,S5004Fで設定した音量および輝度に従って動画再生を開始することによって、設定した音量で特定演出の動画に対応した音をスピーカ27から出力し、設定した輝度で特定演出の動画に対応した発光パターンで枠LED28を発光させる制御を行なう。そして、演出表示装置9の表示領域のうちの上部領域において、特定演出用の動画再生がされるときにおいて、演出図柄の変動表示が実行されるときには、演出表示装置9の表示領域のうちの下部領域において、演出図柄の変動表示が実行される。
特定演出が実行されないときには、演出表示装置9の表示領域のうちの略全体の表示領域を用いて演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、特定演出が実行されるときには、演出表示装置9の表示領域のうちの下部領域というような、一部の表示領域を用いて演出図柄の変動表示が実行される。このような一部の表示領域を用いた演出図柄の変動表示は、変動表示開始前の特定演出が実行されているときには、演出図柄変動開始処理(S801)において、特定演出が実行されているか否かを判断し、特定演出が実行されているときには、予め設定された特定演出実行時用の変動表示画像データを選択して設定し、当該データに基づいて、演出図柄変動中処理(S802)が演出図柄の変動表示を実行させることにより実現される。また、変動表示中に特定演出が実行されるときには、演出図柄変動中処理(S802)において、特定演出が実行されるか否かを判断し、特定演出が実行されるときには、実行中の変動表示を、予め設定された特定演出実行時用の変動表示画像データに変更設定し、当該データに基づいて、特定演出実行中の演出図柄の変動表示態様に変更して変動表示を実行させることにより実現される。
なお、特定演出が実行されるときの演出図柄の変動表示は、次のような演出態様で実行させてもよい。たとえば、特定演出を演出表示装置9の表示領域のうちの略全体で実行させ、演出図柄を小型化(縮小)した小図柄として、演出表示装置9の表示領域のうちの隅部等の比較的小さい表示領域で変動表示させてもよい。また、特定演出を演出表示装置9の表示領域のうちの略全体で実行させ、演出図柄は、パチンコ遊技機1に設けられた、他の画像表示装置(たとえば、演出表示装置9よりも小型の液晶表示装置等の他の画像表示装置)に移動させた態様で変動表示させてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、特定演出実行中フラグをセットし(S5006)、特定演出の実行期間を計測するための特定演出期間計測タイマに所定期間(本例では、5分間)に相当する値をセットする(S5007)。
この実施の形態では、S5004A〜S5004Fの処理が実行されることによって、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)以上であれば、その設定された音量設定値や輝度設定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行され、所定値未満であれば少なくとも所定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行されるようにし、必要以上に小さい音で特定演出が実行されたり、必要以上に暗い輝度で特定演出が実行されたりすることがないようにしている。
また、この実施の形態では、特定演出の音量および輝度を、遊技者によって設定された音量設定値および輝度設定値に仮設定した後に(S5004B参照)、音量設定値や輝度設定値が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であれば所定値に相当する音量や輝度に変更して再設定する場合を示しているが、特定演出の音量および輝度の設定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、S5004Aで音量設定値および輝度設定値を読出すと、まず、読込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の音量を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の音量をそのまま読込んだ音量設定値に設定するようにしてもよい。また、読込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の輝度を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の輝度をそのまま読込んだ輝度設定値に設定するようにしてもよい。そのように構成すれば、音量や輝度の設定が1回で済み、後から再設定する必要をなくすことができる。
また、この実施の形態では、S5004C〜S5004Fの処理が実行されることによって、音量および輝度の両方について所定値未満であるか否かを判定して再設定する場合を示しているが、音量または輝度のいずれか一方のみについて所定値未満であるか否かを判定して再設定するようにしてもよい。具体的には、S5004C,S5004Dの処理とS5004E,S5004Fの処理とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。
特定演出実行中フラグがセットされていた場合には(S5002のY)、すなわち特定演出の実行中であった場合には、演出制御用CPU101は、特定演出期間計測タイマの値を1減算する(S5008)。次に、演出制御用CPU101は、減算後の特定演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S5009)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。特定演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(すなわち、所定期間(本例では、5分間)を経過し特定演出の終了条件が成立していれば)、演出制御用CPU101は、遊技停止状態の期間を計測する遊技停止期間計測タイマの計時値を「0」にクリアする(S5009A)。このように、特定演出の演出終了条件が成立したときは、図12で説明したように、遊技停止期間計測タイマの計時値が「0」に初期化される。したがって、遊技店内に同一機種のパチンコ遊技機1が複数設置されているときは、特定演出の演出終了条件が成立した時点で、すべてのパチンコ遊技機1の遊技停止期間計測タイマの計時値が初期値に揃えられる。
S5009Aの後、演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(本例では、2)となっているか否かを確認する(S5010)。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値となっていれば(すなわち、演出図柄の変動表示中であれば)、演出制御用CPU101は、直ちには特定演出を終了せず、演出終了条件成立フラグのセットのみを行ない(S5011)、処理を終了する。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値でなければ、S5014に移行する。
演出終了条件成立フラグがセットされていた場合には(S5001のY)、演出制御用CPU101は、演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値(本例では、3)となっているか否かを確認する(S5012)。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値となっていなければ、そのまま処理を終了する。演出制御用プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値となっていれば(すなわち、演出図柄の変動表示の停止タイミングとなっていれば)、演出制御用CPU101は、演出終了条件成立フラグをリセットする(S5013)。次に、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の特定演出実行領域において実行中の特定演出の動画再生を終了する制御を行なう(S5014)。そして、演出制御用CPU101は、特定演出実行中フラグをリセットする(S5015)。
S5001,S5009〜S5015の処理が実行されることによって、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中以外のタイミングで所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、S5014に移行して直ちに特定演出の実行が終了される。一方で、演出図柄の変動表示中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、直ちには特定演出の実行を終了せず、演出図柄の変動表示を終了するタイミングまで待ってから(S5012参照)特定演出の実行が終了される。
また、S5005により実行が開始される特定演出(一斉演出)については、客待ちデモ表示の実行中において、図15のS752,S753等に示すように時間計測タイマがタイムアップしたときに、図17のS5004Hのように、客待ちデモ表示を中止し、図17のS5005のように、一斉演出をする特定演出が実行されるので、たとえば、客待ちデモ表示が実行されていても、複数台のパチンコ遊技機1において一斉に特定演出を実行させることが可能となる等、特定演出をある決まったタイミングで実行させることを可能としつつ、客待ちデモ表示を、ある決まったタイミングで実行させることが可能となる。
また、図17のS5004C〜S5004Fに示すように、一斉演出をする特定演出を実行するときは、音量設定および輝度設定のそれぞれについて、設定が所定値未満のときは、所定値に変更する等、予め定められた特定演出に適した音量設定および輝度設定により、特定演出が実行されるので、一斉演出をする特定演出をするときに、特定演出を好適な設定に基づいて実行可能とすることができる。
なお、この実施の形態では、図16に示された演出制御プロセス処理においてS800〜S807の処理の前にS810の特定演出処理が実行されるので、特定演出の開始条件が成立していれば大当り遊技中であっても特定演出が実行される。この場合、演出表示装置9において大当り遊技中の演出が実行されるので、たとえば、特定演出の動画再生を演出表示装置9の表示画面の一部に縮小表示することによって、特定演出の実行を継続するようにすればよい。そして、たとえば、大当り遊技中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、その縮小表示していた動画再生を終了して特定演出の実行を終了するようにすればよい。
また、特定演出処理の処理態様は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、図17に示す特定演出処理において、S5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であれば、そのままS5014に移行して特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動表示中に所定期間が経過した場合に変動停止まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしているが、さらに次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。この場合、たとえば、S5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動停止処理を示す値であれば、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であれば特定演出の動画再生を終了するようにすることによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにすればよい。または、たとえば、S5010の前後で演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動開始処理を示す値であれば、そのままS5014に移行して特定演出の動画再生を終了することによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
図18は、図16に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行なわれる(S44参照)のであるが、図18に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ(すなわち、変動パターンコマンドを受信していなければ)、特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S814)。特定演出実行中フラグがセットされて特定演出が実行中であるときは、処理を終了する。一方、特定演出実行中フラグがセットされておらず、特定演出が実行されていないときは、客待ちデモ表示中であるか否かを確認する(S815)。客待ちデモ表示中であるか否かは、たとえば、後述するS824で客待ちデモ表示を開始したときに、客待ちデモ表示中であることを示す客待ちデモ表示中フラグがセットされ、S5004Gでその客待ちデモ表示中フラグがセットされているか否かを確認することにより行なわれる。
客待ちデモ表示中でなければ、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S816)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされていれば(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信していれば)、遊技停止期間計測タイマの計時値を+1する加算更新を行なう(S817)。
次に、演出制御用CPU101は、遊技停止期間計測タイマの計時値に基づき、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が60秒を経過したか否かを確認する(S818)。具体的に、S818では、遊技停止期間計測タイマの計時値が60秒に相当する所定値になっているか否かを確認する。このように、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が60秒を経過したか否かは、たとえば、コマンド解析処理で客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットしたときに(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに)、所定のタイマの計時値を0秒に初期設定した後、S817で加算更新される計時値が、S818で60秒に相当する所定値になっているか否かを確認することに基づいて確認される。
客待ちデモ指定コマンドを受信してから60秒が経過していれば、以下に説明するような客待ちデモ表示をするための処理が行なわれる。まず、遊技停止期間計測タイマの計時値を「0」にクリア(初期化)する処理(S819)と、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをリセットする処理(S820)とが行なわれる。
そして、客待ちデモ表示に用いる枠LED28の輝度の設定値として、設定値格納領域に格納されている現在の設定をリセットし、輝度の初期値(たとえば、最大輝度の60%に相当する値)に変更して再設定する(S821)。次に、設定値格納領域に格納されているスピーカ27の音量設定値を読出して現在の音量設定値が所定値以上(たとえば、最大音量の60%〜100%)であるか否かを確認する(S822)。S822で現在の音量設定値が所定値以上であるときは、その音量設定値を用いて、演出表示装置9において所定の客待ちデモ表示を開始する(S824)。一方、S822で現在の音量設定値が所定値以上でないときは、音量設定値を、所定値以上に定められた初期値(たとえば、最大音量の60%)に変更して再設定し(S823)、その再設定後の音量設定値を用いて、演出表示装置9において所定の客待ちデモ表示を開始する(S824)。
S824により開始される所定の客待ちデモ表示としては、たとえば、「デモ表示中」等の文字列が表示したり、所定の初期出目(たとえば、「123」等の図柄の組合せや、「777」等の大当りを連想させる図柄の組合せ)を表示したり、所定のキャラクタを表示させたり、遊技機メーカのロゴタイプが表示される。S824で客待ちデモ表示を開始したときには、客待ちデモ表示中であることを示す客待ちデモ表示中フラグがセットされることにより、客待ちデモ表示中フラグに基づいて、客待ちデモ表示中であるか否かを確認することが可能となる。
また、図17のS5005に示す一斉演出を所定時間に亘り実行する特定演出が実行されることに基づいて、図17のS5004Iに示すように、客待ちデモ表示用の遊技停止期間タイマの計時値が初期化されるので、遊技店に設置された同一機種の複数台のパチンコ遊技機1において、遊技停止期間タイマの計時値を揃えることが可能となる。これにより、S824により客待ちデモ表示を開始するときに、図12に示すように、特定演出の終了後において、保留記憶が生じていない複数台のパチンコ遊技機1において、一斉に客待ちデモ表示を実行させることが可能となる等、遊技からの経過時間に基づいて実行する所定演出を、ある決まったタイミングで実行させることが可能となる。ここで、遊技からの経過時間は、たとえば、合算保留記憶情報が全くない状態からの経過時間、合算保留記憶情報が全くなく、かつ、遊技球が発射されていない状態からの経過時間、合算保留記憶情報が全くなく、かつ、遊技者が打球操作ハンドル5に接触していない状態からの経過時間、変動表示が実行されていない状態からの経過時間、および、前回の変動表示(最後の変動表示)からの経過時間(たとえば、前回の変動表示の開始時からの経過時間、または、前回の変動表示の終了時からの経過時間)等、遊技に関する任意のタイミングからの経過時間であればよい。
また、図18のS822〜S823に示すように、音量設定が所定値以上の音量であるときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定値を初期化せず、音量設定値が所定値以上の音量でないときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定が初期化されるので、音量設定値の初期化により音が聴こえにくくならないようにすることができる。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信してから(すなわち、変動表示が途切れてから)60秒を経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始する場合を示しているが、このような態様に限られない。たとえば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒や2分が経過したタイミングで客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。また、たとえば、客待ちデモ指定コマンドを受信すると直ちに客待ちデモ表示を開始するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、客待ちデモ表示を開始すると、演出表示装置9において、音量や輝度の設定を行なうための音量輝度設定画面の重畳表示も開始する(S825)。
また、前述のS815で客待ちデモ表示中である場合には(S815のY)、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122からの操作信号を入力したか否かを確認し(S826)、操作信号を入力していれば、図13(A),(B)に示されるように、操作に従って音量設定値および輝度設定値を入力する(S827)。そして、演出制御用CPU101は、入力した音量設定値および輝度設定値を、RAMに設けられた設定値格納領域に格納する(S828)。
なお、この実施の形態では、遊技開始時の客待ちデモ表示中に遊技者の操作に従って音量や輝度の設定を行なえるようにする場合を示しているが、遊技開始時に加えて、または遊技開始時に代えて、演出図柄の変動表示中に音量や輝度の設定や変更を行なえるようにしてもよい。この場合、たとえば、後述する演出図柄変動中処理においてS825〜S828と同様の処理を行なうことによって、演出図柄の変動表示中であっても音量や輝度の設定や変更を行なえるようにすればよい。
〔第1変形例〕
次に、第1変形例として、前述のような一斉演出をする特定演出の実行を開始してから特定期間が経過した特定タイミングで、特定演出における一連の制御のうちの特定タイミングにおいて実行される制御に、実行中の制御を切替える制御例を説明する。
演出図柄の変動表示とともに、一斉演出による演出表示をする場合には、想定されているタイミングで、一斉演出用の画像が表示されない処理落ちが発生する場合がある。すると、複数のパチンコ遊技機1において、同時に一斉演出を開始させた後に、いずれかのパチンコ遊技機1で処理落ちが発生した場合には、その後の一斉演出の進行状況にずれが生じるという問題が生じる。そこで、第1変形例として、このような問題を解決する制御として、一斉演出をする特定演出の実行を開始してから特定期間が経過した特定タイミングで、特定演出における一連の制御のうちの特定タイミングにおいて実行される制御に、実行中の制御を切替える制御例を説明する。
一斉演出をする特定演出は、たとえば、5分間に亘って実行され、所定期間(本例では10秒間)ごとに、切替えポイントが設けられている。たとえば、特定演出に用いる動画像データについては、一連の動画像を表示するためのデータのうちの最初のアドレスにファイルヘッダが設定され、続いて、各フレームのフレームヘッダと圧縮データとが順次設定される。ストリームには、フレーム1〜Nのフレームヘッダと圧縮データ(背景画像)とが順に設定される。そして、特定演出が開始されると、このような動画像データを順番に用いて一連の動画像が再生されていく。
特定演出の開始から、たとえば、10秒間ごとというような特定期間ごとに、フレームに対応付けられた切替えポイント(1)〜(n)が設けられている。たとえば、フレームLと切替えポイント(1)とが対応付けられ、フレームMと切替えポイント(2)とが対応付けられている。切替えポインタの値は、切替えポイントに対応付けられたフレームを特定するために用いられる。また、特定演出用の動画の再生に伴い、所定のランプの発光や、音声出力が行なわれるため、一斉演出用動画像データの各フレームと対応付けられたランプの発光制御データおよび音声出力データが別途設けられている。
演出制御用CPU101は、図17のS5005により特定演出としての一斉演出を開始させた後、一斉演出の演出内容を強制的に切替えるタイミングを計測するための切替えタイマに初期値(たとえば、10秒に相当する値)をセットして、切替えタイマによる計時を開始させる処理をするとともに、切替え先のフレーム(演出内容)を示す切替えポインタに初期値(たとえば、1)をセットする処理をする。
演出制御用CPU101は、特定演出の開始後、切替えタイマがタイムアウトしたとき、すなわち特定演出開始(または前回の切替えタイミング)から特定期間(本例では、10秒間)が経過していれば、特定演出を、切替えポインタに対応するフレームの内容に強制的に切替えて実行する制御を行なう。次に、演出制御用CPU101は、切替えタイマに初期値(たとえば、10秒に相当する値)をセットするとともに、切替えポインタの値を1加算し、次の切替えタイミングを判断するための計時を開始させる。このような制御を繰返し実行することにより、一連の特定演出において、所定時間ごとに、演出態様が、切替えポインタに対応するフレームの内容に強制的に切替えられる。
なお、一斉演出の演出態様を切替えポインタに対応するフレームの内容に強制的に切替える制御は、たとえば、演出制御用CPU101からVDP109に対してキャンセル指令を与えることによって実現されてもよい。
このような第1変形例のような制御をすることにより、一斉演出をする特定演出において、所定期間(本例では10秒間)が経過したタイミングごとに、演出態様が、当該タイミングに対応するフレームの演出態様に強制的に切替えられる。これにより、各パチンコ遊技機1で、一斉演出をする特定演出の進行途中において、一斉演出の進行状況にずれが生じることを防止することができる。
〔第2変形例〕
次に、第2変形例として、前述のような特定演出および所定演出を実行可能なスロットマシンについて、所定入賞の発生が許容された状態において、遊技者に対して推奨する推奨操作態様により表示結果を導出させるために導出操作手段を操作させる場合において、非推奨操作態様により操作がされたときに警告演出をし、所定演出が実行される前までに当該警告演出を終了させる制御例を説明する。
スロットマシンは、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップスイッチの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出される遊技機(スロット機)である。
スロットマシンでは、たとえば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示(変動表示)といった所定の遊技を行ない、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(たとえば複数のリール等)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(たとえばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞、CB入賞等)が発生可能とされた遊技機である。スロットマシンでは、入賞ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがある。また、このような入賞が発生した場合に所定の条件が成立すると、RT(リプレイタイム)またはAT(アシストタイム)が付与される場合がある。RTは、特定の入賞(たとえばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞)の発生が許容される確率が高まる遊技状態である。ATは、リールの導出条件(たとえば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される(ナビ演出と呼ばれる報知)遊技状態である。
このようなスロットマシンでは、パチンコ遊技機1と同様に、遊技制御基板に搭載され、遊技の進行を制御するメイン制御部と、演出制御基板に搭載され、メイン制御部から送信されるコマンドを受けて、各種演出装置を制御するサブ制御部とを備え、パチンコ遊技機1と同様に、前述したRTC(リアルタイムクロック)も設けられる。また、スロットマシンにおいては、たとえば、次ゲームの開始操作が行なわれない状態が所定時間(たとえば、60秒間)継続したときに、メイン制御部から所定のコマンドが送信され、そのコマンドに基づいて、サブ制御部により、前述したような客待ちデモ表示を実行する制御が行なわれる。
スロットマシンでは、通常時(AT以外のとき等)においてリールを停止させる手順として、所定手順(たとえば、左リールを最初に停止させる順押し)が、推奨する推奨操作態様として定められている。これは、通常時における払出率を設計上の払出率に収束させるためである。また、スロットマシンでは、メイン制御部による遊技制御において、特定役に当選した非ナビ演出ゲーム(以下、「特定ゲーム」という場合もある。)において、非推奨操作手順(変則押し)で操作されたときに導出される表示結果は、推奨操作手順で操作されたときに導出される表示結果よりも、遊技者にとって有利となる場合がある。たとえば、変則押しされたときには、有利表示結果が導出される一方、順押しされたときに有利表示結果は導出されない。
そこで、サブ制御部では、通常時において非推奨操作態様である所定手順以外の変則手順(たとえば、中、右リールを最初に停止させる手順)でリールを停止させないようにするために、変則手順でストップスイッチが操作されたときに、遊技者にとって不利となる不利制御として、ペナルティを科す制御(以後所定ゲーム消化するまでAT抽選(ATにおいて前述の報知をするか否かを決定する抽選)を行なわない、ATに制御しない等、遊技者にとって不利となる制御)を行なう場合がある。ペナルティを科す制御は、推奨操作態様である所定手順で操作しているときには実行されることがない。また、サブ制御部では、通常時において非推奨操作態様である変則手順で操作されたときには、当該操作されたゲームにおける結果にかかわらず、変則手順で操作されたことに対して警告するための警告演出が実行される。ここで、警告演出とは、たとえば、「エクスクラメーションマーク」を液晶表示器に表示させたり、所定の警告音(たとえば、「ブーッ!」等の音)を出力すること等である。このような警告演出を実行することにより、通常時において非推奨操作態様で操作した遊技者に対して警告を行なうことができ、通常時においては推奨操作態様である所定手順でリールを停止させるように操作することを遊技者に促進することができる。
警告演出は、原則として、新たな遊技進行操作が実行されるまで継続される。ここで、遊技進行操作とは、全てのリールが停止した状態から次の状態に遊技を進行させる操作である。具体的には、全てのリールが停止されて再遊技役以外の役(外れ表示結果も含む)が導出された後における遊技進行操作とは、賭数を設定するためのベット操作、メダル投入である。また、全てのリールが停止されて再遊技役(ベット操作なしで再ゲーム開始可能にする入賞役)が導出された後における遊技進行操作とは、リール回転させてゲームを開始するためのスタートレバー操作である。遊技進行操作には、内部的に記憶されているメダルを払出す精算操作を含むものであってもよい。
しかし、非推奨操作態様である変則手順で操作した遊技者が、遊技進行操作をすることなく遊技をやめた場合には、その後も警告演出が継続して実行されることにより、ペナルティが科されている可能性が報知され続けるため、他の遊技者の遊技意欲を低下させて稼働率を低下させる虞や、遊技がされたとしても遊技の興趣を低下させるおそれがある。
そこで、第2変形例によるスロットマシンでは、警告演出が実行されてから所定時間(たとえば、30秒)経過したときに、該警告演出を終了させる。これにより、警告演出が実行された後、遊技進行操作が行なわれない場合であっても、所定時間経過したとき、すなわち、客待ちデモ表示が実行される前に当該警告演出を終了させることができる。よって、他の遊技者にペナルティが付与されている可能性を把握させ難くすることができ、他の遊技者の遊技への意欲を減退させてしまうことを防止できる。また、警告演出終了後において、液晶表示器に何ら演出画面が表示されていないという不自然な期間(たとえば、液晶表示器が黒味になっている期間)に制御されないようにすることができる。また、警告演出を終了させる所定時間は、警告演出が実行されていないときにおいて、リール回転停止後からデモ画面に切替えられるまでに要する時間と同じであってもよく、当該時間より短い時間であってもよい。
〔一斉演出の実行中に大当り遊技演出等の特別演出を実行する場合の制御例〕
次に、前述のように、RTC108を利用する時間計測タイマの計時結果に基づいて定期的に行なわれる一斉演出の実行中に大当り遊技演出等の特別演出を実行する場合の演出制御用マイクロコンピュータ100の制御例を説明する。ここで、前述した一斉演出は、一斉演出用の特定楽曲および一斉演出用の特定映像を含む特定演出として実行される。
なお、特定楽曲および特定映像のそれぞれは、一斉演出専用のものであってもよく、その他の演出実行時(たとえば、デモ表示時)に用いる楽曲および映像と兼用のものであってもよい。
また、一斉演出の実行中に大当りとする決定がされた場合には、一斉演出の実行中において大当り遊技状態に対応する演出(大当り遊技演出)が、大当り表示処理(S804)、ラウンド中処理(S805)、ラウンド後処理(S806)、および、大当り終了演出処理(S807)により実行される。大当り遊技演出としては、たとえば、大当り遊技演出用の特別映像(動画像、静止画像等の各種映像を含む)および特別楽曲を再生することに加え、大当り遊技演出用の各種発光演出(各種ランプ等を用いた演出)が含まれる。さらに、大当り遊技演出においては、特別映像に関する文字情報の画像が表示される。
この文字情報としては、たとえば、演出表示装置9において、大当り遊技演出で再生される特別映像の進行に対応してテロップ形式で、その特別映像に対応する文字が表示される。より具体的には、大当り遊技演出で再生される特別楽曲と特別映像とが演出面で対応するものであり(たとえば、特別楽曲の進行に合せた映像が特別映像として再生される、または、特別映像の進行に合せた楽曲が特別楽曲として再生されるという対応関係がある。)、そのような特別映像の進行に対応する文字情報が演出表示装置9において表示される。
なお、文字情報は、特別映像における一部の映像として、特別映像用のデータに含まれ、特別映像に組込まれた映像として表示されるようにしてもよく、特別映像とは別の映像として記憶された文字情報映像のデータに基づいて、特別映像とは別の映像として特別映像に重ね合わせられる態様で表示されるようにしてもよい。
ここでは、文字情報の代表例として、演出表示装置9において、歌詞付の特別楽曲の進行に合せた映像が特別映像として再生され、その特別映像に関する文字情報として、特別楽曲の進行に合せた歌詞のテロップの画像が大当り演出において、特別映像に加えて表示される例を説明する。
なお、大当り遊技演出における特別映像に関する文字情報には、特別楽曲とは対応せず、特別映像にのみ対応する文字情報が用いられてもよい。たとえば、特別映像が各種の風景の映像であり、特別楽曲がBGM等のように、映像とは関係がない楽曲である等、遊技演出における特別映像と特別楽曲との間に対応関係がなく、たとえば、文字情報が特別映像の風景名を特定する文字である等、文字情報が特別映像にのみ対応するものであってもよい。
一斉演出が実行されていないときの大当り遊技演出としては、前述のような特別映像および特別楽曲を含む大当り遊技演出の演出パターンの全部が実行される。その場合には、特別映像に関する文字情報の全部がそのまま表示される。一方、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出としては、前述のような特別映像および特別楽曲を含む大当り遊技演出の演出パターンの一部が実行される。その場合には、一斉演出の特定楽曲の再生を継続しつつ、一斉演出での特定映像に代えて大当り遊技演出の特別映像を再生し、特別映像に関する文字情報の少なくとも一部を、視認不可能または視認困難とする演出調整が行なわれる。ここで、視認不可能とは、文字情報の全部を消去する、または、文字情報の全部を可動物(役物)等により隠すこと等により、文字を視認できない状態を意味する。また、視認困難とは、文字情報の輝度を低下させる調整をすること、文字のコントラストを低下させる調整をすること、文字のサイズを小さく調整すること等により文字が視認し難い状態を意味する。また、視認困難には、文字情報の一部を消去する、または、文字情報の一部を可動物(役物)等により隠すこと等により、文字が視認し難い状態が含まれてもよい。
また、文字情報の全部または少なくとも一部を、視認不可能または視認困難とすることについては、文字情報として表示される各文字自体の画像の全部または一部を視認不可能または視認困難とするものでもよく、歌詞の文字情報のように所定時間に亘って表示される多数の文字群のうちの全部または一部の文字群(一部の文字群とは、具体的に、大当り遊技演出期間中に表示すべき文字群のうちの一部期間(一斉演出が実行されている期間)の文字群であってもよい)を視認不可能または視認困難とするものでもよい。また、特別楽曲の楽曲名等を示す文字情報についても、一斉演出の実行中においては、視認不可又は困難なものとしてもよい。
次に、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出の具体的な制御例を説明する。図19は、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出の具体的な制御例を示すタイミングチャートである。図19においては、(A)に一斉演出の状態(実行、停止)、(B)に大当り遊技状態の状態(実行、停止)、(C)に楽曲再生演出の状態(一斉演出および大当り遊技演出を含む)、(D)に映像再生演出の状態(一斉演出および大当り遊技演出を含む)が示されている。
図19を参照して、前述したような一斉演出の開始条件が成立すると、(A)に示すように一斉演出の実行が開始される。(A)に示す一斉演出の実行開始時T1には、(C),(D)に示すように、特定楽曲としての一斉演出楽曲、および、特定映像としての一斉演出映像がそれぞれ同時に実行(再生)開始される。そして、一斉演出の実行中において、あるタイミングで、大当り判定により大当りとすることが決定されたという条件、および、大当り図柄の組合せの表示結果導出表示後の大当り遊技状態の開始条件というような大当り遊技状態とする条件が成立すると、(B)に示すように、大当り遊技状態の実行が開始される。一斉演出の実行中に大当り遊技状態が開始されるときには、大当り遊技状態の開始時T2において、(C)に示すように、一斉演出楽曲の再生は継続されつつ、(D)に示すように、一斉演出映像に代えて、特別映像としての大当り演出映像の実行(再生)が開始される。(C)に示すように、一斉演出楽曲の再生が継続されているときには、特別楽曲としての大当り演出楽曲は再生されない。そのときには、(D)に示すように、大当り演出映像に関する文字情報としての大当り演出楽曲に対応するテロップ(歌詞テロップ)は、表示されない(テロップ無状態)。
このように、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出としては、大当り演出映像が表示され、大当り演出楽曲が再生されない(一斉演出楽曲が継続再生される)。そして、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出としては、大当り演出映像に関する文字情報を視認不可能とする演出調整が行なわれる。なお、このときの文字情報は、視認困難とする演出調整をしてもよい。
その後、一斉演出の実行を終了するタイミングとなり、一斉演出の終了条件が成立したとき、すなわち、一斉演出が大当り遊技演出よりも先に終了した場合には、(C)に示すように、その一斉演出終了時T3に、一斉演出楽曲の実行(再生)が終了される。そして、一斉演出が大当り遊技演出よりも先に終了した場合には、一斉演出終了時T3から特別楽曲としての大当り演出楽曲の実行(再生)が、大当り演出映像の進行に合せた進行状態から開始され、所定時間経過時T4となるまでの期間に亘り、大当り演出楽曲の音量が増加されていき、所定時間経過時T4において、(C)に示すような大当り演出楽曲の規定音量での実質的な再生が開始される。また、所定時間経過時T4においては、(D)に示すように、大当り演出映像および大当り演出楽曲の進行に応じた文字情報としてのテロップ(歌詞テロップ)の表示が開始される(テロップ有状態)。なお、一斉演出楽曲の実行(再生)が終了したときに、直ちに規定音量での実質的な大当り演出楽曲の実行(再生)が開始されるようにしてもよい。
このように、一斉演出が実行されているときの大当り遊技演出において、特定演出としての一斉演出が終了した後は、特別映像としての大当り演出映像が継続して再生され、特定楽曲としての一斉演出楽曲に代えて、特別楽曲としての大当り演出楽曲の実行(再生)が開始される。そして、一斉演出の終了後の大当り遊技演出としては、大当り演出映像の進行に応じた大当り演出映像に関する文字情報としてのテロップの表示を、大当り演出楽曲および大当り演出映像に対応する態様で、視認可能(テロップ有状態)とする演出調整が行なわれる。
以上に説明したような一斉演出の実行中に大当り遊技演出等の特別演出を実行する場合の制御は、大当り表示処理(S804)、ラウンド中処理(S805)、ラウンド後処理(S806)、および、大当り終了演出処理(S807)のうちのいずれかの処理において、または、これらいずれかの処理が実行されているときに別に設けられた処理において、大当り遊技演出が一斉演出の実行中に実行されるか否かを判定する特定演出中特別条件判定処理を行なうことにづいて、図19に示したような演出調整処理を実行するか否かを判定すればよい。なお、特定演出中特別条件判定処理は、演出図柄変動開始処理(S801)等の大当り遊技演出開始前の処理において、大当り遊技演出が一斉演出の実行中に実行されるか否かを予測する判定をしてもよい。そして、特定演出中特別条件判定処理により、当該演出調整処理を実行することが決定されたときに、大当り表示処理(S804)、ラウンド中処理(S805)、ラウンド後処理(S806)、および、大当り終了演出処理(S807)のうちのいずれかの処理において、または、いずれかの処理が実行されているときに別に設けられた処理において、図19に示したような演出調整処理を実行するようにすればよい。
このような演出が行なわれることにより、特定演出としての一斉演出の実行中においては、特別演出としての大当り演出の映像に関する文字情報が視認不可能または視認困難とされるので、表示される文字情報が、一斉演出と大当り演出とのどちらの演出に対応する情報であるかを遊技者が識別する必要がなく、遊技者が演出を誤認することを抑制可能とすることができる。
そして、特定演出としての一斉演出の実行中における大当り遊技演出では、特別演出としての大当り演出楽曲が再生されず、かつ、特別演出としての大当り演出の映像に関する文字情報が視認不可能または視認困難とされた後、一斉演出が大当り遊技演出よりも先に終了した場合に、大当り演出楽曲が再生され、かつ、大当り遊技演出の映像に関する文字情報が視認可能とされるので、制限されていた特別楽曲の再生開始および文字情報の表示開始がされることにより、特別演出としての大当り遊技演出における特別楽曲による演出効果を向上させることができる。
また、特定演出としての一斉演出の実行中に、大当り遊技状態となると、特別演出としての大当り演出が実行されることにより、大当り遊技状態中における演出の違和感の発生を抑制することができる。
なお、ここでは、このような一斉演出が実行されているときの特別演出の制御について、一斉演出が実行されているときに大当り演出の実行が開始された場合を代表例として説明した。しかし、これに限らず、このような特別演出の制御については、特別演出が実行されているときに一斉演出が開始されたときの特別演出の制御にも適用してもよい。つまり、特別演出において表示されていた文字情報が特別演出の実行に応じて視認不可又は困難となるようにしてもよい。
また、ここでは、特定演出として、特定時刻になると複数台のパチンコ遊技機1において、一斉に同じ演出の実行が開始される演出を代表例として説明したが、特定演出としては、RTC180のような計時手段の計時結果に基づいて特定楽曲および特定映像を含む特定演出を実行するものであればよく、一斉ではなく、各パチンコ遊技機1において特定演出を実行する条件が成立したもから順番に実行される演出であってもよい。また、特定演出は、デモンストレーション的(たとえば、装飾的)な一斉演出を実行する演出ではなく、ミッション演出等の遊技演出の内容に即したような演出を用いてもよい。ミッション演出とは、たとえば、演出表示装置9を用いて、例えば所定の種類のリーチ演出などの特殊演出を発生させる旨の指令などの遊技者に何らかの指令(ミッション)を与えるような報知を行い、その指令が満足されたことを条件に特定の遊技状態が得られるように遊技者に見せかける演出である。たとえば、ミッション演出として、たとえば、「特殊演出を発生させろ!」というような画像表示、「特殊演出が出るとチャンス!」というような画像表示がされるようなミッション演出の映像を表示し、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、たとえば、特殊演出の実行確率を、その他の状態よりも上げることにより、特殊演出が実行されやすく制御してもよい。
また、ここでは、特別演出として、大当り遊技演出を一例として示したが、これに限らず、特別演出としては、特別条件が成立したときに、特別映像を含む特別演出(特別楽曲を含んでもよい)を実行する演出であればよく、たとえば、小当り遊技状態に対応する小当り遊技演出、確変状態を報知する確変演出、時短状態を報知する時短演出、および、確変状態が生じている可能性(潜伏している可能性)を報知する潜伏演出の他、各種演出が含まれる。
また、図19を用いて説明した、このような一斉演出が実行されているときの特別演出の制御、および、一斉演出が特別演出よりも先に終了したときの特別演出の制御が実行されているときの特別演出の制御について、スロットマシンでは、遊技者にとって有利な有利状態として、各種入賞が生じた状態、または、RT状態およびAT状態等の特定の入賞が生じやすい状態等の有利状態で実行される演出を特別演出として、前述したようなパチンコ遊技機1と同様の演出制御を実行するようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図19に示すように、特定演出としての一斉演出の実行中においては、特別演出としての大当り遊技演出の映像に関する文字情報が視認不可能または視認困難とされるので、文字情報が、一斉演出と大当り演出とのどちらの演出に対応する情報であるかを遊技者が識別する必要がなく、遊技者が演出を誤認することを抑制可能とすることができる。
(2) 図17のS5005に示す一斉演出を所定時間に亘り実行する特定演出が実行されることに基づいて、図17のS5009Aに示すように、客待ちデモ表示用の遊技停止期間タイマの計時値が初期化されるので、遊技店に設置された同一機種の複数台のパチンコ遊技機1において、遊技停止期間タイマの計時値を揃えることが可能となる。これにより、図12に示すように、特定演出の終了後において、保留記憶が生じていない複数台のパチンコ遊技機1において、一斉に客待ちデモ表示を実行させることが可能となる等、遊技からの経過時間に基づいて実行する所定演出を、ある決まったタイミングで実行させることが可能となる。
(3) 図19に示すように、また、一斉演出の実行中に、遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態となると、特別演出としての大当り演出が実行されることにより、大当り遊技状態中における演出の違和感の発生を抑制することができる。
(4) 図19に示すように、一斉演出が大当り遊技演出よりも先に終了した場合に、大当り演出楽曲が再生され、かつ、大当り遊技演出の映像に関する文字情報が視認可能とされるので、特別演出としての大当り遊技演出における特別楽曲による演出効果を向上させることができる。
(5) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図16のS810、図17のS5005等)は、所定演出(客待ちデモ表示、省電力制御時の輝度を低下させた表示等)の実行中において、前記第2計時手段の計時値が特定値になったときに、前記所定演出を中止し、特定演出(特定の動画再生を複数台のパチンコ遊技機1で一斉に開始する一斉演出をする特定演出等)を実行する(図17のS5003,S5004H,S5005等)。このような構成によれば、客待ちデモ表示の実行中において、図15のS752,S753等に示すように時間計測タイマがタイムアップしたときに、図17のS5004Hのように、客待ちデモ表示を中止し、図17のS5005のように、一斉演出をする特定演出が実行されるので、たとえば、客待ちデモ表示が実行されていても、複数台のパチンコ遊技機1において一斉に特定演出を実行させることが可能となる等、特定演出をある決まったタイミングで実行させることを可能としつつ、客待ちデモ表示を、ある決まったタイミングで実行させることが可能となる。
(6) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。遊技者の動作に従って、複数種類の設定(音量設定、輝度設定等)を設定可能な設定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図16のS800、図18のS826〜S828等)と、前記所定演出の実行に基づいて、前記設定手段による設定を初期化可能な初期化手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図16のS800、図18のS821〜S823等)とをさらに備え、前記複数種類の設定は、初期化される(図18のS821等)第1設定(輝度設定等)と、前記所定演出の実行に基づいて初期化されるとき(図18のS822N,S823等)と初期化されないとき(図18のS822Y等)とがある第2設定(音量設定等)とを含む。このような構成によれば、図18のS821〜S823に示すように、輝度設定値については初期化され、音量設定値については、設定値に応じて、初期化されるときと初期化されないときとがあるので、遊技者の動作に従って設定可能な複数種類の設定について、各設定に応じた好適なタイミングで、設定を初期化することができる。
(7) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。前記第2設定は、音量設定を含み(図18のS822、S823等)、前記初期化手段は、前記音量設定が所定値以上の音量(音量60%〜100%等)であるとき(図18のS822Y等)に、前記所定演出の実行に基づいて前記音量設定を初期化せず(図18のS823をバイパス等)、前記音量設定が所定値以上の音量(音量60%〜100%等)でないとき(図18のS822N等)に、前記所定演出の実行に基づいて前記音量設定を初期化(音量60%の初期値に再設定)する(図18のS823を実行等)。このような構成によれば、図18のS822〜S823に示すように、音量設定が所定値以上の音量であるときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定値を初期化せず、音量設定値が所定値以上の音量でないときに、客待ちデモ表示の実行に基づいて音量設定が初期化されるので、音量設定値の初期化により音が聴こえにくくならないようにすることができる。
(8) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。遊技者の動作に従って、演出に関する複数種類の設定(音量設定、輝度設定等)が可能な設定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図16のS800、図18のS826〜S828等)をさらに備え、前記特定演出実行手段は、前記設定手段による設定から変更した設定に従って前記特定演出を実行可能である(図17のS5004C〜S5004Fにより、一斉演出を実行するときは、音量設定および輝度設定のそれぞれについて、設定値が所定値未満のときは、所定値に変更する等。)。このような構成によれば、図17のS5004C〜S5004Fに示すように、一斉演出をする特定演出を実行するときは、音量設定および輝度設定のそれぞれについて、設定が所定値未満のときは、所定値に変更する等、予め定められた特定演出に適した音量設定および輝度設定により、特定演出が実行されるので、一斉演出をする特定演出をするときに、特定演出を好適な設定に基づいて実行可能とすることができる。
(9) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。前記特定演出は、所定期間、一連の制御を行なうことによる演出であり、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の実行を開始してから特定期間が経過した特定タイミングで、前記一連の制御のうちの該特定タイミングにおいて実行される制御に、実行中の制御を切替える(第1変形例等)。このような構成によれば、第1変形例のような制御をすることにより、一斉演出をする特定演出において、所定期間(本例では10秒間)が経過したタイミングごとに、演出態様が、当該タイミングに対応するフレームの演出態様に強制的に切替えられる。これにより、各パチンコ遊技機1で、一斉演出をする特定演出の進行途中において、一斉演出の進行状況にずれが生じることを防止することができる。
(10) また、次のような構成が、前述した実施の形態に開示されている。遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ)と、所定入賞の発生が許容された(特定役が当選した)状態において、遊技者に対して推奨する推奨操作態様(順押し)により前記導出操作手段が操作されたときよりも、当該推奨操作態様とは異なる非推奨操作態様(変則押し)により前記導出操作手段が操作されたときの方が高い割合で、遊技者にとって有利となる有利制御を実行可能(変則押しされたときには、有利表示結果が導出される一方、順押しされたときに有利表示結果は導出されない)な有利制御手段(メイン制御部)と、前記所定入賞の発生が許容された状態で前記非推奨操作態様により前記導出操作手段が操作されたときに、遊技者にとって不利となる不利制御(ペナルティを科す制御)を実行可能な不利制御手段(サブ制御部)と、前記所定入賞の発生が許容された状態で前記非推奨操作態様により前記導出操作手段が操作されたときに、警告演出(警告演出)を実行可能な警告演出実行手段(サブ制御部)とをさらに備え、前記警告演出実行手段は、前記所定演出が実行される前に前記警告演出を終了する(警告演出が実行されているときには、警告演出が実行されてから30秒経過したときに、該警告演出を終了させるとともに、客待ちデモ表示をする)(第2変形例等)。このような構成によれば、スロットマシンにおいて前述のような特定演出および所定演出を実行可能とするときに、所定入賞の発生が許容された状態において、遊技者に対して推奨する推奨操作態様により表示結果を導出させるために導出操作手段を操作させる場合において、非推奨操作態様により操作がされたときに警告演出をし、所定演出が実行される前までに当該警告演出を終了させる制御をするので、警告演出を実行することにより、非推奨操作態様で操作した遊技者に対して警告を行なうことができる。また、警告演出は、所定演出が実行される前に終了することから、所定演出の実行以降において不利制御が実行されていることを把握させ難くすることができ、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうことを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述したパチンコ遊技機1においては、遊技が実行されていないときに、省電力モードに移行する制御(省電力モード制御)を実行してもよい。パチンコ遊技機1においては、客待ちデモ表示の演出を一例として示した所定演出として、前述したような客待ちデモ表示の演出に代えて省電力モード制御による演出を実行してもよく、前述したような客待ちデモ表示の演出に加えて省電力モード制御による演出を実行してもよい。このような所定演出としては、たとえば、客待ちデモ表示のような画像表示による演出に限らず、遊技効果ランプ等の各種ランプによる発光演出、および、スピーカ27等による音出力演出等のその他の演出が含まれてもよく、画像表示による演出、発光演出、および、音出力演出等の各種演出について単独の演出または組合せによる演出のいずれが含まれてもよい。省電力モードでは、たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100により、遊技効果ランプ等の各種ランプ、演出表示装置9、および、スピーカ27等の複数種類の演出装置のうち少なくともいずれかの消費電力を低減することにより、パチンコ遊技機1が省電力化を図る演出モードに制御される。各種ランプを省電力モードに制御するときには、発光する輝度(明度)を変化させること、発光する色彩を変化させること、および、発光する色相を変化させることのいずれか1つ、または、これらのうちのいずれかを組合せた複数のものであること等により、発光量を低下させる(発光無を含む)制御をすればよい。また、演出表示装置9を省電力モードに制御するときには、液晶バックライトの発光する輝度(明度)を変化させること等により、発光量を低下させる(発光無を含む)制御をすればよい。また、スピーカ27を省電力モードに制御するときには、スピーカ27の音量を低下させる制御(音出力無を含む)をすればよい。このような省電力モードは、前述した客待ちデモ表示と同じ条件で実行されるようにしてもよく、客待ちデモ表示と異なる条件で実行されるようにしてもよい。客待ちデモ表示と異なる条件で省電力モードを実行するときには、たとえば、合算保留記憶が「0」になったときから第1の所定時間(たとえば、1分間)を経過した時に客待ちデモ表示の実行を開始し、さらに合算保留記憶が「0」になったときから第2の所定時間(たとえば、3分間)を経過した時に客待ちデモ表示の実行を終了し、省電力モードの実行を開始するようにしてもよい。省電力モード制御と同じ条件で客待ちデモ表示を実行するときには、たとえば、演出表示装置9において、デモ表示画像は表示するが、その画像の輝度(明度)を、通常の演出表示時よりも低下させて表示すればよい。このように、パチンコ遊技機1において、省電力モード制御と客待ちデモ表示との両方を実行可能とするときには、省電力モード制御と客待ちデモ表示とで1つの(共通の)計時手段(タイマ)を、省電力モード制御の実行条件の判断と、客待ちデモ表示の実行条件の判断との両方に用いるようにしてもよく、省電力モード制御と客待ちデモ表示とで別の計時手段(タイマ)を、省電力モード制御の実行条件の判断と、客待ちデモ表示の実行条件の判断とにそれぞれ用いるようにしてもよい。また、省電力モード制御と客待ちデモ表示とで別の計時手段(タイマ)を用いて省電力モード制御と客待ちデモ表示とを実行可能とするときには、前述したような特定演出としての一斉演出の実行時に、いずれか一方の計時手段の計時値を初期化してもよく、または、両方の計時手段の計時値を初期化してもよい。また、省電力モード制御と客待ちデモ表示との両方を実行可能とするときには、これらの終了条件の少なくとも一方の終了条件が成立したときに、一方のみを終了させてもよく、両方を終了させてもよい。また、また、省電力モード制御と客待ちデモ表示との両方を実行可能とするときには、終了条件が成立したときに、これらの一方を先に終了させ、他方をその次に終了させるように、段階的に終了させてもよい。また、省電力モード制御中において、操作に従って音量設定値および輝度設定値を入力可能とするときには、音量設定値および輝度設定値が入力されたときに、省電力モードを終了(解除)してもよい。また、省電力モード制御中において、音量設定値および輝度設定値の入力操作がされていることが検出されたときに、演出表示装置9の画面を明るくして入力操作を容易化させるための制御を実行してもよい。
(2) 前述したパチンコ遊技機1において客待ちデモ表示と省電力モードとを実行可能とする場合には、1日のうちの時間帯に応じて、客待ちデモ表示と、省電力モードとを使い分けてもよい。たとえば、合算保留記憶が「0」になってから所定時間(たとえば、1分間等)が経過したときに移行させる演出の移行先として、遊技客の来店が比較的少ない時間帯(たとえば平日の午前等)は無駄な電力消費を抑止するために省電力モードを用い、一方、遊技客の来店が比較的多い時間帯(たとえば平日の午後等)は、遊技をしていない遊技者の目を引いて遊技を促進するために、客待ちデモ表示を用いるようにしてもよい。
(3) 前述したパチンコ遊技機1において客待ちデモ表示と省電力モードとを実行可能とする場合には、1週間のうちの曜日に応じて、客待ちデモ表示と、省電力モードとを使い分けてもよい。たとえば、合算保留記憶が「0」になってから所定時間(たとえば、1分間等)が経過したときに移行させる演出の移行先として、平日は、省電力モードを用い、一方、休日は客待ちデモ表示を用いるようにしてもよい。
(4) 前述の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時間計測処理によってRTC108から計時情報を読出してRAM等の記憶領域に記憶させた後に、タイマ等の計時手段を用いて時刻を計測して特定演出を実行する例を説明した。しかし、これに限らず、時刻計時手段としては、たとえば、タイマ割込が発生する毎等に、所定周期でRTC108から計時情報を読出し、その計時情報に基づいて、時刻を把握して特定演出を実行するようにしてもよい。また、タイマ割込周期よりも長い周期(たとえば、30秒ごと等)でRTC108の計時情報をサンプリングすることに基づいて、所定の時刻になったか否かを確認するようにしてもよい。
(5) RTC180を用いずに、当日の電源投入時からの経過時間を、遊技制御用マイクロコンピュータ560、または、演出制御マイクロコンピュータ100のソフトウェア計時機能(たとえば、特別な計時機能はなく、たとえば、マイクロコンピュータの定期的な割込処理(たとえば、2mS)の実行回数の合計値を計数することに基づいて、開店時間(たとえば、10時00分)から何時間経過したかを算出することによって、現在の時刻を特定可能としてもよい。
(6) 前述の実施の形態では、パチンコ遊技機1に内蔵されたRTC108から計時情報を取得する例を説明したが、これに限らず、パチンコ遊技機1の外部に設けられた計時手段(たとえば、パチンコ遊技機1の外部に設置されたRTC、または、複数のパチンコ遊技機1の作動状態を管理するホールコンピュータ)から計時情報を受信することによって計時情報を取得してもよい。
(7) 前述の実施の形態では、RTC108がパチンコ遊技機1に内蔵されており、1台のパチンコ遊技機ごとに設けられた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、隣合う2台のパチンコ遊技機1でRTC108を共用するか、または、遊技機設置島に設けられた複数のパチンコ遊技機1でRTC108を共用する等、複数台のパチンコ遊技機1でRTC108を共用する構成としてもよい。
(8) 特定演出の実行時期を判断するために用いる時刻計時手段としては、RTC180を設けず、RTC180とは異なる時計機能(たとえば、「年」、「月」、「日」は計測せず、「時」、「分」、「秒」を計測可能な機能)を有する時刻計時手段を設けてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、特定演出の実行に基づく客待ちデモ表示用の計時手段としての遊技停止期間計測タイマの初期化タイミングとして、特定演出の演出終了条件が成立したときを一例として説明した。しかし、これに限らず、この初期化期化タイミングとしては、特定演出の開始時、特定演出実行中における特定演出開始後の所定時間経過時、特定演出の演出終了条件成立後の実際の終了時、または、特定演出の終了時から所定時間経過時等、特定演出が実行されたことに基づいて初期化されるタイミングであれば、どのようなタイミングを用いてもよい。
(10) 客待ちデモ表示の実行タイミングは、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、計時手段を用いて、合算保留記憶が「0」である状態が所定時間(たとえば60秒間)経過したか否かを判断し、所定時間経過したときに、客待ちデモ表示を指定するコマンドを送り、そのコマンドを受信したときに、演出制御用マイクロコンピュータ100の側において、所定時間の計時をすることなく、客待ちデモ表示を実行してもよい。
(11) 客待ちデモ表示用の遊技停止期間計測タイマは、カウントアップ方式であることを説明したが、カウントダウン方式でもよい。また、特定演出用の時間計測タイマは、カウントダウン方式であることを説明したが、カウントアップ方式でもよい。
(12) 特定演出としては、同じ画像表示等の同じ演出態様での演出を一斉に実行する一斉演出に限らず、異なる複数種類の画像表示等の異なる複数種類の演出態様での演出を一斉に実行するものでもよい。
(13) 特定演出としては、遊技店全体のパチンコ遊技機で一斉に演出を実行するものではなく、遊技店内の一部のパチンコ遊技機(たとえば、特定の遊技機設置島、奇数台番号の遊技機、偶数台番号の遊技機、確変中の遊技機、時短中の遊技機)で一斉に演出を実行するものでもよい。
(14) 特定演出としては、遊技店の広告または遊技機の広告等のような同じ種類の広告画像を一斉に表示するものでもよい。
(15) 特定演出としては、特定チャネルのテレビ放送画像、または、特定の映画画像を一斉に表示するものでもよい。その場合において、遊技者が必要であれば、遊技者が所定の操作手段を操作することに基づいて、一斉表示された画像が継続して表示可能とするサービス制御を実行するようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、特定演出をするときにおいて、毎回客待ちデモ表示用の遊技停止期間計測タイマを初期化するが、これに限らず、特定演出実行の所定回数ごと、たとえば、特定演出3回実行ごとに1回等で初期化してもよい。
(17) 前述した実施の形態では、特定演出をするときにおいて、毎回客待ちデモ表示用の遊技停止期間計測タイマを初期化するが、これに限らず、特定演出を実行するときに加えて、特定演出を実行しないタイミングでも遊技停止期間計測タイマを初期化してもよい。たとえば、30分間経過時等の所定時間経過ごとに、遊技停止期間計測タイマを初期化してもよい。
(18) また、前述した実施の形態では、特定演出の終了タイミングとして、変動表示中に特定演出の演出終了条件が成立したときには、変動表示の終了を待って特定演出を終了させる例を示したが、これに限らず、変動表示中に特定演出の演出終了条件が成立したときでも、変動表示中に特定演出の演出終了条件が成立したときに、変動表示の終了を待たずに直ちに特定演出を終了させてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(21) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、特別可変入賞球装置20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(24) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置等の基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末等の「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) 上記実施の形態では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示(変動表示)する例を示した。しかし、第1特別図柄表示器8a第2特別図柄表示器8bにおいて表示される可変表示結果(変動表示結果)や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。たとえば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(たとえばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、たとえば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」等)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示又はスクロール表示すること等も飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(たとえば、ハズレ図柄)とを交互に繰返すこと等も普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
(27) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
特定遊技状態(大当り遊技状態)は可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、所定時間(図柄確定停止時間+大当り開始演出時間)経過した後に大入賞口が開放され、特定遊技状態が開始するものを例示したが、これに限らず、可変表示装置にて特定の図柄の組み合わせ(同一図柄のゾロ目)が表示された後に、遊技領域に設けられた特定の領域(特定の通過ゲートセンサ、または入賞センサ)に球を通過させることにより特定遊技状態が開始するものであってもよい。これにより大当りの発生時期を遊技者がコントロールすることができ、大当り開始前に持ち玉が無くなってしまった場合でも玉貸しを行って球を補充する時間を持てることになる。
さらに特定の領域は複数設けてもよく、いずれの特定の領域を通過させるかにより、大当りのラウンド数を異ならせてもよい。また、特定の領域の通過で大当りラウンド数の抽選を行うものでもよい。さらにその場合に、特定の領域が複数あれば、いずれの特定の領域を通過させるかにより、ラウンド数の抽選割合を異ならせるようにしてもよい。