JP6557983B2 - プロジェクター - Google Patents

プロジェクター Download PDF

Info

Publication number
JP6557983B2
JP6557983B2 JP2015020256A JP2015020256A JP6557983B2 JP 6557983 B2 JP6557983 B2 JP 6557983B2 JP 2015020256 A JP2015020256 A JP 2015020256A JP 2015020256 A JP2015020256 A JP 2015020256A JP 6557983 B2 JP6557983 B2 JP 6557983B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
component
incident
diffuse reflection
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015020256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016142983A (ja
Inventor
章宏 柏木
章宏 柏木
秋山 光一
光一 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015020256A priority Critical patent/JP6557983B2/ja
Priority to CN201510172338.XA priority patent/CN105022216B/zh
Priority to US14/684,817 priority patent/US9500941B2/en
Publication of JP2016142983A publication Critical patent/JP2016142983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6557983B2 publication Critical patent/JP6557983B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)
  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Projection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、照明装置およびプロジェクターに関する。
半導体レーザー等の固体光源と、固体光源から射出される光を励起光として蛍光発光を生じる蛍光体層と、を備えた照明装置が知られている。例えば下記の特許文献1には、半導体レーザー光源と、光分離素子と、蛍光体と、第1の反射素子と、1/4位相差板と、拡散板と、第2の反射素子と、を備えた光源装置が開示されている。
この光源装置においては、半導体レーザー光源から射出された励起光が光分離素子に入射し、偏光分離特性を有する光分離素子により2つの光に分離される。光分離素子により分離された光のうちの一方の光は、励起光として蛍光体に照射され、蛍光が射出される。蛍光は、第1の反射素子により光分離素子に向けて反射され、光分離素子を介して外部に射出される。光分離素子により分離された光のうちの他方の光は、1/4位相差板により偏光状態が調整され、偏光方向が維持された状態で拡散板により拡散されるとともに第2の反射素子により1/4位相差板を介して光分離素子に向けて反射され、光分離素子を介して外部に射出される。
特開2013−250494号公報
特許文献1の光源装置において、固体光源から射出された光のうち、蛍光体層に照射されずに外部に射出される光は、照度分布を均一にするとともにスペックルノイズを解消する目的で、拡散板によって拡散される。拡散光を高い効率で利用するためには、例えば右円偏光が拡散板および反射板で拡散反射される際に、左円偏光に変換される必要がある。しかし、拡散板による光の拡散角度を大きくすると、偏光保持率が低下する。偏光保持率が低下すると、光分離素子を介して外部に射出される光の量が減少する。つまり、拡散光の利用効率が低下する。そこで、偏光保持率を95%以上にするために、拡散角度を13°以下に設定している。しかしながら、この程度では光の拡散が不足しており、照度分布を均一にする効果やスペックルノイズを改善する効果が充分に得られない。
また、拡散板の拡散角度を13°以下とするための構成については具体的に記載されていない。拡散板の拡散角度が小さすぎると、青色光の拡散角度と黄色光の拡散角度との差が大きくなることに起因して、色むらが生じるという問題がある。したがって、拡散反射素子の拡散角度を適切に設定する必要がある。
本発明の一つの態様は、上記の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、光の利用効率の低下を抑制しつつ、照度分布の均一化やスペックルノイズの改善が図られた照明装置を提供することを目的の一つとする。また、前記照明装置を備えることにより表示品位の高いプロジェクターを実現することを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の照明装置は、第1の偏光状態の第1の成分を含む第3の光を射出する光源装置と、前記第3の光が入射する偏光分離素子と、前記偏光分離素子を経由した前記第1の成分が入射する位相差素子と、複数の曲面を含む凹凸構造を有するとともに、前記位相差素子を透過することで偏光状態が変化した前記第1の成分が入射する拡散反射素子と、を備え、前記拡散反射素子で反射し、前記位相差素子を透過した前記第1の成分のうち、前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態の第4の成分が前記偏光分離素子を介して射出されるように構成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、光源装置から射出された第3の光に含まれる第1の成分は、偏光分離素子および位相差素子を介して拡散反射素子に入射し、拡散反射素子で拡散しつつ反射された後、再び位相差素子および偏光分離素子を介して照明装置から射出される。拡散反射素子が、複数の曲面を含む凹凸構造を有しているため、第1の成分が拡散反射素子によって反射されるときの、その偏光状態の乱れが抑制されるとともに、拡散角度を大きくすることができる。これにより、第1の成分の利用効率の低下を抑制しつつ、照度分布の均一化やスペックルノイズの改善が可能な照明装置を実現することができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記複数の曲面が、平面視でランダムに配置されていてもよい。
この構成によれば、複数の曲面が規則的に配置されている場合に比べて、照度分布の均一化効果やスペックルノイズの改善効果をより高めることができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記拡散反射素子は、前記第1の成分が入射する側の面に前記凹凸構造を有し、前記凹凸構造が反射性を有していてもよい。
この構成によれば、例えば第1の成分が入射する側の面とは反対側の面で反射する場合と異なり、拡散反射素子による光の損失が少なく、光の利用効率を高めることができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記凹凸構造の表面に金属反射膜が設けられていてもよい。
この構成によれば、例えば誘電体多層膜からなる反射膜を用いた場合と比べて、光の入射角が変化しても反射特性が低下しにくい。その結果、拡散反射素子による光の損失が少なくなり、光の利用効率を高めることができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記凹凸構造は、前記偏光分離素子を介して射出された前記第4の成分の光量が、前記拡散反射素子を平坦な反射面を持つ反射素子と置き換えた場合に得られる前記光量の75%以上となるように構成されていてもよい。
本発明者らは、拡散反射素子の凹凸構造の形状を変えることによって、凹凸構造の形状と光利用効率との相関関係を調べた。本明細書において、光利用効率は、偏光分離素子を介して射出された第4の成分の光量と、前記拡散反射素子を平坦な反射面を持つ反射素子(すなわち、垂直に入射した直線偏光の偏光状態が100%維持される反射素子)と置き換えた場合に得られる前記光量と、の比を意味する。本発明者らの検討結果によれば、上記の比の値が75%以上の領域では、凹凸構造の形状の変化に対して比の値が緩やかに変化する一方、比の値が75%未満の領域では比の値が急激に変化することが判った。本発明の一つの態様の照明装置においては、凹凸構造は、偏光分離素子を介して射出された第4の成分の光量が、拡散反射素子を平坦な反射面を持つ反射素子と置き換えた場合に得られる光量の75%以上となるように構成されているため、光利用効率を適切な範囲内で維持することができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記第3の光は、前記第2の偏光状態の第2の成分を含み、前記偏光分離素子は、前記第3の光の波長とは異なる波長の光を、偏光状態に係わらず透過させ、前記偏光分離素子で反射した前記光源装置からの前記第2の成分が入射する蛍光体層と、前記蛍光体層の前記第2の成分が入射する面とは反対側に設けられ、前記蛍光体層で生成された光を反射する反射部と、をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、第3の光に含まれる第2の成分は、偏光分離素子で反射され、蛍光層に入射して蛍光体を励起する。蛍光体層で生成された光と拡散反射素子で拡散反射された光とは、偏光分離素子で合成された後、合成光が照明装置から射出される。このようにして、蛍光光と拡散光とが合成された照明光が得られる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記第3の光は、前記第2の偏光状態の第2の成分を含み、前記偏光分離素子は、前記第3の光の波長とは異なる波長の光を、偏光状態に係わらず反射させ、前記偏光分離素子を透過した前記光源装置からの前記第2の成分が入射する蛍光体層と、前記蛍光体層の前記第2の成分が入射する面とは反対側に設けられ、前記蛍光体層で生成された光を反射する反射部と、をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、第3の光に含まれる第2の成分は、偏光分離素子を透過し、蛍光層に入射して蛍光体を励起する。蛍光体層で生成された光と拡散反射素子で拡散反射された光とは、偏光分離素子で合成された後、合成光が照明装置から射出される。このようにして、蛍光光と拡散光とが合成された照明光が得られる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記拡散反射素子を前記反射素子と置き換えた場合の被照明領域における色むらを基準色むらとしたとき、前記凹凸構造は、前記色むらが前記基準色むらの90%以下となるように構成されていてもよい。
本発明者らの検討結果によれば、被照明領域における色むらが、拡散反射素子を平坦な反射面を持つ反射素子と置き換えた場合に得られる色むらの90%以下であれば、色むらがほとんど認識できなくなることが判った。詳細は後述する。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記凹凸構造は、前記色むらが前記基準色むらの50%以下となるように構成されていてもよい。この場合、前記凹凸構造のアスペクト比が0.002以上であることが好ましい。
本発明者らの検討結果によれば、上記の条件を満たした場合、色むらが少ない状態を安定して維持できることが判った。詳細は後述する。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記拡散反射素子は、前記拡散反射素子に入射する前記第1の成分の中心軸に交差する面内で回転可能とされていてもよい。
この構成によれば、拡散反射素子上での第1の成分の照射位置が時間的に変化するため、第1の成分が照射されることによる拡散反射素子のダメージを低減することができる。また、第1の成分の光路上に位置する凹凸構造が時間的に変化するため、照度分布の均一化効果やスペックルノイズの改善効果をより高めることができる。
本発明の一つの態様の照明装置において、前記凹凸構造は、多重反射が生じない形状を有していてもよい。
この構成によれば、拡散反射素子における偏光保持率をより確実に高められる。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の照明装置と、前記照明装置から射出される光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、本発明の一つの態様の照明装置を備えることにより、表示品位の高いプロジェクターを実現することができる。
本発明の第1実施形態のプロジェクターの概略構成を示す図である。 第1実施形態の照明装置の概略構成を示す平面図である。 (a)〜(c)拡散反射板の構成例を示す断面図である。 拡散反射板の平面図である。 本発明の第2実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 第2実施形態の照明装置を示す概略構成図である。 実施形態の拡散反射素子を示す断面図である。 拡散反射素子のアスペクト比と光量比との関係を示すグラフである。 拡散反射素子のアスペクト比と色むら相対比との関係を示すグラフである。 凹凸構造のアスペクト比のランダム性の有無による色むらを比較したグラフである。 本発明の第3実施形態の照明装置の概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、半導体レーザーを用いた照明装置を備えた液晶プロジェクターの一例である。
以下の説明で用いる図面は、特徴を見やすくするために、一部を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
[プロジェクター]
まず、図1に示すプロジェクター1の一例について説明する。
図1は、プロジェクター1の概略構成を示す平面図である。
本実施形態のプロジェクター1は、スクリーン(被投射面)SCR上にカラー映像(画像)を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクター1は、赤色光LR、緑色光LG、青色光LBの各色光に対応した3つの光変調装置を用いている。プロジェクター1は、照明装置の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザー(レーザー光源)を用いている。
具体的に、プロジェクター1は、図1に示すように、照明装置2と、均一照明光学系40と、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学系6と、を概略備えている。
照明装置2は、照明光WLを均一照明光学系40に向けて射出する。照明装置2には、後述する本発明の一つの態様を適用した照明装置が用いられている。
均一照明光学系40は、インテグレータ光学系31と、偏光変換素子32と、重畳光学系33と、を備える。均一照明光学系40は、照明装置2から射出された照明光WLの強度分布を被照明領域において均一化する。均一照明光学系40から射出された照明光WLは色分離光学系3へ入射する。
色分離光学系3は、白色の照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離するためのものである。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7aおよび第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8bおよび第3の全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9aおよび第2のリレーレンズ9bと、を概略備えている。
第1のダイクロイックミラー7aは、照明装置2からの照明光WLを赤色光LRと、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)とに分離する機能を有する。第1のダイクロイックミラー7aは、分離された赤色光LRを透過するとともに、その他の光(緑色光LGおよび青色光LB)を反射する。一方、第2のダイクロイックミラー7bは、その他の光を緑色光LGと青色光LBとに分離する機能を有する。第2のダイクロイックミラー7bは、分離された緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過する。
第1の全反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置されて、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。一方、第2の全反射ミラー8bおよび第3の全反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置されて、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに向けて反射する。なお、緑色光LGの光路中には、全反射ミラーを配置する必要はなく、緑色光LGは、第2のダイクロイックミラー7bにより光変調装置4Gに向けて反射される。
第1のリレーレンズ9aおよび第2のリレーレンズ9bは、青色光LBの光路中における第2のダイクロイックミラー7bの光射出側に配置されている。第1のリレーレンズ9aおよび第2のリレーレンズ9bは、青色光LBの光路長が赤色光LRや緑色光LGの光路長よりも長くなることに起因した青色光LBの光損失を補償する機能を有している。
光変調装置4Rは、赤色光LRを通過させる間に、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを通過させる間に、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを通過させる間に、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。
光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、各液晶パネルの入射側および射出側それぞれには、偏光板(図示せず)が配置されている。
光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bが配置されている。フィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bは、それぞれの光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bに入射する赤色光LR,緑色光LG,青色光LBを平行化するためのものである。
合成光学系5は、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bからの画像光が入射する。合成光学系5は、入射した画像光を合成し、合成された画像光を投射光学系6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられている。
投射光学系6は、投射レンズ群から構成されている。投射光学系6は、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像(画像)が表示される。
[照明装置]
次に、照明装置2に用いられる本発明の一つの態様を適用した照明装置の具体的な実施形態について説明する。
図2に示す照明装置20Aについて説明する。
図2は、照明装置20Aの概略構成を示す平面図である。
照明装置20Aは、図2に示すように、アレイ光源21Aと、コリメーター光学系22と、アフォーカル光学系23と、ホモジナイザー光学系24と、偏光分離素子50Aを含む光学素子25Aと、第1のピックアップ光学系26と、蛍光発光素子27と、位相差板28と、第2のピックアップ光学系29と、拡散反射素子30と、を概略備えている。
本実施形態の拡散反射素子30は、特許請求の範囲の拡散反射素子に対応する。本実施形態の偏光分離素子50Aは、特許請求の範囲の偏光分離素子に対応する。本実施形態の位相差板28は、特許請求の範囲の位相差素子に対応する。
アレイ光源(光源装置)21Aと、コリメーター光学系22と、アフォーカル光学系23と、ホモジナイザー光学系24と、光学素子25Aと、位相差板28と、第2のピックアップ光学系29と、拡散反射素子30とは、光軸ax1上に順次並んで配置されている。蛍光発光素子27と、第1のピックアップ光学系26と、光学素子25Aとは、光軸ax2上に順次並んで配置されている。光軸ax1と光軸ax2とは、同一面内にあり、互いに直交する位置関係にある。
アレイ光源21Aは、本発明における光源装置に相当する。アレイ光源21Aは、第1の光源である第1の半導体レーザー211と、第2の光源である第2の半導体レーザー212と、を備えている。複数の第1の半導体レーザー211および複数の第2の半導体レーザー212は、光軸ax1と直交する同一面内において、アレイ状に並んで配置されている。
第1の半導体レーザー211は、第1の波長帯の第1の光である青色光BL’を射出する。第1の光は、特許請求の範囲における第1の成分に相当する。第1の半導体レーザー211は、青色光BL’として、例えばピーク波長が460nmのレーザー光を射出する。第2の半導体レーザー212は、第2の波長帯の第2の光である励起光BLを射出する励起光用のレーザー光源である。第2の光は、特許請求の範囲における第2の成分に相当する。第2の半導体レーザー212は、励起光BLとして、例えばピーク波長が446nmのレーザー光を射出する。
励起光BLおよび青色光BL’は、アレイ光源21Aから偏光分離素子50Aに向けて射出される。
アレイ光源21Aから射出された励起光BLおよび青色光BL’は、コリメーター光学系22に入射する。コリメーター光学系22は、アレイ光源21Aから射出された励起光BLおよび青色光BL’を平行光束に変換するものである。コリメーター光学系22は、例えばアレイ状に並んで配置された複数のコリメーターレンズ22aから構成されている。複数のコリメーターレンズ22aは、複数の第1の半導体レーザー211および複数の第2の半導体レーザー212にそれぞれ対応して配置されている。
コリメーター光学系22を通過することにより平行光束に変換された各励起光BLおよび青色光BL’は、アフォーカル光学系23に入射する。アフォーカル光学系23は、励起光BLおよび青色光BL’の光束径を調整するものである。アフォーカル光学系23は、例えばアフォーカルレンズ23a,アフォーカルレンズ23bから構成されている。
アフォーカル光学系23を通過することにより光束径が調整された励起光BLおよび青色光BL’は、ホモジナイザー光学系24に入射する。ホモジナイザー光学系24は、励起光BLおよび青色光BL’の光強度分布を均一な状態(いわゆるトップハット分布)に変換するものである。ホモジナイザー光学系24は、例えばマルチレンズアレイ24a,マルチレンズアレイ24bから構成されている。
ホモジナイザー光学系24により光強度分布が均一な状態に変換された励起光BLおよび青色光BL’は、光学素子25Aに入射する。光学素子25Aは、例えば波長選択性を有するダイクロイックプリズムから構成されている。ダイクロイックプリズムは、光軸ax1に対して45°の角度をなす傾斜面Kを有している。傾斜面Kは、光軸ax2に対しても45°の角度をなしている。光学素子25Aは、互いに直交する光軸ax1,ax2の交点と傾斜面Kの光学中心とが一致するように配置されている。なお、光学素子25Aとしては、ダイクロイックプリズムのようなプリズム形状のものに限らず、平行平板状のダイクロイックミラーを用いてもよい。
傾斜面Kには、波長選択性を有する偏光分離素子50Aが設けられている。偏光分離素子50Aは、励起光BLおよび青色光BL’を、偏光分離素子50Aに対するS偏光成分(一方の偏光成分あるいは第2の偏光状態の成分)とP偏光成分(他方の偏光成分あるいは第1の偏光状態の成分)とに分離する偏光分離機能を有している。具体的に、偏光分離素子50Aは、励起光BLのS偏光成分および青色光BL’のS偏光成分を反射させ、励起光BLのP偏光成分および青色光BL’のP偏光成分を透過させる。
また、偏光分離素子50Aは、後述する励起光BLと青色光BL’とは波長帯が異なる蛍光光YLを、その偏光状態にかかわらず透過させる色分離機能を有している。
ここで、励起光BLおよび青色光BL’は、コヒーレントな直線偏光光である。また、励起光BLと青色光BL’とは、偏光分離素子50Aに入射する際の互いの偏光方向が異なっている。
具体的に、励起光BLの偏光方向は、偏光分離素子50Aで反射される一方の偏光成分(例えばS偏光成分)の偏光方向と一致している。一方、青色光BL’の偏光方向は、偏光分離素子50Aで透過される他方の偏光成分(例えばP偏光成分)の偏光方向と一致している。このように、偏光分離素子50Aに入射するとき、励起光BLの偏光方向と青色光BL’の偏光方向とは、互いに直交する。この構成を実現するためには、青色光BL’が第1の半導体レーザー211から射出されたときの偏光方向が、励起光BLが第2の半導体レーザー212から射出されたときの偏光方向と直交するように、第1の半導体レーザー211と第2の半導体レーザー212とを配置すればよい。
したがって、偏光分離素子50Aに入射した励起光BLは、その偏光方向がS偏光成分と一致していることから、S偏光の励起光BLsとして、蛍光発光素子27に向けて反射される。一方、偏光分離素子50Aに入射した青色光BL’は、その偏光方向がP偏光成分と一致していることから、P偏光の青色光BLp’として、拡散反射素子30に向けて透過される。
ここで、偏光分離素子50Aに入射するとき、励起光BLの偏光方向が青色光BL’の偏光方向と同じ場合について考察する。この場合、青色光BL’はP偏光であるため、励起光BLもP偏光である。偏光分離素子50AがP偏光の励起光BLを反射させるためには、偏光分離素子50Aはピーク波長460nmの青色光BL’に対しては偏光分離機能を持ちながら、ピーク波長446nmの励起光BLに対しては偏光分離機能を持ってはいけない。しかし、このような特性の偏光分離素子を製造することは困難である。
一方、本実施形態では、励起光BLはS偏光であり、青色光BL’はP偏光である。この場合、偏光分離素子50Aは、ピーク波長460nmの青色光BL’に対してだけでなく、ピーク波長446nmの励起光BLに対しても偏光分離機能を持っていてもよい。そのため、偏光分離素子の製造は容易である。
偏光分離素子50Aから射出されたS偏光の励起光BLsは、第1のピックアップ光学系26に入射する。第1のピックアップ光学系26は、励起光BLsを蛍光発光素子27の蛍光体層34に向けて集光させるものである。第1のピックアップ光学系26は、例えばピックアップレンズ26a,ピックアップレンズ26bから構成されている。
第1のピックアップ光学系26から射出された励起光BLsは、蛍光発光素子27に入射する。蛍光発光素子27は、蛍光体層34と、蛍光体層34を支持する基板35と、蛍光体層34を基板35に固定する固定部材36と、を有している。
蛍光発光素子27においては、蛍光体層34の励起光BLsが入射する側と反対側の面を基板35に接触させた状態で、蛍光体層34の側面と基板35との間に設けられた固定部材36によって、蛍光体層34が基板35に固定支持されている。
蛍光体層34は、波長446nmの励起光BLsを吸収して励起される蛍光体を含む。励起光BLsにより励起された蛍光体は、例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光光(黄色光)YLを生成する。
蛍光体層34には、耐熱性および表面加工性に優れたものを用いることが好ましい。このような蛍光体層34としては、例えば、アルミナ等の無機バインダー中に蛍光体粒子を分散させた蛍光体層、バインダーを用いずに蛍光体粒子を焼結した蛍光体層などを好適に用いることができる。
蛍光体層34の励起光BLsが入射する側とは反対側には、反射部37が設けられている。反射部37は、蛍光体層34で生成された蛍光光YLのうち、一部の蛍光光YLを反射する機能を有している。
本実施形態の反射部37は特許請求の範囲の反射部に対応する。
反射部37は、鏡面反射面からなることが好ましい。蛍光発光素子27においては、蛍光体層34で生成された蛍光光YLを反射部37で鏡面反射させることにより、蛍光体層34から効率的に蛍光光YLを射出することができる。
具体的に、反射部37は、蛍光体層34の励起光BLsが入射する側とは反対側の面に反射膜37aを設けることによって構成することができる。この場合、反射膜37aの蛍光体層34と対向する面が鏡面反射面となる。反射部37は、基板35が光反射特性を有する基材からなる構成であってもよい。この場合、反射膜37aを省略し、基板35の蛍光体層34と対向する面を鏡面化することにより、この面を鏡面反射面とすることができる。
固定部材36には、光反射特性を有する無機接着剤を用いることが好ましい。この場合、光反射特性を有する無機接着剤によって蛍光体層34の側面から漏れ出す光を蛍光体層34内へと反射させることができる。これにより、蛍光体層34で生成された蛍光光YLの光取り出し効率を更に高めることができる。
基板35の蛍光体層34を支持する面とは反対側の面には、ヒートシンク38が配置されている。蛍光発光素子27においては、ヒートシンク38を介して放熱できるため、蛍光体層34の熱劣化を防ぐことができる。
蛍光体層34で生成された蛍光光YLのうち、一部の蛍光光YLは、反射部37によって反射され、蛍光体層34の外部へと射出される。また、蛍光体層34で生成された蛍光光YLのうち、他の一部の蛍光光YLは、反射部37を介さずに蛍光体層34の外部へと射出される。このようにして、蛍光光YLが蛍光体層34から射出される。
蛍光体層34から射出された蛍光光YLは、偏光方向が揃っていない非偏光光のため、第1のピックアップ光学系26を通過した後、非偏光の状態のまま偏光分離素子50Aに入射する。蛍光光YLは、偏光分離素子50Aからインテグレータ光学系31に向けて透過される。
偏光分離素子50Aから射出されたP偏光の青色光BLp’は、位相差板28に入射する。位相差板28は、偏光分離素子50Aと拡散反射素子30との間の光路中に配置された1/4波長板(λ/4板)から構成されている。したがって、偏光分離素子50Aから射出されたP偏光の青色光BLp’は、位相差板28を透過することによって、円偏光の青色光BLc’に変換された後、第2のピックアップ光学系29に入射する。
第2のピックアップ光学系29は、青色光BLc’を拡散反射素子30に向けて集光させるものである。第2のピックアップ光学系29は、例えばピックアップレンズ29a、ピックアップレンズ29bから構成されている。
拡散反射素子30は、第2のピックアップ光学系29から射出された青色光BLc’を偏光分離素子50Aに向けて拡散反射させるものである。その中でも、拡散反射素子30としては、拡散反射素子30に入射した青色光BLc’をランバート反射させるものを用いることが好ましい。
拡散反射素子30は、拡散反射板30Aと、拡散反射板30Aを回転させるためのモーター等の駆動源30Mと、を備えている。駆動源30Mの回転軸は、光軸ax1と略平行に配置されている。これにより、拡散反射板30Aは、拡散反射板30Aに入射する青色光BLc’の中心軸に交差する面内で回転可能に構成されている。拡散反射板30Aは、回転軸の方向から見て例えば円形に形成されている。
図3(a)は、拡散反射板30Aの断面図である。
例えば図3(a)に示す拡散反射板30Aは、基材43と、反射膜44と、を備えている。基材43は、例えばガラス等の任意の材料で構成されている。
基材43の2つの面のうち、青色光BLc’が入射する側の面に、ランダムに配置された複数の曲面を含む凹凸構造43aが設けられている。本実施形態では、凹凸構造43aは複数の凹部からなり、個々の凹部は略球面状に形成されている。凹部の深さは、例えば球面全体の径の1/4程度である。
図4に示すように、拡散反射板30Aを光の入射方向から見て、複数の凹部はランダムに配置されている。図4の符号Cは各凹部の中心を示し、複数の凹部の中心Cがランダムに配置されている。
反射膜44は、例えば銀、アルミニウム等の光反射率の高い金属で形成された金属反射膜である。反射膜44は凹凸構造43aの形状に沿って形成されており、反射膜44の表面も略球面状の形状を呈している。凹凸構造43aの表面に反射膜44が形成されたことにより、凹凸構造43aは反射性を有する。拡散反射板30Aの反射膜44の形成面に青色光BLc’が入射したとき、青色光BLc’は1回の反射で射出され、多重反射は生じない。これにより、青色光BLc’ が拡散反射板30Aによって反射されるときの、その偏光状態の乱れが抑制される。
反射膜44として、金属反射膜に限らず、例えば誘電体多層膜を用いることも可能である。しかしながら、反射膜44として金属反射膜を用いた場合、誘電体多層膜からなる反射膜を用いた場合と比べて、光の入射角が変化しても反射特性が低下しにくい。その結果、拡散反射板30Aによる光の損失が少なくなり、光の利用効率を高めることができる。
上記の拡散反射板30Aを製造する際は、まず、ガラス等の基材の一面に、例えばクロム等のエッチング防止膜を形成する。
次に、エッチング防止膜に、レーザー加工等により複数の孔を形成する。このとき、レーザー加工機において、形成する複数の孔の位置がランダムに配置されるように形成位置の座標を設定する。これにより、ランダムに配置された複数の孔がエッチング防止膜に形成される。
次に、エッチング防止膜をマスクとして、基材の一面を例えばウエットエッチングによりエッチングする。このとき、ウエットエッチングの条件を等方エッチングとなるように調整する。このようにしてエッチングすると、エッチング液がエッチング防止膜の孔の部分から浸透し、孔に対応した位置に凹部が形成される。エッチングは等方エッチングであるため、孔を中心としてエッチングが等方的に進行する結果、凹部の断面形状は略球状となる。
次に、凹凸構造が形成された基材の一面に、銀、アルミニウム等の金属膜をスパッタ法、蒸着法等により形成する。
以上の方法により、拡散反射板30Aが完成する。
図3(b)、(c)は、拡散反射板の他の例(拡散反射板30B、拡散反射板30C)の断面図である。拡散反射板30Aに代えて、拡散反射板30Bもしくは拡散反射板30Cが用いられてもよい。
図3(b)に示す拡散反射板30Bは、基材45が銀、アルミニウム等の金属で形成されている。基材45の2つの面のうち、青色光BLc’が入射する側の面に、ランダムに配置された複数の曲面を含む凹凸構造45aが設けられている。凹凸構造45aの形状は、図3(a)の凹凸構造43aの形状と同様である。この構成では、基材45自体が光反射性を有しているため、基材45上に金属膜を形成する必要がない。
図3(c)に示す拡散反射板30Cは、基材46と、反射膜47と、を備えている。基材46は、例えばガラス等の任意の材料で構成されている。基材46の2つの面のうち、青色光BLc’が入射する側の面に、ランダムに配置された複数の曲面を含む凹凸構造46aが設けられている。凹凸構造46aの形状は、図3(a)の凹凸構造43aの形状と同様である。基材46の2つの面のうち、青色光BLc’が入射する側の面と反対側の面に、銀、アルミニウム等の金属からなる反射膜47が形成されている。
本実施形態の拡散反射板としては、図3(a)〜(c)に示したいずれの拡散反射板を用いてもよい。しかしながら、光の損失が少ないという観点では、図3(a)の拡散反射板30A、もしくは図3(b)の拡散反射板30Bのように、青色光BLc’が入射する側の面が光反射性を有するものが好ましい。図3(c)の拡散反射板30Cのように、青色光BLc’が基材46中に入射する構成であると、光の損失がある虞があるためである。
また、図3(a)〜(c)に示した拡散反射板は、ランダムに配置された複数の凹部を備えているが、規則的に配置された複数の凹部を備えてもよい。ただし、複数の凹部が規則的に配置されている場合、回折現象が起こる虞があるが、第1の光の利用効率の低下を抑制する、という効果は得られる。
照明装置20Aにおいては、このような拡散反射素子30を用いることにより、青色光BLc’を拡散反射させて、略均一な照度分布を有する青色光BLc’を得ることができる。
図2に示すように、拡散反射素子30で拡散反射された青色光BLc’は、再び第2のピックアップ光学系29を通り、位相差板28に入射することにより、青色光BLs’に変換される。青色光BLs’は偏光分離素子50Aに入射する。前述したように、拡散反射素子30に入射する前の青色光BLc’は円偏光である。青色光BLc’の偏光状態が拡散反射素子30によって全く乱されなければ、青色光BLs’はS偏光であって、P偏光成分を含まない。青色光BLc’の偏光状態が拡散反射素子30によってある程度乱されたとしても、青色光BLs’の主成分はS偏光成分である。青色光BLs’のS偏光成分は、偏光分離素子50Aによって反射される。偏光分離素子50Aによって反射された青色光BLs’のS偏光成分は、特許請求の範囲における第4の成分に相当する。
これにより、青色光BLs’は、偏光分離素子50Aを透過した蛍光光YLとともに、照明光WLとして照明装置20Aから射出される。すなわち、青色光BLs’および蛍光光YLは、偏光分離素子50Aから互いに同一方向に向けて射出される。これにより、青色光BLs’と蛍光光(黄色光)YLとが合成された照明光(白色光)WLが得られる。
照明装置20Aから射出された照明光WLは、インテグレータ光学系31に入射する。インテグレータ光学系31は、輝度分布(照度分布)を均一化するためのものである。インテグレータ光学系31は、例えば、レンズアレイ31a,レンズアレイ31bから構成されている。レンズアレイ31a,31bは、複数のマイクロレンズがアレイ状に配列されたものからなる。
インテグレータ光学系31を通過した照明光WLは、偏光変換素子32に入射する。偏光変換素子32は、照明光WLの偏光方向を揃えるものである。偏光変換素子32は、例えば、偏光分離膜と位相差板とから構成されている。偏光変換素子32は、偏光方向が揃っていない蛍光光YLと、S偏光の青色光BLs’の偏光方向との偏光方向を揃えるため、他方の偏光成分を一方の偏光成分に(例えばP偏光成分をS偏光成分に)変換する。
偏光変換素子32を通過することにより偏光方向が揃えられた照明光WLは、重畳光学系33に入射する。重畳光学系33は、偏光変換素子32から射出された照明光WLを重畳させるものである。重畳光学系33は、例えば、重畳レンズから構成されている。インテグレータ光学系31と重畳光学系33とによって、被照明領域における照度分布が均一化される。
以上のような構成を有する照明装置20Aにおいては、拡散反射板30Aが、ランダムに配置された複数の曲面を含む凹凸構造を有しているため、青色光BLc’が拡散反射板30Aによって反射されるときの、その偏光状態の乱れが抑制されるとともに、拡散角度を大きくすることができる。
青色光BLc’の偏光状態が拡散反射板30Aによって大きく乱されると、青色光BLs’に含まれるP偏光成分が多くなるため、偏光分離素子50Aによって反射される成分が少なくなる。しかし、本発明によれば、青色光BLs’に含まれるP偏光成分を少なくすることができるため、照明装置20Aから射出される青色光BLs’の光量の低下を抑えることができる。その結果、第1の光の利用効率の低下を抑制しつつ、照度分布の均一化やスペックルノイズの改善が可能な照明装置20Aを実現できる。
特に本実施形態の場合、拡散反射素子30が回転可能とされた拡散反射板30Aを備えているため、拡散反射素子30上での青色光BLc’の照射位置が時間的に変化する。そのため、青色光BLc’が照射されることによる拡散反射板30Aのダメージを低減することができる。また、青色光BLc’ の光路上に位置する凹凸構造が時間的に変化するため、照度分布の均一化効果やスペックルノイズの改善効果をより高めることができる。
照明装置20Aにおいては、励起光BLsにより蛍光体層34を励起することによって生成された蛍光光YLと、青色光BLp’を拡散反射素子30で拡散反射することにより得られた青色光BLs’とを用いて、色純度や色再現性に優れた照明光WLを得ることができる。
すなわち、ピーク波長が460nmの青色光BL’は、ピーク波長が446nmの励起光BLよりも視感度が高い青色光である。また、ピーク波長が460nmの光を用いた方が、ピーク波長が446nmの光を用いるよりも広い色域を得ることができる。すなわち、ピーク波長が460nmの光の方が、ピーク波長が446nmの光よりもカラー画像の形成に適している。したがって、ピーク波長が460nmの青色光BL’と蛍光光YLとを用いて照明光WLを得る場合の方が、ピーク波長が446nmの励起光BLと蛍光光YLとを用いて照明光WLを得る場合よりも、照明光WLの色域(色の再現範囲)を向上させることが可能である。
また、励起光BLを射出する第2の半導体レーザー212は、青色光BL’を射出する第1の半導体レーザー211よりも一般的に安価である。したがって、照明装置20Aでは、励起光用のレーザー光源にピーク波長が446nmのレーザー光を射出する第2の半導体レーザー212を用い、青色光用のレーザー光源にピーク波長が460nmのレーザー光を射出する第1の半導体レーザー211を用いることによって、より安価に色域の向上を図ることが可能である。
以上のようにして、このような照明装置20Aを備えたプロジェクター1によれば、装置の小型化、軽量化を図りつつ、画像品質に優れた表示を行うことが可能となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図5〜図9を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクター1bは、照明装置2bを備えている。プロジェクター1bの基本構成は第1実施形態のプロジェクター1と同様であるが、照明装置2bの構成がプロジェクター1の照明装置2の構成と異なる。プロジェクター1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
(プロジェクター)
図5は、本実施形態に係るプロジェクター1bの概略構成を示す平面図である。
図5に示すように、プロジェクター1bは、照明装置2bと、色分離光学系3と、光変調装置4R、光変調装置4Gおよび光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学系6と、を備えている。
(照明装置)
次に、本実施形態に係る照明装置2bについて説明する。
図6は、第2実施形態の照明装置を示す概略構成図である。
図6に示すように、照明装置2bは、アレイ光源21Bと、コリメーター光学系22と、アフォーカル光学系23と、位相差板28aと、ホモジナイザー光学系24と、偏光分離素子50Aと、第1のピックアップ光学系26と、蛍光発光素子27と、位相差素子28bと、第2のピックアップ光学系29と、拡散反射素子30eと、均一照明光学系40と、を含んでいる。アレイ光源21B、コリメーター光学系22、アフォーカル光学系23、位相差板28aおよびホモジナイザー光学系24は、光源装置25を構成する。光源装置25は、偏光分離素子50Aに対するP偏光成分および偏光分離素子50Aに対するS偏光成分を含む第3の光を射出する。第3の光に含まれるP偏光成分は、特許請求の範囲における、第1の偏光状態の第1の成分に相当する。第3の光に含まれるS偏光成分は、特許請求の範囲における、第2の偏光状態の第2の成分に相当する。本実施形態の場合、第3の光は楕円偏光または円偏光であるが、第3の光は、P偏光とS偏光とが混合された光であってもよい。
光源装置25と、偏光分離素子50Aと、位相差素子28bと、第2のピックアップ光学系29と、拡散反射素子30eとは、光軸ax1上に配置されている。一方、蛍光発光素子27と、第1のピックアップ光学系26と、偏光分離素子50Aと、均一照明光学系40とは、光軸ax2上に配置されている。光軸ax1と光軸ax2とは、同一面内にあり、互いに直交する。
アレイ光源21Bは、複数の半導体レーザー211を備えている。半導体レーザー211は、直線偏光の青色光からなる光ビームBL’を射出する。後述するように、光ビームBL’の一部は、偏光分離素子50Aにより分離されて蛍光体層の励起光となる。光ビームBL’の他の一部は、偏光分離素子50Aにより分離され、拡散反射素子を経て画像表示用の青色光となる。
アレイ光源21Bから射出された光ビームBL’は、コリメーター光学系22に入射する。コリメーター光学系22を透過した光ビームBL’は、アフォーカル光学系23に入射する。
アフォーカル光学系23を透過した光ビームBL’は、位相差板28aを透過して円偏光に変換される。位相差板28aを透過した光ビームBL’は、ホモジナイザー光学系24に入射する。
光源装置25から射出された光ビームBL’は、偏光分離素子50Aに入射する。偏光分離素子50Aは、円偏光の光ビームBL’を、偏光分離素子50Aに対するS偏光成分の光ビームBMSeとP偏光成分の光ビームBMpとに分離する。S偏光成分の光ビームBMSeは、偏光分離素子50Aで反射され、蛍光発光素子27に向けて進み、励起光として用いられる。P偏光成分の光ビームBMpは、偏光分離素子50Aを透過し、拡散反射素子30eに向けて進む。また、偏光分離素子50Aは、青色光とは波長帯が異なる蛍光光YLを、偏光状態にかかわらず透過させる波長選択性を有している。
偏光分離素子50Aで反射された光ビームBMSeは、第1のピックアップ光学系26に入射する。
蛍光体層34は、例えば波長460nmの励起光(光ビームBMSe)により励起される蛍光体を含む。蛍光体は、例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光光(黄色光)YLを生成する。蛍光体層34には、偏光分離素子50Aで反射した第2の成分であるS偏光の光ビームBMSeが入射する。
蛍光体層34から射出された蛍光光YLは、偏光方向が揃っていない非偏光光である。蛍光光YLは、第1のピックアップ光学系26を通過した後、偏光分離素子50に入射する。偏光分離素子50は偏光状態にかかわらず蛍光光YLを透過させる特性を有しているため、蛍光光YLは、偏光分離素子50を透過し、インテグレータ光学系31に向かって進む。
一方、偏光分離素子50Aを経由したP偏光の光ビームBMは、位相差素子28bに入射する。位相差素子28bは、偏光分離素子50Aと拡散反射素子30eとの間の光路中に配置された1/4波長板で構成されている。したがって、偏光分離素子50Aから射出されたP偏光の光ビームBMは、位相差素子28bにより円偏光の光ビームBMに変換される。本実施形態においては、光ビームBMは右円偏光である。その後、光ビームBMは、第2のピックアップ光学系29に入射する。
第2のピックアップ光学系29は、光ビームBMを拡散反射素子30eに向けて集光させる。
拡散反射素子30eは、第2のピックアップ光学系29から射出された光ビームBMを偏光分離素子50Aに向けて拡散反射させる。拡散反射素子30eは、第1実施形態における拡散反射素子30と同様に、複数の曲面を含む凹凸構造143を有する。拡散反射素子30eには、位相差素子28bを透過することで偏光状態が変化した第1の成分が入射する。
以下、拡散反射素子30eに入射した光ビームBMが左円偏光の光ビームBM’に変換される場合について説明する。
光ビームBM’は、再び位相差素子28bに入射することによって、S偏光の光ビームBMSdに変換される。その後、光ビームBMSdは偏光分離素子50Aに入射する。本実施形態においては、光ビームBM’は左円偏光であるため、光ビームBMSdは特許請求の範囲における第2の偏光状態の第4の成分に相当する。すなわち、特許請求の範囲における、拡散反射素子30eで反射し位相差素子28bを透過した第1の成分は、第1の偏光状態の成分を含まない。ただし、凹凸構造143の形状によっては、拡散反射素子30eに入射した光ビームBMが完全な左円偏光としては反射されない場合がある。この場合は、拡散反射素子30eで反射し位相差素子28bを透過した第1の成分は、第1の偏光状態の成分をいくらか含む。
S偏光の光ビームBMSdは、偏光分離素子50Aにより反射され、インテグレータ光学系31に向かって進む。このようにして、青色光である光ビームBMSdと黄色光である蛍光光YLとが合成された白色の照明光WLが得られる。
ところで、アレイ光源21Bから射出された光の利用効率を高めるためには、光ビームBMSdがS偏光である直線偏光として偏光分離素子50Aに入射することが好ましい。光ビームBMc’が楕円偏光の場合、光ビームBMc’は位相差素子28bを透過しても楕円偏光のままである。偏光分離素子50Aに入射する光ビームBMSdは楕円偏光であるため、偏光分離素子50Aで反射されないP偏光成分を含む。そのため、偏光分離素子50Aによって反射された光ビームBMSdの光量が少なくなる。光ビームBMc’が左円偏光の場合、光ビームBMc’は位相差素子28bによってS偏光である直線偏光に変換されるため、偏光分離素子50Aによって反射された光ビームBMsdの光量が最大となる。
ここで、拡散反射素子30eに光が垂直に入射すると仮定する。拡散反射素子30eが右円偏光の光ビームBMcを左円偏光の光ビームBMc’に変換するためには、拡散反射素子30eは、入射した直線偏光を、その偏光状態を維持したまま反射させる特性を持っていなければならない。偏光状態が維持されない場合、光ビームBMc’は楕円偏光になる。したがって、拡散反射素子30eによって直線偏光の偏光状態が維持される割合が高いほど、偏光分離素子50Aによって反射された光ビームBMSdの光量が多い。その結果、照明光WLとして利用される成分が多くなり、光利用効率を高めることができる。
偏光状態を維持するための具体的な手段としては、拡散反射素子30eの凹凸構造のアスペクト比を適切な範囲内に調整すればよい。
図7は、本実施形態の拡散反射素子30eを示す断面図である。
図7に示すように、拡散反射素子30eは、基材141と、基材141の一面141aに設けられた反射膜142と、を備えている。基材141の一面には、凹部143aと凸部143bとが交互に設けられた凹凸構造143が形成されている。反射膜142は、例えば銀、アルミニウムなどの反射率の高い金属材料で構成されている。基材141の材料は特に限定されないが、耐熱性が高い材料であることが好ましい。反射膜142は、基材141の凹凸構造143の形状が反映されるような所定の膜厚で形成されている。なお、基材141は光反射性を有する材料で構成されていてもよく、その場合には反射膜が別途設けられていなくてもよい。
隣り合う2つの凸部143b間の距離(もしくは隣り合う2つの凹部143a間の距離)をピッチPとし、凹部143aの最下部から凸部143bの最上部までの距離を凹部143aの深さDとしたとき、凹凸構造143のアスペクト比をD/Pと定義する。
ここで、本発明者らは、凹凸構造143のアスペクト比と光利用効率との関係を調べた。具体的には、凹凸構造143のアスペクト比が異なる拡散反射素子30eを実際に作成し、偏光分離素子50Aを介して射出された光の光量を測定した。また、平坦な反射面を持つ鏡面反射素子で拡散反射素子30eを置き換えた場合に得られる光量を基準光量とした。そして、拡散反射素子30eを用いて得られた光量と基準光量との比を算出した。鏡面反射素子では、入射光が反射素子で1回だけ正反射するため、垂直に入射した直線偏光の偏光状態は100%維持される。したがって、拡散反射素子を鏡面反射素子と置き換えた場合には光利用効率が最大となる。
図8は、拡散反射素子のアスペクト比と光量比との関係を示すグラフである。
図8の横軸はアスペクト比であり、図8の縦軸は光量比(%)である。2本のグラフAおよびグラフBは、拡散反射素子に入射する光の光路上の光学系の構成を変え、拡散反射素子に入射する光の強度分布を異ならせた2種類の実験結果を示している。
なお、アスペクト比がゼロとは、鏡面反射素子を用いたことに対応する。したがって、アスペクト比がゼロの場合、垂直に入射した直線偏光の偏光状態が100%維持される結果、光量比は100%となる。
図8に示すように、2種類の光学系で共通する傾向として、光量比が75%以上の領域(光学系Aではアスペクト比が0.35以下の領域、光学系Bではアスペクト比が0.25以下の領域)では、アスペクト比の増加に伴って光量比は緩やかに低下する傾向を示す。これに対して、光量比が75%未満の領域(光学系Aではアスペクト比が0.35よりも大きい領域、光学系Bではアスペクト比が0.25よりも大きい領域)では、アスペクト比の増加に伴って光量比は急激に低下する傾向を示す。この理由は、アスペクト比が相対的に小さい領域では凹部が浅いため、入射光が凹部内で反射される回数が少なく、偏光状態が維持される割合が大きい。これに対して、アスペクト比が相対的に大きい領域では凹部が深いため、入射光が凹部内で多重反射する割合が増加し、偏光状態が維持される光の割合が小さくなるため、と推定される。このように、多重反射しないことが好ましい。
以上の実験結果から、上記の光量比が75%以上の値を示すように凹凸構造のアスペクト比を設定することにより、ある程度高い光利用効率が得られることが実証された。ただし、図8に示すように、光量比が75%以上の値を示すためのアスペクト比の範囲は、用いる光学系によって異なる。
上述したように、光利用効率を高める観点からすれば、凹凸構造のアスペクト比は極力小さい方が好ましい。しかしながら、凹凸構造のアスペクト比を小さくし過ぎると、別の問題が生じる。
拡散光の拡散角度分布は凹凸構造のアスペクト比と相関があり、凹凸構造のアスペクト比が小さいと、それに伴って拡散角度分布が小さくなる。一般に、蛍光体層から射出される蛍光と拡散層から射出される拡散光とでは配光分布が異なる。具体的には、拡散光の拡散角度分布は蛍光の拡散角度分布よりも小さい。そのため、本実施形態の照明装置の場合、凹凸構造のアスペクト比が小さ過ぎると、青色光の拡散角度分布が小さくなり過ぎ、蛍光発光素子から射出される黄色光の拡散角度分布との差異が大きくなって色むらが発生する、という問題がある。
そこで、本発明者らは、凹凸構造のアスペクト比と色むらとの関係を調べた。
具体的には、凹凸構造のアスペクト比を種々変えた拡散反射素子を実際に作成して本実施形態のプロジェクターに組み込み、照明装置から射出された光をスクリーン上に投射し、投射画像の色むらを測定した。色むらの測定方法としては、ズームレンズをワイド設定とし、色彩照度計を用いてスクリーン(被照明領域)上の13箇所の測定点において黒体軌跡からの偏差値(Δu’v’)を測定した。黒体軌跡からの偏差値Δu’v’が大きい程、色むらが大きいことを示す。
図9は、拡散反射素子のアスペクト比と色むら相対比との関係を示すグラフである。横軸はアスペクト比であり、縦軸は色むら相対比(%)である。ここで、拡散反射素子30eを鏡面反射素子で置き換えたときの偏差値Δu’v’を基準色むらと定義する。色むら相対比は、所定のアスペクト比を有する拡散反射素子を用いたときの偏差値(色むら)Δu’v’の、基準色むらに対する比である。色むら相対比が小さい方が、色むらが認識されにくい。
図9に示すように、色むら相対比が50%を超える領域、アスペクト比で言い換えると、アスペクト比が0.002未満の領域では、アスペクト比の増加に伴って色むら相対比は100%から急激に低下する傾向を示す。これに対して、色むら相対比が50%以下の領域、アスペクト比で言い換えると、アスペクト比が0.002以上の領域では、アスペクト比を増加させても、色むら相対比は大きく変化せず、50%程度の値で略一定となる傾向を示す。
また、本発明者らは、スクリーン上の投射画像を実際に目視して色むらの感応評価を行った。その結果を下の[表1]に示す。
[表1]においては、拡散反射素子に入射させる光の光路上の光学系の構成(光学系Aおよび光学系B)を変えることによって、入射光の強度分布を異ならせた2種類の実験結果を示している。なお、表1における「○」は、色むらが視認されないことを示している。「△」は、色むらは視認されるものの、気にならない程度に色むらが軽微であることを示している。「×」は、色むらが気になることを示している。
[表1]から明らかなように、色むら相対比が50%の場合、色むらが視認されないことが判った。色むら相対比が90%の場合、光学系によっては色むらが視認されるものの、画像表示にとって特に問題ないレベルであることが判った。これに対し、色むら相対比が100%の場合、色むらが気になり、画像表示に支障を来すレベルであることが判った。
図9および表1の結果から、色むら相対比が90%以下の値を示すように凹凸構造のアスペクト比を設定することによって、実用上問題ないレベルまで色むらが低減されることが判った。さらに、色むら相対比が50%以下の値を示すように凹凸構造のアスペクト比を設定することによって、色むらが最大限のレベルまで低減されることが判った。なお、色むら相対比が90%となるアスペクト比は0.0075であり、色むら相対比が50%となるアスペクト比は0.0027であった。
以上述べたように、拡散反射素子から得られる青色光の光利用効率を高めつつ、拡散光と蛍光光との拡散角度分布のバランスを取って色むらを抑制するためには、偏光分離素子を介して射出された光の光量と基準光量との比を75%以上とし、かつ、色むら相対比を90%以下、より好ましくは色むら相対比を50%以下とするように、拡散反射素子の凹凸構造のアスペクト比を制御すればよい。
ところで、上記の光量比や色むら相対比を所定の範囲内に制御するためには、拡散反射素子の凹凸構造が規則的であることが好ましい。すなわち、凹凸構造のピッチPもしくは凹部の深さDを一定に設計することが好ましい。しかしながら、拡散反射素子の製造プロセス上の要因によって、実際に完成した拡散反射素子の凹凸構造のピッチPや凹部の深さDがばらついたとしても、本実施形態の照明装置に支障なく用いることができる。もしくは、凹凸構造のピッチPもしくは凹部の深さDがランダムになるように設計してもよい。
本発明者らは、規則的な凹凸構造を有する拡散反射素子とランダムな凹凸構造を有する拡散反射素子とを作製し、光利用効率と色むらとを評価した。具体的には、アスペクト比を0.05で一定にした拡散反射素子と0.05を中心としてアスペクト比をランダムにばらつかせた拡散反射素子とを用いた。
光利用効率(図8の光量比)は、いずれの場合も96%であった。
また、プロジェクターのズームレンズをワイド設定またはテレ設定として、上記の偏差値(Δu’v’)を測定した結果を図10に示す。
図10に示すように、凹凸構造のランダム性の有無による偏差値Δu’v’の差は、ワイド設定、テレ設定の双方ともに0.001程度であった。0.001程度の偏差値Δu’v’の差は、目視される色むらとしては無視できるレベルである。
以上のことから、拡散反射素子の凹凸構造のピッチPや凹部の深さDは、一定であってもよいし、ランダムであってもよいことが確認された。なお、ピッチPや凹部の深さDがランダムである場合のアスペクト比は、複数箇所の凹凸のピッチPや凹部の深さDの平均値と考えることができる。平均値を算出する際の凹部もしくは凸部の母数は適宜決定すればよい。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について図11を用いて説明する。
本実施形態の照明装置の基本構成は第2実施形態の照明装置と同様であるが、拡散反射素子と蛍光発光素子との位置関係が第2実施形態と異なる。
図11は、第3実施形態の照明装置の概略構成図である。
図11において、第2実施形態における照明装置2bと共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の偏光分離素子が第2実施形態の偏光分離素子と異なる点は、青色光とは波長帯が異なる蛍光光を、その偏光状態にかかわらず反射させる特性を有する点である。このような偏光分離素子の特性の相違に伴って、本実施形態の照明装置では、拡散反射素子と蛍光発光素子との位置関係が第2実施形態と入れ替わっている。
図11に示すように、本実施形態の照明装置52においては、光源装置25と、偏光分離素子53と、第1のピックアップ光学系26と、蛍光発光素子27とは、光軸ax1上に配置されている。
拡散反射素子30eと、第2のピックアップ光学系29と、位相差板28bと、偏光分離素子53と、インテグレータ光学系31と、偏光変換素子32と、重畳光学系33とは、光軸ax2上に配置されている。本実施形態においても、拡散反射素子30eが凹凸構造を有し、凹凸構造のアスペクト比が第2実施形態と同様に設定されている。
本実施形態のプロジェクターにおいて、S偏光の光ビームBMは、偏光分離素子53で反射され、位相差素子28bに向けて進む。偏光分離素子53から射出された光ビームBMは、位相差素子28bにより右円偏光の光ビームBMに変換される。その後、光ビームBMは、第2のピックアップ光学系29を経て拡散反射素子30eに入射する。拡散反射素子30eは、入射した光ビームBMを左円偏光のBM’に変換して偏光分離素子53に向けて拡散反射させる。本実施形態においても、拡散反射素子30eから射出された光ビームBM’が左円偏光である場合について説明する。
拡散反射素子30eで拡散反射された光ビームBM’は、再び位相差素子28bに入射することによって、P偏光の光ビームBMPdに変換される。その後、P偏光の光ビームBMPdは、偏光分離素子53を透過し、インテグレータ光学系31に向かって進む。一方、P偏光成分の光ビームBMpは、偏光分離素子53を透過し、励起光として蛍光発光素子27に向けて進む。
本実施形態においても、拡散反射素子30eから得られる青色光の光利用効率を高めつつ、色むらを抑制することができる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態で用いた拡散反射板では、凹凸構造は曲面からなる複数の凹部によって構成されていたが、曲面からなる複数の凸部によって構成されていてもよい。すなわち、図3に示した拡散反射板に対して、凹凸形状が反転した拡散反射板を用いてもよい。また、凹凸構造は曲面からなる複数の凹部と曲面からなる複数の凸部によって構成されていてもよい。
第1実施形態では、第1の波長帯が第2の波長帯とは異なる例を挙げたが、第1の波長帯は第2の波長帯と一致していてもよい。
各実施形態の照明装置では、偏光分離素子と拡散反射素子との間に設ける位相差素子として1/4波長板が用いられているが、位相差素子の位相差は必ずしも1/4波長に限ることはなく、適宜変更が可能である。その他、照明装置およびプロジェクターの各種構成要素の形状、数、配置、材料などについては、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
各実施形態において、拡散反射素子は固定されていてもよいし、第1実施形態のように回転可能に構成されていてもよい。
各実施形態では、本発明による光源装置を、液晶ライトバルブを用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。
各実施形態では、本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1,1b…プロジェクター、2,2b,20A,52…照明装置、4R,4G,4B…光変調装置、6…投射光学系、21A…アレイ光源(光源装置)、21B…アレイ光源、25…光源装置、28,28b…位相差素子、30,30e…拡散反射素子、34…蛍光体層、37…反射部、43a,45a,46a,143…凹凸構造、44,47…反射膜、50A,53…偏光分離素子、211…第1の半導体レーザー(第1の光源)、212…第2の半導体レーザー(第2の光源)。

Claims (9)

  1. 照明光を射出する照明装置と、
    前記照明光を画像情報に応じて変調することにより画像光を形成する光変調装置と、
    前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、
    前記照明装置は、
    レーザー光を射出する光源装置と、
    前記レーザー光が入射する第1位相差素子と、
    前記第1位相差素子から射出した前記レーザー光を、第1の偏光状態を有する第1の成分と、前記第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態を有する第2の成分と、に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子を経由した前記第1の成分が入射し、前記第1の成分の偏光状態を変化させる第2位相差素子と、
    複数の曲面を含む凹凸構造を有し、前記第2位相差素子を透過した前記第1の成分を拡散反射する拡散反射素子と、
    前記偏光分離素子を経由した前記第2の成分が入射し、前記第2の成分により励起されて、前記レーザー光の波長帯とは異なる波長帯の光を発する蛍光体層と、を備え、
    前記拡散反射素子で反射された前記第1の成分は、前記第2位相差素子に入射して、前記第2の偏光状態を有する光ビームに変換され、
    前記蛍光体層が発する光と前記光ビームとが前記偏光分離素子を経由して前記照明光として射出されることを特徴とするプロジェクター。
  2. 前記複数の曲面が、平面視でランダムに配置されたことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
  3. 前記拡散反射素子は、金属からなる基材を含み、
    前記基材における前記第1の成分が入射する側の面に、前記凹凸構造が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクター。
  4. 前記拡散反射素子は、ガラスからなる基材を含み、
    前記基材における前記第1の成分が入射する側の面に、前記凹凸構造が設けられ、
    前記凹凸構造の表面に、前記凹凸構造の形状に沿って金属反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクター。
  5. 前記凹凸構造は、前記拡散反射素子で反射された前記第1の成分が前記第2位相差素子に入射して変換された前記第2の偏光状態を有する前記光ビームの光量が、前記拡散反射素子を平坦な反射面を持つ反射素子と置き換えた場合に得られる前記光量の75%以上となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
  6. 前記照明装置において、
    前記偏光分離素子は、前記レーザー光の波長帯とは異なる波長帯の光を、偏光状態に係わらず透過させ、
    前記蛍光体層の前記第2の成分が入射する面とは反対側に設けられ、前記蛍光体層が発する光を反射する反射部、を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
  7. 前記照明装置において、
    前記偏光分離素子は、前記レーザー光の波長帯とは異なる波長帯の光を、偏光状態に係わらず反射させ、
    前記蛍光体層の前記第2の成分が入射する面とは反対側に設けられ、前記蛍光体層が発する光を反射する反射部、を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
  8. 前記凹凸構造のアスペクト比が0.002以上であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
  9. 前記拡散反射素子は、前記拡散反射素子に入射する前記第1の成分の中心軸に交差する面内で回転可能とされたことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
JP2015020256A 2014-04-16 2015-02-04 プロジェクター Active JP6557983B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015020256A JP6557983B2 (ja) 2015-02-04 2015-02-04 プロジェクター
CN201510172338.XA CN105022216B (zh) 2014-04-16 2015-04-13 照明装置和投影机
US14/684,817 US9500941B2 (en) 2014-04-16 2015-04-13 Illumination device and projector

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015020256A JP6557983B2 (ja) 2015-02-04 2015-02-04 プロジェクター

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016142983A JP2016142983A (ja) 2016-08-08
JP6557983B2 true JP6557983B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=56570423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015020256A Active JP6557983B2 (ja) 2014-04-16 2015-02-04 プロジェクター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6557983B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6690217B2 (ja) 2015-03-09 2020-04-28 セイコーエプソン株式会社 光源装置及びプロジェクター
JP7108901B2 (ja) * 2018-02-26 2022-07-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 照明装置及び投写型表示装置
JP7102843B2 (ja) * 2018-03-27 2022-07-20 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター
JP7205330B2 (ja) * 2019-03-20 2023-01-17 株式会社リコー 光源装置、画像投射装置及び光源光学系
JP2021047366A (ja) 2019-09-20 2021-03-25 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター
JP7322691B2 (ja) * 2019-12-16 2023-08-08 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター
JP7468267B2 (ja) 2020-09-16 2024-04-16 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター
JP7484605B2 (ja) 2020-09-17 2024-05-16 セイコーエプソン株式会社 光源装置およびプロジェクター
WO2023058586A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 光源装置及び投写型映像表示装置
JPWO2023058587A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310334A (ja) * 2000-04-27 2001-11-06 Hitachi Chem Co Ltd 転写原型、凹凸型、これらの製造方法、転写用積層体及び拡散反射板
JP2005043552A (ja) * 2003-07-25 2005-02-17 Alps Electric Co Ltd 反射体及び液晶表示装置及び反射体の製造方法及び反射体製造装置
JP2005115363A (ja) * 2003-09-19 2005-04-28 Dainippon Printing Co Ltd 投影スクリーン及びそれを備えた投影システム
JP4285259B2 (ja) * 2004-01-30 2009-06-24 凸版印刷株式会社 反射型スクリーン
JP2006215115A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Nec Tokin Corp 光拡散反射板の製造方法
JP5399099B2 (ja) * 2008-03-31 2014-01-29 富士フイルム株式会社 液晶表示装置
JP2009080506A (ja) * 2009-01-08 2009-04-16 Hitachi Chem Co Ltd 拡散反射板の製造法及び転写フィルム
JP5573473B2 (ja) * 2010-08-06 2014-08-20 セイコーエプソン株式会社 光源装置及びプロジェクター
JP6056001B2 (ja) * 2012-06-04 2017-01-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 光源装置および投写型表示装置
CN203217230U (zh) * 2012-12-28 2013-09-25 深圳市绎立锐光科技开发有限公司 发光装置及投影***
JP6232818B2 (ja) * 2013-03-15 2017-11-22 セイコーエプソン株式会社 照明装置及びプロジェクター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016142983A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6557983B2 (ja) プロジェクター
JP6427929B2 (ja) プロジェクター
US9500941B2 (en) Illumination device and projector
JP6575361B2 (ja) 波長変換素子、照明装置及びプロジェクター
US9804485B2 (en) Light source device, lighting apparatus, and projector
JP6232818B2 (ja) 照明装置及びプロジェクター
US9942528B2 (en) Wavelength conversion element, illumination device, and projector
US10108076B2 (en) Light source apparatus and projector
JP2015092224A (ja) 光源装置および投写型表示装置
JP6627364B2 (ja) 光源装置、光源ユニット及びプロジェクター
US10451958B2 (en) Wavelength conversion device, illumination device and projector
JP2019028361A (ja) 照明装置およびプロジェクター
JP2016186566A (ja) 照明装置およびプロジェクター
JP2016018010A (ja) 波長変換装置、照明装置およびプロジェクター
JP2015049441A (ja) 照明装置及びプロジェクター
JP2019032352A (ja) 光源装置およびプロジェクター
JP2020024318A (ja) 光源装置およびプロジェクター
JP2019174572A (ja) 光源装置及びプロジェクター
JP6269037B2 (ja) 蛍光発光素子、光源装置およびプロジェクター
JP2018092054A (ja) 波長変換素子、光源装置及びプロジェクター
JP6582708B2 (ja) 光源装置、照明装置およびプロジェクター
JP6565365B2 (ja) 光源装置、照明装置およびプロジェクター
JP2022038680A (ja) 照明装置およびプロジェクター
JP2015087423A (ja) 発光素子、照明装置およびプロジェクター
JP2018132547A (ja) 拡散装置、光源装置およびプロジェクター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180904

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190409

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6557983

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150