JP6554940B2 - コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造及びその煉瓦積み構造に用いる蓄熱煉瓦に関するものである。
室炉式のコークス炉は上下2段構造を有し、上段には、石炭を乾留する炭化室と、炭化室へ熱を供給するために燃料ガスと燃焼用空気を供給して燃焼する燃焼室を交互に配置し、下段には蓄熱室を有する。蓄熱室には熱交換の媒体となる煉瓦(以下「蓄熱煉瓦」という。)が配置されている。蓄熱室のサイクルでは、まず燃焼室からの高温の燃焼排ガスが低温の蓄熱煉瓦に接触して冷却され、蓄熱煉瓦が高温に熱せられる。次いで低温の燃料ガスと燃焼用空気が蓄熱室に導入されて高温の蓄熱煉瓦に接触して予熱され、蓄熱煉瓦が冷却される。コークス炉ではこのサイクルを20〜30分間の周期で繰り返し、コークス炉の操業を行う。
熱交換の媒体となる蓄熱煉瓦は、煉瓦の上下方向に貫通しガスが流通する細長いスリットの列を有し、隣接するスリット間はウェブと呼ばれる。煉瓦のウェブの部分が蓄熱媒体となり、スリットを流通するガスとの間で熱交換が行われる。ウェブの幅を狭くし、多数のスリットを配列することにより、スリットを流通するガスが接触する伝熱面積を大きくし、スリット中の流体とウェブとの間の熱伝達を良好にすることができる。
蓄熱室には、多数の段数で蓄熱煉瓦が積み上げられて蓄熱煉瓦積み構造を形成している。蓄熱室の周囲の仕切り壁と蓄熱煉瓦積みとの間にはわずかな隙間のみを有する。高温の燃焼排ガスは蓄熱室の上部から蓄熱室に供給され、蓄熱煉瓦のスリットを通過して冷却され、蓄熱室の下部から抜ける。逆に低温の燃料ガスや燃焼用空気は蓄熱室の下部から蓄熱室に供給され、蓄熱煉瓦のスリットを通過して加熱され、蓄熱室の上部から抜ける。
スリットを有する蓄熱煉瓦としては、特許文献1、2に記載のものが知られている。1つの蓄熱煉瓦に、多数のスリットが列をなし、特許文献1では2群のスリット列、特許文献2では3群のスリット列が配置されている。
蓄熱煉瓦を上下に積み上げたとき、上段のスリット下端が下段のスリット上段と接する形状であると、煉瓦積みがわずかでもずれると上下のスリットが連続せず、ガスの流通が妨げられることとなる。そこで、蓄熱煉瓦の上下いずれかの端部において、スリットの端部と煉瓦の端部の間に段差を形成し、煉瓦を積み上げたときにこの段差部分が空間を形成するようにしている。空間が存在するため、この空間によって隣接するスリット同士が連通するとともに、たとえ上下のスリットの位置にずれが生じたとしても、ガスの流通が妨げられることがない。以下、この空間を「連通空間」と呼ぶ。特許文献1、2に記載のものはいずれも、煉瓦の下端側に連通空間を有している。
室炉式コークス炉に用いられる耐火物としては、高温領域で機械的強度が大きく、かつ高温領域で体積変化が少なく、熱伝導性が比較的良好であるとともに、材料が安価で大量に入手できる等の理由から、その多くが珪石煉瓦で構築されている。蓄熱室の仕切り壁についても、同様に珪石煉瓦が用いられている。一方、蓄熱室の蓄熱煉瓦については、高温と低温の間で温度の急変を繰り返すため、温度の急変に対する耐久性がある粘土煉瓦が使用されている。
特開2014−136760号公報 特開平7−172940号公報
蓄熱室の耐火煉瓦構造物のうち、仕切り壁の下端付近において、長期間のコークス炉稼働を経て仕切り壁煉瓦に熱的スポーリングに起因する損傷が発生するようになる。この損傷を放置すると、炉体強度が低下していき、炉の操業に支障を来すようになる。コークス炉はいったん操業を開始すると、途中で炉を休止しての炉体補修を行うことは非常に困難となる。従って、仕切り壁煉瓦への損傷発生を抑止することが重要である。
本発明は、コークス炉蓄熱室の仕切り壁煉瓦に損傷を発生させることのない、コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造及びその煉瓦積み構造に用いる蓄熱煉瓦を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造に蓄熱煉瓦Aと蓄熱煉瓦Bを用い、
蓄熱煉瓦Aと蓄熱煉瓦Bの共通構造として、煉瓦の上下方向に貫通しガスが流通するスリットの列を有し、煉瓦の上下方向一方の端部にはスリット同士が連通する連通空間を有し、当該連通空間を有する側を連通側と称し、
蓄熱煉瓦Aは、4つの側面のうち対向する2面については連通側の煉瓦端部まで達する壁を有し、残りの2面については連通空間が当該面外方に開放されており、
蓄熱煉瓦Bは、4つの側面のうち少なくとも3面については連通側の煉瓦端部まで達する壁を有し、
蓄熱煉瓦積み構造において、少なくとも最下段の2段の少なくとも蓄熱室コーナーに配する蓄熱煉瓦については蓄熱煉瓦Bを用いることを特徴とするコークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造。
(2)蓄熱室の仕切り壁と蓄熱煉瓦積みとの間の空間において、少なくとも最下段の1段については当該空間に砂を充填することを特徴とする上記(1)に記載のコークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造
本発明は、コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造において、蓄熱煉瓦の上下方向一方の端部にはスリット同士が連通する連通空間を有し、少なくとも最下段の2段の蓄熱煉瓦については、蓄熱室仕切り壁に面する側の側面において連通空間が外方に開放されていない煉瓦を用いることにより、熱せられた仕切り壁の珪石煉瓦に低温のガスが接触することがなくなり、コークス炉蓄熱室の仕切り壁煉瓦に発生する損傷を防止することができる。
本発明の蓄熱煉瓦積み構造を示す図であり、図2のA−A矢視側面部分断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦積み構造を示す図であり、図1−1の右下部分を拡大した側面部分断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦積み構造を示す図であり、図1−1のB−B矢視平面部分断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦Bを示す図であり、(a)はA−A矢視平面断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦Aを示す図であり、(a)はA−A矢視平面断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦Bを示す図であり、(a)はA−A矢視平面断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の蓄熱煉瓦積み構造を示す側面部分断面図である。 従来の蓄熱煉瓦積み構造を示す側面部分断面図である。
図1〜7に基づいて、本発明の蓄熱煉瓦積み構造及び蓄熱煉瓦2について説明する。
コークス炉の蓄熱室1には、図1、7に示すように、多数の段数で蓄熱煉瓦2が積み上げられて蓄熱煉瓦積み構造を形成している。蓄熱室1の周囲の仕切り壁20と蓄熱煉瓦積みとの間にはわずかな隙間のみを有する。高温の燃焼排ガスは蓄熱室1の上部から蓄熱室1に供給され、蓄熱煉瓦2のスリット3を通過するときに低温のウェブ4と熱交換してガスが冷却され、蓄熱室1の下部から抜ける。逆に低温の燃料ガスや燃焼用空気は蓄熱室1の下部から蓄熱室1に供給され、蓄熱煉瓦2のスリット3を通過するときに高温のウェブ4と熱交換してガスが加熱され、蓄熱室1の上部から抜ける。図1、6、7では、蓄熱室1下部から上部へ流れるガス流17を図示している。
図4に示すように、蓄熱煉瓦2の上下一方の端部において、スリット3の端部と煉瓦2の端部の間に段差を形成し、煉瓦を積み上げたときにこの段差部分が空間(連通空間5)を形成している。蓄熱煉瓦2の上下方向で、連通空間5を有する側を「連通側11」と名付ける。通常は下端側が連通側11になっている。また、蓄熱煉瓦2の4つの側面のうち対向する2面(以下「閉鎖面12」という。)については連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有し、残りの2面(以下「開放面13」という。)については連通空間5が当該面外方に開放されている(開放部7)。このような従来から用いられている蓄熱煉瓦を、ここでは「蓄熱煉瓦A2a」と称する。蓄熱煉瓦A2aを上下方向に積み上げたとき、4つの側面のうちの閉鎖面12については連通空間5と蓄熱煉瓦外方との間は閉鎖されて閉鎖部8を形成し、開放面13については連通空間5と蓄熱煉瓦外方との間が開放部7で開かれてガスが流通可能となる。
蓄熱煉瓦2の開放面13側の側面については、上端から下端まで連続する凹部を形成する。側面凹部14と呼ぶ。蓄熱煉瓦2を水平方向に並べたとき、図2に示すように、隣接する蓄熱煉瓦2の開放面13側との間で、両者の側面凹部14によってガス流路(「側面流路15」と呼ぶ。)が形成される。また、蓄熱煉瓦積み構造と仕切り壁20との間のわずかな隙間もガス流路(「壁間流路9」と呼ぶ。)となる。
従来の蓄熱煉瓦積み構造においては、図7に示すように、最下段から最上段までのすべてについて、上記蓄熱煉瓦A2aを用いて構築する。蓄熱室1に低温の燃料ガスあるいは燃焼用空気を通過させるサイクルにおいては、蓄熱室1の下端側から低温のガスが流入し、最下段の蓄熱煉瓦A2aから順次上方に向かって、各蓄熱煉瓦A2aのスリット3を経由してガスが上昇する。それと同時に、上下方向に接触する蓄熱煉瓦A2aの接触面に形成された連通空間5は開放面13において側方に開かれているので、側面凹部14が形成されている側の開放面13については、連通空間5から側面流路15へと流れるガス流が形成され、仕切り壁20に面している側の開放面13については、連通空間5から壁間流路9へと流れるガス流17が形成されることとなる。
蓄熱室1に高温の燃焼排ガスが流れるサイクルにおいては、蓄熱室1内の蓄熱煉瓦2も仕切り壁表面も高温に熱せられている。そのサイクルから、低温の燃料ガスあるいは燃焼用空気が流れるサイクルに切り替わった直後、蓄熱室1の下端付近においては、低温のガスが蓄熱室下部から供給され、各蓄熱煉瓦2の連通空間5からスリット3にガスが流れると同時に、蓄熱煉瓦2の開放面13において連通空間5から壁間流路9へと低温のガスが供給されることとなる。その結果、高温に熱せられていた仕切り壁20の煉瓦は、低温のガスに接して急速に冷却される。仕切り壁煉瓦は珪石煉瓦で構成されており、珪石煉瓦は常温から600℃までの熱膨張率が非常に大きいので、低温のガスによる急速冷却で熱的スポーリングを起こし、損傷に至る。長期間のコークス炉稼働を経て仕切り壁煉瓦に熱的スポーリングに起因する損傷が発生していたのは、このようなメカニズムによることが明らかになった。
蓄熱室下端から蓄熱室内に供給される低温のガスは、蓄熱煉瓦2を通過するに従って温度が上昇する。従って、蓄熱煉瓦積み構造の最下部とその付近を除いて、ガスの温度が上昇している部分については、連通空間5から壁間流路9にガスが流れても仕切り壁煉瓦に損傷を与えることはない。
そして、蓄熱煉瓦積み構造の蓄熱煉瓦最下段から少なくとも2段において、少なくとも蓄熱煉瓦2の連通空間5から壁間流路9に向かう開放部を遮断することにより、仕切り壁煉瓦の損傷を防止できることが明らかとなった。
そこで本発明においては、蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造において、従来から用いられている上記蓄熱煉瓦A2aとともに、少なくとも最下段から2段については、図3、図5に示すような蓄熱煉瓦B2bを用いることとした。図6に示すように、最下段から3段について蓄熱煉瓦B2bを用いるとより好ましい。
蓄熱煉瓦B2bは、煉瓦の上下方向に貫通しガスが流通するスリット3の列を有し、煉瓦の上下方向一方の端部にはスリット同士が連通する連通空間5を有する点では蓄熱煉瓦A2aと共通である。そして、4つの側面のうち少なくとも3面については連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有しており、その点で蓄熱煉瓦A2aと相違する(図5参照)。4つの側面すべてについて連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有していると好ましい(図3参照)。連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有する側面は、上下に蓄熱煉瓦を積み重ねたとき、連通空間5と煉瓦外部との間が閉鎖されて閉鎖部8を形成し、閉鎖面12となる(図1−2参照)。
蓄熱煉瓦積み構造において、閉鎖面12が3面で残り1面が開放面13である蓄熱煉瓦B2b(図5)を水平方向に敷き並べるに際しては、開放面13の側を隣接する蓄熱煉瓦B2bと接する側に配置する。これにより、蓄熱煉瓦B2bが仕切り壁20と接する側は閉鎖面12となるので、当該蓄熱煉瓦B2bから壁間流路9へのガス流れを防止することができる。閉鎖面12が4面で開放面を有しない蓄熱煉瓦B2b(図3)においては、どのように配置しても、当該蓄熱煉瓦B2bから壁間流路9へのガス流れを防止することができる。
図2に示すように、水平面で3×2の合計6個の蓄熱煉瓦2が配置される蓄熱煉瓦積み構造においては、蓄熱室1の蓄熱室コーナー21に接しない蓄熱煉瓦2が存在する。このような配置においては、少なくとも最下段の2段の少なくとも蓄熱室コーナー21に配する蓄熱煉瓦2については蓄熱煉瓦B2bを用いることが必要である。蓄熱室コーナー21以外の部分に配する蓄熱煉瓦2については、開放面13を2面有する蓄熱煉瓦A2aであっても、壁間流路9と連通空間5との間を閉鎖することが可能であるので、蓄熱煉瓦A2aを用いてもかまわない。
図1−1、図1−2は、4つの側面がすべて閉鎖面12である蓄熱煉瓦B2b(図3)を、最下段から3段について配置し、4段目より上側については蓄熱煉瓦A2a(図4)を用いた例である。蓄熱煉瓦2の連通空間5から壁間流路9へガスが流れるのは、下から4段目より上の蓄熱煉瓦A2aである。下方から流入した低温のガスは、最下段から3段の高温に熱せられた蓄熱煉瓦B2bを通過する間に温度が上昇し、4段目より上の蓄熱煉瓦A2aの連通空間5から開放部7を通じて壁間流路9にガスが流れ出ても、仕切り壁20の珪石煉瓦に熱的スポーリングを与えることはない。
本発明の蓄熱煉瓦積み構造において、最下段から2段あるいは3段について蓄熱煉瓦B2bを用い、それよりも上の段については蓄熱煉瓦A2aを用いると好ましい。蓄熱煉瓦A2aは、4つの側面のうち対向する2面については連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有し、残りの2面については連通空間5が当該面外方に開放されている。そのため、仕切り壁20と蓄熱煉瓦2の間の壁間流路9にも連通空間5から開放部7を通じてガスが供給され、水平方向に蓄熱煉瓦A2a同士が接触している部分の側面流路15にも連通空間5から開放部7を通じてガスが供給され、壁間流路9や側面流路15に面する蓄熱煉瓦A2aの面もガスと煉瓦の間の伝熱面として機能するので、伝熱面積を増大することができ、熱交換効率を上げることができる。
本発明で好ましくは、図1−1、図1−2、図2に示すように、蓄熱室1の仕切り壁20と蓄熱煉瓦積みとの間の空間(壁間流路9)において、少なくとも最下段の1段については当該空間(壁間流路9)に砂10を充填する。上記のように、蓄熱煉瓦B2bを積み重ねることにより、連通空間5と壁間流路9との間は閉鎖されるが、上下の蓄熱煉瓦間の積み重ね部に若干の隙間が生じ、この隙間を通してガスが流れることがある。本発明では、壁間流路9に砂10を充填することにより、連通空間5から壁間流路9へのガス流れをより確実に抑止することが可能となる。充填する砂10としては、珪砂あるいは焼き砂を好ましく用いることができる。
蓄熱煉瓦B2bの連通空間5が煉瓦の下端に配置されている場合であって、蓄熱煉瓦B2bを最下段から2段に用いている場合には、上記のように最下段の1段について壁間流路9に砂10を充填する。このとき、最下段とその上の段との接合面についても充填した砂で隠れるようにすると好ましい。これにより、最下段から2段分の蓄熱煉瓦B2bについて、連通空間5から壁間流路9へのガス流れの抑止を確実にすることができる。2段目と3段目の接合面まで含めて砂を充填すると、3段目は蓄熱煉瓦A2aであって壁間流路9との境界側面は開放面13となっていることから、充填した砂10が連通空間5内に入り込み、その下の蓄熱煉瓦のスリット3を通じてガス流路に入り込むことになるので好ましくない。
前述のように、本発明で好ましくは最下段から3段について蓄熱煉瓦B2bを用いる。このとき、通常のように蓄熱煉瓦B2bの連通空間5が煉瓦の下端に配置されている場合については、最下段の2段について壁間流路9に砂10を充填するとより好ましい。図1−1、図1−2に示すように、下から2段目とその上の段との接合面についても充填した砂で隠れるようにすると好ましい。
蓄熱煉瓦2と仕切り壁20との間の間隔は、蓄熱煉瓦2の構造上、煉瓦の熱膨張を吸収するため、必要となる。この間隔は5mm〜10mmが最適である。隙間が多すぎると、蓄熱室1の容積に占める蓄熱煉瓦2の容積が低下するため、蓄熱容量の低下と伝熱面積の低下が生じるので好ましくない。一方、隙間が少なすぎると、煉瓦の熱膨張が妨げられることがあり、また蓄熱煉瓦2を築造する上での障害となり得るので好ましくない。
本発明のコークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦(上記蓄熱煉瓦B2b)は、煉瓦の上下方向に貫通しガスが流通するスリット3の列を有し、煉瓦の上下方向一方の端部にはスリット同士が連通する連通空間5を有し、4つの側面のうち少なくとも3面については連通側11の煉瓦端部16まで達する壁6を有する。蓄熱煉瓦積み構造において、当該本発明の蓄熱煉瓦(上記蓄熱煉瓦B2b)を、少なくとも最下段の2段の少なくとも蓄熱室コーナーに配する蓄熱煉瓦として用いることにより、熱せられた仕切り壁20の珪石煉瓦に低温のガスが接触することがなくなり、コークス炉蓄熱室の仕切り壁煉瓦に発生する損傷を防止することができる。
室炉式のコークス炉の蓄熱室1に本発明を適用した。蓄熱室1には、図2に示すように、水平方向に2×3の蓄熱煉瓦2を配置し、上下方向に17段に積み上げた蓄熱煉瓦積み構造としている。蓄熱室1の仕切り壁20には珪石煉瓦が用いられている。
従来例においては、図7に示すように、使用するすべての蓄熱煉瓦を蓄熱煉瓦A(図4)とした。25年のコークス炉操業を経てコークス炉を解体したところ、珪石煉瓦よりなる仕切壁20の下部1、2段は煉瓦の表面がうろこ状に剥離していたし、煉瓦に亀裂が見られ、強度もほとんどない状態であった。
そこで本発明例として、図1、図2に示すように、蓄熱煉瓦積み構造のうち、最下段から3段については、側面の4面がすべて閉鎖面12である蓄熱煉瓦B2b(図3)を適用し、下から4段より上方についてはすべて蓄熱煉瓦A(図4)を用いることとした。また、仕切り壁20と蓄熱煉瓦積みとの間の壁間流路9において、最下段から2段について壁間流路9に砂10を充填した。2段目と3段目の継ぎ目部までが砂10で覆われるようにした。3年のコークス炉操業を経てコークス炉を解体したところ、珪石煉瓦よりなる仕切壁20の下部1、2段は煉瓦の損傷が全く無く、とても健全であった。
1 蓄熱室
2 蓄熱煉瓦
2a 蓄熱煉瓦A
2b 蓄熱煉瓦B
3 スリット
4 ウェブ
5 連通空間
6 壁
7 開放部
8 閉鎖部
9 壁間流路
10 砂
11 連通側
12 閉鎖面
13 開放面
14 側面凹部
15 側面流路
16 煉瓦端部
17 ガス流
20 仕切り壁
21 蓄熱室コーナー

Claims (2)

  1. コークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造に蓄熱煉瓦Aと蓄熱煉瓦Bを用い、
    蓄熱煉瓦Aと蓄熱煉瓦Bの共通構造として、煉瓦の上下方向に貫通しガスが流通するスリットの列を有し、煉瓦の上下方向一方の端部にはスリット同士が連通する連通空間を有し、当該連通空間を有する側を連通側と称し、
    蓄熱煉瓦Aは、4つの側面のうち対向する2面については連通側の煉瓦端部まで達する壁を有し、残りの2面については連通空間が当該面外方に開放されており、
    蓄熱煉瓦Bは、4つの側面のうち少なくとも3面については連通側の煉瓦端部まで達する壁を有し、
    蓄熱煉瓦積み構造において、少なくとも最下段の2段の少なくとも蓄熱室コーナーに配する蓄熱煉瓦については蓄熱煉瓦Bを用いることを特徴とするコークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造。
  2. 蓄熱室の仕切り壁と蓄熱煉瓦積みとの間の空間において、少なくとも最下段の1段については当該空間に砂を充填することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉蓄熱室の蓄熱煉瓦積み構造。
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