JP6554147B2 - 回収アスファルトの再生 - Google Patents

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Description

本発明は、回収アスファルト組成物およびその再生に関する。
回収アスファルトとして、数ある供給源の中でも、回収舗装アスファルト(RAP)、回収アスファルト礫(RAS)、工場廃棄物から回収されたアスファルト、および屋根フェルトから回収されたアスファルトが挙げられる。
舗装アスファルトは、世界で最もリサイクルされている材料の一つであり、未舗装道路上の砂利代替物としておよび舗装アスファルトにおける未使用骨材および結合剤の代替物として舗装面および橋台の肩部で使用されている。しかし、リサイクルされる舗装アスファルトは、通常、表面下の「黒い岩」としての使用、またはアスファルト基礎および表面層における限定された量の使用に限定されている。重要な表面層におけるリサイクル材料の有用性は限定的である。その理由は、アスファルトは、時間と共に劣化し、可とう性を失い、酸化および脆化し、特に応力下または低温で亀裂が生じやすいからである。この結果は、特に天候への暴露でアスファルトの有機成分、すなわち瀝青含有結合剤の老化のためである。酸化結合剤はまた、非常に高粘性でもある。したがって、回収舗装アスファルトは、未使用アスファルトと異なる特性を有し、加工が困難である。未処理のRAPは、わずかしか使用することができない;一般に、最大30重量%までのRAPを含むアスファルト混合物は、表面下の黒い岩として使用することができる。さらに、舗装面に対する要件はより高度であるために、そこでの未処理RAPの使用は、一般に、15〜25%に限定される。
回収アスファルトは、未使用アスファルト、未使用結合剤、またはその両方とブレンドすることができる(例えば、米国特許第4549834号を参照されたい)。基礎と表面層の両方に組み込める回収アスファルトの量を増加させるための再生剤が開発されてきた。再生剤は、粘弾性挙動など、舗装アスファルト特性および瀝青結合剤の物理特性の一部分を復活させるので、回収アスファルトの特性が、未使用アスファルトにより近くまで類似する。リサイクルアスファルトの特性、特にRAP中の瀝青結合剤の特性を改善することによって、最終舗装の特性および寿命を落とすことなくアスファルト混合物中で使用するRAP量を増加させることが可能になる。
RAP用の通常使用される再生剤として、原油の蒸留または他の炭化水素油系の材料によって得られる低粘度生成物が挙げられる(例えば、米国特許第5766333号または第6117227号を参照されたい)。
植物起源の再生剤も記載されている。例えば、米国特許第7811372号(瀝青およびパーム油を含む再生剤);米国特許第7008670号(密封または再生用に使用される大豆油、大豆油由来のアルキルエステル、およびテルペン);米国特許出願公開第2010/0034586号(大豆、ひまわり、菜種または他の植物由来の油に基づく再生剤)および米国特許出願公開第2008/0041276号(植物油から作製された植物油またはアルキルエステルであってよいリサイクルアスファルト用の可塑剤)を参照されたい。米国特許出願公開第2011/0015312号には、植物起源の樹脂、植物油、および無水物、カルボン酸、またはエポキシド官能基を有するポリマーを含む結合剤組成物が記載されているが、この結合剤は、具体的に、再生用として教示されていない。
カシューナッツ殻の油由来の再生剤が最近紹介されており、これは、カルダノール、す
なわち、C15不飽和鎖を有するフェノール性化合物を主として含む(例えば、PCT国際公開WO第2010/077141号およびWO第2010/110651号を参照されたい)。かかる生成物は、Ventraco Chemie、B.V.から例えばRheoFalt(登録商標)HP−EMとして入手することができる。
粗製トールオイル(CTO)の蒸留から単離される多様な画分が、アスファルト組成物で使用されている。但し、それらは、具体的に、再生用として教示されていない。例えば、米国特許出願公開第2010/0170417号(アスファルト組成物におけるカッティング溶媒用途としてのCTO蒸留画分);米国特許出願公開第2010/0147190号(アスファルト組成物で使用するための蒸留または酸化トールオイル成分)および米国特許第4479827号および第4373960号(アスファルト、トールオイルおよび恐らくはオルガノポリシロキサンを含むパッチ用組成物)を参照されたい。
トールオイル脂肪酸(TOFA)、トールオイルロジン、トールオイルピッチまたは、モノマー酸(例えば、米国特許第7256162号に記載の独特の生成物)、ダイマー酸などCTOの下流生成物から作製されたエステルは、回収アスファルト用の再生剤としての使用について示唆されていない。
米国特許第4549834号 米国特許第5766333号 米国特許第6117227号 米国特許第7811372号 米国特許第7008670号 米国特許出願公開第2010/0034586号 米国特許出願公開第2008/0041276号 米国特許出願公開第2011/0015312号 国際公開第2010/077141号 国際公開第2010/110651号 米国特許出願公開第2010/0170417号 米国特許出願公開第2010/0147190号 米国特許第4479827号 米国特許第4373960号 米国特許第7256162号
回収アスファルト用の改善された再生剤が必要である。詳細には、産業界は、良好な耐わだち掘れ性を維持しつつ、耐低温クラック性および耐疲労クラック性を改善できる回収アスファルト用の非結晶性添加剤を必要としている。より良好な再生剤は、新規の舗装でRAPをより多量に使用し、未使用で再生不可能な結合剤および骨材材料に対する依存を低減することを可能にすることによって道路建設のコストを低減すると思われる。好ましい再生剤は、未使用結合剤に匹敵する水準まで結合剤の粘度を低減し、また結合剤のガラス転移温度を低下させてより軟らかく、より容易に加工できるアスファルト混合物を可能にすると思われる。理想的には、再生剤は、再生可能な資源に由来し、アスファルトを混合し敷設するのに通常使用される高められた温度で良好な熱安定性を有し、結合剤に当初の性能グレードを復活させることができると思われる。
一態様では、本発明は、回収アスファルトとエステル官能性再生剤とを含むアスファルト組成物に関する。回収アスファルトは、骨材と酸化結合剤とを含む。再生剤は、再生剤を含まない酸化結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で存在する。我々の発明には、回収アスファルトと一緒に使用するのに適した結合剤組成物ならびに本発明のアスファルトおよび結合剤組成物を作製するための方法が含まれる。
別の態様では、我々の発明は、0.01〜10重量%のロジンエステルと、少なくとも15重量%の回収アスファルトとを含むアスファルト組成物に関する。ロジンエステルは、トールオイルロジンまたはトールオイルと、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよびそれらの混合物から選択されるポリオールとの反応生成物である。我々の発明には、回収アスファルトを0.01〜10重量%のトールオイルエステル、ロジンエステルまたはそれらの混合物と混合することによって再生するステップを含む方法が含まれる。
さらに別の態様では、本発明は、エステル官能性再生剤と、少なくとも15重量%の酸化結合剤を含む回収アスファルトとを含むアスファルト組成物に関する。再生剤は、酸化結合剤と再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在する。酸化結合剤と再生剤の混合物は、60℃未満のEN1427による環球式軟化点と、20dmmを超えるEN1426による針入値とを有する再生結合剤を形成する。
我々の発明にはまた、本発明の結合剤とアスファルト組成物とを含む舗装面が含まれる。
本発明者らは、驚くべきことに、エステル官能性再生剤を組み込むことによって、回収アスファルトの酸化瀝青結合剤を再生し、酸化する前の瀝青の元来の性能グレードの物理特性と類似の物理特性を有する、再生瀝青結合剤を生成することができることを見出した。再生結合剤は、低減したガラス転移開始温度、ならびに、動的せん断粘弾性測定(DSR)によって、改善されたクリープ剛性を示す。これらの結果は、再生アスファルトにおける耐低温クラック性の改善と言い換えられる。DSR解析によって、再生結合剤が、低下したGsinδの値を有することも判明し、このことは、改善された耐疲労クラック性と一致する。10重量%までの再生剤により再生結合剤が形成される場合、このような結合剤は、耐わだち掘れ性に関連する良好な高められた温度における性能も有する。わだち掘れは、アスファルト道路面、特に頻繁な交通量または高重量の交通のあるアスファルト道路面では普通の破損モードである。
本発明者らはまた、ある種の再生剤が、許容できる針入値を維持しつつも、低添加量で望ましい軟化を復活させることを見出した。再生剤は、アスファルト組成物を圧密または混合するのに必要な温度を低減するのに有効であり、これは、エネルギーを節約し、コストを低減する。我々の再生剤のあるものは、再生結合剤の温度感受性を改善し、そのため加熱混合式アスファルト工程において使用することができる。温度感受性の低減は、150℃を超える加熱混合温度で分解する恐れがある、植物油などの従来の添加剤に優る利点である。本発明の結合剤は、良好な延性を有し、老化で極めてわずかしか特性を失わず、未使用の結合剤に類似している。
要約すれば、本発明の再生剤のために、結合剤のガラス転移温度(Tg)が低減し、それによって回収アスファルトの加工性が改善されることによってアスファルト混合物で回収アスファルトをより高水準で使用することが可能になる。道路でより多くの回収アスファルトを組み込むことによって結合剤と骨材の両方のコストが低減し、未使用で再生不可能な材料に対する道路建設業の依存度を低減するのに役立つ。
本発明は、エステル官能性再生剤によるアスファルト組成物の再生に関する。詳細には、骨材および酸化アスファルト結合剤を含む回収アスファルト、特に回収舗装アスファルト(RAP)の再生に関する。
文献では、「アスファルト」という用語は、結合剤を記述するのに使用される場合があり、結合剤プラス骨材を記述するのに使用される場合もある。本発明の説明では、「アスファルト」とは、一般に舗装用途のために使用される、瀝青結合剤と骨材とを含む複合材料を指す。かかるアスファルトはまた、「アスファルトコンクリート」としても知られる。アスファルトは通常、舗装用途向けに適格とされるグレードとする。舗装用途で使用されるアスファルトグレードの例として、密粒度アスファルト、ギャップ型アスファルト、多孔質アスファルト、およびマスチックアスファルトが挙げられる。通常、アスファルト中の瀝青結合剤の全量は、アスファルトの全重量に対して1〜10重量%、一部の場合では2.5〜8.5重量%、一部の場合では4〜7.5重量%である。
「回収アスファルト」として、回収舗装アスファルト(RAP)、回収アスファルト礫(RAS)、工場廃棄物からの回収アスファルト、屋根フェルトからの回収アスファルト、および他の用途からのアスファルトが挙げられる。
「回収舗装アスファルト」(RAP)は、過去に舗装として使用されていたアスファルトである。RAPは、道路または他の構造物から除去され、次いで粉砕、断裂、破壊、破砕、および/または粒状化を含めた周知の方法によって処理されたアスファルトから取得することができる。使用する前に、RAPは、例えば、最終の舗装用途に応じて検査、分級および選択することができる。
「骨材」(または「建設用骨材」)は、アスファルトで使用するのに適した粒状鉱物材料である。これは、一般に、砂、砂利、砕石、およびスラグを含む。アスファルトで使用するのに適した任意の従来型の骨材を使用することができる。適切な骨材の例として、花こう岩、石灰石、砂利およびその混合物が挙げられる。
「瀝青」とは、黒色であり、粘着性であり、二硫化炭素に溶解性であり、主として縮合多環式芳香族炭化水素からなる原油からの粘性の有機液体または準固体の混合物を指す。あるいは、瀝青とは、マルテンとアスファルテンの混合物を指すこともある。瀝青は、当業者に公知の任意の従来型の瀝青であってよい。瀝青は、天然起源であってよい。これは、粗製の瀝青であってもよく、原油の真空蒸留、熱分解または水添分解からの底部残渣として得られる精製瀝青であってもよい。回収舗装アスファルト中に含まれる瀝青または回収舗装アスファルトから得られる瀝青は、さらに、RAP起源の瀝青と呼ばれる。
「未使用瀝青」(「新鮮な瀝青」としても知られる)とは、使用されたことがない瀝青、例えば、道路舗装から回収されたことがない瀝青を指す。
「結合剤」とは、瀝青と任意選択で他の成分との組合せを指す。他の成分として、エラストマー、非瀝青結合剤、接着促進剤、軟化剤、追加の再生剤(本発明以外の)、または他の適切な添加剤が挙げられる。有用なエラストマーとして、例えば、エチレン−ビニルアセタートコポリマー、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックターポリマー、イソプレン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックターポリマーなどが挙げられる。老化エラストマー添加剤は、粉砕タイヤゴム材料を含むことができる。
「未使用結合剤」は、道路舗装向けにこれまで使用されていない結合剤である。
「酸化結合剤」とは、回収アスファルト中に存在する、または回収アスファルトから回収される結合剤を指す。通常、酸化結合剤は、回収アスファルトから単離されない。酸化結合剤は、老化および戸外の天候への暴露の結果として、未使用瀝青の粘度と比較して高い粘度を有する。
「老化結合剤」とは、本明細書に記載のRTFOおよびPAV実験室老化試験方法を使用し、酸化結合剤に類似させるため老化した未使用結合剤を指す。
「再生剤」とは、酸化結合剤または回収アスファルト(または未使用結合剤および/または未使用アスファルトとこれとの混合物)と組み合わせて酸化結合剤または回収アスファルトを再生し、未使用結合剤または未使用アスファルトの元来の特性の一部または全部を復活させる組成物または混合物を指す。「エステル官能性」再生剤は、少なくとも一つのエステル基を有し、以下でさらに説明される。
結合剤中の瀝青は、舗装グレード瀝青、すなわち、舗装用途に適した瀝青などの市販未使用瀝青であってよい。市販の舗装グレード瀝青の例として、例えば、針入グレード(PEN)分類系でPEN35/50、40/60および70/100と呼ばれる瀝青、または性能グレード(PG)分類系でPG64−22、58−22、70−22および64−28と呼ばれる瀝青が挙げられる。かかる瀝青は、例えば、Shell、TotalおよびBritish Petroleum(BP)から入手可能である。PEN分類では、商品番号は、ASTM D1586法で測定した場合の瀝青の針入範囲を指し、例えば、40/60PEN瀝青は、40〜60デシミリメートル(dmm)の範囲にある針入を有する瀝青に対応する。PG分類(AASHTO MP 1規格)では、商品番号の最初の値は、SuperpaveSM系として当技術分野で公知である方法によって測定した場合の高温性能を指し、第2の値は、低温性能を指す。

一態様では、本発明はアスファルト組成物に関する。アスファルト組成物は、回収アスファルトと、エステル官能性再生剤とを含む。回収アスファルトは、骨材と酸化結合剤とを含む。
別の態様では、本発明は、回収アスファルトと一緒に使用するのに適した結合剤組成物に関する。結合剤組成物は、酸化結合剤とエステル官能性再生剤の組合せを含む。本発明の組成物で使用するのに適した酸化結合剤は、RAPであってよい回収アスファルト中に存在し、または回収アスファルトから回収される。結合剤は、溶媒抽出など従来の手段によってRAPから回収することができる。好ましくは、酸化結合剤は、回収アスファルトから単離されない。代わりに、回収アスファルトは、単純に、再生剤の望ましい量と合わせられる。好ましい手法では、再生剤は、未使用結合剤、回収アスファルト、および任意選択で未使用アスファルトと合わせ、混合して再生アスファルト生成物を得る。
本発明のアスファルトおよび結合剤組成物は、エステル官能性再生剤を含む。結合剤組成物は、酸化結合剤と再生剤とを合わせた量に対して0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の再生剤を含む。本発明のアスファルト組成物および本発明の結合剤組成物の両方において、再生剤は、再生剤を含まない酸化結合剤のガラス転移開始温度と比較して酸化結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で存在する。
エステル官能性再生剤は、主として、カルボン酸(樹脂酸を含む)またはC〜C20脂肪酸と、C〜C18アルコールとから由来することが好ましい。この酸部分は、直鎖
、分枝、環状、芳香族またはそれらの組合せとすることができる;この酸部分は飽和、不飽和またはそれらの組合せとすることができる。樹脂酸には、3つの縮合6炭素環の核を有するC1929COOHの形態におけるモノカルボン酸が含まれ、数および位置が変化する二重結合を含む。脂肪酸は、ダイマー化脂肪酸混合物におけるような、重合形態のものとすることができる。エステル官能性再生剤のアルコール部分は、第一級、第二級または第三級であってよい;これはモノオール、ジオールまたはポリオールであってよい。アルコールはまた、トリエチレングリコールやポリエチレングリコールなどのポリエーテルに由来してもよい。フェノラートエステルもまた、適切である。
こうして、適切なカルボン酸樹脂酸には、アビエチン、ネオアビエチン、デヒドロアビエチン、ピマル、レボピマル、サンダラコピマル、イソピマルおよびパルストリン酸が含まれる。適切なC〜C20脂肪酸には、例えば、安息香酸、カプリル酸、アゼライン酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、トールオイル脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、モノマー酸(以下に定義される)、ダイマー酸、トールオイルヘッドなど、およびそれらの混合物が含まれる。適切なC〜C18アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソブチルアルコール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、イソデシルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、スクロースなどおよびその混合物が挙げられる。
エステル官能性再生剤は、200℃を超える、より好ましくは220℃を超える、最も好ましくは250℃を超える引火点を有することが好ましい。再生剤は、好ましくは非結晶性であり、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃未満、また最も好ましくは0℃未満の融点またはタイターを有することが好ましい。多くの樹脂酸は固体であるので、樹脂酸を脂肪酸とブレンドして、あるいは比較的低い軟化点を有するように選択して、好ましい再生剤をもたらすことができる。
好ましい一態様では、エステル官能性再生剤は、トールオイル脂肪酸(TOFA)またはTOFA誘導体(例えば、TOFAダイマー酸)に由来する。トールオイル脂肪酸は、蒸留によって粗製トールオイル(CTO)から単離される。CTOは、クラフト木材パルプ工程の副生物である。CTOの蒸留は、トールオイル脂肪酸に加えて、「トールオイルヘッド」と呼ばれる長鎖脂肪酸(大部分はパルミチン酸)のより揮発性で高飽和度の画分をもたらす。トールオイル脂肪酸は、次の留分であり、これは、多様な程度の不飽和度を有する大部分がC18およびC20の脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびこれらの多様な異性体)を含む。蒸留トールオイルまたは「DTO」と呼ばれる別の留分は、大部分を占めるトールオイル脂肪酸と少量のトールオイルロジンの混合物である。次に単離されるトールオイルロジン(「TOR」)は、主として、C19〜C20三環式モノカルボン酸からなる。蒸留の底部留分は、「トールオイルピッチ」または単に「ピッチ」と呼ばれる。一般に、少なくともいくらかのトールオイル脂肪酸を含む任意の留分は、エステル官能性再生剤の作製で使用するのに好ましい。
既に述べたように、重合脂肪酸は、エステル官能性再生剤を作製するのに使用することができる。その高い不飽和脂肪酸含量のため、TOFAは通常、酸性白土触媒を使用して重合される。この高温過程において、不飽和脂肪酸は、例えば「エン反応」による分子間付加反応を行うことによって重合脂肪酸を形成する。機構は複雑であり、十分理解されていない。しかし、生成物は、大部分がダイマー化した脂肪酸と、モノマー性脂肪酸の独特の混合物とを含む。蒸留によって、通常「ダイマー酸」と呼ばれる非常にダイマー化脂肪
酸に富む画分がもたらされる。かかるダイマー酸は、エステル官能性再生剤の作製で使用するのに適している。
重合TOFAの蒸留によっても、非常にモノマー性脂肪酸に富み、「モノマー」(大文字の「M」を有する)または「モノマー酸」と呼ばれる画分がもたらされる。独特な組成物であるモノマーは、エステル官能性再生剤を作製するための好ましい出発材料である。天然資源由来のTOFAは、大部分、直鎖C18不飽和カルボン酸、主としてオレインおよびリノール酸からなるが、モノマーは、比較的少量のオレインおよびリノール酸を含み、代わりに飽和および不飽和の相当量の分枝および環状C18酸、およびエライジン酸を含む。モノマーのより多様で相当に分枝した組成物は、重合中にTOFAに対して実施される接触工程からもたらされる。当技術分野では、モノマーがアルコールと反応して「モノメラート」エステルを作製することによって、対応するTOFA系エステルと異なる独特の誘導体がもたらされることが認められている。モノマーは、CAS Registry Number 68955−98−6として指定された。モノマー生成物の例は、Arizona Chemical Companyの製品であるCentury(登録商標)MO5およびMO6脂肪酸である。モノマーの組成物およびその多様なエステルへの変換に関するさらなる情報については、その教示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7256162号を参照されたい。
適切な再生剤として、例えば、エチレングリコールタラート(すなわち、トールオイル脂肪酸のエチレングリコールエステル)、プロピレングリコールタラート、トリメチロールプロパンタラート、ネオペンチルグリコールタラート、メチルタラート、エチルタラート、グリセリンタラート、オレイルタラート、オクチルタラート、ベンジルタラート、2−エチルヘキシルタラート、ポリエチレングリコールタラート、トールオイルピッチエステル、エチレングリコールモノメラート、グリセリンモノメラート、トリメチロールプロパンモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラート、エチレングリコールジメラート、2−エチルヘキシルジメラート、2−エチルヘキシルトリメラート、トリメチロールプロパンイソステアラート、ベンジル12−ヒドロキシステアラート、ベンジルリシノレアート、オクチルカプリラート、オクチルアゼラート、オクチルベンゾアートなどが挙げられる。特に好ましい再生剤は、タラートおよびモノメラート、特にトリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、およびグリセリンモノメラートである。
エステル官能性再生剤は、他の再生剤または補助剤と組み合わせて使用することができる。例えば、エステル官能性再生剤は、トールオイルロジンエステル、テルペンフェノール、ポリテルペン、アルキル化フェノールなどと組み合わせて使用することができる。下記の実施例は、トールオイル脂肪酸エステルおよびロジンエステルの組合せ(実施例38、ロジン酸およびTOFAの混合物からのトリメチロールプロパンエステル)またはテルペンフェノールの組合せ(実施例47、Sylvares(登録商標)TP96と組み合わせたエチレングリコールモノメラート)を例示する。
本発明のアスファルトおよび結合剤組成物では、再生剤は、再生剤を含まない酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃、好ましくは、少なくとも10℃低減するのに有効な量で存在する。ガラス転移開始温度は、任意の所望の方法によって測定することができるが、好都合には、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。試料が温度の上昇および/または下降プログラムによって循環される場合のDSC曲線の推移が記録される。熱流(W/g)対温度のプロットにおいて、変曲点が、ガラス転移の開始および終点を示す。開始温度と終点の間の温度範囲は、「広がり」である。望ましい再生剤は、ガラス転移の開始温度を下げ、また広がりを狭くする。DSCは、これまで、アスファルト組成物を評価する
ための診断道具として使用されてきた;例えば、Asphalt Science and Technology、A.M.Usnami編、Marcel Dekker、Inc.、NY(1997)頁59〜101中のR.F.TurnerおよびJ.F.Branthaven、「DSC Studies of Asphalts and Asphalt Components」を参照されたい。
驚くべきことに、本発明者らは、低から中レベルで導入された場合、エステル官能性再生剤は、酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効であり得ることを見出した。低減は、舗装アスファルトにおける耐低温クラック性の予期された改善と相関性があるので重要である。表1および2(以下)の結果が示唆するように、多様なエステル誘導体が、酸化アスファルト結合剤に対して2.5〜10重量%で使用されると、ガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効である。エステル官能性再生剤の多くは、ガラス転移の開始温度を少なくとも10℃低減し、一部のものは、その温度を20℃も低減することができる。他方では、他の試験された組成物は、10重量%の水準でTg開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効ではない。例えば、表1に示されるように、数ある中でも高ヒドロキシルロジンエステル(C16)、テルペンフェノール(C18)、ポリテルペン(C23)、およびフェノール性ロジンエステル(C24)は、Tg開始温度を低減するのに有効ではない(「Δ開始」欄を参照されたい)。回収舗装アスファルトを再生するのに現在使用される炭化水素フラックスオイルであるTudalen(登録商標)65は、10%添加剤水準でTg開始を所望の5℃低減しないことに留意されたい。別の市販の再生剤(Ventraco Chemie、B.V.の製品であるRheoFalt(登録商標)HP−EM)の有効成分であるカルダノールは、Tg開始温度を有効に低減するが、カルダノールは、フェノールの長鎖不飽和アルキラートであり、エステル官能基を持たない。
本発明の好ましいアスファルトおよび結合剤組成物では、エステル官能性再生剤は、ガラス転移温度の広がり(または溶融範囲)を少なくとも5℃、好ましくは、少なくとも10℃低減するのに有効な量で存在する。表1および2(「Δ広がり」欄を参照されたい)に示されるように、例えば、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、グリセリンモノメラート、オレイルタラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、およびその他を含めてこの能力を有するエステル官能性再生剤の膨大な例が存在する。Tg開始温度の低減よりいくらか診断性が劣るが、結合剤のTg広がりがより狭いことは、一般に、均一性がより大きいことを示し、これによって、周囲温度においてアスファルト組成物の耐疲労クラック性がより良好になり得る。
アスファルトおよび結合剤組成物は、任意の所望の順序で成分を合わせることによって作製することができる。好都合な一手法では、アスファルト組成物は、再生剤を未使用結合剤と合わせ、次いで生成混合物をRAPとブレンドすることによって作製される。別の手法では、アスファルト組成物は、再生剤をRAPと、任意選択で未使用アスファルトと合わせることによって作製される。
本発明のアスファルト組成物は、好ましくは、再生剤と、5〜95重量%のRAPと、少なくともいくらかの未使用結合剤とを含む。より好ましいアスファルト組成物は、10〜90重量%のRAP、最も好ましくは、30〜70重量%のRAPを含む。他の好ましい組成物は、1〜99重量%、好ましくは、10〜90重量%、より好ましくは、30〜70重量%の未使用結合剤を含む。
供給源、材令、履歴、任意の前処理、および他の因子に応じて、RAPは、通常、2〜8重量%、より通常には、3〜6重量%の酸化アスファルト結合剤を含む。したがって、再生剤の有効量は、アスファルト源によって変動してよい。一般に、再生剤は、好ましく
は、酸化アスファルト結合剤の量に対して0.1〜15重量%、より好ましくは、0.5〜10重量%、さらにより好ましくは、2〜8重量%、最も好ましくは、3〜6重量%で使用される。
エステル官能性再生剤の価値のさらなる証拠は、動的せん断粘弾性測定(DSR)データから得られる。表3は、低温性能、特に−15℃におけるm−値およびクリープ剛性の改善を示す。例えば、EGモノメラート、トリメチロールプロパンタラート、およびグリセリンモノメラートは全て、テルペンフェノールおよび他の中性添加剤と比較して良好に働く。周囲温度で、エステル官能性再生剤は、究極のアスファルト組成物における改善された疲労クラック特性の指標であるRAP結合剤のG*sinδの明白な低減を提供する。低および周囲温度の性能における利点は、顕著であるが、かかる利点は、耐わだち掘れ性などの高められた温度の特性を犠牲にすることによってのみ得られることがあまりにも頻発する。しかし、表3に示されるように、70℃で測定されたG*/sinδの低い値(対照に対して)は、エステル官能性再生剤を含む結合剤もまた高められた温度で良好に働くことが期待されることを示す。試験の結果は、特定の結合剤の使用によって期待されるわだち掘れの形成量を推測するのに使用される。表3の結果は、再生剤による結合剤の軟化が、究極のアスファルト組成物におけるわだち掘れ問題を、暑い夏の日でも創出しないことを示唆する。
一態様では、本発明は、再生方法に関する。この方法は、回収アスファルトを0.01〜10重量%、好ましくは0.025〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%のロジンエステルと混合することによって、回収アスファルトを再生するステップを含む。適切なロジンエステルは、少なくとも1種のロジン酸を、少なくとも1種のアルコールでエステル化することによって作製される。
エステル化に適したアルコールには、メタノール、エタノール、ブタノール、C〜C18イソアルコール(イソデシルアルコールおよび2−エチルヘキサノールなど)などのモノアルコール、ならびにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ネオペンチルグリコールおよびトリメチロールプロパンなどのポリオールが含まれる。容易に得られる有用なアルコールには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびペンタエリトリトールが含まれる。
ロジン酸には、3つの縮合6炭素環の核を有し、数および位置が変化する二重結合を含む、一般式C1929COOHを有するモノカルボン酸が含まれる。ロジン酸の例には、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ピマル酸、レボピマル酸、サンダラコピマル酸、イソピマル酸およびパルストリン酸が含まれる。
ロジン酸は、単離形態で、または複数のロジン酸を含むことができる組成物の一部として使用できる。詳細には、ロジンは、ロジン酸の供給源として使用できる。ロジンは、多くの植物、特にダイオウマツ(Pinus palustris)およびカリブマツ(Pinus caribaera)などの針葉樹の炭化水素分泌物である。天然ロジンは、典型的には、7もしくは8種のロジン酸の混合物、および他の少量成分からなる。ロジンは、市販され、またマツの木から、オレオレシンの蒸留によって(蒸留の残渣であるガムロジン)、マツ切株の抽出によって(ウッドロジン)、またはトールオイルの分別によって(トールオイルロジン)得ることができる。トールオイルロジン、ガムロジンおよびウッドロジンを含む、任意の型のロジンが使用できる。トールオイルロジンが、その入手性のため、通例使用される。適切な市販ロジンの例には、トールオイルロジン(例えば、Arizona ChemicalからのSylvaros(登録商標)85、Sylvaros(登録商標)90またはSylvaros(登録商標)95)が含まれる。
ロジン酸は、エステル化の前に、例えば、水素化、不均化、オリゴマー化、ディールス−アルダー反応、異性化またはこれらの組合せによって、改質することができる。ロジンエステルは、改質されて、不均化ロジンエステルを形成することができる。例えば、デヒドロアビエチン酸が有用であろう。
ロジンエステルは、当技術分野で公知である方法(例えば、その教示が参照により本明細書に組み込まれるUS5,504,152を参照されたい)によって、ロジン酸とアルコールとから得ることができる。一般に、ロジンは、ロジン酸の、アルコールとの熱反応によってエステル化することができる。エステル化反応を完結するまで進めるために、蒸留、真空の適用などの方法および当業者に公知の他の方法によって、反応器から水を除去することができる。
市販のロジンエステル、例えば、全てArizona ChemicalからのSylvatac(登録商標)RE103、Sylvatac(登録商標)RE55、Sylvatac(登録商標)RE85、Sylvatac(登録商標)RE12およびSylvatac(登録商標)RE5;全てEastmanからのEastman(登録商標)エステルGum 15D−M、Permalyn(登録商標)3100、Permalyn(登録商標)5110−CおよびStaybelite(商標)エステル3−E;全てDRT(les Derives Resiniques&Terpeniques)からのDertoline(登録商標)G2L、Dertoline(登録商標)SG2、Dertoline(登録商標)P105、Dertoline(登録商標)P110、Dertoline(登録商標)P2L、Dertoline(登録商標)PL5、Dertopoline P125、Granolite SG、Granolite P、Granolite P118およびGranolite TEG;ならびにGeorgia PacificからのNovaRes(登録商標)1100なども使用することができる。
ロジンエステルは、いくらかの残留未反応の酸およびアルコールを含む可能性がある。典型的には、ロジンエステルは、酸価20mgKOH/g未満、詳細には15mgKOH/g未満を有する。酸価は、呈色指示薬滴定を用いるASTM D974標準方法などの、当業者に公知の方法によって測定できる。
適切なロジンエステルは液体ロジンエステルであり、または30〜120℃の間、30〜80℃の間、または40〜60℃の間の軟化点を有する固体ロジンエステルとしてもよい。軟化点は、当業者に公知の方法、例えば、「環球」法として知られる方法を用いるASTM28−99標準方法により測定できる。適切なロジンエステルには、トールオイルロジンのエステル、ガムロジンのエステルおよびウッドロジンのエステルが含まれる。1種または複数のロジンと反応するには、いくつかのアルコールおよびグリコールが適しており、C〜C11アルキルおよびイソアルキルアルコールならびにグリコール、ペンタエリトリトール、グリセロール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールを含む。その結果得られる適切なロジンエステルには、例えば、ペンタエリトリトールロジンエステル、グリセロールロジンエステル、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールロジンエステル、C〜C11イソアルキルロジンエステルおよびこれらの混合物の少なくとも1つが含まれる。詳細には、ロジンエステルは、ジエチレングリコールロジンエステル、トリエチレングリコールロジンエステルおよびペンタエリトリトールロジンエステルの混合物とすることができる。
アスファルト組成物中のロジンエステルの量は、回収アスファルト中に存在する結合剤の量に対して調節できる。ロジンエステルの量は、例えば、回収アスファルト中に存在する結合剤の全量の1〜10重量%、もしくは2.5〜7.5重量%、または3〜6重量%
とすることができる。RAP中に存在する結合剤の量に対してより高いもしくはより低いロジンエステルの量も、使用できる。一般に、1重量%未満の相対的量は、より低い程度までであっても、依然として再生効果をもたらすことができる。他方、10重量%を超える相対的量の使用は、このようなより高い量の使用が、再生を著しく増進させることはないにしても、最終のRAP含有アスファルト組成物の性能にマイナス効果を及ぼすことはない。
回収アスファルト組成物中の結合剤の量は、一般に、供給者から知らされているが、当業者に公知の方法によっても決定することができる。例えば、RAPの既知量は、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタンで処理して結合剤を抽出することができる。抽出画分中の結合剤の重量は、測定することができ、それによってRAP中の結合剤含量を決定する。RAP中の結合剤量は、通常、RAPの全重量に対して1〜10重量%、詳細には、2.5〜8.5重量%、より詳細には、4〜7.5重量%の範囲であってよい。
一態様では、本発明は、0.01〜10重量%、好ましくは0.025〜5重量%のロジンエステルと、少なくとも15重量%の回収アスファルトとを含むアスファルト組成物に関する。ロジンエステルは、トールオイルロジンと、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリオールとの反応生成物である。アスファルト組成物は、さらなる結合剤および/または骨材をさらに含むことが好ましい。回収アスファルトは、RAPであることが好ましい。本発明者らは、トールオイルロジンと、ポリオールの組合せとから作製したロジンエステルが、有利な全体的特性バランスを有することを見出した。特に、以下の表7における実施例64であるロジンエステルLを参照されたい。再生剤として使用される場合、この生成物は、結合剤の環球式軟化点およびガラス転移温度、ならびに、貯蔵弾性率および損失弾性率を含むレオロジー特性に有利な影響を及ぼす。
別の態様では、本発明は、エステル官能性再生剤と、少なくとも15重量%の、酸化結合剤を含む回収アスファルトとを含むアスファルト組成物に関する。再生剤は、酸化結合剤と再生剤とを合わせた量に対して1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%、より好ましくは4〜6重量%の範囲内の量で存在する。さらに、酸化結合剤と再生剤の混合物は、60℃未満のEN1427による環球式軟化点および20dmmを超えるEN1426による針入値を有する再生結合剤を形成する。
適切なエステル官能性再生剤は、既に記述されている。特に好ましい再生剤は、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセロールモノメラートである。エチレングリコールモノメラートおよびトリメチロールプロパン(TMP)タラートが特に好ましい(以下の表8〜18を参照されたい)。
あるロジンエステル、ロジン酸、またはこれらの混合物も、適している。一態様では、再生剤は、50℃未満のEN1427による環球式軟化点を有するロジンエステルを含む。別の態様では、再生剤は、ロジンエステル、ロジン酸もしくはこれらの混合物のほかに、脂肪酸エステル、植物油、または石油フラックスオイルを含む(以下の表13〜14を参照されたい)。本発明者らは、驚くべきことに、ロジンエステル、ロジン酸、もしくはそれらの混合物を含む再生結合剤が、ロジン酸、ロジンエステルもしくはそれらの混合物を含まずに作製された類似の再生結合剤の温度感受性と比較して、低減した温度感受性を有し得ることを見出した(表14を参照されたい)。
回収アスファルト中に再生剤を含ませることによって一つまたは複数の工場の運転でアスファルト組成物の取り扱いを容易にすることができる。したがって、一態様では、再生
剤は、200mPa/s以下の粘度で混合するのに必要な温度を少なくとも5℃、好ましくは、少なくとも10℃低減する。200mPa/sの粘度に到達するのに高温が必要である場合、その工程は、あまりにも多くのエネルギーを消費するのでコスト効率が悪くなる恐れがある。したがって、混合するための妥当な粘度に到達するために必要な温度を少しでも低減することは貴重である。別の態様では、再生剤は、3000mPa/s以下の粘度で圧密するのに必要な温度を少なくとも5℃、好ましくは、少なくとも10℃低減する。3000mPa/sの粘度に到達するのに高温が必要である場合、その工程は、あまりにも多くのエネルギーを消費するのでコスト効率が悪くなる恐れがある。したがって、圧密するための妥当な粘度に到達するために必要な温度を少しでも低減することは貴重である。表10に示されるように、エステル官能性再生剤は、混合と圧密の両方に必要な最低温度を低減するのに有効である。
別の態様では、本発明は、再生結合剤に関する。再生結合剤は、酸化結合剤とエステル官能性再生剤とを含む。再生剤は、酸化結合剤と再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在する。再生結合剤は、60℃未満のEN1427による環球式軟化点および20dmmを超えるEN1426による針入値を有する。適切な再生剤はすでに説明された。特に好ましい再生剤は、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセリンモノメラート、特にエチレングリコールモノメラートおよびトリメチロールプロパン(TMP)タラートである。
好ましい再生結合剤は、AASHTO T−300によって測定された場合、15℃〜25℃の範囲内のいずれかの温度で1.0J/cmの強制延性に到達する。また60℃未満の環球式軟化点を有する再生結合剤が特に好ましい(表15および以下のさらなる議論を参照されたい)。
好ましい結合剤は、結合剤が、EN12607−1による回転薄膜オーブン(RTFO)試験による短期の老化、およびEN14769による加圧老化ベッセル(PAV)試験による長期の老化を受けた場合に安定性を実際に示す。表18に示されるように、本発明の再生結合剤は、アスファルト組成物の短期または長期の老化をシミュレートするように設計された実験室条件に暴露された場合に安定である。
本発明は、本発明のアスファルト組成物または結合剤のための使用を含む。アスファルト組成物および結合剤は、例えば、舗装面、道路面および表面の下部、肩部、橋梁、橋台、未舗装道路用の砂利代替物などのために使用することができる。一態様では、本発明は、本発明のアスファルトまたは結合剤組成物を含む舗装面に関する。
以下の実施例は、本発明を単に例示するのみである;当業者は、本発明の趣旨および特許請求の範囲内にある多数の変形形態を認識している。
パート1:回収舗装アスファルト中のエステル官能性再生剤の評価:酸化結合剤におけるTg開始温度の低減
再生剤を用いてRAP結合剤を調製するための方法
RAPを18.1kg(40ポンド)袋で受け取る。材料を袋から取り出し、眼に見える水分が残らずなくなるまで空気乾燥させる。複数の針金ゲージを備えた篩台を利用して材料を異なる大きさ:大、中、微細に分ける。
「大」として分級された材料を一次ろ過として使用されるグラスウールを備えた大型フリットカラム内に入れる。トルエン/エタノール(85:15)をRAP上に注ぎ、重力ろ過が完結するまで静置する。溶媒ブレンドがほとんど無着色になり、清澄になるまでこの工程を複数回反復する。「中」および「微細」材料を大型エーレンマイヤーフラスコ内
に入れた後に、同じ溶媒ブレンドを一定水準まで添加する。材料を撹拌し、生成した溶媒/アスファルトミックスをデカンテーションする。この工程をやはり同じ目標まで反復する。
合わせた抽出液を18.9l(5ガロン)容器に装入し、24時間静置して泥/岩の微細物を沈降させる。材料を中グレードフィルター(Whatman #4)で注意深くデカンテーションする。ろ液をバッチごとに5Lフラスコに装入し、溶媒を40〜50℃に暖めつつ、真空下で揮散させる。材料が固形分の目標である〜20〜25%に到達するまで濃縮を継続する。濃縮した材料をすべて合わせて単一容器内に入れ、溶媒を回収し、リサイクルする。
ガイドラインとして固体含量を使用して、濃縮材料を目標2gで50mL丸底フラスコに装入する。評価すべき添加剤をトルエンで最小50%まで稀釈し、全添加量0.2gを目標に同じ丸底に装入する。次いで150℃の油浴を使用して溶液を0.5時間真空下で揮散させる。冷却するまで濃縮生成物を窒素パージ下に保持する。
試料の示差走査熱量測定(DSC)分析
示差走査熱量測定分析を、以下の条件:試料重量:4〜6mgのRAP;試料容器:TA Inc.製標準アルミニウム皿および蓋(TA Inc.の部品番号900786.901および900779.901);装置のパージ:窒素、50mL/分を使用してThermal Analysis Inc.モデルQ2000装置で実施する。
温度プログラム:Tgに対する測定基準を以下の方法ログのセグメント(23)からのデータに適用する:(1)試料採取間隔0.60sec/pt;(2)0.0℃におけるゼロ熱流;(3)165.00℃において平衡化させる;(4)データの保存オフ;(5)5.00分間等温;(6)サイクル1のエンドマーク;(7)データの保存オン;(8)−45.00℃まで5.00℃/分の傾斜;(9)データの保存オフ;(10)5.00分間等温;(11)サイクル2のエンドマーク;(12)データの保存オン;(13)165.00℃まで10.00℃/分の傾斜;(14)データの保存オフ;(15)5.00分間等温;(16)サイクル3のエンドマーク;(17)データの保存オン;(18)−85.00℃まで5.00℃/分の傾斜;(19)データの保存オフ;(20)5.00分間等温;(21)サイクル4のエンドマーク;(22)データの保存オン;(23)165.00℃まで10.00℃/分の傾斜;(24)サイクル5のエンドマーク;(25)方法の終了。
−80℃〜80℃の範囲にわたり温度(℃)の関数として熱流(W/g)をプロットすることによって曲線を作成する。ガラス転移の開始およびガラス転移の終点を表す変曲点を記入し、中間点を決定する。「広がり」は、ガラス転移の終点の温度とガラス転移開始温度の差である。したがって−36℃に開始Tgおよび10℃に終点を有する試料では、広がりを46℃として報告する。各試料に対する開始のΔおよび広がりのΔ(それぞれ℃で)の値を、酸化アスファルト結合剤の対照試料の複数試行に対して得た平均値と比較して報告する。試験試料は、表1および2において別段の指示のない限り90重量%の酸化アスファルト結合剤と10重量%の潜在的再生剤添加剤とを含む。
ガラス転移の開始を少なくとも5℃低減できれば、RAPの低温特性に対するかなり重要な効果が期待され、実施例1〜12(表1)および実施例27〜63(表2)はそれぞれ、この要件を満たす。市販の再生剤の主成分であるRheofalt(登録商標)蒸留物(カルダノール)、すなわち長鎖アルキル化フェノールが比較のために提供される。
疲労クラックの低減は、通常、ガラス転移温度のより狭い広がりと相関する均一性の改
善から推論される。したがって、疲労クラックの改善は、対照試料に比べてTg広がりを少なくとも5℃狭くすることに由来する場合がある。表1および2に報告した多数の試料は、やはりこの試験を満足し、より好ましいと考えられる。
動的せん断粘弾性測定(DSR)によるRAP結合剤の再生剤の低、中、および高温性能の評価
上記のように調製した10重量%の再生剤A〜Gを含むRAP結合剤の試料を、動的せん断粘弾性測定(DSR)を使用して低、中、および高温性能を評価するために独立の実験室に提出した。試料Eを除いて試料はそれぞれ、再生剤によって顕著に軟化することが判明する。レオロジー特性を使用してRAPに富む熱いおよび暖かいミックスアスファルトで使用するための再生生成物を評価する。
動的せん断弾性率を、Malvern Kinexus(登録商標)回転式動的せん断粘弾性測定器により直径4mmの平行板構造を使用して測定する。−30℃〜60℃の温度範囲および0.1〜100ラジアン/sec(一部の場合、0.1〜50ラジアン/secを使用する)の角周波数範囲にわたり15℃間隔で周波数掃引を実施する。
対照試料は、添加の再生剤を含まない抽出した結合剤である。低歪み水準を保証し、かつ試験結果が線形粘弾性範囲内にあることを保証するために、各周波数掃引の前に応力掃引を実施する。
G*/sinδなどの高温(70℃)および一部の場合の低温(−15℃)性能パラメーター用のマスター曲線を、Christensen Anderson(CA)モデル(D.W.Christensenら、J.Assoc.Asphalt Paving
Technologists、61(1992) 67)を使用することによって外挿する。CAモデルは、複素弾性率の周波数依存度をガラス弾性率(G)、クロスオーバー周波数(ω)およびレオロジーインデックス(R)に関連づける。数学的関数の形は、
Figure 0006554147
である。
Christensenの近似法(Christensen,R.M.、Theory
of Viscoelasticity(1971)Academic Press、New Yorkを参照されたい)を使用して貯蔵弾性率(G’(ω))を相互変換することによってG(t)マスター曲線を作成する。
1.低温特性
低温特性を4mm板粘弾性測定法を用いて測定する。曲げビーム粘弾性測定計(BBR)によるm−値およびクリープ剛性(S(t))をSuiらが開発した相関関係(「A New Low−temperature Performance Grading Method using 4−mm Parallel Plates on a DSR」、Transportation Research Record 2207 (2011)43〜48.)によって評価する。
m−値は、60秒における性能グレード温度プラス10℃のクリープ剛性曲線の傾斜である。これは、応力を緩和するアスファルトの能力の指標である。最小のm−値0.3を、通常、実験室RTFO/PAV(回転薄膜オーブン/加圧老化ベッセル)老化アスファルトに対して指定する。クリープ剛性を使用して高熱応力発生に対する潜在力を評価する。より高いクリープ剛性値は、舗装内のより高い潜在熱応力発生を示し、最大値300MPaを通常指定する。クリープ剛性をm−値として同じ時間および温度で測定する。試験用試料A〜Gの結果は、表3にある。
2.中温特性
RTFO/PAV老化アスファルト結合剤の耐疲労クラック性は、通常、G*sinδ(疲労因子)を使用して評価する。G*は、結合剤の複素せん断弾性率を表し、δは、位相角を表す。G*は、剛性を近似し、δは、結合剤の粘弾性応答を近似する。結合剤購入規格では、通常、その因子が5MPa未満であることが必要である。因子は、疲労損傷に関係するエネルギー消散の評価基準であるとみなされる。疲労損傷に対する臨界温度範囲は、最高使用温度と最低使用温度の間の中間温度に近い。試験温度25℃が使用される。試験用試料A〜Gの結果は、表3にある。
3.高温特性
高温機械特性はパラメーターG*/sinδによって評価される。この因子は、結合剤の耐わだち掘れ性の指標である。結合剤購入規格では、通常、この因子がRTFOの老化アスファルトについて2.2kPa超であることが必要である。試験試料の全てにおいて、G*/sinδは、再生剤の添加で顕著に減少する。
表3に示すように、試料A、B、C、およびFは、m−値の最大の改善を示し、この改善は、熱クラックをもたらす恐れのある熱応力発生を緩和および防止する材料能の改善に直接関連する。G*sinδは、疲労性能の指標を提供する。試料F(グリセリンモノメラート)およびA(EGモノメラート)は、(m−値)と(G*sinδ)両方の改善の点で最高ランクとして卓越している。試料B、C、およびDは、いくらか有効である。比較例G(ステロールからのリターン中立)およびE(テルペンフェノール)は、最下位にランクされ、Eは、特に無効である。
Figure 0006554147
Figure 0006554147
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パート2:再生剤としてのロジンエステルの評価
ロジンエステルHの調製
温度計、オーバーヘッド撹拌機、窒素パージライン、ディーン−スタークトラップ、冷却器、収集容器および試料採取口を取付けた1Lフラスコに、ロジンのペンタエリトリトールモノエステルとロジンのグリセロールモノエステルとの組合せ(酸価:107mgKOH/g、合計83.5g)を装入する。この2種のモノエステルを200℃に加熱する。4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)(0.1g)および酢
酸マグネシウム(0.2g)を、約3℃を超えて温度が低下しないことを確保するのに十分な遅い速度で添加する。次いで、約3℃を超えて温度が低下しないことを確保するのに十分な遅い速度でトリエチレングリコール(16.2g)を添加する。270〜280℃の間の温度まで1時間当り10〜15℃の速度で、温度を上昇させる。制御測定として酸価をチェックする。酸価仕様20mgKOH/gが満たされるまで反応を継続する。真空を適用して、軽質油、すなわちモノエステル化副生物を除去する。軽質油除去後ロジンエステルHが得られ、ロジンエステルHは40℃における最大粘度6000mPa.sを有する。
ロジンエステルJの調製
上述の装置に、トールオイルロジン(Arizona ChemicalからのSylvaros(登録商標)90、軟化点66℃、酸価171mgKOH/g、11.3g)を装入する。このロジンを160℃に加熱し、撹拌機が回転するのに十分なだけロジンが溶融すると、撹拌する。約3℃を超えて温度が低下しないことを確保するのに十分な遅い速度でフマル酸(5g)を添加する。次いで反応器温度を200℃まで上げ、この温度で反応器を3時間保持する。反応器を160℃まで冷却する。3℃を超えて温度が低下しないことを確保する速度でヨウ素(0.38g)を添加する。160℃で1時間温度を保持する。ペンタエリトリトール(5g)を添加し、250℃まで1時間当り10〜15℃の速度で、温度を上昇させる。反応器温度を250℃で4時間保持する。2時間後、温度は220℃まで低下し、トリエタノールアミン(1.22g)を添加する。220℃で1時間温度を保持する。生成物ロジンエステルJが、酸価120mgKOH/gおよび軟化点53℃を有するまで、反応を継続する。
ロジンエステルKの調製
通常の装置に、トールオイルロジン(Sylvaros(登録商標)90,95g)を装入する。反応器を180℃に加熱し、ロジンが十分に溶融して撹拌が可能になるまで加熱する。4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)(0.1g)および酢酸マグネシウム(0.13g)を、3℃を超えて温度が低下しないことを確保するのに十分な遅い速度で添加する。トリエチレングリコール(12.8g)およびジエチレングリコール(13.7g)を、3℃を超えて温度が低下しないことを確保するのに十分な遅い速度で添加する。反応器温度を約160℃で1時間保持し、次いで270〜280℃の間の温度まで1時間当り10〜15℃の速度で、温度を上昇させる。生成物であるロジンエステルKが、酸価<25mgKOH/gおよび60℃における最大粘度2000mPa.sを有するまで、反応を継続する。
ロジンエステルLの調製
通常の装置に、ロジンエステルJ(10.5g)、ロジンエステルK(8.4g)、およびトリエチレングリコールジベンゾアート(2.1g)を装入する。混合物を撹拌し、160℃まで加熱する。温度に達すると、混合物は2時間保持し、その後冷却する。最終ロジンエステルブレンドであるロジンエステルLは、酸価70mgKOH/gおよび60℃における粘度2500mPa.sを有する。
酸価は、ASTM D465により測定される。公知の重量の試料をイソプロピルアルコール中に溶解する。次いで、この溶液を、水酸化カリウムのアルコール溶液で滴定する。酸価は、測定量の試料を中和するのに使用される水酸化カリウムの量に対応する(一般に、試料の1グラム当り水酸化カリウムのミリグラムで表される:mgKOH/g)。
粘度は、ASTM D2196により測定され、ブルックフィールド装置を使用し、回転粘度測定値を提供する。
軟化点は、環球法(ASTM E28−99)により測定される。生成物の試料を、まだ温かいうちに、金属環に注入し、次いで冷却する。材料を環に嵌めるような形にして環を清浄にし、鋼球を置き、環の上面に載せておく。この環および球を、水を入れたビーカ
ー中に沈め、撹拌しながら水を1分当り5℃で加熱する。環を貫通して球が完全に落下するとき、水の温度を記録する。温度値は、環球式軟化点として報告される。
試験試料の調製
RAP由来の瀝青は、RAP(BAM Wegen、オランダから)をジクロロメタンで洗浄することによって調製される。抽出した瀝青は、ジクロロメタンの蒸発によって乾燥される。
表4の実施例64〜67および比較例70および71の組成物は次のように調製される:RAP由来の瀝青(19.95g)と未使用瀝青(PEN40/60、Total、オランダから、9g)とを合わせて、50mLビーカー内で100℃まで加熱する。添加剤(1.05g)を、次いで完全に混ぜ合わせる。100℃で30分間温度を保持し、次いで混合物を冷却する。
添加剤を含まない対照組成物は、比較例68についてはPEN40/60(30g)から、また比較例69についてはRAP由来の瀝青(21g)とPEN40/60(9g)との混合物から同様に調製される。
測定および結果
環球式軟化点、ガラス転移温度およびレオロジープロファイルを測定するため、それぞれの瀝青組成物の試料を取る(表4、5および6)。
環球式軟化点は、ロジンエステルについて上述した環球法(ASTM E28−99)により水中で測定される。温度値は、環球式軟化点として表4中に報告される。瀝青の環球式軟化点は、瀝青が使用されるアスファルトの剛性の指標である。
ガラス転移温度(Tg)は、下記のパラメーターにより、Mettlerからの示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される:
−ガス:窒素65mL/分、
−皿:蓋上に小孔を有する標準アルミニウム40μL皿、
−温度:1分当り10℃の速度で25.0℃〜−60.0℃、および1分当り10℃の速度で−60.0℃〜25.0℃。
瀝青のガラス転移温度は、瀝青が使用されるアスファルトの脆性の指標である。
瀝青試料の貯蔵弾性率および損失弾性率は、Anton Paar物理的レオメーターMCR101により測定される。1分当り5℃の速度における−20℃〜80℃の温度プロファイルが使用される。周波数1.592s−1により歪みが0.1%に設定される。使用されるスピンドルは、1mmギャップおよびペルティエプレートを有するPP25mmである。垂直抗力は0Nに設定される。
温度15℃未満における瀝青の粘弾性挙動は、瀝青を含むアスファルトの低温における亀裂傾向の指標である。粘弾性挙動は、貯蔵弾性率および損失弾性率に関して表すことができる。貯蔵弾性率および損失弾性率が低いほど、亀裂傾向が低くなる。
Figure 0006554147
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表7は、未使用瀝青(比較例68)すなわち目標性能を有する試料、および未使用瀝青とRAP由来瀝青の混合物(比較例69)すなわち改善前の性能を有する試料に対する、使用したそれぞれの添加剤の性能の総括である。負記号(−)は、比較例69に対して全く改善がないこと、もしくは有意な改善がないことを示し、また正記号(+)は、改善を示す。正記号の数がより多いほど、改善はより大きい。N.a.は対応するデータが入手できないことを示す。
表4〜7中に提供される結果から見ることができるように、ロジンエステル(実施例64〜67)は、老化過程で失われた特性の少なくとも一部を復活させる再生剤として作用する。詳細には、それらの全てについて軟化点およびガラス転移温度が改変される。ロジンエステルL(実施例64)はまた、測定した温度の大部分で貯蔵弾性率および損失弾性
率も改変する(表5および6を参照されたい)。
パーム油は、US2010/0041798において再生剤として作用することが記述されている。しかし、添加剤としてパーム油を含む組成物(比較例70)について有意な改変は観察されなかった。
アルキル置換フェノールは、WO2010/077141において再生剤として作用することが記述されている。比較例71のC15−アルキルm−置換フェノール、すなわち、ヒドロキシル基に対してメタ位に炭素原子15個を有するアルキル基を有するフェノールは、例えば、Rheofalt(商標)HCP−22(Ventraco、オランダから)の名称のもとに市販され、改善された軟化点およびガラス転移温度を提供する。この添加剤はまた、いくつかの試験温度について損失弾性率および貯蔵弾性率を改善することも見られる。
パート3:エステル官能性再生剤の追加の評価
数種のエステル官能性再生剤、特にエチレングリコール(EG)モノメレート、トリメチロールプロパン(TMP)タラート、およびそれぞれ約5、25、40および55℃の環球式軟化点を有するArizona Chemicalの製品であるSylvatac(登録商標)ロジンエステルRE5、RE25、RE40およびRE55をさらに評価する。
試験した結合剤は、回収アスファルトから回収される酸化結合剤(「RA」)、または実験室で老化した結合剤(「AB」)である。
老化した結合剤を2段階で調製する。第1の段階は、回転薄膜オーブン(RTFO)試験であり、これは、EN12607−1に従って実施される。これは、アスファルトの製造、輸送、および敷設中に通常行われる短期老化を反映する。RTFO試験には、空気吹
き込みオーブン内の回転式コンベヤ上のガラス円筒中で結合剤を163℃で50分間加熱することが必要である。試験後に、質量損失を記録し、結合剤特性を測定する。
第2の段階は、EN14769に従う加圧老化ベッセル(PAV)試験である。PAV試験では、結合剤試料を、圧力2.07MPa下で20時間90〜110℃のオーブン中で加熱する。
一調査では、再生結合剤の基礎特性が調査される。EN1427によって測定される結合剤の環球式軟化点は、高温の結合剤のコンシステンシーを反映する。軟化点が高いほど、それを軟化しまたは流動を誘発するのに必要な熱が多くなる。EN1426によって測定される結合剤の25℃における針入値は、周囲温度における結合剤のコンシステンシーを反映する。より高い値がより軟らかな結合剤に対応する。90、135、150、および180℃での粘度をEN13302に従って測定する。結果は、毎日の運転でアスファルトを貯蔵し、ポンプ輸送し、混合し、圧密し、敷設し、または取り扱うことの容易さを示す。針入指数(PI)は、アスファルトのコンシステンシーが温度とともに変化する様子を定量化する。これは、
Figure 0006554147
によって計算され、式中、Penは、25℃における針入値であり、Tは、環球式軟化温度(℃で)である。未使用結合剤は、通常、負のPIを有するが、酸化は、PIを正の値に押し込む傾向がある。したがって、PIの負の値はより望ましい。
表8は、本研究からの結果を要約する。理想的には、再生剤は、酸化結合剤の特性を復活させて、酸化結合剤を未使用結合剤により近い性能を示すようにする。したがって、再生剤の軟化点は、60℃未満とすべきであり、また25℃における再生剤の針入値は少なくとも20dmmとすべきである。表中に示したように、TMPタラートは、老化結合剤およびTMPタラートを合わせた量に対して僅か5重量%で、それらの結果を効果的に達成する。液体もしくはより融点の低いロジンエステル、Sylvatac(登録商標)RE5およびSylvatac(登録商標)RE25も、最適の結果を得るには幾分より高いレベル(約10重量%)を必要とするが、再生効果を有する。興味深いことに、より高い軟化点を有するロジンエステルであるSylvatac(登録商標)RE55は、老化結合剤の基礎特性を、未使用結合剤において見出される基礎特性まで復活させるのに有効でない。
表9は、許容される低い針入値を維持しつつ、望ましい軟化を実現するのに必要な再生剤の量を決定するために実施された実験の結果を要約する。EGモノメラートおよびTMPタラートでは、約4〜5重量%の再生剤で軟化点が所望値<60℃に達する一方で、未使用結合剤35/50の針入値に匹敵する25℃における針入値を維持している。対照的に、Sylvatac(登録商標)RE55は、10重量%の添加剤でも酸化結合剤のこうした特性を復活させない。
再生結合剤に対する粘度曲線は、アスファルトの圧密、混合、および他のハンドリング特性を容易にするための再生剤の能力を特定する助けになる。表10は、粘度が圧密(<3000mPa・s)に適している最低温度が、酸化結合剤をエステル官能性再生剤と合わせることによって20℃も低減することができることを示す。さらに、粘度が混合(<200mPa・s)に適している最低温度もまた、20℃も低減することができる。
Figure 0006554147
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特に米国では、動的せん断粘弾性測定(DSR)を使用してアスファルト生成物を評価することによって低、周囲、および高められた温度における期待の性能を検定する。低温では(例えば、−10℃)、道路面には耐クラック性が必要である。周囲温度下では、剛性および疲労特性が重要である。高められた温度では、道路には、アスファルトが過剰に軟化する場合、耐わだち掘れ性が必要である。3種の通常の組の温度条件にわたり期待される舗装道路面特性と相関する結合剤のレオロジー特性を特定するためにアスファルト工業によって基準が確立された。
したがって、低温では、−10℃で測定する再生結合剤の複素弾性率(G*)は、未使用結合剤に対する値以下であるべきである。30/50グレード未使用結合剤では、−10℃におけるG*は、理想的には、2.8×10Pa以下である(表11を参照された
い)。酸化結合剤は、この特性では、未使用結合剤と劇的に異なっておらず、低温基準は、EGモノメラートまたはTMPタラートの1重量%で満足される(しかし、Sylvatac(登録商標)RE55による結果を参照されたい、これは、10重量%でもこのパラメーターを改善しない)。
周囲温度では、再生結合剤の複素弾性率は、未使用結合剤に対する値以下であるべきである。30/50グレード未使用結合剤では、20℃におけるG*は、理想的には、6.0×10Pa以下である。この剛性基準は、EGモノメラートまたはTMPタラートの約4重量%で満足することができる(表11)。やはり、Sylvatac(登録商標)RE55は、10重量%でもこのパラメーターを改善しない。
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疲労基準はまた、周囲温度性能と関連する。複素弾性率(G*)と10rad/sで測定した位相角(δ)の正弦との積を決定する。10rad/sにおけるG*sinδの値が、5000MPaに等しい温度は、再生結合剤では35/50グレード未使用結合剤に匹敵する20℃以下であるべきである。表12に示すように、疲労基準は、少なくとも約4重量%のEGモノメラートまたはTMPタラートを使用する場合に、満足することができるが、Sylvatac(登録商標)RE55は、酸化結合剤に対して全く改善をもたらさない。
高温では、商G*/sinδが、重要である。10rad/sにおけるG*/sinδが1000Paに等しい温度は、老化結合剤と比較して再生結合剤で低減すべきである。30/50グレード未使用結合剤では、10rad/sにおけるG*/sinδが1000Paに等しい温度は、約70℃(表12を参照されたい)である。高温基準は、一般に、最大約10重量%のエステル官能性再生剤で満足される。
Figure 0006554147
別のレオロジー試験で、本発明者らは、等温周波数掃引から20℃で生じたGのマスター曲線を作成した(表13)。本発明者らが、石油フラックスオイル、植物油、脂肪酸エステル、カルダノールおよびロジンエステルで再生した試験用結合剤からの結果を比較した場合、とりわけ高温および疲労基準を比較するデータを解析した場合、本発明者らは、いくつかの興味深い挙動に気付いた。
これらの再生剤の全てが、老化結合剤をある程度まで軟化させ、あるものは同一の用量において他のものよりもそうである。したがって、植物油および脂肪酸エステルは、高度の軟化をもたらし、一方石油フラックスオイルおよびカルダノールはより少ない程度までそのようにする。これに反して、ロジンエステルなどの環状エステルは、あまり効果的に軟化させない。
その上、酸化結合剤および未使用結合剤は、温度に対して比較的敏感ではない疲労特性を有するが、大部分の再生剤は、再生結合剤をより温度感受性とする傾向がある。理想的には、再生結合剤は、より未使用結合剤同様に挙動するであろう、すなわち再生結合剤は温度に対してあまり敏感でないことが好ましいであろう。
驚くべきことに、本発明者らは、ロジンエステル、ロジン酸またはそれらの混合物などの環状化合物を含有する再生結合剤が、酸化結合剤または未使用結合剤に類似して、温度変化に比較的耐える疲労特性を有することを見出した。しかし、環状化合物は通常十分な軟化を付与する能力に欠けるので、それらの環状化合物を、脂肪酸エステルまたは植物油などの他の再生剤と組み合わせることが好ましい。したがって、他の再生剤との組合せにおけるロジンエステル、ロジン酸またはそれらの混合物の使用は、結合剤を軟化させる一方、低温感受性を望ましく維持する。表14を参照されたい。
Figure 0006554147
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表15は、延性調査の結果を要約する。一般に、強制延性は、所与の温度で結合剤試料を200または400mm延伸するのに必要なエネルギーに関連し、強度および可とう性の指標である。より低いエネルギーは、より大きい可とう性の試料に対応する。延性は、所与の温度、通常5℃(より軟らかい結合剤に対して)または15℃の際の破壊時の延伸に関連する。より大きい延伸は、通常より良好である。こうした実験では、TMPタラート、Sylvatac(登録商標)RE5(液体)およびSylvatac(登録商標)RE40(軟化点約40℃)を比較する。強制延性を各試料について3つの温度で測定す
る。使用する試験法は、AASHTO T−300である。
一般に、再生剤は、未使用結合剤が老化中に失う延性の少なくとも一部を復活させる。表15における結果を比較すると、TMPタラート(5重量%)およびSylvatac(登録商標)RE5(10重量%)は、Sylvatac(登録商標)RE40(5重量%)よりも良好であるSylvatac(登録商標)RE5(5重量%)よりも、良好に機能する。1J/cmなどのベースラインのエネルギー水準における結果を比較し、この強制延性値が実現する温度を求めることが有用である。表に示すように、この値は、老化結合剤で28℃であり、未使用結合剤で17℃である。再生剤は、結合剤が17℃という標的値に匹敵するのを助ける。
表16は、旋回圧密調査(EN12697−31による)の結果を提供する。その調査では、75重量%の回収舗装アスファルト(RAP)を、再生剤ありまたはなしで未使用結合剤および骨材と合わせる。RAP中に存在する酸化結合剤の量に対して6重量%でTMPタラートを使用する。10回の旋回後の結果は、混合がどの程度まで良好に行われたかを示す。60または100回の旋回後の空隙含量もまた、重要である。圧密調査は、200回の旋回後に終了する。一般に、本発明者らは、RAPを含まない対照混合物と比較してRAPを使用することによって低い空隙含量実現することが容易になることを見出した。加えて、TMPタラートを再生剤として含ませる場合に、空隙含量は、望ましくは、低くとどまる。ASTM D6925を使用することもできる。
また、75重量%のRAPを含むアスファルト混合物についてEN12697−12による感水性を評価する。この結果は、表17に存在する。対照混合物と比較して、間接引張強度の湿潤時と乾燥時の比(湿潤ITS/乾燥ITS)は、RAPとともに減少するが、これは、感水性が顕著であることを示す。しかし、6重量%のTMPタラートを含ませることによって、RAP含有混合物は、対照により類似した挙動をするようになる、すなわち、このTMPタラートは、アスファルト混合物の感水性を低減する。
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回収アスファルト中に見出された酸化結合剤により似た挙動をするために結合剤を老化させるのに使用する実験室の方法は、既に議論された。記載されたように、RTFO試験、または回転薄膜オーブン試験を使用して、短期老化効果を評価し、PAV(加圧老化ベッセル)試験は、長期老化を評価する。
表18は、最初にRTFO試験、次いでPAV試験を使用して老化の前後の再生結合剤の基本特性を比較する。再生結合剤の全ての場合において、累積質量損失は、約1重量%
以下であり、これは、未使用結合剤を使用して得られた結果と一致する。したがって、再生剤を使用する場合、質量損失に対する有害な影響は存在しない。
老化ステップに続いて、試験結合剤の全ての環球式軟化点はいくらか増加する。しかし、全体の増加(かなり右の欄、ΔR&Bを参照されたい)は、未使用結合剤で見られた増加と一致する。換言すれば、エステル官能性再生剤は、結合剤の短または長期老化を加速するように思われない。同様に、針入値は、老化によって悪い影響を受けない。むしろ、未使用結合剤と比較すると、再生剤が存在する場合、結合剤の元来の針入値のより大きい割合が維持される(表18のかなり右にあるRet.Pen.%値を比較されたい)。
これまでの実施例は、例示としての意味のみを有する;以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義する。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1]
回収アスファルトと、エステル官能性再生剤とを含み、回収アスファルトが、骨材と酸化アスファルト結合剤とを含み、再生剤が、再生剤を含まない酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で存在するアスファルト組成物。
[2]
未使用結合剤と酸化アスファルト結合剤とを合わせた量に対して1〜99重量%の未使用結合剤をさらに含む、[1]に記載の組成物。
[3]
酸化アスファルト結合剤および再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%の再生剤を含む、[1]に記載の組成物。
[4]
再生剤が、C〜C18モノオール、ジオールもしくはトリオール、およびC〜C20脂肪酸またはそのダイマー酸に由来する、[1]に記載の組成物。
[5]
再生剤が、酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも10℃低減するのに有効な量で存在する、[1]に記載の組成物。
[6]
再生剤が、再生剤を含まない場合のガラス転移温度の広がりに比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移温度の広がりを少なくとも5℃狭くするのに有効な量で存在する、[1]に記載の組成物。
[7]
再生剤が、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセリンモノメラートからなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[8]
再生剤が、トールオイル脂肪酸、モノマー酸、ダイマー酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸、アゼライン酸、カプリル酸または安息香酸に由来するエステルである、[1]に記載の組成物。
[9]
(a)酸化アスファルト結合剤と、
(b)酸化アスファルト結合剤と再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%のエステル官能性再生剤とを含み、
再生剤が、再生剤を含まない酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で存在する、回収アスファルトと一緒に使用するのに適した再生結合剤。
[10]
未使用結合剤と酸化アスファルト結合剤を合わせた量に対して1〜99重量%の未使用結合剤をさらに含む、[9]に記載の結合剤。
[11]
0.5〜10重量%の再生剤を含む、[9]に記載の結合剤。
[12]
再生剤が、C〜C18モノオール、ジオールもしくはトリオールおよびC〜C20脂肪酸またはそのダイマー酸に由来する、[9]に記載の結合剤。
[13]
回収アスファルトをエステル官能性再生剤と合わせるステップを含み、回収アスファルトが、骨材と酸化アスファルト結合剤とを含み、再生剤が、再生剤を含まない酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で使用される方法。
[14]
回収アスファルト、再生剤またはそれらの混合物が、未使用結合剤と酸化アスファルト結合剤とを合わせた量に対して1〜99重量%の未使用結合剤と組み合わされる、[13]に記載の方法。
[15]
回収アスファルト、再生剤またはそれらの混合物が、未使用結合剤と酸化アスファルト結合剤とを合わせた量に対して30〜70重量%の未使用結合剤と組み合わされる、[13]に記載の方法。
[16]
酸化アスファルト結合剤と再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%の再生剤が使用される、[13]に記載の方法。
[17]
再生剤が、酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも10℃低減するのに有効な量で使用される、[13]に記載の方法。
[18]
再生剤が、酸化アスファルト結合剤のガラス転移温度の広がりを少なくとも5℃狭くするのに有効な量で使用される、[13]に記載の方法。
[19]
再生剤が、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセリンモノメラートからなる群から選択される、[13]に記載の方法。
[20]
酸化アスファルト結合剤を含む結合剤組成物をエステル官能性再生剤と合わせるステップを含み、再生剤が、再生剤を含まない酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減するのに有効な量で使用される方法。
[21]
0.01〜10重量%のロジンエステルおよび少なくとも15重量%の回収アスファルトを含むアスファルト組成物であって、ロジンエステルが、トールオイルロジンまたはトールオイルと、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリオールとの反応生成物であるアスファルト組成物。
[22]
結合剤および/または骨材をさらに含む、[21]に記載の組成物。
[23]
回収アスファルトが、回収舗装アスファルトである、[21]に記載の組成物。
[24]
回収アスファルトを、0.01〜10重量%のトールオイルエステル、ロジンエステルまたはそれらの混合物と混合することによって再生するステップを含む方法。
[25]
ロジンエステルが、トールオイルロジンと、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトールおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリオールとの反応生成物である、[24]に記載の方法。
[26]
(a)酸化結合剤を含む少なくとも15重量%の回収アスファルトと、
(b)エステル官能性再生剤とを含み、
再生剤が、酸化結合剤と再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在し、
再生剤および酸化結合剤が、60℃未満のEN1427による環球式軟化点と、20dmmを超えるEN1426による針入値とを有する再生結合剤を形成するアスファルト組成物。
[27]
追加の骨材および/または結合剤をさらに含む、[26]に記載の組成物。
[28]
再生剤が、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセリンモノメラートからなる群から選択される、[26]に記載の組成物。
[29]
再生剤が、50℃未満のEN1427による環球式軟化点を有するロジンエステルを含む、[26]に記載の組成物。
[30]
再生剤が、ロジンエステル、ロジン酸またはそれらの混合物を含む、[26]に記載の組成物。
[31]
再生剤が、脂肪酸エステル、植物油、または石油フラックスオイルをさらに含む、[30]に記載の組成物。
[32]
再生結合剤が、ロジン酸、ロジンエステルまたはそれらの混合物を含まずに作製された類似の再生結合剤の温度感受性と比較して、低減された温度感受性を有する、[30]に記載の組成物。
[33]
再生剤が、200mPa・s以下の粘度で混合するのに必要な温度を少なくとも5℃低減する、[26]に記載の組成物。
[34]
再生剤が、3000mPa・s以下の粘度で圧密するのに必要な温度を少なくとも5℃低減する、[26]に記載の組成物。
[35]
(a)酸化結合剤と、
(b)エステル官能性再生剤とを含み、
再生剤が、酸化結合剤と再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在し、
60℃未満のEN1427による環球式軟化点と、20dmmを超えるEN1426による針入値とを有する再生結合剤。
[36]
AASHTO T−300によって測定された場合、強制延性が、15℃〜25℃の範囲内の温度で1.0J/cmである、[35]に記載の結合剤。
[37]
再生剤が、トリメチロールプロパンタラート、エチレングリコールモノメラート、ネオペンチルグリコールモノメラート、2−エチルヘキシルモノメラートおよびグリセリンモノメラートからなる群から選択される、[35]に記載の結合剤。
[38]
EN12607−1による回転薄膜オーブン試験による短期の老化、およびEN14769による圧力老化ベッセル試験による長期の老化を受けた場合に安定性を実際に示す、[35]に記載の結合剤。
[39]
[1]に記載のアスファルト組成物を含む舗装面。
[40]
[9]に記載の結合剤を含む舗装面。
[41]
[21]に記載のアスファルト組成物を含む舗装面。
[42]
[26]に記載のアスファルト組成物を含む舗装面。
[43]
[35]に記載の結合剤を含む舗装面。

Claims (24)

  1. 回収アスファルトと、エステル官能性再生剤とを含むアスファルト組成物であって、該回収アスファルトが、骨材と酸化アスファルト結合剤とを含み、該エステル官能性再生剤が、該酸化アスファルト結合剤および該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%の量で存在して、該エステル官能性再生剤を含まない該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルである、
    前記アスファルト組成物。
  2. 該エステル官能性再生剤が、C〜C20脂肪酸またはそのダイマー酸に由来する、請求項1に記載のアスファルト組成物。
  3. 該エステル官能性再生剤が、該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも10℃低減する、請求項1に記載のアスファルト組成物。
  4. 該エステル官能性再生剤が、トールオイル脂肪酸、モノマー酸、ダイマー酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸、アゼライン酸、カプリル酸または安息香酸に由来するエステルである、請求項1に記載のアスファルト組成物。
  5. 回収アスファルトと一緒に使用するのに適した、再生された結合剤であって、
    (a)酸化アスファルト結合剤と、
    (b)エステル官能性再生剤、ここで該エステル官能性再生剤の量は該酸化アスファルト結合剤と該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%である、と
    を含み、
    該エステル官能性再生剤が、該エステル官能性再生剤を含まない該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルである、
    前記再生された結合剤。
  6. 0.5〜10重量%の該エステル官能性再生剤を含む、請求項5に記載の再生された結合剤。
  7. 該エステル官能性再生剤が、C〜C20脂肪酸またはそのダイマー酸に由来する、請求項5に記載の再生された結合剤。
  8. 回収アスファルトをエステル官能性再生剤と合わせるステップを含む方法であって、該回収アスファルトが、骨材と酸化アスファルト結合剤とを含み、該エステル官能性再生剤が、該酸化アスファルト結合剤および該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%の量で使用されて、該エステル官能性再生剤を含まない該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルである、
    前記方法。
  9. 該エステル官能性再生剤が、該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも10℃低減する、請求項8に記載の方法。
  10. 酸化アスファルト結合剤を含む結合剤組成物をエステル官能性再生剤と合わせるステップを含む方法であって、該エステル官能性再生剤が、該酸化アスファルト結合剤および該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して0.1〜15重量%の量で使用されて、該エステル官能性再生剤を含まない該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度に比較して該酸化アスファルト結合剤のガラス転移開始温度を少なくとも5℃低減し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルである、
    前記方法。
  11. 回収アスファルトを0.01〜10重量%のトールオイルエステル、ロジンエステルまたはそれらの混合物と混合することによって、該回収アスファルトを再生するステップを含む方法であって、該トールオイルエステル又は該ロジンエステルが、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルである、
    前記方法。
  12. アスファルト組成物であって、
    (a)酸化結合剤を含む少なくとも15重量%の回収アスファルトと、
    (b)エステル官能性再生剤とを含み、
    該エステル官能性再生剤が、該酸化結合剤と該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルであり、
    該エステル官能性再生剤および該酸化結合剤が、60℃未満のEN1427による環球式軟化点と、20dmmを超えるEN1426による針入値とを有する再生された結合剤を形成する、
    前記アスファルト組成物。
  13. 追加の骨材および/または追加の結合剤をさらに含む、請求項12に記載のアスファルト組成物。
  14. 該エステル官能性再生剤が、50℃未満のEN1427による環球式軟化点を有するロジンエステルを含む、請求項12に記載のアスファルト組成物。
  15. 該エステル官能性再生剤が、ロジンエステル、ロジン酸またはそれらの混合物を含む、請求項12に記載のアスファルト組成物。
  16. 該エステル官能性再生剤が、脂肪酸エステル、植物油、または石油フラックスオイルをさらに含む、請求項15に記載のアスファルト組成物。
  17. 該エステル官能性再生剤が、200mPa・s以下の粘度で混合するのに必要な温度を少なくとも5℃低減する、請求項12に記載のアスファルト組成物。
  18. 該エステル官能性再生剤が、3000mPa・s以下の粘度で圧密するのに必要な温度を少なくとも5℃低減する、請求項12に記載のアスファルト組成物。
  19. 再生された結合剤であって、
    (a)酸化結合剤と、
    (b)エステル官能性再生剤とを含み、
    該エステル官能性再生剤が、該酸化結合剤と該エステル官能性再生剤を合わせた量に対して1〜10重量%の範囲内の量で存在し、該エステル官能性再生剤が、ジオール及びトリオールからなる群から選ばれるアルコールに由来するエステルであり、
    該再生された結合剤が、60℃未満のEN1427による環球式軟化点と、20dmmを超えるEN1426による針入値とを有する、
    前記再生された結合剤。
  20. AASHTO T−300によって測定された場合、強制延性が、15℃〜25℃の範囲内の温度で1.0J/cmである、請求項19に記載の再生された結合剤。
  21. 請求項1に記載のアスファルト組成物を含む舗装面。
  22. 請求項5に記載の再生された結合剤を含む舗装面。
  23. 請求項12に記載のアスファルト組成物を含む舗装面。
  24. 請求項19に記載の再生された結合剤を含む舗装面。
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