JP6553473B2 - 溶融スラグの回収装置、溶融スラグの回収用パイプおよび溶融スラグの回収方法 - Google Patents

溶融スラグの回収装置、溶融スラグの回収用パイプおよび溶融スラグの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融スラグの回収装置、溶融スラグの回収用パイプおよび溶融スラグの回収方法に関する。
溶解・製錬工程では、溶融金属の湯面において、原料表面の酸化物や生成する酸化物等が溶融スラグとして浮上してくる。この溶融スラグは酸化物を主体とする非金属成分と金属分とが混在したものであり、放置しておくと非金属成分が溶融金属へ混入して溶湯汚染を生じるばかりでなく、出湯後の炉壁や炉底部に付着堆積して溶解炉の容積を減少させてしまい、生産性が低下するおそれもある。そこで溶解・製錬後は早期に湯面からこの溶融スラグを取り除く必要がある。この溶融スラグを除去する方法として、容器を傾け、溶融金属の湯面にある溶融スラグを除去する手法が知られている(特許文献1参照)。別の手法としては、溶融スラグに対して直接、真空吸引を行うことによりサイフォン吸引除去を行う手法も知られている(特許文献2参照)。
特開2005−264210号公報 特開昭63−220089号公報
特許文献1や2に記載の技術では、容器を傾転させる設備や、吸引管内を負圧にする設備(真空ポンプや高速ガスを発生させる設備等)など、大型な設備が必要となる。
本発明は、比較的簡素な設備で溶融金属より比重の小さい溶融スラグを回収することを課題とする。
上記の課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討を行った。その際、本発明者らは、溶融金属と溶融スラグとの間の比重差に着目した。比重差があるからこそ、溶融スラグは溶融金属の湯面に現れる。そこで、本発明者らは、容器内と容器外とを連通するパイプを用意した上で、容器内を撹拌することにより、容器内の溶融金属および溶融スラグを容器中に分散させ溶融スラグの導入口の下部にも存在させるようにして、溶融金属と溶融スラグの比重を利用して、該溶融スラグを回収する手法を想到した。
この場合、溶融金属と溶融スラグとの比重差によって、溶融スラグはパイプ内に溜まり続ける。なぜなら導入口には溶融金属が既に存在するため、比重差の関係上、溶融スラグは導入口から逆流しにくくなるためである。そうすると、溜まり続けた溶融スラグが、導入口とは別に当該パイプに設けられかつ容器外部に繋がる吐出口から溢れ出ることになる。そして、最終的には、溢れ出た当該溶融スラグを回収するという手法を想到した。
以上の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
溶融金属を収容する容器と、
前記溶融金属を撹拌する撹拌部と、
溶融スラグをパイプに導入する導入口、該パイプ内に導入した該溶融スラグを該パイプから吐出する吐出口を有するパイプと、
を備え、
前記導入口が前記容器内に存在し、前記吐出口が前記容器に満たされた前記溶融金属の湯面の外に存在するよう前記パイプを配設して成る、溶融スラグの回収装置である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記パイプは、前記導入口から前記吐出口に至るまでに、前記パイプの内径が連続的に狭まる部分を有する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の発明において、
さらに、前記パイプは、前記内径が連続的に狭まる部分から前記吐出口に至るまでに、前記パイプの内径が等しい部分を有する。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記吐出口は大気開放口である。
本発明の第5の態様は、
一端に導入口、他端に吐出口を有し、
前記導入口は、溶融金属および前記溶融スラグを導入可能であり、
前記吐出口は、前記溶融スラグを吐出可能であり、
前記導入口から前記吐出口に至るまでに、内径が連続的に狭まる部分を有する一方、前記内径が連続的に狭まる部分から前記吐出口に至るまでに、内径が等しい部分を有する、溶融スラグの回収用パイプである。
本発明の第6の態様は、
溶融金属を収容している容器内にパイプを配設し、
前記容器内の前記溶融金属および溶融スラグを撹拌し、
前記溶融金属と前記溶融スラグとの比重差によって、前記パイプ内に前記溶融スラグを溜め続けて前記パイプの吐出口から前記溶融スラグを溢れ出させて回収する、溶融スラグの回収方法である。
本発明によれば、比較的簡素な設備で溶融金属より比重の小さい溶融スラグを回収できる。
本実施形態における溶融スラグの回収装置の断面概略図である。 本実施形態における溶融スラグの回収用パイプの側面概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、次の順序で説明を行う。
1.溶融スラグの回収装置
1−A)溶融スラグの回収装置の概要
1−B)容器
1−C)撹拌部
1−D)溶融スラグの回収用パイプ
1−D−a)導入口
1−D−b)移送部
1−D−c)吐出口
2.溶融スラグの回収方法
2−A)準備工程
2−B)導入工程
2−C)回収工程
3.実施の形態による効果
<1.溶融スラグの回収装置>
1−A)溶融スラグの回収装置の概要
本実施形態における溶融スラグの回収装置1の基本的構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における溶融スラグの回収装置1の断面概略図である。
本実施形態における溶融スラグの回収装置1は、以下の構成を有する。
・溶融金属を収容自在な容器2
・溶融金属を撹拌自在な撹拌部3
・容器2内と容器2外を繋げる溶融スラグの回収用パイプ4(以降、単に「パイプ4」とも称する。)
以下、各構成について説明する。
1−B)容器
本実施形態における容器2は、溶融金属を収容自在なものであれば公知の構成を用いても構わない。例えば、炉であっても構わないし、単に溶融金属を収容自在な鍋であっても構わない。
なお、本明細書においては「容器内」とは、容器2に溶融金属を満たした際の湯面から容器2の底に至るまでの領域すなわち溶融金属の収容可能領域のことを指し、「容器外」とはそれ以外の領域のことを指す。
1−C)撹拌部
本実施形態における撹拌部3は、撹拌羽32を回転させることにより、容器2に収納された溶融金属を撹拌する構成を有する。特許文献2に記載のサイフォン吸引除去とは異なり、溶融金属および溶融スラグを撹拌して動的状態にすることに本実施形態の大きな特徴がある。本実施形態においては、溶融金属を撹拌することにより、容器2内の溶融金属および溶融スラグを分散させ導入口41の下部にも存在させることで、パイプ4の導入口41に導入することが可能となる。詳しくは後述するが、こうすることにより、最終的にパイプ4の吐出口42から溶融スラグを溢れ出させることが可能となる。
本実施形態における撹拌部3は、容器2内において回転軸31に取り付けられ且つ資材を撹拌するための撹拌羽32、撹拌羽32を回転させるための回転軸31、および、容器2外にて回転軸31を回転させるモータ(不図示)により構成されているものが例示される。
なお、撹拌に使用する撹拌羽32は、パドル型、タービン型など形状はいずれでもよいが、巻き上げ流を発生させるパドル型が好ましい。
1−D)溶融スラグの回収用パイプ
本実施形態のパイプ4は、一端に導入口41、他端に吐出口42を有する。別の言い方をすると、パイプ4は、溶融スラグをパイプ4に導入する導入口41、パイプ4内に導入した溶融スラグをパイプ4から吐出する吐出口42を有する。そして、本実施形態における溶融スラグの回収装置1は、導入口41が容器2内に存在し、吐出口42が容器2外に存在するようパイプ4を配設して成る。具体的に言うと、導入口41が容器2に満たされた溶融金属内(すなわち溶融金属の湯面の内)に存在し、かつ、吐出口42が当該湯面の外に存在するようパイプ4を配設して成る。
なお、当該パイプ4の材質は、溶融金属と接触しても耐えられるものであれば公知の材質を用いても構わない。
なお、導入口41の形状は任意のもので構わず、導入口41の向きについても図1に示すように容器2の底に向かって開口しても構わないし、後述の図2(c)に示すように容器2の底の中央部分に向かって開口しても構わない。
また、吐出口42の形状についても同様であり、当該パイプ4内を通過した溶融スラグを容器2外に吐出可能な形状・向きであれば、任意のもので構わない。
本実施形態においては、導入口41の上方(天地方向における天の方向)に吐出口42を設け、吐出口42の開口の向きとしては水平方向とする場合を例示する。ちなみに図1のパイプ4の上方において吐出口42とは別に上方にパイプ4が延びているが、当該部分は開放されていても構わない一方、溶融スラグが突出することを防ぐため閉鎖されていても構わない。また、吐出口42の開閉機構を設けておいても構わない。
本実施形態の構成を有することにより、撹拌部3によって容器2内が撹拌され、容器2内の溶融金属および溶融スラグがパイプ4の導入口41に導入される。そうすると、パイプ4内においても、溶融金属と溶融スラグとの間に比重差が存在するため、溶融金属より比重の小さい溶融スラグが溶融金属の湯面に現れる。パイプ4の導入口41に次々と溶融スラグが導入されると、溶融スラグがパイプ4内に次々と溜まっていく。そのうち、パイプ4内において吐出口42までが溶融スラグで埋め尽され、最終的には、吐出口42から溶融スラグを溢れ出させることが可能となる。つまり、導入口41から溶融金属および溶融スラグという2つの種類のものを導入するにもかかわらず、吐出口42からはそのうちの一つである溶融スラグを吐出する(別の言い方をすると溶融スラグのみを吐出する)ことが可能となる。
なお、ここで、溶融スラグが吐出口42のみならず導入口41から逆流しそうに見えるが、溶融金属と溶融スラグの比重の関係から、溶融スラグが導入口41から逆流するよりも先に吐出口42から溢れ出ることになる。
ちなみに、導入口41の位置および径ならびに吐出口42の位置および径などは、溶融金属と溶融スラグとの間の比重差やその他に応じ、溶融スラグが導入口41から逆流するよりも先に吐出口42から溢れ出るように設定すればよい。
なお、導入口41や吐出口42の位置の設定が適正かどうかを試行錯誤せずとも、以下の数式により適正かどうか確認可能である。
まず、図1の状態が静置状態とするならば、線R−R’においてパイプ4内にて受ける圧力とパイプ4外にて受ける圧力は同じである。そのため、両辺の単位を圧力(N/m)とした以下の式が成り立つ。
P+H1*ρ1*S1*g/S1+H2*ρ2*S2*g/S2=P+h1*ρ1*s1*g/s1+h2*ρ2*s2*g/s2 ・・・(式1)
ρ1は溶融スラグの比重、ρ2は溶融金属の比重、H1はパイプ4外の溶融スラグの厚さ、H2はパイプ4外の溶融金属の線R−R’までの深さ、h1はパイプ4内の溶融スラグの厚さ、h2はパイプ4内の溶融金属の線R−R’までの深さを示す。なお、S1、S2、s1、s2はパイプ4内外の各部分での断面積であるが、式1が示すように、両辺の単位を圧力とする場合、S1、S2、s1、s2は分子分母でキャンセルされ、またPは大気圧であるが両辺にPが存在するため互いにキャンセルされ、同様にgは重力加速度であるが両辺にgが存在するため互いにキャンセルされ、その結果、以下の式が成り立つ。
H1*ρ1+H2*ρ2=h1*ρ1+h2*ρ2 ・・・(式2)
ここで、容器2の上端から湯面までの距離をa、容器2の上端から吐出口42までの距離をbとすると、以下の式が成り立つ。
h1+h2=H1+H2+a+b ・・・(式3)
式2と式3により、h2についての式が得られる。そして溶融スラグが導入口41から逆流しないためには、h2>0であればよい。つまり、式2と式3から得られるh2についての式において、h2以外の各パラメータを所定の値に設定した際にh2がゼロより大きくなれば、導入口41や吐出口42の位置の設定が適正であることを試行錯誤せずとも確認可能となる。
なお、撹拌に使用する撹拌羽32にパドル型を採用すると、先に述べたように巻き上げ流が発生する。そのため、撹拌羽32にパドル型を採用する場合、撹拌羽32よりも上方にパイプ4の導入口41を配置するのが好ましい。詳しく言うと、撹拌羽32の最上端よりも上方にパイプ4の導入口41の最下端を設置するのが好ましい。
なお、導入口41から吐出口42に至るまでの経路を構成する部分(移送部43)の形状は、導入口41と吐出口42とを連通する形状であれば任意のもので構わない。例えば、導入口41から吐出口42に至るまでの内径が等しいパイプ4を使用しても構わない。
ただ、当該パイプ4は、導入口41から吐出口42に至るまでに、パイプ4の内径が連続的に狭まる部分(後述のコーン部432に対応)を有するのが好ましい。この構成を採用することにより、当該部分に比べて導入口41の径が大きいので、より多くの溶融スラグを導入することができる。その一方で、パイプ4の内径を連続的に狭めることにより、パイプ4内において吐出口42までを溶融スラグで埋め尽くしやすくなり、最終的に吐出口42から溶融スラグを溢れ出させやすくすることが可能となる。なお、もちろん溶融金属もパイプ4内に導入されるが、溶融スラグとの比重差およびパイプ4内に溜まっていく溶融スラグの重さのせいで、溶融金属は導入口41を逆流して再び容器2内へと戻る。なお、図1においてパイプ4内の溶融金属の湯面がパイプ4外の溶融金属の湯面よりも低くなっているのは溶融スラグの重さのせいである。
さらに、パイプ4の内径が連続的に狭まる部分から吐出口42に至るまでに、パイプ4の内径が等しい部分(後述の直管部433に対応)を有するのが好ましい。この構成を採用することにより、パイプ4の内径が狭まっていることから、溶融スラグが次々と溜まるに従って、上方の吐出口42へと溶融スラグが安定して近づいていきやすくなり、最終的には吐出口42から安定して溢れ出やすくなる。また、パイプ4を準備する際にも直管を加工すれば本実施形態のパイプ4が得られるため、加工容易性も確保できる。
上記のパイプ4の具体例を図2に列挙する。図2は、本実施形態における溶融スラグの回収用パイプ4の側面概略図である。図2の(a)〜(d)のいずれのパイプ4も、導入口41および吐出口42を有している。その上で、導入口41から吐出口42に至るまでの経路を構成する部分(移送部43)において、以下のような共通の構成を有している。なお、以下の構成は導入口41から吐出口42に向けて列挙順に設けられる。
・溶融金属中に巻き込んだスラグを捕集する部分であって内径(および外径)を等しくしたスカート部431
・直管部433とスカート部431をつなぐ部分であってパイプ4の内径が連続的に狭まる部分であるコーン部432
・パイプ4内にて捕集したスラグを容器2外に効率よく吐出するために、スカート部431より径を小さくし、かつパイプ4の内径を等しくした部分である直管部433
なお、平面視した際の直管部433の中心位置は、スカート部431の中心位置から偏心させている。その上で、パイプ4において直管部433が容器2の内壁寄りになるようにパイプ4を配置するのが好ましい。ただ、後述の図2(d)のように、直管部433の中心位置とスカート部431の中心位置とを一致させてももちろん構わない。
また、スカート部431、コーン部432および直管部433の形状は任意のものであっても構わない。例えば各部の径の形状は円形であっても構わないし、楕円であっても構わないし、それ以外の形状であっても構わない。
図2の(a)〜(d)のパイプ4は各々、上記のスカート部431、コーン部432および直管部433の少なくともいずれかの寸法を変化させたものである。なお、図2(a)のみ符号を付し、他の図については符号を省略する。
例えば図2(b)では図2(a)と同様にスカート部431の導入口41を水平に形成しているが、図2(a)に比べてスカート部431の上下方向の寸法を大きくしている。
図2(c)ではスカート部431の導入口41を水平方向に対して傾けて形成している。なお、この傾ける方向は任意で構わず、例えば図2(c)のように偏心した直管側が下方、その反対側が上方となるように導入口41を傾けて形成しても構わないし、その傾き方向とは逆の方向(図2(d))に導入口41を傾けて形成しても構わないし、その傾き方向に対して垂直方向すなわち平面視で円形の容器2の接線方向に傾けて導入口41を形成しても構わない。
図2(d)では、先にも述べたように直管部433の中心位置とスカート部431の中心位置とを一致させた上で、スカート部431の導入口41を水平方向に対して傾けて形成している。
また、吐出口42は大気開放口であるのが好ましい。これにより、特許文献2のように真空ポンプを準備せずに済む。ただ、吐出口42が大気開放口でなくとも構わず、何らかの簡易な移送補助具と接続した状態でももちろん構わない。
なお、本実施形態におけるパイプ4における排出口は、容器2の内壁を越えた位置に配置されるのが好ましい。もちろん、当該パイプ4が容器2を貫通して配置されていても構わないが、容器2の内壁を越えて排出口が形成されている方が、設備を簡素化でき、しかも容器2の直上に回収容器を設ける必要がなくなり安全も確保されるため好ましい。
以上、本実施形態について述べたが、上記以外の構成であっても、溶融スラグの回収装置という用途に応じて適宜採用しても構わない。
<2.溶融スラグの回収方法>
次に、本実施形態における溶融スラグの回収装置1の操作手順について説明する。なお、以下の工程の内容は、<1.溶融スラグの回収装置>にて説明した内容と重複する部分もある。そのため、以下に記載が無い内容については、<1.溶融スラグの回収装置>にて説明した通りである。
2−A)準備工程
本工程においては、金属を溶融した際に溶融金属と溶融スラグを生成する材料を用意する。その際、溶融金属および溶融スラグそれぞれが溶融状態で存在できる温度にも耐えられる容器2(例えば鉄製の鍋)内に収容する。
その後、溶融金属を収容している容器内に本実施形態の溶融スラグの回収用パイプ4を配設する。その際、スカート部431、コーン部432、および、直管部433において吐出口42から下方の部分を溶融金属に浸漬させる。
2−B)導入工程
準備工程を経た後、撹拌部3により容器2内の溶融金属および該溶融スラグを撹拌して、これらをパイプ4の導入口41に誘導する。その際、溶融スラグを形成しやすくすべく、酸素または空気あるいはこれらの混合ガスを吹き込みながら本工程を行うのが好ましい。また、溶融スラグの回収装置1においても酸素または空気あるいはこれらの混合ガスの吹き込み部を適宜設けてもよい。
2−C)回収工程
導入工程を行うことにより、パイプ4の導入口41に次々と溶融スラグが導入され、溶融スラグがパイプ4内に次々と溜まっていく。そして、溶融金属と溶融スラグの比重の関係から、溶融スラグが吐出口42から溢れ出ることになる。そして本工程においては、溢れ出た溶融スラグを回収する。なお回収手法としては適宜設定すれば構わず、例えば吐出口42に対して別の配管を接続し、当該配管を大気開放した上で配管の先に溶融スラグの回収容器(例えばコンテナ)を設けても構わないし、吐出口42の先に直接回収容器を設けても構わない。
<3.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、主に以下の効果を奏する。
本実施形態においては、溶融金属と溶融スラグとの比重差によって、溶融スラグはパイプ4内に溜まり続ける。そうすると、導入口41とは別に当該パイプ4に設けられかつ容器2外に繋がる吐出口42から溶融スラグが溢れ出ることになる。そして、最終的には、溢れ出た当該溶融スラグを回収すれば済む。こうすることにより、比較的簡素な設備で溶融金属より比重の小さい溶融スラグを回収できる。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
2−A)準備工程
まず、図1に示す容器2内に、脱スズ工程後の粗鉛150tを収容した。そして容器2内に鉛インゴットを投入し、湯面が鍋上部から200mmになるように調整した。
次に、架台に取り付けてある攪拌機を作動させ、羽部が4枚の傾斜パドルからなる撹拌羽32により撹拌周波数30Hzにて溶融金属を撹拌した。
そして、湯温が610℃になるまで溶融金属を昇温した。
その後、あらかじめ生成しておいたスラグ2tを容器2内に投入し、撹拌を再開して、湯温が610℃になるまで昇温した。投入したスラグは、ヒ素等の不純物を含む鉛とアンチモンの複合酸化物であり、脱スズ工程後の粗鉛に酸素または空気あるいはこれらの混合ガスを引き込んだ時に生成する溶融スラグと同程度の品位のものである。また、本工程においてスラグを投入した理由は、溶融金属の湯面に溶融スラグが速やかに現れるようにして試験時間を短縮するためのものである。
そして、投入したスラグが完全に溶解した後、撹拌を止め、本実施形態におけるパイプ4を溶融金属に浸漬させた。なお、本実施例においては、図1に示すようにコーン部432および直管部433を有するパイプ4を使用し、吐出口42から直管部433の下方の部分までを溶融金属に浸漬させた。
2−B)導入工程
そして、再び攪拌機を作動させ、撹拌羽32により撹拌周波数30Hzにて溶融金属を撹拌した。なお、その際、パイプ4内の溶融スラグが固化しないように、直管部433をバーナーで加熱した。
2−C)回収工程
上記の各工程を経て、吐出口42から溢れ出て吐出される溶融スラグを、吐出口42の先に設けたコンテナに回収した。その結果、溶融スラグの回収速度は5.0kg/minとなり、比較的簡素な設備でありながらも良好な回収速度を達成できた。
1………溶融スラグの回収装置
2………容器
3………撹拌部
31……回転軸
32……撹拌羽
4………パイプ
41……導入口
42……吐出口
43……移送部
431…スカート部
432…コーン部
433…直管部

Claims (6)

  1. 溶融金属を収容する容器と、
    前記溶融金属を撹拌する撹拌部と、
    溶融スラグをパイプに導入する導入口、該パイプ内に導入した該溶融スラグを該パイプから吐出する吐出口を有するパイプと、
    を備え、
    前記導入口が前記容器内に存在し、前記吐出口が前記容器に満たされた前記溶融金属の湯面の外に存在するよう前記パイプを配設して成る、溶融スラグの回収装置。
  2. 前記パイプは、前記導入口から前記吐出口に至るまでに、前記パイプの内径が連続的に狭まる部分を有する、請求項1に記載の溶融スラグの回収装置。
  3. さらに、前記パイプは、前記内径が連続的に狭まる部分から前記吐出口に至るまでに、前記パイプの内径が等しい部分を有する、請求項2に記載の溶融スラグの回収装置。
  4. 前記吐出口は大気開放口である、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融スラグの回収装置。
  5. 溶融金属を収容する容器内から溶融スラグを容器外へと流す溶融スラグの回収用パイプであって、
    一端に導入口、他端に吐出口を有し、
    前記導入口は、前記容器内の溶融金属および前記溶融スラグを導入
    前記吐出口は、前記溶融スラグを前記容器外へと吐出
    前記導入口から前記吐出口に至るまでに、内径が連続的に狭まる部分を有する一方、前記内径が連続的に狭まる部分から前記吐出口に至るまでに、内径が等しい部分を有する、溶融スラグの回収用パイプ。
  6. 溶融金属を収容している容器内にパイプを配設し、
    前記容器内の前記溶融金属および溶融スラグを撹拌し、
    前記溶融金属と前記溶融スラグとの比重差によって、前記パイプ内に前記溶融スラグを溜め続けて前記パイプの吐出口から前記溶融スラグを溢れ出させて回収する、溶融スラグの回収方法。
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