JP6550850B2 - 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法 - Google Patents

頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6550850B2
JP6550850B2 JP2015068265A JP2015068265A JP6550850B2 JP 6550850 B2 JP6550850 B2 JP 6550850B2 JP 2015068265 A JP2015068265 A JP 2015068265A JP 2015068265 A JP2015068265 A JP 2015068265A JP 6550850 B2 JP6550850 B2 JP 6550850B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holographic element
eye
volume holographic
head
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015068265A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016188905A (ja
Inventor
斎藤 淳
淳 斎藤
光隆 井出
光隆 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015068265A priority Critical patent/JP6550850B2/ja
Publication of JP2016188905A publication Critical patent/JP2016188905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6550850B2 publication Critical patent/JP6550850B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、頭部装着型表示装置、および頭部装着型表示装置に用いられる体積ホログラフィック素子の製造方法に関するものである。
頭部装着型表示装置は、図7(a)に示すように、画像光出射装置56と、画像光出射装置56から出射された画像光を偏向して観察者Mの眼Eに入射させる偏向部材53とを有しており、画像光出射装置56および偏向部材53はフレーム(図示せず)を介して観察者Mの頭部M0に搭載される。また、偏向部材53としては、図7(b)に示すように、横方向において観察者Mの鼻F側から耳H側に向けて曲率半径(断面曲率変形)が増大した断面形状の体積ホログラフィック素子1が提案されている(特許文献1参照)。かかる構成の体積ホログラフィック素子1によれば、400μm程度のスポット径を実現することができる。
特許第5408057号公報
しかしながら、特許文献1に記載の体積ホログラフィック素子1を用いた場合、体積ホログラフィック素子1において観察者Mの鼻F側に位置する部分の曲率半径が小さいため、図7(a)に示すように、体積ホログラフィック素子1の耳H側の端部が鼻F側の端部より前方に位置するように大きく傾いた姿勢で体積ホログラフィック素子1を配置することになる。このため、頭部装着型表示装置は、耳H側が鼻F側より前方に大きく突出した構造になるため、頭部装着型表示装置のデザイン性が損なわれるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、体積ホログラフィック素子の構成を改良してデザイン性の向上を図ることのできる頭部装着型表示装置、および頭部装着型表示装置に用いられる体積ホログラフィック素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る頭部装着型表示装置の一態様は、レーザー光を光源とする右眼用画像光出射装置と、前記右眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、レーザー光を光源とする左眼用画像光出射装置と、前記左眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して前記観察者の左眼に入射させる左眼用体積ホログラフィック素子と、前記右眼用画像光出射装置、前記右眼用体積ホログラフィック素子、前記左眼用画像光出射装置、および前記左眼用体積ホログラフィック素子を保持し、前記観察者の頭部に装着されるフレームと、を有し、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記観察者側に凹曲面を向けた湾曲部を有し、前記湾曲部は、上下方向において線対称、かつ、横方向における中央部分の曲率半径が前記観察者の鼻側の曲率半径より小さい断面形状を有していることを特徴とする。
本発明において、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子は各々、上下方向において線対称な断面形状を有しているため、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子に対して同一の体積ホログラフィック素子を用いることができる。また、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子は各々、観察者側に凹曲面を向けた湾曲部を有し、湾曲部は、横方向における中央部分の曲率半径が観察者の鼻側の曲率半径より小さい断面形状を有している。このため、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子の鼻側部分を観察者の眼から遠い位置に配置することができる。従って、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子を耳側の端部が前方に位置するように大きく傾いた姿勢で配置する必要がない。それ故、頭部装着型表示装置では、耳側が鼻側より前方に大きく突出した構造にならないので、頭部装着型表示装置のデザイン性を向上することができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、横方向の端部を結ぶ第1仮想線が前記右眼と前記左眼とを結ぶ第2仮想線と平行な姿勢、あるいは前記第1仮想線と前記第2仮想線との間隔が前記観察者の鼻側より前記観察者の耳側で狭くなるように傾いた姿勢で前記フレームに保持されていることが好ましい。かかる構成によれば、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子の耳側の端部を後方に配置することができるので、頭部装着型表示装置では、耳側が鼻側より前方に突出させる必要がない。それ故、頭部装着型表示装置のデザイン性を向上することができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、透光性の第1基板と、前記第1基板の一方面側に積層されホログラフィック材料層と、を有し、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記湾曲部の曲率半径が前記第1基板の形状によって規定されていることが好ましい。かかる構成によれば、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子を確実に所定の形状とすることができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記ホログラフィック材料層に対して前記第1基板と反対側に積層された透光性の第2基板を有し、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記湾曲部の曲率半径が前記第1基板および前記第2基板の形状によって規定されていることが好ましい。かかる構成によれば、右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子を確実に所定の形状とすることができる。
本発明において、前記第1基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第1外面側に積層された第1反射防止層と、前記第2基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第2外面側に積層された第2反射防止層と、を有していることが好ましい。かかる構成によれば、第1ホログラフィック素子および第2ホログラフィック素子の製造工程で干渉露光を行う際、露光光が斜めに反射しにくい。従って、ホログラフィック材料層の所定位置以外に干渉縞が発生することを抑制することができるので、余計な干渉縞(余計な回折格子)に起因する回折特性の低下を抑制することができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記中央部分の曲率半径が前記観察者の耳側の曲率半径より大きい断面形状を有している態様を採用することができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、上下方向に直線的に延在する断面形状を有している態様を採用することができる。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記中央部分の曲率半径が前記観察者の耳側の曲率半径より小さい断面形状を有している態様を採用してもよい。
本発明に係る頭部装着型表示装置において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、上下方向で線対称に湾曲した断面形状を有している態様を採用してもよい。
本発明は、レーザー光を光源とする右眼用画像光出射装置と、前記右眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、レーザー光を光源とする左眼用画像光出射装置と、前記左眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して前記観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、前記右眼用画像光出射装置、右眼用体積ホログラフィック素子、前記左眼用画像光出射装置、および前記右眼用体積ホログラフィック素子を保持し、前記観察者の頭部に装着されるフレームと、を有する頭部装着型表示装置で、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子に用いられる体積ホログラフィック素子の製造方法において、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記観察者側に凹曲面を向けた湾曲部を有し、前記湾曲部は、上下方向において線対称、かつ、横方向における中央部分の曲率半径が前記観察者の鼻側の曲率半径より小さい断面形状を有しており、前記体積ホログラフィック素子を製造するための積層体に対する干渉露光工程では、干渉露光装置において、前記体積ホログラフィック素子の凹曲面となっている側から球面波からなる物体光を照射し、前記体積ホログラフィック素子において前記凹曲面の反対側で凸曲面となっている側からは、前記体積ホログラフィック素子の前記観察者の鼻側に配置される端部側に傾いた方向から球面波からなる参照光を照射することを特徴とする。
本発明に係る体積ホログラフィック素子の製造方法において、前記右眼用体積ホログラフィック素子を製造する工程と、前記左眼用体積ホログラフィック素子を製造する工程とでは、同一構成の前記積層体を用い、前記右眼用体積ホログラフィック素子を製造するための前記積層体に対する前記干渉露光工程と、前記左眼用体積ホログラフィック素子を製造するための前記積層体に対する前記干渉露光工程とでは、前記干渉露光装置に前記積層体を配置する向きが上下反転していることが好ましい。かかる構成によれば、積層体を上下反転させることにより、同一構成の積層体から右眼用体積ホログラフィック素子および左眼用体積ホログラフィック素子を製造することができる。
本発明に係る体積ホログラフィック素子の製造方法において、前記体積ホログラフィック素子は、透光性の第1基板と、前記第1基板の一方面側に積層されホログラフィック材料層と、前記ホログラフィック材料層に対して前記第1基板と反対側に積層された透光性の第2基板と、を有していることが好ましい。
本発明に係る体積ホログラフィック素子の製造方法において、前記第1基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第1外面側に第1反射防止層を積層し、前記第2基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第2外面側に第2反射防止層を積層した状態で前記干渉露光工程を行うことが好ましい。かかる構成によれば、第1基板の第1外面および第2基板の第2外面で露光光が斜めに反射しにくい。従って、ホログラフィック材料層の所定位置以外に干渉縞が発生することを抑制することができるので、余計な干渉縞(余計な回折格子)に起因する回折特性の低下を抑制することができる。
本発明を適用した頭部装着型表示装置の一態様を示す説明図である。 本発明を適用した頭部装着型表示装置の平面構成を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る体積ホログラフィック素子の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る体積ホログラフィック素子の説明図である。 本発明の実施の形態1、2に係る体積ホログラフィック素子の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施の形態1、2に係る体積ホログラフィック素子の露光干渉工程の説明図である。 従来の体積ホログラフィック素子の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、図7を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、共通する部分には、同一の符号を付して説明する。また、以下の説明では、上下方向をX方向とし、横方向をY方向とし、前後方向をZ方向とし、上下方向、横方向、および前後方向にX、YおよびZを付して説明する。
[実施の形態1]
(表示装置の構成例)
図1は、本発明を適用した頭部装着型表示装置100の一態様を示す説明図であり、図1(a)、(b)は各々、頭部装着型表示装置100の光学系の一態様を示す説明図および頭部装着型表示装置100の外観の一態様を示す説明図である。図2は、本発明を適用した頭部装着型表示装置100の平面構成を模式的に示す説明図である。
図1(a)および図2において、頭部装着型表示装置100は、レーザー光を光源とする右眼用画像光出射装置56aと、右眼用画像光出射装置56aから出射された画像光L0aを偏向して観察者Mの右眼Eaに入射させる右眼用偏向部材53aと、レーザー光を光源とする左眼用画像光出射装置56bと、左眼用画像光出射装置56bから出射された画像光L0bを偏向して観察者Mの左眼Ebに入射させる左眼用偏向部材53bとを有している。
右眼用偏向部材53aおよび左眼用偏向部材53bには、後述する体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)が設けられている。
右眼用画像光出射装置56aおよび左眼用画像光出射装置56bは基本的な構成が同一であるため、左眼用画像光出射装置56bの構成のみを説明し、右眼用画像光出射装置56aの説明を省略する。図1(a)に示すように、左眼用画像光出射装置56bは、画像を表示するための光束を出射する光源部51と、光源部51から出射された光束を走査して画像とする走査ミラー21を備えた走査光学系20と、走査光学系20により走査された光束L0を左眼用偏向部材53bに出射する光学系52とを有している。本形態において、光学系52では、走査光学系20から左眼用偏向部材53bに向けて、リレーレンズ系54および投射レンズ系55が順に配置されている。リレーレンズ系54は、例えば、2つのレンズ541、542によって構成されている。
光源部51は、光変調前の光源光、または光変調した変調光を出射する。本形態において、光源部51は、光変調した変調光を出射する変調光出射部として構成されている。より具体的には、光源部51は、光源として、赤色光(R)を出射する赤色用レーザー素子511(R)、緑色光(G)を出射する緑色用レーザー素子511(G)、および青色光(B)を出射する青色用レーザー素子511(B)を有しているとともに、これらのレーザー素子の光路を合成する2つのハーフミラー512、513を有している。赤色用レーザー素子511(R)、緑色用レーザー素子511(G)および青色用レーザー素子511(B)は、制御部59による制御の下、表示すべき画像の各ドットに対応する光強度に変調した光束を出射する。
走査光学系20は、入射光を第1走査方向A1、および第1走査方向A1に交差する第2走査方向A2に走査し、画像光L0aを生成する。従って、本形態では、光源部51と走査光学系20によって、画像光生成装置70が構成されている。
画像光生成装置70の走査光学系20から出射された光束L0bは、リレーレンズ系54および投射レンズ系55を介して左眼用偏向部材53bに投射される。かかる走査光学系20の動作も、制御部59による制御の下、実施される。走査光学系20は、例えば、シリコン基板等を用いてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により形成したマイクロミラーデバイスによって実現することができる。
本形態において、頭部装着型表示装置100は、網膜走査方式の投射型表示装置であり、走査光学系20によって、第1走査方向A1、および第1走査方向A1に対して交差する第2走査方向A2に走査された画像光L0aは、偏向部材53の偏向面530で第1走査方向A1に対応する第1入射方向C1、および第2走査方向A2に対応する第2入射方向C2に偏向される。そして、画像光L0aは、左眼Ebの瞳孔E1を介して網膜E2に到達することにより、観察者Mに画像を認識させる。
なお、右眼用画像光出射装置56aは、左眼用画像光出射装置56bと基本的な構成が同一である。このため、右眼用画像光出射装置56aから出射された画像光L0aは、右眼用偏向部材53aの偏向面530aで偏向されて右眼Eaに入射する。
本形態において、右眼用偏向部材53aの偏向面530aおよび左眼用偏向部材53bの偏向面530bには、後述する体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)が設けられている。体積ホログラフィック素子1は、部分反射型回折光学素子であり、右眼用偏向部材53aおよび左眼用偏向部材53bは、部分透過反射性のコンバイナーである。このため、外光も右眼用偏向部材53aおよび左眼用偏向部材53b(コンバイナー)を介して右眼Eaおよび左眼Ebに入射するため、利用者は、頭部装着型表示装置100で形成した画像光L0aと外光(背景)とが重畳した画像を認識することができる。すなわち、頭部装着型表示装置100は、シースルー型の網膜走査型投射装置として構成されている。
光学系52には光束径拡大素子58が配置されている。光束径拡大素子58は、走査光学系20から出射された光束を第1走査方向A1(第1入射方向C1)に対応する第1拡大方向B1、および第2走査方向A2(第2入射方向C2)に対応する第2拡大方向B2のうちの少なくとも一方に拡大する。
このように構成した頭部装着型表示装置100を、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(アイグラスディスプレイ)として構成するにあたって、頭部装着型表示装置100は、図1(b)に示すように、例えば、眼鏡のような形状に形成される。具体的には、頭部装着型表示装置100は、右眼用画像光出射装置56a、右眼用偏向部材53a、左眼用画像光出射装置56b、および左眼用偏向部材53bを保持するフレーム60を有しており、フレーム60は観察者Mの頭部M0に装着される。フレーム60は、右眼用偏向部材53aおよび左眼用偏向部材53bを支持する前部分61を有しており、フレーム60の右側のテンプル62a、および左側のテンプル62bの各々に、右眼用画像光出射装置56aおよび左眼用画像光出射装置56bが設けられる。なお、右側のテンプル62a、および左側のテンプル62bには、図1(a)を参照して説明した光学部品を含む光学ユニット57が設けられる。光学ユニット57には、光源部51、走査光学系20、リレーレンズ系54、光束径拡大素子58、および投射レンズ系55の全てが設けられることがある他、光学ユニット57には、走査光学系20、リレーレンズ系54、光束径拡大素子58、および投射レンズ系55のみを設け、光学ユニット57と光源部51とを光ケーブル等で接続してもよい。この場合、フレーム60の右側のテンプル62a、および左側のテンプル62bの各々に設けられる右眼用画像光出射装置56aおよび左眼用画像光出射装置56bは、走査光学系20、リレーレンズ系54、光束径拡大素子58、および投射レンズ系55からなる。
(体積ホログラフィック素子1の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る体積ホログラフィック素子1の説明図であり、図3(a)、(b)、(c)は、体積ホログラフィック素子1の平面図、体積ホログラフィック素子1をYZ平面で切断した横断面図、および体積ホログラフィック素子1の横断面形状を曲率半径で示した説明図である。
図3(a)、(b)において、右眼用偏向部材53aおよび左眼用偏向部材53bに用いられる体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、透光性の第1基板5Aと、第1基板5Aの一方面側に積層されホログラフィック材料層4とを有している。また、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、ホログラフィック材料層4に対して第1基板5Aと反対側に積層された透光性の第2基板5Bを有している。本形態において、第1基板5Aおよび第2基板5Bは同一形状であり、体積ホログラフィック素子1の平面形状を規定している。第1基板5Aおよび第2基板5Bは、プラスチック基板あるいはガラス基板からなる。
第1基板5Aおよび第2基板5Bは、横方向Yに延在する矩形形状であり、その中央部分5eにホログラフィック材料層4が矩形形状に設けられている。第1基板5Aおよび第2基板5Bの横方向Yの一方の端部5fには、ホログラフィック材料層4の上下X方向の中央を通って横方向Yに延在する仮想の中心線X0を中心とする線対称位置に位置決め穴5f1、5f2が形成されている。また、第1基板5Aおよび第2基板5Bの横方向Yの他方の端部5gには、ホログラフィック材料層4の上下X方向の中央を通って横方向Yに延在する仮想の中心線X0を中心とする線対称位置に位置決め穴5g1、5g2が形成されている。かかる位置決め穴5f1、5f2、5g1,5g2は、体積ホログラフィック素子1を製造する際の位置決めに利用される。また、体積ホログラフィック素子1の外形(第1基板5Aおよび第2基板5Bの外形を基準に位置決めを行ってもよい。
このように構成した体積ホログラフィック素子1は、図3(a)に示す状態のまま、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる場合と、ホログラフィック材料層4に対して横方向Yの両側を切断して右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる場合がある。本形態では、ホログラフィック材料層4に対して横方向Yの両側を切断したものが、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる。
ここで、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、前後方向Zに撓んで観察者Mの右眼Eaおよび左眼Ebに凹曲面1sを向けた湾曲部1uを有しており、湾曲部1uは、凹曲面1sとは反対側の面が凸曲面1tになっている。本形態において、ホログラフィック材料層4が設けられた領域の全体が湾曲部1uになっている。但し、湾曲部1uは、上下方向Xに直線的に延在する断面形状を有している。このため、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)の全体が、中心線X0を中心とする線対称に構成されている。
本形態の体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)において、湾曲部1uは、図3(c)に示すように、横方向Yにおいて曲率半径が変化している。また、横方向Yにおける曲率半径は、上下方向の何れの位置でも、図3(c)に示すように変化している。図3(c)に示すように、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1に向けて曲率半径が連続的に大きくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1の曲率半径より小さくなっている。すなわち、右眼用体積ホログラフィック素子1aは、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1に向けて曲率半径が連続的に大きくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1の曲率半径より小さくなっている。また、左眼用体積ホログラフィック素子1aは、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1に向けて曲率半径が連続的に大きくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1の曲率半径より小さくなっている。
また、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの耳H側に位置する部分Y2に向けて曲率半径が連続的に小さくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの耳H側に位置する部分Y2の曲率半径より大きくなっている。すなわち、右眼用体積ホログラフィック素子1aは、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの右側の耳Ha側に位置する部分Y2に向けて曲率半径が連続的に小さくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの右側の耳Ha側に位置する部分Y2の曲率半径より大きくなっている。また、左眼用体積ホログラフィック素子1bは、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの左側の耳Hb側に位置する部分Y2に向けて曲率半径が連続的に小さくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの左側の耳Hb側に位置する部分Y2の曲率半径より大きくなっている。
(本形態の主な効果)
本形態の体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、上記の構成を有しているため、右眼Eaおよび左眼Ebに入射するスポット径を150μmまで絞ることができる。
また、本形態の体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)を用いれば、図2に示すように、鼻F側に位置する部分Y1を観察者の眼から遠い位置に配置することができる。このため、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)を耳H側の端部が前方に位置するように大きく傾いた姿勢で配置する必要がない。例えば、図2に示すように、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、横方向Yの端部を結ぶ第1仮想線Ya、Ybが右眼Eaと左眼Ebとを結ぶ第2仮想線Yeと平行な姿勢、あるいは第1仮想線Ya、Ybと第2仮想線Yeとの間隔が観察者Mの鼻F側より観察者Mの耳H側で狭くなるように傾いた姿勢で配置することができる。それ故、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)の耳H側の端部1ha、1hbを後方に配置することができるので、頭部装着型表示装置100では、耳H側を鼻F側より前方に突出させる必要がない。よって、頭部装着型表示装置100のデザイン性を向上することができる。
また、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bは、上下方向Xにおいて線対称な断面形状を有しているため、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bに対して同一の体積ホログラフィック素子1を用いることができる。それ故、頭部装着型表示装置100の低コスト化を図ることができる。
また、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび前記左眼用体積ホログラフィック素子1bは各々、第1基板5Aおよび第2基板5Bの形状によって湾曲部1uの曲率半径が規定されている。このため、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bの曲率半径を確実に規定することができる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る体積ホログラフィック素子1の説明図であり、図4(a)、(b)、(c)、(d)は、体積ホログラフィック素子1の平面図、体積ホログラフィック素子1をYZ平面で切断した横断面図、体積ホログラフィック素子1の横断面形状を曲率半径で示した説明図、および体積ホログラフィック素子1の別の位置での横断面形状を曲率半径で示した説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
図4(a)、(b)において、本形態でも、実施の形態1と同様、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、透光性の第1基板5Aと、第1基板5Aの一方面側に積層されホログラフィック材料層4とを有している。また、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、ホログラフィック材料層4に対して第1基板5Aと反対側に積層された透光性の第2基板5Bを有している。本形態において、第1基板5Aおよび第2基板5Bは同一形状であり、体積ホログラフィック素子1の平面形状を規定している。
本形態においても、実施の形態1と同様、第1基板5Aおよび第2基板5Bは、横方向Yに延在する矩形形状であり、その中央部分にホログラフィック材料層4が矩形形状に設けられている。第1基板5Aおよび第2基板5Bの横方向Yの両側の端部には、ホログラフィック材料層4の上下X方向の中央を通って横方向Yに延在する仮想の中心線X0を中心とする線対称位置に位置決め穴5f1、5f2、5g1、5g2が形成されている。かかる位置決め穴5f1、5f2、5g1,5g2は、体積ホログラフィック素子1を製造する際の位置決めに利用される。また、体積ホログラフィック素子1の外形(第1基板5Aおよび第2基板5Bの外形を基準に位置決めを行ってもよい。
このように構成した体積ホログラフィック素子1は、図4(a)に示す状態のまま、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる場合と、ホログラフィック材料層4が形成された横方向Yの中央部分が、他の部分から分割されて中央部分のみが右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる場合がある。本形態では、ホログラフィック材料層4が形成された横方向Yの中央部分が、他の部分から分割されて中央部分のみが右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bとして用いられる。
ここで、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、前後方向Zに撓んで観察者Mの右眼Eaおよび左眼Ebに凹曲面1sを向けた湾曲部1uを有しており、湾曲部1uは、凹曲面1sとは反対側の面が凸曲面1tになっている。本形態において、ホログラフィック材料層4が設けられた領域の全体が湾曲部1uになっている。
体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)において、湾曲部1uは、横方向Yにおいて曲率半径が変化しており、中心線X0に沿う位置での横方向Yにおける曲率半径は、図4(c)に示すように変化している。図4(c)に示すように、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1に向けて曲率半径が連続的に大きくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの鼻F側に位置する部分Y1の曲率半径より小さくなっている。
また、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、中心線X0に沿う位置での横方向Yにおける中央部分Y0から観察者Mの耳H側に位置する部分Y2に向けて曲率半径が部分的に小さくなった後、連続的に大きくなっており、横方向Yにおける中央部分Y0の曲率半径は、観察者Mの耳H側に位置する部分Y2の曲率半径より小さくなっている。
また、湾曲部1uにおいて、中心線X0から上下方向Xに等しい距離を隔てた位置X1、X2での横方向Yにおける曲率半径はいずれも、図4(d)に示すように、中心線X0に沿う位置での横方向Yにおける曲率半径と同様に変化している。従って、湾曲部1uは、上下方向Xでは、中心線X0を中心とする線対称に構成されている。
かかる構成の体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)を用いれば、右眼Eaおよび左眼Ebに入射するスポット径を150μmまで絞ることができる。
また、本形態の体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)を用いれば、実施の形態1と同様、図2に示すように、鼻F側に位置する部分Y1を観察者の眼から遠い位置に配置することができる。このため、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)を耳H側の端部が前方に位置するように大きく傾いた姿勢で配置する必要がない。例えば、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は各々、横方向Yの端部を結ぶ第1仮想線Ya、Ybが右眼Eaと左眼Ebとを結ぶ第2仮想線Yeと平行な姿勢、あるいは第1仮想線Ya、Ybと第2仮想線Yeとの間隔が観察者Mの鼻F側より観察者Mの耳H側で狭くなるように傾いた姿勢で配置することができる。それ故、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)の耳H側の端部1ha、1hbを後方に配置することができるので、頭部装着型表示装置100では、耳H側を鼻F側より前方に突出させる必要がない。よって、頭部装着型表示装置100のデザイン性を向上することができる。
また、湾曲部1uは、上下方向Xでは、中心線X0を中心とする線対称に構成されている。それ故、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bに対して同一の体積ホログラフィック素子1を用いることができる。それ故、頭部装着型表示装置100の低コスト化を図ることができる。
[体積ホログラフィック素子1の製造方法]
図5は、本発明の実施の形態1、2に係る体積ホログラフィック素子1の製造方法を示す説明図である。図6は、本発明の実施の形態1、2に係る体積ホログラフィック素子1の露光干渉工程の説明図であり、図6(a)、(b)、(c)は、干渉露光装置の説明図、体積ホログラフィック素子1への露光光の入射方向等を示す説明図、および体積ホログラフィック素子1への露光光の入射方向と回折方向との関係を示す説明図である。
本発明の実施の形態1、2に係る体積ホログラフィック素子1を製造するにあたっては、図5(a)に示すように、透光性のフィルム3の一方面に未硬化状態あるいは半硬化状態のホログラフィック材料層4、および保護シート8が積層されている材料シート9を用いる。ここで、体積ホログラフィック素子1を部分反射型回折素子として構成する場合、ホログラフィック材料層4は、銀塩乳剤、感光性ポリマーや感光性レジスト等を含んでおり、硬化前のホログラフィック材料層4は粘着性を有している。フィルム3は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルムからなる。
本形態では、まず、積層工程において、図5(b)に示すように、暗室内で材料シート9から保護シート8を剥離する。次に、図5(c)に示すように、フィルム3をホログラフィック材料層4を介して、プラスチック基板あるいはガラス基板からなる透光性の第1基板5Aの一方面に貼付する。
次に、フィルム3のホログラフィック材料層4側とは反対側の面に接着剤や粘着シート等からなる透光性の接着層6を設ける。次に、図5(d)に示すように、プラスチック基板あるいはガラス基板からなる透光性の第2基板5Bを接着層6によってフィルム3と接着する。その結果、図5(d)に示す積層体1r(体積ホログラフィック素子1の前駆体)が形成され、かかる積層体1rにおいて、第1基板5Aと第2基板5Bとの間には、第1基板5A側から第2基板5B側に向けて、ホログラフィック材料層4、フィルム3、および接着層6が順に積層されている。ここで、第1基板5Aおよび第2基板5Bには、湾曲部が形成されているため、ホログラフィック材料層4、接着層6およびフィルム3も湾曲部が形成される。従って、積層体1rに湾曲部1uが形成される。なお、第1基板5および第2基板5Bがプラスチック基板からなる場合、積層体1rを形成してから湾曲部1uを形成してもよい。
次に、干渉露光工程では、図6(a)に示すように、干渉露光装置10の除振台に積層体1rを設置し、積層体1rに対して干渉露光を行った後、UV照射や加熱処理を行って、ホログラフィック材料層4を硬化させれば、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)が製造される。
干渉露光装置10においては、白色光をダイクロイックミラー11a、11bによって赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBに分離した後、全反射ミラー12a、12b、12c、12dによって赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBを導光する。そして、赤色光LRについては、ハーフミラー13aによって、物体光L1用の赤色光LRと参照光L2用の赤色光LRとする。緑色光LGについては、ハーフミラー13bによって、物体光L1用の緑色光LGと参照光L2用の緑色光LGとする。青色光LBについては、ハーフミラー13cによって、物体光L1用の青色光LBと参照光L2用の青色光LBとする。物体光L1用の赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBについては各々、レンズ系14r、15r、14g、15g、14b、15bによって平行光束化した後、全反射ミラー16a、およびダイクロイックミラー16b、16cによって合成した後、集光レンズ16dを介して積層体1rに照射する。これに対して、参照光L2用の赤色光LR、緑色光LG、および青色光LBについては各々、レンズ系17r、18r、17g、18g、17b、18bによって平行光束化した後、全反射ミラー19a、およびダイクロイックミラー19b、19cによって合成した後、集光レンズ19dを介して積層体1rに照射する。
その際、図6(b)に示すように、積層体1rにおいて体積ホログラフィック素子1の凹曲面1sとなっている側から球面波からなる物体光L1を照射し、物体光L1は、収束してから積層体1rに発散光として照射される。これに対して、積層体1rにおいて体積ホログラフィック素子1の凸曲面1tとなっている側からは、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)の観察者Mの鼻F側に配置される端部1ha、1hb側に傾いた方向から球面波からなる参照光L2を照射する。その際、参照光L2は、積層体1rを透過してから収束する収束光として照射される。
その結果、図6(c)に示すように、参照光L2の収束位置から体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)に向けて出射された光(右眼用画像光出射装置56a、および光眼用画像光出射装置56bから出射された画像光L0a、L0b)は、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)で回折されて、参照光L2の収束位置(右眼Eaおよび左眼Eb)に集光することになる。
このような製造方法において、右眼用体積ホログラフィック素子1aと左眼用体積ホログラフィック素子1bとは上下方向で線対称である。従って、右眼用体積ホログラフィック素子1aを製造する工程と、左眼用体積ホログラフィック素子1bを製造する工程とでは、同一構成の積層体1rを用いる。そして、右眼用体積ホログラフィック素子1aを製造するための積層体1rに対する干渉露光工程と、左眼用体積ホログラフィック素子1bを製造するための積層体1rに対する干渉露光工程とでは、図6(a)に示す干渉露光装置10に対して積層体1rを配置する向きを上下反転させる。従って、同一構成の積層体1rの向きを変えることにより、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bを製造することができるので、右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1bの製造コストを低減することができる。
ここで、第1基板5Aのホログラフィック材料層4とは反対側の面からなる第1外面側5A0に第1反射防止層7Bを積層し、第2基板5Bのホログラフィック材料層4とは反対側の面からなる第2外面5B0側に第2反射防止層7Bを積層した状態で干渉露光工程を行うことが好ましい。かかる構成によれば、体積ホログラフィック素子1(右眼用体積ホログラフィック素子1aおよび左眼用体積ホログラフィック素子1b)は、第1基板5Aの第1外面側5A0に第1反射防止層7Bが積層され、第2基板5Bの第2外面5B0側に第2反射防止層7Bが積層された構造となる。
上記の第1反射防止層7Aおよび第2反射防止層7Bの形成工程は、例えば、積層工程において積層体1rを形成した後、干渉露光工程の前に行う。また、積層工程の前に第1基板5Aおよび第2基板5Bに第1反射防止層7Aおよび第2反射防止層7Bを形成しておき、その後、積層工程を行ってもよい。また、第1反射防止層7Aおよび第2反射防止層7Bの一方を積層工程の前に形成し、第1反射防止層7Aおよび第2反射防止層7Bの他方を積層工程の後に形成してもよい。本形態では、図5(c)に示すように、積層工程の前に第1基板5Aおよび第2基板5Bに第1反射防止層7Aおよび第2反射防止層7Bを形成しておき、その後、積層工程を行う。
かかる構成によれば、ホログラフィック材料層4の所定位置以外に干渉縞が発生することを抑制することができるので、余計な干渉縞(余計な回折格子)に起因する回折特性の低下を抑制することができる。
1・・体積ホログラフィック素子、1a・・右眼用体積ホログラフィック素子、1b・・左眼用体積ホログラフィック素子、1ha、1hb・・耳側の端部、1s・・凹曲面、1r・・積層体、1t・・凸曲面、1u・・湾曲部、4・・ホログラフィック材料層、5A・・第1基板、5A0・・第1外面、5B・・第2基板、6・・接着層、7A・・第1反射防止層、7B・・第2反射防止層、10・・干渉露光装置、53・・偏向部材、53a・・右眼用偏向部材、53b・・左眼用偏向部材、56a・・右眼用画像光出射装置、56b・・左眼用画像光出射装置、60・・フレーム、61・・前部分、62a、62b・・テンプル、100・・頭部装着型表示装置、511(B)・・青色用レーザー素子、511(G)・・緑色用レーザー素子、511(R)・・赤色用レーザー素子、530a,530b・・偏向面、E・・眼、E1・・瞳孔、E2・・網膜、Ea・・右眼、Eb・・左眼、G・・鼻、H・・耳、Ha・・右耳、Hb・・左耳、L0a、L0b・・画像光、L1・・物体光、L2・・参照光、M・・観察者、M0・・頭部、X・・上下方向、Y・・横方向、Y0・・横方向Yにおける中央部分、Y1・・鼻側に位置する部分、Y2・・耳側に位置する部分、Ya、Yb・・第1仮想線、Ye・・第2仮想線、Z・・前後方向

Claims (12)

  1. レーザー光を光源とする右眼用画像光出射装置と、
    前記右眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、
    レーザー光を光源とする左眼用画像光出射装置と、
    前記左眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して前記観察者の左眼に入射させる左眼用体積ホログラフィック素子と、
    前記右眼用画像光出射装置、前記右眼用体積ホログラフィック素子、前記左眼用画像光出射装置、および前記左眼用体積ホログラフィック素子を保持し、前記観察者の頭部に装着されるフレームと、
    を有し、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記観察者側に凹曲面を向けた湾曲部を有し、
    前記湾曲部は、上下方向において線対称、かつ、横方向における中央部分の曲率半径が前記観察者の鼻側の曲率半径より小さい断面形状を有し
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記中央部分の曲率半径が前記観察者の耳側の曲率半径より小さい断面形状を有していることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  2. 請求項1に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、横方向の端部を結ぶ第1仮想線が前記右眼と前記左眼とを結ぶ第2仮想線と平行な姿勢、あるいは前記第1仮想線と前記第2仮想線との間隔が前記観察者の鼻側より前記観察者の耳側で狭くなるように傾いた姿勢で前記フレームに保持されていることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、透光性の第1基板と、前記第1基板の一方面側に積層されホログラフィック材料層と、を有し、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記湾曲部の曲率半径が前記第1基板の形状によって規定されていることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  4. 請求項3に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記ホログラフィック材料層に対して前記第1基板と反対側に積層された透光性の第2基板を有し、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記湾曲部の曲率半径が前記第1基板および前記第2基板の形状によって規定されていることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  5. 請求項4に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記第1基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第1外面側に積層された第1反射防止層と、
    前記第2基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第2外面側に積層された第2反射防止層と、
    を有していることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記中央部分の曲率半径が前記観察者の耳側の曲率半径より大きい断面形状を有していることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  7. 請求項6に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、上下方向に直線的に延在する断面形状を有していることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  8. 請求項に記載の頭部装着型表示装置において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、上下方向で線対称に湾曲した断面形状を有していることを特徴とする頭部装着型表示装置。
  9. レーザー光を光源とする右眼用画像光出射装置と、前記右眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、レーザー光を光源とする左眼用画像光出射装置と、前記左眼用画像光出射装置から出射された画像光を偏向して前記観察者の右眼に入射させる右眼用体積ホログラフィック素子と、前記右眼用画像光出射装置、右眼用体積ホログラフィック素子、前記左眼用画像光出射装置、および前記右眼用体積ホログラフィック素子を保持し、前記観察者の頭部に装着されるフレームと、を有する頭部装着型表示装置で、前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子に用いられる体積ホログラフィック素子の製造方法において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記観察者側に凹曲面を向けた湾曲部を有し、
    前記湾曲部は、上下方向において線対称、かつ、横方向における中央部分の曲率半径が前記観察者の鼻側の曲率半径より小さい断面形状を有し
    前記右眼用体積ホログラフィック素子および前記左眼用体積ホログラフィック素子は各々、前記中央部分の曲率半径が前記観察者の耳側の曲率半径より小さい断面形状を有しており、
    前記体積ホログラフィック素子を製造するための積層体に対する干渉露光工程では、干渉露光装置において、前記体積ホログラフィック素子の凹曲面となっている側から球面波からなる物体光を照射し、前記体積ホログラフィック素子において前記凹曲面の反対側で凸曲面となっている側からは、前記体積ホログラフィック素子の前記観察者の鼻側に配置される端部側に傾いた方向から球面波からなる参照光を照射することを特徴とする体積ホログラフィック素子の製造方法。
  10. 請求項に記載の体積ホログラフィック素子の製造方法において、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子を製造する工程と、前記左眼用体積ホログラフィック素子を製造する工程とでは、同一構成の前記積層体を用い、
    前記右眼用体積ホログラフィック素子を製造するための前記積層体に対する前記干渉露光工程と、前記左眼用体積ホログラフィック素子を製造するための前記積層体に対する前記干渉露光工程とでは、前記干渉露光装置に前記積層体を配置する向きが上下反転していることを特徴とする体積ホログラフィック素子の製造方法。
  11. 請求項または10に記載の体積ホログラフィック素子の製造方法において、
    前記体積ホログラフィック素子は、透光性の第1基板と、前記第1基板の一方面側に積層されホログラフィック材料層と、前記ホログラフィック材料層に対して前記第1基板と反対側に積層された透光性の第2基板と、を有していることを特徴とする体積ホログラフィック素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の体積ホログラフィック素子の製造方法において、
    前記第1基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第1外面側に第1反射防止層を積層し、前記第2基板の前記ホログラフィック材料層とは反対側の面からなる第2外面側に第2反射防止層を積層した状態で前記干渉露光工程を行うことを特徴とする体積ホログラフィック素子の製造方法。
JP2015068265A 2015-03-30 2015-03-30 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法 Active JP6550850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068265A JP6550850B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068265A JP6550850B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016188905A JP2016188905A (ja) 2016-11-04
JP6550850B2 true JP6550850B2 (ja) 2019-07-31

Family

ID=57240716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015068265A Active JP6550850B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6550850B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101901985B1 (ko) * 2017-07-12 2018-11-08 서울대학교산학협력단 증강 현실을 제공하는 장치
JP7358846B2 (ja) * 2019-08-28 2023-10-11 セイコーエプソン株式会社 光学素子の製造方法、光学素子及び表示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09277852A (ja) * 1996-04-16 1997-10-28 Asahi Glass Co Ltd ホログラフィックディスプレイ装置
JP3452480B2 (ja) * 1997-03-18 2003-09-29 松下電器産業株式会社 光学式表示装置
JP4411547B2 (ja) * 2006-03-20 2010-02-10 ソニー株式会社 画像表示装置
JP2011107182A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Teijin Chem Ltd シールド材
JP5835270B2 (ja) * 2013-05-23 2015-12-24 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2014228817A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 セイコーエプソン株式会社 画像表示装置およびヘッドマウントディスプレイ
US20150036221A1 (en) * 2013-08-04 2015-02-05 Robert S. Stephenson Wide-field head-up display (HUD) eyeglasses

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016188905A (ja) 2016-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10353343B2 (en) Volume holographic element, volume holographic element manufacturing method, and display device
US10409069B2 (en) Display device and light guide device
US11598968B2 (en) Image display device having maximum emission angle of image light smaller than maximum viewing angle of virtual image
JP6402991B2 (ja) 画像表示装置
KR20190126410A (ko) 넓은 시야를 갖는 도파관 투사기를 위한 방법 및 시스템
JP6387800B2 (ja) 光束径拡大素子および表示装置
JP7371683B2 (ja) 画像表示装置、画像表示方法及びヘッドマウントディスプレイ
JP6519256B2 (ja) 光束径拡大素子および表示装置
JP6812649B2 (ja) 画像表示装置
JP2020071292A (ja) 頭部装着型表示装置
WO2020261830A1 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JP6550850B2 (ja) 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法
CN109425989B (zh) 偏转装置、显示装置以及偏转装置的制造方法
TW202102892A (zh) 裸視3d反射式擴散片抬頭顯示裝置
JP6565496B2 (ja) 導光装置及び虚像表示装置
CN109683320A (zh) 显示装置和显示方法
JP2019144515A (ja) 虚像表示装置
JP7111071B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JP2016188906A (ja) 体積ホログラフィック素子および表示装置
JP7081285B2 (ja) 虚像表示装置、スクリーン部材及びスクリーン部材の製造方法
JP2022040639A5 (ja)
WO2017179655A1 (ja) 透過スクリーン及びレーザー走査型表示装置
JP6518659B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ
JP2021004973A (ja) ヘッドアップディスプレイ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180312

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180905

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6550850

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150