JP6550018B2 - マルチキャリア光受信機、および、光伝送システム - Google Patents

マルチキャリア光受信機、および、光伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、マルチキャリア光受信機、および、光伝送システムの技術に関する。
データセンタの急速なトラフィック増大などにより、大容量の光伝送システムとして、100GbE(Gigabit Ethernet)、(Ethernetは登録商標)の標準化および光モジュールの開発が進展している。例えば、100GbEの光モジュールの主流は4波x25[Gbit/s]のIM−DD(Intensity Modulation-Direct Detection)送受信機で構成されており、データセンタ内の光インタフェースとしてCFP4(C form-factor pluggable 4)やQSFP28(Quad Small Form-factor Pluggable 28)といった、より小型省電力のモジュールの開発が進んでいる。
一方、100GbE光インタフェースで直接データセンタ間を接続するために、長距離伝送用の規格が検討されている。例えば、10km伝送用の規格であるLR4に対応した小型モジュールの市販が始まっており、さらに40km伝送用の規格であるER4対応の小型モジュールについても製品化が予定されている。ER4対応の光モジュールでは40km分の損失をカバーするために、マッハツェンダ型外部変調器による消光比の改善やAPDによる最小受光感度の改善による送受信特性の向上が検討されている(非特許文献1)。
なお、光インタフェースの伝送距離を制限する要因として光ファイバ損失と送受信特性以外に、光ファイバの波長分散や偏波モード分散(PMD:Polarization-Mode Dispersion)による光信号波形歪がある。
波長分散については、1.3μm帯にゼロ分散波長をもつG.652光ファイバを用いる場合、既存100GbEの1.3μm帯の信号光波長における波長分散の影響はほとんどない。
一方、PMDとは、ファイバに入射された光パルスの個々の成分が、ファイバ内の屈折の変化により、それぞれ異なる時刻で出力端に到達する現象である。敷設光ファイバの測定値として、PMD係数が4.79 ps/√km(非特許文献2)や0.94 ps/√km(非特許文献3)といった値が報告されている。これらの値は10 Gbit/sの光信号伝送時はあまり問題とならなかったが、よりビット間隔が狭まった25 Gbit/s光信号の伝送においては無視できない値となる。
PMDに対する耐性は、光伝送システムの変調方式(検波方式)に影響される。検波方式は、受信した光信号の強度を直接測定する「直接検波(DD:Direct detection)」方式と、受信した光信号の位相を測定する「コヒーレント検波」方式とに大別される。
まず、直接検波の一例として、デジタル符号「1」を光強度「オン」にし、デジタル符号「0」を光強度「オフ」に変調するIM−DD方式が挙げられる。直接検波は、しくみが簡単なため、モジュールの小型化が容易であるものの、PMDの影響により時間的に広がった信号成分を直接受信するためPMDに対する耐性は低い。
一方、コヒーレント検波は、例えば、ビットごとの光強度が一定であるPSK(Phase-Shift Keying)方式等があり、そのうちの信号空間ダイヤグラムで4点を使用するQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying)を偏波多重したDP(Dual polarization) −QPSKが主に用いられている(非特許文献4)。DP−QPSKを用いたデジタルコヒーレントシステムでは、受信信号の電界成分に対するデジタル信号処理技術によるPMD補償が可能であり、PMDに対する高い耐性を持つ。
なお、PMDや波長分散による光信号波形歪を含めた伝送特性を評価する指標として、受信信号に対するEVM(Error Vector Magnitude)が知られている(非特許文献5)。
Mengyuan Huang, et al., "25Gb/s Normal Incident Ge/Si Avalanche Photodiode," ECOC2014, We.2.4.4, (2014). D. Breuer, et al., "Measurements of PMD in the installed fiber plant of Deutsche Telekom," LEOS Summer Topical Meetings, MB2.1, pp.5-6, 2003. Toshiya Matsuda, et al., "PMD Design for High-Speed WDM Backbone Network Systems Based on Field PMD Measurements", IEICE Trans. Commun., vol. E94-B, no. 5, pp. 1303?1310, 2011. Kazuro Kikuchi, "Phase-Diversity Homodyne Detection of Multilevel Optical Modulation With Digital Carrier Phase Estimation," IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 12, NO. 4, JULY/AUGUST 2006. W. Freude, et al., "Quality Metrics for Optical Signals:Eye Diagram, Q-factor, OSNR, EVM and BER," Proc. ICTON 2012, Mo.B1.5, 2012.
光伝送システムの低コスト・低消費電力化のためには、光ファイバを接続する光モジュールを小型化・省電力化するとともに、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化を抑圧し伝送距離長延化を両立する必要がある。
しかし、IM−DD方式は小型化には優れるが光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に弱い。一方、DP−QPSK信号を用いる既存の100Gデジタルコヒーレント方式は、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性に優れるが、構成が複雑であるので小型光モジュールへの適用は困難である。このように、両方式は一長一短である。
そこで、本発明は、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立するマルチキャリア光受信機、光伝送システムを提供することを、主な課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のマルチキャリア光受信機は、以下の特徴を有する。
つまり、マルチキャリア光受信機は、光ファイバを介して2つの光信号を直接検波方式で独立に受信する光受信モジュールと、
前記光受信モジュールが受信した2つの光信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、
前記A/Dコンバータが変換した2つのデジタル信号からコヒーレント検波方式のデジタル信号を擬似的に生成する疑似信号回路と、
前記疑似信号回路が生成した疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号に対して信号波形の適応等化を行うデジタル信号処理器とを有しており、
前記疑似信号回路が、
前記A/Dコンバータが出力する2つのデジタル信号に対して、パルスの中心が互いに一致するように遅延を調整する遅延回路と、
前記遅延回路が出力する2つのデジタル信号に対して、各信号を正規化することで振幅を変換し、その正規化後の2つのデジタル信号を2次元の複素平面上に合成することで1つの前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号とする振幅変換回路とを有することを特徴とする。
これにより、小型化が容易な直接検波方式のモジュールと、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化を補正するデジタル信号処理器とを疑似信号回路を介して接続することで、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立することができる。
本発明は、前記デジタル信号処理器が、
前記疑似信号回路が擬似的に生成したコヒーレント検波方式のデジタル信号に対して適応等化処理により信号波形整形を行う適応等化回路と、
前記適応等化回路の出力信号に対して位相回転成分を補正する位相補正回路と、
前記位相補正回路の出力信号に対してデータ信号列を復調する識別回路とを有することを特徴とする。
これにより、擬似的に生成されたコヒーレント検波方式のデジタル信号に対しても、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性を高めることができる。
本発明は、前記光受信モジュールが、直接検波方式として、2組のIM−DD方式を用いて光信号を受信し、
前記振幅変換回路が、前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号として、QPSKの信号に合成することを特徴とする。
これにより、安価で普及している強度変調の光受信モジュールを活用して、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立することができる。
本発明は、前記光受信モジュールが、直接検波方式として、2組のM値振幅変調直接検波方式を用いて光信号を受信し、
前記振幅変換回路が、前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号として、M−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の信号に合成することを特徴とする。
これにより、しくみが簡単な振幅変調の光受信モジュールを活用して、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立することができる。
本発明は、前記のマルチキャリア光受信機と、
前記光ファイバを介して前記マルチキャリア光受信機に対して光信号を送信するマルチキャリア光送信機とを含めて構成され、
前記マルチキャリア光送信機の光送信モジュールが、前記光受信モジュールと対応する直接検波方式で光信号を送信することを特徴とする。
これにより、光送信機と光受信機とをセットで、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立した光伝送システムとして導入することができる。
本発明は、前記マルチキャリア光送信機から前記マルチキャリア光受信機に対して2つの光信号を1組としてn組の光信号を送信し、
前記疑似信号回路が、2つのデジタル信号を1つの前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号へと合成する処理をn組分行うことで、2n個のデジタル信号からn個のデジタル信号を擬似的に生成することを特徴とする。
これにより、信号のチャンネル数が多い場合でも、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立した光伝送システムを導入することができる。
本発明によれば、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性とモジュールの小型化をバランス良く両立するマルチキャリア光受信機、光伝送システムを提供することができる。
図1(a)は、光伝送システムの全体構成図である。図1(b)は、光伝送システムの一部の詳細な構成図である。 本実施形態に係わる遅延回路の処理内容の説明図である。 本実施形態に係わる振幅変換回路の処理内容の説明図である。 図4(a)は、評価用の実験環境である。図4(b)は、図4(a)での評価結果である。 図5(a)は、評価用の実験環境である。図5(b)は、図5(a)での評価結果である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、光伝送システムの構成図である。図1(a)は全体構成図、図1(b)は一部の詳細な構成図である。
図1(a)の光伝送システムは、マルチキャリア光送信機1の光送信モジュール11から光ファイバ9を介してマルチキャリア光受信機2の光受信モジュール21へと信号を送信する。
なお、マルチキャリア光送信機1、マルチキャリア光受信機2は片方向の通信をサポートしてもよいし、双方向の通信をサポートしてもよい。双方向の通信をサポートするときは、マルチキャリア光送信機1が光受信モジュール21を有し、マルチキャリア光受信機2が光送信モジュール11を有する。
ここで、図1(a)の光伝送システムでは、光送信モジュール11、光受信モジュール21間の検波方式として、2つの波長信号を独立に受信する(マルチキャリアの)直接検波方式を用いることにより、モジュールの小型化・省電力化を実現できる。
なお、採用する直接検波方式は、例えば、2組の強度変調直接検波方式(IM−DD方式)でもよいし、2組のM値振幅変調直接検波方式でもよい。
マルチキャリア光受信機2は、前記した光受信モジュール21に加え、A/D(Analog-to-Digital)コンバータ22と、疑似信号回路23と、DSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理器)24とを有する。A/Dコンバータ22は、光受信モジュール21において、O/E(Optical/Electronic)変換された2つの受信信号をデジタル信号に変換する。
なお、DSP24は、QPSK信号などのコヒーレント検波方式の信号を対象とするPMD補償などの適応等化と信号識別を行う回路である。しかし、光送信モジュール11、光受信モジュール21は、直接検波方式の信号を伝送するものであり、光信号の位相情報が失われてしまう。よって、光信号の位相情報が失われたままのデジタル信号をそのままDSP24に入力させてしまうと、DSP24は適応等化を実行することができない。
そこで、疑似信号回路23は、前段のA/Dコンバータ22から出力されたデジタル信号をもとに、後段のDSP24に入力するための疑似的なQPSK信号を生成する。これにより、通常のデジタルコヒーレント方式と異なり、受信信号における光信号の位相情報が失われるため、波長分散やPMDなどの光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化を完全に補償することはできない。しかし、メトロネットワークのような比較的伝送距離が短い領域であれば、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性を充分に高めることができる。
疑似信号回路23は、遅延回路23aと振幅変換回路23bとを有する。
遅延回路23aは、A/Dコンバータ22から出力されたデジタル信号の遅延を制御する。
図2は、遅延回路23aの処理内容の説明図である。
まず、遅延調整前のデジタル信号について、符号101,102を参照して説明する。
符号101にて、遅延回路23a内の各回路(図1(b)のτを上側とし、τを下側とする)には、それぞれ直接検波された光信号が入力される。光信号の横軸が時間軸であり、縦軸が光強度である。
符号102にて、符号101の破線縦線で示した基準時刻における2つの波形の光強度が、それぞれグラフの横軸(I軸)として示される。上側のグラフでは、基準時刻において2つの波の高さが上限と下限に位置しているので、符号102のI軸の大きさも上限(I=+1)〜下限(I=0)の範囲(2つの点)で示される。
次に、遅延調整後のデジタル信号について、符号111,112を参照して説明する。
符号111では、符号101の状態から上側のグラフはそのままであるが、下側のグラフを少し時間調整させる(左にずらす)ことで、上下のグラフがともに基準時刻において上限下限のピークとなるように調整される。
符号112は、符号111に対応するグラフであり、上下のグラフがともに基準時刻において上限(I=+1)〜下限(I=0)の範囲で示される。
以上、図2で説明したように、遅延回路23aは、A/Dコンバータ22の出力信号に対して、ビットの中心位置が一致するよう遅延を調整する。この遅延回路23aの遅延調整処理は、相関のない2信号に対する信号処理なので、単にパルスの中心が一致すればよく、最大遅延量は1ビットの半分で済む。よって、遅延回路23aの回路はシンプルであり、小型化に寄与する。
一方、特開2015−65516号公報に記載の光伝送システムなどの先行技術では、相関がある2信号に対する信号処理のため、ビットパターンが一致するようビット単位で遅延を調整する必要があり、最大遅延量は伝送路間の遅延差となる。よって、先行技術での遅延調整処理は複雑になってしまい、小型化が困難である。
図3は、振幅変換回路23bの処理内容の説明図である。
符号121は、図2の符号112と同じグラフである。つまり、遅延回路23aの出力信号が振幅変換回路23bの入力信号となる。
符号122は、振幅変換回路23bが符号121で示す信号を正規化したものである。横軸(I軸)の下限値(最も左に位置する点)が、I=0からI=−1へと広がっている。以下、符号122の2信号について、上側のグラフで示される信号を信号I1(t)とし、下側のグラフで示される信号を信号I2(t)とする。
符号123の信号空間ダイヤグラム(2次元の複素平面上の信号点配置図)は、符号122の2信号を振幅変換回路23bが合成した結果を示す。符号123では、横軸(I軸)と縦軸(Q軸)とから構成される信号空間ダイヤグラムで、円周上の4点を使用する偏波多重QPSKの疑似信号を示している。例えば、第1象限(I軸とQ軸がともにプラス)上の点はデジタル値「11」に対応づけられている。
振幅変換回路23bは、符号122の信号をもとに、計算式「Ex(t)=I1(t)+jI2(t)」により、疑似信号Ex(t)を生成する。
図1(b)に戻って、DSP24は、適応等化回路24aと、位相補正回路24bと、識別回路24cとから構成される。このDSP24は、前記したとおり、QPSK信号を対象とする適応等化を行う回路であるが、振幅変換回路23bが出力する疑似信号Ex(t)も、QPSK信号と同様にして適応等化を行うことができる。なお、QPSK信号を対象とする適応等化を行う回路は、例えば、特開2015−65516号公報などに記載されているものを用いてもよい。
適応等化回路24aは、振幅変換回路23bが出力する疑似信号Ex(t)の波形を補正する(信号波形整形を行う)。具体的には、適応等化回路24aは、複素信号入力Ex(t)から、最尤推定によりFIR(Finite Impulse Response)フィルタの適応信号処理を行った複素信号EX(t)を位相補正回路24bに出力する。なお、最尤推定の実現アルゴリズムは、例えば、特開2015−65516号公報に記載のCMA(Constant Modulus Algorithm)や、DD−LMS(Decision Directed Least Mean Square)などの任意のアルゴリズムを用いてもよい。
なお、非特許文献4には、適応等化回路24aの出力(式1)に対して(式2)を用いてFIRフィルタのタップ係数h11を更新する旨が記載されている。つまり、図1(b)の適応等化回路24a内の「Tap update」とは、FIRフィルタのタップ係数h11を更新する機構である。
Figure 0006550018
ここでμはステップサイズパラメータである。通常のコヒーレント受信と異なり、信号光とローカル光の周波数差や位相差に伴う信号の回転は発生しない。しかし、適応等化回路24aに付随した位相回転成分が発生してしまうので、位相補正回路24bは位相回転成分を補正する。
そして、識別回路24cは、位相補正回路24bから出力された複素信号をもとにデータ信号列を復調し、後段(他装置)へと出力する。
以上、図1〜図3を参照して説明した光伝送システムでは、マルチキャリアの直接検波方式として、2つの波長信号を独立に受信する例を説明した。ここで、各波長信号は独立であるので、適応等化回路24aの(式1)および(式2)と同様の信号処理を繰り返すことで、2つの波長信号だけでなく、2n(ただしnは2以上の整数)波のマルチキャリア信号に対しても拡張できる。つまり、疑似信号回路23は、A/Dコンバータ22から出力される2n個のデジタル信号からn組の疑似的なQPSK信号を生成するように拡張される。
また、疑似信号回路23が生成する疑似信号は、QPSK信号に限定されず、信号空間ダイヤグラム内の格子状に点が配置されるMQAM(Quadrature Amplitude Modulation)信号としてもよい。例えば、M=2の4−QAM信号は、各象限に1つずつ点が配置され、合計4つの点が配置されるので、結果として、QPSK信号と同じ信号空間ダイヤグラムとなる。
図4は、光伝送システムのEVM(Error Vector Magnitude)を評価した結果を示す。
図4(a)は、評価用の実験環境であり、光送信モジュール11として、1551.72 nmから1552.92 nmの範囲で50GHz間隔の波長配置された4 x 25.8 Gbit/sのNRZ信号を送信する合計4台の送信器(Tx)からの送信信号を、合波器が信号光パワー0 dBm/チャネルで1本の光ファイバ9に入力するように構成される。この伝送路条件として、ゼロ分散波長が1310 nmのG.652光ファイバを用い、光信号帯域における光損失値は0.3 dB/kmとする。そして、光受信モジュール21では、光ファイバ9で伝送された信号を分波器が4つの受信器(25G Rx)に出力する。
図4(b)のグラフは、A/Dコンバータ22が出力する受信信号に対してPMD補償を行わない(つまり、疑似信号回路23とDSP24とを設けない)「従来IM−DD」と、PMD補償を行う(つまり、図4(a)のように疑似信号回路23とDSP24とを設ける)「本発明」とで、EVMを比較するグラフである。
「従来IM−DD」と「本発明」とは、光送信モジュール11→光受信モジュール21の変復調方式としてIM−DDを用いる点は共通するので、モジュールの小型化はともに容易である。
さらに、「本発明」は、図4(b)のグラフに示すように、短距離だけでなく中距離(〜20km)あたりまでEVMの値が低いので、伝送特性がよい。つまり、既存FECであるReed-Solomon [255,239]で訂正可能なビットエラーレート1E-4に相当するEVM 25%以下を満足する伝送距離が、「従来IM−DD」において15kmに対して「本発明」を用いることで20kmまで長延化されている。
図5(a)は、図4(a)の実験環境に対して、光ファイバ9の伝送路にPC31と、DGD(Differential Group Delay)32とを付加した構成を示す。
PC31は、DGD32による波形劣化を最大とする偏波状態に受信信号を調整する偏波コントローラである。DGD32は、伝送路の最後に設けられ、危険率1E-4に相当するDGD=3・PMD[ps]を与えることでPMDを模擬するDGDエミュレータである。
図5(a)では、送信信号として、100GbEの仕様となる1295.56 nmから1309.14 nmの範囲で波長配置された4 x 25.8 Gbit/sのNRZ信号を用い、信号光パワー0 dBm/チャネルで伝送路に入力する。伝送路条件として、ゼロ分散波長が1310 nmのG.652光ファイバを用い、PMD係数を1 ps/√km、光信号帯域における光損失値を0.4 dB/kmとする。
図5(b)のグラフは、図4(b)と同様に、伝送距離に対するEVMを示す。「従来IM−DD」では、DGDの影響でEVM 25%以下を満足する伝送距離が27km程度に制限されるのに対して、「本発明」を用いることで40kmにおいてもDGDが補償されていることが分かる。
以上説明したように、本実施形態における光伝送システムでは、前段部の光送信モジュール11、光受信モジュール21については安価な送受信方式として広く普及しているIM−DDなどの直接検波方式を用いた光モジュールに適用するとともに、後段部のDSP24については、適応等化回路24aの最尤近似により信号波形歪を補償する。そして、直接検波の信号をコヒーレント検波のPMD補償(信号波形の適応等化)機構に入力するために、疑似信号回路23を新たに用意した。これにより、光ファイバの特性に起因する伝送特性劣化に対する耐性向上による伝送距離長延化と、モジュールの小型化・省電力化とをバランス良く両立する光伝送システムを提供することができる。
また、安価な光モジュールの使用が可能となることに加えて、DSP24の実装内容や設計内容に既存のものを流用することで、デジタル信号処理部分の開発費の削減も期待される。
1 マルチキャリア光送信機
2 マルチキャリア光受信機
9 光ファイバ
11 光送信モジュール
21 光受信モジュール
22 A/Dコンバータ
23 疑似信号回路
23a 遅延回路
23b 振幅変換回路
24 DSP(デジタル信号処理器)
24a 適応等化回路
24b 位相補正回路
24c 識別回路

Claims (6)

  1. 光ファイバを介して2つの光信号を直接検波方式で独立に受信する光受信モジュールと、
    前記光受信モジュールが受信した2つの光信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、
    前記A/Dコンバータが変換した2つのデジタル信号からコヒーレント検波方式のデジタル信号を擬似的に生成する疑似信号回路と、
    前記疑似信号回路が生成した疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号に対して信号波形の適応等化を行うデジタル信号処理器とを有しており、
    前記疑似信号回路は、
    前記A/Dコンバータが出力する2つのデジタル信号に対して、パルスの中心が互いに一致するように遅延を調整する遅延回路と、
    前記遅延回路が出力する2つのデジタル信号に対して、各信号を正規化することで振幅を変換し、その正規化後の2つのデジタル信号を2次元の複素平面上に合成することで1つの前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号とする振幅変換回路とを有することを特徴とする
    マルチキャリア光受信機。
  2. 前記デジタル信号処理器は、
    前記疑似信号回路が擬似的に生成したコヒーレント検波方式のデジタル信号に対して適応等化処理により信号波形整形を行う適応等化回路と、
    前記適応等化回路の出力信号に対して位相回転成分を補正する位相補正回路と、
    前記位相補正回路の出力信号に対してデータ信号列を復調する識別回路とを有することを特徴とする
    請求項1に記載のマルチキャリア光受信機。
  3. 前記光受信モジュールは、直接検波方式として、2組のIM−DD(Intensity Modulation-Direct Detection)方式を用いて光信号を受信し、
    前記振幅変換回路は、前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号として、QPSK(Quadrature Phase-Shift Keying)の信号に合成することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のマルチキャリア光受信機。
  4. 前記光受信モジュールは、直接検波方式として、2組のM値振幅変調直接検波方式を用いて光信号を受信し、
    前記振幅変換回路は、前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号として、M−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の信号に合成することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のマルチキャリア光受信機。
  5. 請求項1または請求項2に記載のマルチキャリア光受信機と、
    前記光ファイバを介して前記マルチキャリア光受信機に対して光信号を送信するマルチキャリア光送信機とを含めて構成され、
    前記マルチキャリア光送信機の光送信モジュールは、前記光受信モジュールと対応する直接検波方式で光信号を送信することを特徴とする
    光伝送システム。
  6. 前記マルチキャリア光送信機から前記マルチキャリア光受信機に対して2つの光信号を1組としてn組の光信号を送信し、
    前記疑似信号回路は、2つのデジタル信号を1つの前記疑似的なコヒーレント検波方式のデジタル信号へと合成する処理をn組分行うことで、2n個のデジタル信号からn個のデジタル信号を擬似的に生成することを特徴とする
    請求項5に記載の光伝送システム。
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