〔実施形態1〕
(画像送受信システム1の概要)
本発明の第1の実施形態に係る画像送受信システム1について、図1を参照して説明する。図1は、画像送受信システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像送受信システム1は、アクティブ光ケーブル10(アクティブケーブル)、カメラ30、及びグラバ40を備えている。以下においてアクティブケーブルとは、外部から供給される外部電力によって動作する素子及び回路の少なくとも何れかを備えているケーブルのことを指す。また、外部電力によって動作する素子及び回路のことをアクティブ素子と総称する。アクティブ素子の例としては、パラレル/シリアル(P/S)変換部、シリアル/パラレル(S/P)変換部、電気/光(E/O)変換部、光/電気(O/E)変換部、シリアライザ、デシリアライザなどが挙げられる。
また、アクティブ光ケーブル(AOC;Active Optical Cable)とは、アクティブケーブルが備えている信号線のうち、少なくとも高速信号(例えば、画像信号)を伝送するための信号線が光ファイバによって構成されているケーブルのことを指す。アクティブ光ケーブルに対して、高速信号(例えば、画像信号)を伝送するための信号線が金属配線によって構成されているケーブルのことをアクティブメタルケーブルと呼ぶ。
カメラ30は、静止画像又は動画像を撮像する撮像装置であり、かつ、撮像した静止画像又は動画像を表す画像信号を、アクティブ光ケーブルを介して送信する画像送信装置である。
グラバ40は、アクティブ光ケーブル10を介してカメラ30が送信した画像信号を受信する画像受信装置であり、かつ、コンピュータに装着されることによって、受信した画像信号を、コンピュータに入力する画像入力インターフェースボードである。アクティブ光ケーブル10を介してカメラ30と接続されたグラバ40が装着されたコンピュータは、画像処理装置として機能する。
以下において、アクティブ光ケーブル10を介して、カメラ30からグラバ40への伝送方向を下り方向と定義し、グラバ40からカメラ30への伝送方向を上り方向と定義する。
まず、画像送受信システム1におけるカメラ30、アクティブ光ケーブル10、及びグラバ40の基本的な構成を説明する。その後に、アクティブ光ケーブル10のカメラ側コネクタ11(送信側コネクタ)及びグラバ側コネクタ12(受信側コネクタ)を監視(モニター)及び制御するための構成について説明する。
(カメラ30)
図1に示すように、カメラ30は、カメラコントローラ31、センサユニット32、信号処理部34、時分割多重化回路35(MUX)、及び電圧変換部36を備えている。
カメラコントローラ31は、カメラ30が備えている各部を制御するものであり、具体的にはマイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。カメラコントローラ31は、カメラ側コネクタ11のO/E変換部113から取得したトリガ信号に従って、図示しないシャッターのシャッタータイミングを制御する。なお、カメラコントローラ31は、MCUではなく、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)などで構成されていてもよい。
カメラコントローラ31は、機能ブロックとしてデコーダ311及びコネクタ制御部312を備えている。デコーダ311は、カメラ側コネクタ11のO/E変換部113から取得したカメラ制御信号(画像送信装置制御信号)をデコードし、カメラコントローラ31に供給する。カメラコントローラ31は、デコードされたカメラ制御信号に従って、センサユニット32、信号処理部34、及びMUX35を制御する。
O/E変換部113から取得したカメラ制御信号には、カメラ側コネクタ11のアクティブ素子(特にE/O変換部112)をグラバ40が制御するためのカメラ側コネクタ制御信号、及び、カメラ側コネクタ11の内部状態をグラバ40が監視(モニター)できるようにするためのカメラ側コネクタ監視信号が含まれている。デコーダ311は、上述のとおりカメラ制御信号をデコードすると共に、カメラ制御信号に重畳されているカメラ側コネクタ制御信号及びカメラ側コネクタ監視信号を分離する。カメラ側コネクタ制御信号及びカメラ側コネクタ監視信号の詳細については、カメラ側コネクタ11の内部情報と合わせて後述する。なお、カメラ側コネクタ制御信号及びカメラ側コネクタ監視信号を区別する必要がない場合には、両者をまとめてカメラ側コネクタ制御信号と総称する。コネクタ制御部312の働きについても、カメラ側コネクタ11の内部情報と合わせて後述する。
センサユニット32は、図示しない撮像センサ、図示しないA/D変換部、図示しない同期信号生成部、図示しないアナログ画像処理部を備えている。撮像センサは、マトリククス状に配置された複数の画素を備えている。撮像センサの各画素は、受光した光の強度を、その光の強度に応じた電圧に変換する。したがって、撮像センサは、図示しない光学系を介して入射してくる光を画像として撮像し、この画像を表すアナログの画像信号に変換し、この画像信号をA/D変換部に提供する。撮像センサは、赤(R)、緑(G)、及び青(B)それぞれの光の強度を検出可能なカラー撮像センサであってもよいし、モノクロ撮像センサであってもよい。以下においては、カラー撮像センサであるものとして説明する。
A/D変換部は、撮像センサから取得したアナログの画像信号を、Rが8ビット、Gが8ビット、及びBが8ビットからなる合計24ビットのデジタルの画像信号に変換する。ここで、それぞれ8ビットであるRGBの各画像信号は、それぞれが1つのパラレル信号系列を構成する。したがって、合計24ビットの画像信号は、3つのパラレル信号系列を構成する。A/D変換部は、画像信号の態様をアナログからデジタルに変換するときに、図示しないクロック発生源から供給されるクロック(CLK)を用いる。以下において、「アナログの画像信号」と明記せずに単に「画像信号」と記載した場合は、デジタルの画像信号であることを意味する。A/D変換部は、A/D変換したデジタルの画像信号を信号処理部34に供給する。なお、ここではRGBの各画像信号のビット数が8ビットであるものとして説明するが、RGBの各画像信号のビット数は、8ビットに限定されるものではない。RGBの各画像信号のビット数は、例えば10ビットであってもよいし、12ビットであってもよい。したがって、RGBの各画像信号の合計ビット数は、24ビットより多くてもよい。
アナログ画像処理部は、撮像センサが提供するアナログの画像信号に対して、アナログゲイン、アナログオフセット、及びアナログフィルタなどのアナログ画像処理を必要に応じて実行する。アナログ画像処理部は、必要に応じてアナログ画像処理を施したアナログの画像信号をA/D変換部に提供する。すなわち、アナログ画像処理部が実行するこれらのアナログ画像処理は、カメラ30において必須の処理ではない。
同期信号生成部は、A/D変換部で変換されたデジタルの画像信号に同期した同期信号である垂直同期、水平同期、及び有効データを生成する。垂直同期、水平同期、及び有効データの各同期信号のビット数は、それぞれ1ビットである。
信号処理部34は、図示しないクロック発生源から供給されるCLKと、同期信号生成部から取得した3つの同期信号(垂直同期、水平同期、及び有効データ)とを用いて、A/D変換部から取得した3つのパラレル信号系列からなるデジタルの画像信号に対してデジタルゲイン、デジタルオフセット、及びデジタルフィルタなどのデジタル画像処理を施す。すなわち、信号処理部34が実行するこれらのデジタル画像処理は、カメラ30にとって必須の処理ではない。信号処理部34は、必要に応じてデジタル画像処理された24ビットの画像信号と、上述した3つの同期信号(垂直同期、水平同期、及び有効データ)と、CLKとをMUX35に供給する。
MUX35は、信号処理部34から取得した3つのパラレル信号系列からなる画像信号と上記同期信号とを、CLKを用いて4対の差動信号に時分割多重する。MUX35は、例えば市販のFPGAを用いて構成することができる。図2の(a)は、FPGAとしてAltera社製のCycloneVを用いてMUX35を構成した場合のMUX35のブロック図である。図2の(a)に示すブロック図は、8ビットのパラレル信号を時分割多重することによって1対のシリアル信号を生成する1レーン分の時分割多重ブロックを示している。この時分割多重ブロックは、図2の(a)に示すように8B/10Bエンコーディングと呼ばれる方法を用いて、8ビットのパラレル信号をエンコードした後、エンコードされたパラレル信号をシリアライザで1対のシリアル信号に時分割多重する。
MUX35は、少なくとも24ビットの画像信号と、3ビットの同期信号を含んでいるため、図2に示す時分割多重ブロックを4レーン備えていればよい。MUX35が上記時分割多重ブロックを4レーン備えている場合、最大32ビットのデータを時分割多重することができるため、画像信号及び同期信号以外のデータを画像信号及び同期信号と併せて時分割多重することができる。
また、MUX35は、市販のIC(Integrated Circuit)を用いて構成することもできる。本実施形態では、図3の(a)に示すように、TexasInstruments社製のシリアライザ(Serializer)ICであるDS92LV3241を用いてMUX35を構成している。また、図3の(b)には、後述するDEMUX42として機能するデシリアライザ(Deserializer)ICであるDS92LV3242を示している。
図3に示すとおり、MUX35は、取得した最大で32ビットのパラレル信号(TxIN0〜TxIN31)を時分割多重することによって、4対の差動信号(TxOUT0の+及び−、TxOUT1の+及び−、TxOUT2の+及び−、並びに、TxOUT3の+及び−)を生成することができる。DEMUX42については、グラバ40を説明するときに後述する。
MUX35は、時分割多重することによって生成した4対の差動信号(以下において第1〜第4の画像信号と呼ぶ)を、カメラ側コネクタ11のE/O変換部112に供給する。
(アクティブ光ケーブル10)
図1に示すように、アクティブ光ケーブル10は、カメラ側コネクタ11、グラバ側コネクタ12、下り光ファイバ13、上り光ファイバ14、及び電力線15を備えている。
カメラ側コネクタ11は、アクティブ光ケーブル10の一端に設けられており、カメラ30に接続されている。グラバ側コネクタ12は、アクティブ光ケーブル10の他端に設けられており、グラバ40に接続されている。
下り光ファイバ13は、カメラ30から供給された4対の差動信号である上記画像信号をグラバ40に伝送するための信号線であり、4本の光ファイバ131〜134を備えている。
上り光ファイバ14は、カメラを制御するためのカメラ制御信号を伝送する光ファイバ141と、カメラにシャッタータイミングを指示するためのトリガ信号を伝送する光ファイバ142とを備えている。なお、アクティブ光ケーブル10に対して、上り4本/下り4本の光ファイバを複合したQSFPアクティブ光ケーブルの技術を適用する場合、アクティブ光ケーブル10は、E/O変換部122が備えている4個の発光部のうち光ファイバ141,142に対応する2個の発光部を用いて、カメラ制御信号及びトリガ信号を伝送すればよい。言い換えれば、4個の発光部のうち2個の発光部を無効化し、無効化した2個の発光部に対応する2本の光ファイバを未使用とすればよい。画像信号、カメラ制御信号、及びトリガ信号については、後述する。ここで、発光部を無効化するとは、発光部(例えば、レーザ素子)に供給する電流を、その発光素子の閾値電流以下にする(例えば、0mAにする)ことを指す。なお、本実施形態では、上り光ファイバ14が2つの信号(カメラ制御信号及びトリガ信号)を伝送する構成を採用しているため、E/O変換部122が備えている4個の発光部のうち2つの発光部を無効化している。しかし、上り光ファイバ14が伝送する信号の数に応じて、無効化する発光部の数は、1個以上3個以下のいずれであってもよい。この構成によれば、発光部を無効化しない場合と比較して、グラバ側コネクタ12における消費電力を抑制することができる。
なお、アクティブ光ケーブル10に対して、例えば上り12本/下り12本の光ファイバを複合したCXP(C=hex character for 12; XP=eXtended capability Pluggable)アクティブ光ケーブルの技術を適用する場合には、E/O変換部122が備えている12個(N=12)の発光部のうち10個(N−M個)の発光部を無効化し、無効化した10個の発光部に対応する10本の光ファイバを未使用とすればよい。
電力線15は、グラバ40の電源部44から供給される電力を、グラバ側コネクタ12、カメラ側コネクタ11、及びカメラ30のそれぞれに供給するための金属配線である。電力線15には、定電圧源である電源44から所定の電圧(例えば、直流12V)の電力が供給されている。
カメラ側コネクタ11は、カメラ側コントローラ111、電気/光変換部(E/O変換部)112、光/電気変換部(O/E変換部)113、温度センサ114、及び電圧変換部115を備えている。
電圧変換部115は、電力線15によって供給される電力の電圧を所定の電圧(例えば、直流3.3V)に変換したうえで、電圧変換後の電力を、カメラ側コントローラ111、E/O変換部112、O/E変換部113、及び温度センサ114に供給する。アクティブ素子であるカメラ側コントローラ111、E/O変換部112、O/E変換部113、及び温度センサ114のそれぞれは、電圧変換部115から供給される電力によって駆動される。
カメラ側コントローラ111は、E/O変換部112と、O/E変換部113とを制御するものであり、具体的にはMCUである。また、カメラ側コントローラ111が備えている内部情報提供部111aは、カメラ側コネクタ11の動作状態に関わる内部状態を示す内部情報を、カメラ30に提供する。なお、この内部情報については後述する。
E/O変換部112は、図示しないレーザ駆動部と、図示しない発光部であるレーザ素子とを備えている。E/O変換部112は、カメラ30のMUX35から供給された電気信号である画像信号を光信号である画像信号に変換する。その後、E/O変換部112は、光信号に変換した画像信号を下り光ファイバ13に結合させる。なお、E/O変換部112のレーザ素子としては、例えば垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)と呼ばれるタイプのレーザ素子を利用可能である。
具体的には、E/O変換部112は、MUX35から4対の差動信号である画像信号(第1〜第4の画像信号)を取得する。第1の画像信号を例にすると、E/O変換部112のレーザ駆動部は、カメラ側コントローラ111から取得する制御信号に従って、設定されたバイアス電流及び変調電流に基づいた電流信号をレーザ素子へ供給する。レーザ素子は、レーザ駆動部から取得した電流信号に基づいて発光強度を変調されたレーザ光、すなわち光信号である第1の画像信号を、光ファイバ131に対して出射する。以上の工程により、E/O変換部112は、第1の画像信号の態様を電気信号から光信号へ変換する。
同様に、E/O変換部112は、第2の画像信号の態様を電気信号から光信号へ変換した後に光ファイバ132に結合させ、第3の画像信号の態様を電気信号から光信号へ変換した後に光ファイバ133に結合させ、第4の画像信号の態様を電気信号から光信号へ変換した後に光ファイバ134に結合させる。
また、E/O変換部112は、レーザ素子を駆動するときのバイアス電流をカメラ側コントローラ111の内部情報提供部111aに提供する。このバイアス電流は、カメラ側コネクタ11の内部状態を示す前記内部情報の1つである。カメラ側コネクタ11の内部情報をグラバ40に送信する方法については後述する。
一方、O/E変換部113は、図示しない受光部と電流電圧変換部とを備えている。O/E変換部113は、上り光ファイバ14によって伝送されてきたカメラ制御信号の態様を光信号から電気信号へ変換し、トリガ信号の態様を光信号から電気信号へ変換する。その後、O/E変換部113は、電気信号に変換したカメラ制御信号及びトリガ信号を、カメラ30のカメラコントローラ31に供給する。なお、O/E変換部113の受光部としては、例えばGaAsのPIN型フォトダイオード(PIN−PD)を利用可能である。
具体的には、O/E変換部113の受光部は、光ファイバ141から光信号であるカメラ制御信号を受光する。受光部であるフォトダイオードは、受光したカメラ制御信号を表す光信号の光強度を、対応するフォトダイオード電流に変換する。フォトダイオードは、変換したフォトダイオード電流を電流電圧変換部へ供給する。電流電圧変換部は、受光部であるフォトダイオードから取得したフォトダイオード電流を、対応する電圧に変換する。電流電圧変換部は、フォトダイオード電流に対応する電圧、すなわち電気信号をカメラコントローラ31に対して供給する。以上の工程により、O/E変換部113は、カメラ制御信号の態様を光信号から電気信号に変換する。
同様に、O/E変換部113は、トリガ信号の態様を光信号から電気信号へ変換した後にカメラコントローラ31に供給する。
温度センサ114は、E/O変換部112のレーザ素子の近傍領域に配置されており、レーザ素子の近傍領域の温度を検出する。温度センサ114は、検出したレーザ素子の近傍領域の温度を内部情報提供部111aに提供する。レーザ素子の近傍領域の温度は、カメラ側コネクタ11の内部状態を示す前記内部情報の1つである。カメラ側コネクタ11の内部情報をグラバ40に送信する方法については後述する。
次に、グラバ側コネクタ12について説明する。グラバ側コネクタ12は、グラバ側コントローラ121、E/O変換部122、O/E変換部123、温度センサ124、及び電圧変換部125を備えている。
電圧変換部125は、電力線15によって供給される電力の電圧を所定の電圧(例えば、直流3.3V)に変換したうえで、電圧変換後の電力を、グラバ側コントローラ121、E/O変換部122、O/E変換部123、及び温度センサ124に供給する。アクティブ素子であるグラバ側コントローラ121、E/O変換部122、O/E変換部123、及び温度センサ124のそれぞれは、電圧変換部125から供給される電力によって駆動される。
グラバ側コントローラ121は、グラバ側コネクタ12が備えている各部を制御するものであり、具体的にはMCUである。
E/O変換部122は、図示しないレーザ駆動部と、レーザ素子とを備えており、カメラ側コネクタ11のE/O変換部112と同様に構成されている。E/O変換部112がMUX35から取得した画像信号の態様を電気信号から光信号に変換するのに対し、E/O変換部122は、グラバ40のグラバコントローラ41から取得したカメラ制御信号及びトリガ信号の態様を電気信号から光信号に変換する。
グラバコントローラ41から取得したカメラ制御信号を例にすると、E/O変換部122のレーザ駆動部は、グラバ側コントローラ121から取得する制御信号に従って、設定されたバイアス電流及び変調電流に基づいた電流信号をレーザ素子へ供給する。レーザ素子は、レーザ駆動部から取得した電流信号に基づいて発光強度を変調されたレーザ光、すなわち光信号であるカメラ制御信号を、光ファイバ141に対して結合させる。以上の工程により、E/O変換部122は、カメラ制御信号の態様を電気信号から光信号へ変換する。
同様に、E/O変換部122は、トリガ信号の態様を電気信号から光信号に変換した後に光ファイバ142に結合させる。
また、E/O変換部122は、レーザ素子を駆動するときのバイアス電流をグラバ側コントローラ121に提供する。このバイアス電流は、グラバ側コネクタ12の内部状態を示す内部情報の1つである。グラバ側コネクタ12の内部情報をグラバ40に送信する方法については後述する。
一方、O/E変換部123は、図示しない受光部と電流電圧変換部とを備えており、カメラ側コネクタ11のO/E変換部113と同様に構成されている。O/E変換部113が上り光ファイバ14によって伝送されてきたカメラ制御信号及びトリガ信号の態様を光信号から電気信号に変換するのに対し、E/O変換部123は、下り光ファイバ14によって伝送されてきた第1〜第4の画像信号の態様を光信号から4対の差動信号からなる電気信号に変換する。
具体的には、O/E変換部123の受光部は、光ファイバ131から光信号である第1の画像信号を受光する。受光部であるフォトダイオードは、受光した第1の画像信号を表す光信号の強度を対応するフォトダイオード電流に変換し、このフォトダイオード電流を電流電圧変換部へ供給する。電流電圧変換部は、フォトダイオードから取得したフォトダイオード電流を、対応する電圧に変換する。電流電圧変換部は、このフォトダイオード電流に対応する電圧を電気信号である第1の画像信号として、グラバ40のDEMUX42に対して供給する。より詳しくは、電流電圧変換部は、上記フォトダイオード電流に対応する電圧に対応する1対の差動信号に変換し、この1対の差動信号を第1の画像信号としてDEMUX42に対して供給する。以上の工程により、OE変換部123は、第1の画像信号の態様を光信号から電気信号に変換する。
同様に、O/E変換部123は、第2の画像信号の態様を光信号から1対の差動信号である電気信号に変換し、第3の画像信号の態様を光信号から1対の差動信号である電気信号に変換し、第4の画像信号の態様を光信号から1対の差動信号である電気信号に変換する。O/E変換部123は、第1の画像信号と共に第2〜第4の画像信号をDEMUX42に供給する。
温度センサ124は、E/O変換部122のレーザ素子の近傍領域に配置されており、レーザ素子の近傍領域の温度を検出する。温度センサ124は、検出したレーザ素子近傍領域の温度を内部情報提供部121aに提供する。レーザ素子の近傍領域の温度は、グラバ側コネクタ12の内部状態を示す内部情報の1つである。グラバ側コネクタ12の内部情報をグラバ40に送信する方法については後述する。
(グラバ40)
図1に示すように、グラバ40は、グラバコントローラ41、多重分離回路42(DEMUX)、信号処理部43、及び電源部44を備えている。
グラバコントローラ41は、グラバ40が備えている各部を制御するものであり、具体的にはマイクロコントローラである。グラバコントローラ41は、画像処理装置であるコンピュータからの制御信号に従って、DEMUX42、信号処理部43、及び電源部44を制御する。
グラバコントローラ41は、機能ブロックとしてエンコーダ411及びコネクタ制御部412を備えている。エンコーダ411は、カメラ30に送信するカメラ制御信号をデータ送信用フォーマットにエンコードし、グラバ側コネクタ12のE/O変換部122に供給する。ここで、データ送信用フォーマットとは、画像処理装置であるコンピュータがカメラ制御信号を処理する時に用いるフォーマットと比較して、伝送に適した態様のフォーマットのことを意味する。データ送信用フォーマットの具体例としては、RS−232C(EIA−232規格)によって規定されるフォーマット、及び、CMI(Coded Mark Inversion)符号方式を用いたフォーマットが挙げられる。
また、グラバコントローラ41は、トリガ信号をE/O変換部122に供給する。トリガ信号は、カメラ30が撮像するシャッタータイミングを制御するトリガとなる信号を含んでいる。グラバコントローラ41が供給するトリガ信号は、非時分割多重のリアルタイムの信号である。
DEMUX42は、グラバ側コネクタ12のO/E変換部123から4つの画像信号(第1〜第4の画像信号)を取得する。DEMUX42は、4対の差動信号である第1〜第4の画像信号を時分割分離することによって、3つのパラレル信号系列からなる画像信号と前記同期信号とを復元する。
DEMUX42は、例えば市販のFPGAを用いて構成することができる。図2の(b)は、FPGAとしてAltera社製のCycloneVを用いてDEMUX42を構成した場合のブロック図である。図2の(b)に示すブロック図は、1対のシリアル信号を時分割分離することによって8ビットのパラレル信号を生成する1レーン分の時分割分離ブロックを示している。この時分割分離ブロックは、図2の(a)に示した8B/10Bエンコーディングの逆の方法を用いて、1対のシリアル信号をデコードした後、デコードされたシリアル信号をデシリアライザで8ビットのパラレル信号に時分割分離する。なお、図2の(a)及び(b)において実行されるエンコーディング/デコーディングの方法は、8B/10Bエンコーディング/デコーディングに限定されるものではなく、例えば、64B/66Bエンコーディング/デコーディングであってもよい。
また、DEMUX42は、市販のICを用いて構成することもできる。図3の(b)に、本実施形態でDEMUX42として用いているTexasInstruments社製のデシリアライザICであるDS92LV3242を示している。図3の(b)に示したとおり、DEMUX42は、取得した4対の差動信号(RxIN0の+及び−、RxIN1の+及び−、RxIN2の+及び−、並びに、RxIN3の+及び−)を時分割分離することによって、32ビットのパラレル信号(RxOUT0〜RxOUT31)を生成することができる。
DEMUX42は、時分割分離することによって生成した32ビットのパラレル信号に含まれている3つの画像信号と同期信号とを信号処理部43に供給する。
信号処理部43は、DEMUX42から取得したパラレル信号である3つの画像信号を、同期信号を用いてグラバ40が処理可能なフォーマットの画像信号に変換する。信号処理部43は、グラバ40が処理可能なフォーマットに変換した3つの画像信号を、グラバコントローラ41に供給する。グラバコントローラ41は、上記3つの画像信号を画像処理装置として機能するコンピュータに供給する。
電源部44は、グラバ40が備えているグラバコントローラ41、DEMUX42、及び信号処理部43に電力を供給するとともに、電力線15にも電力を供給する。電源部44は、グラバ40、アクティブ光ケーブル10、及びカメラ30に対して所定の電力を供給可能なように構成されていればよく、既存の技術(例えば、カメラリンクケーブルにおけるPoCL(Power over Camera Link)の技術)を用いて実現することができる。
(カメラ側コネクタ11及びグラバ側コネクタ12の監視)
上述したように、アクティブ光ケーブル10のカメラ側コネクタ11及びグラバ側コネクタ12は、各々に対応するE/O変換部112及び122と、O/E変換部113及び123とを備えている。上述したように、E/O変換部112及び122は、電気信号を光信号に変換するために、光信号の媒体であるレーザ光を出射するレーザ素子を備えている。
一般的に、レーザ素子が発するレーザ光のパワーは、レーザ素子のバイアス電流と、レーザ素子の温度とに大きく依存する。したがって、アクティブ光ケーブル10が接続されているグラバ40は、(i)カメラ側コネクタ11が備えているE/O変換部112のレーザ素子(以下、第1のレーザ素子)のバイアス電流を表すバイアス電流情報(以下、第1のバイアス電流情報)と、カメラ側コネクタ11の内部(第1のレーザ素子の近傍領域)の温度を表す温度情報(以下、第1の温度情報)と、を取得可能なように構成されている。さらに、グラバ40は、(ii)グラバ側コネクタ12が備えているE/O変換部122のレーザ素子(以下、第2のレーザ素子)のバイアス電流を表すバイアス電流情報(以下、第2のバイアス電流情報)と、グラバ側コネクタの内部(第2のレーザ素子の近傍領域)の温度を表す温度情報(以下、第2の温度情報)と、を取得可能なようにも構成されている。なお、以下において、カメラ側コネクタ11の内部状態を示す第1のバイアス電流情報と第1の温度情報とをまとめて第1の内部情報と総称し、グラバ側コネクタ12の内部状態を示す第2のバイアス電流情報と第2の温度情報とをまとめて第2の内部情報と総称する。
このように、グラバ40がカメラ側コネクタ11から第1の内部情報を取得することによって、カメラ側コネクタ11の内部状態を把握することを、「グラバ40がカメラ側コネクタ11の内部状態を監視する」と呼ぶ。同様に、グラバ40がグラバ側コネクタ12から第2の内部情報を取得することによって、グラバ側コネクタ12の内部状態を把握することを、「グラバ40がグラバ側コネクタ12の内部状態を監視する」と呼ぶ。この内部状態を「監視する」行為は、内部状態を「モニターする」行為とも言い換えられる。
(カメラ側コネクタ11に対する監視方法)
ここでは、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する場合の監視方法を、図4を参照して説明する。その後に、グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する場合の制御方法を、図5を参照して説明する。また、カメラ制御信号、カメラ側コネクタ制御信号、及びグラバ側コネクタ制御信号について、図6を参照して説明する。
図4は、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する場合のフローチャートである。図5は、グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する場合のフローチャートである。図6は、カメラ制御信号、カメラ側コネクタ制御信号、及びグラバ側コネクタ制御信号のデータ構造の一例を表す表である。
ここでは、グラバ40がカメラ側コネクタ11に対して、カメラ側コネクタ11を監視する旨のカメラ側コネクタ監視信号を送信し、カメラ側コネクタ11は、受信したカメラ側コネクタ監視信号に基づいて第1の内部情報をグラバ40へ送信する場合について説明する。なお、グラバ40がカメラ側コネクタ監視信号を送信し、カメラ側コネクタ11の内部情報を取得することによって実現されるカメラ側コネクタ11の監視は、後述するカメラ側コネクタ11の制御の一態様であるとも考えられる。そこで、以下では、カメラ側コネクタ11を監視するためのカメラ側コネクタ監視信号と、カメラ側コネクタ11を制御するためのカメラ側コネクタ制御信号とを、区別せずにカメラ側コネクタ制御信号とも総称する。
まず、図6を参照してカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号のデータ構造の一例について説明する。図6に示すように、カメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号は、例えば図6に示すデータ構造によって規定されている14バイトのシリアルコマンドである。
1〜6バイト目のコマンドは、カメラ制御信号が制御対象とするカメラを特定するために用いられる。カメラを他のカメラから識別するために、画像送受信システム1において使用されるカメラには、各カメラに固有の識別番号が割り当てられている。また、画像送受信システム1においては、同システムに含まれているカメラのみならず、同システムに含まれているアクティブ光ケーブルのカメラ側コネクタ及びグラバ側コネクタにも識別番号が割り当てられている。
以下において、カメラ30の識別番号は「000001」であり、カメラ側コネクタ11の識別番号は「000002」であり、グラバ側コネクタ12の識別番号は「000003」であるものとする。カメラ30を制御対象とするカメラ制御信号を生成する場合、画像処理装置であるコンピュータは、1〜6バイト目のコマンドが「000001」であるカメラ制御信号を生成する。また、カメラ側コネクタ11を制御対象とするカメラ制御信号を生成する場合には、1〜6バイト目のコマンドを「000002」とすればよく、グラバ側コネクタ12を制御対象とするカメラ制御信号を生成する場合には、1〜6バイト目のコマンドを「000003」とすればよい。
7バイト目のコマンドは、カメラ制御信号の処理コードを指定するコマンドであり、リードモード(R)、ライトモード(W)、及びACKモード(A)の何れかに対応するコマンドが指定される。
8〜10バイト目のコマンドは、カメラ30、カメラ側コネクタ11及びグラバ側コネクタ12の何れかが備えているEEPROM(登録商標)/RAMのアドレスを指定する。
11〜13バイト目のコマンドは、ライトモードの場合に8〜10バイト目のコマンドによって指定されるEEPROM(登録商標)/RAMのアドレスに書き込まれる実行データを指定する。なお、リードモード及びACKモードの場合には、11〜13バイト目のコマンドは特に指定されない。
14バイト目のコマンドには、カメラ制御信号の最後のコマンドであることを意味する「0Dh」が指定される。
次に、図4を参照して、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する場合の監視方法を説明する。「カメラ側コネクタ11に対する制御方法」の項に後述するように、グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する場合に、コネクタ制御部412は、制御対象をカメラ側コネクタ11とするカメラ側コネクタ制御信号を生成し、エンコーダ411に提供する(ステップS111参照)。一方、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する場合に、コネクタ制御部412は、制御対象をカメラ側コネクタ11とするカメラ側コネクタ制御信号を生成しない。すなわち、コネクタ制御部412は、カメラ側コネクタ制御信号をエンコーダ411に提供しない。したがって、この場合、エンコーダ411は、上記コンピュータからカメラ制御信号のみを取得する。エンコーダ411は、上記コンピュータから取得したカメラ制御信号をデータ送信用フォーマットに変換し、グラバ側コネクタ12のE/O変換部122に提供する。
なお、ここでは、カメラ制御信号が14バイトのシリアルコマンドであるものとして説明した。しかし、カメラ制御信号としては、Genicam(EMVA、http://www.emva.org/cms/index.php?idcat=27)において定められているような汎用規格のコマンドを利用することもできる。
次に、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する場合の監視方法について説明する。
グラバコントローラ41のコネクタ制御部412がカメラ側コネクタ11を制御する場合、コネクタ制御部412は、制御対象をカメラ側コネクタ11とするカメラ側コネクタ制御信号を生成し、エンコーダ411に提供する(ステップS111)。ここで、カメラ側コネクタ制御信号のデータ構造は、図6に示したカメラ制御信号のデータ構造と同じである。したがって、制御対象としてカメラ側コネクタ11を指定する場合、コネクタ制御部412は、1〜6バイト目のコマンドを「000002」とすればよい。
7〜13バイト目のコマンドには、カメラ側コネクタ11に対して第1の内部情報を送信させる、言い換えればカメラ側コネクタ11から第1の内部情報を読み取る制御に対応したコマンドを指定する。具体的には、7バイト目のコマンドとしてリードモードに対応する「R」を指定し、8〜10バイト目のコマンドとしてカメラ側コネクタ11のカメラ側コントローラ111にあるEEPROM/RAMの所定のアドレスを指定する。監視を行うためのカメラ側コネクタ制御信号においては、11〜13バイト目に指定すべき内容はない。
エンコーダ411は、画像処理装置であるコンピュータから、カメラ30を制御するためのカメラ制御信号(画像送信装置制御信号)を取得する(ステップS112)。上述したように、カメラ制御信号において、1〜6バイト目のコマンドは、「000001」である。
エンコーダ411は、カメラ側コネクタ11を制御対象とするカメラ側コネクタ制御信号を、カメラ制御信号と同様にデータ送信用フォーマットに変換し、グラバ側コネクタ12のE/O変換部122に提供する(ステップS113)。したがって、エンコーダ411は、カメラ制御信号と、カメラ側コネクタ制御信号とを同一の伝送路を介してE/O変換部122に提供する。カメラ制御信号を取得するタイミングと、カメラ側コネクタ制御信号を取得するタイミングとが重なった場合には、どちらか一方の制御信号(例えばカメラ制御信号)を先にE/O変換部122に提供し、その後に他方(例えばカメラ側コネクタ制御信号)をE/O変換部122に提供するように構成されていてもよい。この場合、エンコーダ411は、カメラ制御信号の無信号期間にカメラ側コネクタ制御信号を挿入する挿入部として機能する。また、1つのコマンドを用いてカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号の2つの制御信号を送信可能なコマンド送信フォーマットが準備されている場合には、エンコーダ411は、カメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号をまとめてE/O変換部122に提供するように構成されていてもよい。この場合、エンコーダ411は、カメラ制御信号にカメラ側コネクタ制御信号を重畳する重畳部として機能する。以下においては、エンコーダ411は、カメラ制御信号にカメラ側コネクタ制御信号を重畳する重畳部として機能するものとする。
E/O変換部122は、エンコーダ411から取得したカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号の態様を、電気信号から光信号に変換する。その後、E/O変換部122は、光信号に変換したカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号を、上り光ファイバ14の光ファイバ141に結合させる。光ファイバ141は、カメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号を、グラバ側コネクタ12のE/O変換部122から、カメラ側コネクタ11のO/E変換部113へ伝送する。
O/E変換部113は、光ファイバ141が伝送してきたカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号の態様を、光信号から電気信号に変換する。その後、O/E変換部113は、電気信号に変換したカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号を、カメラコントローラ31のデコーダ311に提供する。
デコーダ311は、E/O変換部122、光ファイバ141、及びO/E変換部113を介して伝送されたカメラ側コネクタ制御信号が重畳されたカメラ制御信号を受信する(ステップS114)。
デコーダ311は、取得したカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットから、カメラコントローラ31が処理可能なフォーマット(画像処理装置であるコンピュータが処理可能なフォーマットでもある)に変換する。言い換えれば、デコーダ311は、エンコーダ411が変換したカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号のフォーマットを元のフォーマットに戻す。
更にデコーダ311は、変換した制御信号の1〜6バイト目のコマンドを参照し、そのカメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号がカメラ側コネクタ11宛であるのか、カメラ30宛であるのか、又は、何れにも該当しないのかを判定する(ステップS115)。言い換えれば、デコーダ311は、制御信号が含む識別番号を確認し、各機器(カメラ40、カメラ側コネクタ11、及びグラバ側コネクタ12)のコントローラへと振り分けることでカメラ制御信号、カメラ側コネクタ制御信号、及びグラバ側コネクタ制御信号を分離する。
1〜6バイト目のコマンドがカメラ側コネクタ11の識別番号である「000002」である場合、デコーダ311は、変換した制御信号がカメラコネクタ11を制御対象とするカメラ側コネクタ制御信号であると判定し、当該制御信号をコネクタ制御部312へ提供する(ステップS116)。
コネクタ制御部312は、取得したカメラ側コネクタ制御信号を、カメラ側コネクタ11のカメラ側コントローラ111に提供する(ステップS117)。したがって、デコーダ311は、カメラ制御信号からカメラ側コネクタ11を制御対象とするカメラ側コネクタ制御信号を分離すると共に、分離したカメラ側コネクタ制御信号をカメラ側コネクタ11に提供する分離部であると言える。
コネクタ制御部312からカメラ側コネクタ11を制御対象とするカメラ側コネクタ制御信号を取得した場合、カメラ側コントローラ111は、取得したカメラ側コネクタ制御信号の7バイト目に指定されているリードモードを表す「R」と、8〜10バイト目に指定されているEEPROM/RAMのアドレスとに応じて、カメラ側コントローラ111の内部状態を示す内部情報を取得するように内部情報提供部111aを制御する。具体的には、内部情報提供部111aは、E/O変換部112から第1のバイアス電流情報を取得するとともに、温度センサ114から第1の温度情報を取得する(ステップS118)。
図1に示すように、カメラ側コネクタ11のカメラ側コントローラ111と、カメラ30が備えているカメラコントローラ31のコネクタ制御部312との間には、双方向通信が可能な信号線が設けられている。内部情報提供部111aは、取得した第1のバイアス電流情報及び第1の温度情報、すなわち第1の内部情報を、当該信号線を介してコネクタ制御部312に提供する(提供ステップ:ステップS119)。コネクタ制御部312は、第1の内部情報を内部情報提供部111aから取得する取得部である。
コネクタ制御部312は、内部情報提供部111aから提供された第1の内部情報を、MUX35に提供する。
MUX35は、信号処理部34から取得した3つのパラレル信号系列からなる画像信号と、上述した同期信号と、第1の内部情報とを、第1〜第4の画像信号(4対の差動信号)に時分割多重する。言い換えれば、重畳部であるMUX35は、アクティブ光ケーブル10を介してグラバ40に送信する画像信号に、カメラ側コネクタ11から取得した第1の内部情報を重畳する(重畳ステップ:ステップS120)。
第1の内部情報を重畳された第1〜第4の画像信号は、カメラ側コネクタ11のE/O変換部112においてその態様を電気信号から光信号に変換され、下り光ファイバ13によってグラバ側コネクタ12へ伝送される。グラバ側コネクタ12のO/E変換部123は、受信した第1〜第4の画像信号の態様を光信号から電気信号に変換し、変換した画像信号をDEMUX42に提供する。
DEMUX42は、取得した第1〜第4の画像信号を時分割分離することによって、3つのパラレル信号系列からなる画像信号と、前記同期信号と、第1の内部情報とを復元する。言い換えれば、分離部であるDEMUX42は、アクティブ光ケーブル10を介してカメラ30から受信した画像信号から、第1の内部情報を分離する。DEMUX42は、3つの画像信号からなる画像信号と前記同期信号とを信号処理部43へ提供する。また、DEMUX42は、第1の内部情報をグラバコントローラ41のコネクタ制御部412に提供する。
以上の工程によって、カメラ側コントローラ111とグラバ側コントローラ121とを接続する双方向通信可能な信号線を備えていないにも関わらず、グラバ40のグラバコントローラ41は、カメラ側コネクタ11の内部状態を監視することができる。
なお、ここでは、カメラ側コントローラ111の内部情報提供部111aは、グラバ40からのカメラ側コネクタ制御信号に基づいて第1の内部情報をE/O変換部112及び温度センサ14から取得し、コネクタ制御部312へ提供するものとして説明したが、内部情報提供部111aは、所定のタイミングにおいて第1の内部情報を取得及び提供するように構成されていてもよい。所定のタイミングは、定期的であってもよいし、非定期的であってもよい。この所定のタイミングが定期的である場合、第1のバイアス電流情報及び第1の温度情報を取得する間隔である第1の取得間隔は、特に限定されるものではない。例えば、上記第1の取得間隔は、10秒に設定されていてもよい。なお、第1のバイアス電流情報を取得するタイミングと第1の温度情報を取得するタイミングとは、同じでもよいし異なっていてもよい。
なお、ステップS115において、カメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号の1〜6バイト目のコマンドがカメラ30の識別番号である「000001」である場合、カメラコントローラ31は、受信した制御信号がカメラ30を制御対象とするカメラ制御信号であると判定し、7〜13バイト目に指定されているコマンドに応じてカメラ30の各部を制御する(ステップS131)。
また、ステップS115において、カメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号の1〜6バイト目の1〜6バイト目のコマンドがカメラ30の識別番号である「000001」、及び、カメラ側コネクタ11の識別番号である「000002」の何れにも該当しない場合、カメラコントローラ31は、受信したカメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号であるNACK(Negative-Acknowledge)信号を、グラバ40に送信する(ステップS141)。本実施形態において、NACK信号は、図6に示す制御信号の4つの処理コード(リードモード、ライトモード、ACKモード、及びNACKモード)のうちNACKモードを使用する。すなわち、カメラコントローラ31は、NACK信号の7バイト目のコマンドとしてNACKモードを表す「N」を指定する。また、カメラコントローラ31は、NACK信号の1〜6バイト目のコマンドとして自身の識別番号である「000001」を指定する。これらにより、このNACK信号がカメラコントローラ31によって生成されたNACK信号であることを明示することができる。
(グラバ側コネクタ12に対する監視方法)
次に、グラバ40がグラバ側コネクタ12を監視する場合の監視方法を説明する。グラバ側コントローラ121の内部情報提供部121aは、E/O変換部122から第2のバイアス電流情報を定期的に取得すると共に、温度センサ124から第2の温度情報を定期的に取得する。第2のバイアス電流情報及び第2の温度情報を取得する間隔である第2の取得間隔は、特に限定されるものではない。ここでは、上記第2の取得間隔が10秒に設定されているものとする。なお、第2のバイアス電流情報を取得するタイミングと第2の温度情報を取得するタイミングとは、同じでもよいし異なっていてもよい。
図1に示すように、グラバ側コネクタ12のグラバ側コントローラ121と、グラバ40が備えているグラバコントローラ41のコネクタ制御部412との間には、双方向通信が可能な信号線が設けられている。内部情報提供部121aは、取得した第2のバイアス電流情報及び第2の温度情報、すなわち第2の内部情報を、当該信号線を介してコネクタ制御部412に提供する。
以上の工程によって、グラバ40のグラバコントローラ41は、グラバ側コネクタ12の内部状態を監視することができる。
なお、ここでは内部情報の具体例として、第2のバイアス電流情報及び第2の温度情報を挙げてグラバ側コネクタ12の監視について説明した。また、上述したカメラ側コネクタ11に対する監視方法においては、内部情報の具体例として第1のバイアス電流情報及び第1の温度情報を挙げてカメラ側コネクタ11の監視について説明した。しかし、グラバ40がカメラ側コネクタ11及びグラバ側コネクタ12から取得する内部情報はこれらに限定されるものではない。すなわち、グラバ40が監視するアクティブ素子は、E/O変換部112及び122に限定されるものではなく、O/E変換部113及び123であってもよい。例えば、グラバ40は、O/E変換部113の状態を示す内部情報として、O/E変換部113が備えている受光部がカメラコントローラ31に出力する電流値、言い換えれば受光パワーを表す第1の受光パワー情報を取得してもよい。また、グラバ40は、O/E変換部123の状態を示す内部情報として、O/E変換部123が備えている受光部がDEMUX42に出力する電流値、言い換えれば受光パワーを表す第2の受光パワー情報を取得してもよい。O/E変換部113及び123が備えている各受光部が出力する電流値は、各受光部が受光する光信号のパワーに対応する。
(カメラ側コネクタ11及びグラバ側コネクタ12の制御)
ここまでは、カメラ側コネクタ11の第1の内部情報を、カメラ側コネクタ11からカメラ30を介してグラバ40へ送信することによって、グラバ40がカメラ側コネクタ11を監視する方法について説明した。また、グラバ側コネクタ12の第2の内部情報を、グラバ側コネクタ12からグラバ40へ送信することによって、グラバ40がグラバ側コネクタ12を監視する方法について説明した。以下では、まず、図5を参照してグラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する方法について説明し、その後に、グラバ40がグラバ側コネクタ12を制御する方法について説明する。
(カメラ側コネクタ11に対する制御方法)
ここで「グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する」とは、(1)カメラ側コネクタ11が備えているアクティブ素子の各種パラメータをグラバ40からの指示に基づいて変更すること、及び、(2)カメラ側コネクタ11の内部状態を示す第1の内部情報を、カメラ側コネクタ11からグラバ40へ送信させること、を指す。制御の対象となるカメラ側コネクタ11のアクティブ素子がE/O変換部112である場合、グラバ40が変更可能なパラメータとは、例えば、E/O変換部112が備えている第1のレーザ素子のバイアス電流及び変調電流である。また、グラバ40は、TxDIS信号をカメラ側コネクタ11に送信することによって、E/O変換部112が備えている第1のレーザ素子の状態を有効化又は無効化することができる。したがって、第1のレーザ素子の状態(有効又は無効)もアクティブ素子の各種パラメータの1つであると言える。制御の対象となるカメラ側コネクタ11のアクティブ素子がO/E変換部113である場合、グラバ40は、RxDIS信号をカメラ側コネクタ11に送信することによって、O/E変換部113が備えている受光部(フォトダイオード)の状態を有効化又は無効化することができる。したがって、受光部の状態(有効又は無効)もアクティブ素子の各種パラメータの1つであると言える。
グラバコントローラ41のコネクタ制御部412がカメラ側コネクタ11を制御する場合、コネクタ制御部412は、制御対象をカメラ側コネクタ11とするカメラ側コネクタ制御信号を生成し、エンコーダ411に提供する(ステップS211)。ステップS211は、図4に示したステップS111に対応するステップであるが、生成するカメラ側コネクタ制御信号が含む7〜13バイト目のコマンドが異なる。
コネクタ制御部412は、7〜13バイト目のコマンドとして、カメラ側コネクタ11に対して行いたい制御に対応したコマンドを指定する。ここで、コネクタ制御部412がカメラ側コネクタ11に対して送信するカメラ側コネクタ制御信号の表す内容が「E/O変換部112が備えているレーザ素子のバイアス電流を10mAにする」だとすれば、7バイト目のコマンドとしてライトモードに対応する「W」を指定し、8〜10バイト目のコマンドを用いてカメラ側コネクタ11のカメラ側コントローラ111にあるEEPROM/RAMの所定のアドレスを指定し、11〜13バイト目のコマンドとしてバイアス電流を10mAに設定する旨を表すコマンドを指定すればよい。
ステップS212〜S217は、図4に記載したステップS112〜S117と同一のステップである。したがって、ここでは、その説明を省略する。
コネクタ制御部312からカメラ側コネクタ11を制御対象とするカメラ側コネクタ制御信号を取得した場合、カメラ側コントローラ111は、取得したカメラ側コネクタ制御信号の7バイト目に指定されているライトモードを表す「W」と、8〜10バイト目に指定されているEEPROM/RAMのアドレスと、11〜13バイト目に指定されているEEPROM/RAMへの書き込みデータに応じて、カメラ側コネクタ11のアクティブ素子を制御する(ステップS218)。ここでは、カメラ側コントローラ111は、取得したカメラ側コネクタ制御信号の7〜13バイト目に指定されているコマンドに応じて、E/O変換部112が備えているレーザ素子のバイアス電流を10mAに設定する。
カメラ側コネクタ制御信号が表す制御(この場合は、レーザ素子のバイアス電流を10mAに設定する)を実行した場合(ステップS219においてYESの場合)、カメラ側コントローラ111は、取得したカメラ側コネクタ制御信号が表す制御を実行した旨を意味する応答信号としてACK(Acknowledge)信号をカメラ30のコネクタ制御部312に提供する(ステップS220)。また、カメラ側コネクタ制御信号が表す制御をなんらかの理由により実行しなかった場合(ステップS219においてNOの場合)、カメラ側コントローラ111は、取得したカメラ側コネクタ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号としてNACK(Negative-Acknowledge)信号をコネクタ制御部312に提供する(ステップS222)。本実施形態において、NACK信号は、図6に示す制御信号の4つの処理コード(リードモード、ライトモード、ACKモード、及びNACKモード)のうちNACKモードを使用する。すなわち、カメラ側コントローラ111は、NACK信号の7バイト目のコマンドとしてNACKモードを表す「N」を指定する。また、カメラ側コントローラ111は、NACK信号の1〜6バイト目のコマンドとして自身の識別番号である「000002」を指定する。これらにより、このNACK信号がカメラ側コントローラ111によって生成されたNACK信号であることを明示することができる。
なお、ステップS222において、カメラ側コントローラ111は、NACK信号をグラバ40へ送信するものとして説明している。しかし、ステップS219においてNOの場合に、カメラ側コントローラ111は、グラバ40に対してACK信号及びNACK信号のいずれも送信しないように構成されていてもよい。グラバ40は、カメラ側コネクタ制御信号を送信してから所定の期間内にACK信号を受信しない場合に、カメラ側コネクタ制御信号が表す制御がカメラ側コネクタ11において実行されなかった、すなわちカメラ側コントローラ111からNACK信号を受信したものと見なすことができる。
応答信号(ACK信号又はNACK信号)をカメラ側コントローラ111から取得した場合、カメラ30は、第1の内部情報をグラバ40へ送信する方法(グラバ40のカメラ側コネクタ11に対する監視方法)と同様の伝送方法を用いて応答信号をグラバ40へ送信する(ステップS221)。具体的には、MUX35は、グラバ40に送信する画像信号に、コネクタ制御部312から取得した応答信号を重畳させることによって、画像信号と共に応答信号をカメラ側コネクタ11に提供する。S221の処理を終えると、グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する処理が終了する。
なお、ステップS215において、カメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号の1〜6バイト目のコマンドがカメラ30の識別番号である「000001」である場合、カメラコントローラ31は、受信した制御信号がカメラ30を制御対象とするカメラ制御信号であると判定し、7〜13バイト目に指定されているコマンドに応じてカメラ30の各部を制御する(ステップS231)。
受信したカメラ制御信号が表す制御を実行した場合(ステップS232においてYES)、カメラコントローラ31は、取得したカメラ制御信号が表す制御を実行した旨を意味する応答信号としてACK(Acknowledge)信号をMUX35を介してグラバ40へ送信するように構成されていてもよい(ステップS233)。
また、なんらかの理由により受信したカメラ制御信号が表す制御を実行しなかった場合(ステップS232においてNO)、カメラコントローラ31は、取得したカメラ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号としてNACK(Negative-Acknowledge)信号をMUX35を介してグラバ40へ送信するように構成されていてもよい(ステップS234)。
また、ステップS215において、カメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号の1〜6バイト目の1〜6バイト目のコマンドがカメラ30の識別番号である「000001」、及び、カメラ側コネクタ11の識別番号である「000002」の何れにも該当しない場合、カメラコントローラ31は、受信したカメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号であるNACK(Negative-Acknowledge)信号を、MUX35を介してグラバ40へ送信し(ステップS241)、グラバ40がカメラ側コネクタ11を制御する処理を終了するように構成されていてもよい。ステップS234及びステップS241においてカメラコントローラ31が送信するNACK信号は、ステップS141においてカメラコントローラ31が送信するNACK信号と同様に構成されていればよい。
なお、上述したステップS222の場合と同様に、ステップS234においてカメラコントローラ31は、グラバ40に対してACK信号及びNACK信号のいずれも送信しないように構成されていてもよい。また、ステップS241においてカメラコントローラ31は、グラバ40に対してACK信号及びNACK信号のいずれも送信しないように構成されていてもよい。
ここまで、カメラ側コネクタ11に対して送信するカメラ側コネクタ制御信号の表す内容が「E/O変換部112が備えているレーザ素子のバイアス電流を10mAに設定する」である場合を例としてカメラ側コネクタ11に対する制御方法を説明した。しかし、カメラ側コネクタ11に対して送信するカメラ側コネクタ制御信号の表す内容は、上記の例に限定されるものではない。カメラ側コネクタ制御信号の表す内容は、カメラ側コネクタ11が備えているアクティブ素子(E/O変換部112及びO/E変換部113)に対する制御であってもよいし、カメラ側コネクタ11の内部状態を示す第1の内部情報をカメラ側コネクタ11からグラバ40に送信させる制御、すなわちカメラ側コネクタ11に対する監視のトリガとなる制御であってもよい。
以上の工程によって、画像送受信システム1において、カメラ側コネクタ11を制御するためのカメラ側コネクタ制御信号を、カメラ制御信号を伝送する光ファイバ141を用いて伝送することができる。したがって、画像送受信システム1は、カメラ側コネクタ制御信号をグラバ40からカメラ30に送信するために、カメラ側コントローラ111とグラバ側コントローラ121とを直結するカメラ側コネクタ制御信号専用の伝送路を必要としない。
(グラバ側コネクタ12に対する制御方法)
次に、グラバ40がグラバ側コネクタ12を制御する方法について説明する。ここで「グラバ40がグラバ側コネクタ12を制御する」とは、(1)'グラバ側コネクタ12が備えているアクティブ素子の各種パラメータをグラバ40からの指示に基づいて変更すること、及び、(2)'グラバ側コネクタ12の内部状態を示す第2の内部情報を、グラバ側コネクタ12からグラバ40へ送信させること、を指す。制御の対象となるグラバ側コネクタ12のアクティブ素子がE/O変換部122である場合、グラバ40が変更可能なパラメータとは、例えば、E/O変換部122が備えている第2のレーザ素子のバイアス電流及び変調電流である。また、グラバ40は、TxDIS信号をグラバ側コネクタ12に送信することによって、E/O変換部122が備えている第2のレーザ素子の状態を有効化又は無効化することができる。したがって、第2のレーザ素子の状態(有効又は無効)もアクティブ素子の各種パラメータの1つであると言える。制御の対象となるカメラ側コネクタ12のアクティブ素子がO/E変換部123である場合、グラバ40は、RxDIS信号をグラバ側コネクタ12に送信することによって、O/E変換部123が備えている受光部(フォトダイオード)の状態を有効化又は無効化することができる。したがって、受光部の状態(有効又は無効)もアクティブ素子の各種パラメータの1つであると言える。
グラバ側コネクタ12に対する監視方法において説明したように、グラバ側コネクタ12のグラバ側コントローラ121と、グラバ40が備えているグラバコントローラ41のコネクタ制御部412との間には、双方向通信が可能な信号線が設けられている。
コネクタ制御部412は、コネクタ制御信号の1〜6バイト目のコマンドを「000003」と指定することによって、グラバ側コネクタ12を制御対象とするコネクタ制御信号を生成する。その後、コネクタ制御部412は、生成したコネクタ制御信号を、グラバ側コネクタ12のグラバ側コントローラ121に提供する。
グラバ側コントローラ121は、コネクタ制御部412から取得したコネクタ制御信号に基づいて、E/O変換部122及びO/E変換部123の少なくとも何れかを制御する。グラバ側コントローラ121は、取得したコネクタ制御信号に対する応答信号(ACK信号又はNACK信号)をコネクタ制御部412に提供する。
以上の工程によって、グラバ40のグラバコントローラ41は、グラバ側コネクタ12に対する制御を行うことができる。より具体的には、グラバコントローラ41は、グラバ側コネクタ12が備えているアクティブ素子(E/O変換部122及びO/E変換部123)に対する制御を行うことができる。なお、グラバ側コネクタ12に対するコネクタ制御信号が表す制御は、グラバ側コネクタ12が備えているアクティブ素子に対する制御であってもよいし、グラバ側コネクタ12の内部状態を示す第2の内部情報をグラバ側コネクタ12からグラバ40に送信させる制御、すなわちグラバ側コネクタ12に対する監視のトリガとなる制御であってもよい。
また、グラバ40は、取得した第1の内部情報に応じてカメラ側コネクタ11をフィードバック制御可能なように構成されていてもよく、取得した第2の内部情報に応じてグラバ側コネクタ12をフィードバック制御可能なように構成されていてもよい。
グラバ40がカメラ側コネクタ11に対して行うフィードバック制御として、次のような例が挙げられる。第1の温度情報の変化から第1のレーザ素子の近傍領域の温度が上昇したことをグラバ40が検出した場合、その温度上昇に起因して第1のレーザ素子のパワーが低下することが考えられる。このような場合には、グラバ40は、温度上昇によるパワーの低下を補償するように第1のレーザ素子のバイアス電流を高める旨の制御信号を、カメラ側コネクタ制御信号としてカメラ側コントローラ111に送信する。第1のレーザ素子の近傍領域の温度とバイアス電流との相関を予め取得し、当該温度とバイアス電流またはバイアス電流の補正量とを対応付けたルックアップテーブルをグラバ40に設け、グラバコントローラ41がそのルックアップテーブルを参照するようにしてもよい。また、1種類のルックアップテーブルに限らず、第1のレーザ素子の経時劣化を考慮した複数種類のルックアップテーブルを設け、グラバコントローラ41が参照するルックアップテーブルを時間の経過に応じて切り換えてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態に係る画像送受信システム2について、図7を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図7は、画像送受信システム2の構成を示すブロック図である。図7に示すように、画像送受信システム2は、アクティブ光ケーブル20、カメラ30、及びグラバ40を備えている。本実施形態では、まず、グラバ40がグラバ側コネクタ22を監視する方法について説明し、その後に、グラバ40がグラバ側コネクタ22を制御する方法について説明する。
画像送受信システム2は、第1の実施形態に係る画像送受信システム1と比較して、アクティブ光ケーブル20が備えているグラバ側コネクタ22の構成と、グラバ側コネクタ22とコネクタ制御部412とにおける接続の態様とが異なる。画像送受信システム1では、グラバ側コントローラ221とコネクタ制御部412との間に設けられている信号線は、双方向通信が可能な信号線である。
一方、画像送受信システム2において、グラバ側コントローラ221には、エンコーダ411からカメラ制御信号が提供される。また、コネクタ制御部412が生成したグラバ側コネクタ制御信号は、上述したカメラ側コネクタ制御信号と同様にエンコーダ411に提供された後に、エンコーダ411からグラバ側コントローラ221に提供される。この構成によれば、コネクタ412とデコーダ221bとを直接接続する信号線を設ける必要がないため、グラバ40とグラバ側コネクタ22との接続を簡易化することができる。グラバ側コントローラ221とエンコーダ411との間に設けられている信号線は、グラバ40からグラバ側コントローラ221の方向にのみ信号を伝送可能な信号線である。したがって、グラバ側コントローラ221は、コネクタ制御部412に対して、第2の内部情報及び応答信号を直接提供することができない。しかし、グラバ側コントローラ221は、グラバ40からカメラ30へ送信するカメラ制御信号に第2の内部情報を重畳させることによって、第2の内部情報をカメラ30へ送信する。カメラ30は、カメラ側コネクタ11に対する監視方法と同様の方法を用いて、第2の内部情報をグラバ40に送信する。
以上のように、グラバ側コネクタ22は、カメラ30を介することによって第2の内部情報をグラバ40に送信することができる。言い換えれば、グラバ40は、カメラ30を介してグラバ側コネクタ22の内部状態を監視することができる。ここでは、まず、グラバ側コネクタ22のグラバ側コントローラ221がカメラ30を制御対象とするカメラ制御信号をカメラ側コネクタ11に送信するときの工程を説明する。
グラバ側コントローラ221は、内部情報提供部221aに加えてデコーダ221bと、MUX/エンコーダ221cとを備えている。デコーダ221bは、コネクタ制御部412から取得したカメラ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットから、グラバ側コントローラ221が処理可能なフォーマットに変換する。デコーダ221bは、変換したカメラ制御信号を、MUX/エンコーダ221cに提供する。
MUX/エンコーダ221cは、デコーダ221bから取得したカメラ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットに再び変換する。MUX/エンコーダ221cは、変換したカメラ制御信号をE/O変換部122に提供する。
E/O変換部122は、取得したカメラ制御信号の態様を電気信号から光信号に変換し、光ファイバ141に結合させる。以上の工程によって、グラバ側コネクタ22は、カメラ30を制御対象とするカメラ制御信号をカメラ側コネクタ11に送信することができる。
次に、グラバ側コントローラ221がカメラ制御信号に第2の内部情報を重畳させてカメラ側コネクタ11に送信するときの工程について説明する。
グラバ側コントローラ221の内部情報提供部221aは、E/O変換部122から第2のバイアス電流情報を定期的に取得すると共に、温度センサ124から第2の温度情報を定期的に取得する。上述のとおり、第2のバイアス電流情報及び第2の温度情報を取得する間隔である第2の取得間隔は、特に限定されるものではない。ここでは、上記第2の取得間隔が10秒に設定されているものとする。なお、第2のバイアス電流情報を取得するタイミングと第2の温度情報を取得するタイミングとは、同じでもよいし異なっていてもよい。
内部情報提供部221aは、第2のバイアス電流情報及び第2の温度情報、すなわち第2の内部情報をMUX/エンコーダ221cに提供する。
MUX/エンコーダ221cは、デコーダ221bから取得したカメラ制御信号に、内部情報提供部221aから取得した第2の内部情報を重畳する。したがって、MUX/エンコーダ221cは、カメラ制御信号に第2の内部情報を重畳する重畳部である。
MUX/エンコーダ221cは、第2の内部情報を重畳したカメラ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットに再び変換する。MUX/エンコーダ221cは、第2の内部情報が重畳されたカメラ制御信号をE/O変換部122に提供する。
E/O変換部122は、第2の内部情報が重畳されたカメラ制御信号の態様を電気信号から光信号に変換し、光ファイバ141に結合させる。以上の工程によって、グラバ側コネクタ22は、カメラ30を制御対象とし、かつ第2の内部情報が重畳されたカメラ制御信号をカメラ側コネクタ11に送信することができる。
なお、画像送受信システム2において、コネクタ制御信号は、カメラ制御信号と同様に、コネクタ制御部412からデコーダ221bに提供される。変換したコネクタ制御信号の1〜6バイト目のコマンドが「000003」である場合、すなわち、変換したコネクタ制御信号の制御対象がグラバ側コネクタ22である場合、グラバ側コントローラ221は、そのコネクタ制御信号に基づいてグラバ側コネクタ22が備えているアクティブ素子であるE/O変換部122及びO/E変換部123の少なくとも何れかを制御する。
また、変換したコネクタ制御信号の1〜6バイト目のコマンドが「000002」である場合、すなわち、変換したコネクタ制御信号の制御対象がカメラ側コネクタ11である場合、グラバ側コントローラ221は、そのコネクタ制御信号をデコーダ221bからMUX/エンコーダ221cに提供する。
MUX/エンコーダ221cは、デコーダ221bから取得したコネクタ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットに再び変換する。MUX/エンコーダ221cは、変換したコネクタ制御信号をE/O変換部122に提供する。
E/O変換部122は、取得したコネクタ制御信号の態様を電気信号から光信号に変換した上で、光ファイバ141に結合させる。
なお、グラバ側コネクタ22を制御対象とするコネクタ制御信号が表す制御を実行した場合、グラバ側コントローラ221は、当該制御を実行した旨を意味する応答信号(ACK信号)をMUX/エンコーダ221cに提供するように構成されていてもよい。また、コネクタ制御信号が表す制御をなんらかの理由により実行しなかった場合、グラバ側コントローラ221は、当該コネクタ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号(NACK信号)をMUX/エンコーダ221cに提供するように構成されていてもよい。
MUX/エンコーダ221cは、取得した応答信号をグラバ側コントローラ221から取得した場合、カメラ制御信号に応答信号を重畳させることによって、応答信号をカメラ30に送信することができる。カメラ30は、第1及び第2の内部情報をグラバ40に送信する方法と同様の方法を用いて、グラバ側コネクタ22から取得した応答信号をグラバ40に送信することができる。
次に、グラバ40がグラバ側コネクタ22を制御する方法について、図8を参照しながら説明する。図8は、画像送受信システム2に含まれているグラバ40がグラバ側コネクタ22を制御する場合のフローチャートである。ここでは、グラバ側コネクタ22が備えているE/O変換部122のレーザ素子(発光部)のバイアス電流を制御する場合を例に説明する。
グラバコントローラ41のコネクタ制御部412がグラバ側コネクタ22を制御する場合、コネクタ制御部412は、制御対象をグラバ側コネクタ22とするグラバ側コネクタ制御信号を生成し、エンコーダ411に提供する(ステップS311)。グラバ側コネクタ制御信号は、グラバ側コネクタ22を制御対象とする制御信号であるため、1〜6バイト目のコマンドとしてグラバ側コネクタ22の識別番号である「000003」が指定されている。
また、コネクタ制御部412は、7〜13バイト目のコマンドとして、グラバ側コネクタ22に対して行いたい制御に対応したコマンドを指定する。ここでは、グラバ側コネクタ22に対して、「E/O変換部122が備えているレーザ素子のバイアス電流を10mAにする」という制御を行うとする。この場合、7バイト目のコマンドとしてライトモードに対応する「W」を指定し、8〜10バイト目のコマンドを用いてグラバ側コネクタ22のグラバ側コントローラ221にあるEEPROM/RAMの所定のアドレスを指定し、11〜13バイト目のコマンドとしてバイアス電流を10mAに設定する旨を表すコマンドを指定すればよい。
ステップS312〜S313は、図4に記載したステップS112〜S113と同様のステップである。したがって、ここでは、その説明を省略する。なお、エンコーダ411は、上述したようにカメラ制御信号の無信号期間にカメラ側コネクタ制御信号を挿入する挿入部として機能するように構成されていてもよいし、カメラ制御信号にカメラ側コネクタ制御信号を重畳する重畳部として機能するように構成されていてもよい。以下においては、エンコーダ411は、カメラ制御信号にカメラ側コネクタ制御信号を重畳する重畳部として機能するものとする。
デコーダ221bは、エンコーダ411からグラバ側コネクタ制御信号が重畳されたカメラ制御信号を受信する(ステップS314)。その後、デコーダ311は、取得したカメラ制御信号及びグラバ側コネクタ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットから、グラバ側コントローラ221が処理可能なフォーマットに変換する。
更にデコーダ221bは、変換した制御信号の1〜6バイト目のコマンドを参照し、そのカメラ制御信号又はカメラ側コネクタ制御信号がグラバ側コネクタ22の識別番号であるか否かを判定する(ステップS315)。言い換えれば、デコーダ221bは、制御信号が含む識別番号がグラバ側コネクタ22の識別番号であるか否かを判定することによって、グラバ側コネクタ22を制御対象とする制御信号と、他の機器(カメラ40及びカメラ側コネクタ11)を制御対象とする制御信号とを分離する。
1〜6バイト目のコマンドがグラバ側コネクタ22の識別番号である「000003」である場合、デコーダ221bは、変換した制御信号がグラバコネクタ22を制御対象とするグラバ側コネクタ制御信号であると判定し、当該制御信号をグラバ側コントローラ221へ提供する。グラバ側コントローラ221は、取得したグラバ側コネクタ制御信号の7バイト目に指定されているライトモードを表す「W」と、8〜10バイト目に指定されているEEPROM/RAMのアドレスと、11〜13バイト目に指定されているEEPROM/RAMへの書き込みデータに応じて、グラバ側コネクタ22のアクティブ素子を制御する(ステップS316)。ここでは、グラバ側コントローラ221は、取得したグラバ側コネクタ制御信号の7〜13バイト目に指定されているコマンドに応じて、E/O変換部122が備えているレーザ素子のバイアス電流を10mAに設定する。
グラバ側コントローラ221がグラバ側コネクタ制御信号11〜13バイト目のコマンドによって表される制御(この場合は、レーザ素子のバイアス電流を10mAに設定する)を実行した場合(ステップS317においてYESの場合)、グラバ側コントローラ221は、取得したグラバ側コネクタ制御信号が表す制御を実行した旨を意味する応答信号としてACK信号を生成し、MUX/エンコーダ221cに提供する(ステップS318)。本実施形態において、ACK信号は、図6に示す制御信号の4つの処理コード(リードモード、ライトモード、ACKモード、及びNACKモード)のうちACKモードを使用する。すなわち、グラバ側コントローラ221は、ACK信号の7バイト目のコマンドとしてACKモードを表す「A」を指定する。また、グラバ側コントローラ221は、ACK信号の1〜6バイト目のコマンドとして自身の識別番号である「000003」を指定する。これらにより、このACK信号がグラバ側コントローラ221によって生成されたACK信号であることを明示することができる。
MUX/エンコーダ221cは、グラバ側コントローラ221から取得したACK信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットに再び変換し、E/O変換部122に提供する(ステップS319)。E/O変換部122は、取得したACK信号の態様を電気信号から光信号に変換し、光ファイバ141に結合させる。以上の工程によって、グラバ側コネクタ22は、ACK信号をカメラ30に送信することができる。カメラ30は、第2の内部情報と同様に、ACK信号をグラバ40へ送信する。
グラバ側コントローラ221がグラバ側コネクタ制御信号が表す制御をなんらかの理由により実行しなかった場合(ステップS317においてNOの場合)、グラバ側コントローラ221は、取得したグラバ側コネクタ制御信号が表す制御を実行しなかった旨を意味する応答信号としてNACK(Negative-Acknowledge)信号を生成してMUX/エンコーダ221cに提供する(ステップS320)。本実施形態において、NACK信号は、図6に示す制御信号の4つの処理コード(リードモード、ライトモード、ACKモード、及びNACKモード)のうちNACKモードを使用する。すなわち、グラバ側コントローラ221は、NACK信号の7バイト目のコマンドとしてNACKモードを表す「N」を指定する。また、グラバ側コントローラ221は、NACK信号の1〜6バイト目のコマンドとして自身の識別番号である「000003」を指定する。これらにより、このNACK信号がグラバ側コントローラ221によって生成されたNACK信号であることを明示することができる。その後、NACK信号は、ACK信号と同様に、カメラ30を介してグラバ40へ送信される。
なお、上述したステップS222の場合と同様に、ステップS234においてカメラコントローラ31は、グラバ40に対してACK信号及びNACK信号のいずれも送信しないように構成されていてもよい。グラバ40は、グラバ側コネクタ制御信号を送信してから所定の期間内にACK信号を受信しない場合に、グラバ側コネクタ制御信号が表す制御がグラバ側コネクタ22において実行されなかった、すなわちNACK信号を受信したものと見なすことができる。
また、ステップS315において、制御信号の1〜6バイト目の1〜6バイト目のコマンドがグラバ側コネクタ22の識別番号である「000003」ではない場合、グラバ側コントローラ221は、受信した制御信号をMUX/エンコーダ221cに提供する(ステップS331)。識別番号が「000003」ではない制御信号、すなわちカメラ制御信号及びカメラ側コネクタ制御信号は、E/O変換部122及びO/E変換部113を介してカメラ30のデコーダ311に送信される。
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態に係る画像送受信システム3について、図9を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図9は、画像送受信システム3の構成を示すブロック図である。図9に示すように、画像送受信システム3は、アクティブ光ケーブル50、カメラ60、及びグラバ40を備えている。
画像送受信システム3は、第2の実施形態に係る画像送受信システム2と比較して、アクティブ光ケーブル50が備えているカメラ側コネクタ51の構成と、カメラ60の構成とが異なる。以下では、カメラ側コネクタ51を制御するためのコネクタ制御信号、このコネクタ制御信号が重畳されたカメラ制御信号、及びカメラ側コネクタ51の内部状態を示す第1の内部情報について詳しく説明する。
第2の実施形態において説明したように、グラバ側コネクタ22が備えているE/O変換部122は、MUX/エンコーダ221cから取得したコネクタ制御信号が重畳されたカメラ制御信号の態様を電気信号から光信号に変換する。その後、E/O変換部122は、光信号に変換したカメラ制御信号を、光ファイバ141に結合させる。光信号であるカメラ制御信号は、カメラ側コネクタ41のO/E変換部113に送信される。
O/E変換部113は、E/O変換部122から送信されたカメラ制御信号の態様を光信号から電気信号に変換する。O/E変換部113は、電気信号に変換したカメラ制御信号をカメラ側コントローラ511のデコーダ111bに提供する。
デコーダ111bは、O/E変換部113から取得したカメラ制御信号のフォーマット、及び、カメラ制御信号に重畳されていたコネクタ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットから、カメラ側コントローラ511が処理可能なフォーマットに変換する。デコーダ111bは、変換したカメラ制御信号及びコネクタ制御信号を、カメラ側コントローラ511に提供する。
カメラ側コントローラ511は、取得したカメラ制御信号における1〜6バイト目のコマンドと、取得したコネクタ制御信号における1〜6バイト目のコマンドとを参照し、1〜6バイト目のコマンドが「000002」であるコネクタ制御信号を、1〜6バイト目のコマンドが「000002」以外であるカメラ制御信号及びコネクタ制御信号から分離する。したがって、カメラ側コントローラ511は、カメラ制御信号からコネクタ制御信号を分離する分離部として機能する。
カメラ側コントローラ511は、分離した1〜6バイト目のコマンドが「000002」であるコネクタ制御信号、すなわち制御対象がカメラ側コネクタ51であるコネクタ制御信号に基づいて、アクティブ素子であるE/O変換部112及びO/E変換部113の少なくとも何れかを制御する。
カメラ側コントローラ511は、デコーダ111bから取得したカメラ制御信号を、MUX/エンコーダ111cに提供する。
MUX/エンコーダ111cは、取得したカメラ制御信号をデータ送信用フォーマットにエンコードした後に、エンコードしたカメラ制御信号をカメラ60が備えているカメラコントローラ51のデコーダ311に提供する。
デコーダ311は、取得したカメラ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットから、カメラコントローラ61が処理可能なフォーマットにデコードする。デコーダ311は、デコードしたカメラ制御信号をカメラコントローラ61に提供する。
カメラコントローラ61は、取得したカメラ制御信号の1〜6バイト目のコマンドを参照し、1〜6バイト目のコマンドが「000001」である場合には、制御対象がカメラ60であると判定し、当該カメラ制御信号に基づいてカメラ60が備えている各部を制御する。
ここまでは、カメラ制御信号がカメラ60に送信され、当該カメラ制御信号が表す制御がカメラ60によって実行される処理について説明した。次に、カメラ側コネクタ51の内部状態を示す内部情報が、カメラ制御信号に重畳された状態でカメラ60に提供される処理について説明する。
カメラ側コントローラ511の内部情報提供部111aは、E/O変換部112から第1のバイアス電流情報を定期的に取得すると共に、温度センサ114から第1の温度情報を定期的に取得する。上述のとおり、第1のバイアス電流情報及び第1の温度情報を取得する間隔である第1の取得間隔は、特に限定されるものではない。
内部情報提供部111aは、第1のバイアス電流情報及び第1の温度情報、すなわち第1の内部情報をMUX/エンコーダ111cに提供する。
MUX/エンコーダ111cは、デコーダ111bから取得したカメラ制御信号に、内部情報提供部111aから取得した第1の内部情報を重畳する。したがって、MUX/エンコーダ111cは、カメラ制御信号に第1の内部情報を重畳する重畳部である。
MUX/エンコーダ111cは、第1の内部情報を重畳したカメラ制御信号のフォーマットを、データ送信用フォーマットに再び変換する。MUX/エンコーダ111cは、第1の内部情報が重畳されたカメラ制御信号をデコーダ311に提供する。
デコーダ311は、カメラ制御信号に重畳されていた第1の内部情報をMUX35に提供する。カメラ60が備えているMUX35は、第1の実施形態に記載したカメラ側コネクタの監視方法を用いて、第1の内部情報をグラバ40に送信することができる。
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態に係る画像送受信システム4について、図10を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図10は、画像送受信システム4の構成を示すブロック図である。図10に示すように、画像送受信システム4は、アクティブ光ケーブル70、カメラ30、及びグラバ40を備えている。
画像送受信システム4は、第1の実施形態に係る画像送受信システム1と比較して、アクティブ光ケーブルが備えている上り光ファイバ74の構成が異なる。画像送受信システム1においては、上り光ファイバ14は2本の光ファイバ141及び142によって構成されており、カメラ側コネクタ11を制御するためのコネクタ制御信号は、カメラ制御信号に重畳された状態でカメラ側コネクタ11に送信される。また、画像送受信システム2においては、グラバ側コネクタ22の内部状態を示す第2の内部情報は、カメラ制御信号に重畳された状態でカメラ側コネクタ11に送信される。
一方、画像送受信システム4においては、上り光ファイバ74は、4本の光ファイバ741〜744によって構成されている。E/O変換部122は、トリガ信号、カメラ制御信号、及びカメラ側コネクタ71を制御するためのコネクタ制御信号を、グラバ40から取得する。また、E/O変換部122は、グラバ側コネクタ72の内部状態を示す第2の内部情報を、グラバ側コントローラ121から取得する。
E/O変換部122は、トリガ信号、カメラ制御信号、コネクタ制御信号、及び第2の内部情報の態様を、電気信号から光信号に変換すると共に、トリガ信号を光ファイバ741に結合させ、カメラ制御信号を光ファイバ742に結合させ、コネクタ制御信号を光ファイバ743に結合させ、第2の内部情報を光ファイバ744に結合させる。
カメラ側コネクタ71のO/E変換部113は、光ファイバ741からトリガ信号を取得し、光ファイバ742からカメラ制御信号を取得し、光ファイバ743からコネクタ制御信号を取得し、光ファイバ744から第2の内部情報を取得する。O/E変換部113は、取得したトリガ信号、カメラ制御信号、コネクタ制御信号、及び第2の内部情報の態様を、光信号から電気信号に変換する。O/E変換部113は、変換したトリガ信号、カメラ制御信号、及び第2の内部情報を、カメラ30のデコーダ311に提供すると共に、変換したコネクタ制御信号をカメラ側コントローラ111に提供する。
カメラ側コントローラ111は、取得したコネクタ制御信号が表す制御にしたがって、アクティブ素子であるE/O変換部112及びO/E変換部113の少なくとも何れかを制御する。したがって、グラバ40は、カメラ側コネクタ71を制御することができる。
また、カメラ側コネクタ71のカメラ側コントローラ111は、カメラ30が備えているコネクタ制御部312に第1の内部情報を提供することができる。従って、第1の実施形態に記載したカメラ側コントローラの監視方法を用いることによって、グラバ40は、カメラ側コネクタ71の内部状態を監視することができる。
以上のように、上り4本/下り4本の光ファイバを備えているアクティブ光ケーブル70を用いてカメラ30とグラバ40とを接続することによって、画像送受信システム4を構成することができる。そのため、アクティブ光ケーブル70に対してQSFPアクティブ光ケーブルの技術を適用した場合、簡易な構成を用いて画像送受信システム4を実現可能である。アクティブ光ケーブル70においては、カメラ制御信号にカメラ側コネクタ制御信号を重畳させる必要がないためである。
一方、上述した実施形態1〜3に記載のアクティブ光ケーブル10、20、及び50は、カメラ側コネクタ制御信号が重畳されたカメラ制御信号を伝送する光ファイバ141と、トリガ信号を伝送する光ファイバ142を備えていればよく、残り2本の光ファイバを省いてもよい。また、グラバ側コネクタ12が備えているE/O変換部122は、2つの発光部を無効化し2つの発光部(カメラ制御信号を光ファイバ141に結合させる発光部、及び、トリガ信号を光ファイバ142に結合させる発光部)を有効化すればよい。このようにアクティブ光ケーブル10、20、及び50は、QSFPアクティブ光ケーブルの技術を適用した場合、より少ない構成(簡略化した構成)によって画像送受信システムを実現可能である。加えて、アクティブ光ケーブル10、20、及び50は、E/O変換部122における消費電力を抑制することができる。
〔実施形態5〕
本発明の第5の実施形態に係る画像送受信システム5について、図11を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図11は、画像送受信システム5の構成を示すブロック図である。図11に示すように、画像送受信システム5は、アクティブメタルケーブル80、カメラ30、及びグラバ40を備えている。
画像送受信システム5は、第1の実施形態に係る画像送受信システム1が備えているアクティブ光ケーブル10をアクティブメタルケーブル80で置換したものである。アクティブ光ケーブル10は、(1)カメラ30からグラバ40へ、少なくとも第1の内部情報が重畳された画像信号を伝送する下り信号線として光ファイバである下り光ファイバ13を備え、(2)グラバ40からカメラ30へカメラ制御信号及びトリガ信号を伝送する上り信号線として光ファイバである上り光ファイバ14を備えている。
一方、アクティブメタルケーブル80は、(1)下り信号線として下り差動線83を備え、(2)上り信号線として上り差動線84を備えている。下り差動線83は、金属製の信号線である第1の差動線831、第2の差動線832、第3の差動線833、及び第4の差動線834を備えている。上り差動線84は、金属製の信号線である第5の差動線841及び第6の差動線842を備えている。
また、アクティブメタルケーブル80の一端に設けられているカメラ側コネクタ81は、ディエンファシス812を備えており、アクティブメタルケーブル80の他端に設けられているグラバ側コネクタ82は、イコライザ823を備えている。
ディエンファシス812は、カメラ30のMUX35から取得した画像信号の低周波成分を抑制する信号調整を行うと共に、信号調整を行った画像信号を下り差動線83を介して送信する。この信号調整によって、受信回路であるイコライザ823は、イコライジングに適した周波数特性を持った画像信号を受信することができる。ディエンファシス812は、アクティブ素子の1つであり、画像信号の信号調整時に用いるゲインを表す第1のゲイン情報を内部情報としてカメラ側コントローラ111に提供する。
イコライザ823は、下り差動線83を介してディエンファシス812から受信した画像信号の周波数特性を最適化すると共に、周波数特性が最適化された画像信号をグラバ40のDEMUX42に提供する。周波数特性を最適化することによって、画像信号のアイパターンをより開かせることができる。イコライザ823は、アクティブ素子の1つであり、画像信号の周波数特性を最適化するときに用いるゲインを表す第2のゲイン情報を内部情報としてグラバ側コントローラ121に提供する。
以上のように、アクティブメタルケーブル80のカメラ側コネクタ81及びグラバ側コネクタ82は、アクティブ素子を備えている。したがって、アクティブメタルケーブル80は、金属製の信号線を備えたアクティブケーブルであると言える。
なお、本実施形態におけるアクティブメタルケーブル80は、実施形態1に記載のアクティブ光ケーブル10において、(1)E/O変換部112、O/E変換部123、及び下り光ファイバ13の各々を、それぞれ、ディエンファシス812、イコライザ823、及び下り差動線83に置き換え、(2)E/O変換部122、O/E変換部113、及び光ファイバ14を、差動線84に置き換えることによって得られる。同様に、実施形態2〜4に記載のアクティブ光ケーブル20、50、70を、ディエンファシス812及びイコライザ823を含むアクティブメタルケーブルに置き換えることも可能である。
なお、アクティブメタルケーブル80が備えているディエンファシス812、イコライザ823、及び下り差動線83は、実施形態2〜4に記載の各画像送受信システムが備えているE/O変換部112、O/E変換部123、及び下り光ファイバ13を置き換えることができる。
〔第1の変形例〕
第5の実施形態に記載した画像送受信システム5の変形例に係る画像送受信システム5'について、図12を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図12は、画像送受信システム5'の構成を示すブロック図である。図12に示すように、画像送受信システム5'は、アクティブメタルケーブル80'、カメラ30、及びグラバ40を備えている。
画像送受信システム5'は、画像送受信システム5が備えているアクティブメタルケーブル80をアクティブメタルケーブル80'で置換したものである。アクティブメタルケーブル80'のカメラ側コネクタ85は、ディエンファシス812の代わりにシリアライザ812'を備えており、グラバ側コネクタは、イコライザ823の代わりにデシリアライザ823'を備えている。カメラ側コネクタ85とグラバ側コネクタ86とは、1本の下り差動線87によって接続されている。
シリアライザ812'は、MUX35から取得した4対の差動信号である画像信号(第1〜第4の画像信号)を1対のシリアル信号である画像信号にシリアライズする。その後、シリアライザ812'は、シリアライズした1対のシリアル信号である画像信号を、下り差動線87を介してデシリアライザ823'に送信する。シリアライザ812'は、アクティブ素子の1つであり、PLLロック検出が成功しているか否かを表す第1のPLLロック検出情報を内部情報としてカメラ側コントローラ111に提供する。
デシリアライザ123'は、下り差動線87を介してシリアライザ812'から受信した1対のシリアル信号である画像信号を4対の差動信号である画像信号にデシリアライズする。その後、デシリアライザ823'は、デシリアライズした4対の差動信号である画像信号を、グラバ40のDEMUX42に提供する。デシリアライザ823'は、アクティブ素子の1つであり、PLLロック検出が成功しているか否かを表す第2のPLLロック検出情報を内部情報としてグラバ側コントローラ121に提供する。
以上のように1対の画像信号にシリアライズしてカメラ側コネクタ85からグラバ側コネクタ86へ送信することによって、下り差動線を構成する差動線の数を抑制することができる。
なお、本変形例におけるアクティブメタルケーブル80'は、実施形態1に記載のアクティブ光ケーブル10において、(1)E/O変換部112、O/E変換部123、及び下り光ファイバ13の各々を、それぞれ、シリアライザ812'、デシリアライザ823'、及び下り差動線83に置き換え、(2)E/O変換部122、O/E変換部113、及び光ファイバ14を、差動線84に置き換えることによって得られる。同様に、実施形態2〜4に記載のアクティブ光ケーブル20、50、70を、シリアライザ812'及びデシリアライザ823'を含むアクティブメタルケーブルに置き換えることも可能である。
〔第2の変形例〕
実施形態1に記載した画像送受信システム1の変形例である画像送受信システム9について、図13を参照して説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。図13は、画像送受信システム9の構成を示すブロック図である。図13に示すように、画像送受信システム9は、アクティブ光ケーブル90、カメラ130、及びグラバ40を備えている。
画像送受信システム9は、画像送受信システム1が備えているアクティブ光ケーブル10をアクティブ光ケーブル90で置換するとともに、画像送受信システム1が備えているカメラ30をカメラ130で置換することによって得られる。
カメラ130は、カメラ30が備えている電圧変換部36を電源部136に置換することによって得られる。電源部136は、カメラ130が備えているカメラコントローラ31、センサユニット32、信号処理部34、及びMUX35に電力を供給するとともに、第2の電力線95bにも電力を供給する。電源部136は、カメラ130及びアクティブ光ケーブル90に対して所定の電力を供給可能に構成されていればよく、既存の技術(例えば、QSFPアクティブ光ケーブルの技術)を用いて実現することができる。
アクティブ光ケーブル90は、アクティブ光ケーブル10が備えている電力線15の代わりに、第1の電力線95a及び第2の電力線95bを備えている。第1の電力線95aは、カメラ130の電源部136に接続されている。第2の電力線95bは、グラバ40の電源部44に接続されている。
この構成によれば、カメラ側コネクタ91とグラバ側コネクタ92との間に金属配線である電力線15を設ける必要がない。すなわち、アクティブ光ケーブル90においては、カメラ側コネクタ91とグラバ側コネクタ92との接続から金属配線を排除する「完全な光化」を実現することができる。この「完全な光化」により、アクティブ光ケーブル90は、金属配線を含むアクティブ光ケーブル10と比較して、ケーブル部分の柔軟化、細径化、及び軽量化を図ることができる。
また、上記のように構成されたアクティブ光ケーブル90は、既存のQSFPアクティブ光ケーブルを用いた画像送受信システムに対して、高い互換性を有する。既存のQSFPアクティブ光ケーブルを用いた画像送受信システムにおいて、カメラ及びグラバの各々は、アクティブ光ケーブルのカメラ側コネクタ及びグラバ側コネクタのそれぞれに電力を提供する電源部を備えている。すなわち、本変形例のカメラ130として、既存のQSFPアクティブ光ケーブルを用いた画像送受信システムのカメラを適用可能である。
したがって、アクティブ光ケーブル90は、既存のQSFPアクティブ光ケーブルを用いた画像送受信システムのカメラを更新することなく、アクティブ光ケーブルの「完全な光化」を実現することができる。したがって、アクティブ光ケーブル90は、既存の画像送受信システムを有効活用することができ、アクティブ光ケーブルを「完全に光化」するときのコストを抑制することができる。なお、本実施形態の構成(カメラ130が電源部136を備えており、アクティブ光ケーブル90のカメラ側コネクタ91の電圧変換部115がカメラ130の電源部136から第1の電力線95aを介して電力を供給される構成)は、第1の実施形態に記載の画像送受信システム1に対してのみならず、第2〜第4の各実施形態に記載の画像送受信システム2〜4に対しても適用可能である。本実施形態の構成を適用することによって、画像送受信システム2〜4が備えているアクティブ光ケーブル20,50,70の「完全な光化」を実現することができる。
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像送受信システムは、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルと、上記送信側コネクタに接続された画像送信装置と、上記受信側コネクタに接続された画像受信装置とを含む画像送受信システムにおいて、上記送信側コネクタは、当該送信側コネクタの内部状態を示す内部情報を上記画像送信装置に提供する提供部を備えており、上記画像送信装置は、上記アクティブケーブルを介して上記画像受信装置に送信する画像信号に、上記送信側コネクタから取得した上記内部情報を重畳する重畳部を備えている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記画像信号を伝送するための既存の伝送路(例えば、光ファイバ)を用いて、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信することができる。したがって、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信するために、上記送信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「カメラ側MCU」に相当)と上記受信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「グラバ側MCU」に相当)とを直結する伝送路を要さない画像送受信システムを実現することができる。
なお、上記内部状態としては、例えば、上記送信側コネクタ内部の温度が挙げられる。また、上記送信側コネクタに内蔵されたアクティブ素子に入力される電流又は電圧、及び、該アクティブ素子から出力される電流又は電圧も、上記内部状態に該当する。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記画像受信装置は、上記アクティブケーブルを介して上記画像送信装置から受信した上記画像信号から、上記内部情報を分離する分離部を備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記画像受信装置は、上記送信側コネクタから送信された上記内部情報を参照して、各種処理を実行することができる。例えば、上記画像受信装置は、上記内部情報を参照して、上記送信側コネクタを制御したり、上記受信側コネクタを制御したりすることができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記提供部は、上記画像送信装置を制御するための画像送信装置制御信号であって、上記画像送信装置に提供する画像送信装置制御信号に、上記内部情報を重畳することによって、上記内部情報を上記画像送信装置に提供する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記画像送信装置制御信号を上記画像送信装置に提供するための接続端子の他に、上記内部情報を上記画像送信装置に提供するための接続端子を設ける必要がない。したがって、上記送信側コネクタの構造を簡略化することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記画像受信装置は、上記画像送信装置を制御するための画像送信装置制御信号であって、上記アクティブケーブルを介して上記画像送信装置に送信する画像送信装置制御信号に、上記送信側コネクタを制御するためのコネクタ制御信号を重畳するか、又は、上記画像送信装置制御信号の無信号期間に上記コネクタ制御信号を挿入する重畳/挿入部を備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記画像送信装置制御信号を(上記画像受信装置を介して)上記画像送信装置に提供するための接続端子の他に、上記コネクタ制御情報を上記画像受信装置に提供するための接続端子を設ける必要がない。したがって、上記受信側コネクタの構造を簡略化することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記画像送信装置は、上記アクティブケーブルを介して上記画像受信装置から受信した上記画像送信装置制御信号から上記コネクタ制御信号を分離すると共に、分離した上記コネクタ制御信号を上記送信側コネクタに提供する分離部を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信側コネクタは、上記画像受信装置から送信された上記コネクタ制御信号を参照して、自身(上記送信側コネクタ)を制御することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記送信側コネクタは、上記アクティブケーブルを介して上記画像受信装置から受信した上記画像送信装置制御信号から上記コネクタ制御信号を分離する分離部を備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記送信側コネクタは、上記画像受信装置から送信された上記コネクタ制御信号を参照して、自身(上記送信側コネクタ)を制御することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記アクティブケーブルは、上記画像信号を伝送するための光ファイバと、上記画像送信装置制御信号を伝送するための光ファイバとを含むアクティブ光ケーブルである、ことが好ましい。
上記の構成によれば、画像信号、内部情報、画像送信装置制御信号、及び、コネクタ制御信号を全て光ファイバを用いて送受信することができる。したがって、これらの信号の全部又は一部をメタルケーブルを用いて送受信する場合と比べて、軽量かつ柔軟なアクティブケーブルを実現することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記送信側コネクタ及び上記受信側コネクタは、それぞれ、N個(Nは2以上の整数)の発光部を備え、上記画像送信装置制御信号は、上記受信側コネクタが備えている上記N個の発光部のうちM個(Mは1以上N−1以下の整数)の発光部を使用して電気/光変換され、上記受信側コネクタが備えている上記N個の発光部のうち、上記画像送信装置制御信号の電気/光変換に使用されないN−M個の発光部は無効化されている、ことが好ましい。
既存のアクティブ光ケーブルの一例であるQSFPアクティブ光ケーブルは、送信側コネクタ及び受信側コネクタがそれぞれ4個(N=4)の発光部を有する構成を採用している。このQSFPアクティブ光ケーブルの構成を本発明の一態様に係る画像送受信システムに適用することによって、QSFPアクティブ光ケーブルとの互換性を持ちつつ、送信側コネクタの構成と受信側コネクタの構成とを共通化したアクティブケーブルを実現することができる。したがって、QSFPアクティブ光ケーブルとの互換性を持つアクティブケーブルの製造コストを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、受信側コネクタが備えている4個の発光部のうち少なくとも1個の発光部を無効化することができる。したがって、すべての発光部を無効化しない場合と比較して、受信側コネクタにおける消費電力を抑制することができる。
また、既存のアクティブ光ケーブルの一例であるCXPアクティブ光ケーブルは、送信側コネクタ及び受信側コネクタがそれぞれ12個(N=12)の発光部を有する構成を採用している。このCXPアクティブ光ケーブルの構成を本発明の一態様に係る画像送受信システムに適用することによって、CXPアクティブ光ケーブルとの互換性を持ちつつ、送信側コネクタの構成と受信側コネクタの構成とを共通化したアクティブケーブルを実現することができる。したがって、CXPアクティブ光ケーブルとの互換性を持つアクティブケーブルの製造コストを抑制することができる。さらに、上記の構成によれば、受信側コネクタが備えている12個の発光部のうち少なくとも1個の発光部を無効化することができる。したがって、すべての発光部を無効化しない場合と比較して、受信側コネクタにおける消費電力を抑制することができる。
本発明の一態様に係る画像送受信システムにおいて、上記画像送信装置及び上記画像受信装置の各々は、それぞれ、上記送信側コネクタに電力を供給する第1の電源部及び上記受信側コネクタに電力を供給する第2の電源部を備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、送信側コネクタは、画像送信装置から電力を供給され、受信側コネクタは、画像受信装置から電力を供給される。したがって、送信側コネクタに画像受信装置から電力を供給する場合に受信側コネクタと送信側コネクタとの間に設けられる金属配線(電力線)を省略することができる。したがって、アクティブ光ケーブルの「完全に光化」を実現することができる。アクティブ光ケーブルの「完全な光化」により、金属配線を含むアクティブ光ケーブルと比較してケーブル部分の柔軟化、細径化、及び軽量化を図ることができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアクティブケーブルの監視方法は、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルと、上記送信側コネクタに接続された画像送信装置と、上記受信側コネクタに接続された画像受信装置とを含む画像送受信システムにおいて、上記画像受信装置が上記送信側コネクタを監視する監視方法であって、上記送信側コネクタが、当該送信側コネクタの内部状態を示す内部情報を画像送信装置に提供する提供ステップと、上記画像送信装置が、上記アクティブケーブルを介して上記画像受信装置に送信する画像信号に、上記送信側コネクタから取得した上記内部情報を重畳する重畳ステップと、を含んでいる、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記画像信号を伝送するための既存の伝送路(例えば、光ファイバ)を用いて、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信することができる。したがって、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信するために、上記送信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「カメラ側MCU」に相当)と上記受信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「グラバ側MCU」に相当)とを直結する伝送路を要さない画像送受信システムを実現することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアクティブケーブルの制御方法は、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルと、上記送信側コネクタに接続された画像送信装置と、上記受信側コネクタに接続された画像受信装置とを含む画像送受信システムにおいて、上記画像受信装置が上記送信側コネクタを制御する制御方法であって、上記画像受信装置が、上記画像送信装置を制御するための画像送信装置制御信号であって、上記アクティブケーブルを介して上記画像送信装置に送信する画像送信装置制御信号に、上記送信側コネクタを制御するためのコネクタ制御信号を重畳するか、又は、上記画像送信装置制御信号の無信号期間に上記コネクタ制御信号を挿入する重畳/挿入ステップを含んでいる、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記画像送信装置制御信号を伝送するための既存の伝送路(例えば、差動線)を用いて、上記コネクタ制御信号を上記画像受信装置から上記画像送信装置に送信することができる。したがって、上記コネクタ制御信号を上記画像受信装置から上記画像送信装置に送信するために、上記送信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「カメラ側MCU」に相当)と上記受信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「グラバ側MCU」に相当)とを直結する伝送路を要さない画像送受信システムを実現することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像送信装置は、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルの上記送信側コネクタに接続可能な画像送信装置であって、上記送信側コネクタの内部状態を示す内部情報を上記送信側コネクタから取得する取得部と、上記アクティブケーブルを介して上記受信側コネクタに接続された画像受信装置に送信する画像信号に、上記送信側コネクタから取得した上記内部情報を重畳する重畳部と、を備えている、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るアクティブケーブルは、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルであって、上記送信側コネクタは、当該送信側コネクタの内部状態を示す内部情報を、当該送信側コネクタに接続された画像送信装置に提供する提供部を備えている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記画像信号を伝送するための既存の伝送路(例えば、光ファイバ)を用いて、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信することができる。したがって、上記内部情報を上記送信側コネクタから上記画像受信装置に送信するために、上記送信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「カメラ側MCU」に相当)と上記受信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「グラバ側MCU」に相当)とを直結する伝送路を要さない画像送受信システムを実現することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像受信装置は、一端に送信側コネクタが設けられ、他端に受信側コネクタが設けられたアクティブケーブルの上記受信側コネクタに接続可能な画像受信装置であって、上記送信側コネクタに接続された画像送信装置を制御するための画像送信装置制御信号であって、上記アクティブケーブルを介して上記画像送信装置に送信する画像送信装置制御信号に、上記送信側コネクタを制御するためのコネクタ制御信号を重畳するか、又は、上記画像送信装置制御信号の無信号期間に上記コネクタ制御信号を挿入する重畳/挿入部を備えている、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記画像送信装置制御信号を伝送するための既存の伝送路(例えば、差動線)を用いて、上記コネクタ制御信号を上記画像受信装置から上記画像送信装置に送信することができる。したがって、上記コネクタ制御信号を上記画像受信装置から上記画像送信装置に送信するために、上記送信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「カメラ側MCU」に相当)と上記受信側コネクタに内蔵された制御部(上述した「グラバ側MCU」に相当)とを直結する伝送路を要さない画像送受信システムを実現することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。