JP6548293B2 - bFGFの精製方法およびbFGFの製造方法 - Google Patents

bFGFの精製方法およびbFGFの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、bFGFの精製方法およびbFGFの製造方法に関する。
bFGF(basic fibroblast growth factor、FGF−2)は、線維芽細胞の増殖因子として同定されたタンパク質である。近年、前記bFGFは、ヒト人工多能性幹細胞等の多能性幹細胞の未分化状態の維持に必要な因子であることが明らかとなった。再生医療の発展と共にbFGFの需要の増大が見込まれるが、bFGFをカラムクロマトグラフィーにより精製する場合、多数回のカラムクロマトグラフィーを実施する必要があり、煩雑であるという問題があった。このため、bFGFを簡便に精製可能なbFGFの精製方法が求められている。
そこで、本発明は、簡便なbFGFの精製方法およびbFGFの製造方法の提供を目的とする。
前記本発明の課題を解決するために、本発明のbFGFの精製方法は、bFGFを含むサンプルを陽イオン交換クロマトグラフィーに供し、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する工程と、
前記粗精製サンプルの塩濃度を調整する工程と、
前記調整後の粗精製サンプルを疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、精製bFGFを取得する工程とを含み、
前記調整後の粗精製サンプルにおける塩濃度が、1.5mol/Lを超えることを特徴とする。
本発明のbFGFの製造方法は、bFGFを含むサンプルから精製bFGFを精製する工程を含み、
前記精製工程が、前記本発明のbFGFの精製方法により実施されることを特徴とする。
本発明によれば、簡便なbFGFの精製方法およびbFGFの製造方法の提供できる。
図1は、精製サンプルのSDS−PAGEの結果を示す写真である。 図2は、固体画分のサンプルのSDS−PAGEの結果を示す写真である。
本発明の精製方法は、例えば、前記塩濃度が、2.5mol/L以下であり、好ましくは、1.8〜2.5mol/Lである。
本発明の精製方法は、例えば、前記塩が、硫酸アンモニウムである。
本発明の精製方法は、例えば、前記陽イオン交換クロマトグラフィーの充填剤の官能基が、スルホプロピル基である。
本発明の精製方法は、例えば、前記疎水性相互作用クロマトグラフィーの充填剤の疎水性リガンドが、ブチル基である。
本発明の精製方法は、例えば、前記bFGFを含むサンプルが、還元剤を含む。
本発明の精製方法は、例えば、前記調整後の粗精製サンプルから液体画分を回収する工程を含み、
前記精製bFGFの取得工程において、前記液体画分を前記疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、前記精製bFGFを取得する。
本発明の精製方法は、例えば、前記bFGFを含むサンプルが、bFGFを発現する大腸菌の破砕物でもよいし、bFGFを発現する大腸菌の破砕物の液体画分でもよい。
本発明の精製方法は、例えば、さらに、bFGF遺伝子が形質導入された大腸菌を培養し、前記大腸菌にbFGFを発現させる工程と、
得られたbFGFを発現する大腸菌からbFGFを含むサンプルを調製する工程とを含む。
本発明の精製方法は、例えば、さらに、大腸菌にbFGF遺伝子を形質導入する工程を含む。
本発明の製造方法は、例えば、前記精製工程で得られたbFGFの純度が、96%以上である。
<bFGFの精製方法>
本発明のbFGFの精製方法(以下、「精製方法」ともいう。)は、前述のように、bFGFを含むサンプル(以下、「bFGFサンプル」ともいう。)を陽イオン交換クロマトグラフィーに供し、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する工程(粗精製工程)と、前記粗精製サンプルの塩濃度を調整する工程(塩濃度調整工程)と、前記調整後の粗精製サンプル(以下、「調整サンプル」ともいう。)を疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、精製bFGFを取得する工程(bFGF取得工程)とを含み、前記調整後の粗精製サンプルにおける塩濃度が、1.5mol/Lを超えることを特徴とする。本発明の精製方法は、前記調整サンプルにおける塩濃度が、1.5mol/Lを超えることを特徴とし、その他の工程および条件は、特に制限されない。
本発明者らは、鋭意研究の結果、前記調整サンプルにおける塩濃度を、1.5mol/Lを超える濃度とすることにより、前記粗精製サンプル中のbFGF以外の夾雑物を効率良く析出できることを見出した。このため、本発明の精製方法は、クロマトグラフィーを使用する精製工程として、前記粗精製工程と前記bFGF取得工程との2工程で、例えば、後述する純度のbFGFを精製できる。したがって、本発明の精製方法によれば、簡便にbFGFを精製できる。また、本発明の精製方法は、簡便にbFGFを精製できるため、例えば、精製に要する時間を短縮できる。前記bFGFは、例えば、精製開始から時間経過と共に活性が低下するが、本発明の精製方法によれば、例えば、精製に要する時間が短縮されているため、より活性の高い状態のbFGFを精製できる。また、本発明の精製方法は、例えば、前記bFGFと結合するヘパリンを使わず、精製できる。前記ヘパリンは、抗凝血作用を有するため、例えば、前記ヘパリンを含むbFGFが、生体に入った場合、前記ヘパリンによる副作用が生じる。しかしながら、本発明の精製方法は、ヘパリンを使用しないでも精製できるため、例えば、前記ヘパリンの混入による副作用をなくすことができる。
本発明において、bFGF(basic fibroblast growth factor、FGF−2)のアイソフォームは、特に制限されない。前記アイソフォームは、例えば、16.5KDa、18KDa、22KDa、22.5KDa、24KDa、34KDa等のアイソフォーム等があげられる。前記bFGFの由来は、特に制限されず、例えば、ヒト、非ヒト動物等があげられる。前記非ヒト動物は、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ウマ、ネコ、ヤギ、サル、モルモット、ウシ、ブタ等があげあれる。具体例として、前記bFGFは、例えば、下記(B1)、(B2)、および(B3)からなる群から選択された少なくとも1つのタンパク質があげられる。下記(B1)、(B2)、および(B3)において、前記線維芽細胞は、例えば、Balb/3T3 clone A31細胞である。
(B1)配列番号1〜5および6からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ酸配列からなるタンパク質
(B2)前記(B1)のアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質
(B3)前記(B1)のアミノ酸配列に対して、所定の同一性を有するアミノ酸配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質
前記(B1)における配列番号1〜6のアミノ酸配列は、以下の通りである。前記(B1)は、例えば、ヒトから得ることができる。
bFGF アイソフォーム 16.5KDa(配列番号1)
MPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
bFGF アイソフォーム 18KDa(配列番号2)
MAAGSITTLPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
bFGF アイソフォーム 22KDa(配列番号3)
LGGRGRGRAPERVGGRGRGRGTAAPRAAPAARGSRPGPAGTMAAGSITTLPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
bFGF アイソフォーム 22.5KDa(配列番号4)
LPGGRLGGRGRGRAPERVGGRGRGRGTAAPRAAPAARGSRPGPAGTMAAGSITTLPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
bFGF アイソフォーム 24KDa(配列番号5)
LGDRGRGRALPGGRLGGRGRGRAPERVGGRGRGRGTAAPRAAPAARGSRPGPAGTMAAGSITTLPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
bFGF アイソフォーム 34KDa(配列番号6)
MVGVGGGDVEDVTPRPGGCQISGRGARGCNGIPGAAAWEAALPRRRPRRHPSVNPRSRAAGSPRTRGRRTEERPSGSRLGDRGRGRALPGGRLGGRGRGRAPERVGGRGRGRGTAAPRAAPAARGSRPGPAGTMAAGSITTLPALPEDGGSGAFPPGHFKDPKRLYCKNGGFFLRIHPDGRVDGVREKSDPHIKLQLQAEERGVVSIKGVCANRYLAMKEDGRLLASKCVTDECFFFERLESNNYNTYRSRKYTSWYVALKRTGQYKLGSKTGPGQKAILFLPMSAKS
前記「1または数個」は、例えば、1〜58個、1〜44個、1〜29個、1〜15個、1〜12個、1〜9個、1〜6個、1〜3個、1個または2個である。
前記「所定の同一性」は、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記同一性は、例えば、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出できる(以下、同様)。
前記bFGFサンプルは、前記bFGFを含めばよい。前記bFGFサンプルは、例えば、bFGFが形質導入された形質転換体、bFGFを発現する細胞、組織、臓器または培養細胞等があげられる。前記形質転換体を作製するための宿主は、特に制限されず、例えば、微生物、動物細胞、昆虫細胞、または、これらの培養細胞等の非ヒト宿主、単離したヒト細胞またはその培養細胞等があげられる。具体的に、前記形質転換体は、例えば、bFGFが形質導入された細胞または培養細胞、bFGFが形質導入された大腸菌等があげられる。前記bFGFサンプルは、例えば、bFGFの回収率を向上できることから、前記形質転換体等の破砕物が好ましく、前記形質転換体等の破砕物の液体画分がより好ましい。具体例として、前記bFGFサンプルは、例えば、bFGFを発現する大腸菌(bFGF発現大腸菌)の破砕物があげられ、好ましくは、前記bFGF発現大腸菌の破砕物の液体画分である。前記bFGFサンプルは、例えば、1種類のbFGFを含んでもよいし、2種類以上のbFGFを含んでもよい。
前記bFGFサンプルは、例えば、液体サンプルが好ましい。前記bFGFサンプルは、例えば、前記bFGFサンプルの未希釈液をそのまま液体サンプルとして使用してもよいし、前記bFGFサンプルを媒体に、懸濁、分散または溶解した希釈液を液体サンプルとして使用してもよい。前記bFGFサンプルが固体の場合、例えば、前記bFGFサンプルを前記媒体に懸濁、分散または溶解した希釈液を液体サンプルとして使用してもよい。前記媒体は、特に制限されず、例えば、水、緩衝液等があげられる。前記緩衝液は、特に制限されず、例えば、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、イミダゾール緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、各種のグッド緩衝液等があげられる。前記緩衝液の濃度は、特に制限されず、例えば、0.01〜0.1mol/Lである。
前記bFGFサンプルは、例えば、精製時の前記bFGFの活性を維持できることから、還元剤を含むことが好ましい。前記還元剤は、特に制限されず、公知のタンパク質用の還元剤が使用でき、例えば、ジチオトレイトール(DTT)、β−メルカプトエタノール、システイン、グルタチオン等があげられる。前記還元剤は、例えば、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記還元剤の濃度は、例えば、0.001〜0.005mol/Lである。前記還元剤は、例えば、後述する平衡化液、洗浄液、および溶出液に含まれてもよい。
前記塩は、特に制限されず、例えば、塩析に使用可能な塩があげられる。前記塩は、例えば、クエン酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物塩等があげられる。具体例として、前記塩は、例えば、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム等があげられ、好ましくは、硫酸アンモニウムである。前記塩は、例えば、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
陽イオン交換クロマトグラフィーの充填剤(第1の充填剤)は、特に制限されず、公知の陽イオン交換クロマトグラフィー用の充填剤を使用できる。前記第1の充填剤は、例えば、担体と官能基とを含む。前記担体は、特に制限されず、前記官能基の種類に応じて、適宜設定できる。前記担体は、例えば、スチレンビーズ、アガロースビーズ(例えば、セファロース)、シリカ、デキストラン、ポリマー樹脂等があげられる。前記担体の径は、例えば、20〜300μmである。前記官能基は、特に制限されず、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、スルホメチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基等があげられ、好ましくは、スルホプロピル基である。具体例として、前記第1の充填剤は、例えば、TOYOPEARL(登録商標)SP-550、TOYOPEARL(登録商標)SP-650(東ソー株式会社製)、SP Sepharose Fast Flow(GEヘルスケア社製)等があげられる。
疎水性相互作用クロマトグラフィー充填剤(第2の充填剤)は、特に制限されず、公知の疎水性相互作用クロマトグラフィー用の充填剤を使用できる。前記第2の充填剤は、例えば、担体と疎水性リガンドとを含む。前記担体は、例えば、前述の第1の充填剤における担体の説明を援用できる。前記疎水性リガンドは、特に制限されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖または分枝アルキル基、フェニル基等のアリール基、ポリプロピレングリコール基等があげられ、好ましくは、ブチル基である。具体例として、前記第2の充填剤は、例えば、TOYOPEARL(登録商標)Butyl-600、TOYOPEARL(登録商標)Butyl-650(東ソー株式会社製)、Butyl-S Sephalose Fast Flow(GEヘルスケア社製)等があげられる。
以下、本発明の精製方法の各工程について、説明する。各工程において使用する試薬等は、例えば、動物由来成分を含まない試薬、いわゆるアニマルフリーグレードの試薬を使用してもよい。
本発明の精製方法は、前記粗精製工程に先立ち、前記粗精製工程で使用するbFGFサンプルを調製する工程(サンプル調製工程)を含んでもよい。前記サンプル調製工程は、例えば、bFGF遺伝子が形質導入された大腸菌を培養し、前記大腸菌にbFGFを発現させる工程と、得られたbFGFを発現する大腸菌からbFGFを含むサンプルを調製する工程とを含む。
前記bFGFが形質導入された大腸菌は、例えば、大腸菌にbFGF遺伝子を形質導入することで取得できる。このため、本発明の精製方法は、例えば、前記大腸菌にbFGF遺伝子を形質導入する工程を含んでもよい。
前記bFGF遺伝子がコードするbFGFのアイソフォームは、特に制限されず、例えば、前述のbFGFのいずれのアイソフォームでもよい。前記bFGF遺伝子の由来は、特に制限されず、例えば、前記bFGFの説明を援用できる。具体例として、前記bFGF遺伝子は、例えば、下記(b1)〜(b6)および(b7)からなる群から選択された少なくとも1つのポリヌクレオチドがあげられる。下記(b1)〜(b6)および(b7)において、前記線維芽細胞は、例えば、Balb/3T3 clone A31細胞である。
(b1)配列番号7〜11および12からなる群から選択された少なくとも1つの塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b2)前記(b1)の塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(b3)前記(b1)の塩基配列に対して、所定の同一性を有する塩基配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(b4)前記(b1)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに、相補的な塩基配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(b5)配列番号1〜5および6からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(b6)配列番号1〜5および6からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
(b7)配列番号1〜5および6からなる群から選択された少なくとも1つのアミノ酸配列に対して、所定の同一性を有するアミノ酸配列からなり、線維芽細胞の増殖活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド
配列番号7〜11および12の塩基配列は、以下の通りである。配列番号7〜11および12の塩基配列は、それぞれ、前記配列番号1〜5および6のアミノ酸配列からなるbFGF アイソフォームのコード配列である。前記(b1)は、例えば、ヒトから得ることができる。
bFGF アイソフォーム 16.5KDa cDNA(配列番号7)
5’-atgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
bFGF アイソフォーム 18KDa cDNA(配列番号8)
5’-atggcagccgggagcatcaccacgctgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
bFGF アイソフォーム 22KDa cDNA(配列番号9)
5’-ctggggggccggggccggggccgtgccccggagcgggtcggaggccggggccggggccgggggacggcggctccccgcgcggctccagcggctcggggatcccggccgggccccgcagggaccatggcagccgggagcatcaccacgctgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
bFGF アイソフォーム 22.5KDa cDNA(配列番号10)
5’-ctgccgggcgggaggctggggggccggggccggggccgtgccccggagcgggtcggaggccggggccggggccgggggacggcggctccccgcgcggctccagcggctcggggatcccggccgggccccgcagggaccatggcagccgggagcatcaccacgctgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
bFGF アイソフォーム 24KDa cDNA(配列番号11)
5’-ctgggggaccgcgggcgcggccgcgcgctgccgggcgggaggctggggggccggggccggggccgtgccccggagcgggtcggaggccggggccggggccgggggacggcggctccccgcgcggctccagcggctcggggatcccggccgggccccgcagggaccatggcagccgggagcatcaccacgctgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
bFGF アイソフォーム 34KDa cDNA(配列番号12)
5’-ctggtgggtgtggggggtggagatgtagaagatgtgacgccgcggcccggcgggtgccagattagcggacgcggtgcccgcggttgcaacgggatcccgggcgctgcagcttgggaggcggctctccccaggcggcgtccgcggagacacccatccgtgaaccccaggtcccgggccgccggctcgccgcgcaccaggggccggcggacagaagagcggccgagcggctcgaggctgggggaccgcgggcgcggccgcgcgctgccgggcgggaggctggggggccggggccggggccgtgccccggagcgggtcggaggccggggccggggccgggggacggcggctccccgcgcggctccagcggctcggggatcccggccgggccccgcagggaccatggcagccgggagcatcaccacgctgcccgccttgcccgaggatggcggcagcggcgccttcccgcccggccacttcaaggaccccaagcggctgtactgcaaaaacgggggcttcttcctgcgcatccaccccgacggccgagttgacggggtccgggagaagagcgaccctcacatcaagctacaacttcaagcagaagagagaggagttgtgtctatcaaaggagtgtgtgctaaccgttacctggctatgaaggaagatggaagattactggcttctaaatgtgttacggatgagtgtttcttttttgaacgattggaatctaataactacaatacttaccggtcaaggaaatacaccagttggtatgtggcactgaaacgaactgggcagtataaacttggatccaaaacaggacctgggcagaaagctatactttttcttccaatgtctgctaagagctga-3’
前記(b2)において、「1または数個」は、例えば、前記(b2)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、前記線維芽細胞の増殖活性を有する範囲であればよい。前記(b2)の「1もしくは数個」は、前記(b1)の塩基配列において、例えば、1〜174個、1〜131個、1〜87個、1〜43個、1〜35個、1〜27個、1〜18個、1〜9個、1〜4個、1〜3個、1または2個である。
前記(b3)において、「所定の同一性」は、例えば、前記(b3)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、前記線維芽細胞の増殖活性を有する範囲であればよい。前記(b3)の同一性は、前記(b1)の塩基配列に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
前記(b4)において、「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」は、例えば、前記(b1)のポリヌクレオチドに対して、完全または部分的に相補的なポリヌクレオチドである。前記ハイブリダイズは、例えば、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出できる。前記ハイブリダイゼーションアッセイは、特に制限されず、例えば、ザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載されている方法を採用することもできる。
前記(b4)において、「ストリンジェントな条件」は、例えば、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件、高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。ストリンジェンシーの程度は、当業者であれば、例えば、温度、塩濃度、プローブの濃度および長さ、イオン強度、時間等の条件を適宜選択することで、設定可能である。「ストリンジェントな条件」は、例えば、前述したザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載の条件を採用することもできる。
前記(b5)のポリヌクレオチドは、例えば、前記(b5)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、前記線維芽細胞の増殖活性を有する塩基配列であればよい。前記(b5)のポリヌクレオチドの塩基配列は、例えば、前記配列番号1〜5および6のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能である。
前記(b6)において、アミノ酸配列に関する「1もしくは数個」は、例えば、前記(b6)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、前記線維芽細胞の増殖活性を有する範囲であればよい。前記(b6)の「1もしくは数個」は、例えば、前記配列番号1〜5および6のアミノ酸配列において、例えば、1〜58個、1〜44個、1〜29個、1〜15個、1〜12個、1〜9個、1〜6個、1〜3個、1個または2個である。
前記(b7)において、アミノ酸配列に関する「所定の同一性」は、例えば、前記(b7)のポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質が、前記線維芽細胞の増殖活性を有する範囲であればよい。前記(b7)の同一性は、前記配列番号1〜5および6のアミノ酸配列に対して、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
前記大腸菌へのbFGF遺伝子の導入方法は、特に制限されず、公知の方法により実施できる。前記導入方法は、例えば、パーティクルガン等の遺伝子銃による導入法、リン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、リポソームを用いるリポフェクション法、エレクトロポレーション法、超音波核酸導入法、DEAE−デキストラン法、微小ガラス管等を用いた直接注入法、カチオニックリポソーム法、導入補助剤を用いる方法等があげられる。
前記bFGF遺伝子は、例えば、前記bFGFをコードするポリヌクレオチドにより、前記大腸菌に導入されてもよいし、前記bFGFをコードするポリヌクレオチドを含むベクターにより前記大腸菌に導入されてもよい。前記ベクターは、特に制限されず、公知のベクターが使用できる。前記ベクターは、例えば、調節配列を有することが好ましい。前記調節配列は、例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル配列、複製起点配列(ori)等があげられる。前記大腸菌等の細菌に形質転換を行う場合、前記ベクターは、例えば、pETDuet−1ベクター(ノバジェン社)、pET−3a(ノバジェン社)、pQE−80Lベクター(QIAGEN社)等があげられる
前記大腸菌の培養は、例えば、培地で培養することにより実施できる。前記大腸菌の培養に使用する培地は、例えば、固体培地、液体培地等、従来公知の培地を適宜使用できる。前記培地は、例えば、市販培地を含んでもよい。前記市販培地としては、特に制限されず、例えば、LB培地、スーパーブロス培地、M9培地等が挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記培地のpHは、特に制限されず、例えば、pH6〜8、pH6.5〜7.5である。前記培地は、例えば、前記bFGFの発現誘導剤を含んでもよい。前記発現誘導剤は、特に制限されず、前記bFGF遺伝子のプロモーターに応じて適宜決定できる。具体例として、前記プロモーターとしてlacプロモーターを使用する場合、前記発現誘導剤は、例えば、イソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG)等が使用できる。
前記大腸菌の培養方法は、特に制限されず、前記固体培地を用いた場合には、例えば、平板培養法、斜面培養法等があげられる。また、前記液体培地を用いた場合にも、特に制限されず、例えば、静置培養法、通気培養法、振とう培養法等があげられる。
前記大腸菌の培養温度は、特に制限されず、例えば、15〜40℃、30〜37℃等があげられる。前記大腸菌の培養時間は、特に制限されず、例えば、前記大腸菌を含む培養液の吸光度により決定できる。前記吸光度は、例えば、OD600=0.4〜0.8である。
前記bFGFを含むサンプルの調製方法は、特に制限されない。前記調製方法は、例えば、前記bFGF発現大腸菌を前記bFGFサンプルとして調製してもよいし、前記bFGF発現大腸菌を破砕することで得られた破砕物を前記bFGFサンプルとして調製してもよいし、前記破砕物の液体画分を前記bFGFサンプルとして調製してもよい。前記bFGF発現大腸菌の破砕方法は、特に制限されず、公知の破砕方法が使用でき、例えば、ガラスビーズによる破砕、フレンチプレス、超音波処理、リゾチウム処理、凍結融解処理等の破砕方法があげられる。前記液体画分を回収する場合、前記液体画分の回収方法は、特に制限されず、例えば、公知の固液分離方法を実施し、得られた液体画分を回収することで実施できる。前記固液分離方法は、例えば、ろ過処理、遠心分離処理、沈殿処理、膜分離処理、吸着処理、凍結乾燥処理等の処理方法があげられる。前記bFGF発現大腸菌は、例えば、前記大腸菌を培養した培地を含んでもよい。
つぎに、前記粗精製工程では、前述のように、前記bFGFサンプルを陽イオン交換クロマトグラフィーに供し、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する。具体的に、前記粗精製工程は、例えば、前記bFGFサンプルを前記第1の充填剤と接触させ、前記bFGFと前記第1の充填剤とを結合させる工程と、第1の洗浄液により、前記bFGFと前記第1の充填剤との結合物を洗浄する工程と、第1の溶出液により、前記結合物から前記bFGFを解離させ、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する工程とを含む。
前記bFGFサンプルと前記充填剤との接触は、例えば、前記第1の充填剤を第1のカラムに充填し、前記第1のカラムに前記bFGFサンプルを負荷することで実施できる。前記第1のカラムの容量、材質等は、特に制限されず、例えば、前記第1の充填剤の種類、充填量等に応じて適宜決定できる。前記第1のカラムに充填する前記第1の充填剤の充填量は、特に制限されず、例えば、前記bFGFサンプルの量、前記第1の充填剤の結合容量等に応じて、適宜決定できる。前記第1の充填剤を含む第1のカラムは、例えば、前記bFGFサンプルの負荷に先立ち、第1の平衡化液により、前記第1の充填剤を平衡化してもよい。前記平衡化は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、2〜10℃、4〜8℃の前記第1の平衡化液を用いて実施する。前記平衡化液は、例えば、前記第1の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の平衡化液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5である。前記第1の平衡化液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液の濃度は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第1の平衡化液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、塩化ナトリウムである。前記第1の洗浄液における塩濃度は、例えば、0.1〜0.4mol/L、0.2〜0.4mol/Lである。
前記bFGFサンプルの負荷後、例えば、前記第1の洗浄液を前記第1のカラムに負荷し、前記bFGFと前記第1の充填剤との結合物を洗浄する。前記洗浄は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、2〜10℃、4〜8℃の前記第1の洗浄液を用いて実施する。前記第1の洗浄液は、例えば、前記第1の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の洗浄液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5である。前記第1の洗浄液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液のモル数は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第1の洗浄液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、塩化ナトリウムである。前記第1の洗浄液における塩濃度は、例えば、前記第1の平衡化液における塩濃度と同じ濃度でもよく、具体的には、0.1〜0.4mol/L、0.2〜0.4mol/Lである。
前記洗浄後、例えば、前記第1の溶出液を前記第1のカラムに負荷し、前記結合物から前記bFGFを解離させ、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する。前記粗精製サンプルは、例えば、前記第1の溶出液で溶出された溶液の一部を取得してもよいし、全部を取得してもよい。前者の場合、例えば、前記第1の溶出液により溶出された溶液を複数の画分に分画し、前記bFGFを含む画分を前記粗精製サンプルとして取得する。前記粗精製サンプルの取得は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、2〜10℃、4〜8℃の前記第1の溶出液を用いて実施する。前記第1の溶出液は、例えば、前記第1の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の溶出液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5ある。前記第1の溶出液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液のモル数は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第1の溶出液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、塩化ナトリウムである。前記第1の溶出液における塩濃度は、例えば、前記第1の洗浄液における塩濃度より高い濃度であり、具体的には、0.5〜2mol/L、0.6〜0.8mol/Lである。
つぎに、前記塩濃度調整工程では、前述のように、前記粗精製サンプルの塩濃度を調整する。前記調整は、特に制限されず、例えば、前記粗精製サンプルへの前記塩の添加、前記粗精製サンプルの希釈等により実施できる。前記塩の添加は、例えば、前記塩を含む溶液の添加でもよい。前記塩濃度は、例えば、前記塩濃度調整工程において添加した塩由来の塩の濃度でもよいし、前記調整前に粗精製サンプルに存在する塩と調整時に添加した塩との両者由来の塩の濃度でもよい。前記調整サンプルにおける塩濃度は、1.5mol/Lを超えればよく、例えば、前記夾雑物を効率良く析出でき、且つより収率よくbFGFを精製できることから、好ましくは、2.5mol/L以下、2.3mol/L以下であり、前記夾雑物をより効率良く析出でき、且つ前記bFGFをより収率よく精製できることから、より好ましくは、1.5mol/Lを超え、2.5mol/L以下、1.8〜2.5mol/L、1.8〜2.3mol/L、2.1〜2.3mol/L、1.8〜2.1mol/Lである。前記塩濃度は、例えば、1種類の塩の塩濃度でもよいし、2種類以上の塩の塩濃度の合計の塩濃度でもよい。具体例として、前記塩として硫酸アンモニウムを添加する場合、前記調整サンプルにおける硫酸アンモニウムの濃度は、例えば、1.8〜2.3mol/L、1.8〜2.1mol/L、1.8〜2mol/Lである。また、前記調整サンプルが前記塩として塩化ナトリウムおよび硫酸アンモニウムを含む場合、前記調整サンプルにおける塩化ナトリウムの濃度は、例えば、0.2〜0.4mol/Lであり、硫酸アンモニウムの濃度は、例えば、1.8〜2.3mol/L、1.8〜2.1mol/L、1.8〜2mol/Lである。
つぎに、前記bFGF取得工程では、前述のように、前記調整サンプルを疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、精製bFGFを取得する。具体的に、前記bFGF取得工程は、例えば、前記調整サンプルを前記第2の充填剤と接触させ、bFGFと前記第2の充填剤とを結合させる工程と、第2の洗浄液により、前記bFGFと前記第2の充填剤との結合物を洗浄する工程と、第2の溶出液により、前記結合物から前記bFGFを解離させ、精製bFGFを取得する工程とを含む。
前記調整サンプルと前記充填剤との接触は、例えば、前記第2の充填剤を第2のカラムに充填し、前記第2のカラムに前記調整サンプルを負荷することで実施できる。前記第2のカラムの容量、材質等は、特に制限されず、例えば、前記第2の充填剤の種類、充填量等に応じて適宜決定できる。前記第2のカラムに充填する前記第2の充填剤の充填量は、特に制限されず、例えば、前記調整サンプルの量、前記第2の充填剤の結合容量等に応じて、適宜決定できる。前記第2の充填剤を含む第2のカラムは、例えば、前記調整サンプルの負荷に先立ち、第2の平衡化液により、前記第2の充填剤を平衡化してもよい。前記平衡化は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、10〜30℃、15〜25℃の前記第2の平衡化液を用いて実施する。前記第2の平衡化液は、例えば、前記第2の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第2の平衡化液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5である。前記第2の平衡化液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液の濃度は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第2の平衡化液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、硫酸アンモニウムである。前記第2の平衡化液における塩濃度は、例えば、1.5〜2.5mol/L、1.9〜2.1mol/Lである。
前記調整サンプルの負荷後、例えば、前記第2の洗浄液を前記第2のカラムに負荷し、前記bFGFと前記第2の充填剤との結合物を洗浄する。前記洗浄は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、10〜30℃、15〜25℃の前記第2の洗浄液を用いて実施する。前記第2の洗浄液は、例えば、前記第2の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第2の洗浄液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5である。前記第2の洗浄液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液のモル数は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第2の洗浄液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、硫酸アンモニウムである。前記第2の洗浄液における塩濃度は、特に制限されず、例えば、前記第2の平衡化液の塩濃度以下の塩濃度であり、具体的には、1.5mol/Lを超え、2.3mol/L以下、1.8〜2.3mol/L、1.8〜2mol/Lである。
前記洗浄後、例えば、前記第2の溶出液を前記第2のカラムに負荷し、前記結合物から前記bFGFを解離させ、精製bFGFを取得する。前記精製bFGFは、例えば、前記第2の溶出液で溶出された溶液の一部を取得してもよいし、全部を取得してもよい。前者の場合、例えば、前記溶出液により溶出された溶液を複数の画分に分画し、前記bFGFを含む画分を前記精製bFGFとして取得する。前記精製bFGFの取得は、例えば、室温(例えば、25℃前後)条件下で、10〜30℃、15〜25℃の前記第2の溶出液を用いて実施する。前記第2の溶出液は、例えば、前記第2の充填剤の種類に応じて、適宜決定できる。前記第2の溶出液のpHは、例えば、pH6〜8、pH7〜7.5である。前記第2の溶出液は、例えば、緩衝液であり、好ましくは、リン酸緩衝液である。前記緩衝液のモル数は、例えば、0.01〜0.1mol/L、0.01〜0.05mol/Lである。前記第2の溶出液は、例えば、前記塩を含んでもよい。前記塩は、例えば、硫酸アンモニウムである。前記第2の溶出液における塩濃度は、特に制限されず、例えば、前記第2の洗浄液の塩濃度未満の塩濃度であり、具体的には、0.9〜1.4mol/L、1〜1.3mol/Lである。
このようにして、精製bFGFを精製できる。本発明の精製方法により得られるbFGFの純度は、例えば、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記純度は、例えば、SDS−PAGE、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)、質量分析等により測定できる。前記SDS−PAGEを用いて純度を測定する場合、例えば、デンシメトリーにより算出できる。また、前記RP−HPLCおよび前記質量分析を用いて純度を測定する場合、例えば、得られたクロマトチャートの積分値(ピーク面積)に基づき、算出できる。
本発明の精製方法において、前記調整サンプルでは、例えば、前記粗精製サンプルに含まれるbFGF以外の夾雑物が、効率良く析出される。このため、本発明の精製方法は、例えば、前記bFGFの純度をより高くできることから、前記調整サンプルから液体画分を回収する工程を含み、前記精製bFGFの取得工程において、前記液体画分を前記疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、前記精製bFGFを取得してもよい。前記調整サンプルから液体画分を回収する方法は、特に制限されず、例えば、前述の液体画分の回収方法の説明を援用できる。また、前記液体画分から前記精製bFGFを取得する方法は、例えば、前記bFGF工程の説明において、前記調整サンプルに代えて、前記液体画分を用いることにより実施できる。
<bFGFの製造方法>
本発明のbFGFの製造方法(以下、「製造方法」ともいう。)は、前述のように、bFGFを含むサンプルから精製bFGFを精製する工程を含み、前記精製工程が、前記本発明のbFGFの精製方法により実施されることを特徴とする。本発明の製造方法は、前記精製工程が、前記本発明の精製方法により実施されることが特徴であり、その他工程および条件は、特に制限されない。本発明の製造方法によれば、簡便に精製されたbFGFを製造できる。本発明の製造方法において、前記精製工程は、例えば、前記本発明の精製方法の説明を援用できる。
本発明の製造方法において、前記精製工程で得られたbFGFの純度は、特に制限されない。前記純度および純度の測定方法は、例えば、前述の説明を援用できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例により制限されない。
(実施例1)
本発明の精製方法により、bFGFが精製できることを確認した。
(1)bFGFサンプルの調製
ヒト由来cDNAを鋳型として、ヒト由来bFGFの16.5KDaアイソフォーム(配列番号1)をコードする下記ヒトbFGF 16.5KDa cDNA(配列番号7)を増幅後、lacプロモーターを含むベクター(pET−3a、ノバジェン社製)に連結し、bFGF発現ベクターを作製した。前記ベクターは、アンピシリン耐性遺伝子を含む。
大腸菌(T7 Express Lys Y Competent E. Coli(High Efficiency)、NEW ENGLAND Labs Inc.社製)に、前記bFGF発現ベクターを、ヒートショック法により形質導入した。得られた形質転換体を、アンピシリンを含有するLB培地を用いて、OD600=0.6以上となるまで37℃で培養した。さらに、0.2mmol/LとなるようにIPTGを添加し、37℃で3時間培養した。培養した大腸菌を集菌し、溶解バッファーに懸濁し、超音波破砕した。前記超音波破砕は、超音波破砕機(UD−201、TOMY社製)を用い、アウトプット6、Duty比80%の条件で、10分の超音波破砕処理を2回氷上で行なった。また、前記溶解バッファーは、20mmol/L リン酸二水素ナトリウム、0.1mmol/L NaCl、2mmol/L DTT、および1mmol/L PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)を含む緩衝液(pH7.2)とした。そして、20000g、4℃、20分の条件で、遠心分離を行い、得られた上清を回収した。さらに、前記上清を、DISMIC 0.8μmセルロースアセテート膜(ADVANTEC社製)で濾過することにより、bFGFサンプルを調製した。
(2)陽イオン交換クロマトグラフィー
陽イオン交換クロマトグラフィーに使用する充填剤(第1の充填剤)としては、TOYOPEARL(登録商標)SP-550Cを使用した。100mLの前記第1の充填剤を精製水で3回洗浄後、エコノカラム(5.0×10cm、Bio-rad社製、第1のカラム)に充填した。前記第1のカラムに、200mLの第1の平衡化バッファーを負荷し、前記第1のカラムを平衡化した。前記第1の平衡化バッファーは、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムを含む緩衝液(pH7.2)とした。つぎに、前記第1のカラムに、前記bFGFサンプルを負荷した。前記負荷後、800mLの第1の洗浄液を前記第1のカラムに負荷し、洗浄した。前記第1の洗浄液は、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび0.2mol/L NaClを含む緩衝液(pH7.2)とした。さらに、前記第1のカラムに、800mLの第1の溶出液を負荷し、溶出された溶液の全量を、前記粗精製サンプルとして取得した。前記第1の溶出液は、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび0.6mol/L NaClを含む緩衝液(pH7.2)とした。なお、陽イオン交換クロマトグラフィーは、室温(25℃)で行なった。
(3)塩濃度調整
前記粗精製サンプルに、等量の20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび4mol/L 硫酸アンモニウムを含む緩衝液(pH7.2)を添加し、塩として、2mol/L 硫酸アンモニウムを含む調整サンプルを調製した。前記緩衝液の添加後、前記調整サンプルを4℃の条件下で1時間撹拌した。つぎに、前記調整サンプルを20000g、4℃、20分の条件で、遠心分離を行い、得られた上清を回収した。さらに、前記上清を、0.42μmセルロースアセテート膜(ADVANTEC社製)で濾過し、前記調整サンプルの液体画分を調製した。
(4)疎水性相互作用クロマトグラフィー
疎水性相互作用クロマトグラフィーに使用する充填剤(第2の充填剤)としては、TOYOPEARL(登録商標)Butyl-650Mを使用した。前記第2の充填剤を精製水で3回洗浄後、前記エコノカラム(第2のカラム)に充填した。前記第2のカラムに、200mLの第2の平衡化バッファーを負荷し、前記カラムを平衡化した。前記第2の平衡化バッファーは、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび2mol/L 硫酸アンモニウムを含む緩衝液(pH7.2)とした。つぎに、前記第2のカラムに、前記調整サンプルの液体画分を負荷した。なお、前記液体画分を負荷後に前記第2のカラムから得られた液体画分を、フロースルー画分として回収した。前記負荷後、800mLの第2の洗浄液を前記第2のカラムに負荷し、洗浄した。前記第2の洗浄液は、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび1.8mol/L 硫酸アンモニウムを含む緩衝液(pH7.2)とした。さらに、前記第2のカラムに、800mLの第2の溶出液を負荷し、溶出された溶液の全量を、精製bFGFとして取得した。前記第2の溶出液は、20mmol/L リン酸二水素ナトリウムおよび1.3mol/L 硫酸アンモニウムを含む緩衝液(pH7.2)とした。そして、前記精製bFGFについて、限外濾過にて濃縮後、280nmの吸光度に基づき、1mg/mL bFGF(精製サンプル)となるように濃度を調整した。なお、疎水性相互作用クロマトグラフィーは、室温(25℃)で行なった。
(5)精製確認
0.5μgのbFGFを含む精製サンプルについて、等量のサンプルバッファーで懸濁し、5分間煮沸した。前記煮沸後、2μLの煮沸後の精製サンプルについて、17.5% SDS−PAGEゲルを用い、電気泳動した。つぎに、前記ゲルについて、CBB染色液を用い、30分間染色した。前記染色後のゲルを脱色液で脱色した。前記脱色後、前記ゲルを精製水に浸漬し、1時間インキュベートし、バンドの検出を行なった。また、前記精製サンプルに代えて、前記bFGFサンプル、前記粗精製サンプル、前記調整サンプルの液体画分、前記フロースルー画分、およびリコンビナントヒト由来bFGFを用いた以外は同様にして、バンドの検出を行なった。前記サンプルバッファーは、62.5 mmol/L Tris−HCl(pH6.8)、2%(w/v)SDS、25%(w/v)グリセロール、0.01%ブロモフェノールブルーおよび5%(w/v)β−メルカプトエタノールを含む緩衝液とした。
この結果を図1に示す。図1は、前記精製サンプルのSDS−PAGEの結果を示す写真である。図1において、写真の左側および右側が、分子量マーカーの分子量を示し、各レーンは、左から、前記リコンビナントヒト由来bFGF(S)、分子量マーカー(M)、前記bFGFサンプル(L)、前記粗精製サンプル(C)、前記調整サンプルの液体画分(A)、前記フロースルー画分(F)、前記精製サンプル(E)および分子量マーカー(M)の結果である。
図1に示すように、前記bFGFサンプルおよび前記粗精製サンプルでは、約16.5KDa付近のバンド以外に多数のバンドが観察された。また、前記調整サンプルの液体画分では、約16.5KDa付近のバンド以外にバンドがほとんど観察されなかった。これに対し、前記精製サンプルおよび前記リコンビナントbFGFにおいて、約16.5KDa付近にバンドが観察された。これらのバンドは、bFGF 16.5KDaアイソフォームの分子量と近似していた。さらに、前記フロースルー画分では、約16.5KDa付近のバンドがほとんど観察されず、前記疎水性相互作用クロマトグラフィーにおいて、ほぼ全てのbFGFがカラムに吸着していることが確認された。これらの結果から、本発明の精製方法により、収率よくbFGFが精製できることが確認された。
(実施例2)
前記粗精製サンプルの塩濃度の調整により、夾雑物が析出されることを確認した。
前記実施例1と同様にして、調整サンプルを調製後、遠心分離を行った。前記遠心分離後、固体画分を回収し、前記サンプルバッファーに懸濁することにより、前記調整サンプルの固体画分のサンプルを調製した。そして、前記精製サンプルに代えて、前記固体画分のサンプルを用いた以外は同様にして、バンドの検出を行った。また前記精製サンプルに代えて、前記bFGFサンプル、前記リコンビナントヒト由来bFGF、前記粗精製サンプル、および前記精製bFGFを用いた以外は同様にして、バンドの検出を行った。
この結果を図2に示す。図2は、前記固体画分のサンプルのSDS−PAGEの結果を示す写真である。図2において、写真の左側が、分子量マーカーの分子量を示し、各レーンは、左から、前記リコンビナントヒト由来bFGF(S)、分子量マーカー(M)、前記bFGFサンプル(L)、前記粗精製サンプル(C)、前記精製bFGF(I)、および前記固体画分のサンプル(A)の結果である。
図2に示すように、前記精製bFGFおよび前記リコンビナントbFGFにおいて、約16.5KDa付近にバンドが観察され、本発明の精製方法によりbFGFが精製できることが確認された。また、前記bFGFサンプルと前記粗精製サンプルとを比較した場合、前記粗精製サンプルのレーンにおける約16.5KDa付近にバンドの占める割合が上昇し、陽イオン交換クロマトグラフィーにより、粗精製できることが確認された。さらに、前記bFGFサンプルと、前記粗精製サンプルと、前記固体画分のサンプルとを比較した場合、前記固体画分のサンプルにおいて、約16.5KDa付近にバンドは観察されず、逆に、それ以外の領域のバンドの占める割合が上昇していた。これらのことから、前記粗精製サンプルの塩濃度の調整により、前記bFGF以外の夾雑物が析出されることが確認された。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本発明によれば、簡便にbFGFを精製できる。このため、本発明は、例えば、bFGFを使用する生命科学分野、医療分野等において有用といえる。

Claims (12)

  1. bFGFを含むサンプルを陽イオン交換クロマトグラフィーに供し、bFGFを含む粗精製サンプルを取得する工程と、
    前記粗精製サンプルの塩濃度を調整する工程と、
    前記調整後の粗精製サンプルを疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、精製bFGFを取得する工程とを含み、
    前記調整後の粗精製サンプルにおける硫酸アンモニウムの濃度が、mol/Lであることを特徴とする、bFGFの精製方法。
  2. 前記調整後の粗精製サンプルにおける塩化ナトリウムの濃度が、0.3mol/Lである、請求項1記載のbFGFの精製方法。
  3. 前記陽イオン交換クロマトグラフィーの充填剤の官能基が、スルホプロピル基である、請求項1または2記載のbFGFの精製方法。
  4. 前記疎水性相互作用クロマトグラフィーの充填剤の疎水性リガンドが、ブチル基である、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  5. 前記bFGFを含むサンプルが、還元剤を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  6. 前記調整後の粗精製サンプルから液体画分を回収する工程を含み、
    前記精製bFGFの取得工程において、前記液体画分を前記疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し、前記精製bFGFを取得する、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  7. 前記bFGFを含むサンプルが、bFGFを発現する大腸菌の破砕物である、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  8. 前記bFGFを含むサンプルが、bFGFを発現する大腸菌の破砕物の液体画分である、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  9. bFGF遺伝子が形質導入された大腸菌を培養し、前記大腸菌にbFGFを発現させる工程と、
    得られたbFGFを発現する大腸菌からbFGFを含むサンプルを調製する工程とを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  10. 大腸菌にbFGF遺伝子を形質導入する工程を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のbFGFの精製方法。
  11. bFGFを含むサンプルから精製bFGFを取得する工程を含み、
    前記精製工程が、請求項1から10のいずれか一項に記載のbFGFの精製方法により実施されることを特徴とする、bFGFの製造方法。
  12. 前記精製工程で得られたbFGFの純度が、96%以上である、請求項11記載のbFGFの製造方法。
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