JP6547696B2 - 燃料電池用電極触媒及びその製造方法並びに燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極触媒の製造方法、及び燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料を補充することにより継続的に電力を取り出すことができ、且つ環境への負担が小さい発電装置である。近年の地球環境保護への関心の高まりにより、燃料電池には大きな期待が寄せられている。また、燃料電池は発電効率が高く、システムの小型化が可能であるため、パソコンや携帯電話等の携帯機器、自動車や鉄道等の車両等の様々な分野での利用が期待されている。
燃料電池は、一対の電極(カソード及びアノード)及び電解質から構成されており、当該電極は、担体、及び当該担体に担持された触媒金属からなる電極触媒を含んでいる。従来の燃料電池における触媒金属としては一般的に白金又は白金合金が使用されている。白金は希少な資源であるため、白金の使用量を低減するために電極触媒の活性を向上させることが求められている。
特に、カソード反応は、アノード反応と比較して、反応速度が遅いため、カソードにはより多くの白金が必要とされる。従って、カソード反応、即ち酸素還元反応(ORR)の活性を向上させる取り組みが行われている。
例えば、非特許文献1は、HPtCl・6HO、Y(NO・6HO、カーボン担体(C)、及びメタノールと脱イオン水との混合溶媒(1:80,v/v)を混合し、還元剤(NaBH)を添加し、水素雰囲気下で焼成することによって、PtY/C触媒及びPtY/C触媒を製造する方法を開示している。非特許文献1は、PtY/C触媒及びPtY/C触媒が、Pt/C触媒と比較して、酸素還元反応において高い比活性を有することを開示している。ただし著者らも報告しているように本文献で調製された触媒中にY成分が含まれているという実験的証拠はXRD分析結果から得られておらず、ここでいうPtY、PtYは単に調製時のPt、Y前駆体試料の混合モル比を表すものであって、生成物の組成比を示すものではない。
非特許文献2は、スパッタ法によって、Pt91、Pt8614、Pt7822、Pt7030、及びPt6436の薄膜触媒を製造することを開示している。非特許文献2は、これらの触媒が、Pt触媒と比較して、酸素還元反応において高い比活性を有することを開示している。
非特許文献3は、スパッタ法によって、PtYのナノ粒子触媒をガス拡散層(GDL)上に形成することを開示している。非特許文献3は、PtY触媒が、Pt触媒と比較して、酸素還元反応において高い比活性を有することを開示している。
非特許文献4は、スパッタ法によって、PtY及びPtYの薄膜触媒を製造することを開示している。非特許文献4は、これらの触媒が、Pt触媒と比較して、酸素還元反応において高い比活性を有することを開示している。
非特許文献5は、スパッタ法によって、PtYのナノ粒子触媒を製造することを開示している。非特許文献5は、PtY触媒が、Pt触媒と比較して、酸素還元反応において高い比活性を有することを開示している。
特許文献1は、白金及びイットリウムを導電性担体に担持した燃料電池用触媒を開示している。前記燃料電池用触媒の製造方法として、特許文献1は、導電性担体、白金含有溶液、及びイットリウム含有溶液を水溶液中で混合し、塩基性条件下で還元剤を添加し、水素雰囲気下で焼成することを開示している。特許文献1の製造方法によって得られた燃料電池用触媒における金属の組成比として、白金が76.5atom%であり、イットリウムが23.5atom%であることが開示されている。
特開2015−185428号公報
Journal of Power Sources, 196(2011), 1127-1131 Chem. Commun., 2011, 47, 11414-11416 International Journal of Hydrogen Energy, 37(2012), 9758-9765 ChemCatChem 2012, 4, 341-349 Nature Chemistry,2014, 6, 732-738
白金と遷移金属との合金触媒においては、白金の遷移金属に対する原子比(Pt/遷移金属)を3〜10程度とするか、或いは遷移金属を9〜25原子%程度まで高くしないと、触媒活性は向上しない。しかし、このような合金触媒を燃料電池中で長期間使用すると、遷移金属がカチオンとして溶出し、これがプロトン伝導を阻害してしまう。また、高温条件下ではプロトン伝導が律速となるため、遷移金属がカチオンとして溶出することは高温性能を低下させる原因ともなる。
合金触媒に加えて、パラジウムをコアとし、白金をシェルとするコアシェル触媒も開発されている。しかし、コアシェル触媒においても、白金シェルの欠陥部からパラジウムがカチオンとして溶出することによって、合金触媒と同様の問題を生じる。
従って、本発明は、触媒活性の向上とカチオン溶出の抑制とを両立した触媒の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に鑑み、本発明者等が鋭意検討した結果、イットリウムは微量であっても白金の活性を向上させることを見出した。イットリウムが微量であると、これがカチオンとして溶出しにくくなるため、プロトン伝導の阻害を回避することができる。目的の触媒は、非水溶媒を使用して白金及びイットリウムを担体に担持させた後、酸処理することによって製造することができる。
本発明の実施形態として以下のものを挙げることができる。
[1]
非水溶媒を使用して白金及びイットリウムを担体に担持させる担持工程;及び
白金及びイットリウムが担持された担体を酸処理する酸処理工程;
を含む、燃料電池用電極触媒の製造方法。
[2]
担持工程が、非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物にマイクロ波を照射することを含む、[1]に記載の製造方法。
[3]
担持工程が、
非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物から非水溶媒を例えば濾過又は蒸留で除去すること、及び
非水溶媒が除去された混合物を水素雰囲気下で熱処理すること、
を含む、[1]に記載の製造方法。
[4]
酸処理工程により、燃料電池用電極触媒における白金のイットリウムに対する原子比(Pt/Y)を100〜250にする、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法により製造される燃料電池用電極触媒。
[6]
[5]に記載の燃料電池用電極触媒を含む燃料電池。
本発明によれば、触媒活性の向上とカチオン溶出の抑制とを両立した触媒の製造方法を提供することができる。
PtCo触媒における金属成分比(原子比)と質量活性(MA)との関係を示す。 酸処理前後の触媒(比較例4〜6及び実施例1〜3)の拡大TEM写真を示す。 酸処理前後の触媒(比較例4及び実施例1)のTEM写真及びTEM−EDS分析結果を示す。 酸処理前後の触媒(比較例5及び実施例2)のTEM写真及びTEM−EDS分析結果を示す。 酸処理前後の触媒(比較例6及び実施例3)のTEM写真及びTEM−EDS分析結果を示す。 酸処理前後の触媒(比較例4及び実施例1、比較例5及び実施例2)のXRD分析結果を示す。 酸処理前後の触媒(比較例6及び実施例3)のXRD分析結果を示す。 酸処理後の触媒(実施例3)におけるPt及びYの分布状態を示す。 酸処理前の触媒(比較例4〜6)のXPS分析結果を示す。 酸処理前の触媒(比較例6)を所定の温度で加熱したサンプルのXRD分析結果を示す。 4%H/Ar中で硝酸イットリウム六水和物を加熱したTG−DTAチャートを示す。 4%H/Ar中、800℃で硝酸イットリウム六水和物を加熱したサンプルのXRD分析結果を示す。 Yの電位−pH線図を示す。
以下、本発明について説明する。なお、本明細書は、実験結果から想定される現象についても言及するが、本発明の範囲は当該現象に基づいて限定されるものではない。即ち、本明細書に記載された想定現象と異なる現象が生じていたとしても、特許請求の範囲に記載された発明の発明特定事項を満たしている行為は本発明の範囲に包含される。
本発明の一実施形態は、担持工程及び酸処理工程を含む燃料電池用電極触媒の製造方法に関する。本発明の別の実施形態は、前記製造方法により製造される燃料電池用電極触媒に関する。
以下、燃料電池用電極触媒の製造方法における担持工程及び酸処理工程について説明する。
<担持工程>
担持工程は、非水溶媒を使用して白金及びイットリウムを担体に担持させる工程である。担持工程により、少量のイットリウムが白金と合金を形成して担体に担持される。残りのイットリウムは、合金を形成することなく、酸化物の形態で担体に担持される。従来法における水溶液中での担持工程では、イットリウムは水酸化物として担体に担持されるが、本実施形態のように非水溶媒を使用するとイットリウムは酸化物として担体に担持される。
非水溶媒としては、例えば、有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒としては、140℃以上の沸点の1価アルコール(例えば、炭素鎖が7以上のヘプチルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ドデシルアルコール)やアルコール性水酸基を2つ以上有する多価アルコール(炭素原子数は特に限定されず、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン)等を使用することができる。
白金源としては、白金を含有する化合物であれば特に限定されない。例えば、ジアンミンジニトロ白金(II)硝酸溶液、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物、テトラクロロ白金(II)酸カリウム、ヘキサアンミン白金(IV)クロライド溶液、テトラアンミン白金(II)クロライド、テトラアンミン白金(II)水酸塩溶液を挙げることができる。
イットリウム源としては、イットリウムを含有する化合物であれば特に限定されない。例えば、酢酸イットリウム四水和物、硝酸イットリウム六水和物、トリス(アセチルアセトナト)イットリウム(III)三水和物、塩化イットリウム(III)(無水)、塩化イットリウム(III)(六水和物)、オクタン酸イットリウム(III)、過塩素酸イットリウム(III)(九水和物)、ギ酸イットリウム(III)(n水和物)、クエン酸イットリウム(III)(n水和物)、ステアリン酸イットリウム(III)、炭酸イットリウム(III)(n水和物)、ナフテン酸イットリウム(III)、プロピオン酸イットリウム(III)(n水和物)、ラウリン酸イットリウム(III)を挙げることができる。
担体としては、燃料電池用電極触媒において一般的に使用されている担体を挙げることができる。例えば、カーボン担体として、ライオン製 KetjenEC、キャボット製 VULCAN XC−72、デンカ製 OSAB、CA250、AB、SAB、SN2A製 YS、東海カーボン製 トーカブラック等のカーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛化カーボン、又はこれらカーボンを酸若しくは空気等で賦活したカーボンを挙げることができる。
白金源及びイットリウム源の使用量は、以下で説明する酸処理工程においてイットリウムの大部分が除去されることを考慮して決定される。当業者であれば、酸処理工程を介して目的とする触媒組成を達成できるように、白金源及びイットリウム源の使用量を適宜決定することが可能である。
担持工程の一態様としては、非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物にマイクロ波を照射することを挙げることができる。マイクロ波照射の条件は、白金及びイットリウムを担体に担持できれば特に限定されないが、例えば、約200W〜約800Wで約10分〜約90分、約300W〜約600Wで約20分〜約60分、約400Wで約30分を挙げることができる。マイクロ波加熱によって触媒金属と担体との間の密着性が向上することが最終的に得られる触媒の高活性化に寄与していることが想定される。
担持工程の別の態様としては、非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物から非水溶媒を例えば濾過又は蒸留で除去し、非水溶媒が除去された混合物を水素雰囲気下で熱処理することを挙げることができる。熱処理の条件は、白金及びイットリウムを担体に担持できれば特に限定されないが、例えば、約200℃〜約1000℃で約1時間〜約6時間、約400℃〜約800℃で約1.5時間〜約4時間、約600℃で約2時間を挙げることができる。
本明細書において「約」とは、明示された数字±10%の範囲を意味する。
<酸処理工程>
酸処理工程は、担持工程において白金及びイットリウムが担持された担体を酸で処理する工程である。酸処理工程により、白金と合金を形成している少量のイットリウムを残存させながら、合金を形成していないイットリウム酸化物が除去される。合金を形成しているイットリウムは少量であっても触媒の活性を向上させることができる。また、合金を形成していない大部分のイットリウム酸化物は除去されるため、燃料電池中においてイットリウムが溶出しにくくなり、結果としてプロトン伝導の阻害を回避することができる。これにより、触媒活性の向上とカチオン溶出の抑制とを両立した触媒が製造される。
酸としては、イットリウム酸化物を溶解できるものであれば特に限定されない。例えば、無機酸(例えば、硝酸、塩酸、硫酸)を挙げることができる。
酸処理により、触媒における白金のイットリウムに対する原子比(Pt/Y)を100〜250にすることが好ましい。このような原子比とすることにより、触媒活性の向上とカチオン溶出の抑制とが良好に達成される。
酸処理の条件は、合金を形成していないイットリウム酸化物を除去して、目的とするPt/Y(原子比)が達成できれば特に限定されないが、例えば、約40℃〜約80℃で約0.5時間〜約24時間を挙げることができる。
驚くべきことに、本実施形態のように担持された酸化物の形態のイットリウムを除去した場合と、従来法のように担持された水酸化物の形態のイットリウムを除去した場合とでは、最終的に得られた触媒におけるPt/Y(原子比)が同じであっても活性が大きく相違した。マイクロ波加熱で合成した触媒の活性が高い主要な原因は、マイクロ波加熱ではカーボン担体がマイクロ波を吸収して表面が局所的に加熱されるために、イットリウム酸化物を含むPt触媒と担体との間の密着性が向上し、そのために酸処理によりイットリウム酸化物を除去した後も触媒活性の向上に必要な触媒と担体との間の高い密着性が保持されることにあると想定される。
<燃料電池>
本発明の更なる実施形態は、前記電極触媒を含む燃料電池に関する。電極触媒はアイオノマと組み合わせて電極とすることができる。燃料電池は、一対の電極(カソード及びアノード)と電解質膜とからなる膜電極接合体(MEA)を一対のセパレータで挟持した単セルを積み重ねたセルスタックから構成される。
前記電極触媒を含む電極は、カソードとして使用してもよいし、アノードとして使用してもよいし、カソード及びアノードの両方として使用してもよい。
アイオノマとしては、例えば、Du Pont社製のNafion(登録商標)DE2020、DE2021、DE520、DE521、DE1020及びDE1021、並びに旭化成ケミカルズ(株)製のAciplex(登録商標)SS700C/20、SS900/10及びSS1100/5を挙げることができる。
燃料電池としては、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)、りん酸形燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)、直接形燃料電池(DFC)を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<触媒調製>
[実施例1]
エチレングリコール(50ml)に、空気中540℃で5時間処理したアセチレンブラック(0.06g、SN2A製YS)を添加し、超音波で30分間分散させた。KOHのエチレングリコール溶液を更に添加し、攪拌しながらArガスを30分間バブリングさせた。酢酸イットリウム四水和物[(CHCOO)Y・4HO]のエチレングリコール溶液及びジニトロジアンミン白金硝酸溶液を更に添加した。エチレングリコール(50ml)中のKOH、酢酸イットリウム四水和物、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の濃度は、それぞれ12mM、2mM、6mMであった。攪拌及びArガスのバブリングを行いながら、マイクロ波(400W)を30分間照射し、加熱還流した。前記マイクロ波を2分間照射した時点で、溶液の温度はエチレングリコールの沸点(197℃)に到達した。水冷後、懸濁液を遠沈管に移し、蒸留水を添加し、遠心分離を行い、上澄みを除去した。再度、蒸留水を添加し、遠心分離を行い、上澄みを除去する操作を2回繰り返した。得られた固形分に蒸留水を添加し、吸引濾過を行い、乾燥器で空気中80℃で21時間乾燥させた後、乳鉢で粉砕し、触媒を得た。
得られた触媒を、硝酸(0.1〜2N)を用いて40〜80℃で0.5〜24時間、酸処理し、乾燥し、粉砕した。
[実施例2]
酢酸イットリウム四水和物の量を5mMに変更し、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の量を(Ptとして)5mMに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、触媒を得た。
[実施例3]
酢酸イットリウム四水和物の量を5mMに変更し、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液の代わりにビス(アセチルアセトナト)白金(II)[Pt(C]を(Ptとして)5mM使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行ない、触媒を得た。
[実施例4]
アセトン(150ml)に、空気中540℃で5時間処理したアセチレンブラック(0.7g、SN2A製YS)を添加し、攪拌した。ビス(アセチルアセトナト)白金(II)(0.66g)のアセトン溶液、及び硝酸イットリウム六水和物[Y(NO・6HO](0.22g)のアセトン溶液を更に添加し、超音波で分散させ、2時間攪拌した。アセトンをエバポレーターで除去し、風乾した。2%H/Ar雰囲気下、600℃で2時間、熱処理し、触媒を得た。
得られた触媒を、硝酸(0.1〜2N)を用いて40〜80℃で0.5〜24時間、酸処理し、乾燥し、粉砕した。
[比較例1]
空気中540℃で5時間処理したアセチレンブラック(12g、SN2A製YS)に硝酸水溶液(0.1N、1500g)を添加し、分散させた。ジニトロジアンミン白金硝酸溶液(Ptとして8g)、及びエタノール(99.5%、100g)を順に更に添加し、十分に攪拌し、60〜90℃で3時間加熱した。分散液を、濾液の導電率が5μS/cm以下となるまで、繰り返し濾過洗浄した。得られた固形分を、80℃で15時間送風乾燥し、Ar雰囲気下、700℃で熱処理し(昇温速度5℃/分、2時間保持)、触媒を得た。
得られた触媒を、硝酸(0.1〜2N)を用いて40〜80℃で0.5〜24時間、酸処理し、乾燥し、粉砕した。
[比較例2]
空気中540℃で5時間処理したアセチレンブラック(10g、SN2A製YS)に蒸留水(1100g)を添加し、分散させた。ジニトロジアンミン白金硝酸溶液(Ptとして10g)、及び硝酸イットリウム六水和物(6.55g)の水溶液を更に添加し、攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム[NaBH](2.59g)の水溶液(1000g)を、pH9.50、酸素還元電位(ORP)−750mV(Ag−AgCl電極基準)となるまで添加した。2時間攪拌後、濾過洗浄し、80℃で15時間送風乾燥した。得られた固形分を、H雰囲気下、700℃で2時間、熱処理し、粉砕し、触媒を得た。
[比較例3]
比較例2において得られた触媒を、硝酸(0.1〜2N)を用いて40〜80℃で0.5〜24時間、酸処理し、乾燥し、粉砕した。
[比較例4]
酸処理を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行ない、触媒を得た。
[比較例5]
酸処理を実施しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作を行ない、触媒を得た。
[比較例6]
酸処理を実施しなかったこと以外は、実施例3と同様の操作を行ない、触媒を得た。
[比較例7]
酸処理を実施しなかったこと以外は、実施例4と同様の操作を行ない、触媒を得た。
[比較例8]
空気中540℃で5時間処理したアセチレンブラック(12g、SN2A製YS)に硝酸水溶液(0.1N、1500g)を添加し、分散させた。ジニトロジアンミン白金硝酸溶液(Ptとして8g)、及びエタノール(99.5%、100g)を順に更に添加し、十分に攪拌し、60〜90℃で3時間加熱した。分散液を、濾液の導電率が5μS/cm以下となるまで、繰り返し濾過洗浄した。得られた固形分を、80℃で15時間送風乾燥し、Ar雰囲気下、700℃で熱処理した(昇温速度5℃/分、2時間保持)。
得られた白金担持担体を純水(担体の量に対して80倍の量)に分散させ、硝酸コバルト六水和物の水溶液を、Pt:Coのモル比が2:1となる量で添加した。水素化ホウ素ナトリウム(Coのモル量の1〜6倍のモル量)の水溶液を添加し、1〜20時間攪拌し、濾液の導電率が5μS/cm以下となるまで繰り返し濾過洗浄した。得られた固形分を、80℃で15時間送風乾燥し、Ar雰囲気下、700℃で熱処理し(昇温速度5℃/分、2時間保持)、合金化した触媒を得た。
得られた触媒を、硝酸(0.1〜2N)を用いて40〜80℃で0.5〜24時間、酸処理し、乾燥し、粉砕した。
<物性及び性能の評価法>
(1)組成分析(表1)
触媒粉末を灰化処理した後、Naで融解し、誘導結合プラズマ(ICP)分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製PS3520)を使用してPt量及びY量を分析する。また、その値を元にPt/Yの原子比を計算で算出する。
(2)TEM観察分析(図2)
TEM装置(日本電子株式会社製JEM−2100F)を使用し、触媒粉末をTEM観察グリッドに採取し、加速電圧200kVで観察及び分析する。
(3)TEM−EDS観察分析(図3、図4、図5)
TEM−EDS装置(日本電子株式会社製JEM−2100F)を使用し、触媒粉末をTEM観察グリッドに採取し、加速電圧200kVで観察及び分析する。
(4)収差補正STEM−EDS観察分析(図8)
STEM−EDS装置(日本電子株式会社製JEM−ARM200F)を使用し、触媒粉末をSTEM観察グリッドに採取し、加速電圧200kVで観察及び分析する。
(5)XRD分析(図6、図7、図10)
XRD装置(株式会社リガク製TTRIII)を使用し、触媒粉末を試料ホルダに採取し、50kV及び300mAで広角測定する。
(6)In−situ TG−DTA分析(図11)
TG−DTA装置(ブルカー・エイエックス株式会社製TG−DTA2020SA)を使用し、所定量の触媒粉末をアルミナパンに採取し、4%H/Ar(200ml/分)流通下、5℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温しながら測定する。
(7)In−situ XRD分析(表2、図12)
XRD装置(株式会社リガク製SmartLab)を使用し、触媒粉末を試料ホルダに採取し、4%H/Ar(100ml/分)流通下、5℃/分の昇温速度で1000℃まで昇温しながら広角測定する。
(8)RDE評価(表1)
回転可能な作用電極に所定量の触媒粉末を塗布する。電解液(0.1N過塩素酸)中で当該作用電極に、参照電極(水素電極)に対する電位を印加し、作用極と対極との間に流れる電流値を測定する。
初めにNガスをバブリングすることにより、電解液中の空気を脱気し、所定の回数の電位掃引により、触媒の表面を清浄化する。次に、サイクリックボルタンメトリ(CV)により、水素吸着波の面積を求め、作用極に塗布した触媒中の白金の量を規格化して電気化学表面積(ECSA)(単位:m/g−Pt)を算出する。
ガスのバブリングに切り替え、電解液中の酸素濃度を飽和させた後、作用極の回転数を変えながら、電位を掃引し、電位−電流曲線を得る。この際に得られる電流が酸素還元電流である。各回転数の電位−電流曲線により、触媒活性が支配する電位0.9Vの電流値を読み取り、白金量で規格化する。作用極の回転数と白金量で規格化した電流値より、Koutecky−Levichプロットを作成する。回転数無限大の外挿値より得られる限界電流密度が質量活性(MA)(単位:A/g−Pt)である。
比活性(SA)は、質量活性(単位:A/g−Pt)を電気化学表面積(単位:m/g−Pt)で除した値であり、白金単位表面積当たりの反応電流値である。比活性は、白金表面の質の指標となる。本明細書では、比活性をμA/cmの単位で表現する。
(9)MEA評価(図1)
電解質膜の両側にアノード及びカソードを設けたMEAの状態で評価を行う。アノードにはPt/C触媒(Pt:0.05mg/cm)を使用し、カソードにはPtCo/C触媒(Pt:0.2mg/cm)を使用する。アノードガス(100%RH H)及びカソードガス(100%RH 空気)を流通させ、その際に流れる、発電反応由来の反応電流値(又は電圧)を測定する。触媒活性の性能を支配する電流−電圧曲線を得た後、0.9Vの電圧時における反応電流値を求める。この反応電流値をカソードの白金の量で規格化することにより、質量活性(単位:A/g−Pt)を求めることができる。
<結果>
実施例及び比較例で得られた触媒の組成及び活性を表1に示す。
Figure 0006547696
(1)比較例8と比較例1との比較
比較例8の触媒はPtCo触媒である。比較例1のPt触媒と比較して、合金効果により質量活性及び比活性が向上した。しかしながら、触媒の使用中にCoが溶出し、プロトン伝導を阻害してしまう。Coの酸化還元電位は−0.28Vであって、カソードの電位と比較して低いため、Coがカチオンとして溶出することは免れない。なお、Niの酸化還元電位は−0.257Vであり、Mnの酸化還元電位は−1.185Vであるため、これらの金属とPtとの合金触媒においても、Ni又はMnは溶出する。
Coの溶出を回避するためには、合金中のCo量を減らす必要がある。しかしながら、Co量を減らすと触媒活性の向上に不可欠な合金効果が減少してしまう(図1)。
(2)実施例1〜4と比較例1との比較
実施例1〜4のPtY触媒は、Y量がPt/Y(原子比)で100〜250の微量であるにも関わらず、比較例1のPt触媒よりも比活性が1.1〜2.1倍高い。一方、図1から理解されるように、PtCo触媒の場合には、Pt/Co(原子比)が100〜250の範囲であると、その質量活性はPt触媒とあまり変わらない。従って、Yは微量であっても効果を発揮することができる。また、Yが微量であるために、Yの溶出によるプロトン伝導の阻害を抑制することができる。
また、マイクロ波を使用した実施例1〜3とH熱処理を施した実施例4を比較すると、実施例4の方が電気化学的表面積(ECSA)が若干大きい。これはマイクロ波照射により触媒粒子が多少凝集するためと考えられる。また、熱処理では温度を変更することで触媒活性を容易に調節できる。
(3)比較例4〜7と実施例1〜4との比較
比較例4〜7のPtY触媒は、実施例1〜4において酸処理を行わずに得た触媒である。酸処理により、実施例1〜4の触媒におけるYの濃度は、比較例1〜4の触媒と比較して、著しく減少している。酸処理により、酸化物として存在していたYが硝酸に溶解したと想定される。
燃料電池触媒は、プロトン伝導体であるアイオノマと混合して電極を形成する。アイオノマはスルホン酸を有する超強酸であるため、硝酸処理によって溶出するYは燃料電池電極中においても同様に溶出し得る。溶出したYは3価のカチオンとなってプロトン伝導を阻害するため、Yの濃度が高い比較例4〜7の触媒は、安定的に性能を維持することはできない。
(4)比較例2及び3について
比較例2の触媒は、水溶液中で担体にPt及びYを担持した後、水素雰囲気下で焼成した触媒である。比較例3の触媒は、比較例2の触媒を更に酸処理した触媒である。比較例2及び3では、pH9.5でYを担持しているため、Yは水酸化物として担持されている。いずれの触媒も実施例の触媒と比較して比活性が低い。
<触媒の分析>
(1)TEM観察(比較例4及び実施例1、比較例5及び実施例2、比較例6及び実施例3)
比較例4及び実施例1の触媒、比較例5及び実施例2の触媒、並びに比較例6及び実施例3の触媒について拡大TEM観察を行い、粒子の分散状態を調べるとともに平均粒径を求めた。それぞれの結果を図2(a)、(b)に示す。実施例1、2、3、比較例4、5、6の全ての場合において、触媒微粒子はカーボン担体上に凝集することなく均一に担持されており、その平均粒径は比較例4の触媒では2.8±0.4nm、実施例1の触媒では2.7±0.4nm、比較例5の触媒では2.7±0.7nm、実施例2の触媒では2.7±0.8nm、比較例6の触媒では3.1±0.7nm、実施例3の触媒では3.1±0.6nmであった。この結果、三つの触媒とも平均粒径は3nm程度であり、酸処理前後で平均粒径の変化はほとんどなかった。
(2)TEM−EDS観察分析(比較例4及び実施例1、比較例5及び実施例2、比較例6及び実施例3)
TEM−EDS分析を行い、Yの存在部位について調査した。
TEM−EDSの定量分析では観察した局所的領域の分析を行っており、ICP分析のような全体組成の分析ではない。それぞれの結果を図3、図4及び図5に示す。図3における比較例4の触媒におけるPt:Y(原子比)は96:4である。実施例1の触媒におけるPt:Y(原子比)は100:0であり、Y量が微量であるため、観察した局所的領域ではYが検出されなかった。図4における比較例5の触媒におけるPt:Y(原子比)は71:29であり、実施例2の触媒におけるPt:Y(原子比)は100:0であった。図5における比較例6の触媒におけるPt:Y(原子比)は86:14であり、実施例3の触媒におけるPt:Y(原子比)は99.7:0.3であった。酸処理前の触媒(比較例4、5及び6)に存在していたYは、酸処理後の触媒(実施例1、2及び3)においてほぼ消失していた。この結果は、表1の組成分析と一致していた。
(3)XRD分析(比較例4及び実施例1、比較例5及び実施例2、比較例6及び実施例3)
比較例4及び実施例1の触媒と比較例5及び実施例2、並びに比較例6及び実施例3の触媒についてXRD分析を行った。それぞれの結果を図6及び図7に示す。図6及び図7には、比較のため、マイクロ波法で調製したPt触媒のXRD分析結果も記載した。Y試薬を添加せずにPt触媒を調整すると、直径が10〜20nmのPt微粒子の凝集体が得られるために、XRDピークはY試薬が添加された比較例4、5、6、実施例1、2、3のXRDピークと比べて線幅が狭くシャープである。Pt微粒子は図6及び図7に示される通り、酸処理の前後においてXRDパターンに変化はなく、Ptのピークのみが検出された。酸処理前の比較例4、5及び6の触媒においてもY化合物に帰属されるピークは検出されなかった。これらの結果より、酸処理前に存在するYの大部分は、Ptとの合金ではなく、非晶質の酸化物の形態であると想定される。
(4)収差補正STEM−EDS観察分析(実施例3)
表1の組成分析から理解されるように、微量のYが触媒に含有されている。そこで、実施例3の触媒についてSTEM−EDSライン分析を行い、触媒粒子中にYが存在するか否かを調査した。結果を図8に示す。図8より、わずかではあるがYが触媒粒子中に存在することが明らかになった。従って、微量のYがPtと合金を形成することによって比活性が向上したと想定される。
(5)XPS分析(比較例4〜6)及びXRD分析(比較例6)
酸処理前の触媒に存在するY化合物の形態について調査した。
比較例4〜6の触媒についてXPS分析を行った。結果を図9に示す。図9より、YはYよりも更に酸化された状態であると想定される。
また、比較例6の触媒を300℃、500℃、又は700℃で空気中において熱処理し、XRDデフラクトグラムを得た(図10)。図10には、比較のため、マイクロ波法で酢酸イットリウム四水和物のみを還元させて得たサンプルの結果も記載した。その場合には非晶質に特有な弱いブロードなピークが得られた。700℃での処理後に、2θ=30°付近にYに帰属されるピークが出現した。500℃での処理においてもYのピークが出現した。
これらの結果より、比較例6の触媒において、Yは非晶質の酸化物の形態で存在していると想定される。比較例4及び5の触媒についても同様であると想定される。
(6)In−situ TG−DTA分析及びIn−situ XRD分析(比較例7及び実施例4)
比較例7及び実施例4の触媒は非水溶媒を使用して調製した。水素雰囲気下での熱処理後における硝酸イットリウム六水和物の形態について調査した。
図11は、4%H/Ar中で硝酸イットリウム六水和物を加熱したTG−DTAチャートである。数段階の質量減少反応を経た後、約600℃で安定化し、その後は変化しなかった。
次に、TG−DTAチャートにおける質量の変化点に基づき、25℃、180℃、260℃、400℃、及び800℃で熱処理したサンプルについてXRD分析を行った。結果を表2に示す。また、800℃で熱処理したサンプルについてのXRDデフラクトグラムを図12に示す。
Figure 0006547696
表2及び図12に示される通り、800℃で熱処理したサンプルにおいてYが検出された。また、図11に示される通り、600℃以上では質量の減少が飽和している。そのため、600℃で熱処理した比較例7の触媒において、YはYとして存在していると想定される。
(6)電位−pH線図解析(比較例2及び3)
比較例2及び3の触媒は水溶液中で調製した。Yの電位−pH線図上にY担持時の条件を星印でプロットした(図13)。調製時の電位はAg−AgCl電極基準で求めた値であるため、水素電極基準となるように補正してプロットした。図13から、YがY(OH)として担持されていることが理解される。Y(OH)は、水素中において856℃でYに変化するとされている。比較例2及び3における水素雰囲気下での熱処理温度は700℃であるため、当該熱処理後においてもY(OH)の状態であると想定される。

Claims (6)

  1. 溶媒として実質的に非水溶媒のみを使用して白金及びイットリウムを担体に担持させる担持工程;及び
    白金及びイットリウムが担持された担体を酸処理する酸処理工程;
    を含む、燃料電池用電極触媒の製造方法。
  2. 担持工程が、非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物にマイクロ波を照射することを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 担持工程が、
    非水溶媒、白金、イットリウム及び担体を含む混合物から非水溶媒を除去すること、及び
    非水溶媒が除去された混合物を水素雰囲気下で熱処理すること、
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. 酸処理工程により、燃料電池用電極触媒における白金のイットリウムに対する原子比(Pt/Y)を100〜250にする、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造される燃料電池用電極触媒。
  6. 請求項5に記載の燃料電池用電極触媒を含む燃料電池。
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