JP6546076B2 - 広角レンズ及び撮像装置 - Google Patents
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νd1n < 40 ・・・(2)
但し、
PgFは、前記負レンズL1nのg線とF線の部分分散比を表し、
νd1nは、前記負レンズL1nのd線に対するアッベ数を表す。
1−1.広角レンズの構成
本件発明に係る広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とを少なくとも備え、少なくとも第2レンズ群を移動させることでフォーカスを行い、第1レンズ群は、少なくとも3枚の負レンズと、1枚の正レンズとを含み、当該第1レンズ群に含まれる負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズを負レンズL1nとしたとき、当該負レンズL1nが後述する所定の条件を満足することを特徴とする。まず、本件発明に係る広角レンズの構成について説明した後で、条件式に関する事項を説明する。
第1レンズ群は正の屈折力を有し、上述した構成を有する限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。しかしながら、以下の構成を採用することがより好ましい。
第1Aレンズ群において、その最も物体側に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズを配置することが好ましい。第1Aレンズ群の最も物体側に、このようなメニスカス形状の負レンズを配置することで、このメニスカス形状の負レンズに大きな入射角で軸外光線が入射しても、上記諸収差の発生を抑制することができ、より高い光学性能を実現することが容易になる。なお、第1レンズ群の具体的構成によらず、すなわち、第1レンズ群が上記第1Aレンズ群及び第1Bレンズ群とから構成されない場合も、当該第1レンズ群の最も物体側に配置されるレンズを、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズとすることにより、上記と同様の効果を得ることができる。
第1Bレンズ群を、2枚以上の正レンズを含む構成とすることにより、大口径の光学レンズに特有のサジタルコマ収差を良好に補正することができる。
第2レンズ群は、全体でみたときに正の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。しかしながら、本件発明に係る課題を解決する上で、以下の構成であることが好ましい。
本件発明に係る広角レンズにおいて、第2レンズ群内に開口絞りを有することが好ましい。第2レンズ群に入射する軸上光束の光束径は、上述のとおり第1レンズ群により収斂されているため、開口絞りの小型化を図ることができ、開口絞りを駆動するための駆動機構の小型化及び軽量化を図ることができる。そのため、当該広角レンズの小型化、軽量化を図ることが容易になる。なお、開口絞りの前後において、第2レンズ群を上記のように部分レンズ群に分割してもよい。
当該広角レンズは、上述した第1レンズ群及び第2レンズ群を備えていればよく、第2レンズ群の像側に後続レンズ群を備えていてもよい。例えば、第2レンズ群の像側に、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群等を配置することができる。このとき、後続レンズ群の具体的なレンズ構成等は特に限定されるものではない。
本件発明に係る広角レンズにおいて、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、フォーカスを行う限り、フォーカスの際の他のレンズ群の固定/移動の別は特に限定されるものでない。しかしながら、フォーカス群の軽量化等の観点から、第1レンズ群はフォーカスの際に光軸方向に固定されることが好ましい。また、第2レンズ群の像側にレンズ群を備える場合、そのうち正の屈折力を有するレンズ群をフォーカスの際に移動させて、フォーカスを行っても良い。このとき、第2レンズ群と同じ移動量で移動させてもよいし、異なる移動量で移動させてもよい。しかしながら、第1レンズ群の場合と同様に、フォーカス群の軽量化を図るという観点から、後続レンズ群はフォーカスの際に固定されることが好ましい。
次に、本件発明に係る広角レンズが満足すべき条件、又は、満足することが好ましい条件について説明する。
条件式(2):νd1n < 40
PgFは、負レンズL1nのg線とF線の部分分散比を表し、
νd1nは、負レンズL1nのd線に対するアッベ数を表す。
PgF = (Ng−NF)/(NF−NC)
まず、上記条件式(1)について説明する。条件式(1)は、第1レンズ群において、最も物体側に配置される負レンズL1nのいわゆる異常分散性を規定する式である。当該条件式(1)を満足させることにより、例えば、80°程度の画角を維持しつつ、大口径化を図ろうとしたときも倍率色収差の2次スペクトルを良好に補正することができ、光学性能の高い小型の広角レンズを実現することができる。
条件式(1)’’:PgF−(0.6438−0.001682×νd1n)>0.013
条件式(2)は、上記負レンズL1nのd線に対するアッベ数を規定する式である。当該条件式(2)を満足させることにより、例えば、80°程度の画角を維持しつつ、大口径化を図ろうとしたときも倍率色収差を良好に補正することができ、光学性能の高い小型の広角レンズを実現することができる。
条件式(2)’’ : νd1n < 30
本件発明に係る広角レンズにおいて、第1レンズ群に含まれる負レンズのうち、上記負レンズL1nより像側に配置されるいずれかの負レンズを負レンズL2nとしたとき、当該負レンズL2nが以下の条件式(3)で表される条件を満足することが好ましい。
νd2nは、前記負レンズL2nのd線に対するアッベ数を表す。
本件発明に係る広角レンズにおいて、第1レンズ群が上述した第1Aレンズ群と第1Bレンズ群とから構成されるとき、当該第1Bレンズ群において、最も物体側に配置される上記負レンズ成分の物体側面が以下の条件式(4)で表される条件を満足することが好ましい。但し、第1レンズ群において、物体側面が物体側に凹形状である負レンズのうち、その物体面の曲率が最も大きい負レンズ又は負レンズ成分が以下の条件を満足してもよい。
Cr1fは、上記負レンズ成分の物体側面の曲率半径を表し、
fは、当該広角レンズ全系の焦点距離を表す。
条件式(4)’’ : 0.9 < |Cr1f| / f < 2.0
条件式(4)’’’ : 0.9 < |Cr1f| / f < 1.5
本件発明に係る広角レンズにおいて、第1レンズ群が以下の条件を満足することが好ましい。
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離を表し、
fは、当該広角レンズ全系の焦点距離を表す。
条件式(5)’’ : 5.2 < f1 /f < 20
条件式(5)’’’: 5.2 < f1 /f < 15
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る広角レンズと、当該広角レンズの像面側に設けられた、当該広角レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。本件発明に係る広角レンズは、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置に要求されるバックフォーカスを確保することができるから、これらのレンズ交換式の撮像装置の交換レンズとして好適である。
図1は、本件発明に係る実施例1の広角レンズの無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該広角レンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該広角レンズのレンズデータを示す。表1において、「面番号」は物体側から数えたレンズ面の順番、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、面番号の次の欄に表示する「ASP」は当該レンズ面が非球面であることを表し、「S」開口絞りを表している。
BF= 39.0567
図6は、本件発明に係る実施例2の広角レンズの無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該広角レンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表3は、当該光学系のレンズデータであり、表4は、当該広角レンズの緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表11に条件式(1)〜条件式(5)の数値を示す。さらに、図7〜図10は、当該広角レンズの無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0331
図11は、本件発明に係る実施例3の広角レンズの無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該広角レンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表5は、当該光学系のレンズデータであり、表6は、当該広角レンズの緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表11に条件式(1)〜条件式(5)の数値を示す。さらに、図12〜図15は、当該広角レンズの無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0353
図16は、本件発明に係る実施例4の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該広角レンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7は、当該光学系のレンズデータであり、表8は、当該広角レンズの緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表11に条件式(1)〜条件式(5)の数値を示す。さらに、図17〜図20は、当該広角レンズの無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0465
図21は、本件発明に係る実施例5の光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該広角レンズは、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群G1と、正の屈折力の第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸方向に固定された状態で、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは第2レンズ群G2の内部に配置されている。
次に、当該広角レンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表9は、当該光学系のレンズデータであり、表10は、当該広角レンズの緒元表、非球面データ、光軸上の可変間隔、各レンズ群の焦点距離である。また、表11に条件式(1)〜条件式(5)の数値を示す。さらに、図21〜図25は、当該広角レンズの無限遠合焦時及び0.5m合焦時の縦収差図及び横収差図である。
BF= 39.0376
G1A ・・・第1Aレンズ群
G1B ・・・第1Bレンズ群
G2 ・・・第2レンズ群
S ・・・開口絞り
IP ・・・像面
Claims (15)
- 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、
前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることでフォーカスを行い、
前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1Aレンズ群と、正の屈折力を有する第1Bレンズ群とを備え、
前記第1Aレンズ群は、2枚以上の負レンズと、1枚以上の正レンズとから構成され、
前記第1Bレンズ群は、2枚以上の正レンズと、1枚以上の負レンズとから構成され、
前記第1Aレンズ群に含まれる負レンズのうち、最も物体側に配置される負レンズを負レンズL1nとしたとき、当該負レンズL1nが以下の条件を満足することを特徴とする広角レンズ。
PgF−(0.6438−0.001682×νd1n) >0.006 ・・・(1)
νd1n < 40 ・・・(2)
但し、
PgFは、前記負レンズL1nのg線とF線の部分分散比を表し、
νd1nは、前記負レンズL1nのd線に対するアッベ数を表す。 - 前記第1レンズ群に含まれる負レンズのうち、前記負レンズL1nより像側に配置されるいずれかの負レンズを負レンズL2nとしたとき、当該負レンズL2nが以下の条件を満足する請求項1に記載の広角レンズ。
νd2n > 65 ・・・(3)
但し、
νd2nは、前記負レンズL2nのd線に対するアッベ数を表す。 - 前記第1Bレンズ群において最も物体側に配置されるレンズは、その物体側面が物体側に凹形状の負レンズ成分である請求項1又は請求項2に記載の広角レンズ。
- 前記第1レンズ群に含まれる物体側面が物体側に凹形状のレンズの中で、前記負レンズ成分の物体側面の曲率が最も大きい請求項3に記載の光学系。
- 前記第1Bレンズ群において、前記負レンズ成分の物体側面が以下の条件を満足する請求項3又は請求項4に記載の広角レンズ。
0.7 < | Cr1f | / f < 3.0 ・・・・・(4)
但し、
Cr1fは、前記負レンズ成分の物体側面の曲率半径を表し、
fは、当該広角レンズ全系の焦点距離を表す。 - 前記第1Aレンズ群において最も像側に配置されるレンズ面は、像側に凹形状である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第1レンズ群が以下の条件を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の広角レンズ。
3.5 < f1 /f < 30 ・・・(5)
但し、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離を表し、
fは、当該広角レンズ全系の焦点距離を表す。 - 前記第1Bレンズ群は、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、正レンズとから構成される請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第1Bレンズ群は、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、正レンズと、負レンズとから構成される請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第1Bレンズ群は、物体側から順に、負レンズと、正レンズと、正レンズと、正レンズと、負レンズとから構成される請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第1レンズ群は光軸方向に固定である請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第2レンズ群内に開口絞りを有する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第2レンズ群において最も物体側に配置されるレンズ面は、物体側に凸形状である請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 前記第1レンズ群において最も像側に配置されるレンズ面は、像側に凸形状であることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の広角レンズ。
- 請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の広角レンズと、当該広角レンズの像面側に、当該広角レンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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