JP6545639B2 - 建物の断熱式基礎及びこれに使用するセパレータ並びに施工方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、住宅等の建物において、コンクリート層を表裏から断熱パネルで挟んで成る断熱式基礎、及び、これに使用するセパレータ、並びに、断熱式基礎の施工方法に関するものである。
木造住宅やプレハブ式住宅では、コンクリート製の縦基礎を地面に施工してから、縦基礎の上に建物の上部分を構築している。縦基礎の施工には型枠が不可欠であり、この型枠としては、一般に、合板製又は鋼板製のものが多用されており、内外の型枠を、セパレータで間隔を保持しつつ、パイプ材等で起立姿勢に保持し、内外の型枠で形成された空間に鉄筋や土台固定用アンカーボルトを配置し、次いでコンクリートを打設し、コンクリートが固まってから型枠を取り外している。
このように、一般的なコンクリート基礎工事では、型枠の組み立て作業と解体の作業とがセットになっているため、施工に多大の手間がかかるという問題があった。そこで、建物において断熱のために発泡樹脂製の断熱パネルが使用されている点に着目して、断熱パネルを残存型枠として利用することにより、施工の手間を大幅に省くことが提案されている。
断熱パネルを型枠に兼用するに際しても、並列配置された断熱パネルの対を所定間隔で起立姿勢に保持するセパレータが必要であり、このセパレータに関して種々の提案が成されている。その例として特許文献1には、断熱パネルは上下に積み重ねられることが多く、上下の断熱パネルも前後方向(厚さ方向)にずれないように保持する必要がある点に着目して、対向した断熱パネルの連結(間隔の保持)と、上下に重ねた断熱パネルの連結とを行えるようにしたセパレータが開示されている。
すなわち、特許文献1のセパレータは棒材から成るもので、断熱パネルの対向方向を前後方向とした状態で、コンクリート層を横切る前後長手部と、前後長手の両端に一体に設けた左右長手部と、左右長手部の左右両端に一体に設けた上下長手部を有する形態として、左右長手部を上下に重なった断熱パネルの重合部に配置して、上下長手部が下方の断熱パネルと上方の断熱パネルとに嵌合するように構成している。従って、特許文献1では、断熱パネルの上面と下面とには、セパレータの上下長手部が嵌まる穴と、セパレータの左右長手部が嵌まる溝とが形成されており、両者は連通している。
また、特許文献1のセパレータは左右に隣り合った断熱パネルに跨がって配置できるようになっており、左右の上下長手部が左右に隣り合った断熱パネルに嵌まることにより、1つのセパレータで左右の断熱パネルの連結も行っている。
特開平09−310493号公報
さて、発泡スチロールのような発泡樹脂製の断熱パネルを残存型枠に利用する場合、セパレータに対して幾つかの要請が存在する。例えば、発泡樹脂は合板や鋼板に比べると強度が著しく劣るため、コンクリートの打設時の圧力で断熱パネルが破損しないように、セパレータもその形状を工夫する必要がある。また、断熱パネルの外面にはモルタルを塗ることが多いので、セパレータはモルタルの邪魔にならないように、セパレータが断熱パネルの外側に露出しないことが要請される。
そこで特許文献1を見ると、特許文献1のセパレータは、断熱パネルの外側には露出しないため、モルタルの塗工の障害にはならないが、全体が丸棒材製であるため、断熱パネルとの接触面積は僅かでしかなく、このため、断熱パネルがコンクリート打設時の圧力に耐えきれずに破損してしまうことが懸念される。
本願発明はこのような現状を改善すべく成されたものであり、発泡樹脂製の断熱パネルを残存型枠(捨て型枠)として使用する断熱式基礎に関連して、強度に優れて作業も容易な技術を提供せんとするものである。
本願は、断熱式基礎とこれに使用するセパレータ、及び施工方法とを含んでいる。断熱式基礎は請求項1で特定しており、この断熱式基礎は、まず、
「鉛直姿勢のコンクリート層と、前記コンクリート層の壁面と直交した方向から見て四角形に形成された発泡樹脂製断熱パネルの群とを備えていて、
前記コンクリート層を挟んだ表裏両側に、前記断熱パネルの群が、前記コンクリート層を挟んで相対向した状態で水平方向と上下方向とに整列して配置されており、
前記相対向した断熱パネルは、水平方向に断続的に配置された複数のセパレータによって連結されていて、
前記各セパレータは、前記コンクリート層の壁面と直交した方向を前後方向とした状態で、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記セパレータの前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前記ジョイント部の一部とストッパー部とによって平面視T形の嵌合部が形成されており、従って、前記各セパレータは平面視で略H形の形態を成している一方、
前記各断熱パネルには、前記セパレータの嵌合部が上から嵌まる平面視T形の上部スリットと、前記セパレータの嵌合部が下から嵌まる底面視T形の下部スリットとが、前記セパレータに対応して水平方向に断続的に複数形成されている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成の下、
前記各セパレータの群は、前記嵌合部が上下に重なった断熱パネルの両方に対して半分の高さずつ嵌入する中間セパレータと、上下に重なった断熱パネルのうち上端に位置した断熱パネルの上部の連結及び下端に位置した断熱パネルの下部の連結に使用されるエンドセパレータとに分かれており、
前記中間セパレータにおけるジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが上下対称状に形成されている一方、
前記エンドセパレータは、前記中間セパレータを上下2分割した形態を成している」
という特徴を有している。
なお、本願発明において、セパレータの嵌合部と断熱パネルのスリットとの嵌合関係については、 セパレータを動かして断熱パネルのスリットに嵌め込む場合と、断熱パネルを動かしてそのスリットをセパレータの嵌合部に嵌め込む場合との両方を含んでいる。
セパレータの発明は、請求項2で特定されている。すなわち、このセパレータは、請求項1の基本構成に記載したものであり、
前記嵌合部が上下に重なった断熱パネルの両方に対して半分の高さずつ嵌入する中間セパレータと、上下に重なった断熱パネルのうち上端に位置した断熱パネルの上部の連結及び下端に位置した断熱パネルの下部の連結に使用されるエンドセパレータとの組み合わせであり
前記中間セパレータにおけるジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが上下対称状に形成されている一方、
前記エンドセパレータは、前記中間セパレータを上下2分割した形態を成している」
という構成になっている。
なお、セパレータのジョイント部にコンクリートが通過する穴を設けたり、横筋を保持する凹部を設けたりすることも可能である。
施工方法の発明は、請求項3で特定している。すなわち、この施工方法は、請求項2に記載した中間セパレータ及びエンドセパレータを使用して請求項1に記載した建物の断熱式基礎を施工する方法であり、
前記エンドセパレータを使用して、最下段の断熱パネルの対の下部同士を連結する工程と、
前記中間セパレータを使用して、上下に隣り合った断熱パネル同士を連結しつつ相対向した断熱パネルの対同士の連結とを行う工程と、
前記エンドセパレータを使用して、最上段に位置した断熱パネルの対の上部同士を連結する工程とを備えている」
という構成になっている。
本願各発明のセパレータは、相対向した断熱パネルに嵌まる(係合する)平面視T型の嵌合部が一体に繋がって平面視H形の形態を成しているが、ジョイント部とストッパー部とはそれぞれ板状であるため、断熱パネルとの接触面積を大きく取ることができる。このため、コンクリート打設時に断熱パネルの狭い部位に外力が集中的に作用することを防止して、断熱パネルの破損を防止できる。
また、ジョイント部は、平面視では細い状態になっているため、コンクリートの打設時にジョイント部は生コンクリートの内部に完全に埋まった状態になり、ジョイント部の箇所に空洞が発生することはない。従って、施工後のコンクリート層に巣が発生することを防止して、高い施工品質を確保できる。
そして、中間セパレータの嵌合部が上下の断熱パネルに跨がって嵌合しているため、1つの(水平方向に並んだ一群の)中間セパレータによって、上下に隣り合った断熱パネルの対の間隔の保持を行うことができる。このため、工事の作業能率を向上できる。
また、ジョイント部には切り欠きが形成されており、ジョイント部の上下巾をできるだけ小さくできるため、コンクリート層の強度低下を防止できる。ジョイント部に透かし穴を空けておくと、更に有効である。また、コンクリート層には縦筋と横筋とからなる鉄筋が配置されているのが普通であるが、本願発明では、横筋が嵌合部の高さに位置しても、切欠きにより、横筋がジョイント部に当たることを防止できる。このため、横筋の配置の自由性も向上できる。
実施形態を示す図で、(A)は施工後の概略断面図、(B)は分離斜視図である。 施工途中の斜視図である。 施工手順を示す図である。 施工手順を示す図である。 施工手順を示す図である。 最上部の例を示す断面図である。 (A)(B)は他の実施形態を示す図、(C)は変更例である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示すように、断熱式基礎は、相対向して配置された断熱パネル1の対の群を有している。断熱パネル1の対の間には空間2が空いており、空間2にコンクリートを打設してコンクリート層3が形成され、これにより、コンクリート層3を断熱パネル1で表裏から挟んだ複層構造の断熱式基礎が形成されている。図3に示すように、コンクリート層3の内部には、縦筋4の群と横筋5の群とが埋設されている。
断熱パネル1は、上下方向にも重なっている。従って、表裏の断熱層は、複数段の断熱パネル1で構成されている。なお、1枚の断熱パネル1の大きさは一定しておらず、用途によって異なっていることが多い。左右巾は2m又は1.8m程度が多いが、高さは250mm、300mm、500mm、600mm、1000mmなどと、まちまちである。現場に対応して寸法を設定する場合も多い。
本願発明では、方向を特定するため前後方向・左右方向の文言を使用するが、図1,2に明示するように、前後方向は断熱パネル1の対の対向方向(コンクリート層3の表裏面と直交した方向)として定義し、左右方向は、前後方向と直交した水平方向として定義している。
上記のとおり、本願発明では複数段の断熱パネル1が使用されているが、最上段のものを除いた断熱パネル1の上面には、図1,2に示すように、長手中心線の個所に位置したセンターリブ6と、これと交叉した多数の横リブ7とが形成されている。両リブ6,7の交叉部には上向きの突起を形成していることが多いが、図では省略している。
最下段の断熱パネルを除いた断熱パネル1の下面には、図2に部分的に示すように、センター溝8と多数の横溝9とが形成されており、上下に重なった断熱パネル1のリブ6,7と溝8,9とが嵌まり合って、上下の断熱パネル1は前後方向及び左右方向にずれ不能に位置決めされる。最上段の断熱パネル1の上面、及び、最下段の断熱パネル1の下面はフラットになっている。
各断熱パネル1の一側面には、その全高に亙って蟻溝10が形成されて、他方の側面には、その全高に亙って蟻ほぞ11が形成されている。このため、左右に隣り合った断熱パネル1は、蟻溝10と蟻ほぞ11とが嵌合することにより、同一面を成した状態で前後方向にずれないように位置決めされている。なお、各断熱パネル1の表裏両面には、セメントとの接合性を高めるために、浅い細巾の縦長スリットを左右方向に多数形成する場合もある。
(2).セパレータ
図5,6に示すように、相対向した断熱パネル1は、左右方向に適宜間隔で配置した多数の中間セパレータ12とエンドセパレータaとによって前後間隔が一定に保持されている。セパレータ12,12aは樹脂製であり(金属板製でもよい)、図1,2に明示するように、コンクリート層3(或いは空間2)を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部13と、ジョイント部13の前後両端に一体に設けた平面視左右横長で板状のストッパー14とにより、平面視H形になっている。そして、ジョイント部13の前後端部とストッパー14とで構成される平面視T形の部分が、断熱パネル1に嵌まる嵌合部15になっている。
他方、断熱パネル1には、セパレータ12,12aの嵌合部15が下方から嵌まる下向き開口の下部スリット16と、嵌合部15が上方から嵌まる上向き開口の上部スリット17とが左右方向に断続して多数形成されている。当然ながら、上下のスリット16,17は、ジョイント部13の端部が嵌まる部分18とストッパー14が嵌まる部分19とを有して平面視(或いは底面視)でT形になっており、コンクリート層3(空間2)に向けても開口している。
ストッパー14は、断熱パネル1のうち、厚さの中間点を挟んでコンクリート層3(空間2)と反対の外側に寄せて配置されている。このため、スリット16,17のうちストッパー14が嵌まる部分19も、断熱パネル1の外側に寄せて形成されている。これは、ストッパー14よりも内側の部分の厚さをできるだけ大きくして、コンクリート打設時の圧力に対する強度を高めるための措置である。
図1,2に示す中間セパレータ12は、上下に重なった断熱パネル1に跨がって嵌合するダブル連結タイプになっている。最上段の断熱パネル1の上端部の連結、及び、最下段の断熱パネル1の下端部の連結には、図1に一点鎖線で示すように、ダブル連結タイプのものを上下真半分に切断したシングル連結タイプのエンドセパレータ12aが使用される。
更に、セパレータ12,12aにおいて、嵌合部15は全体が同じ高さになっているが、ジョイント部13のうちコンクリート層3に埋設される部分(空間2に露出する部分)は、台形状の切欠き20を形成することによって上下巾を小さくしている。中間セパレータ12、切欠き20は上下対称に形成されて、エンドセパレータ12aでは、切欠き20は片側だけに形成されている。
切欠き20を長方形に形成して、ジョイント部13のうち露出部の全体を等しい上下巾に設定することも可能である。或いは、切欠き20は側面視で湾曲した形状に形成することも可能である。
エンドセパレータ12aは、嵌合部15の上下高さがスリット16,17の深さとは同じになっているが、中間セパレータ12は、嵌合部15の高さがスリット16,17の深さの2倍の寸法になっている。このため、上下に隣り合った断熱パネル1の対が、1つの(或いは一列の)中間セパレータ12によって前後間隔が保持されている。
なお、ストッパー14の4つのコーナー部を面取り状にカットすると、嵌合部15とスリット16,17との嵌まり合いが容易になる。図示していないが、ジョイント部13及びストッパー14に、強度を損なわない範囲で透かし穴(逃がし穴)を設けることも可能である。更に、前後のストッパー14を左右複数枚のジョイント部13で連結することも可能であり、このような形態も請求項に記載した「平面視H形」に含まれる。なお、複数枚のジョイント部13を設ける場合は、隣り合ったジョイント部13の間隔は、生コンクリートが容易に流れ込む程度の寸法に設定しておく必要がある。
(3).施工手順
次に、図3〜6に基づいて、施工手順を説明する。まず、図3(A)に示すように、基準面Gに、最下段の断熱パネル1が嵌まる2列の地レール(下枠)21をピン等で固定する。基準面Gは、ベタ基礎の場合はコンクリート面であり、布基礎の場合は地面になる。地レール21は、上向きに開口したコ字形の長尺部材であり、樹脂製又は金属製である。
次いで、図3(B)に示すように、一方の地レール21に断熱パネル1を嵌め込んでから、縦筋4を立設していく。現場の状況によっては、先に縦筋4を配置して、それから一方の地レール21に断熱パネル1を嵌め込むことも可能である。最下段の断熱パネル1の対を下部においても連結したい場合は、一点鎖線に示すように、片方の断熱パネル1の下部に、エンドセパレータ12aを嵌め込み装着しておく。
なお、最下段の断熱パネル1の下部が地レール21に嵌まっている場合、エンドセパレータ12aは地レール21の上に載るので、エンドセパレータ12aを使用する場合は、最下段の断熱パネル1における下部のスリット16は、地レール21の高さ寸法分だけ深さを深くしておく必要がある。最下段の断熱パネル1の下部を連結しない場合は、最下段の断熱パネル1の下部に下スリット16を形成する必要はない。
片方の断熱パネル1を配置した後に(或いはその前に)、最下段の断熱パネル1の箇所に横筋5を配置して、これを線材等で縦筋4に固定する。次いで、図3(C)に示すように、他方の側の最下段の断熱パネル1を、他方の地レール21に嵌め込む。下部にエンドセパレータ12aを配置している場合は、他方の断熱パネル1は、 エンドセパレータ12aに対しても嵌め込まれる。次いで、図3(D)に示すように、最下段の断熱パネル1の対に、中間セパレータ12の群を嵌め込んでいく。
この場合、中間セパレータ12のジョイント部13に切欠き20が形成されているため、横筋5を断熱パネル1の上部寄りに配置しても、ジョイント部13が横筋5に当たることを防止できる。従って、横筋5を、上下間隔がなるべく均一になるように配置しつつ、中間セパレータ12で断熱パネル1を連結できる。従って、横筋5の配置位置の選択の自由性を向上できる。
次いで、図4(A)に示すように、一方の側の2段目の断熱パネル1を中間セパレータ12に嵌め込みセットし、次いで、2段目の断熱パネル1の箇所の横筋5を縦筋4に固定し、それから、図4(B)に示すように、他方の側の2段目の断熱パネル1を中間セパレータ12に嵌め込みセットする。
このようにして、順次、断熱パネル1を積み上げていくが、空間2の高さ(深さ)が高くなり過ぎると、コンクリート打設時の圧力が過剰になって断熱パネル1が破断したり膨れ変形したりするので、構造体の高さがある程度以上に高い場合は、図5に矢印で示すように、何段階かに分けてコンクリートを打設する。
コンクリートの打設工程では、バイブレータを生コンクリート内に挿入して、コンクリートを空間の隅々まで行き亘らせるが、バイブレータがセパレータ12,12aのジョイント部13に当たることがあっても、セパレータ12,12aは断熱パネル1にしっかりと係合しているので、セパレータ12,12aがずれ動くことはなくて、前後の断熱パネル1の間隔をしっかりと保持できる。
また、ジョイント部13は、その広幅面を鉛直姿勢にした板状であるため、コンクリートにまんべんなく包み込まれる。従って、ジョイント部13の下面箇所に巣が発生することは皆無であり、コンクリート層3を高い強度に施工できる。更に、ジョイント部13に切欠き20を形成しているため、コンクリート層3の分断量をできるだけ少なくして、コンクリート層3を高い強度に維持できる。また、セパレータ12,12aに使用する材料を抑制してコスト低減にも貢献する。
図6に示すように、最上段の断熱パネル1の上端部は、エンドセパレータ12aで連結される。最上段の断熱パネル1の対をエンドセパレータ12によって連結してから、最後のコンクリートの打設を行い、これにより、構造体の施工が終了する。最上段に配置されたエンドセパレータ12は、(A)に示すように切欠き20を下に位置させてもよいし、(B)に示すように、切欠き20を上にしてもよい。コンクリート層3の強度の点からは、(B)のように、切欠き20を上向きにして配置するのが好ましいと云える。
コンクリート層3の上面にスペーサを介して木製の土台(角材)が載置されるが、この場合は、土台を固定するためのアンカーボルトがコンクリート層3に埋設されている。従って、施工の工程中に、アンカーボルトの配置工程が追加される。セパレータ12,12aを使用してアンカーボルトを起立姿勢に保持することも可能である。
(4).他の実施形態及び参考例
図7では、中間セパレータ12を横筋5の位置決めに使用した例を提示している。このうち(A)に示す第2実施形態では、既に述べた第1実施形態の中間セパレータ12を基本として、ジョイント部13に横筋5が嵌まる凹溝22を上下対称に形成している。横筋5は中間セパレータ12によって姿勢が保持されているため、縦筋4への連結に際して一々横筋を手で持って高さを保持しておく必要はない。このため、横筋5の連結作業の手間を軽減できる。また、中間セパレータ12は断熱パネル1によって位置と姿勢がしっかりと保持されているため、縦筋4の位置と姿勢も安定性に優れており、結果として、縦筋4の姿勢安定性にも優れている。
(B)に示す第3実施形態では、一対の断熱パネル1の間に2列の縦筋4が配置されている。そこで、中間セパレータ12のジョイント部13には、2列の横筋5を保持するための2箇所の凹溝22が上下対称に形成されている。
図7(C)に示す参考例では、ジョイント部13には、切欠きに代えて、角形の大きな透かし穴23を形成している。そして、ジョイント部13の上部と下部とに、横筋5を安定的に支持する凹溝22を形成している。下部の凹溝22は、下向きにフック部24を形成している。従前の例の中間セパレータ12は上下対称形状であるため上下・前後の方向性は無かったが、(C)の例では上下と前後の方向性がある。
以上、本願発明の例を図示して説明したが、本願発明は、図示したもの以外にも様々に具体化できる。
本願発明は、断熱式基礎に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 断熱パネル
2 コンクリート打設用の空間
3 コンクリート層
4 縦筋
5 横筋
12 中間セパレータ
12a エンドセパレータ
13 ジョイント部
14 ストッパー
15 嵌合部
16,17 スリット
20 切欠き
21 地レール

Claims (3)

  1. 鉛直姿勢のコンクリート層と、前記コンクリート層の壁面と直交した方向から見て四角形に形成された発泡樹脂製断熱パネルの群とを備えていて、
    前記コンクリート層を挟んだ表裏両側に、前記断熱パネルの群が、前記コンクリート層を挟んで相対向した状態で水平方向と上下方向とに整列して配置されており、
    前記相対向した断熱パネルは、水平方向に断続的に配置された複数のセパレータによって連結されていて、
    前記各セパレータは、前記コンクリート層の壁面と直交した方向を前後方向とした状態で、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記セパレータの前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前記ジョイント部の一部とストッパー部とによって平面視T形の嵌合部が形成されており、従って、前記各セパレータは平面視で略H形の形態を成している一方、
    前記各断熱パネルには、前記セパレータの嵌合部が上から嵌まる平面視T形の上部スリットと、前記セパレータの嵌合部が下から嵌まる底面視T形の下部スリットとが、前記セパレータに対応して水平方向に断続的に複数形成されている構成であって、
    前記各セパレータの群は、前記嵌合部が上下に重なった断熱パネルの両方に対して半分の高さずつ嵌入する中間セパレータと、上下に重なった断熱パネルのうち上端に位置した断熱パネルの上部の連結及び下端に位置した断熱パネルの下部の連結に使用されるエンドセパレータとに分かれており、
    前記中間セパレータにおけるジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが上下対称状に形成されている一方、
    前記エンドセパレータは、前記中間セパレータを上下2分割した形態を成している、
    建物の断熱式基礎。
  2. 鉛直姿勢のコンクリート層と、前記コンクリート層の壁面と直交した方向から見て四角形に形成された発泡樹脂製断熱パネルの群とを備えていて、
    前記コンクリート層を挟んだ表裏両側に、前記断熱パネルの群が、前記コンクリート層を挟んで相対向した状態で水平方向と上下方向とに整列して配置されており、
    前記相対向した断熱パネルは、水平方向に断続的に配置された複数のセパレータによって連結されていて、
    前記各セパレータは、前記コンクリート層の壁面と直交した方向を前後方向とした状態で、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記セパレータの前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前記ジョイント部の一部とストッパー部とによって平面視T形の嵌合部が形成されており、従って、前記各セパレータは平面視で略H形の形態を成している一方、
    前記各断熱パネルには、前記セパレータの嵌合部が上から嵌まる平面視T形の上部スリットと、前記セパレータの嵌合部が下から嵌まる底面視T形の下部スリットとが、前記セパレータに対応して水平方向に断続的に複数形成されている、
    という構成の断熱式基礎に使用する前記セパレータであって、
    前記嵌合部が上下に重なった断熱パネルの両方に対して半分の高さずつ嵌入する中間セパレータと、上下に重なった断熱パネルのうち上端に位置した断熱パネルの上部の連結及び下端に位置した断熱パネルの下部の連結に使用されるエンドセパレータとの組み合わせであり
    前記中間セパレータにおけるジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが上下対称状に形成されている一方、
    前記エンドセパレータは、前記中間セパレータを上下2分割した形態を成している、
    建物の断熱式基礎に使用するセパレータ。
  3. 請求項2に記載した中間セパレータ及びエンドセパレータを使用して請求項1に記載した建物の断熱式基礎を施工する方法であって、
    前記エンドセパレータを使用して、最下段の断熱パネルの対の下部同士を連結する工程と、
    前記中間セパレータを使用して、上下に隣り合った断熱パネル同士を連結しつつ相対向した断熱パネルの対同士の連結とを行う工程と、
    前記エンドセパレータを使用して、最上段に位置した断熱パネルの対の上部同士を連結する工程とを備えている、
    建物の断熱式基礎の施工方法。
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