JP6545074B2 - 複芯プラスチックファイバの製造方法及び複芯プラスチックファイバ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複芯ファイバの製造方法及び複芯ファイバ製造装置に関し、特にプラスチックイメージファイバの製造方法及びプラスチックイメージファイバ製造装置に関する。
内視鏡等の医療用途において、画像を伝送するイメージファイバがカテーテル管等の内部に挿入されて用いられている。イメージファイバは、伝送する画像の画素数に対応した複数のコアを有する複芯ファイバ(マルチコアファイバ)である。上記用途において、イメージファイバは、外径が小さくてカテーテル管等の内部に挿入しやすく、良好な屈曲性(可撓性)を有し、破損しにくい安全性を有することが求められている。上記用途において、イメージファイバとしては、ガラス製よりもプラスチック製が好ましく用いられている。(以下、プラスチック製のイメージファイバは、「プラスチックイメージファイバ」または「PIF」と記す。)また、PIFは医療用途に限らず、工業用ファイバスコープ等の他の画像伝送の用途にも使用される。
PIFは、断面形状において、クラッド(鞘部)からなる海部の中に複数のコア(芯部)が島状に存在する海島構造を有する。
従来、上記海島構造のPIFの製造方法として、画素数に対応した複数のノズル孔を有する複合口金から、1つのコアがクラッド層で被覆された単芯ファイバを同時に複数押し出す方法が知られている(例えば、特許文献1等)。
この方法では、用いる複合口金によって、画素径(コア径)、画素数(コア数)、およびコア面積比率(開口率)等の製品仕様が固定されてしまう。そのため、製品仕様が変更されると複合口金を作り直す必要があり、製品仕様の変更あるいは製品仕様の多様化に対してコストが上昇してしまう虞がある。
一方で、PIFを含む複芯ファイバには、各コアから漏れた光信号が干渉するクロストークの問題がある。
一般に、画素径(コア径)および画素数(コア数)が同一条件であれば、点灯画素の平均的な明るさ、およびクロストークに起因する画像のボケ度合いは、共にファイバの断面におけるコア面積比率と相関する。(なお、本明細書において、「点灯画素の平均的な明るさ」は、点灯コアおよびこれを被覆するクラッド層との平均的な明るさを示す。)コア面積比率が大きい程、クラッド層の割合が小さくなるので、点灯画素の平均的な明るさが向上する一方、クロストークにより画像のボケ度合いが大きくなり画質が低下する傾向がある。反対に、コア面積比率が小さい程、クラッド層の割合が大きくなるので、クロストークが抑制されて画像のボケ度合いが小さくなり画質が向上する一方、点灯画素の平均的な明るさが低下する傾向がある。
特許文献2には、上記課題を解決する方法として、以下の方法が提案されている(第5図を参照)。特許文献2では、画素数に対応した複数の単芯ファイバ素線を束ねてクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る。そして、減圧雰囲気下で、得られたバンドルプリフォームの先端部を加熱し、線引きすることにより、画素数に対応した複数のコアを有する複芯ファイバからなるPIFが製造される。この方法では、複合口金を用いる必要がないので、画素径、画素数(コア数)、およびコア面積比率等の製品仕様の変更に柔軟に対応できる。
特許文献2に記載の方法では、複数の単芯ファイバ素線を束ねる際に、個々の単芯ファイバ素線が傷付く問題がある。個々の単芯ファイバ素線は細く、プラスチック製であるために擦れに弱く、また、複数の単芯ファイバ素線の間の摩擦力が大きいため、特段の対応をしなければ、複数の単芯ファイバ素線を束ねる際に、これらが互いに擦り合って傷が付く虞がある。そして、傷のある単芯ファイバ素線を含むバンドルプリフォームを線引きすると、傷のあるコアの透過率が低下して点灯画素が黒っぽく表示される暗欠陥が生じ得る。
また、複数の単芯ファイバ素線を束ねる際に、これらが互いに擦り合って傷が付くと、傷を介して、単芯ファイバ素線の内部に異物が混入する恐れもある。このことも暗欠陥の要因となり得る。
PIFにおいて、画像を高精度に伝送するには、複数の画素が整然と整列していることが好ましい。このためには、バンドルプリフォームを形成する時点で、複数の単芯ファイバ素線を整然と配列させることが好ましい。複数の単芯ファイバ素線は例えば、六方稠密配列させることが好ましい。
しかしながら、上述したように、個々の単芯ファイバ素線は細く、プラスチック製であるために擦れに弱い。また、製造効率を考慮すれば、バンドルプリフォームを形成する工程に、不要に時間と手間をかけることもできない。従来の方法では、効率良く簡便に複数の単芯ファイバ素線を傷付けずに整然と配列させることが難しい。特に、画素径(コア径)が小さく画素数(コア数)が多い高精細PIFにおいて、この問題は顕著になる。
特開平1−18108号公報 特開昭63−143510号公報(特許第2519699号公報)
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、画素径(コア径)、画素数(コア数)、およびコア面積比率等の製品仕様の変更に柔軟に対応でき、かつ、単芯ファイバ素線間に界面活性剤または異物が混入することを防ぎ、画像が伝送できない暗欠陥を減らすことを目的とするものである。
本発明の複芯ファイバの製造方法は、クラッドと、前記クラッドの中に形成された複数のコアとを有する複芯ファイバの製造方法において、コアがクラッド層で被覆されている単芯ファイバ素線を、前記クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得るバンドルプリフォーム形成工程と、減圧雰囲気下で、前記バンドルプリフォームの先端部を加熱し、線引きして、クラッドと、前記クラッドの中に形成された複数のコアとを有する前記複芯ファイバを形成する複芯ファイバ形成工程と、を有する複芯ファイバの製造方法であって、前記複芯ファイバの製造方法は、バンドルプリフォーム形成工程と複芯ファイバ形成工程の間において、前記バンドルプリフォーム内の前記複数の単芯ファイバ素線と前記クラッドパイプとの空間に液体を加圧送出して洗浄する洗浄工程を有する。
本発明の複芯ファイバの製造方法は、好ましくは前記バンドルプリフォーム形成工程において、界面活性剤を含む溶液中で前記複数の単芯ファイバ素線を前記クラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る。
本発明の複芯ファイバの製造方法は、好ましくは前記洗浄工程において、液体を加圧送出して後にバンドルプリフォーム内に気体の送出と排気を交互に2回以上繰り返す。より好ましくは10回以上、さらに好ましくは1000回以上繰り返す。
これらの構成によれば、形成されたバンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間に洗浄液を送液して洗浄することにより、単芯ファイバ素線を束ねる際に使用する界面活性剤や単芯ファイバ素線間の異物を除去することができ、コア間の光信号のばらつきを減らすことができる。
本発明の複芯ファイバ製造装置は、コアがクラッド層で被覆された複数の単芯ファイバ素線を、前記クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得るバンドルプリフォーム形成部と、減圧雰囲気下で、前記バンドルプリフォームの先端部を加熱し、線引きして、前記複芯ファイバを形成する複芯ファイバ形成部と、を有する複芯ファイバ製造装置であって、前記複芯ファイバ製造装置は、バンドルプリフォーム形成部において形成された前記バンドルプリフォーム内の前記複数の単芯ファイバ素線と前記クラッドパイプとの空間(隙間)に液体を加圧送出して洗浄する洗浄部を有し、前記複芯ファイバ形成部は、前記洗浄部において洗浄された前記バンドルプリフォームから前記複芯ファイバを形成することを特徴とする複芯ファイバ製造装置である。
本発明の複芯ファイバ製造装置は、好ましくは前記バンドルプリフォーム形成部において、界面活性剤を含む溶液中で前記複数の単芯ファイバ素線を前記クラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る。
本発明の複芯ファイバ製造装置は、好ましくは前記洗浄部において、バンドルプリフォーム内に気体の送出と排気を交互に2回以上繰り返す。より好ましくは10回以上、さらに好ましくは1000回以上繰り返す。
これらの構成によれば、形成されたバンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間に洗浄液を送液して洗浄することにより、単芯ファイバ素線を束ねる際に使用する界面活性剤や単芯ファイバ素線間の異物を除去することができ、コア間の光信号のばらつきを減らすことができる。
本発明によれば、画素径(コア径)、画素数(コア数)、およびコア面積比率等の製品仕様の変更に柔軟に対応でき、かつ、コア間の光信号のばらつきを減らすことができる。また、本発明によれば、画素径(コア径)、画素数(コア数)、およびコア面積比率等の製品仕様の変更に柔軟に対応でき、かつ、暗欠陥が抑制され、複数の画素が整然と整列し、画像を高精度に伝送することが可能なプラスチックイメージファイバを提供することができる。
図1は、本実施の形態に係る複芯ファイバの製造方法の一例を示すフロー図である。 図2は、単芯ファイバの一例を示す断面図である。 図3は、単芯ファイバの一例を示す斜視図である。 図4は、本実施の形態における単芯ファイバ形成装置の一例を示す略図である。 図5は、バンドルプリフォームの断面図である。 図6は、ファイバ素線束の一例を示す斜視図である。 図7は、バンドルプリフォームの一例を示す斜視図である。 図8は、本実施の形態における洗浄装置の一例を示す略図である。 図9は、本実施の形態における複芯ファイバ製造装置の一例を示す略図である。 図10は、複芯ファイバの断面図である。 図11は、本実施の形態の複芯ファイバ製造装置の構成を示すブロック図である。 図12は、実施例1の光学顕微鏡による断面写真である。 図13は、実施例2の光学顕微鏡による断面写真である。 図14は、実施例3の光学顕微鏡による断面写真である。 図15は、比較例1の光学顕微鏡による断面写真である。 図16は、比較例2の光学顕微鏡による断面写真である。 図17は、比較例3の光学顕微鏡による断面写真である。
(本実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る複芯ファイバの製造方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、本実施の形態に係る複芯ファイバの製造方法は、単芯ファイバが形成されるステップS11と、バンドルプリフォームが形成されるステップS12と、バンドルプリフォームが洗浄されるステップS13と、複芯ファイバが形成されるステップS14とから構成される。各ステップについて順を追って説明する。
まず、図1のステップS11において、単芯ファイバが形成される。図2は、単芯ファイバの一例を示す断面図である。図2に示すように、コア材料(比較的高屈折率の透光性ポリマー)からなる1つのコアロッド21と、クラッド材料(比較的低屈折率の透光性ポリマー)からなる1つの第1のクラッドパイプ22とを用意する。なお、本明細書において、「ロッド」は内部に中空部を有しない円柱状部材であり、「パイプ」は内部に中空部を有する管状部材である。コアロッド21の外径は、第1のクラッドパイプ22の内径より若干小さく設計される。
コアロッド21および第1のクラッドパイプ22は、公知方法により製造される。例えば、コアロッド21はガラスアンプル等の有底筒状容器内で、1種または2種以上のモノマーを溶媒存在下で重合させることにより製造される。この方法では、製造に用いる容器の内径が、コアロッド21の外径となる。
例えば、第1のクラッドパイプ22は、ガラスアンプル等の有底筒状容器内で、1種または2種以上のモノマーを溶媒存在下で遠心注型法により重合させることにより製造される。第1のクラッドパイプ22の製造では、1種または2種以上のモノマーの入った容器を中心軸の周りに回転させ、遠心力の作用で1種または2種以上のモノマーを容器の内壁面にへばりつかせた状態で重合させることで、パイプ状にポリマーを生成する。この方法では、製造に用いる容器の内径が、第1のクラッドパイプ22の外径となる。第1のクラッドパイプ22の厚みは、容器内に入れるモノマー等の材料の量および遠心力により調整される。
なお、後記する第2のクラッドパイプ43の製造方法は、用いる有底筒状容器の内径を変更し、また、材料の量および遠心力を必要に応じて変更する以外は、第1のクラッドパイプ22の製造方法と同様にできる。また、第2のクラッドパイプ43は、押出しパイプを適用しても良い。
次に図3に示すように、上記のコアロッド21を上記の第1のクラッドパイプ22の中空部に挿入して、単芯のクラッド/コア複合材23を得る。図3は、単芯ファイバの一例を示す斜視図である。
図3には、単芯のクラッド/コア複合材23において、中心軸から外周に向かう一方向(x方向)の屈折率ndの分布例を示してある。この例では、コアロッド21内の屈折率ndはx方向に対して一様であり、その値はn2である。第1のクラッドパイプ22の屈折率ndはx方向に対して一様であり、その値はn1である。ここで、n2>n1である。
コアロッド21の屈折率n1、およびクラッドパイプ22の屈折率n2は、モノマー組成および分子量等によって調整できる。なお、コアロッド21はx方向に対して屈折率分布を有していてもよい。同様に、第1のクラッドパイプ22はx方向に対して屈折率分布を有していてもよい。
そして、得られた単芯のクラッド/コア複合材23のコアロッド21とクラッドパイプ22の間を減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下とした状態で加熱して、コアロッド21とクラッドパイプ22とを一体化した後、線引きの工程に供する。なお、減圧雰囲気好ましくは真空雰囲気の圧力および加熱温度は、公知方法と同様である。
図4は、本実施の形態における単芯ファイバ形成装置の一例を示す略図である。図4において、単芯ファイバ形成装置30は、加熱手段31と、線引き手段32と、切断手段33と、真空ポンプ34とを備える。
加熱手段31は、単芯のクラッド/コア複合材23の先端部を挟んで互いに対向して配置された円形のヒーターである。加熱手段31は、保持手段(図示略)により、位置を調整された単芯のクラッド/コア複合材23の先端部を加熱する。
線引き手段32は、加熱された単芯のクラッド/コア複合材23の先端部を加圧挟持する一対の加圧ローラである。線引き手段32は、加熱された単芯のクラッド/コア複合材23の先端部を線引きする。
切断手段33は、カッターである。切断手段33は、製造された単芯ファイバ素線35を所定の長さに切断する。
真空ポンプ34は、管を介して真空引きし、コアロッド21とクラッドパイプ22の間を減圧雰囲気、または真空雰囲気とする。
以上の構成の備える単芯ファイバ形成装置30を用いて、単芯のクラッド/コア複合材23から単芯ファイバ素線35が製造される。
この単芯ファイバ形成装置30は、チャンバー34内を減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下とした上で、単芯ファイバ素線35を形成することにより、単芯ファイバ素線35のコア41とクラッド層42との間に空気等のガス、不純物、および異物が残ることを抑制する。
具体的には、単芯ファイバ形成装置30は、減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下で、単芯のクラッド/コア複合材23の先端部を加熱手段31によって加熱した後、線引き手段32により線引きし、切断手段33にて所定の長さに切断する。これら一連の工程によって、所定の長さの単芯ファイバ素線35が製造される。なお、線引きの工程において、減圧雰囲気好ましくは真空雰囲気の圧力および加熱温度は、公知方法と同様である。
次に、図1のステップS12において、バンドルプリフォームが形成される。具体的には、図2に示したようにPIFの画素数Nに対応する数の単芯ファイバ素線35を用意する。この単芯ファイバ素線35は、ステップS11において、1つのコアロッド21をクラッドパイプ22で被覆したものである。ステップS12では、PIFのコア径およびコア間の距離を示すコアピッチを均一化するために、同一仕様の単芯ファイバ素線35を複数用意することが好ましい。また、単芯ファイバ素線35において、コアロッド21はPIFのコアと同一材料(比較的高屈折率の透光性ポリマー)により構成され、クラッドパイプ22はPIFのクラッドと同一材料(比較的低屈折率の透光性ポリマー)により構成される。すなわち、コアロッド21の屈折率は、クラッドパイプ22の屈折率より高い。
このように図1のステップS12において、バンドルプリフォームが形成される。図5は、バンドルプリフォームの一例を示す斜視図である。図5に示すように、バンドルプリフォーム40では、PIF70の画素数Nに対応する数の単芯ファイバ素線35がクラッド材料からなる第2のクラッドパイプ43の中空部に挿入されている。
図5において、ファイバ素線束45は、複数の単芯ファイバ素線35の束(ファイバ素線束)を示す。また、第2のクラッドパイプ43の内径は、ファイバ素線束45より若干大きいサイズに設計される。また、第2のクラッドパイプ43は主として、PIF70の外縁部分となる。
図5は、バンドルプリフォームの断面図である。図5において、バンドルプリフォーム40は、1つのコア41とこれを被覆するクラッド層42とからなる単芯ファイバ素線35が複数、束になって、第2のクラッドパイプ43の中空部に挿入されたものである。
バンドルプリフォームを形成する時点において、バンドルプリフォーム40内には、複数の単芯ファイバ素線35の互いの間、および複数の単芯ファイバ素線35のうち最外周に位置する複数の単芯ファイバ素線35と第2のクラッドパイプ43との間に空隙44が存在する。この時点において、複数の単芯ファイバ素線35のクラッド層42と第2のクラッドパイプ43とは、互いに一体化されておらず、識別可能である。
なお、図5において、単芯ファイバ素線35のコア径sa、互いに隣接する2つの単芯ファイバ素線35のコア41の離間距離2×st(クラッド層厚stの2倍に相当)、および単芯ファイバ素線35の外径sdで定義している。
そして、バンドルプリフォーム40におけるコアピッチは、単芯ファイバ素線35の外径sdと一致する。
図1のステップS12において、複数の単芯ファイバ素線35を束ねる際に界面活性剤を含む溶液を用いることにより、単芯ファイバ素線を傷付けずに整然と配列させて、バンドルプリフォームを形成することができる。例えば、界面活性剤を含む溶液中で複数の単芯ファイバ素線35を俵積みして、図6のファイバ素線束45を得ることができる。図6は、ファイバ素線束の一例を示す斜視図である。そして、ファイバ素線束45をクラッドパイプ43の中空部に挿入して、バンドルプリフォーム40を得る。図7は、バンドルプリフォームの一例を示す斜視図である。
なお、図1のステップS12においては、界面活性剤を含む溶液中で複数の単芯ファイバ素線35を束ねる工程と、ファイバ素線束45をクラッドパイプ43の中空部に挿入する工程の代わりに、複数の単芯ファイバ素線35を、界面活性剤を含む溶液中で束ねながらクラッドパイプ43の中空部に挿入して、バンドルプリフォーム40を得るようにしてもよい。
図1のステップS12において用いられる界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤または両性界面活性剤のいずれか、または組合せたもののいずれも適用可能である。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウムおよびアルファスルホン化脂肪酸エステルナトリウム等の脂肪酸系;
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)等の直鎖アルキルベンゼン系;
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)等のアルキル硫酸エステルナトリウム(AS)、およびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES)等の高級アルコール系;
アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)等のアルファオレフィン系;
アルキルスルホン酸ナトリウム等のノルマルパラフィン系等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、およびアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)等の高級アルコール系;
ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル(APE)等のアルキルフェノール系;
蔗糖脂肪酸塩エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、およびアルカノールアミド等の脂肪酸系等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシドおよびアルキルカルボキシベタイン等が挙げられる。上記の中でも、低コストで入手しやすく残留しにくいことから、アニオン性界面活性剤が好ましく、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)等の高級アルコール系のアニオン性界面活性剤が特に好ましい。
界面活性剤は、後工程において除去を容易とするために、水溶液の形態で用いることが好ましい。水溶液中の界面活性剤の濃度は臨界ミセル濃度以上であれば特に制限なく、例えば0.3〜0.7質量%程度が好ましい。また、界面活性剤は公知のものを1種または2種以上用いることができる。
また、界面活性剤を含む溶液(好ましくは水溶液)には必要に応じて、仮接着剤を添加することができる。仮接着剤としては、後工程において水洗浄等により容易に除去できることから、ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性高分子が好ましい。
仮接着剤を用いることで、複数の単芯ファイバ素線35が仮接着されたファイバ素線束45が得られ、後工程に供する際の取扱い性が向上する。なお、界面活性剤を含む溶液(好ましくは水溶液)には必要に応じて、他の任意の成分を添加しても良い。また、他の任意成分についても、後工程において水洗浄等により容易に除去できることから、水溶性物質が好ましい。
次に図1のステップS13において、バンドルプリフォーム40が洗浄される。
上述したように、本実施の形態では、界面活性剤中でバンドルプリフォームを形成することにより、単芯ファイバ素線35が傷つくことを防いでいる。一方で、芯ファイバ素線を束ねる際に使用した界面活性剤を完全に除去されていない場合、残留した界面活性剤等の成分が析出してコアを圧迫して、光損失が増大するコアが発生し、コア間の光信号にばらつきが生じる怖れがある。また、単芯ファイバを束ねる際に単芯ファイバ素線間に異物が混入した場合にも同様に、コア間の光信号にばらつきが生じる怖れがある。
そこで、本実施の形態では、バンドルプリフォームを洗浄することにより、バンドルプリフォーム40に付着した図1のステップS12で用いた溶液の成分(界面活性剤および必要に応じて用いられた仮接着剤等の任意成分)やプリフォーム時に混入した異物を除去する。
図8は、本実施の形態における洗浄装置の一例を示す略図である。図8において、洗浄装置50は、超純水タンク51と、加圧ライン52と、注水ポンプ53と、電磁弁54と、中空糸フィルター55と、圧力計56と、電磁弁57と、サブミクロンポアフィルター58と、電磁弁59と、強度保持材60と、電磁弁61と、圧力計62と、電磁弁63と、アスピレーター64とを備える。
超純水タンク51は、超純水を貯蔵するタンクである。超純水タンク51は、常に超純水が充填されている状態にする。
注水ポンプ53は、超純水タンク51及び電磁弁54と配管を介して接続し、超純水タンク51を加圧して電磁弁54に送液する。
電磁弁54は、注水ポンプ53及び中空糸フィルター55と配管を介して接続し、注水ポンプ53から送液された超純水を中空糸フィルター55に流通または遮断する。
中空糸フィルター55は、一方を電磁弁54と配管で接続し、他方を圧力計56及び電磁弁57に配管で接続する。また、中空糸フィルター55は注水ポンプ53から送液された超純水から不純物を取り除く。
圧力計56は、中空糸フィルター55から電磁弁57への配管内の圧力を測定する圧力計である。注水ポンプ53は水圧が例えば、303kPa(3kgf/cm)加えられるものを選定する。本明細書の圧力は全てゲージ圧力で表す。
電磁弁57は、一方を中空糸フィルター55及び圧力計56と配管で接続し、他方をバンドルプリフォーム40と配管で接続する。バンドルプリフォーム40は配管に対して取り外し可能とする。そして、電磁弁57は、注水ポンプ53から送液された超純水をバンドルプリフォーム40に流通または遮断する。
加圧ライン52には窒素ガスの供給元を接続し、例えば、303kPa(3kgf/cm)の圧力をかけられるよう配管する。
サブミクロンポアフィルター58は、窒素ガスの不純物を除去するフィルターである。サブミクロンポアフィルター58は、一方を加圧ライン52に接続し、他方を電磁弁59に配管を介して接続する。
電磁弁59は、一方をサブミクロンポアフィルター58に配管を介して接続し、他方を電磁弁57と共通する配管でバンドルプリフォーム40に接続する。バンドルプリフォーム40は配管に対して取り外し可能とする。
強度保持材60は、バンドルプリフォームの周囲を覆う保持材である。
電磁弁61は、一方を電磁弁57と共通する配管でバンドルプリフォームに接続する。バンドルプリフォームは配管に対して取り外し可能とする。また、電磁弁61は、他方を圧力計62及び電磁弁63に配管を介して接続する。
圧力計62は、アスピレーター64への配管内の圧力を測定する圧力計である。
電磁弁63は、一方を電磁弁61及び圧力計62と配管で接続し、他方をアスピレーター64に配管で接続する。電磁弁63は、アスピレーター64で吸引する場合に開とする。
アスピレーター64は、電磁弁61、電磁弁63及び配管を介してバンドルプリフォーム40内の超純水を吸引する。減圧ライン65には、アスピレーター64を接続し、圧力計62において−80.8kPa(−608Torr)以下まで減圧できるよう配管する。
以下に洗浄装置50の操作1〜7を手順に従って示す。なお、各操作において、電磁弁の開閉状態は表1のとおりである。電磁弁は手動で制御してもよいが、プログラム制御するほうが望ましい。以下はプログラム制御が前提での操作方法を示す。
Figure 0006545074
<操作1> バンドル内減圧
バンドル内の単芯ファイバ間の隙間を、アスピレーターを用いて減圧状態にする。開とすべき電磁弁は61、63であり、その他の電磁弁は全て閉である。圧力計62の到達圧力が−80.8kPa(−608Torr)以下まで減圧できたら操作2に移る。
<操作2> 超純水注水
超純水タンクに溜めている超純水を注水ポンプで加圧してバンドルプリフォーム40に注入する。このとき、超純水は中空糸フィルターを通してバンドルプリフォーム40に流水させて異物のない超純水を流入させる必要がある。例えば、流入量は100ccとした。開とすべき電磁弁は57、54であり、その他の電磁弁は全て閉である。圧力計62の到達圧力が40.4kPa(0.4kgf/cm)まで上昇したら操作3に移る。
<操作3> 注水停止
操作2で注入している超純水を停止する。電磁弁は全て閉である。
<操作4> 超純水排水
バンドルプリフォーム40に溜まった水を減圧することで排水する。開とすべき電磁弁は61、63であり、その他の電磁弁は全て閉である。圧力計62の圧力が0Pa(0kgf/cm)以下になれば、操作5に移る。操作4の完了時点では、バンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間には超純水が残っている状態になっている。
<操作5> 窒素ガス噴射
バンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間に残っている超純水を、窒素ガスを噴射することで除去する。その衝撃力で異物をバンドルプリフォーム40内から追い出す。開とすべき電磁弁は59、61、63であり、その他の電磁弁は全て閉である。窒素ガス噴射時間は例えば、1〜10秒程度でよい。
<操作6> 排水完了
バンドルプリフォーム40の単芯ファイバ素線の下に溜まった超純水を排水する。開とすべき電磁弁は61、54であり、その他の電磁弁は全て閉である。圧力計62の到達圧力が−80.8kPa(−608Torr)以下まで減圧できたら操作7.に移る。
<操作7> 排水停止
電磁弁は全て閉である。
この水流洗浄のための操作1〜操作7を2000回繰り返す。操作1〜7の順番に操作を行なうことで、洗浄液を加圧手段と減圧手段によってバンドルプリフォーム40内に注液と排液を交互に1回以上繰り返すことができ、界面活性剤や異物を洗浄・排出することができる。バンドル容器に流入する水はバンドルプリフォーム40を予め減圧状態にしておくと洗浄液を注水する際に圧力差をより大きくできる。減圧状態は圧力計62で把握でき、加圧度合いは圧力計56で把握できる。また、圧力計56と62の圧力差がバンドル容器内に流入する水の圧力となる。水圧が例えば、303kPa(3kgf/cm)、アスピレーター64での減圧到達圧力が−80.8kPa(−608Torr)の場合は、303−(−80.8)=383.8kPaとなる。当該圧力差は250kPa以上とし、好ましくは300kPa以上、より好ましくは350kPa以上である。
このバンドルプリフォーム40の洗浄は、洗浄液を用いて行うことができる。洗浄液は、単芯ファイバ素線35を傷付けず、界面活性剤および必要に応じて用いられた仮接着剤等の任意成分、単芯ファイバ素線間の混入異物を除去できるものであればよい。バンドルプリフォーム40に新たに余分な成分が付着することを抑制するために、洗浄液としては水(以下、洗浄水とも言う。)が好ましい。洗浄水としては、不純物の少ない純水が好ましく、不純物量が0.01μg/L以下の超純水が特に好ましい。
そして、バンドルプリフォームから洗浄液を流すことにより、界面活性剤が除去される。しかしながら、単芯ファイバ素線間の混入異物を除去するためには、単に洗浄液を流しても異物は十分に除去できない場合もある。
そこで、本実施の形態では、加圧した洗浄液をバンドルプリフォーム40に流入させ、圧力の力で異物をバンドルプリフォーム40から除去する。またステップS13において、バンドルプリフォーム40を予め減圧状態にしておくと、洗浄液を注水する際に圧力差をより大きくできる。また、バンドルプリフォーム40の単芯ファイバ素線間に洗浄液が満たされている状態で圧力をかけた気体を瞬間的に噴射することで異物に衝撃力を与ることができ、同様に異物をバンドルプリフォーム40内から追い出すことができる。
その後、バンドルプリフォーム40を減圧することで、バンドルプリフォーム40内から洗浄水と異物を回収する。この加圧手段と減圧手段によって、バンドルプリフォーム40内に注液と排液を交互に1回以上繰り返すことによって、バンドルプリフォーム40内の単芯ファイバ素線間の混入異物を洗浄・排出することができる。
洗浄液の加圧手段は不活性の気体が好ましく、例えば窒素ガスがより好ましい。加圧する圧力は大きい方が良いが、バンドルプリフォーム容器の接着強度を考慮して303kPa(3kgf/cm)程度が好ましい。減圧手段は真空ポンプを使用することができ、−80.8kPa(−608Torr)以下程度に減圧することが望ましい。
洗浄後のバンドルプリフォーム40を減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下で加熱して全体を一体化してから、次の線引きの工程に供する。
なお、減圧雰囲気好ましくは真空雰囲気の圧力および加熱温度は、公知方法を用いることができる。
次に図1のステップS14において、複芯ファイバであるPIF70が形成される。図9は、本実施の形態における複芯ファイバ製造装置の一例を示す略図である。
図9において、複芯ファイバ形成装置80は、保持手段(図示せず)と、加熱手段81と、線引き手段82と、真空ポンプ83を備える。
保持手段は、バンドルプリフォーム40を保持し、かつ、その位置を調整する。
加熱手段81は、バンドルプリフォーム40の先端部を加熱する。例えば、加熱手段81は、バンドルプリフォーム40の先端部を挟んで互いに対向して配置された一対のヒーターである。
線引き手段82は、加熱されたバンドルプリフォーム40の先端部を線引きする。例えば、線引き手段82は、加熱されたバンドルプリフォーム40の先端部を加圧挟持する一対の加圧ローラである。
複芯ファイバ形成装置80において、PIF70のコアとクラッドの間を密着させるためにPIF70の製造は、真空ポンプによる減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下で実施される。
図9に示すように、減圧雰囲気下好ましくは真空雰囲気下で、バンドルプリフォーム40の先端部を加熱手段81によって加熱した後、線引き手段82により線引きする。これら一連の工程によって、PIF70が製造される。
なお、線引きの工程において、減圧雰囲気好ましくは真空雰囲気の圧力および加熱温度は、公知方法と同様である。
生成された複芯ファイバを図10に示す。図10は、複芯ファイバの断面図である。図8に示すように、PIF70においては、バンドルプリフォーム40内にあった空隙はなくなり、複数の単芯ファイバ素線35のクラッド層42と第2のクラッドパイプ43とが互いに融着一体化してクラッド72が形成される。断面視において、海部であるクラッド72の中に、複数のコア71が島状に形成された海島構造を有するPIF70が製造される。
以上の複芯ファイバの製造方法は、図4、図8及び図9の装置を組み合わせた製造装置により実現することもできる。図11は、本実施の形態の複芯ファイバ製造装置の構成を示すブロック図である。図11において、複芯ファイバ製造装置90は、単芯ファイバ形成部91と、バンドルプリフォーム形成部92と、洗浄部93と、複芯ファイバ形成部94とを備える。
単芯ファイバ形成部91は、コアロッド21を第1のクラッドパイプ22の中空部に挿入して、単芯のクラッド/コア複合材23を形成し、単芯のクラッド/コア複合材23を減圧雰囲気下、好ましくは真空雰囲気下で加熱して、コアロッド21とクラッドパイプ22とを一体化し、線引き及び切断を行う。例えば単芯ファイバ形成部91は、上述した図4の単芯ファイバ形成装置が好適である。
バンドルプリフォーム形成部92は、コアがクラッド層で被覆された単芯ファイバ素線を、前記クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る。
洗浄部93は、バンドルプリフォームを洗浄して、バンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間の界面活性剤や異物を取り除く。例えば、洗浄部93は、上述した図8の構成が好適である。
複芯ファイバ形成部94は、減圧雰囲気下好ましくは真空雰囲気下で、バンドルプリフォーム40を加熱した後、線引きする。例えば、複芯ファイバ形成部94は、上述した図9の構成が好適である。
このように本実施の形態の複芯ファイバ製造装置は、形成されたバンドルプリフォーム内の単芯ファイバ素線間に洗浄液を送液して洗浄することにより、単芯ファイバ素線を束ねる際に使用する界面活性剤や単芯ファイバ素線間の異物を除去することができ、コア間の光信号のばらつきを減らすことができる。
次に、本発明に係る実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
はじめに、外径53mmφのポリスチレン(PS、屈折率1.59)製のコアロッドと、内径55mmφ、外径70mmφのポリメチルメタクリレート(PMMA、屈折率1.494)製の第1のクラッドパイプとを用意した。次に図2に示したように、上記の第1のクラッドパイプの中空部に上記のコアロッドを挿入して、単芯のクラッド/コア複合材を得た。
単芯のクラッド/コア複合材において、中心軸から外周に向かう一方向(x方向)の屈折率ndの分布は、図2に示したように、コアロッド内の屈折率ndはx方向に対して一様であり、第1のクラッドパイプの屈折率ndはx方向に対して一様であった。
次に図4に示したように、得られた単芯のクラッド/コア複合材に対して、真空雰囲気下で先端部を加熱し、線引きし、切断して、単芯ファイバ素線を得た。
得られた単芯ファイバ素線は、コア径sa=0.68mm、クラッド層厚st=0.10mm、外径sd=0.88mmφ、コア面積比率sE=60%、長さ=200mmであった。
上記の単芯ファイバ素線を5200本用意した。
次に図6に示したように、0.5質量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液中で、5200本の単芯ファイバ素線を束ねて、ファイバ素線束を得た。
次に図7に示したように、得られたファイバ素線束を、外径70mmφ、肉厚2mmのポリメチルメタクリレート(PMMA、屈折率1.494)製の第2のクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得た。
次に、水道水を開口径0.2μmのろ過フィルターとイオン交換膜に順次通して得た超純水(最大抵抗値:18.2MΩ)を用いて、得られたバンドルプリフォームを水洗浄した。水流洗浄は操作2.〜操作10.を2000回繰り返した。水圧は303kPa(3kgf/cm)、アスピレーター64での減圧到達圧力は−80.8kPa(−608Torr)であり、圧力差は303−(−80.8)=383.8kPaであった。この水洗浄により、バンドルプリフォームに付着した界面活性剤、単芯ファイバ素線に混入した異物を除去した。洗浄には、上述の洗浄装置50を用いた。
図9に示す装置を用い、減圧雰囲気下好ましくは真空雰囲気下で、バンドルプリフォームの先端部を加熱手段によって加熱した後、線引き手段により線引きし、PIFを得た。PIFの長さは、2mとした。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、暗欠陥および画素抜けは全画素の0.1%以下であった。
光学顕微鏡による断面写真を図12に示す。図12は、実施例1の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表2に示す。得られたPIFは、画素数N(コア数)=5200、コア径ma(画素径)=3.4μm、コアピッチmp=4.4μm、仮想クラッド層厚mt=0.5μm、コア面積比率mE=60%、実効径D1=328μm、外径D2=340μmであった。なお、ma、mp、およびmtは、ランダムに選んだ10箇所の平均値としたが、測定箇所によるばらつきは見られなかった。
Figure 0006545074
(実施例2)
水流洗浄の操作2.〜操作10.を1000回繰り返した以外は実施例1と同じである。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約5%の暗欠陥が見られた。光学顕微鏡による断面写真を図13に示す。図13は、実施例2の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表2に示す。
(実施例3)
水流洗浄の操作2.〜操作10.を10回繰り返した以外は実施例1と同じである。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約10%の暗欠陥が見られた。光学顕微鏡による断面写真を図14に示す。図14は、実施例3の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表2に示す。
(実施例4)
0.5質量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液に代えて、純水中でファイバ素線を束ねた以外は実施例1と同じである。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約1%の暗欠陥が見られた。六方稠密配列の画素の数の割合は、50%以下であった。
(比較例1)
加圧ラインの窒素ガスの圧力をかけない、注水ポンプを使用しないで洗浄した以外は実施例1と同じである。水圧は20.2kPa(0.2kgf/cm)、アスピレーター64での減圧到達圧力は−80.8kPa(−608Torr)であり、圧力差は20.2−(−80.8)=101kPaであった。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約20%の暗欠陥が見られた。光学顕微鏡による断面写真を図15に示す。図15は、比較例1の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表3に示す。
Figure 0006545074
(比較例2)
加圧ラインの窒素ガスの圧力を121.2kPa(1.2kgf/cm)とし、注水ポンプの圧力も121.2kPa(1.2kgf/cm)として洗浄した以外は実施例1と同じである。圧力差は121.2−(−80.8)=202kPaであった。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約15%の暗欠陥が見られた。光学顕微鏡による断面写真を図16に示す。図16は、比較例2の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表3に示す。
(比較例3)
水流洗浄を実施しない以外は実施例1と同である。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約50%の暗欠陥が見られた。光学顕微鏡による断面写真を図17に示す。図17は、比較例3の光学顕微鏡による断面写真である。主な製造条件と評価結果を表3に示す。
(比較例4)
0.5質量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)水溶液に代えて、純水中でファイバ素線を束ねた以外は比較例1と同じである。得られたPIFについて光学顕微鏡による断面観察を実施したところ、全画素数の約5%の暗欠陥が見られた。六方稠密配列の画素の数の割合は、50%以下であった。
以上のように、洗浄液を加圧手段と減圧手段によってバンドルプリフォーム内に注液と排液を交互に繰り返すことによって、異物を洗浄・排出することができる。圧力差が小さいと洗浄回数が多くても異物除去ができない。圧力差が大きくても、洗浄回数が少ないと同様に異物が除去できない。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記各実施の形態では、しなやかさに優位性が出せるプラスチックイメージファイバについて記載しているが、イメージファイバ自身の材質は特に限定されるものではない。
図6に示すように、単芯ファイバ素線35は、コアロッド21から形成された1つのコア41が第1のクラッドパイプ22から形成されたクラッド層42で被覆されたものである。
単芯ファイバ素線35において、コア径をsa、クラッド層厚をstとし、単芯ファイバ素線35の外径をsdとし、コア面積比率をsEとする。単芯ファイバ素線35の外径sdおよびコア面積比率sEは、下記の式(1)、(2)で表される。
sd=sa+2×st (1)
sE(%)=(sa/sd)×100 (2)
本実施形態の製造方法においては、バンドルプリフォーム40の線引きの工程において、全体が細線化するが、個々のコアとこれを被覆するクラッド層との面積比は変化しない。また、本明細書では、PIF70のコア面積比率mEの算出において、外縁部分を除外してある。そのため、製造に用いた単芯ファイバ素線35のコア面積比率sEと、PIF70のコア面積比率mEとは、基本的に同一である。
したがって、単芯ファイバ素線35の製造の時点で、単芯ファイバ素線35のコア面積比率sEを、PIF70のコア面積比率mEの所望値に設計しておけばよい。上述したように、明るさおよびクロストークのバランスを考慮すると、PIF70のコア面積比率mEは好ましくは50〜62%であり、より好ましくは53〜60%である。上記のように、単芯ファイバ素線35のコア面積比率sEは、PIF70のコア面積比率mEと基本的に同一であるので、単芯ファイバ素線35のコア面積比率sEはPIF70のコア面積比率mEと同様、好ましくは50〜62%であり、より好ましくは53〜60%である。
単芯ファイバ素線35のコア面積比率sEは、単芯ファイバ素線35のコア径saと、クラッド層厚st、および単芯ファイバ素線35の外径sdと相関する。また、製造されるPIF70の各種パラメータは、単芯ファイバ素線35の上記パラメータに依存する。したがって、PIF70の各種パラメータ設計に応じて、単芯ファイバ素線35の各種パラメータを好ましい範囲内に設計する。
単芯ファイバ素線35のコア径saは、3.2〜3.6mmが好ましい。
単芯ファイバ素線35のクラッド層厚stは、0.4〜0.6mmが好ましい。
単芯ファイバ素線35の外径sdは、4.0〜4.8mmが好ましい。
本実施形態の製造方法では、複合口金を用いる必要がないので、画素径(コア径ma)、画素数N(コア数)、およびコア面積比率mE等の製品仕様の変更に柔軟に対応できる。
本実施形態の製造方法では、画素径(コア径ma)、画素数N(コア数)、およびコア面積比率mE等を自由に設計できるので、点灯画素の平均的な明るさおよびクロストーク等を好適な範囲に設計でき、光学品質に優れたPIF70を製造できる。
本実施形態の製造方法では、界面活性剤を含む溶液(好ましくは水溶液)を用いて複数の単芯ファイバ素線35を束ねることで、複数の単芯ファイバ素線35の間の滑りを良くし、複数の単芯ファイバ素線35が互いに擦り合って互いに傷付け合うことを抑制することができる。これにより、単芯ファイバ素線35に付いた傷等に起因するPIF70の暗欠陥が抑制される。
また、複数の単芯ファイバ素線35の間の滑りが良くなることで、これらを自然に整然と配列させることができる。その結果、PIF70の画素抜けが抑制される。また、画素配列が整然とするため、PIF70を用いて高精細な画像の伝送が可能となる。
図10に示すように、本実施形態のPIF70は、クラッド72と、クラッド72の中に形成された複数のコア71とを有する複芯ファイバからなり、個々のコア71が個々の画素をなすプラスッチクイメージファイバである。PIF70は、断面視において、海部であるクラッド72の中に、複数のコア71が島状に形成された海島構造を有する。
PIF70においては、個々のコア71内に光が通る。個々のコア71内に光を閉じ込めて良好に導光させるためには、コア71の屈折率がクラッド72の屈折率よりも相対的に大きいことが必要である。
コア71は比較的高屈折率の透光性ポリマーにより構成され、クラッド72は比較的低屈折率の透光性ポリマーにより構成される。
コア材料/クラッド材料の組合せとしては、
ポリスチレン(PS、例えば屈折率1.59程度)/ポリメチルメタクリレート(PMMA、例えば屈折率1.494程度)、
ポリベンジルメタクリレート(PBzMA、例えば屈折率1.57程度)/ポリメチルメタクリレート(PMMA、例えば屈折率1.494程度)、および、
ポリメチルメタクリレート(PMMA、例えば屈折率1.494程度)/メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(例えば屈折率1.42程度)等が好ましい。
PIF70は、コア71内の屈折率分布が一様なステップインデックス(SI:Step Index)型でもよいし、コア71内の屈折率分布がゆるやかに変化したグレーデッドインデックス(GI:Graded Index)型でもよい。
PIF70には、画像伝送に寄与しないクラッド材料からなる外縁部分が存在する。この外縁部分を除く部分が、実質的に画像伝送に寄与する実効部分である。図10には、PIF70の中心を中心点としてすべての画素(コア71)を含む最小の仮想円43を描いてある。この仮想円43の径をPIF70の実効径D1と定義し、仮想円43の断面積をPIF70の実効断面積と定義する。図中、符号D2はPIF70の外径である。
図10において、符号maはコア径を示し、符号mpはコアピッチ(画素ピッチ)を示す。PIF70において、コア数が画素数Nである。これらのパラメータは所望の仕様に応じて設計される。図10では、簡略化して、コア数を実際よりも少なく図示してある。
PIF70においては、個々のコア71の周りに個々のコア71を被覆するクラッド層が存在するが、個々のコア71を被覆する個々のクラッド層と外縁部分のクラッド層とは互いに一体化され、それぞれを明確に識別することができない。
ただし、図10には、個々のコア71を被覆する個々のクラッド層を、「仮想クラッド層42」として図示してある。なお、説明の便宜上、「仮想クラッド層42」は単にクラッド層と表記する場合もある。
図10中、互いに隣接する2つのコア71の離間距離を2×mtとして図示する。
ここで、mtは、個々のコア71を被覆する仮想クラッド層42の厚み(仮想クラッド層厚)である。PIF70において、1つの画素は、1つのコア71とこれを被覆する仮想クラッド層42とからなる。画素径は、ma+2×mtである。1つの画素において、コア71が実質的な点灯部分である。PIF70の画素数N(コア数)は用途等に応じて設計される。画素数Nが多くなる程、高精細となる。
内視鏡等の用途において、画素数Nは、好ましくは2000以上、より好ましくは5200以上、より好ましくは10000以上、より好ましくは20000以上、より好ましくは30000以上、特に好ましくは40000以上である。一般に、PIF70において、画素径(コア径)および画素数(コア数)が同一条件であれば、点灯画素の平均的な明るさ(点灯コアおよびこれを被覆するクラッド層との平均的な明るさ)およびクロストークと呼ばれる画像のボケ度合いは、コア面積比率mEと相関する。
コア面積比率mEが大きい程、クラッド層の割合が小さくなるので、点灯画素の平均的な明るさが向上する一方、クロストークにより画像のボケ度合いが大きくなり画質が低下する傾向がある。反対に、コア面積比率mEが小さい程、クラッド層の割合が大きくなるので、クロストークが抑制されて画像のボケ度合いが小さくなり画質が向上する一方、点灯画素の平均的な明るさが低下する傾向がある。
PIF70におけるコア面積比率mEは、PIF70の実効断面積(仮想円42の面積)に占めるすべてのコア71の総断面積の比率であり、一般式:[すべてのコアの総断面積]/[PIFの実効断面積]で求められる。
上記のように、PIF70には、画像伝送に寄与しないクラッド材料からなる外縁部分(仮想円42より外側部分)が存在するが、コア面積比率mEの算出にあたっては、この外縁部分を除外してある。これによって、実質的に画像伝送に寄与する実効部分に特化して、パラメータの好適な範囲を議論することができる。PIF70においては、断面視において、複数のコア71は六方稠密に整然と配列されている。
詳細については後記するが、本発明に係る製造方法によれば、画素数Nが5200以上であっても、複数の画素を六方稠密に整然と配列させることができ、画素数Nに対して断面視で六方稠密に配列している複数の画素の数の割合を90%以上、95%以上、または100%とすることができる。
本発明に係る製造方法では、画素数Nが10000以上、20000以上、30000以上、あるいは40000以上であっても、画素数Nに対して断面視で六方稠密に配列している複数の画素の数の割合を90%以上、95%以上、または100%とすることができる。
本実施形態では、複数のコア71を自然に整然と配列させることができるため、PIF70の断面において、コア径ma、コアピッチmp、仮想クラッド層厚mt、およびコア面積比率mEには、ほとんどばらつきがない。
したがって、コア面積比率mEは、コア径ma、個々のコア71を被覆する仮想クラッド層42の厚み(仮想クラッド層厚)mt、およびコアピッチmpと相関し、下記の式(3)、(4)で求められる。
mE(%)=(ma/mp)×100 (3)
mp=ma+2×mt (4)
明るさおよびクロストークのバランスを考慮すると、PIF70のコア面積比率mEは好ましくは50〜62%であり、より好ましくは53〜60%である。また、PIF70において、外径は用途等に応じて設計される。
例えば医療用途において、内視鏡等ではPIF70はカテーテル管等の内部に挿入されるので、外径はカテーテル管等の内径より小さく設計される。PIF70において、外径が同一の条件において高精細とするには、画素数N(コア数)を大きくする必要がある。この場合、コア径maが小さくなる。ここで、コア面積比率mEが同じ条件のままコア径maを小さくすると、クロストークが発生する方向に向かう。そこで、クロストークを抑制するには、コア面積比率mEを小さくする必要がある。
すなわち、高精細化とクロストーク抑制の観点からは、コア径maが小さく、コア面積比率mEが小さいことが好ましい。PIF70のコア径maは、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下である。製造容易性を考慮すれば、PIF70のコア径maは、好ましくは1μm以上、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。
PIF70の仮想クラッド層厚mtは、所望のコア径maおよび所望のコア面積比率mEに応じて設計される。PIF70の仮想クラッド層厚mtは、好ましくは0.3〜1.0μmであり、より好ましくは0.5〜0.7μmである。PIF70の実効径D1は、所望の画素径(コア径ma)、所望の画素数N(コア数)、および所望のコア面積比率mEに応じて設計される。
画素径(コア径ma)および画素数N(コア数)が同一の条件であれば、外縁部分の厚み(=(D2−D1)/2)は薄い方が、PIF70の外径を小さくでき、好ましい。ただし、外縁部分の厚み(=(D2−D1)/2)が過小では、クラッドによる光閉じ込め効果が不充分となる恐れがある。PIF70の外縁部分の厚み(=(D2−D1)/2)は、10〜30μmが好ましい。
本実施形態の製造方法では、界面活性剤を使用すると、画素数Nが5200以上であっても、複数の画素を整然と配列させることができ、画素数Nに対して断面視で六方稠密に配列している複数の画素の数の割合を90%以上、95%以上、または100とすることができる。
本実施形態の製造方法では、界面活性剤を使用すると、画素数Nが10000以上、20000以上、30000以上、あるいは40000以上であっても、画素数Nに対して断面視で六方稠密に配列している複数の画素の数の割合を90%以上、95%以上、または100とすることが可能である。
なお、本発明において、ある画素(G1)が六方稠密に配列しているか否かについては次の基準で判断する。まず、断面視において、ある画素(G1)から見て最近の周囲に存在する6つの画素(G2〜G7)を選択する。ここで、ある画素(G1)の周囲に6つの画素が存在しない場合(例えば最外縁の画素が相当)もあるが、その画素は六方稠密に配列しないものとしてカウントする。故に、必然的に画素数Nに対して断面視で六方稠密に配列している複数の画素の数の割合は100%とはならない。
前述のとおり選択した6つの画素(G2〜G7)に関して、G1に属するコアとGiに属するコアの画素ピッチの距離をmpiとしたとき、mp2〜mp7の値がいずれも、mp2〜mp7の平均値の90%以上110%以下の範囲内である場合、画素(G1)は断面視で六方稠密に配列しているとしてカウントする。
ここで、mp2〜mp7の平均値とは下記式(5)で定義される値である。
(mp2+mp3+mp4+mp5+mp6+mp7)/6 ・・・(5)
以上のように、本実施形態によれば、画素径(コア径ma)、画素数(コア数)N、およびコア面積比率mE等の製品仕様の変更に柔軟に対応でき、かつ、暗欠陥および画素抜けが抑制され、複数の画素が整然と整列し、画像を高精度に伝送することが可能なPIF70の製造方法を提供することができる。
なお、上記実施の形態では、コアにクラッド層を被覆して単芯ファイバを形成し、形成した単芯ファイバ素線を、クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に複数挿入して、バンドルプリフォームを得ているが、既にコアがクラッド層で被覆された単芯ファイバを用いてバンドルプリフォームを得ても良い。
本発明の複芯ファイバ及びと複芯ファイバの製造方法は、プラスチックイメージファイバとして、内視鏡等の医療用途、および工業用ファイバスコープ等の工業用途等に好ましく適用することができる。
21 コアロッド
22 クラッドパイプ
23 コア複合材
30 単芯ファイバ形成装置
31、81 加熱手段
32、82 線引き手段
33 切断手段
34 真空ポンプ
35 単芯ファイバ素線
40 バンドルプリフォーム
41 コア
42 クラッド層
43 クラッドパイプ
44 空隙
45 ファイバ素線束
50 洗浄装置
51 超純水タンク
52 加圧ライン
53 注水ポンプ
54、57、59、61、63 電磁弁
55 中空糸フィルター
56、62 圧力計
58 サブミクロンポアフィルター
60 強度保持材
64 アスピレーター
65 減圧ライン
71 コア
72 クラッド
80 複芯ファイバ形成装置
90 複芯ファイバ製造装置
91 単芯ファイバ形成部
92 バンドルプリフォーム形成部
93 洗浄部
94 複芯ファイバ形成部

Claims (6)

  1. クラッドと、前記クラッドの中に形成された複数のコアとを有する複芯プラスチックファイバの製造方法において、
    コアがクラッド層で被覆されている単芯プラスチックファイバ素線を、前記クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に複数挿入して、バンドルプリフォームを得るバンドルプリフォーム形成工程と、
    減圧雰囲気下で、前記バンドルプリフォームの先端部を加熱し、線引きして、クラッドと、前記クラッドの中に形成された複数のコアとを有する前記複芯プラスチックファイバを形成する複芯プラスチックファイバ形成工程と、を有する複芯プラスチックファイバの製造方法であって、
    前記複芯プラスチックファイバの製造方法は、バンドルプリフォーム形成工程と複芯ファイバ形成工程の間において、前記バンドルプリフォーム内の前記複数の単芯プラスチックファイバ素線と前記クラッドパイプとの空間に液体を加圧送出して、250kPa以上の圧力差をかけて洗浄する洗浄工程を有することを特徴とする複芯プラスチックファイバの製造方法。
  2. 前記バンドルプリフォーム形成工程において、界面活性剤を含む溶液中で前記複数の単芯プラスチックファイバ素線を前記クラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る請求項1に記載の複芯プラスチックファイバの製造方法。
  3. 前記洗浄工程において、液体を加圧送出して後にバンドルプリフォーム内に気体の送出と排気を交互に2回以上繰り返す請求項1または2に記載の複芯プラスチックファイバの製造方法。
  4. コアがクラッド層で被覆された単芯プラスチックファイバ素線を、前記クラッド層と同じ材料からなるクラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得るバンドルプリフォーム形成部と、
    減圧雰囲気下で、前記バンドルプリフォームの先端部を加熱し、線引きして、プラスチックファイバを形成する複芯プラスチックファイバ形成部と、を有する複芯プラスチックファイバ製造装置であって、
    前記複芯プラスチックファイバ製造装置は、バンドルプリフォーム形成部において形成された前記バンドルプリフォーム内の数の単芯プラスチックファイバ素線と前記クラッドパイプとの空間(隙間)に液体を加圧送出して洗浄する洗浄部を有し、
    前記複芯プラスチックファイバ形成部は、前記洗浄部において洗浄された前記バンドルプリフォームから前記複芯プラスチックファイバを形成することを特徴とする複芯プラスチックファイバ製造装置。
  5. 前記バンドルプリフォーム形成部は、界面活性剤を含む溶液中で前記複数の単芯プラスチックファイバ素線を前記クラッドパイプの中空部に挿入して、バンドルプリフォームを得る請求項4に記載の複芯プラスチックファイバ製造装置。
  6. 前記洗浄部は、においてバンドルプリフォーム内に気体の送出と排気を交互に2回以上繰り返す請求項4または5に記載の複芯プラスチックファイバ製造装置。
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