照明技術が進歩し、より多くの照明ユニット及び照明器具がネットワーク接続されるようになるにつれて、各光源を個別に制御するのではなく、複数の光源にわたって予め設定された「照明シーン」を実施して、所望の全体的効果を達成することがより一般的になってきている。ネットワーク接続された照明器具及び/又は照明ユニットは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及び/又はスマートグラス、スマートウォッチなどのようなウェアラブルコンピューティングデバイスなどのモバイルコンピューティングデバイスによって制御され得る。しかしながら、ユーザは、複数の光源にわたる照明シーンを選択及び/又は実施することを望むときに、必ずしも前記ユーザのモバイルコンピューティングデバイスを手元に置いているとは限らないだろう。実際、ユーザは、複数の光源にわたる相対的に複雑な照明シーンをよく実施するようになっているにもかかわらず、ユーザは、壁スイッチの使用又は照明器具の操作のような、相対的に少ない場所で実施可能であり、単純である制御を依然として望んでいる。従って、照明ユニット及び/又は照明器具の通信能力を活用して簡素化された照明制御を実施することが当技術分野で必要とされている。
本開示は、特定の光源を操作するユーザ入力に基づいて、複数の光源による実施のための複数の照明シーンから照明シーンを選択するための本発明の方法及び装置を対象とする。例えば、ユーザは、(例えば、壁スイッチを用いて、又は照明器具の制御装置を操作することによって)単一の光源を操作して、その光源に所望の照明効果を発させ得る。同時に、(例えば、同じ部屋の中の又は近くの)他の光源も、トリガされて、各々、所望の照明シーン全体の各々の部分を形成する光を発し得る。
広くは、或る態様においては、複数の光源を制御するための方法は、前記複数の光源のうちの第1光源によって発せられる光を制御するために供給されるユーザ入力を検出するステップと、前記ユーザ入力の1つ以上の属性を決定するステップと、前記ユーザ入力の前記1つ以上の属性に基づいて、少なくとも部分的には、前記複数の光源のうちの、前記第1光源以外の複数の光源によって実施可能な複数の照明シーンから第1照明シーンを選択するステップと、選択された前記照明シーンを、少なくとも部分的には、前記複数の光源のうちの、前記第1光源以外の2つ以上の光源において実施するステップとを含み得る。幾つかの実施例においては、前記方法は、前記ユーザ入力が検出されるコンテキストを決定するステップを更に含み得る。幾つかのこのような実施例においては、前記複数の照明シーンから前記第1照明シーンを選択するステップが、更に、前記ユーザ入力が検出される前記コンテキストに基づき得る。幾つかのバージョンにおいては、前記コンテキストは、前記ユーザ入力が供給された時刻を含み得る。
幾つかの実施例においては、前記方法は、前記第1光源の1つ以上の属性を決定するステップを更に含んでもよく、前記複数の照明シーンから前記第1照明シーンを選択するステップは、更に、前記第1光源の前記1つ以上の属性に基づいてもよい。幾つかのバージョンにおいては、前記第1光源の前記1つ以上の属性は、前記第1光源が対象とする用途を含む。幾つかのバージョンにおいては、前記第1光源の前記1つ以上の属性は、前記第1光源と関連づけられている識別子を含んでもよい。幾つかの実施例においては、前記識別子が、前記複数の光源の中からの前記第1光源の区別の目安となる。
幾つかの実施例においては、前記複数の光源が、直線状LEDアレイにおいて直線状に配置される。幾つかの実施例においては、前記方法は、前記ユーザ入力の前記1つ以上の属性を、1つ以上のネットワークを通じて前記複数の光源に伝達するステップを更に含み得る。幾つかの実施例においては、前記方法は、複数の照明シーンから選択された前記第1照明シーンを、1つ以上のネットワークを通じて前記複数の光源に伝達するステップを更に含み得る。
本開示の目的のために本明細書で用いられているような「LED」という用語は、電気信号に応じて放射線を生成することができるあらゆるエレクトロルミネッセンスダイオード又は他のタイプのキャリア注入/ジャンクションベースのシステムを含むと理解されるべきである。従って、LEDという用語は、電流に応じて光を発する様々な半導体ベースの構造、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)及びエレクトロルミネッセンスストリップなどを含むが、これらに限定されない。LEDという用語は、とりわけ、赤外線スペクトル、紫外線スペクトル、及び(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射線波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ以上において放射線を生成するよう構成され得る(半導体及び有機発光ダイオードを含む)全てのタイプの発光ダイオードを指す。LEDの幾つかの例は、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED及び(下で更に記述する)白色LEDを含むが、これらに限定されない。LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭帯域幅、広帯域幅)のための様々な帯域幅(例えば、半値全幅、即ち、FWHM)、及び所与の一般的な色分類内の様々な主波長を持つ放射線を生成するよう構成及び/又は制御され得ることも理解されるべきである。
例えば、本質的に白色の光を生成するよう構成されるLEDの或る実施例(例えば、白色LED)は、組み合わせにおいて、本質的に白色の光を形成するよう混ざり合う、異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々発する多くのチップを含み得る。別の実施例においては、白色光LEDは、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを、異なる第2スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスに変換する蛍光体材料と関連づけられ得る。この実施の或る例においては、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスが、蛍光体材料を「励起」し、次に、前記蛍光体材料が、幾らかより広いスペクトルを持つより長い波長の放射線を放射する。
LEDという用語は、LEDの物理的な及び/又は電気的なパッケージのタイプを限定しないことも理解されるべきである。例えば、上に記述したように、LEDは、(個々に制御可能であってもよく、又は個々に制御可能でなくてもよい)各々異なるスペクトルの放射線を発するよう構成される複数のチップを持つ単一の発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、前記LEDの一体部分とみなされる蛍光体と関連づけられてもよい(例えば、幾つかのタイプの白色LED)。一般に、LEDという用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、何らかのタイプの容器(encasement)及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指し得る。
「光源」という用語は、(上で規定されているようなLEDを1つ以上含む)LEDベースの光源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライドランプ)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネッセンス源、パイロルミネッセンス源(pyro-luminescent source)(例えば、炎)、キャンドルルミネッセンス源(candle-luminescent source)(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射線源)、フォトルミネッセンス源(photo-luminescent source)(例えば、ガス放電源)、電子飽和を用いるカソードルミネッセンス源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネッセンス源(galvano-luminescent sources)、クリスタロルミネッセンス源(crystallo-luminescent source)、カイネルミネッセンス源(kine-luminescent source)、熱ルミネッセンス源、トライボルミネッセンス源(triboluminescent source)、ソノルミネッセンス源(sonoluminescent source)、ラジオルミネッセンス源(radioluminescent source)、及びルミネッセンスポリマを含むが、これらに限定されない様々な放射線源のうちの任意の1つ以上を指すと理解されるべきである。
所与の光源は、可視スペクトル内の電磁放射線、可視スペクトル外の電磁放射線、又は両方の組み合わせを生成するよう構成され得る。従って、「光」及び「放射線」という用語は、本明細書では区別なく用いられている。更に、光源は、一体的な構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ、又は他の光学部品を含み得る。また、光源は、指示、表示、及び/又は照明を含むが、これらに限定されない様々な用途のために構成され得ることは理解されるべきである。「照明光源」は、とりわけ、内部空間又は外部空間を効果的に照明するのに十分な強度を持つ放射線を生成するよう構成される光源である。これに関連して、「十分な強度」は、周囲照明(即ち、間接的に知覚され得る光であって、例えば、全体的又は部分的に知覚される前に様々な介在面のうちの1つ以上で反射され得る光)を供給するために空間又は環境において生成される可視スペクトルにおける十分な放射力を指す(放射力又は「光束」に関して、光源から全ての方向への全光出力を表わすために、多くの場合、単位「ルーメン」が用いられる)。
「スペクトル」という用語は、1つ以上の光源によって生成される放射線の任意の1つ以上の周波数(又は波長)を指すと理解されるべきである。従って、「スペクトル」という用語は、可視範囲内の周波数(又は波長)だけでなく、赤外線、紫外線、及び全電磁スペクトルの他の領域内の周波数(又は波長)も指す。また、所与のスペクトルは、相対的に狭い帯域幅(例えば、本質的に、少ない周波数又は波長成分しか有さないFWHM)を有してもよく、又は相対的に広い帯域幅(様々な相対強度を持つ幾つかの周波数又は波長成分)を有してもよい。所与のスペクトルは、2つ以上の他のスペクトルの混合(例えば、複数の光源から各々発せられる放射線の混合)の結果であり得ることも理解されるべきである。
本開示の目的のために、「色」という用語は、「スペクトル」という用語と区別なく用いられている。しかしながら、「色」という用語は、一般に、主に、観察者によって知覚可能である放射線の特性を指すために用いられる(但し、この使用法は、この用語の範囲を限定するように意図されてはいない)。従って、「様々な色」という用語は、暗黙的に、様々な波長成分及び/又は帯域幅を持つ複数のスペクトルを指す。「色」という用語は、白色光及び非白色光の両方と関連して用いられ得ることも理解されるべきである。
「色温度」という用語は、本明細書においては、一般に、白色光に関連して用いられているが、この使用法は、この用語の範囲を限定するように意図されてはいない。色温度は、本質的には、白色光の特定の色内容又は色合い(例えば、赤みを帯びている、青みを帯びている)を指す。所与の放射線サンプルの色温度は、通常、黒体放射体の、当該放射線サンプルと本質的に同じスペクトルを放射するケルビン度(K)単位の温度に従って特徴づけられる。黒体放射体の色温度は、一般に、(一般的に、最初に人間の目に見える色温度と考えられている)約700Kから10000K以上までの範囲内にあり、白色光は、一般に、1500乃至2000Kより上の色温度において知覚される。
より低い色温度は、一般に、より著しい赤色成分又は「より温かい印象」を持つ白色光を示す一方で、より高い色温度は、一般に、より著しい青色成分又は「より冷たい印象」を持つ白色光を示す。一例として、火は、約1800Kの色温度を持ち、従来の白熱電球は、約2848Kの色温度を持ち、早朝の日光は、約3000Kの色温度を持ち、曇った日の真昼の空は、約10000Kの色温度を持つ。約3000Kの色温度を持つ白色光の下で見られるカラー画像は、相対的に赤みを帯びた色調を持つのに対して、約10000Kの色温度を持つ白色光の下で見られる同じカラー画像は、相対的に青みを帯びた色調を持つ。
「照明器具」という用語は、本明細書においては、1つ以上の照明ユニットの、特定のフォームファクタ、アセンブリ、又はパッケージにおける実施又は構成を指すために用いられている。「照明ユニット」という用語は、本明細書においては、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指すために用いられている。所与の照明ユニットは、様々な、前記光源のための取り付け構成、筐体/ハウジング構成及び形状、並びに/又は電気的及び機械的接続構成のうちの任意の1つを有し得る。更に、所与の照明ユニットは、随意に、前記光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば、制御回路)と関連づけられ得る(例えば、含む、結合される、且つ/又は一緒にパッケージ化される)。「LEDベースの照明ユニット」は、1つ以上の、上記のようなLEDベースの光源を、単独で又は他の非LEDベースの光源と組み合わせて含む照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットは、各々、異なるスペクトルの放射線を生成するよう構成される少なくとも2つの光源を含むLEDベース又は非LEDベースの照明ユニットを指し、ここで、各々の異なる光源スペクトルは、マルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と呼ばれ得る。
「コントローラ」という用語は、本明細書においては、一般に、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を表わすために用いられている。コントローラは、(例えば、専用ハードウェアを用いるなどの)多くのやり方で、本明細書に記述されている様々な機能を実施するよう実現され得る。「プロセッサ」は、本明細書に記述されている様々な機能を実施するようソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを用いるコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを用いて実現されてもよく、又はプロセッサを用いずに実現されてもよく、更に、幾つかの機能を実施するための専用ハードウェアと、他の機能を実施するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされるマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実現されてもよい。本開示の様々な実施例において用いられ得るコントローラの構成要素の例は、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
様々な実施例において、プロセッサ又はコントローラは、(本明細書においては総称して「メモリ」と呼ばれる、例えば、RAM、PROM、EPROM及びEEPROMのような揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなどである)1つ以上の記憶媒体と関連づけられ得る。幾つかの実施例においては、前記記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラにおいて実行されるときに、本明細書に記述されている機能のうちの少なくとも幾つかを実施する1つ以上のプログラムでコード化され得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に取り付けられてもよく、又は前記記憶媒体に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書に記述されている本発明の様々な態様を実施するためにプロセッサ又はコントローラにロードされ得るような、可搬型のものであってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書においては、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために用いられ得るあらゆるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すよう一般的な意味で用いられている。
「アドレス指定可能」という用語は、本明細書においては、デバイス(例えば、光源全般、照明ユニット又は器具、1つ以上の光源又は照明ユニットと関連するコントローラ又はプロセッサ、他の非照明関連デバイスなど)であって、前記デバイス自身を含む複数のデバイス用の情報(例えば、データ)を受信し、前記デバイス用の特定の情報に選択的に応答するよう構成されるデバイスを指すために用いられている。「アドレス指定可能」という用語は、多くの場合、複数のデバイスが1つ又は複数の何らかの通信媒体を介して一緒に結合される、(下で更に記述する)ネットワーク化された環境(又は「ネットワーク」)に関連して用いられる。
或るネットワークの実施例においては、ネットワークに結合される1つ以上のデバイスが、(例えば、マスタ/スレーブの関係で)前記ネットワークに結合される1つ以上の他のデバイスのためのコントローラとしての役割を果たし得る。別の実施例においては、ネットワーク化された環境は、前記ネットワークに結合される前記デバイスのうちの1つ以上を制御するよう構成される1つ以上の専用のコントローラを含み得る。一般に、前記ネットワークに結合される複数のデバイスは、各々、1つ又は複数の通信媒体上に存在するデータにアクセスでき得るが、所与のデバイスは、前記所与のデバイスが、例えば、前記所与のデバイスに割り当てられる1つ以上の特定の識別子(例えば、アドレス)に基づいて、選択的に、前記ネットワークとデータを交換する(即ち、前記ネットワークからデータを受信する、且つ/又は前記ネットワークにデータを送信する)よう構成されるという点で、「アドレス指定可能」であり得る。
本明細書において用いられているような「ネットワーク」という用語は、前記ネットワークに結合される任意の2つ以上のデバイスの間及び/又は複数のデバイス間の(例えば、デバイスの制御、データの記憶、データの交換などのための)情報の輸送を容易にする(コントローラ又はプロセッサを含む)2つ以上のデバイスのあらゆる相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施例は、様々なネットワークトポロジのうちのいずれかを含むことができ、様々な通信プロトコルのうちのいずれかを用い得る。更に、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間のいずれか1つの接続は、2つのシステムの間の専用の接続であってもよく、又は他の例においては、非専用接続であってもよい。このような非専用接続は、前記2つのデバイス用の情報を運ぶのに加えて、必ずしも前記2つのデバイスのいずれか用ではない情報を運び得る(例えば、オープンネットワーク接続)。更に、本明細書において記述されているようなデバイスの様々なネットワークは、前記ネットワーク全体にわたる情報輸送を容易にするために、1つ以上の無線、ワイヤ/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクを用い得ることは容易に理解されるだろう。
本明細書において用いられているような「ユーザインターフェース」という用語は、人間のユーザ又はオペレータと1つ以上のデバイスとの間のインターフェースであって、前記ユーザと前記デバイスとの間の通信を可能にするインターフェースを指す。本開示の様々な実施例において用いられ得るユーザインターフェースの例は、スイッチ、ポテンショメータ、ボタン、ダイヤル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、様々なタイプのゲームコントローラ(例えば、ジョイスティック)、トラックボール、ディスプレイスクリーン、様々なタイプのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイク、及び何らかの形態の人間が生み出す刺激を受け、それに応じて信号を生成し得る他のタイプのセンサを含むが、これらに限定されない。
「照明制御動作」は、特定の照明特性を持つ光を発するための命令又はコマンドであり得る。例えば、照明制御動作は、照明ユニット、又は照明ユニットが取り付けられている照明器具に、色相、飽和度、明るさ/強度、温度、動的シーケンスなどのような、それが発する光の特性を変更させ得る。照明制御動作は、照明ユニット、又は照明ユニットが取り付けられている照明器具に、オン又はオフにさせること、動的な照明シーケンスを開始/終了させること、所定の照明シーン(例えば、ロマンチックな照明シーン、リラックスする照明シーン、昼寝の照明シーンなど)の各々の部分を形成する光を発させることなどもできる。
上記の概念及び下でより詳細に記述する更なる概念の(このような概念が互いに矛盾しない場合には)全ての組み合わせが、本明細書に開示されている本発明の対象の一部であると考えられていることは理解されるべきである。とりわけ、この開示の最後にある請求項記載の対象の全ての組み合わせは、本明細書に開示されている本発明の対象の一部であると考えられている。参照により盛り込まれているいずれかの開示に出現している場合もある、本明細書において明示的に用いられている専門用語は、本明細書に開示されている特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されるべきである。
ユーザが、各光源を個別に制御するのではなく、事前にコンフィギュレーションされた、複数の光源にわたる「照明シーン」を実施して、所望の全体的効果を達成することがより一般的になってきている。しかしながら、モバイルコンピューティングデバイスを用いてこのような照明シーンを実施することは、必ずしも、便利ではない場合があり、ユーザは、壁スイッチ及び/又は照明器具の操作可能な要素などの、ユーザが伝統的に用いているのと同じ制御装置を用いて、複数の光源にわたる照明シーンを実施することを好む場合がある。従って、照明ユニット及び/又は照明器具の通信能力を活用して簡素化された照明制御を実施することが当技術分野で必要とされている。上記のことを考慮して、本発明の様々な実施例及び実施形態は、特定の光源を操作するために供給されるユーザ入力の1つ以上の属性に基づいて、複数の光源による実施のために複数の照明シーンから照明シーンを選択するための、方法、装置及びシステムを対象としている。
図1を参照すると、或る実施例においては、照明システム100は、複数の照明ユニット1021乃至102N及び照明システムコントローラ110を含み得る。照明ユニット102は、様々な形態にすることができ、LED、白熱灯、ハロゲン灯、蛍光灯などのような様々なタイプの光源を含み得る。外面108及びランプシェード112を有するランプの形態をとる照明器具106に取り付けられた照明ユニット1021が図示されている。他の照明ユニット1022乃至102Nは、概略的に、単独で図示されているが、たてい、同様に、天井又は壁照明器具、他のテーブルランプ、スタンドアップランプなどのような照明器具(図示せず)にも取り付けられるだろう。
照明システムコントローラ110は、照明ユニット1021乃至102N及び/又は照明器具106などの1つ以上の照明器具及び/又は照明ユニットとネットワーク通信し得る。様々な実施例において、照明システムコントローラ110は、様々な無線及び有線媒体、並びにWi-Fi、イーサネット(登録商標)、ZigBee、符号化光、無線周波数(「RF」)などを含むが、これらに限定されない様々な通信技術を用いて、照明器具及び/又は照明ユニットと通信し得る。様々な実施例において、照明器具及び/又は照明ユニットは、同様の媒体及び技術を用いて照明システムコントローラ110及び/又は互いと通信するために同様にコンフィギュレーションされ得る。
様々な実施例において、照明器具106(又は任意の他の照明器具若しくはそれに取り付けられる照明ユニット102)は、ユーザによって様々なやり方で供給されるユーザ入力に従って操作され得る。最も典型的な例では、ユーザは、照明器具106と一体になっているユーザインターフェースを操作し得る。例えば、ユーザは、例えば主電源から、照明ユニット1021に電力を供給させるために、照明器具106のスイッチを入れ得る、又はひもを引っ張り得る。幾つかの実施例においては、加えて又は代わりに、壁スイッチ114が、照明器具106と通信可能に結合されてもよく、照明ユニット1021によって発せられる光を制御するよう動作可能であってもよい。幾つかの実施例においては、壁スイッチ114は、1本以上のワイヤ116を介して照明器具106と電気的に結合されてもよい。他の実施例においては、壁スイッチ114は、例えば、直接的に又は照明システムコントローラ110を介して間接的に、1つ以上の照明ユニット102と通信する無線スイッチであってもよい。更に他の実施例においては、外面108及び/又はランプシェード112は、ユーザが、様々な選択された特性を持つ光を発するよう照明器具106を操作するためにそれらにタッチし得るように、タッチセンシティブであってもよい。
様々な実施例において、ユーザは、モバイルコンピューティングデバイス118などのコンピューティングデバイスを用いて、照明システムコントローラ110、照明器具106及び/又は1つ以上の照明ユニット102との通信及び/又はそれらの操作をすることができてもよい。モバイルコンピューティングデバイス118は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ(例えば、スマートグラス、スマートウォッチ、など)、ラップトップコンピュータなどのような様々な形態にし得る。モバイルコンピューティングデバイス118は、タッチスクリーン126などの様々なタイプの入力及び/又は出力デバイスを含み得る。
モバイルコンピューティングデバイス118はまた、1つ以上のプロセッサ120と、1つ以上のプロセッサ120によって実行されるときに1つ以上のプロセッサ120に本開示の選択された態様を実施させる命令を記憶するメモリ122(例えば、RAM、ROM、フラッシュなど)とを含み得る。モバイルコンピューティングデバイス118は、Wi-Fi、無線周波数、Bluetooth、NFC、ZigBee、符号化光、セルラー(cellular)などを含むが、これらに限定されない様々な技術を用いた通信を可能にし得る1つ以上の無線インターフェース124も含み得る。照明システムコントローラ110が、ネットワークコンピューティングデバイスとして、プロセッサ、メモリ、無線インターフェースなどの構成要素も含み得ることは理解されるだろう。
様々な実施例において、ユーザは、モバイルコンピューティングデバイス118を操作して、特定の照明ユニット102によって発せられる光の1つ以上の特性を制御するために供給されるユーザ入力の検出に応じて様々な動作を実施するよう、照明システムコントローラ110、1つ以上の照明ユニット102、及び/又は照明器具106をコンフィギュレーションし得る。後で、同じ照明ユニット102を制御するために同様のユーザ入力が供給されるときには、操作された照明ユニット102が、光を発し得る(例えば、1つ以上のLEDに通電し得る)。その一方で、ユーザ入力の1つ以上の属性に少なくとも部分的に基づいて、照明シーンが、照明システム100の1つ以上の他の照明ユニット102による実施のために選択され得る。
図1は、照明器具106、より詳細には、照明ユニット1021が、様々な実施例に従って、どのように、選択された照明シーンの照明ユニット1022乃至102Nによる実施をトリガするようコンフィギュレーションされ得るかの一例を図示している。ユーザは、例えば、壁スイッチ114の操作、外表面108及び/又はランプシェード112へのタッチなどによって、照明器具106を操作するための入力を供給し得る。ユーザ入力イベントを示すデータが、照明器具106及び/又は照明ユニット1021から照明システムコントローラ110に送信され得る。照明システムコントローラ110は、前記データをモバイルコンピューティングデバイス118に送信し得る。モバイルコンピューティングデバイス118は、例えばタッチスクリーン126に、ユーザインターフェース128をレンダリングし得る。様々な実施例において、ユーザインターフェース128は、照明システム100を形成する1つ以上の照明器具106及び/又は照明ユニット102をユーザが制御することを可能にする、モバイルコンピューティングデバイス118上で動作するアプリケーション(即ち、「アプリ」)と関連づけられ得る。様々な実施例において、ユーザインターフェース128は、受信したばかりのユーザ入力データに対応する照明ユニット1021を操作するために供給される将来のユーザ入力に応じて開始されるべきである特定の所定の照明シーンを選択するために(例えば、ドロップダウンリストとして)ユーザによって操作可能であり得る。照明ユニット1021において同様のユーザ入力が後で供給されるときには、照明システムコントローラ110は、照明シーンデータ及び/又は1つ以上の照明制御動作を照明ユニット1022乃至102Nに供給し得る。
図2は、本開示の選択された態様の実施を容易にするために、照明器具106のような照明器具、又は照明ユニット102に組み込まれ得る例示的な構成要素を概略的に図示している。メモリ232と、入力検出器234と、無線通信インターフェース236と、随意に、カメラ238とに動作可能に結合されるコントローラ230が、図示されている。メモリ232は、RAM、ROM、フラッシュメモリなどを含むが、これらに限定されない様々な形態にし得る。メモリ232は、コントローラ230によって実行されるときに、コントローラ230に本開示の選択された動作を実施させる命令を含み得る。
入力検出器234は、照明ユニット1021を操作するために供給されるユーザ入力を検出し、前記ユーザ入力を示す1つ以上の信号を供給し得る。入力検出器234は、様々な形態にし得る。幾つかの実施例においては、入力検出器234は、照明ユニット1021を操作するための照明器具106(又は幾つかの場合には、照明ユニット1021)と一体になっているボタン、ひも、又は他のユーザによって操作される機械的メカニズムの操作を検出するよう構成され得る。幾つかの実施例においては、入力検出器234は、ユーザがタッチ制御入力を供給することによってもたらされる照明器具106の動き又は力を検出するように構成さる加速度計を含み得る。様々な実施例において、このような入力検出器は、照明器具106又は照明ユニット1021に取り付けられ得る。幾つかの実施例においては、入力検出器234は、照明ユニット1021によって発せられる光を制御するための壁スイッチ114の操作を検出し、前記操作を示す信号を供給するよう構成され得る。
無線通信インターフェース236は、コントローラ230が、様々な無線媒体を通して、図1の照明システムコントローラ110及び/又はモバイルコンピューティングデバイス118などのリモートコンピューティングデバイスとデータを交換することを可能にし得る。無線通信インターフェース236は、様々な形態にし得る。幾つかの実施例においては、無線通信インターフェース236は、BlueTooth、ZigBee、符号化光、Wi-Fi、RFID、近距離通信(「NFC」)などの技術を用いて(例えば、ローカル無線ネットワークを通して)間接的に又は直接的に、リモートコンピューティングデバイスと通信し得る。幾つかの実施例においては、無線通信インターフェース236は、可視光通信(802.15.7)及び/又はボディエリアネットワーク(802.15.6)を含むが、これらに限定されないIEEE802.15規格(無線パーソナルエリアネットワーク、即ち、「WPAN」)に記載されている技術を用いて、リモートコンピューティングデバイスと通信するよう構成され得る。データを交換するために符号化光が用いられる幾つかの実施例においては、カメラ228が、事実上の無線通信インターフェース236の役割を果たし得る。図2においては単一の無線通信インターフェース236しか図示されていないが、これは、限定するよう意図されてはいない。様々な実施例において、照明器具106(又は場合によっては、取り付けられる照明ユニット1021)は、2つ以上の無線通信インターフェースを含んでもよく、更に、(図2には図示されていない)1つ以上の有線通信インターフェースを含んでもよい。例えば、単一の照明器具106が、ZigBeeインターフェース、NFCインターフェース及び/又は符号化光インターフェースを含んでもよい。
図3は、1つの照明ユニット又は照明器具のユーザ操作が、様々な実施例に従って、どのように1つ以上の付加的な照明ユニット及び/又は照明器具による照明シーンの選択及び実施をもたらし得るかの例を図示している。図3において、照明システム300は、第1照明ユニット3021を備えるテーブルランプの形態の第1照明器具3061、第2照明ユニット3022が取り付けられているスタンドアップランプの形態の第2照明器具3062、及び第3照明ユニット3023が取り付けられている天井取り付け照明器具の形態の第3照明器具3063と通信可能に結合される照明システムコントローラ310を含む。
この例においては、ユーザは、例えば、ランプシェード3121にタッチすることによって、第1照明器具3061及び/又は第1照明ユニット3021を操作するための入力を供給している。照明器具3061及び/又は第1照明ユニット3021は、それに応じて、供給されたユーザ入力の1つ以上の属性を検出することができ、複数の照明ユニット、この場合は、照明ユニット3021乃至3023による実施のための所定の照明シーンを選択することができる。所定の照明シーンを選択するためにユーザ入力の様々な属性が用いられ得る。光出力を制御するためにタッチが用いられる図3において図示されているような例においては、照明シーンを選択するときに、供給されるタッチ又はタップ動作の数、タッチを供給するために用いられる指の数、どのくらい強制的にタッチが供給されるか、タッチの継続時間、照明器具/ランプシェード/照明ユニットにおけるタッチされる場所などが考慮に入れられ得る。
照明ユニット及び/又は照明器具の光出力を制御するために供給される他のタイプのユーザ入力は、実施すべき照明シーンを選択するために用いられ得る他の属性を有し得る。例えば、幾つかの実施例においては、ユーザが照明ユニット及び/又は照明器具を操作したという単純な事実が、ユーザ入力の属性を構成し得る。従って、ユーザが、ランプをオン又はオフにするために壁スイッチを切り替えた又はランプのひもを引っ張ったという事実が、他の照明ユニット及び/又は照明器具による実施のために複数の照明シーンから照明シーンを選択するために用いられ得る。幾つかの実施例においては、照明ユニット及び/又は照明器具は、(例えば、容量性タッチ面によって可能になる)よりロバストな能力を持つ所謂「スマート」スイッチ及び/又は調光スイッチなどのより高度な壁スイッチを用いて制御可能である。このような実施例においては、照明シーンを選択するときに、調光及び/又はスマートスイッチの操作され方の1つ以上の属性(例えば、どのくらい調光されたか、どのくらいの速さで調光されたか、ダブルタップ、ピンチ、スワイプなど)が考慮に入れられ得る。
幾つかの実施例においては、照明ユニット及び/又は照明器具は、ジェスチャを用いて制御可能である。このような実施例においては、照明シーンを選択するときに、ジェスチャの継続時間、ジェスチャの位置、ジェスチャにおける動きのシーケンス、ジェスチャで作成された形状などが考慮に入れられ得る。幾つかの実施例においては、照明ユニット及び/又は照明器具は、外部コンピューティングデバイスを用いて制御可能である。幾つかのこのような実施例においては、照明シーンを選択するときに、デバイスのタイプ(例えば、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなど)、入力が供給された入力部品のタイプ(例えば、タッチスクリーン、マイク、スマートボタンなど)、入力の1つ以上の属性(例えば、ダブルタップ、音声プロファイル、ダイヤルの回転、話された又はタイプされた単語又は文字、スワイプ、ピンチなど)、照明ユニット/照明器具とのネットワーク通信のタイプ(例えば、ZigBee、Wi-Fi、Bluetooth、赤外線など)などが考慮に入れられ得る。
複数の照明ユニット及び/又は照明器具によって実施されるべき照明シーンは、加えて又は代わりに、他の信号又は合図に基づいて選択されてもよい。例えば、幾つかの実施例においては、照明シーンは、照明ユニット又は照明器具に関連する「タイプ」のような、ユーザによって操作されている照明ユニット又は照明器具の1つ以上の属性に基づいて選択されてもよい。特定の照明器具が(例えば、ランプが電気スタンドとして販売される場合に工場で)「読書」ユニットとして指定されていると仮定する。そのユニットが操作されるときには、「読書」(例えば、抑えられた柔らかい強度)に関連する照明シーンが選択される可能性が高くなり得る(又は少なくとも推奨され得る)。別の例として、特定の照明器具又は照明ユニット(例えば、不可視光線(black light)又はミラーボールをベースにしたユニット)が「パーティ」ユニットとして指定されていると仮定する。そのユニットが操作されるときには、「パーティ」(例えば、アニメ化照明(animating lighting)、カラー照明、動的照明など)に関連する照明シーンが選択される可能性が高くなり得る。
あるいは、より簡単な例として、単一の光源が、均一であってもよく又は均一でなくてもよい複数の光源を含む照明システム(例えば、直線状に配設された複数のLEDを含む照明テープ又はロープ)の一部であると仮定する。複数の光源の各光源は、少なくともその複数の光源の中ではユニークな識別子を有し得る。更に、各光源(又はn個の隣接する光源などの光源のセット)が、複数の光源の全部によって実施可能な1つ以上の照明シーンと関連づけられてもよい。ユーザは、本明細書に記載されている技術を用いて、(例えば、特定の光源にタッチすること、特定の光源を押すことなどによって)特定の光源を操作して、複数の光源のうちの少なくとも幾つかの他の光源に、特定の光源と関連づけられている照明シーンの各々の部分を実施させ得る。ユーザは、異なる照明シーンを実施させるよう異なる光源を操作し得る。従って、例えば、ユーザは、例えば温白色光から冷白色光へ、照明テープ全体によって実施される照明シーンを複数の照明シーンにわたって切り替えるよう、照明テープに沿って指をスライドさせ得る。
別の例として、照明シーンを選択するときに、特定の照明ユニット又は照明器具を操作するための入力が供給及び/又は検出される「コンテキスト」の1つ以上の属性が考慮に入れられ得る。入力が供給されるコンテキストは、時刻、場所、操作者の身元(operator identity)、既に実施された照明シーンなどのような様々な属性を持ち得る。例えば、所与のユニットが朝に操作される場合には、朝の照明(例えば、「起床」、「朝食」など)に関連する照明シーンが選択される可能性が高くなり得る。同じユニットが夕方に操作される場合には、夕方の照明(例えば、「夕食」、「テレビ視聴」)に関連する異なる照明シーンが選択される可能性が高くなり得る。
様々な実施例において、(新しい照明シーンの実施を検討中である同じ光源において、又は関連する光源のグループによって)特定の照明シーンが既に実施されているという事実は、どの照明シーンが選択されるかに影響を及ぼし得る。例えば、第1の部屋の中の光源が既に「休日」の照明シーンを実施しており、ユーザが隣接する部屋の中の光源をオンにすると仮定する。通常の状況下では、隣接する部屋のために選択される照明シーンは、ユーザがどのように光源を操作したかなどの1つ以上の属性に基づいて選択され得る。しかしながら、「休日」の照明シーンが第1の部屋において実施されているという状況から、同様の「休日」の照明シーンが隣接する部屋のために選択される可能性が高くなり得る。この選択は、例えば、ユーザが前記ユーザの家で休日のパーティを開いていることを示唆するユーザに関連するオンラインカレンダ又は電子メールによって、強められ得る。
図3を再び参照すると、照明器具3061及び/又は照明ユニット3021が照明シーンを選択すると、その照明シーンを示すデータは照明システムコントローラ310に伝達され得る。照明システムコントローラ310は、同じデータ(又は照明制御コマンドなどの他の同様のデータ)を、照明器具3062、照明ユニット3022、照明器具3063、及び/又は照明ユニット3023などの他の照明ユニット及び/又は照明器具に供給し得る。このことは、他の照明ユニット及び/又は照明器具に前記照明シーンを実施させ得る。この例においては、第1照明ユニット3021及び/又は照明器具3061が照明シーンを選択した。しかしながら、他の実施例においては、第1照明ユニット3021及び/又は照明器具3061は、ただ単に、供給されたユーザ入力を示すデータ、入力が受け取られたコンテキスト、及び/又はそれら自身についてのデータを、照明システムコントローラ310に送ってもよい。その場合、照明システムコントローラ310が、照明シーンを選択してもよく、他の照明ユニット及び/又は照明器具に照明シーンを実施させてもよい。
当然、図3において図示されている例は、第1照明器具3061及び/又は照明ユニット3021が操作されるときに何が起こるのかの一方向だけの例を示しているに過ぎない。照明ユニット3022、照明器具3062、照明ユニット3023、及び/又は照明器具3063などのシステム300内の他の光源が操作される場合には、それは、システム300の様々な光源において同じ又は異なる照明シーンが実施されることをもたらし得る。例えば、第1照明ユニット3021の操作は、システム300にわたっての「くつろげる感じ」の照明シーンの実施をもたらしてもよいのに対して、第2照明ユニット3022の操作は、システム300にわたっての「調理」の照明シーンの実施をもたらしてもよく、第3照明ユニット3023の操作は、システム300にわたっての「読書」の照明シーンの実施をもたらしてもよい。
図4は、ユーザが、選択した光源の作動時に実施されるべき照明シーンをコンフィギュレーションすることを可能にするために、図1におけるモバイルコンピューティングデバイス118のようなコンピューティングデバイスにおいてレンダリングされ得る例示的なグラフィカルユーザインターフェース400を示している。この例においては、考えられる9つの光源1乃至9がある。矢印で示されているように、光源7の操作は、光源7が作動されるときには、光源5及び9も作動され、事実上の照明シーンを形成するように、光源5及び9の操作に結び付けられている。残りの光源(即ち、1乃至4、6、8)は、光源7の作動に応じては作動されないが、ユーザがそう選択する場合には、前記ユーザは、例えば、所望の光源に対応する空間を(例えば、タッチスクリーンにおいて、又はマウスを用いて)選択することによって、これらの他の光源のうちのいずれかを作動のために選択し得る。
更に、ユーザは、各光源によって発せられる光の1つ以上の特性を選択し得る。この例においては、光源7が、白色光を発するよう作動されるときには、光源5及び9も白色光を発し、相対的に一様な照明シーンを形成する。対照的に、光源4が(相対的に濃い灰色の色調によって表されている)特定の強度で作動されるときには、光源2乃至5も同様の強度で作動される。光源9が(中間の灰色の色調によって表されている)中間強度で作動されるときには、光源5乃至8も同様の強度で作動される。
幾つかの実施例においては、個々の光源の操作と関連づけられる照明シーンを手動でコンフィギュレーションすることに加えて、ユーザの挙動に基づいて照明シーンが「学習」され得る。例えば、特定の光源を操作するユーザ入力が供給されるとき、タイマが開始し、幾らかの予め設定された時間間隔の間、ユーザの更なる活動が監視されてもよい。ユーザが、近くの他の光源を操作して、即興の照明シーンを作成すると仮定する。システムは、これらの照明設定、並びに特定の光源におけるユーザ入力及び任意の適用可能なコンテキスト属性を検出してもよく、特定の光源の操作と、ユーザが作成した照明シーンを自動的に関連づけてもよい。
図5は、様々な実施例による、開示されている技術を用いて照明システムの1つ以上の光源によって発せられる光を制御するための例示的な方法500を概略的に図示している。ブロック502においては、複数の光源のうちの特定の光源によって発せられる光を制御するために供給されるユーザ入力が検出され得る。上述したように、この入力は、照明スイッチ、調光器、容量性タッチ面、(例えば、携帯電話又はスマートウォッチの)タッチスクリーン、オーディオベースの入力(例えば、クラッパ(clapper)又は音声コマンド)、並びに/又は照明ユニット及び/若しくは照明器具のタッチセンサ式表面のユーザ操作などの様々な形態で供給され得る。幾つかの実施例においては、ユーザ入力は、例えば、照明ユニット又は照明器具と関連づけられたカメラ又は赤外線センサによって検出されるジェスチャであってもよい。幾つかの実施例においては、ユーザ入力は、ユーザによる特定の照明ユニット又は照明器具の注視であってもよい。幾つかの実施例においては、ユーザ入力は、動きセンサ(例えば、受動型赤外線センサ)によってとらえられる動き/近接/存在、ユーザが通りかかるときに圧力パッドにおいてとられられるユーザの体重などの受動的なものであってもよい。
ブロック504においては、ユーザ入力の1つ以上の属性が決定され得る。上記のように、様々な構成要素がこれらの決定をなしてもよい。例えば、幾つかの実施例においては、照明ユニット又は照明器具が、ユーザ入力の様々な属性を識別するコントローラなどの論理回路を含んでもよい。他の実施例においては、照明ユニット又は照明器具は、ただ単に、入力を示すデータを、照明システムコントローラなどの別の構成要素に供給してもよく、照明システムコントローラが、ユーザ入力の1つ以上の属性を決定してもよい。ユーザ入力の属性は、入力が供給された構成要素(例えば、調光スイッチ対通常の照明スイッチ対ランプのタッチセンサ式表面の操作対モバイルデバイスを用いた照明制御)、入力がどのように供給されたか(例えば、スワイプ、ダブルタップ、ピンチなど)、入力の大きさ(例えば、調光スイッチがどのくらい動かされたか、ユーザがタッチスクリーンをどのくらいピンチしたか、ユーザがタッチセンサ式ランプをどのくらい強くタップしたかなど)、ユーザによって入力としてなされたジェスチャなどのような、様々なデータ点を含み得る。
ブロック506においては、ユーザ入力が供給されたコンテキストの1つ以上の属性が、例えば、照明ユニット若しくは照明器具自体で、又は照明システムコントローラのような中央構成要素で、決定され得る。例示的なコンテキスト属性は、上に記載されており、光源が操作された時間、照明シーンが近くで既に実施されているかどうかなどのデータ点を含み得る。加えて又は代わりに、ユーザ入力が供給されたコンテキストは、入力を供給したユーザの1つ以上の属性を含み得る。従って、簡単な例として、第1のユーザが所与の光源を操作するときには或る照明シーンが実施されてもよく、第2のユーザが同じ所与の光源を操作するときには別の照明シーンが実施されてもよい。従って、幾つかの実施例においては、照明シーンは、特定の光源を操作する入力を供給するユーザの身元に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。
ブロック508においては、操作されている光源の1つ以上の属性が、例えば、照明ユニット若しくは照明器具自体で、又は照明システムコントローラのような中央構成要素で、決定され得る。これらは、例えば、光源の「タイプ」(例えば、「読書用照明器具」、「テラス照明」など)、光源のユニークな識別子などを含み得る。
ブロック510においては、ブロック504乃至508のうちの1つ以上において得られたデータに基づいて、照明シーンが、複数の照明シーンから、例えば、照明ユニット若しくは照明器具自体で、又は照明システムコントローラのような中央構成要素で、選択され得る。例えば、照明システムコントローラは、ブロック504乃至508において決定されたデータ点のうちの1つ以上を受信又は確認し、これらのデータ点を用いて、照明システムの、ユーザによって直接操作された光源以外の光源において少なくとも部分的に実施されるべき照明シーンを選択し得る。ブロック512においては、ブロック510において選択された照明シーンが、ユーザによって操作された光源を含んでもよく又は含まなくてもよい複数の光源において実施され得る。
図6は、キャビネット6501乃至6504の底面に固定されるキャビネット下のダウン照明ユニットの形態の照明ユニット6061乃至6064を含む別の例示的な照明システム600を示している。照明ユニット6061乃至6064は、この例においては、例えば、1つ以上の容量性タッチ面によって、タッチ操作され得る。例えば、各照明ユニットの周辺に容量性リングがあってもよい。照明ユニット6061乃至6064の各々は、全ての又は少なくとも2つ以上の照明ユニット606によって実施され得る1つの以上の照明シーンと関連づけられ得る。例えば、ユーザが照明ユニット6061にタッチする場合には、或る照明シーン(例えば、「料理」)が2つ以上の照明ユニット6061乃至6064によって実施され得る。例えば、ユーザが照明ユニット6062にタッチする場合には、別の照明シーン(例えば、「コーヒーを飲む」)が2つ以上の照明ユニット6061乃至6064によって実施され得る。ユーザが照明ユニット6063又は6064にタッチする場合には、更に他の照明シーンが実施され得る。
上で示唆したように、様々な幾つかの実施例において、単一の照明ユニット又は照明器具が、複数の照明シーンと関連づけられてもよい。それらの照明シーンのうちのどれが選択されるかは、例えば、ユーザ入力、コンテキストなどの1つ以上の属性に依存し得る。しかしながら、例えば、照明ユニットを様々なやり方で操作することにより各照明シーンを切り替えることによって、照明ユニットと関連づけられている全ての照明シーンをユーザが見ることも可能であり得る。例えば、ユーザは、タッチセンサ式照明器具を複数回タップしてもよく、タップするたびに、前記照明器具と関連づけられている別の照明シーンが複数の照明ユニット及び/又は照明器具によって実施される。所望の照明シーンが実施されるときに、ユーザは、タップするのをやめることができ、場合によっては、その後にユーザによって選択された照明シーンへの「ショートカット」として用いられ得るユニークな入力(例えば、ダブルタップ、ピンチ、拍手、スワイプなど)を供給してもよい。
幾つかのタイプの入力では、どの光源が制御されているかがすぐには分からないかもしれず、従って、照明シーンを選択することが難しいかもしれない。例えば、ユーザが特定の照明ユニットを操作する音声入力を供給するが、複数の音声制御可能な照明ユニットが近くにあると仮定する。どの照明ユニットが操作されているかについての決定がなされる必要があるかもしれない。幾つかのこのような実施例においては、(例えば、波形として表される)各照明ユニットにおいて受信されたような音声入力が、どの照明ユニットが、話者に最も近いか(例えば、どの波形が、最も大きい検出音量を示すか)を決定し、斯くして、どの照明ユニットが、供給された音声入力によって制御されるべきであるかを決定するために、他の照明ユニットにおいて受信されたような音声入力と比較され得る。
照明ユニット及び照明器具などの光源は、本明細書では、主として、照明シーンを共同で実施することができるより大きなグループのメンバであるように記載されている。しかし、単一の照明ユニット又は照明器具が、複数のグループのメンバであってもよいことは理解されるべきである。更に、ユーザ入力/コンテキストの属性に基づくその照明ユニット又は照明器具の操作は、照明ユニットの異なるグループにおいては異なる照明シーンの実施をもたらし得る。例えば、台所とダイニングルームの間に廊下があると仮定する。廊下の照明は、或るやり方では、台所の照明において料理用照明シーンの実施をトリガするよう操作され得る。同じ廊下の照明は、別のやり方では、ダイニングルームの照明において食事用シーンの実施をトリガするよう操作され得る。当然、廊下の照明自体は、いずれの照明シーンの各々の部分を発し得る。
上記のように、照明ユニット又は照明器具が操作されるコンテキストは、それを操作しているユーザの1つ以上の属性を含んでもよく、前記ユーザのそれらの1つ以上の属性が、照明シーンを選択するために用いられてもよい。照明シーンを選択するときにユーザの属性を考慮する実施例においては、ユーザの身元が様々なやり方で決定されてもよい。幾つかの実施例においては、ユーザは、照明ユニット/照明器具及び/又は照明システムコントローラによって検出される何らかの種類の識別子信号を発するスマートフォン又はスマートウォッチなどのコンピューティングデバイスを携帯しているかもしれない。他のこのような実施例においては、大きさ、音声プロファイル、高さ、指の大きさ、特定のユーザと関連づけられた識別ジェスチャ又はパターンなどのようなユーザの1つ以上の物理的特性が、検出され、ユーザの身元を決定するために用いられてもよい。
本明細書には幾つかの本発明の実施例が記載及び図示されているが、当業者は、本明細書に記載されている機能を実施するための、並びに/又は本明細書に記載されている利点のうちの1つ以上及び/若しくは本明細書に記載されている結果を得るための、様々な他の手段及び/又は構造を容易に案出するだろう。このような変形例及び/又は修正例の各々は、本明細書に記載されている本発明の実施例の範囲内にあるとみなされる。更に一般的に言えば、当業者は、本明細書に記載されている全てのパラメータ、寸法、材料及びコンフィギュレーションが、例示的なものであるよう意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料及びコンフィギュレーションは、本発明の教示が用いられる1つ又は複数の特定のアプリケーションに依存するだろうことを、容易に理解するだろう。当業者は、本明細書に記載されている特定の本発明の実施例と同等の多くの実施例を、理解するだろう、又は単なるルーチン実験を用いて把握することができるだろう。それ故、上記の実施例は、ほんの一例として提示されているに過ぎず、添付の請求項及びそれらと同等のものの範囲内で、本発明の実施例が、詳細に記載されているもの及び請求項記載のものとして以外に実施され得ることは、理解されるべきである。本開示の本発明の実施例は、本明細書に記載されている個々の特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法を対象にしている。更に、2つ以上のこのような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、このような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
本明細書において規定及び使用されているような全ての定義は、辞書的定義、参照により盛り込まれる文書における定義、及び/又は規定されている用語の通常の意味にわたって制御するよう理解されるべきである。
ここで、明細書及び請求項において用いられているような不定冠詞「a」及び「an」は、明らかにそれとは反対の指示がない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「及び/又は」という表現は、そのように等位接続されている要素の「いずれか又は両方」、即ち、幾つかの場合には、連言的に存在し、他の場合には、選言的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いて列挙されている複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、即ち、そのように等位接続されている要素のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって明確に特定されている要素以外の他の要素は、明確に特定されているそれらの要素と関係があるかないかにかかわらず、随意に存在し得る。従って、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「有する」などの非制限言語と共に用いられる場合、或る実施例においては、(随意にB以外の要素を含む)Aのみを指し、別の実施例においては、(随意にA以外の要素を含む)Bのみを指し、更に別の実施例においては、(随意に他の要素を含む)AとBとの両方を指すことなどができる。
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「又は」は、上で規定されているような「及び/又は」と同じ意味を持つよう理解されるべきである。例えば、リストにおいてアイテムを分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は、多くの要素又はリストの要素、及び随意に、付加的な、リストに載っていないアイテムを含んでいると解釈されるべきであり、即ち、それらのうちの少なくとも1つを含んでいる解釈されるべきであるが、それらのうちの2つ以上を含んでいるとも解釈されるべきである。「〜のうちの1つだけ」若しくは「〜のうちのちょうど1つ」、又は請求項において用いられる場合の「〜から成る」などの、明らかにそれとは反対の指示がなされている用語だけが、多くの要素又はリストの要素のうちのちょうど1つの要素を含んでいることを指すだろう。一般に、ここで用いられているような「又は」という用語は、「いずれか」、「〜のうちの1つ」、「〜のうちの1つだけ」又は「〜のうちのちょうど1つ」などの排他性の用語が先立つ場合にしか、排他的な選択肢(即ち、「一方又は他方であり、両方ではない」)を示すと解釈されるべきではない。請求項において用いられる場合の「本質的に〜から成る」は、特許法の分野において用いられるようなその通常の意味を持つだろう。
ここで、明細書及び請求項において用いられているような、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という表現は、要素のリストの中の要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、要素のリストの中で明確に列挙されている要素1つ1つのうちの少なくとも1つを含むとは限らず、要素のリストの中の要素の如何なる組み合わせも除外しないと理解されるべきである。この定義も、「少なくとも1つ」という表現が指す要素のリストの中で明確に特定されている要素以外の要素が、明確に特定されているそれらの要素と関係があるかないかにかかわらず、随意に存在し得ることを許容する。従って、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(換言すれば「A又はBのうちの少なくとも1つ」、換言すれば、「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、或る実施例においては、Bが存在しない状態での、(随意にB以外の要素を含む、)随意に1つより多くAを含む、少なくとも1つのAを指し、別の実施例においては、Aが存在しない状態での、(随意にA以外の要素を含む、)随意に1つより多くのBを含む、少なくとも1つのBを指し、更に別の実施例においては、(随意に他の要素を含む、)随意に1つより多くのAを含む、少なくとも1つのA、及び随意に1つより多くのBを含む、少なくとも1つのBを指すことなどができる。
ここで請求項に記載されている、2つ以上のステップ又は動作を含む如何なる方法においても、明らかにそれとは反対の指示がない限り、方法のステップ又は動作の順序は、必ずしも、方法のステップ又は動作が列挙されている順序に限定されないことも理解されるべきである。
請求項及び上記の明細書において、「有する」、「含有する」、「備える」、「持つ」、「包含する」、「含む」、「保持する」、「〜で構成される」などのような全ての移行句は、非制限のものであること、即ち、含むが、限定されないことを意味することを理解されたい。米国特許庁審査手順マニュアルの第2111.03項に記載されているように、「〜から成る」及び「本質的に〜から成る」という移行句のみが、各々、排他的又は半排他的な移行句であるとする。特許協力条約(「PCT」)の規則6.2(b)に従って請求項において用いられている特定の表現及び参照符号は、その範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。