JP6536162B2 - 移動情報計算方法、移動情報計算装置、及び移動情報計算プログラム - Google Patents

移動情報計算方法、移動情報計算装置、及び移動情報計算プログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動情報計算方法、移動情報計算装置、及び移動情報計算プログラムに関する。
近年、携帯電話機、スマートフォン等の携帯端末装置に加速度センサが搭載されるようになり、加速度センサが検出する加速度の情報を活用する方法が検討されている。
例えば、加速度の情報を用いた歩数計も知られている(例えば、特許文献1を参照)。この歩数計は、歩行体の加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと、歩行体の歩行により生じている歩行加速度ベクトルとに分離し、重力加速度ベクトルと歩行加速度ベクトルとの内積値を算出する。そして、歩数計は、算出された内積値の時間変化に基づいて歩数の計数を行う。
容易かつ正確に歩行と非歩行とを区別する歩数計数装置も知られている(例えば、特許文献2を参照)。この歩数計数装置は、加速度をデジタルのセンサ値に変換し、センサ値の二乗値を求め、二乗値がゼロとなるたびに、二乗値を積分してエネルギーを算出する。そして、歩数計数装置は、エネルギーが所定の閾値以上となった回数をカウントし、カウンタ値を2で除算して歩数を算出する。
特開2010−257395号公報 特開2008−171347号公報
近年、人の移動軌跡等に基づいてその人の行動を解析し、各人に特化したアドバイス又は情報を提供するビジネスが注目されている。携帯端末装置で人の移動軌跡を解析するためには、携帯端末装置に搭載された処理能力の低いCentral Processing Unit(CPU)でも移動軌跡を計算できる簡便なアルゴリズムを実装することが望ましい。
特許文献1の歩数計数方法は、比較的処理能力の低いCPUでも歩数を計数できるアルゴリズムである。しかしながら、この歩数計数方法は、人の移動軌跡を計算するアルゴリズムではない。また、移動軌跡の計算方法として、パーティクルフィルタを使用する方法が知られているが、この方法は計算量が多く、携帯端末装置のCPUで動作させるのは困難である。
なお、かかる問題は、携帯端末装置で移動軌跡を計算する場合に限らず、サーバ等の他の情報処理装置で移動軌跡を計算する場合においても生ずるものである。
1つの側面において、本発明は、移動情報の計算負荷を低減することを目的とする。
1つの案では、コンピュータは、加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換する。そして、コンピュータは、第2の座標系における複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、その級数における所定次数の項の係数から移動物体の移動距離と移動方向とを求め、移動距離と移動方向とを示す移動情報を出力する。
1つの実施形態によれば、移動情報の計算負荷を低減することができる。
移動情報計算装置の機能的構成図である。 移動情報計算処理のフローチャートである。 移動情報計算装置の第1の具体例を示す機能的構成図である。 移動情報計算処理の具体例を示すフローチャートである。 移動軌跡を示す図である。 装置座標系とグローバル座標系を示す図である。 追加された移動ベクトルを示す図である。 2歩の移動軌跡を示す図である。 歩行加速度の成分の時間変化を示す図である。 xy平面上における単位ベクトルを示す図である。 移動情報計算装置の第2の具体例を示す機能的構成図である。 地磁気モードとジャイロモードを示す図である。 座標系計算処理のフローチャートである。 第1の更新処理のフローチャートである。 第2の更新処理のフローチャートである。 情報処理装置の構成図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態の移動情報計算装置の機能的構成例を示している。図1の移動情報計算装置101は、記憶部111、変換部112、計算部113、及び出力部114を含む。記憶部111は、加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を記憶する。変換部112及び計算部113は、記憶部111が記憶する複数時刻における加速度を用いて移動情報を求め、出力部114は、移動情報を出力する。
図2は、図1の移動情報計算装置101が行う移動情報計算処理の例を示すフローチャートである。まず、変換部112は、記憶部111が記憶する複数時刻における加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換する(ステップ201)。
次に、計算部113は、第2の座標系における複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し(ステップ202)、その級数における所定次数の項の係数から移動物体の移動距離と移動方向とを求める(ステップ203)。そして、出力部114は、移動距離と移動方向とを示す移動情報を出力する(ステップ404)。
図1の移動情報計算装置101によれば、移動情報の計算負荷を低減することができる。
図3は、図1の移動情報計算装置101の第1の具体例を示している。図3の移動情報計算装置101は、例えば、携帯端末装置であり、記憶部111、変換部112、計算部113、出力部114、加速度センサ301、及び地磁気センサ302を含む。変換部112は、サイクル計算部311、座標系計算部312、及び加速度変換部313を含み、計算部113は、係数計算部321及び移動ベクトル計算部322を含む。
加速度センサ301は、各時刻における移動物体の加速度を検出し、記憶部111は、検出された加速度の情報を記憶する。移動物体は、例えば、移動情報計算装置101を携帯するユーザに対応し、検出された加速度は、そのユーザの身体に生じる加速度を表す。地磁気センサ302は、各時刻における地磁気の磁場を検出し、記憶部111は、検出された磁場の情報を記憶する。
サイクル計算部311は、所定期間に対応する1サイクルに含まれる時系列データの個数を計算する。例えば、特許文献1の歩数計は、各時刻における人の加速度ベクトルに基づいて歩数を計数するため、P歩(Pは1以上の整数)歩行する間に検出された加速度ベクトルの個数をカウントすることが可能である。P歩に相当する期間を1サイクルとして用いた場合、その間に検出された加速度ベクトルの個数を、1サイクルに含まれる時系列データの個数として用いることができる。
この場合、サイクル計算部311は、各時刻において検出された移動物体の加速度を表す加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと、移動物体の移動により生じる移動加速度ベクトルとに分離する。次に、サイクル計算部311は、重力加速度ベクトルと移動加速度ベクトルとの内積を計算し、内積の符号が反転してから反転前の符号へ反転するまでの期間において検出される加速度の個数をカウントする。この期間は、半歩に相当する期間である。
そして、サイクル計算部311は、カウントした個数に基づいて時系列データの個数を決定する。例えば、1サイクルがP歩に相当する場合、サイクル計算部311は、カウント動作を2P回繰り返してカウント値の総和を計算し、その総和を時系列データの個数に決定することができる。
座標系計算部312は、サイクル計算部311が計算した個数の時刻における加速度ベクトルと、それらの時刻における磁場を表す複数の磁場ベクトルとを用いて、移動情報計算装置101の座標系からグローバル座標系への変換行列を求める。通常、携帯端末装置は固定されておらず、ユーザが歩いたり走ったりすると位置及び姿勢が逐次変化するため、移動情報計算装置101の座標系は、逐次回転する状態になっている。このため、移動距離及び移動方向を計算する際には、固定されたグローバル座標系を用いることが好ましい。以下では、移動情報計算装置101の座標系を、装置座標系と記載することがある。
加速度変換部313は、座標系計算部312が求めた変換行列を用いて、装置座標系における複数の加速度ベクトルをグローバル座標系における複数の加速度ベクトルに変換し、変換後の加速度ベクトルを記憶部111に格納する。
係数計算部321は、フーリエ変換により、グローバル座標系における複数の加速度ベクトルをフーリエ級数に変換し、フーリエ級数における所定次数のコサイン係数及びサイン係数を計算する。移動ベクトル計算部322は、係数計算部321が求めたコサイン係数及びサイン係数から移動距離及び移動方向をそれぞれ求め、移動距離及び移動方向が示す移動ベクトルを計算して記憶部111に格納する。
図4は、図3の移動情報計算装置101が行う移動情報計算処理の具体例を示すフローチャートである。まず、サイクル計算部311は、検出された加速度を表す加速度ベクトルを用いて、1サイクルに含まれる時系列データの個数を計算する(ステップ401)。
次に、座標系計算部312は、サイクル計算部311が計算した個数の時刻における加速度ベクトルと、それらの時刻における磁場ベクトルとを用いて、座標変換の変換行列を求める(ステップ402)。
次に、加速度変換部313は、座標変換の変換行列を用いて、装置座標系における複数の加速度ベクトルをグローバル座標系における複数の加速度ベクトルに変換する(ステップ403)。
次に、係数計算部321は、グローバル座標系における複数の加速度ベクトルに対するフーリエ変換を行って、フーリエ級数におけるコサイン係数及びサイン係数を計算する(ステップ404)。
次に、移動ベクトル計算部322は、係数計算部321が求めたコサイン係数及びサイン係数から移動ベクトルを計算し(ステップ405)、出力部114は、移動ベクトルを画面上に表示する(ステップ406)。
次に、移動情報計算装置101は、次のサイクルの計算を行うか否かを判定する(ステップ407)。移動情報計算装置101は、ユーザから入力装置を介して入力される指示に基づいて、次のサイクルの計算を行うか否かを決定してもよい。移動情報計算装置101は、次のサイクルの計算を行う場合(ステップ407,NO)、ステップ401以降の処理を繰り返し、次のサイクルの計算を行わない場合(ステップ407,YES)、処理を終了する。
図5は、画面上に表示された移動軌跡の例を示している。図5のxy平面において、x軸の正の向きは東を表し、y軸の正の向きは北を表す。この例では、4サイクルの処理結果が表示されている。まず、最初のサイクルで移動ベクトル501が計算され、xy平面の原点を始点として移動ベクトル501が表示され、次に、2番目のサイクルで移動ベクトル502が計算され、移動ベクトル501の終点を始点として移動ベクトル502が表示される。
3番目及び4番目のサイクルにおいても同様の計算が繰り返され、移動ベクトル503及び移動ベクトル504が追加される。移動ベクトル501〜移動ベクトル504が表す移動軌跡から、ユーザは、原点の位置を出発して、現在、移動ベクトル504の終点の位置にいることが分かる。
次に、5番目のサイクルで移動ベクトルを計算する例について説明する。時刻1〜時刻m+1(mは2以上の整数)において加速度センサ301が検出する加速度は、次のように表される。
(ax,1,ay,1,az,1),...,(ax,m,ay,m,az,m),
(ax,m+1,ay,m+1,az,m+1
x,i(i=1〜m+1)は、装置座標系における時刻iの加速度のx成分を表し、ay,i及びaz,iは、それぞれ、時刻iの加速度のy成分及びz成分を表す。(ax,i,ay,i,az,i)は、時刻iにおける加速度ベクトルを表す。
また、時刻1〜時刻m+1において地磁気センサ302が検出する磁場は、次のように表される。
(mx,1,my,1,mz,1),...,(mx,m,my,m,mz,m),
(mx,m+1,my,m+1,mz,m+1
x,iは、装置座標系における時刻iの磁場のx成分を表し、my,i及びmz,iは、それぞれ、時刻iの磁場のy成分及びz成分を表す。(mx,i,my,i,mz,i)は、時刻iにおける磁場ベクトルを表す。
このうち、(ax,1,ay,1,az,1)〜(ax,m,ay,m,az,m)及び(mx,1,my,1,mz,1)〜(mx,m,my,m,mz,m)が、移動ベクトル501〜移動ベクトル504の計算に使用されたものとする。この場合、時刻m+1以降の加速度ベクトル及び磁場ベクトルを用いて、5番目のサイクルの移動ベクトルが計算される。
例えば、P歩に相当する期間を1サイクルとして用いた場合、サイクル計算部311は、その間に検出された加速度ベクトルの個数nを求める。そして、座標系計算部312は、時刻m+1以降のn個の加速度ベクトル及びn個の磁場ベクトルを用いて変換行列を求める。ここで、記述を簡単にするため、これらの加速度ベクトル及び磁場ベクトルの表記を、次のように変更する。
(ax,m+1,ay,m+1,az,m+1),(ax,m+2,ay,m+2,az,m+2),...,
(ax,m+n,ay,m+n,az,m+n
→(ax,1,ay,1,az,1),(ax,2,ay,2,az,2),...,
(ax,n,ay,n,az,n
(mx,m+1,my,m+1,mz,m+1),(mx,m+2,my,m+2,mz,m+2),...,
(mx,m+n,my,m+n,mz,m+n
→(mx,1,my,1,mz,1),(mx,2,my,2,mz,2),...,
(mx,n,my,n,mz,n
図6は、装置座標系とグローバル座標系の例を示している。座標系計算部312が求めた変換行列により、装置座標系601における加速度ベクトルがグローバル座標系602における加速度ベクトルに変換される。グローバル座標系602のx軸、y軸、及びz軸の正の向きは、それぞれ、東、北、高さを表す。
まず、座標系計算部312は、次式によりn個の加速度ベクトルの平均を計算し、重力方向ベクトル(g,g,g)を求める。
重力加速度は固定値の加速度であり、移動物体の移動により生じる移動加速度よりも大きな値を持つため、n個の加速度ベクトルを平均すると、移動加速度の成分が相殺されて重力加速度の成分のみが残る。この例では、重力方向ベクトル(g,g,g)は、グローバル座標系602におけるz軸の正の向きを表す。
次に、座標系計算部312は、次式によりn個の磁場ベクトルの平均を計算し、平均磁場ベクトル(m,m,m)を求める。
平均磁場ベクトル(m,m,m)は北方向の成分を含んでいるが、重力方向の成分も含むため、重力方向ベクトルと直交しているわけではない。そこで、座標系計算部312は、次式により平均磁場ベクトルと重力方向ベクトルとの外積を計算し、東方向ベクトル(e,e,e)を求める。
(e,e,e
=(m−m,m−m,m−m) (3)
東方向ベクトル(e,e,e)は、重力方向と北方向の両方に直交しており、東を向くベクトルである。
次に、座標系計算部312は、次式により重力方向ベクトルと東方向ベクトルとの外積を計算し、北方向ベクトル(n,n,n)を求める。
(n,n,n
=(g−g,g−g,g−g) (4)
北方向ベクトル(n,n,n)は、重力方向と東方向の両方に直交しており、北を向くベクトルである。重力方向ベクトル、東方向ベクトル、及び北方向ベクトルの3つの互いに直交するベクトルにより、グローバル座標系が決定される。
なお、加速度センサ301の仕様によっては、式(1)の重力方向ベクトル(g,g,g)がグローバル座標系602におけるz軸の負の向きを表すこともある。この場合、式(3)において平均磁場ベクトルと重力方向ベクトルの順序を入れ替えて外積を計算し、式(4)において重力方向ベクトルと東方向ベクトルの順序を入れ替えて外積を計算すればよい。
座標系計算部312は、求めた3つのベクトルを正規化し、正規化された各ベクトルの成分を用いて、次式の変換行列Hを求める。
変換行列Hは、装置座標系601におけるベクトルをグローバル座標系602におけるベクトルに変換する回転行列である。
加速度変換部313は、変換行列Hを用いた1次変換により、装置座標系601における加速度ベクトル(ax,i,ay,i,az,i)を、グローバル座標系602における加速度ベクトル(αx,i,αy,i,αz,i)に変換する(i=1〜n)。
これにより、グローバル座標系602における加速度ベクトル(αx,1,αy,1,αz,1)〜(αx,n,αy,n,αz,n)が得られる。
係数計算部321は、(αx,1,αy,1,αz,1)〜(αx,n,αy,n,αz,n)を用いて離散フーリエ変換を行い、次式により、k次コサイン係数(cx,k,cy,k,cz,k)及びk次サイン係数(sx,k,sy,k,sz,k)を計算する。
1サイクルがP歩に相当する場合、係数計算部321は、k=PとしてP次コサイン係数及びP次サイン係数を計算する。そして、移動ベクトル計算部322は、P次コサイン係数及びP次サイン係数から、次式により移動ベクトル(pos,pos)を計算する。
式(9)により移動ベクトルを計算できる理由については後述する。式(9)の右辺において、cz,kの代わりにnT、(d1+d2・nT)、又は(cz,k/|cz,k|)(d1+d2・nT)を用いてもよい。Tは加速度データのサンプリング時間を表し、d1及びd2は所定の定数を表す。
出力部114は、図7に示すように、移動ベクトル504の終点を始点とする移動ベクトル(pos,pos)を、5番目のサイクルの移動ベクトル505として追加する。移動ベクトル501〜移動ベクトル505が表す移動軌跡から、ユーザは、現在、移動ベクトル505の終点の位置にいることが分かる。
次に、式(9)により移動ベクトルを計算できる理由について説明する。式(9)の右辺のcz,kは、移動距離そのものではないが、移動距離に対応する長さを表しており、
は、移動方向の単位ベクトルを表している。人の歩行モデルは、移動方向と重力方向の2つのベクトルで張られる平面上を歩行加速度が回転する数理モデルで表現できることから、式(9)の妥当性を説明することができる。
図8は、ユーザが2歩歩行した場合の頭の移動軌跡の例を示している。ユーザの頭がグローバル座標系の原点801の位置にある状態でユーザが歩き始める場合、頭は移動軌跡802に沿って移動する。歩行加速度811は、最初は真上を向いており、歩行中には、移動方向と重力方向の2つのベクトルで張られる平面上を回転し、1歩歩き終えると、再び真上を向く。そして、2歩目も同様に、歩行加速度811は、同じ平面上を1回転する。
各時刻における歩行加速度811は、xy平面成分812とz成分813とに分解することができ、xy平面成分812をxy平面上に移動するとベクトル814が得られる。xy平面上の各ベクトル814は、さらにx成分815とy成分816とに分解することができる。
図9は、ユーザが2歩歩行する間におけるz成分813、x成分815、及びy成分816の時間変化の例を示している。曲線901はz成分813の時間変化を表し、曲線902はx成分815の時間変化を表し、曲線903はy成分816の時間変化を表す。いずれの曲線も2周期分の周期波形であり、曲線901はコサイン波形になっており、曲線902及び曲線903はサイン波形になっている。
この場合、式(7)のk次コサイン係数cz,k(k=2)は、曲線901の2次成分の振幅911を表している。また、式(8)のk次サイン係数sx,k(k=2)は、曲線902の2次成分の振幅912を表し、k次サイン係数sy,k(k=2)は、曲線903の2次成分の振幅913を表している。
より詳しく説明すると、先願である特願2014−189103号に記載されたフィッティング方法により、グローバル座標系における加速度ベクトル(αx,1,αy,1,αz,1)〜(αx,n,αy,n,αz,n)から連続時間加速度曲線を求めることができる。このとき、連続時間加速度曲線はフーリエ級数となり、そのフーリエ級数の2次コサイン係数cz,2は、2次コサイン曲線の係数となり、2次サイン係数sx,2及びsy,2は、2次サイン曲線の係数となっている。
図9の曲線901〜曲線903は理想形であるため、きれいな2次コサイン曲線又は2次サイン曲線であるが、実際には、2次成分以外のコサイン曲線又はサイン曲線も含まれる。しかし、2次以外の成分はノイズとみなせるため、式(9)の移動ベクトル(pos,pos)の計算では省略されている。
図8に示されるように原点801の位置から歩き始める場合、歩行加速度811は最初は真上を向いており、xy平面成分を含まないため、曲線901が示すように、歩行加速度811の大きさは、2次コサイン係数cz,2により表すことができる。そして、式(9)の右辺のcz,k(k=2)は、移動距離そのものではなく、歩行加速度の大きさを表している。
また、式(9)の右辺の
(k=2)は、図10に示されるように、xy平面上における移動方向の単位ベクトル1001を表している。歩行加速度の大きさと移動距離は比例するとみなせるため、式(9)により移動ベクトルを定義することが可能になる。k=2以外の場合についても同様である。
式(7)のk次コサイン係数cz,k及び式(8)のk次サイン係数sx,k及びsy,kの近似値は、例えば、テイラー展開により求めることができ、式(9)の移動ベクトル(pos,pos)は、ニュートン法等により求めることができる。この場合、四則演算のみで移動ベクトルを計算することができ、計算負荷が低減されるため、処理能力の低いCPUでも図4の移動情報計算処理を実行可能である。
また、ステップ401において、各時刻における加速度ベクトルを用いて1サイクルに含まれる時系列データの個数を求めることで、2歩、4歩等の歩数に応じた個数の加速度ベクトルの組が決定されるため、精度良く移動ベクトルを計算することができる。
ところで、地磁気センサ302が検出する磁場の代わりに、角速度センサが検出する移動物体の角速度に基づいてグローバル座標系を計算することも可能である。
図11は、角速度センサを利用した、図1の移動情報計算装置101の第2の具体例を示している。図11の移動情報計算装置101は、図3の移動情報計算装置101にジャイロセンサ1101を追加した構成を有する。ジャイロセンサ1101は、各時刻における移動物体の角速度を検出し、記憶部111は、検出された角速度の情報を記憶する。
図12は、磁場に基づいてグローバル座標系を計算する地磁気モードと、角速度に基づいてグローバル座標系を計算するジャイロモードの例を示している。例えば、移動軌跡1201が示すように、ユーザが、地磁気が安定している屋外から地磁気が不安定な屋内へ移動する場合、移動情報計算装置101は、屋外では地磁気モードで動作し、屋内ではジャイロモードで動作する。
また、移動情報計算装置101は、グローバル座標系の座標軸を東西南北に固定することなく、移動軌跡1202が示すように、起点1204の位置と、起点1204における移動方向1203とを基準として、ジャイロモードでグローバル座標系を計算してもよい。
図13は、図4のステップ402において、図11の座標系計算部312が行う座標系計算処理の例を示すフローチャートである。まず、座標系計算部312は、地磁気センサ302が検出した磁場に基づいて、地磁気が安定しているか否かをチェックする(ステップ1301)。座標系計算部312は、例えば、磁場の強度又は伏角等の値を所定の閾値と比較することで、地磁気が安定しているか否かを判定することができる。
地磁気が安定している場合(ステップ1301,YES)、座標系計算部312は、地磁気センサ302が検出した磁場を用いてグローバル座標系を計算する(ステップ1302)。
一方、地磁気が安定していない場合(ステップ1301,NO)、座標系計算部312は、ジャイロセンサ1101が検出した角速度を用いてグローバル座標系を計算する(ステップ1303)。この場合、座標系計算部312は、前のサイクルにおいて計算された変換行列Hを、角速度に基づいて更新することで、変換行列Hを計算する。
図14は、図13のステップ1303における第1の更新処理の例を示すフローチャートである。変換行列Hを転置して得られる回転行列Rは、次式により表される。
このとき、正規化されたベクトルx、ベクトルy、及びベクトルzは、次式により定義される。
ベクトルx=(x1,x2,x3) (11)
ベクトルy=(y1,y2,y3) (12)
ベクトルz=(z1,z2,z3) (13)
また、1サイクルの間にジャイロセンサ1101により検出されたn個の角速度は、次式の角速度ベクトルb(i=1〜n)により表される。
=(bx,i,by,i,bz,i (14)
まず、座標系計算部312は、n個の加速度ベクトルから、式(1)を用いて正規化された重力方向ベクトルgを求める(ステップ1401)。
次に、座標系計算部312は、1番目の角速度ベクトルbと重力方向ベクトルgとの内積dθを用いて、次式により回転角φを計算する(ステップ1402)。
φ=dθΔT=角速度ベクトルb・重力方向ベクトルgΔT (15)
ΔTは、各センサのサンプリング間隔を表し、dθは、鉛直軸周りの角速度を表し、φは、時間ΔTの間における鉛直軸周りの回転角を表す。
次に、座標系計算部312は、回転角φを用いて、次式によりz軸の周りの回転行列Qを計算する(ステップ1403)。
次に、座標系計算部312は、回転行列Qを用いて、次式により更新前の回転行列R=R1から、更新後の回転行列R=R2を計算する(ステップ1404)。
R2=R1Q (17)
式(17)の回転行列R1としては、前のサイクルにおける回転行列Rのベクトルzを、ステップ1401で求めた重力方向ベクトルgに置き換えた行列を用いることができる。回転行列R1に回転行列Qを乗算してもベクトルzは変化しないため、更新後の回転行列R2のベクトルzも、重力方向ベクトルgに一致する。
次に、座標系計算部312は、1サイクルに対応するn個の角速度ベクトルを処理したか否かをチェックする(ステップ1405)。未処理の角速度ベクトルが残っている場合(ステップ1405,NO)、座標系計算部312は、次の角速度ベクトルを用いてステップ1402以降の処理を繰り返す。このとき、式(17)の新たな回転行列R1としては、ステップ1404で計算された更新後の回転行列R2が用いられる。
そして、すべての角速度ベクトルを処理した場合(ステップ1405,YES)、座標系計算部312は、処理を終了する。最後に計算された回転行列R2を転置することで、変換行列Hが求められる。
図14の更新処理によれば、移動情報計算装置101が鉛直軸周り以外にあまり回転しない場合に、適切な変換行列Hを求めることができる。しかし、ユーザが移動情報計算装置101を手に持って傾けながら旋回した場合には、更新後の変換行列Hは、必ずしも正しい変換を表しているとは限らない。
図15は、図13のステップ1303における第2の更新処理の例を示すフローチャートである。まず、座標系計算部312は、更新前の回転行列R1と1番目の角速度ベクトルbとを用いて、次式により、グローバル座標系における角速度ベクトルrを計算する(ステップ1501)。
角速度ベクトルr=R1 (21)
式(21)の回転行列R1としては、前のサイクルにおける回転行列Rを用いることができる。
次に、座標系計算部312は、角速度ベクトルrを用いて回転行列Rの差分を計算する(ステップ1502)。このとき、座標系計算部312は、式(10)の回転行列Rの要素を用いて、次式のベクトルv1〜ベクトルv3を生成する。
ベクトルv1=(x1,y1,z1) (22)
ベクトルv2=(x2,y2,z2) (23)
ベクトルv3=(x3,y3,z3) (24)
次に、座標系計算部312は、角速度ベクトルrを用いて、次式のような外積演算を行う。
ベクトルw1=(w11,w12,w13)
=角速度ベクトルr×ベクトルv1 (25)
ベクトルw2=(w21,w22,w23)
=角速度ベクトルr×ベクトルv2 (26)
ベクトルw3=(w31,w32,w33)
=角速度ベクトルr×ベクトルv3 (27)
式(25)〜式(27)の外積演算は、ベクトルv1〜ベクトルv3の微分を行うことに相当する。座標系計算部312は、ベクトルw1〜ベクトルw3の要素を用いて、次式のような差分dRを生成する。
次に、座標系計算部312は、差分dRを用いて、次式により更新前の回転行列R1から更新後の回転行列R2を計算する(ステップ1503)。
R2=R1+dR (29)
式(29)の加算は、回転行列Rの積分を行うことに相当する。
次に、座標系計算部312は、1サイクルに対応するn個の角速度ベクトルを処理したか否かをチェックする(ステップ1504)。未処理の角速度ベクトルが残っている場合(ステップ1504,NO)、座標系計算部312は、次の角速度ベクトルを用いてステップ1501以降の処理を繰り返す。このとき、式(21)及び式(29)の新たな回転行列R1としては、ステップ1503で計算された更新後の回転行列R2が用いられる。
すべての角速度ベクトルを処理した場合(ステップ1504,YES)、座標系計算部312は、回転行列R2を前回補正してから一定期間が経過したか否かをチェックする(ステップ1505)。
一定期間が経過している場合(ステップ1505,YES)、座標系計算部312は、重力方向ベクトルgを用いて回転行列R2を補正する(ステップ1506)。このとき、座標系計算部312は、n個の加速度ベクトルから、式(1)を用いて正規化された重力方向ベクトルgを求め、更新後の回転行列R2のベクトルzを重力方向ベクトルgに置き換える。そして、座標系計算部312は、回転行列R2のベクトルzとベクトルxとの外積をベクトルyに設定し、ベクトルyとベクトルzとの外積をベクトルxに設定し、ベクトルx及びベクトルyを正規化することで、補正後の回転行列R2を生成する。
一方、一定期間が経過していない場合(ステップ1505,NO)、座標系計算部312は、処理を終了する。ステップ1503で最後に計算された回転行列R2、又はステップ1506で補正された回転行列R2を転置することで、変換行列Hが求められる。
図15の更新処理によれば、回転角を3次元的に処理することで変換行列Hの誤差を低減することができる。また、ステップ1506において定期的に回転行列R2を補正することで、誤差の累積を防止することができる。
図1、図3、及び図11の移動情報計算装置101の構成は一例に過ぎず、移動情報計算装置101の用途や条件に応じて、一部の構成要素を省略又は変更してもよい。例えば、図11の移動情報計算装置101がジャイロモードのみで動作する場合は、地磁気センサ302を省略することができる。
記憶部111があらかじめ加速度、磁場、角速度の情報を記憶している場合は、図3及び図11の加速度センサ301、地磁気センサ302、及びジャイロセンサ1101を省略することができる。また、1サイクルに対応する時刻の個数があらかじめ決められている場合は、図3及び図11のサイクル計算部311を省略することができる。
図2、図4、及び図13〜図15のフローチャートは一例に過ぎず、移動情報計算装置101の構成や条件に応じて一部の処理を省略又は変更してもよい。例えば、1サイクルに対応する時刻の個数があらかじめ決められている場合は、図4のステップ401の処理を省略することができる。
図4のステップ406において、出力部114は、移動ベクトルを画面上に表示する代わりに、通信ネットワークを介して、移動ベクトルを示す情報を別の情報処理装置へ送信してもよい。この場合、移動ベクトルを受信した情報処理装置は、その移動ベクトルを画面上に表示することができる。
図5及び図7の移動軌跡は一例に過ぎず、出力部114は、別の形式で移動軌跡を画面上に表示してもよい。また、移動物体は、人以外の動物であってもよく、車両、ロボット等の物体であってもよい。
式(1)〜式(29)は一例に過ぎず、別の計算式又は座標系を用いて移動情報計算処理を行ってもよい。例えば、式(1)及び式(2)の代わりにローパスフィルタ演算を用いて、重力方向ベクトル(g,g,g)及び磁場ベクトル(m,m,m)を計算してもよい。また、フーリエ級数の代わりに別の周波数領域表現を用いて、移動ベクトルを計算してもよい。
図5〜図10のグローバル座標系は一例に過ぎず、別のグローバル座標系を用いて移動ベクトルを計算してもよい。例えば、図12の起点1204及び移動方向1203を基準とするグローバル座標系を用いてもよい。
図16は、図1、図3、及び図11の移動情報計算装置101を実現するための情報処理装置の構成例を示している。図16の情報処理装置は、CPU1601、メモリ1602、入力装置1603、出力装置1604、補助記憶装置1605、媒体駆動装置1606、及びネットワーク接続装置1607を備える。これらの構成要素はバス1608により互いに接続されている。バス1608には、図3及び図11の加速度センサ301、地磁気センサ302、及びジャイロセンサ1101が接続されていてもよい。
メモリ1602は、例えば、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、移動情報計算処理に用いられるプログラム及びデータを格納する。メモリ1602は、図1、図3、及び図11の記憶部111として用いることができる。
CPU1601(プロセッサ)は、例えば、メモリ1602を利用してプログラムを実行することにより、図1、図3、及び図11の変換部112及び計算部113として動作する。CPU1601は、図3及び図11のサイクル計算部311、座標系計算部312、加速度変換部313、係数計算部321、及び移動ベクトル計算部322としても動作する。
入力装置1603は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、オペレータ又はユーザからの指示や情報の入力に用いられる。出力装置1604は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、オペレータ又はユーザへの問い合わせ又は指示、及び処理結果の出力に用いられる。処理結果は、移動ベクトルであってもよい。出力装置1604は、図1、図3、及び図11の出力部114として用いることができる。
補助記憶装置1605は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。補助記憶装置1605は、ハードディスクドライブ又はフラッシュメモリであってもよい。情報処理装置は、補助記憶装置1605にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。補助記憶装置1605は、図1、図3、及び図11の記憶部111として用いることができる。
媒体駆動装置1606は、可搬型記録媒体1609を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体1609は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等である。可搬型記録媒体1609は、Compact Disk Read Only Memory(CD−ROM)、Digital Versatile Disk(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ等であってもよい。オペレータ又はユーザは、この可搬型記録媒体1609にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。
このように、移動情報計算処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ1602、補助記憶装置1605、又は可搬型記録媒体1609のような、物理的な(非一時的な)記録媒体である。
ネットワーク接続装置1607は、Local Area Network、Wide Area Network等の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェースである。情報処理装置は、プログラム及びデータを外部の装置からネットワーク接続装置1607を介して受け取り、それらをメモリ1602にロードして使用することができる。ネットワーク接続装置1607は、図1、図3、及び図11の出力部114として用いることができる。
情報処理装置は、ネットワーク接続装置1607を介して、ユーザ端末から処理要求を受信し、移動情報計算処理を行って処理結果をユーザ端末へ送信することもできる。
なお、情報処理装置が図16のすべての構成要素を含む必要はなく、用途や条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、情報処理装置がユーザ端末から通信ネットワーク経由で処理要求を受信する場合は、入力装置1603及び出力装置1604を省略してもよい。また、可搬型記録媒体1609又は通信ネットワークを利用しない場合は、媒体駆動装置1606又はネットワーク接続装置1607を省略してもよい。
情報処理装置が通話機能を有する携帯端末装置である場合、マイク及びスピーカのような通話用の装置を含んでいてもよく、カメラのような撮像装置を含んでいてもよい。
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
図1乃至図16を参照しながら説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータが、
加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換し、
前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、
前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求め、
前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する、
ことを特徴とする移動情報計算方法。
(付記2)
前記コンピュータは、フーリエ変換により前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを前記級数に変換し、前記級数における前記所定次数のコサイン係数から前記移動距離を求め、前記級数における前記所定次数のサイン係数から前記移動方向を求めることを特徴とする付記1記載の移動情報計算方法。
(付記3)
前記コンピュータは、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルと、地磁気センサにより検出された前記複数時刻における磁場を表す複数の磁場ベクトルとを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記1又は2記載の移動情報計算方法。
(付記4)
前記コンピュータは、角速度センサにより検出された前記複数時刻における前記移動物体の角速度を表す複数の角速度ベクトルを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記1又は2記載の移動情報計算方法。
(付記5)
前記コンピュータは、
前記加速度センサにより各時刻において検出された前記移動物体の加速度を表す加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと前記移動物体の移動により生じる移動加速度ベクトルとに分離し、
前記重力加速度ベクトルと前記移動加速度ベクトルとの内積を計算し、
前記内積の符号が反転してから前記符号が反転前の符号へ反転するまでの期間において検出される加速度の個数をカウントし、
カウントした前記加速度の個数に基づいて前記複数時刻の個数を決定する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の移動情報計算方法。
(付記6)
加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を記憶する記憶部と、
前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換する変換部と、
前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求める計算部と、
前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする移動情報計算装置。
(付記7)
前記計算部は、フーリエ変換により前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを前記級数に変換し、前記級数における前記所定次数のコサイン係数から前記移動距離を求め、前記級数における前記所定次数のサイン係数から前記移動方向を求めることを特徴とする付記6記載の移動情報計算装置。
(付記8)
前記変換部は、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルと、地磁気センサにより検出された前記複数時刻における磁場を表す複数の磁場ベクトルとを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記6又は7記載の移動情報計算装置。
(付記9)
前記変換部は、角速度センサにより検出された前記複数時刻における前記移動物体の角速度を表す複数の角速度ベクトルを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記6又は7記載の移動情報計算装置。
(付記10)
前記変換部は、
前記加速度センサにより各時刻において検出された前記移動物体の加速度を表す加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと前記移動物体の移動により生じる移動加速度ベクトルとに分離し、
前記重力加速度ベクトルと前記移動加速度ベクトルとの内積を計算し、
前記内積の符号が反転してから前記符号が反転前の符号へ反転するまでの期間において検出される加速度の個数をカウントし、
カウントした前記加速度の個数に基づいて前記複数時刻の個数を決定する、
ことを特徴とする付記6乃至9のいずれか1項に記載の移動情報計算装置。
(付記11)
加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換し、
前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、
前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求め、
前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させる移動情報計算プログラム。
(付記12)
前記コンピュータは、フーリエ変換により前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを前記級数に変換し、前記級数における前記所定次数のコサイン係数から前記移動距離を求め、前記級数における前記所定次数のサイン係数から前記移動方向を求めることを特徴とする付記11記載の移動情報計算プログラム。
(付記13)
前記コンピュータは、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルと、地磁気センサにより検出された前記複数時刻における磁場を表す複数の磁場ベクトルとを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記11又は12記載の移動情報計算プログラム。
(付記14)
前記コンピュータは、角速度センサにより検出された前記複数時刻における前記移動物体の角速度を表す複数の角速度ベクトルを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする付記11又は12記載の移動情報計算プログラム。
(付記15)
前記コンピュータは、
前記加速度センサにより各時刻において検出された前記移動物体の加速度を表す加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと前記移動物体の移動により生じる移動加速度ベクトルとに分離し、
前記重力加速度ベクトルと前記移動加速度ベクトルとの内積を計算し、
前記内積の符号が反転してから前記符号が反転前の符号へ反転するまでの期間において検出される加速度の個数をカウントし、
カウントした前記加速度の個数に基づいて前記複数時刻の個数を決定する、
ことを特徴とする付記11乃至14のいずれか1項に記載の移動情報計算プログラム。
101 移動情報計算装置
111 記憶部
112 変換部
113 計算部
114 出力部
301 加速度センサ
302 地磁気センサ
311 サイクル計算部
312 座標系計算部
313 加速度変換部
321 係数計算部
322 移動ベクトル計算部
501〜505 移動ベクトル
601 装置座標系
602 グローバル座標系
801 原点
802、1201、1202 移動軌跡
811 歩行加速度
812 xy平面成分
813 z成分
814 ベクトル
815 x成分
816 y成分
901〜903 曲線
911〜913 振幅
1001 単位ベクトル
1101 ジャイロセンサ
1203 移動方向
1204 起点
1601 CPU
1602 メモリ
1603 入力装置
1604 出力装置
1605 補助記憶装置
1606 媒体駆動装置
1607 ネットワーク接続装置
1608 バス
1609 可搬型記録媒体

Claims (7)

  1. コンピュータが、
    加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換し、
    前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、
    前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求め、
    前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する、
    ことを特徴とする移動情報計算方法。
  2. 前記コンピュータは、フーリエ変換により前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを前記級数に変換し、前記級数における前記所定次数のコサイン係数から前記移動距離を求め、前記級数における前記所定次数のサイン係数から前記移動方向を求めることを特徴とする請求項1記載の移動情報計算方法。
  3. 前記コンピュータは、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルと、地磁気センサにより検出された前記複数時刻における磁場を表す複数の磁場ベクトルとを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする請求項1又は2記載の移動情報計算方法。
  4. 前記コンピュータは、角速度センサにより検出された前記複数時刻における前記移動物体の角速度を表す複数の角速度ベクトルを用いて、前記第1の座標系から前記第2の座標系への変換行列を求め、前記変換行列を用いて、前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す前記複数の加速度ベクトルを、前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルに変換することを特徴とする請求項1又は2記載の移動情報計算方法。
  5. 前記コンピュータは、
    前記加速度センサにより各時刻において検出された前記移動物体の加速度を表す加速度ベクトルを、重力加速度ベクトルと前記移動物体の移動により生じる移動加速度ベクトルとに分離し、
    前記重力加速度ベクトルと前記移動加速度ベクトルとの内積を計算し、
    前記内積の符号が反転してから前記符号が反転前の符号へ反転するまでの期間において検出される加速度の個数をカウントし、
    カウントした前記加速度の個数に基づいて前記複数時刻の個数を決定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移動情報計算方法。
  6. 加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を記憶する記憶部と、
    前記複数時刻における前記移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換する変換部と、
    前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求める計算部と、
    前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する出力部と、
    を備えることを特徴とする移動情報計算装置。
  7. 加速度センサにより第1の座標系において検出された所定期間内の複数時刻における移動物体の加速度を表す複数の加速度ベクトルを、第2の座標系における複数の加速度ベクトルに変換し、
    前記第2の座標系における前記複数の加速度ベクトルを周波数領域表現の級数に変換し、
    前記級数における所定次数の項の係数から前記移動物体の移動距離と移動方向とを求め、
    前記移動距離と前記移動方向とを示す移動情報を出力する、
    処理をコンピュータに実行させる移動情報計算プログラム。
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