JP6535383B2 - 超音波診断システム及び超音波診断システムの作動方法 - Google Patents

超音波診断システム及び超音波診断システムの作動方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月24日に出願された日本出願番号(特願)2015−187024号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本発明は、超音波を照射して被検体の断層画像を作成する超音波診断システム及び超音波診断システムの作動方法に関する。
非侵襲性である超音波による診断システムは、生体を直接切開して観察する外科手術の必要がないため、被検体内部の情報を診断する技術として医療分野で広く用いられている。
従来の超音波診断システムでは、超音波を被検体に照射して、当該被検体から反射される反射波を解析することで被検体の断層画像を作成している。音は疎密波であるため、超音波の音圧は、当該超音波の進行方向に対しては変動しながら伝番する。超音波診断においては、被検体中に存在する散乱体によって散乱されたエコー信号を受信する。従来の超音波診断システムは、散乱体の位置の時間変動に起因するエコー信号の変動を測定することで、対象物の動きを検出することができる。
たとえば、特許文献1に記載されている診断装置は、拍動する血管に対し垂直に超音波を送波し、反射エコーを受波する超音波プローブとを備えており、反射エコーの中から信号処理によってドップラー効果に起因する周波数シフトした成分を抽出している。特許文献1に記載されている診断装置では、反射エコーを検知信号として血流速度を演算している。
特開平5−23335号公報
IEEE Trans. Ultrason. Ferr. Freq. Contrl., vol. 45 No.3 pp.837-851, 1998.
しかし、超音波の進行方向とは直交する方向に対象物が動いた場合には、進行方向に対象物が動いた場合に比べて、エコー信号の変化は小さい。したがって、特許文献1に記載されているような従来の超音波装置では、超音波を照射した方向に関する成分しか対象物の動きを検知することができないという課題がある。
ベクトルとしてドップラー血流計測をする手法としては、非特許文献1に示すような、送受信する開口方向に位相変調を掛ける方法や、一つのリニアもしくはセクタ等のプローブの中に二つの角度の異なるビームを設定する方法などが提案されている。しかし、前者には送信エネルギーが低下してしまうという課題があった。また後者には、一つのプローブ内で角度の異なるビームを設定しても深部においては互いになす角が小さくなってしまうため、診断対象が深部に配置された場合、ベクトルが計測できないという課題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、送信エネルギーの低下を防ぎ、対象物との位置関係に関わらず対象物の動きをベクトルとして測定可能な超音波診断システム及び超音波診断システムの作動方法を提供しようとするものである。
本発明の所定の実施形態に係る超音波診断システムは、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、複数の素子のうち第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、被検体内の診断対象に対して、第1の角度で超音波を送信し、複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第2の角度で反射される超音波の反射波を受信し、複数の素子のうち第3の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第2の角度とは異なる第3の角度で反射される超音波の反射波を受信するように、複数の素子を制御する制御部と、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と第3の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備えるものを含む。
また、本発明の所定の実施形態に係る超音波診断システムは、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、被検体内の診断対象に対して、第1の角度で第1の超音波を送信し、複数の素子のうち第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第1の角度で反射される第1の超音波の反射波を受信し、複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象に対して、第2の角度で第2の超音波を送信し、複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から、第2の角度で反射される第2の超音波の反射波を受信するように、複数の素子を制御する制御部と、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備えるものを含む。
本発明の所定の実施形態に係る超音波診断システムの作動方法は、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子を備える超音波診断システムの作動方法であって、複数の素子のうち第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、被検体内の診断対象に対して、第1の角度で超音波を送信し、複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第2の角度で反射される超音波の反射波を受信し、複数の素子のうち第3の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第2の角度とは異なる第3の角度で反射される超音波の反射波を受信するように、複数の素子を制御するステップと、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と第3の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、診断対象の速度ベクトルを演算するステップと、を備えるものを含む。
また、本発明の所定の実施形態に係る超音波診断システムの作動方法は、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子を備える超音波診断システムの作動方法であって、複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、被検体内の診断対象に対して、第1の角度で第1の超音波を送信し、複数の素子のうち第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第1の角度で反射される第1の超音波の反射波を受信し、複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象に対して、第2の角度で第2の超音波を送信し、複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、診断対象から第2の角度で反射される第2の超音波の反射波を受信するように、複数の素子を制御するステップと、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、診断対象の速度ベクトルを演算するステップと、を備えるものを含む。
また、本発明の超音波診断システムは、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、前記複数の素子の一部を構成する素子から被検体内の診断対象に対して超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記超音波の反射波を、前記診断対象からの反射角度が互いに異なる領域に配置された2つ以上の素子によって受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、前記2つ以上の素子がそれぞれ受信した反射波に基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備える。
さらに、本発明の超音波診断システムは、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、前記複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子から被検体内の診断対象に対して第1の超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記第1の超音波の反射波を、前記第1の領域に配置された素子で受信し、前記複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子から前記診断対象に対して第2の超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記第2の超音波の反射波を、前記第2の領域に配置された素子で受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、前記第1の超音波の反射波と前記第2の超音波の反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備えるものを含む。
本発明によれば、対象物の動きをベクトルとして測定することが可能になる。
本発明の実施形態における超音波診断システムの構成を模式的に示す図である。 図1に示す超音波診断システムのAA´断面図である。 本発明の実施形態におけるリングアレイRの全開口を使った場合の超音波の音圧分布を模式的に示す図である。 本発明の実施形態における、構成1での超音波の送受信の様子を模式的に示す図である。 本発明の実施形態における、構成1での血流の流速計測処理のフローを示すチャートある。 本発明の実施形態における、構成2での超音波の送受信の様子を模式的に示す図である。 本発明の実施形態における、構成2での血流の流速計測処理のフローを示すチャートある。 本発明の実施形態における、各パケットで受信したドップラー信号と血流速度との相関関係を示すグラフである。 本発明の実施形態における、焦点近傍の送受信の感度の空間分布を示す図である。 本発明の実施形態における、体動と異なる方向の低速血流を区別して取り出す処理を模式的に示す図である。 本発明の実施形態における、ドップラー画像をコンパウンドする処理を模式的に示す図である。 本発明の実施形態における、体細胞除去フィルタの適用例の一例を模式的に示す図である。 散乱体分布に対して、体動と血流を模擬した動きを与えた128フレームの空間分布データを時間方向に投影した結果を示すものである。 比較例の手法によって、血流像の表示を行った結果を示すものである。 比較例の手法によって、血流像の表示を行った結果を示すものである。 本発明の実施形態における体動除去の手法によって、血流像の表示を行った結果を示すものである。 2つの体動処理法の比較説明図である。
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。
[実施形態]
本発明の一つの実施形態に係る超音波診断システム10は、人体等の被検体に超音波を照射し、反射される反射波(以下、同一場所に対して異なる時間に取得された複数の反射波から解析して対象の時間変化成分を抽出した信号を「ドップラー信号」とも呼ぶ。)を用いて、被検体内の組織、特に血流を撮像するためのシステムとして構成される。被検体は、人体もしくはその構成部位であり、手、腕、足、臀部、***等が挙げられる。本実施形態に係る超音波診断システム10では、被検体T内の血流の流量と流速を計測することができる。癌細胞が発生した箇所には新生血管と呼ばれる血管が新たに形成されるため血管の密度が高くなる。超音波診断システム10は、血流量と血流速とを計測して計測結果を画像化することができる。医師は、超音波診断システム10の撮像画像を確認することで、悪性腫瘍(以下、悪性腫瘍のことを「癌」とも呼ぶ。)等の病変を診断することができる。以下、超音波診断システム10の構成について図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、超音波診断システム10は、リングアレイRと、スイッチ110と、送受信回路120と、演算回路(演算部の一例である)130と、画像表示装置140とを備えている。
リングアレイRは、複数の振動子が組み合わさって構成される、好ましくは直径80〜500mm、より好ましくは直径100〜300mmのリング型形状の振動子である。また、リングアレイRは、直径を可変とする構成をとることもできる。本実施形態では一例として、4つの凹面型振動子P01〜P04が組み合わさった、直径200mmのリング型形状の振動子である。この例では、それぞれの凹面型振動子P01〜P04は256個の短冊形圧電素子(以下、単に「素子」とも呼ぶ。)から構成されている。振動子を構成する素子の数は限定されず、好ましくは1〜1000個、より好ましくは100〜500個である。本実施形態において、素子は、電気的信号と超音波信号とを相互変換する機能を有する。素子は被検体Tに超音波を送信し、被検体Tから反射される反射波(ドップラー信号)を受信して電気的信号を受信データとして形成する。なお、本実施形態において、各素子は、超音波を送信する送信素子と超音波を受信する受信素子との両方の機能を備えるものとして説明するが、これに限定されない。たとえば、各素子が送信素子又は受信素子のいずれかであり、複数の送信素子及び複数の受信素子がそれぞれリング状に配置されるものとしてもよい。また、送信素子と受信素子の両方の機能を備えるもの、送信素子及び受信素子が混在する構成であってもよい。
図1には一部しか示さないが、凹面型振動子P01は素子e1〜e128、素子e897〜e1024の256個の素子を有している。また、凹面型振動子P02は素子e129〜e384、凹面型振動子P03は素子e385〜e640、凹面型振動子P04は素子e641〜e896の256個の素子をそれぞれ有している。素子e1〜e1024は、番号の昇順にリングに沿って時計周りに、挿入部SPの周囲に、約0.352度ずつの等間隔で設けられている。以下では、素子e1が配置されている位置を0度とし、時計回りに素子e1から素子e512までを0度から180度とし、反時計回に素子e1から素子e512までを0度から−180度として説明する。
リングアレイRの中央には、被検体Tを挿入するための挿入部SP(直径は限定されないが、直径70〜490mm、より好ましくは直径90〜290mmである。本実施形態では、一例として、直径100mm程度とする。)が設けられている。リングアレイRの内周側には、音響レンズと呼ばれる凸面レンズが表面に取り付けられている。このような表面加工をリングアレイRの内周側に施すことで、各素子が送信する超音波を、リングアレイRを含む平面内に収束させることができる。なお、リングアレイRを構成する素子数や直径は図1のものに限定されない。また、本実施例では、各素子を等間隔にリング状に配置しているが、リングアレイRの形状は円状に限定されず、例えば、六角形、正方形、三角形など任意の多角形、少なくとも一部に曲線や円弧を含む形状、その他任意の形状、または、これらの形状の一部(例えば、半円や円弧)であってもよい。すなわち、リングアレイRは、アレイRと一般化することができる。また、アレイRを構成する各素子の配置は、被検体Tの周囲を断続的に少なくとも90度またはそれ以上囲むような配置であれば好ましいものの、これらに限定されるものではない。また、本発明においては、素子が、被検体に対して様々な角度から、超音波を発信ないし受信することが肝要であって、複数の素子は被検体の周囲に配置されていればよく、一つのアレイとして構成されていなくともよい。
リングアレイRはスイッチ110を介して送受信回路120へ取り付けられる。
送受信回路120は、リングアレイRの素子に制御信号(電気的信号)を送信し、超音波の送受信を制御する。たとえば、送受信回路120は、素子に対して送信する超音波の周波数や大きさ、波の種類(連続波やパルス波等)、後述する演算回路130が血流の流量や流速を計測するために素子から収集する受信データの数(以下、収集する受信データの数、即ち演算に用いるための、被検体T内における同一部位からのデータの時間変化成分を所得するために複数回の送受信における送受信の回数を「パケット数」とも呼ぶ。)の指示を送る。本実施形態では、一例として、パケット数を8とし、送受信回路120は、一度に、256素子を駆動させる制御信号を送信するものとする。
スイッチ110は、リングアレイRの1024の素子それぞれに接続し、送受信回路120からの信号を、任意の素子に伝達し、素子を駆動させる(以下、制御信号を受信した素子を「駆動素子」とも呼ぶ。)。スイッチ110は、送受信回路120から与えられる制御信号を、1024の素子のうち駆動させる256の素子に対して分配する。本実施形態に係る超音波診断システム10は、このスイッチ110を用いて送受信回路120へ接続される駆動素子を順次切り替えていくことで、リングアレイRを構成する1024素子の駆動を実現する。スイッチ110による切り替えは、数msオーダー以下で行われることが望ましい。これによって、超音波診断システム10は、ほぼリアルタイムにデータの収集を行うことができる。
演算回路130は、素子が受信したドップラー信号を解析することで、被検体T内の血流の流量や流速を計測するように構成される。また、演算回路130は、計測した流量や流速を用いて、被検体Tの断層画像を生成するとしてもよい。画像表示装置140は、演算回路130が生成した撮像画像を表示するモニタである。
図2は、リングアレイRのAA´断面図である。一例として、リングアレイRは穴の開いたベッドの下に、ベッドの穴と挿入部SPとが重畳するように設置される。被験者はベッドの穴から、撮像対象となる身体の部位を挿入部SPに挿入する。
リングアレイRは、素子が送受信回路120に指定されたパケット数分の受信データの受信を行うと、図2の矢印の方向に上下して送受信の焦点位置を変更し、再度パケット数分受信データを受信する。このように撮像視野内の受信データの収集(以下、焦点位置を移動しながら受信データを収集することを「スキャン」とも呼ぶ。)を完了するまで焦点位置を移動してスキャンを繰り返すことで輪切りになった2次元の撮像画像を作成することができる。
次に、このように構成された本実施形態に係る超音波診断システム10の動作について説明する。
<血流量計測処理>
まず、超音波診断システム10の血流量計測処理について説明する。
ここでは、リングアレイRを構成する全てもしくは概略全ての素子で構成される送受波面(以下全開口)を用いて超音波の送受信を行うことにより血流の流量を計測する場合について説明する。本実施形態に係る送受信回路120は、同時に制御できる素子の数が256となるように構成されている。そのため、スイッチ110によって素子を4つおきの駆動を4回繰り返すことで超音波診断システム10は、全開口の受信データを収集することができる。
図3は、リングアレイRの全開口を使った場合の超音波の波形を模式的に示している。等間隔に配置している各素子が送信する超音波は互いに打ち消し合って、中心点に収束する。したがって、リングアレイRの全開口のデータを用いることで、被検体Tのどの方向の動きも検出することが可能となり、かつ点応答関数の幅が狭いために解像度の高い撮像画像を作成することができる。
演算回路130は、素子が受信したドップラー信号から撮像画像を作成する。具体的には、演算回路130は、パケット間で信号の相互相関をとることで、血液の変化量を算出し、流量を計測する。流量を計算する場合、まずパケット間における信号の相互相関から求まる、パケット内での検出速度に対して、体動速度に対応する低速成分をカットする。この低速成分をカットした相互相関値の大きさを、その場所における流量としてその空間的な分布を画像化する。
流量の場合は流れの向きに関する情報が無い状態でも十分に有益な情報を持っている。そのため、演算回路130は、計測した流量と、後述する流速の推定結果とを組合せて画像提示をすることが出来る。画像の提示方法としては、例えば、流量の大きさに比例した出力を持つフィルタを設定し、流量の少ない成分は表示しないようにする方法などが例として挙げられる。流量の大きさに比例した出力を持つフィルタが流速測定結果に適用される場合には、流速測定と流量測定それぞれに適した開口条件を用いて、交互に計測が行われる。流量測定においては開口が極力広く、すなわち送信もしくは受信に用いる素子の分布の広がりが極力広く設定されることで、高い空間解像度が実現される。一方、以下で詳しく説明するように、流速測定においては、ベクトルの成分毎に測定を行うため、送受信感度の空間分布、すなわち点応答関数に異方性を持つ必要がある。そのため、開口に制限、すなわち送信もしくは受信に用いる素子の分布の広がりに制限をすることが望ましい。この結果として、流速計測において用いられる素子の集合は、流量計測において用いられる素子の集合の一部になる。もしくは、流速計測において用いられる素子数は、流量計測において用いられる素子数より少ない。これは必ずしも送受信で共にこの条件を実現する必要はなく、送信か受信のいずれかにおいて、流量計測と流速計測の間で用いる素子数の大小関係もしくは集合と部分集合の関係が満たされればよい。
リングアレイRの全開口を用いることで、どの方向の動きも検出できる反面、どの方向の動きも検出してしまうために、被検体Tの観察部における血流の方向を特定することができない。したがって、本実施形態に係る超音波診断システム10では、流速の計測を行う場合には、開口を制限して計測する。
<血流の流速計測処理>
次に、血流速計測処理について説明する。従来のドップラー信号を用いて速度ベクトルを計測する装置の場合、血流の速度成分のうち、超音波の伝搬方向のみしか動きを検出できない。そこで、本実施形態に係る超音波診断システム10では、異なる2方向に反射したドップラー信号を解析することで計測した、各方向の速度ベクトルを合成することで、血流の流速を算出することができる。なお、本実施形態においては、互いに直交する2方向のドップラー信号を解析するものとして説明するが、解析に用いられるのは反射角が互いに異なるドップラー信号であればよく、直交するものに限定されない。
流速計測処理における素子の超音波送受信の制御方法として、たとえば構成1〜2の2つの方法があげられる。
1.構成1
図4は、構成1における超音波の送受信の様子を模式的に示している。構成1では、超音波診断システム10は、45度(第1の角度の一例である。)の方向D1から超音波を送信し、直交する、0度(第2の角度の一例である。)と90度(第3の角度の一例である。)とをそれぞれ中心軸とする2方向においてドップラー信号を受信する。なお、ここでは角度とは、送信開口の中心部及び送信焦点を結んだベクトルと、予め設定された基準線(例えば、素子e0と素子e1024の間の位置と円の中心を結んだ直線)との間の角度のことをいう。
図4(A)は、45度の方向D1から超音波が送信され、0度を中心軸とするドップラー信号が受信される様子を模式的に示す図である。図4(B)は、45度の方向D1から超音波が送信され、90度を中心軸とするドップラー信号が受信される様子を模式的に示す図である。
構成1における、超音波診断システム10の処理フローの一例について、図5を用いて説明する。
送受信回路120が所定の周波数の超音波を送受信するための制御信号をパケット数分、生成する。スイッチ110は、0〜90度の位置に配置された素子e1〜256が送信する超音波が、挿入部SPの中点に同時に到達するように、順次、制御信号を伝達し駆動させる。例えば幾何学的な中心位置に集束させる場合は、素子e1からe256まで全て遅延時間を0に設定して制御信号を伝達する。制御信号を与えられた順に、駆動素子が超音波を送信する(S101)。
次に、スイッチ110は、−45度〜135度の位置に配置された素子e896〜e1024、e1〜e384に対して制御信号を伝達させ、順次、送受信を繰り返すことでドップラー信号を受信させる(S102)。素子e896〜e1024、e1〜e128は、−45度から45度、e129〜e384は45度〜135度とでドップラー信号を信号処理上2つに分割する(S103)。なお、分割するとは、特定の素子群の信号処理と、別の素子群の信号処理を分離してそれぞれを並列して演算することをいう。本実施形態では、e896〜e1024、e1〜e128の信号処理と、e129〜e384の信号処理を完全に分離して、それぞれを並列して演算する。
送受信回路120が生成したパケット回数分の制御信号を、スイッチ110が素子に伝達し終わるまで(S104:YES)S101〜S103の処理が繰り返される。パケット回数分(本実施形態においては8パケット分)の受信データが収集されると、演算回路130が、後述する、流速算出処理により、位相変化を抽出し、0度と90度との位置の速度ベクトルを算出する。演算回路130は、算出された0度と90度との速度ベクトルを合成することで血流の流速を推定する(S105)。
撮像視野内のスキャンが完了していない場合(S106:NO)、各素子に与える遅延時間の分布を変化させることで、素子が超音波を送受信する焦点位置を移動させる(S107)。このS101〜S107の処理が、撮像視野内のスキャンが完了するまで(S106:YES)、繰り返される。また三次元の撮像を行う場合は、更にリングアレイRを上下に移動させ、ここまでに説明した操作を繰り返すことにより、三次元撮像を行う。
このような、構成1の制御方法では、送信素子と受信素子とがパケット内で切り替わるため、スイッチ110の切り替え時にノイズが発生することがある。一方で、構成1の制御方法では、送信素子が固定されているためフレームレート(解像度)を落とさずにスキャンすることが可能になる。
なお、構成1の制御方法として、ある開口(アレイ中で送受信を行う部分)から超音波の送信を行い、それを異なる開口で受信し、次に、初めの送信とは異なる開口から超音波を送信し、それを初めの受信と同一の開口で受信するという事ができる。例えば−45度〜45度の開口で超音波の送信を行い、0〜90度の開口で受信し、次に45度〜135度の開口で送信を行い、再び0〜90度の開口で受信し、これを交互に繰り返す方法を用いてもよい。この場合、受信開口は常に同一なので、片方の送信波形を完全に取得し終わる前にもう片方の送信条件での送信を送ることができる。これによって、高速な撮像が可能となる。さらに、例えば30〜60度の開口で超音波を送信し、60〜120度の開口で受信し、120〜150度の開口で送信し、再び60〜120度の開口で受信する、というように、送信素子と受信素子とが重ならないように、送受信素子の開口を設定することで、より高速な撮像が可能となる。
図9は、受信開口の違いによる、ドップラー信号を送受信した場合の感度の空間分布を計算した結果を示す図である。
図9(a)(b)は、45度の方向D1から超音波を送信し、0度(図9(a))と90度(図9(b))とをそれぞれ中心軸とする2方向においてドップラー信号を受信した場合の感度の空間分布(点応答関数)を示す図である。この場合、図9(a)と、(b)に示す点応答関数の傾きの差が成す角度は、90度とはなっていない。
他方、図9(c)(d)は、45度の方向D1から超音波を送信し、直交する、135度(図9(c))と−45度(図9(d))とをそれぞれ中心軸とする2方向においてドップラー信号を受信した場合の感度の空間分布(点応答関数)を示す図である。この場合、図9(c)と(d)とに示した点応答関数の傾きの差が成す角度は90度に広がっている。これによって、あらゆる方向における血流の速度ベクトルを撮像することが可能になる。この一例のように、点応答関数の傾きの差が成す角度が90度となるように、受信位置を設定することが好ましい。
従来のドップラー撮像法においては、超音波伝搬方向とアナログデジタル変換器の時間サンプリング方向が一致する。本発明においては、複数の異なる伝搬方向の送信もしくは受信のエコー信号においては、時間軸サンプリングの方向とそれぞれの伝搬方向が異なる状態で合成されることで、相互相関により時間軸上での速度を定義するのが困難になる。そこで本発明では、観測点毎に独自の時間軸方向を設定し、この時間軸上にデータが配列するように、送信素子位置及び受信素子位置を考慮して取得受信エコーデータの再配列を行うことが好ましい。
2.構成2
図6は、構成2における超音波の送受信の一例を模式的に示している。構成2では、たとえば、超音波診断システム10は、45度の方向D1において超音波を送受信し、次いで135度の方向D2において超音波を送受信する。図6(A)は、45度の方向D1から超音波が送信され、45度を中心軸とするドップラー信号が受信される様子を模式的に示す図である。図6(B)は、135度の方向D2から超音波が送信され、135度を中心軸とする方向のドップラー信号が受信される様子を模式的に示す図である。
構成2における、超音波診断システム10の処理フローの一例について、図7を用いて説明する。
送受信回路120が所定の周波数の超音波を送受信するための制御信号をパケット回数分、生成する。スイッチ110は、0〜90度の位置に配置された素子e1〜256が送信する超音波が挿入部SPの中点に同時に到達するように、順次、制御信号を伝達し駆動させる。具体的には送信フォーカス位置と素子位置の距離を推定音速で除した値を元に設定した遅延時間を用いて制御信号を伝達する。制御信号を与えられた順に、駆動素子が超音波を送信する(S201)。さらにスイッチ110は、0〜90度の位置に配置された素子e1〜256に対して制御信号を伝達させ、ドップラー信号を受信させる(S202)。
受信が完了すると、次にスイッチ110は、90〜180度の位置に配置された素子e257〜512が送信する超音波が挿入部SPの中点に同時に到達するように、順次、制御信号を伝達し駆動させる。具体的には送信フォーカス位置と素子位置の距離を推定音速で除した値を元に設定した遅延時間を用いて制御信号を伝達する。制御信号を与えられた順に、駆動素子が超音波を送信する(S203)。さらにスイッチ110は、90〜180度の位置に配置された素子e257〜512に対して制御信号を伝達させ、ドップラー信号を受信させる(S204)
送受信回路120が生成したパケット回数分の制御信号を、スイッチ110が素子に伝達し終わるまで(S205:YES)S201〜S204の処理が繰り返される。
パケット回数分(本実施形態においては8パケット分)の受信データが収集されると、演算回路130が、後述する、流速算出処理により、位相変化を抽出し、45度と135度との位置の速度ベクトルを算出する。演算回路130は、算出した45度と135度との速度ベクトルを合成することで血流の流速を推定する(S206)。撮像視野内のスキャンが完了していない場合(S20:NO)、リングアレイRを上下に移動させ、素子が超音波を送受信する焦点位置を移動させる(S20)。このS201〜S208の処理が、撮像視野内のスキャンが完了するまで(S20:YES)、繰り返される。
このように、構成2の制御方法では、送信素子と受信素子とがパケット内で切り替わらないためスイッチ処理によるノイズの発生を低減することができる。一方で、送信素子を切り替えて送信処理を2回行う必要があるため撮像画像のフレームレート(解像度)が下がってしまうことがある。
ここまでは、超音波の送信に用いる素子及び受信に用いる素子の両方を限定することで送信と受信ともに開口を絞りフォーカスを掛ける場合に関して説明を行ってきた。しかし、超音波の送信においては、ビーム(開口)を絞らずに、受信で複数の異なる箇所に同時にフォーカスをかける高速撮像手法を用いてもよい。例えば、送信ビーム幅を受信ビーム幅の10倍程度太く設定し、その幅の中に十本の受信ビームを形成することで、全撮像時間を十倍速くすることが可能となる。より具体的な設定方法としては、送信ビーム幅と受信ビーム幅はそれぞれ開口幅に反比例するので、送信ビーム幅を受信ビーム幅の10倍に設定する場合は、送信に用いる素子の数を受信に用いる素子の数の1/10に設定すれば良い。ドップラー撮像においては、撮像の高速化により、よりカットオフの鋭い体動除去フィルタの設計が可能なるので、体動の速度に近い低速血流の描出が可能となる。
上記1.及び2.において具体的な構成の一例を説明したが、本発明は、被検体に対して異なる角度に位置する素子が受信したそれぞれのドップラー信号から、ベクトル合成をして速度ベクトルを算出することが可能な発明であることから、以下のような構成をとることもできる。すなわち、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、複数の素子の一部を構成する素子から被検体内の診断対象に対して超音波を送信し、診断対象から反射される超音波の反射波を、診断対象からの反射角度が互いに異なる領域に配置された2つ以上の素子によって受信するように、複数の素子を制御する制御部と、2つ以上の素子がそれぞれ受信した反射波に基づいて、診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備える超音波診断システムである。システムの具体的な制御方法の一例は上記1.ないし2.と同様にすればよい。
さらに、本発明は、被検体に対して2箇所の素子から照射された超音波の反射波を2箇所の素子で受信し、これら2箇所の素子が受信したそれぞれのドップラー信号から、ベクトル合成をして速度ベクトルを算出することが可能な発明であることから、以下のような構成をとることもできる。すなわち、被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子から被検体内の診断対象に対して第1の超音波を送信し、診断対象から反射される第1の超音波の反射波を、第1の領域に配置された素子で受信し、複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子から診断対象に対して第2の超音波を送信し、診断対象から反射される第2の超音波の反射波を、第2の領域に配置された素子で受信するように、複数の素子を制御する制御部と、第1の超音波の反射波と第2の超音波の反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、を備える超音波診断システムである。システムの具体的な制御方法の一例は上記1.ないし2.と同様とすればよい。
3.流速算出処理
次に、演算回路130による流速算出処理について説明する。
演算回路130は、受信したドップラー信号に基づいて血流の速度ベクトルを解析する。図8(A)は受信素子が受信した8パケット分のドップラー信号の波形を示している。図8(A)のグラフの横軸は、各パケットにおいて、素子が超音波を送信してからの相対的な経過時間を示している。図8(B)のグラフは、図8(A)の各パケットのドップラー信号の基準時間における振幅をプロットしたものである。音は正弦関数の波形であるため、パケット間の基準時間における位相の変化(図8(B)のグラフの傾き)が、血流の速度を示すことになる。
演算回路130は、図8(B)に示すグラフから算出した速度と、ドップラー信号を受信した方向とに基づいて、素子が受信したドップラー信号の方向毎に速度ベクトルを算出する。算出した速度ベクトルを合成することで、血流の速度ベクトルを推定することができる。
このように、本実施形態に係る超音波診断システム10によると、血流の方向に関わらず、流速を計測することができる。
血流がベクトルで計測可能になることは、以下に詳・BR>ラを述べる新規な体動除去フィルタの構築を可能として、低速な血流分布の可視化が実現出来ることも、その重要な利点の一つである。低速血流の可視化は腫瘍をとりまく腫瘍新生血管の描出の可能性を高め、腫瘍検出感度の向上や、腫瘍の鑑別のための情報を増やすことに繋がる。
従来の超音波伝搬方向の速度成分のみを検出するドップラー法においては、呼吸や拍動等に起因する生体組織の動きと、血流を区別するために、速度域のフィルタを用いている。従来の方法では、ある閾値より遅い動きは体動として血流信号から除去して、その閾値より早い動きのみを血流信号として表示している。しかし、このような従来の方法では設定された閾値より遅い低速血流成分は全て除去されてしまう。一方、本実施例に係る超音波診断システム10では、信号としてベクトル成分を持っているため、体動と低速血流で速度が同じ場合でも、方向が異なる場合は、これを区別することが可能である。
図10は、体動と低速血流とを区別して取り出す処理を模式的に示す図である。図10において、実線の矢印は体動に関する速度ベクトルを、点線の矢印は低速血流に関する速度ベクトルを示している。
図10(a)は、体動と血流との速度ベクトルの分布を示している。演算回路130は、体動に関する速度ベクトルから、体動の方向を検出する。次に、演算回路130は、血流に関する速度ベクトルについて、検出した体動の方向に対して並行な成分と、垂直な成分とに分解する(図10(b)、(c)−1、(c)−2)。分解された低速血流に関する速度ベクトルの成分のうち、体動に並行な方向の成分から、体動成分が存在する速度域にある低速血流に関する速度ベクトルについて、除去が行われる(図10(d)(e))。
図10(f)は、速度が体動と同一の低速血流を除去した後の血流に関するベクトルを再度分布した状態を示している。図10(f)−1は、このうち、体動に並行な成分を、図10(f)−2は、体動に垂直な成分を示している。図10(f)−1、(f)−2に示した成分を合成することで、体動を除去した低速血流に関する速度ベクトルを取得することができる(図10(g))。このように、本実施形態に係る超音波診断システム10においては、体動と低速血流とでベクトルの向きが異なる場合に、体動と低速血流とを区別して扱うことができる。さらに、本実施形態に係る超音波診断システム10において、体動と異なる方向の低速血流成分に関しては、フィルタを掛けないので、より多くの低速血流信号を保存することができる。
体動を除去するための速度カットオフ値の設定方法は以下のような方法で実現可能である。図10(a)に示したように、体動は広い範囲にわたり同一のベクトルであり、血流は局所毎に異なる。特にここで課題となっている低速血流は、細い血管内を流れる血流であるので、局所毎に血管の走行方向が変化するため、血流の速度ベクトルの局所毎の変化が大きい。そこで、空間的に共通する速度ベクトル成分を体動として扱い、空間的に他の場所との相関の低い速度ベクトル成分を血流として扱い、これらを効果的に分離できるカットオフ値を設定する。
図11は、ドップラー画像に対してコンパウンドする処理の様子を模式的に示す図である。図11に示すように、多方向からのドップラー画像をコンパウンドすることで、血管走行に依存して、一方向からの撮像では血管構造が途切れ途切れに可視化されてしまうのを防ぐことが出来る。
なお、図11に示した処理は、通常の超音波断層像撮像において、撮像対象領域を取り囲むように設定された複数の異なる方向から送受信して撮像した画像(例えば断層像である)を合成(コンパウンド)する方法を発展させた方法である。断層像撮像におけるコンパウンドでは、対象物内に存在する界面や散乱体の反射率の角度依存性の効果を抑制することが出来る。
4.その他の体動除去手法(特異値分解)
上記の1.から3.までの説明では、二方向の速度推定ステップと、速度成分毎に体動と血流を分解して体動除去を行なうステップから構成される例に関する説明を行った。ここでは、体動及び血流から構成される動きに関して、二方向の情報を同時に用いて、体動除去を行う手法について説明する。
まず信号処理の自由度を増やすために、信号取得に関する制御方法の変更に関する説明を行う。上記の1.から3.までの実施例においては、撮像領域を空間的に分割し、分割された領域毎に超音波を集束させて送信を行い(図5のS107や図7のS207)い、次に所定のパケット回数(8から10程度:図5のS104や図7のS205)だけ定められた送信焦点に対して送受信を繰り返す方法を用いていた。血流空間分布の動的撮像に関しては、空間分割数(送信焦点位置の数)とパケット数の積に対して撮像速度は概略反比例する(概略としたのは異なる送信条件間で、パケットを入れ込むことが可能な場合があるためである。この場合は空間分割数とパケット数の積の逆数より早い撮像レートでの計測が可能である)。
一般的にパケット数を増やすことで信号処理手法の設計自由度が向上する。トータルの撮像時間を維持したまま、パケット数を増やすための一つの方法は、空間分割数を削減することである。送信と受信の焦点数を共に削減すると空間解像度の低下につながるが、受信焦点は複数の異なる受信焦点位置に関する信号処理を並列して行うことが可能である。このため送信ビームの集束領域を拡大し、送信フォーカスに関する空間分割数を低減、受信フォーカスに関する空間分割数を維持したまま、パケット数を増やす。具体的には、パケット数は64〜512程度の値などが用いられる。この処理においては図5や図7において、S107やS207を取り除いた制御フローとなる。
このようにパケット数を拡大し、空間二次元と時間の次元を合わせた計3次元の、体組織の体動成分と血流成分の含まれるデータに対して、本発明における体動除去の手法においては、行列演算によって、体動の特徴と血流の特徴の区別を行い、体動成分のみの除去を行う。行列演算として多様な手法は二次元行列に対して構成されたものが多いので、そのようなこれまでの知見を活用するには、計3次元のデータを二次元データに圧縮を行うことが有利である。
図12を用いて、上述の二種類の3次元データを1つの二次元データに圧縮する方法について説明する。上記の空間二次元と時間の次元を合わせた計3次元のデータは二つの方向成分から構成されるベクトル情報である。つまり、二種類の3次元データを1つの二次元データに圧縮する必要がある。そのための第一ステップの一例として、図12に示すように、Casorati行列とよばれる方法(詳細は文献:IEEE Trans. Ultrason. Ferr. Freq. Contrl., vol. 34 No.11 pp.2271-2285, 2015.参照)により、画素空間xyに関して、例えば超音波伝搬方向をx方向とした時に、x方向に一列ずつ切り出して、並べ直すことで、xy行×1列の1次元に変換を行い、この新しいxyが縮約した空間1次元と、時間1次元の2次元行列を構成する。ここで空間を1次元にするのは、個々の画素の時間変化成分を追跡し易くするためである。またx方向に1列ずつ切り出すのは、点応答関数の位相の空間勾配がx方向に急峻であるため、x方向に対して感度高く動きを検出するためである。(y方向に1列ずつ抽出すると、Casorati行列中で、不連続な動きをしてしまうため、固有値分解を行う時に不利になる。)
次に、本発明の特徴である、任意の2方向であるA方向(図12(A)(1))、とB方向(図12(A)(2))の2種類のCasorati行列を一つの行列に纏める操作に関して、複数の例を示して説明する。
1.点応答関数の異方性を小さく(図3)することで、エコー信号に二方向の動き成分が含まれるように構成し、一つの空間vs時間の二次元Casorati行列を構成する。
2.A方向vs時間と、B方向vs時間の二つの2次元Casorati行列を空間次元方向(図12(B)の縦の向き)に連結して、図12(B)に示すように、一つのCasorati行列を構成する。(この方法の小さなアレンジとしては、図12(B)に示すように上半分と下半分に方向Aと方向Bを並べるのとは異なり、縞々になるように方向Aと方向Bを交互に入れ込む再配列法などもある。)
これらの方法で構成された2次元のCasorati行列に含まれる体動と血流の分解には、Casorati行列の共分散行列に対する特異値分解や、非負値行列因子分解、などの主成分分析などの分野で広く使われている方法などが適用可能である。
以下、一つの例としてCasorati行列の共分散行列の特異値分解を用いた例に関して説明を行う。演算回路130は、時間の経過に応じた複数の画像を作成する。演算回路130は、作成した複数の画像(画素x,画素y,時間tからなる3次元データ)を、縦方向を画素成分(xy:空間分布)とし、横方向を時間成分(t:時間分布)とする2次元の行列(以下、「データS」とも呼ぶ。)に変換する。すなわち、変換後は、1枚の画像データが1行のベクトルで表される。
次に、演算回路130は、データSに対して特異値分解を行い、特異値行列を算出する。さらに演算回路130は、算出した特異値行列に基づいて、データSに関する共分散行列SS*、S*Sの固有値λiを算出することで、共分散行列SS*の固有値λiに対する固有ベクトルui、及び共分散行列S*Sの固有値λiに対する固有ベクトルviをそれぞれ算出する。なお、「S*」はSの転置行列である。このとき、固有ベクトルuiはデータSの空間分布の成分を表し、固有ベクトルviはデータSの空間分布の時間変化を表していると考えることができる。この固有ベクトルui、viは、それぞれλiの値が大きい成分(i=1近辺)は、信号強度が大きく、またコヒーレンス性が高いという性質がある。この性質は、体組織からの信号の特徴と類似する。従って、データSからλiの値が大きい成分を除去することで体組織の信号を除去することが可能になると考えられる。なお、除去するλiの値が大きい成分に関して、iがとりうる値の範囲は、1以上から任意の値に設定することが可能である。
本実施形態においては、図11に示すようなコンパウンド後の画像に対して特異値分解を行うことで、より効果的に体動を除去することが可能になる。
図12は、本実施形態に係る体動除去の手法を模式的に示す図である。
図12(A)は、方向Aから所定の時間ごとに撮像した複数の画像と、方向Bから所定の時間ごとに撮像した複数の画像を模式的に示している。このように2方向から画像を撮像する場合、2方向それぞれの撮像画像について特異値分解を行い、体動成分の除去を行うことができる。
他方で、図12に示す体動除去の手法では、複数の方向から順次、ドップラー信号を送受信することで撮像した画像から、上述のデータSの1列に相当するベクトルデータを作成する。具体的には、図12(B)の例では、時間tに方向Aから送受信したドップラー信号から得られた画像(nx,ny,t)と、方向Aから送受信した時間tから所定の時間Δt以内に、方向Bから送受信したドップラー信号から得られた画像(nx,ny,t+Δt)とを、同一の時間に送受信した信号から得られた画像であるとみなして、データSにおける1列分のベクトルデータ(nx×ny+nx×ny)を生成する。このようなベクトルデータを時間経過に応じて複数個生成することで、横方向に複数列の時間成分を有するデータSを構成する。演算回路130は、この行列データSに特異値分解を行う。これによって、1方向から撮像された画像だけでは取得できなかった体動の情報を取得することが可能になり、より効果的に体動成分を除去することができる。
以上では、二方向成分の例に関して説明を行った。しかしリングアレイの特徴を考慮すると、図11に示すように3方向以上の情報を活用することも有益である。特に低速血流が対象となる場合においては、撮像速度の制約が小さいため、より多くのフレーム数の取得が可能である。3方向以上の超音波受信を行い、3方向以上のCasorati行列から1つのCasorati行列への再配列を行うことで、これまでに説明を行った方法と同様の処理を適用することが可能である。
図13乃至図15を参照して、上記で説明を行った二つの直交する方向のエコー成分から体動を除去して血流成分を抽出する方法について、その有効性について、具体的な計算結果を用いて以下に説明する。まず計算モデルは、散乱体分布に対して、体動と血流を模擬した動きを与え、これに超音波エコー信号取得のための点応答関数の2次元コンボリューション演算を適用する。
点応答関数としては、方向Aに対応する点応答関数と、方向Bに対応する点応答関数(いずれも形状は図4や図6に示す一組の形状となる)。図13は、散乱体分布に対して、体動と血流を模擬した動きを与えた128フレームの空間分布データを時間方向に投影した結果を示すものである。ここでは説明のために、体動を模擬する散乱体の数を2の6乗個、血流を模擬する散乱体の数も2の6乗個として、それぞれの輝度比を1として可視化しているが、以下の実際の計算においては、体動を模擬する散乱体の数を2の12乗個、血流の動きを模擬する散乱体の数を2の10乗個として、血球の輝度が体組織の輝度の1/10となるように設定した。血流は撮像面内を円環状に流れ、体動は一方向にsin波に従った速度変化をするように与えた(128フレームで1周期。振幅は画素空間のピクセル間隔の40倍)
図14及び図15は比較例の手法によって血流像の表示を行った結果を示すものである。図14は、従来法(周波数空間においてバタワースフィルタを適用)によって、方向Aと方向Bのそれぞれで体動除去を行い、血流像の表示を行った結果である。図14に示すように、血流情報が全く表示されていないことが確認出来る。次に図15は、従来法から容易に類推できる方法として、方向毎(ここでは、方向Aと方向B)に特異値分解を行った結果である。この結果では、円環状の血流がそれぞれ描出されているが、体動の影響も大きく、円が大きくにじんで画像化されていることが分かる。
図16は、本実施形態における体動除去の手法によって血流像の表示を行った結果を示すものである。図16から、本実施形態の体動除去の手法によれば、体動によるにじみもなく、血流信号のみが抽出出来ていることが確認できる。なお、図15でも、あらかじめ血流の空間分布形状が分かっていれば、血流と体動によるにじみを識別することが出来るが、臨床現場においては、血流の空間分布は既知ではないので、にじみと真の情報を区別することは困難である。従って、図16に示した方法が優れる。
以上の説明において、3の体動除去方法では、画素を構成する一点もしくは、空間を区画分けした1区画ごとに着目して速度ベクトルを算出する方法である。一方、4の体動除去の方法は、互いに向きが異なる点応答関数を用いた撮像した二枚の画像を纏めて行列を構成し、体動除去処理を行うことで、二方向成分の空間分布に着目して処理を行う方法である。図17を参照してそれぞれの方法について詳細に説明する。
図17(A)は3の体動除去の方法に対応する。送受信開口の中心(開口の両端の素子の各座標xyの平均値でも良いし、重心などでも良い)点と着目点を結んだ線分が、該当する計測におけるベクトル成分となる。送信もしくは受信もしくはその両方において、着目点に集束するように開口を構成する。画像は複数の着目点で構成されるので、この着目点が空間上に分布するように、いわゆる焦点走査を行うことで断層像を構成する。
一方、図17(B)は、4の体動除去の方法に対応する。送信開口を絞ることにより、送信では焦点を形成しない。このようにすると受信において、複数の受信焦点に対応した並列処理と組合せることで、一度に複数の観測点に関して撮像を行うことが可能である。送信開口をリング上の二カ所異なる位置に設定することで、点応答関数の向きが異なる二枚の撮像を行うことが出来る。(このケースでは、個々の着目点と開口中心点を結んだ線分の傾きは、厳密には一定ではない。その結果、図の点応答関数の回転角度も厳密には異なるが、ここでは概略一定として示した略図で説明を行う。)このように二枚(もしくはそれ以上)の撮像を行い、合成し、Casorati行列の共分散行列を計算、特異値分解を行うことで体動除去を行う。
なお、送信においては開口を狭めることで集束を緩め、受信においては開口を広げることで個々の受信フォーカス点への集束を強めるというように、送信と受信で操作が非対称であることが好ましい理由は、以下の通りである。超音波の送信に関しては、一度送信されてしまうとエコーデータの取得後後に送信条件を変更することが困難であり、一度の送信で撮像域全体にエネルギーを届けるためには、開口を狭くする必要がある。受信に関しては、受信素子番号の情報が残った状態でエコーデータが保持されていれば、同時に複数の異なる受信焦点に関するデータ処理が可能である。このような送信と受信の特徴の違いによって操作の非対称さが生じる。
図17(B)の方法においては、複数回の異なる送信開口条件で取得した、エコー信号の合成もしくは撮像データの合成により、空間解像度もしくはコントラスト解像度の高い、撮像を行うことも好ましい。その場合、一つの撮像に用いた少なくとも1つ以上の複数の開口を構成する素子の和集合を領域と呼ぶ。前記の方向Aおよび方向Bのデータ取得においては、互いの領域が一致しないように開口の和集合を設定する。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
既述の実施形態においては、素子が送信する超音波はパルスドップラーであり、各素子は送信素子と受信素子との両方の機能を備えるものとして説明したがこれに限定されない。たとえば、素子が送信する超音波は連続波ドップラーであってもよい。この場合、送信素子と受信素子とは別素子で構成されることが望ましい。
また例えば、超音波診断システム10は、撮像視内を、血流の流量の測定を行うパケット(全開口で送受信)と流速の測定を行うパケット(開口制限で送受信)とを交互に行ってスキャンするものとしても良い。
10 超音波診断システム
110 スイッチ
120 送受信回路
130 演算回路
140 画像表示装置
R リングアレイ
T 被検体
SP 挿入部
e1〜1024 素子
P01〜04 凹面型振動子

Claims (13)

  1. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記被検体内の診断対象に対して、第1の角度で超音波を送信し、前記複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から第2の角度で反射される前記超音波の反射波を受信し、前記複数の素子のうち第3の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第2の角度とは異なる第3の角度で反射される前記超音波の反射波を受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と前記第3の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、
    を備える超音波診断システム。
  2. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記被検体内の診断対象に対して、第1の角度で第1の超音波を送信し、前記複数の素子のうち前記第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第1の角度で反射される前記第1の超音波の反射波を受信し、前記複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象に対して、第2の角度で第2の超音波を送信し、前記複数の素子のうち前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第2の角度で反射される前記第2の超音波の反射波を受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記第1の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、
    を備える超音波診断システム。
  3. 前記演算部は、さらに、
    前記診断対象中を流れる流体の速度を計測する、速度ベクトルを計測するモードと、流量を計測するモードとを有し、
    前記速度ベクトルを計測するモードにおける前記超音波の送信を行う素子が分布する第1の範囲と、前記超音波の受信を行う素子が分布する第2の範囲と、前記流量を計測するモードにおける前記超音波の送信を行う素子が分布する第3の範囲と、前記超音波の受信を行う素子が分布する第4の範囲とにおいて、前記第1の範囲が前記第3の範囲より狭い、または前記第2の範囲が前記第4の範囲より狭い、請求項1または2に記載の超音波診断システム。
  4. 前記演算部は、
    前記速度ベクトルの計測を行うモードにおいて、前記速度ベクトルにおける速度成分ごとに異なるカットオフ値を設定する体動除去フィルタを備えることを特徴とする、請求項3に記載の超音波診断システム。
  5. 前記演算部は、
    前記反射波の受信時において受信フォーカス毎に、独立した時間軸を設定し、異なる時相に取得された信号間の相互相関の演算において、相互相関の計算軸に前記独立した時間軸を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の超音波診断システム。
  6. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子のうち少なくとも第1の領域に配置された素子によって、前記被検体内の診断対象から反射される第1の超音波の反射波を受信し、前記複数の素子のうち少なくとも第2の領域に配置された素子によって、前記診断対象から反射される第2の超音波の反射波を受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記第1の領域に配置された素子が受信した前記第1の超音波の反射波から第1の画像の撮像を行い、前記第2の領域に配置された素子が受信した前記第2の超音波の反射波から第2の画像の撮像を行い、前記第1の画像と前記第2の画像のそれぞれについて、画像を並べ替えて構成されるベクトルを時間方向に並べた2つの行列の算出を行い、前記2つの行列を時間方向と直交する方向に並べた第3の行列の算出を行い、前記第3の行列から、前記診断対象の血流情報を抽出する、演算部とを備える超音波診断システム。
  7. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子のうち少なくとも第1の領域に配置された素子によって、前記被検体内の診断対象に第1の超音波を送信し、前記複数の素子のうち少なくとも第2の領域に配置された素子によって、前記診断対象に第2の超音波を送信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記第1の領域に配置された素子が送信した前記第1の超音波の反射波から第1の画像の撮像を行い、前記第2の領域に配置された素子が送信した前記第2の超音波の反射波から第2の画像の撮像を行い、前記第1の画像と前記第2の画像のそれぞれについて、画像を並べ替えて構成されるベクトルを時間方向に並べた2つの行列の算出を行い、前記2つの行列を時間方向と直交する方向に並べた第3の行列の算出を行い、前記第3の行列から、前記診断対象の血流情報を抽出する、演算部とを備える超音波診断システム。
  8. 前記演算部は、
    前記第3の行列から体動と血流に分離を行い、体動を除去するフィルタを備えたことを特徴とする、請求項6又は7に記載の超音波診断システム。
  9. 前記体動を除去するフィルタは、特異値分解もしくは固有値分解であることを特徴とする、請求項8に記載の超音波診断システム。
  10. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子を備える超音波診断システムの作動方法であって、
    前記複数の素子のうち第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記被検体内の診断対象に対して、第1の角度で超音波を送信し、前記複数の素子のうち第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から第2の角度で反射される前記超音波の反射波を受信し、前記複数の素子のうち第3の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第2の角度とは異なる第3の角度で反射される前記超音波の反射波を受信するように、前記複数の素子を制御するステップと、
    前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と前記第3の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算するステップと、
    を備える超音波診断システムの作動方法。
  11. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子を備える超音波診断システムの作動方法であって、
    前記複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記被検体内の診断対象に対して、第1の角度で第1の超音波を送信し、前記複数の素子のうち前記第1の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第1の角度で反射される前記第1の超音波の反射波を受信し、前記複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象に対して、第2の角度で第2の超音波を送信し、前記複数の素子のうち前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部によって、前記診断対象から前記第2の角度で反射される前記第2の超音波の反射波を受信するように、前記複数の素子を制御するステップと、
    前記第1の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波と前記第2の領域に配置された素子の少なくとも一部が受信した反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算するステップと、
    を備える超音波診断システムの作動方法。
  12. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子の一部を構成する素子から被検体内の診断対象に対して超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記超音波の反射波を、前記診断対象からの反射角度が互いに異なる領域に配置された2つ以上の開口によって受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記2つ以上の開口を構成する素子群がそれぞれ受信した反射波に基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、
    を備える超音波診断システム。
  13. 被検体の周囲に配置され、超音波の送信又は受信の少なくともいずれかを行う複数の素子と、
    前記複数の素子のうち、第1の領域に配置された素子から被検体内の診断対象に対して第1の超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記第1の超音波の反射波を、前記第1の領域に配置された素子で受信し、
    前記複数の素子のうち、第2の領域に配置された素子から前記診断対象に対して第2の超音波を送信し、前記診断対象から反射される前記第2の超音波の反射波を、前記第2の領域に配置された素子で受信するように、前記複数の素子を制御する制御部と、
    前記第1の超音波の反射波と前記第2の超音波の反射波とに基づいて、前記診断対象の速度ベクトルを演算する演算部と、
    を備える超音波診断システム。
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