JP6535288B2 - 流体解析装置、流体解析装置の動作方法及び流体解析プログラム - Google Patents

流体解析装置、流体解析装置の動作方法及び流体解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、粒子法を用いて流体解析を行う技術に関する。
流体シミュレーションの手法として従来から利用されてきた手法として代表的なものに、有限要素法、有限差分法、有限体積法、境界要素法などがある。これらの手法は、メッシュ(計算格子)で解析領域を区切り、メッシュの節点に物理量を格納する。
メッシュを用いる手法の問題点としては、適切な解析結果を得るための最適なメッシュを生成する作業に時間がかかること、大変形を伴う解析ではメッシュが潰れ、計算が不可能となること等が挙げられる。
この問題を解決する手法の一つとして「粒子法」という手法がある(例えば、特許文献1)。粒子法は、メッシュの代わりに連続体の運動を有限の数の粒子の運動として離散化する比較的新しい技術である。流体領域内に配置された粒子は、粒子同士の位置関係は固定されないため、大変形を扱う問題に適している。そのため、粒子法は、自由表面の追跡が課題となる流体解析や、大変形を伴う超弾性体解析、破断の起きる構造体の解析等に用いられる。
なお、粒子法は、圧縮性流体を扱うSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法と、非圧縮性流体を扱うMPS(Moving Particle Semi-implicit)法に大別されるが、オイルや水のような非圧縮性流体を扱う流体解析の場合はMPS法を選択することが好ましい。
特開2009−252099号公報
粒子法を用いて変速機の潤滑配分量を定量評価したり変速機内の潤滑油の流れを可視化したりするに際し、構造体(解析モデル)に、解析で必要とされる数の粒子が通過できない隙間があると精度の高い解析ができない。
粒子径を小さくすれば精度の高い解析が可能になるが、粒子径を小さくするほど粒子数が増えるため計算時間が延び(∵計算時間は粒子径の3乗に反比例する。)、計算負荷が高くなってしまう問題がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、粒子径を所定値以上として計算負荷を抑えつつ、精度の高い解析を実現することを目的とする。
本発明のある態様によれば、構造物の解析モデルが、並列に設けられる複数の第1隙間に解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない隙間が含まれる場合には、複数の第1隙間を統合し、一つ以上の第2隙間を有する修正解析モデルに解析モデルを修正する。この際、モデル修正前後の隙間の総断面積が等しくなるようにする。
より具体的には、構造物内の流体の流れを粒子法によって解析する流体解析装置であって、粒子の径を所定値以上に設定する設定部と、前記構造物の解析モデルが、並列に設けられる複数の第1隙間を有し、かつ、少なくとも一つの第1隙間が解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない場合に、前記複数の第1隙間を統合して一つ以上の第2隙間を有する修正解析モデルに前記解析モデルを修正する解析モデル修正部と、前記修正解析モデルを用いて粒子法によって前記構造物内の流体の流れを解析する解析部と、を有し、前記解析モデル修正部は、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が前記複数の第1隙間の総断面積に等しくなるよう前記解析モデルを修正する、流体解析装置が提供される。
また、これに対応する流体解析装置の動作方法及び流体解析プログラムが提供される。
これらの態様によれば、粒子径を所定値以上に設定することで計算負荷を抑えつつ、モデル修正前後の隙間の総断面積を同一としたことで、解析によって得られる修正後の隙間を流れる流量と実際の隙間を流れる実流量とのずれが抑えられ、高い解析精度を実現することができる。
本発明の実施形態に係る流体解析装置の概略構成図である。 モデル修正部の処理内容を示したフローチャートである。 微小隙間の概念図である。 並列の隙間の概念図である。 並列の隙間の概念図である。 第1のモデル修正処理による修正例を説明するための図である。 第1のモデル修正処理による修正例を説明するための図である。 第1のモデル修正処理による別の修正例を説明するための図である。 第1のモデル修正処理による別の修正例を説明するための図である。 第1のモデル修正処理によるさらに別の修正例を説明するための図である。 第1のモデル修正処理によるさらに別の修正例を説明するための図である。 第2のモデル修正処理による修正例を説明するための図である。 第2のモデル修正処理による修正例を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る流体解析装置の概略構成を示している。
<流体解析装置の構成>
流体解析装置10は、構造物内の流体の流れを粒子法により解析するコンピュータであり、CPU10a、RAM10b、ROM10c、これらを接続するバス、入出力インターフェース10d等で構成される。なお、本実施形態では、解析対象の構造物が変速機であり、構造物内の流体が変速機の潤滑油であるとして説明をするが、解析対象の構造物は変速機に限定されない。
入出力インターフェースには、入力装置20、記憶装置30及び表示装置40が接続される。入力装置20は、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成される。記憶装置30は、HDD、SSD、光学ドライブ等で構成され、解析対象である変速機のCADデータが格納されている。表示装置40は液晶ディスプレイやプロジェクタ等である。
流体解析装置10は、設定部11、解析モデル生成部12、解析モデル修正部13、解析部14及び出力部15を備え、各部位の機能はRAM10bに読み込まれたプログラムをCPU10aが実行することによって実現される。
各部位について説明すると、設定部11は、解析条件を設定する部位で、粒子の粒子径(直径)D、潤滑油の物理物性(密度、動粘度)、変速機内の回転体(シャフト、ギヤ、クラッチディスク等)の回転速度等を、入力装置20への入力結果に基づき設定する。粒子径Dは、小さいほど解析精度が向上するが、小さいほど粒子数が増えて解析時間が長くなることに鑑み、例えば、目標とする時間内に解析が終了しうる最小径が設定される。
解析モデル生成部12は、記憶装置30から変速機のCADデータを読み込み、解析に用いる解析モデルを生成する。解析モデルは、例えば、変速機の潤滑油は粒子で作成し、シャフト、ギヤ、クラッチディスク等の回転体はポリゴンで作成し、変速機ケース、オイルパン等の非回転体はポリゴン要素を用いて壁境界として作成する。
解析モデル修正部13は、解析で必要とされる数の粒子が通過できない隙間、回転体に設けられる隙間、ベアリング等が解析モデルに含まれていると解析精度が低下することに鑑み、解析モデル生成部12で生成された解析モデルを修正し、修正解析モデルを生成する。解析モデルの修正は図2に示すフローチャートに従って行われ、これについては後で説明する。
解析部14は、解析モデル修正部13によって生成された修正解析モデルを用い、粒子法により変速機内を流れる潤滑油の流れを解析する。粒子法には種々の種類があるが、本実施形態では潤滑油が非圧縮性流体であることに鑑み、ここではMPS(Moving Particle Semi-implicit)法を用いる。MPS法は、粒子間相互作用モデルを用い、粒子間に成立する運動方程式を解くことで流体の流れを解析する解析方法であり、実際の解析には市販の流体解析プログラムを用いることができる。
出力部15は、解析部14での解析結果に基づき、変速機の各部位に分配される潤滑油量を数値化、グラフ化したり、変速機内の隙間を流れる潤滑油の流れをコンピュータグラフィクスやアニメーションを用いて可視化したりする処理を行う。そして、出力部15は、処理の結果得られた各種数値、画像を表示装置40へと出力し、表示装置40に表示させる。
<解析モデルの修正処理>
続いて、解析モデル修正部13における解析モデルの修正処理について説明する。
図2は、解析モデル修正部13における解析モデルの修正処理のフローチャートであり、各ステップの実行主体はCPU10aである。
これによると、ステップS1では、設定部11で設定された初期条件(粒子径、潤滑油の物理特性)が読み込まれる。
ステップS2では、解析モデル生成部12で生成された解析モデルが読み込まれる。
ステップS3では、解析モデルに含まれる微小隙間が探索される。微小隙間とは、解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない隙間であり、具体的には、潤滑油の流れ方向に直交する断面を考えた場合に、図3に示すように、断面の最小幅dが粒子径D(粒子の直径、以下同じ)の所定数m倍よりも小さい隙間である。所定数mは、使用する解析モデルに応じて適宜選択され、MPS法を用いる本実施形態では、例えば3に設定される。
ステップS4では、ステップS3の探索の結果、微小隙間が新たに発見されたか判断される。新たな微小隙間が発見されたと判断された場合は、処理がステップS5に進み、第1のモデル修正処理が行われる。
第1のモデル修正処理は、新たに発見された微小隙間を当該微小隙間と並列に設けられている隙間(微小隙間含む)と統合し、一つの隙間に置換する処理である。二つの隙間が「並列」とは、図4Aに示すように、一方の隙間41が二つの空間42、43を接続している場合に、他方の隙間44も同じ二つの空間42、43を接続していることを意味する。「並列」な二つの隙間は平行である必要はなく、図4Bに示すように環状部材の内外の空間45、46を接続する放射状に延びる隙間47、48であってもよい。
置換にあたっては、後の解析によって求まる置換後の隙間を流れる潤滑油の流量が、並列に設けられる置換前の隙間を流れる潤滑油の実際の流量からずれるのを避けるために、置換後の隙間の断面積が並列に設けられる置換前の隙間の総断面積に等しくなるように設定される。
また、回転体の表面又は内部に微小隙間が回転体の中心から外側に延びるように形成されており、かつ、回転体の遠心方向に対して傾斜している場合は、微小隙間が遠心方向に延びている場合と比較して潤滑油の実際の流量が少なくなる。これに鑑み、上記置換にあたっては、このような傾斜した微小隙間については1未満の係数、具体的には、遠心方向に対する傾斜角をθとするとcosθを掛けて得られる値の断面積を有する隙間として置換前の総断面積を計算する。
第1のモデル修正処理が終了したら、処理がステップS3に戻り、新たな微小隙間が発見されなくなるまでステップS3〜S5が繰り返し実行される。
この繰り返し処理により、ステップS5の処理による置換後の隙間が依然として微小隙間に該当する場合であっても、繰り返し処理によって置換後の隙間が新たな微小隙間として発見され、さらに別の隙間と統合されるので、最終的には全ての微小隙間が、微小隙間同士の統合、あるいは、微小隙間でない隙間との統合によって、断面の最小幅が粒子径Dの所定数m倍以上の1以上の隙間に置換される。
図5A、図5Bは第1のモデル修正処理による修正例を示している。
解析モデルは、円筒部材51(例えば、遊星歯車機構のサンギヤ)の内側に軸部材52をスプライン嵌合させたものをモデル化したものであり、円筒部材51と軸部材52との間に軸方向に延びる隙間53(潤滑油の流路)が複数形成されている。図5Aに示される修正前の解析モデルでは、各隙間53の周方向の幅は粒子径Dの所定数m倍以上あるが、径方向の幅d(断面の最小幅)は粒子径Dの所定数m倍よりも小さいので、解析を行うにはモデルの修正が必要である。
これに第1のモデル修正処理を施したものが図5Bに示される修正解析モデルである。修正解析モデルでは、複数の隙間53が統合されて、径方向の幅d’が粒子径Dの所定数m倍以上の複数の隙間54に置換されている。
このように修正された解析モデルを用いて解析を行えば、隙間54内に粒子法で解析を行うために必要な数の粒子を配置することができるので、潤滑油の流れを高い精度で解析することができる(請求項2に対応する効果)。
また、置換は隙間の総断面積が置換前後で同一となるように行われるので、解析によって得られる置換後の隙間54を流れる流量が置換前の隙間53を流れる実際の流量からずれるのが抑えられ、これによっても高い精度の解析を実現することができる(請求項1、6、7に対応する効果)。
図6A、図6Bは、第1のモデル修正処理による別の修正例を示している。
解析モデルは、多板式クラッチのクラッチディスク61であり、図6A、図6Bはモデル修正前後のクラッチディスク61の断面を示している。
クラッチディスク61は、円盤状部材62の両側表面に摩擦材63が貼りつけて構成され、クラッチを締結する際には、円盤状部材62が前後方向に変位し、摩擦材63が対向する部材64、65に押し付けられる。クラッチが締結された状態では、摩擦材63の厚さに等しい幅d(断面の最小幅)を有する隙間66が円盤状部材62の両側にそれぞれ形成され、当該隙間66に図6A中に矢印で示すように潤滑油が流れ、クラッチディスク61の冷却が行われる。
図6Aに示される修正前の解析モデルでは、各隙間の幅dは粒子径Dの所定数m倍よりも小さいため、解析を行うにはモデルの修正が必要である。
これに第1のモデル修正処理を施したものが図6Bである。
修正後解析モデルでは、円盤状部材62の両側表面に貼りつけられた摩擦材63が一方の側に統合されて単一の摩擦材67に置換され、置換後の隙間68の幅d’は粒子径Dの所定数m倍以上になっている。また、摩擦材67の厚さは二つの摩擦材63の厚さの合計と同一であるので、隙間66、68の総断面積もモデル修正前後で同一である。
このような修正解析モデルを用いて解析を行えば、隙間68内に粒子法で解析を行うために必要な数の粒子を配置することができるので、潤滑油の流れを高い精度で解析することができる(請求項2に対応する効果)。
また、モデル修正前後の隙間の総断面積は同一であるので、解析によって得られる置換後の隙間68を流れる流量が置換前の隙間66を流れる実際の流量からずれるのを抑えることができる(請求項1、6、7に対応する効果)。
図7A、図7Bは、第1のモデル修正処理によるさらに別の修正例を示している。
解析モデルは、図7A、図7Bと同じく、多板式クラッチのクラッチディスク61であり、この例では摩擦材63の表面に形成される溝71をモデル化している。溝71は潤滑油を流すための溝である。溝71の深さ(断面の最小幅)は粒子径Dの所定数m倍よりも小さいため、解析を行うには解析モデルの修正が必要である。
さらに、摩擦材63は円盤状部材62とともに回転する回転体であり、かつ、摩擦材63の表面に形成される溝71の多くは図7Aに示すように摩擦材63の遠心方向に対して傾斜している。このため、上記置換を行うにあたっては、各溝71の断面積に1未満の係数、具体的には、遠心方向に対する傾斜角をθとするとcosθを掛けた値の断面積を有する隙間として置換前の総断面積を計算する。
図7Bは置換後のモデルを示しており、摩擦材63の表面に形成される溝71は摩擦材63の間に配置されるより幅広の溝72と統合されて、溝72よりも幅広の溝73に置換されている。
なお、解析にあたっては、溝73の中にも摩擦材63の遠心方向に対して傾斜しているものが含まれているので、これらについては遠心方向に対する傾斜角θに応じた流量の補正ないしモデルの修正がさらに行われる。
このような修正解析モデルを用いて解析を行うことにより、溝73内に粒子法で解析を行うために必要な数の粒子を配置することができる(請求項2に対応する効果)。
また、遠心方向に対して隙間が傾斜していることで溝71を流れる潤滑油の流量が少なくなることを解析結果に反映させることができ、潤滑油の流れを高い精度で解析することができる(請求項3に対応する効果)。
図2に戻り、解析モデルの修正処理について説明を続けると、ステップS4で新たな微小隙間が発見されなかったと判断された場合は、処理がステップS6に進み、解析モデルに含まれるベアリングが探索される。ベアリングには、ローラベアリング、ボールベアリング等、相対回転する二部材間の摩擦を低減するベアリングが含まれる。
ステップS7では、ステップS6での探索の結果、ベアリングが新たに発見されたか判断され、新たなベアリングが発見されたと判断された場合は、処理がステップS8に進み、第2のモデル修正処理が行われる。
第2のモデル修正処理は、ベアリングは、使用状態では、転動状態にあるローラ等に潤滑油が衝突して飛散し、ベアリングを通過する潤滑油の流量が停止状態のベアリングと比較して少なくなることに鑑み、この特性を解析結果に反映させるための処理である。
また、第2のモデル修正処理は、ベアリングの複数の隙間には断面の最小幅が粒子径Dの所定数m倍よりも小さくなる部位が含まれるため、これを断面の最小幅が粒子径Dの所定数m倍以上の隙間に置換する処理でもある。
具体的には、ベアリングの複数の隙間が、円筒部材に軸方向に延びるように、かつ、周方向には等間隔に配置されるように形成された複数の隙間に置換される。この際、置換後の複数の隙間の総断面積がベアリングの複数の隙間の総断面積に1未満の係数を掛けた値に等しくなるように置換が行われる。係数は予め実験等で求められる。
さらに、潤滑油はベアリングの様々な位置を流れるので、置換後の隙間の数が多いほど解析精度が高くなる。その一方で、隙間の数を多くしすぎて隙間の周方向の幅が粒子径Dの所定数m倍よりも小さくなってしまうと、逆に解析精度を低下させる原因となる。このため、置換後の隙間の数は、隙間の周方向の幅d’が粒子径Dの所定数m倍よりも大きくなる範囲で最も多くなるように設定される。
第2のモデル修正処理が終了したら、処理がステップS6に戻り、新たなベアリングが発見されなくなるまでステップS6〜S8が繰り返し実行される。
図8A、図8Bは、第2のモデル修正処理による修正例を示している。
解析モデルは、ギヤ81、軸部材82及びこれらの間に介装されたベアリング83をモデル化したものである。図8Aは修正前の解析モデルを示している。ベアリング83は、複数のローラ8と図示しないリテーナとで構成され、ローラ84が配置されていない位置に複数の隙間85を有する。また、隙間85には断面の最小幅が粒子径Dの所定数m倍よりも小さくなる部位が含まれている。
第2のモデル修正処理によれば、ベアリング83は、図8Bに示すような軸方向に延びる複数の隙間86を周方向に等間隔に有する円筒部材87に置換される。このとき、置換後の複数の隙間86の総断面積が、ベアリング83の複数の隙間85の総断面積に1未満の係数を掛けた値に等しくなるように置換が行われる。
このような修正解析モデルを用いて解析をすることにより、使用状態にあるベアリングを通過する潤滑油の流量が少なくなる現象を解析結果に反映させることができ、潤滑油の流れを高い精度で解析することができる(請求項4に対応する効果)。
また、置換後の隙間86の周方向の幅d’を粒子径Dの所定数m倍よりも大きく設定したので、置換後の隙間86内に解析に必要な数の粒子を配置することができ、これによっても解析精度を向上させることができる(請求項2に対応する効果)。
また、置換後の隙間86の数は、隙間86の周方向の幅d’が粒子径Dの所定数m倍よりも大きくなる範囲で最も多くなるようにしたことで、より実際の流れに近い状態を解析時に再現することができ、これによっても解析精度を向上させることができる(請求項5に対応する効果)。
ステップS7で新たなベアリングが発見されなかったと判断された場合は、処理がステップS9に進み、修正解析モデルが解析部14に出力される。
解析部14は、修正解析モデルを解析モデル修正部13から受け取ると、修正解析モデルを用い、粒子法によって変速機内の潤滑油の流れを解析する。
したがって、本実施形態に係る流体解析装置100によれば、粒子径Dを所定値以上に設定したことで計算負荷を抑えつつ、モデル修正前後の隙間の総断面積を同一としたことで解析の結果得られる修正後の隙間を流れる流量と実際の隙間を流れる実流量とのずれを抑え、高い解析精度を実現することが可能である(請求項1、6、7に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態は、解析モデル修正部13が解析モデルを自動的に修正するものを想定しているが、入力装置20を用いて解析モデルを手動で修正するものであってもよい。
10 流体解析装置
11 設定部
13 解析モデル修正部
14 解析部
53 隙間(第1隙間)
54 隙間(第2隙間)
66 隙間(第1隙間)
68 隙間(第2隙間)
71 溝(第1隙間)
72 溝(第2隙間)
85 隙間(第1隙間)
86 隙間(第2隙間)

Claims (7)

  1. 構造物内の流体の流れを粒子法によって解析する流体解析装置であって、
    粒子の径を所定値以上に設定する設定部と、
    前記構造物の解析モデルが、並列に設けられる複数の第1隙間を有し、かつ、少なくとも一つの第1隙間が解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない場合に、前記複数の第1隙間を統合して一つ以上の第2隙間を有する修正解析モデルに前記解析モデルを修正する解析モデル修正部と、
    前記修正解析モデルを用いて粒子法によって前記構造物内の流体の流れを解析する解析部と、
    を有し、
    前記解析モデル修正部は、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が前記複数の第1隙間の総断面積に等しくなるよう前記解析モデルを修正する、
    ことを特徴とする流体解析装置。
  2. 請求項1に記載の流体解析装置であって、
    前記一つ以上の第2隙間は、いずれも断面の最小幅が前記粒子の径の所定数倍よりも大きい、
    ことを特徴とする流体解析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の流体解析装置であって、
    前記解析モデル修正部は、前記複数の第1隙間のいずれかが回転体の内側から外側に向けて延びかつ前記回転体の遠心方向に対して傾斜している場合は、当該隙間を当該隙間の断面積に1未満の係数を掛けて得られる値の断面積を有する隙間として前記解析モデルの修正を行う、
    ことを特徴とする流体解析装置。
  4. 請求項1又は2に記載の流体解析装置であって、
    前記複数の第1隙間はベアリングの複数の隙間であり、
    前記解析モデル修正部は、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が、前記複数の第1隙間の断面積の総和に1以下の係数を乗じた値に等しくなるよう前記解析モデルを修正する、
    ことを特徴とする流体解析装置。
  5. 請求項4に記載の流体解析装置であって、
    前記解析モデル修正部は、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が、前記複数の第1隙間の断面積の総和に1以下の係数を乗じた値に等しくなるよう、かつ、前記一つ以上の第2隙間の各々の断面の最小幅が前記粒子の径の所定数倍よりも大きくなる範囲で前記一つ以上の第2隙間の数が最も多くなるように前記解析モデルを修正する、
    ことを特徴とする流体解析装置。
  6. 構造物内の流体の流れを解析する流体解析装置の動作方法であって、
    粒子の径を所定値以上に設定し、
    前記構造物の解析モデルが、並列に設けられる複数の第1隙間を有し、かつ、少なくとも一つの第1隙間が解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない場合に、前記複数の第1隙間を統合して一つ以上の第2隙間を有する修正解析モデルに前記解析モデルを修正し、
    前記修正解析モデルを用いて粒子法によって前記構造物内の流体の流れを解析し、
    前記解析モデルの修正では、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が前記複数の第1隙間の総断面積に等しくなるよう前記解析モデルを修正する、
    ことを特徴とする流体解析装置の動作方法。
  7. コンピュータに、
    粒子の径を所定値以上に設定する設定手順と、
    構造物の解析モデルが、並列に設けられる複数の第1隙間を有し、かつ、少なくとも一つの第1隙間が解析で必要とされる数の粒子を通過させることができない場合に、前記複数の第1隙間を統合して一つ以上の第2隙間を有する修正解析モデルに前記解析モデルを修正する解析モデル修正手順と、
    前記修正解析モデルを用いて粒子法によって前記構造物内の流体の流れを解析する解析手順と、
    を実行させる流体解析プログラムであって、
    前記解析モデル修正手順では、前記一つ以上の第2隙間の総断面積が前記複数の第1隙間の総断面積に等しくなるよう前記解析モデルを修正する、
    ことを特徴とする流体解析プログラム。
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