JP6534310B2 - ポリカーボネートジオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネートジオールの製造方法に関する。
ポリカーボネートジオールは、ポリウレタン等の原料として使用されている。この際、ウレタン化反応を安定させることが望まれている。例えば、特許文献1には、ポリカーボネートジオールに水を添加し加熱することでウレタン化反応性を低減させることが提案されている。また、特許文献2には、失活処理を施していないエステル交換触媒を含有するポリカーボネートジオールに、亜リン酸トリエステルを添加し加熱処理することで、ウレタン化反応性の安定したウレタン化触媒含有ポリカーボネート組成物を得る製造方法が開示されている。さらに、特許文献3には、脂肪族ポリカーボネートジオールにリン酸モノエステルを添加し加熱処理することで、ウレタン化反応に対するエステル交換触媒の影響を効率よく低減できることが提案されている。
また、ポリウレタン等の原料としてポリカーボネートジオールを用いる際、原料のポリカーボネートジオールが着色していると、このポリカーボネートジオールから製造されるポリウレタン等も着色したものとなり、使用用途が制限される。このため、ポリカーボネートジオールの色度が良好であることが望まれている。特許文献4には、リン酸及び/又は亜リン酸存在下で、エステル交換触媒によりエステル交換反応することで、着色が少なく、また熱安定性に優れたポリカーボネートジオールの製造方法が提案されている。
特公平6−53794号公報 特開2002−30143号公報 特開2006−298986号公報 特開2014−201738号公報
ポリカーボネートジオールは、常温では固体又は粘性の液体である場合が多い。そのため、取り扱い性を良くするために高温で貯蔵されることがある。この場合、製造直後におけるポリカーボネートジオールの色度が良好であったとしても、高温で貯蔵すると経時的にポリカーボネートジオールが着色するという問題があった。そして、上記特許文献1〜4に記載の製造方法によっても、高温貯蔵時の着色防止には、なお改善の余地を有していた。
そこで、本発明は、高温貯蔵時にも着色しにくい、ポリカーボネートジオールを得ることができる、ポリカーボネートジオールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来技術の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、エステル交換触媒の存在下で得られたポリカーボネートジオールと、所定範囲量の水酸基含有リン化合物及び水と、を加熱処理する加熱処理工程を有する、ポリカーボネートジオールの製造方法を用いることにより、高温貯蔵時に着色しにくいポリカーボネートジオールが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1]
カーボネート化合物とジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオールと、
前記エステル交換触媒に対する、モル比が0.5以上8.0以下である水酸基含有リン化合物と、モル比が10以上3000以下である水と、
を加熱処理する工程を有する、ポリカーボネートジオールの製造方法。
[2]
前記加熱処理工程の後において、前記ポリカーボネートジオール中の水分量が、20ppm以上2000ppm以下である、[1]に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
[3]
前記加熱処理工程において、加熱処理の温度が、50℃以上200℃以下である、[1]又は[2]に記載のポリカーボネートジオールの製造方法。
[4]
カーボネート化合物とジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオールと、
前記エステル交換触媒に対する、モル比が0.5以上8.0以下である水酸基含有リン化合物と、モル比が10以上3000以下である水と、
を加熱処理する工程を有する、ポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法。
本発明に係るポリカーボネートジオールの製造方法によれば、高温貯蔵時にも着色しにくい、ポリカーボネートジオールを得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリカーボネートジオールの製造方法〕
本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法は、カーボネート化合物とジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオールと、当該エステル交換触媒に対する、モル比が0.5以上8.0以下である水酸基含有リン化合物と、モル比が10以上3000以下である水と、を加熱処理する、加熱処理工程を有する。本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法によれば、高温貯蔵時にも着色しにくい、ポリカーボネートジオールを得ることができる。また、本実施形態のポリカーボネートジオールの製造方法によれば、上記加熱処理前のポリカーボネートジオールの色度と比較して、得られるポリカーボネートジオールの色度が回復する場合がある。
〔ポリカーボネートジオール〕
本実施形態のポリカーボネートジオールは、下記式(A)で表される繰り返し単位と、当該ポリカーボネートジオールの両末端にヒドロキシル基とを有する。
Figure 0006534310
(式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
式(A)中、Rは、炭素数2〜15の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表し、全繰り返しの単位においてこれらの1種又は2種以上を選択することができる。式(A)中、Rが側鎖を持たない二価の脂肪族炭化水素の場合、得られるポリウレタンの耐薬品性及び機械的強度が高くなる傾向にある。
本実施形態のポリカーボネートジオールの数平均分子量は、その用途により異なるが、好ましくは300以上20000以下、より好ましくは400以上10000以下、さらに好ましくは500以上3000以下である。数平均分子量が300以上であることで、得られる熱可塑性ウレタンの柔軟性、及び低温特性がより良好となる傾向があり、数平均分子量が20000以下であると、得られる熱可塑性ウレタンの成型加工性がより良好となる傾向がある。数平均分子量は、後述する実施例に記載する方法のように、ポリカーボネートジオールの水酸基価から算出することもできる。
〔エステル交換反応〕
本実施形態のエステル交換反応は、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物と、ジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で反応させて、ポリカーボネートジオールを得る。
<カーボネート化合物>
カーボネート化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートが挙げられる。この中では、アルキレンカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートがより好ましい。
<ジオール化合物>
ジオール化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の側鎖を有しないジオール;2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等の側鎖を有するジオール;1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等の環状ジオール;p−キシレンジオール、p−テトラクロロキシレンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔(4−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン等の芳香環を有するジオールが挙げられる。この中では、側鎖を有しないジオールが好ましく、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
本実施形態のポリカーボネートジオールは、1種のジオール化合物から得られるホモポリカーボネートジオールでもよいし、2種以上のジオール化合物から得られる共重合ポリカーボネートジオールでもよい。
<エステル交換触媒>
本実施形態のエステル交換触媒は、エステル交換反応によりポリカーボネートジオールを得るための触媒である。エステル交換触媒は、公知のエステル交換触媒から自由に選択されることができる。エステル交換触媒としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、及びマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属のアルコラート、水素化物、オキシト゛、アミド、炭酸塩、水酸化物、窒素含有ホウ酸塩、及び有機酸の塩基性アルカリ金属塩並びにアルカリ土類金属塩が挙げられる。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属以外の金属を用いたエステル交換触媒としては、例えば、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、インジウム、スズ、アンチモン、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、タリウム、鉛、ビスマス、及びイッテルビウムの金属、塩、アルコキシド、並びに有機化合物が挙げられる。それらから1つ又は複数のエステル交換触媒を選択し、使用することができる。これらの中でも、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛、及びイッテルビウムの金属、塩、アルコキシド、並びに有機化合物から1つ又は複数のエステル交換触媒を用いた場合、ポリカーボネートジオールを得るエステル交換反応が良好に行われ、得られるポリカーボネートジオールを用いた場合にウレタン反応に対する影響も少ないので好ましい。エステル交換触媒として、マグネシウム、チタン、イッテルビウム、スズ、ジルコニウムを用いた場合、さらに好ましい。具体的なエステル交換触媒としては、例えば、鉛の有機化合物である酢酸鉛三水和物、チタンの有機化合物であるチタンテトラ−n−ブトキシドが挙げられる。
エステル交換反応触媒の使用量は、原料の総量(100質量%)に対して、0.00001質量%以上0.1質量%以下であることが好ましく、0.0001質量%以上0.05質量%以下であることがより好ましい。
エステル交換反応に用いたエステル交換触媒は、ポリカーボネートジオールの製造に引き続き加熱処理を行う場合は、エステル交換反応で消費されていないため、エステル交換反応触媒の使用量を元に算出できる。市販のポリカーボネートジオールを用いる場合等においては、ポリカーボネートジオールに含まれるエステル交換反応触媒の金属量を、ICP(発光分光分析法、Inductively Coupled Plasma)により測定して求められる。
〔加熱処理工程〕
本実施形態の加熱処理工程は、上記のエステル交換反応で得られるポリカーボネートジオールと所定範囲量の水酸基含有リン化合物と水とを、加熱処理する工程である。以下、加熱処理工程をエステル交換反応に引き続き行う方法を例として説明する。エステル交換反応で所定の重合度となったポリカーボネートジオールに対して、エステル交換反応で仕込んだエステル交換触媒の量を元に、所定範囲量の水酸基含有リン化合物及び水を反応器に添加し、加熱攪拌する。必要に応じて、エステル交換反応終了時における温度から所定の加熱処理の温度まで冷却後、水酸基含有リン化合物及び水を添加する。
加熱処理工程において、加熱処理の温度は、特に限定されないが、50℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上160℃以下であることがより好ましく、50℃以上140℃以下であることがさらに好ましい。加熱処理温度が50℃以上であれば、加熱処理時間が長くなりすぎず経済的に好ましい傾向にある。加熱温度が200℃以下であれば、熱によるポリカーボネートジオールの分解が抑えられるため好ましい傾向にある。
加熱処理の時間は、加熱処理の温度や加熱処理の方法により異なるが、15分以上8.0時間以下が好ましい。加熱処理の時間が15分以上であることで、反応が十分に進む傾向にある。一方、加熱処理の時間が8.0時間以下であることで、生産性が良好となる傾向にある。
加熱処理工程において、ポリカーボネートジオールが着色する可能性があるため、加熱処理の容器内を窒素等の不活性ガスで置換して処理することが好ましい。本実施形態の処理方法は、特に限定されないが、加熱装置と攪拌機とを備えた反応器で加熱攪拌して加熱処理してもよいし、インラインミキサー又はスタティックミキサーで連続して加熱処理してもよい。
<水酸基含有リン化合物>
本実施形態の水酸基含有リン化合物は、以下のものに限定されないが、例えば、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸、亜ホスフィン酸等のリン酸類;リン酸モノメチル、リン酸モノエチル、リン酸モノブチル、リン酸モノ−2−エチルヘキシル、リン酸モノフェニル等のリン酸モノエステル類;リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸ジフェニル等のリン酸ジエステル類;亜リン酸モノオクチル、亜リン酸モノフェニル等の亜リン酸モノエステル類;亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸ジフェニル等の亜リン酸ジエステル類;ジブチルホスホン酸、ジオクチルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸等のホスホン酸類;ホスホン酸モノブチル等のホスホン酸モノエステル;フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸類が好適に挙げられる。より好ましくは、リン酸類、リン酸モノエステル類、リン酸ジエステル類であり、さらに好ましくは、リン酸、亜リン酸、リン酸モノ−2−エチルヘキシル、リン酸ジ−n−ブチルである。
水酸基含有リン化合物は、エステル交換触媒に対するモル比が、0.5以上8.0以下であり、好ましくは0.8以上6.0以下であり、より好ましくは1.0以上5.0以下である。
<水>
本実施形態の水は、エステル交換触媒に対するモル比が、10以上3000以下であり、好ましくは10以上2000以下であり、より好ましくは10以上1000以下である。
本実施形態に係る効果が十分に表れるようにする観点から、水酸基含有リン化合物のモル比は0.5以上、水のモル比は10以上である。また、加熱処理工程後に得られるポリカーボネートジオールを用いてポリウレタンを製造する際に、ウレタン化反応を阻害したり、促進しすぎたりすることを防止する観点から、水酸基含有リン化合物のモル比は8.0以下、水のモル比は3000以下である。
加熱処理工程においては、複数の水酸基含有リン化合物を任意の割合で混合し、使用してもよい。その場合、エステル交換触媒に対し、添加する全水酸基含有リン化合物のモル比の和が、上記の範囲であればよい。
加熱処理工程後において、ポリカーボネートジオールの水分量は、20ppm以上2000ppm以下であることが好ましく、20ppm以上1800ppm以下であることがより好ましく、20ppm以上1500ppm以下であることがさらに好ましい。水を20ppm以上含むことにより、高温貯蔵時でも着色しにくい傾向にある。また、水を2000ppm以下であれば、ウレタン化反応を阻害したり、促進しすぎたりすることがない傾向にある。水の含有量は、後述する実施例に記載する方法により測定されることができる。なお、ここでの「ppm」は質量基準である。
本実施形態のポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法は、カーボネート化合物とジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオールと、当該エステル交換触媒に対する、モル比が0.5以上8.0以下である水酸基含有リン化合物と、モル比が10以上3000以下である水と、を加熱処理する、加熱処理工程を有する。本実施形態のポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法によれば、高温貯蔵時にも着色しにくい、ポリカーボネートジオールを得ることができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における評価及び物性は、以下の方法により評価及び測定された。
(評価)色度
重合例、実施例及び比較例で得られたポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの色度を、下記装置を用いて測定した波長430nmの光の透過率の値と波長550nmの光の透過率の値とから、以下の式により求めた。なお、測定時には気泡がないことを確認した。さらに、60℃で2ヶ月間保管した後の試料を、再度色度を求めた(貯蔵後の色度)。
装置:JASCO日本分光株式会社製の商品名「V−650」
セル:ガラス製2cm角セル
色度(%)=10[log(A)-log(B)]×100
A:波長430nmの光の透過率の値(%)
B:波長550nmの光の透過率の値(%)
色度が95%未満を×(着色が激しい)、95%以上96%未満を△(わずかに着色)、96%以上を○(色度良好)として評価した。
(物性1)水分量
各実施例及び比較例で得られたポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの水分量を、下記装置を用いて測定した。
装置:KEM京都電子工業株式会社製の商品名「MKC−510N」
陰極液:KEM京都電子工業株式会社製の商品名「ケムアクア陰極液CGE」
陽極液:三菱化学株式会社製の商品名「アクアミクロンAKX」
(物性2)水酸基価
重合例で得られたポリカーボネートジオールを試料として、ポリカーボネートジオールの水酸基価を、次の方法で測定した。メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mLとし、アセチル化試薬を調整した。100mLのナスフラスコに、サンプルを2.5〜5.0g精秤した。アセチル化試薬5mLとトルエン10mLをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1hr撹拌加熱した。蒸留水2.5mLをホールピペットで添加、さらに10min加熱撹拌する。2〜3min冷却後、エタノールを12.5mL添加し、指示薬としてフェノールフタレインを2〜3滴入れた後に、0.5mol/Lエタノール性水酸化カリウムで滴定した。アセチル化試薬5mL、トルエン10mL、蒸留水2.5mLを100mLナスフラスコに入れ、10分間加熱撹拌した後、同様に滴定を行った(空試験)。
上記結果をもとに、下記式(1)で水酸基価を算出した。
水酸基価(mg−KOH/g)={(D−C)×28.05×f}/E (1)
C:サンプルの滴定量(mL)
D:空試験の滴定量(mL)
E:サンプル重量(g)
f:滴定液のファクター
(物性3)数平均分子量
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、下記式(2)を用いて計算する。
数平均分子量=2/(G×10−3/56.11) (2)
G:水酸基価(mg−KOH/g)
[重合例1]
攪拌機の付いた2Lの反応器に、1,6−ヘキサンジオール520g、エチレンカーボネート410gを仕込んだ後、触媒として酢酸鉛三水和物(分子量:379)を0.009g入れ、規則充填物を充填した精留塔に接続した。反応機を210℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度170℃で20hr反応した。その後、反応機を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を190℃に下げた後、圧力を徐々に下げてさらに8.0hr反応を行った結果、常温で白色固体であるポリカーボネートジオールが517g得られた。水酸基価を測定したところ、57.4であった。得られたポリカーボネートジオールを80℃で溶解し、色度を求めたところ、94.2%であった。
[実施例1]
重合例1で得られたポリカーボネートジオールを80℃で溶解し、攪拌機の付いた500mL容器に250g(重合例1で得られた全量の48質量%)仕込んだ。リン酸モノ−2−エチルヘキシル(分子量:210)を0.0024g、水(分子量:18)を0.5000g加え、反応機内を窒素で置換した。185℃のオイルバスに浸漬し、温度175℃で1.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールを80℃で溶解し、色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[実施例2]
重合例1で得られたポリカーボネートジオールを80℃で溶解し、攪拌機の付いた500mL容器に250g(重合例1で得られた全量の48質量%)仕込んだ。リン酸モノ−2−エチルヘキシルを0.0097g、水を0.0125g加え、反応機内を窒素で置換した。170℃のオイルバスに浸漬し、温度155℃で3.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールを80℃で溶解し、色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[重合例2]
重合例1で用いた装置と同様の装置を用い、1,5−ペンタンジオール458gと、1,6−ヘキサンジオール500g、エチレンカーボネート760gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシド(分子量:340)を0.0860g入れた。反応機を190℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度170℃で12hr反応した。その後、反応機を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を200℃に上げた後、圧力を徐々に下げでさらに3.0hr反応を行った結果、常温で液体である共重合ポリカーボネートジオールが910g得られた。水酸基価を測定したところ、56.3であった。得られたポリカーボネートジオールの色度を求めたところ、94.2%であった。
[実施例3]
重合例2で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に200g(重合例2で得られた全量の22質量%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチル(分子量:210)を0.0093g、水を0.0200g加え、反応機内を窒素で置換した。130℃のオイルバスに浸漬し、温度120℃で6.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[実施例4]
重合例2で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に208g(重合例2で得られた全量の質量23%)仕込んだ。リン酸(分子量:98)を0.0115g、水を0.208g加え、反応機内を窒素で置換した。100℃のオイルバスに浸漬し、温度95℃で5.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[実施例5]
重合例2で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に205g(重合例2で得られた全量の質量23%)仕込んだ。亜リン酸(分子量:82)を0.0143g、水を0.1435g加え、反応機内を窒素で置換した。120℃のオイルバスに浸漬し、温度115℃で3.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[実施例6]
重合例2で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に130g(重合例2で得られた全量の質量14%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチルを0.0456g、水を0.1950g加え、反応機内を窒素で置換した。120℃のオイルバスに浸漬し、温度115℃で1.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[実施例7]
重合例2で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に130g(重合例2で得られた全量の質量14%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチルを0.0608g、水を0.0390g加え、反応機内を窒素で置換した。150℃のオイルバスに浸漬し、温度130℃で0.5hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[重合例3]
重合例1で用いた装置と同様の装置を用い、1,5−ペンタンジオール458gと、1,6−ヘキサンジオール500g、エチレンカーボネート760gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.0859g入れた。反応機を190℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度170℃で12hr反応した。その後、反応機を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を200℃に上げた後、圧力を徐々に下げでさらに3hr反応を行った結果、常温で液体である共重合ポリカーボネートジオールが916g得られた。水酸基価を測定したところ、56.1であった。得られたポリカーボネートジオールの色度を求めたところ、94.8%であった。
[比較例1]
重合例3で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に100g(重合例3で得られた全量の質量11%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチルを0.0145g加え、反応機内を窒素で置換した。120℃のオイルバスに浸漬し、温度115℃で3.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[比較例2]
重合例3で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に100g(重合例3で得られた全量の質量11%)仕込んだ。水を0.1000g加え、反応機内を窒素で置換した。110℃のオイルバスに浸漬し、温度100℃で3.0hr加熱処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[重合例4]
重合例3で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた1L容器に545g仕込んだ。1,5−ペンタンジオール54.7gと、1,6−ヘキサンジオール61.9gを仕込んだ後、反応機を180℃のオイルバスに浸漬し、反応温度を165℃で20min解重合を行った結果、657gのポリカーボネートジオールが得られた。
得られたポリカーボネートジオールの色度を求めたところ、94.5%であった。
[比較例3]
重合例4で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に142g(重合例3で得られた全量の質量13%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチルを0.0207g、水を0.0284g加え、反応機内を窒素で置換した。加熱処理せずに(温度25℃で)8.0hr処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[重合例5]
重合例1で用いた装置と同様の装置を用い、1,5−ペンタンジオール458gと、1,6−ヘキサンジオール500g、エチレンカーボネート760gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ−n−ブトキシドを0.0859g入れた。反応機を190℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度165℃で12hr反応した。その後、反応機を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に下げでさらに3.0hr反応を行った結果、常温で液体である共重合ポリカーボネートジオールが915g得られた。水酸基価を測定したところ、56.0であった。得られたポリカーボネートジオールの色度を求めたところ、96.6%であった。
[実施例8]
重合例5で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に200g(重合例5で得られた全量の質量22%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブチルを0.0290g、水を0.0140g加え、反応機内を窒素で置換した。温度115℃で3.0hr処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[比較例4]
重合例5で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に200g(重合例5で得られた全量の質量22%)仕込んだ。リン酸ジ−n−ブトキシドを0.0290g加え、反応機内を窒素で置換した。温度115℃で3.0hr処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
[比較例5]
重合例5で得られたポリカーボネートジオールを攪拌機の付いた500mL容器に200g(重合例5で得られた全量の質量22%)仕込んだ。水を0.0140g加え、反応機内を窒素で置換した。温度115℃で3.0hr処理した。得られたポリカーボネートジオールの色度及び水分量を求めた。求めた色度及び水分量を表1に記載する。
Figure 0006534310
表1中、Pは水酸基含有リン化合物を、Mはエステル交換触媒を表す。
本発明に係るポリカーボネートジオールの製造方法により製造されたポリカーボネートジオールは、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ウレタン弾性繊維等の分野で好適に用いられる。

Claims (3)

  1. カーボネート化合物とジオール化合物とを、エステル交換触媒の存在下で、エステル交換反応させて得られるポリカーボネートジオールと、
    前記エステル交換触媒に対する、モル比が0.5以上8.0以下である水酸基含有リン化合物と、モル比が10以上3000以下である水と、
    を加熱処理する工程を有する、ポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法。
  2. 前記加熱処理工程の後において、前記ポリカーボネートジオール中の水分量が、15ppm、又は20ppm以上2000ppm以下である、請求項1に記載のポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法。
  3. 前記加熱処理工程において、加熱処理の温度が、50℃以上200℃以下である、請求項1又は2に記載のポリカーボネートジオールの高温保管時の着色防止方法。
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