JP6533146B2 - 焼入れ方法および焼入れ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば歯車やボルトやシャフトなど、鋼製のワークの焼入れ方法および焼入れ装置に関する。
例えば、特許文献1には、冷媒として焼入れ油を用いた焼入れ方法が開示されている。焼入れにおいては、臨界区域を速く冷却することにより、不完全焼入れを抑制し、ワークの硬質化、強度向上を図る必要がある。また、Ms点(マルテンサイト変態開始温度)に到達するまでに、ワーク内の温度のばらつきを小さくし、ワークの均熱性を確保する必要がある。また、Ms点からMf点(マルテンサイト変態終了温度)までの危険区域を均熱性を確保しながら徐冷することにより、焼入れ歪みの発生を抑制する必要がある。
このため、従来は、ワークの鋼種、形状、大きさなどに応じて、焼入れ油の油種を使い分けていた。また、ソルトバスを用いていた。例えば、強度向上を要するワークの場合、臨界区域を重視し、冷媒として水やコールド油を使用していた。また、焼入れ歪みの低減を要するワークの場合、危険区域を重視し、冷媒としてホット油やソルトバスを使用していた。
特開2001−64722号公報
しかしながら、臨界区域を重視して水やコールド油を使用すると、危険区域におけるワークの均熱性が低下してしまう。一方、危険区域を重視してホット油やソルトバスを使用すると、臨界区域におけるワークの冷却速度が遅くなってしまう。このため、焼入れ不良が発生しやすくなる。
そこで、本発明は、不完全焼入れを抑制可能で、かつ焼入れ歪みを低減可能な焼入れ方法および焼入れ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の焼入れ方法は、蒸気膜段階において、焼入れ油を焼入れ室に注入することにより、前記焼入れ室の空間を減圧工程に移る前の例えば3秒以内で素早く小さくすると共に、前記焼入れ室を加圧することにより、ワークの表面に蒸気膜が発生するのを抑制する加圧工程と、沸騰段階において、前記ワークの冷却速度に応じた速度で前記焼入れ室を減圧することにより、前記焼入れ油の沸騰を持続させる減圧工程と、を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明の焼入れ装置は、ワークが配置される焼入れ室と、焼入れ油を前記焼入れ室に注入し、前記焼入れ室の空間を素早く小さくすると共に、前記焼入れ室を加圧する加圧装置と、前記加圧装置により加圧された前記焼入れ室を減圧する減圧装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によると、加圧工程において、焼入れ油を焼入れ室に注入することにより、焼入れ室の空間(焼入れ油が貯留されていない部分)、言い換えると減圧工程において減圧される空間を、予め小さくしておくことができる。このため、減圧工程において、ワークの冷却速度に応じた速度で、焼入れ室を減圧することができる。したがって、減圧工程において、蒸気膜段階や対流段階と比較して熱伝達率が高い沸騰段階を、持続させることができる。よって、危険区域において、ワークの均熱性を確保することができる。すなわち、焼入れ歪みの発生を抑制することができる。
また、本発明によると、加圧工程において、焼入れ油で焼入れ室を加圧することができる。このため、蒸気膜の発生を抑制することができる。したがって、臨界区域において、ワークの冷却速度を速くすることができる。よって、不完全焼入れを抑制することができる。また、本発明によると、ソルトバスを用いる必要がない。このため、廃棄塩や洗浄水の処理が不要になる。したがって、環境対策コストを削減することができる。
第一実施形態の焼入れ装置の模式図である。 第一実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示すグラフである。 第二実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示すグラフである。 第三実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示すグラフである。 第四実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示すグラフである。 第五実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の焼入れ方法および焼入れ装置の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[焼入れ装置]
まず、本実施形態の焼入れ装置の実施の形態について説明する。図1に、本実施形態の焼入れ装置の模式図を示す。図1に示すように、本実施形態の焼入れ装置1は、焼入れ部2と、加圧装置3と、減圧装置4と、ワーク昇降装置5と、加熱部6と、真空ポンプ7と、を備えている。
焼入れ部2は、焼入れ室20と、撹拌部21と、筒部材22と、ハウジング23と、を備えている。焼入れ室20は、ハウジング23の内部に区画されている。焼入れ室20は、一例として200kPaまで加圧可能である。撹拌部21は、撹拌翼210と、モータ211と、を備えている。撹拌翼210は、焼入れ室20に配置されている。モータ211は、撹拌翼210を回転駆動する。筒部材22は、焼入れ室20に配置されている。筒部材22は、撹拌翼210と、後述する複数の噴射ノズル31と、の間に介装されている。
加圧装置3は、蓄圧タンク30と、複数の噴射ノズル31と、を備えている。蓄圧タンク30の内部には、加圧室300が区画されている。複数の噴射ノズル31は、焼入れ室20に配置されている。複数の噴射ノズル31は、後述する昇降部50の下側に配置されている。複数の噴射ノズル31は、各々、上向きに焼入れ油Aを噴射可能である。
減圧装置4は、複数の真空タンク40A〜40Dを備えている。真空タンク40A〜40Dの内部には、各々、減圧室400が区画されている。減圧室400には、ミストトラップ401が配置されている。
ワーク昇降装置5は、昇降部50と、カウンタバランスウエイト51と、スプロケット52と、サーボモータ53と、を備えている。昇降部50には、ワークW(本実施形態においては、バスケットに収容された複数の歯車)を配置可能である。カウンタバランスウエイト51は、チェーンを介して、昇降部50に連結されている。スプロケット52には、当該チェーンが巻装されている。スプロケット52は、ベルトを介して、サーボモータ53の回転軸に連結されている。サーボモータ53の駆動力は、ベルト、スプロケット52、チェーンを介して、昇降部50に伝達される。当該駆動力により、昇降部50は、上下方向に揺動可能である。
加熱部6は、加熱室60と、ハウジング61と、を備えている。加熱室60は、断熱材付きのハウジング61の内部に区画されている。加熱室60は、扉を介して、焼入れ室20に並設されている。
[焼入れ方法]
次に、本実施形態の焼入れ方法について説明する。以下の説明において用いられる数値(温度、圧力、時間など)は、各パラメータの一例であり、本発明を何等限定するものではない。
本実施形態の焼入れ方法は、浸炭工程と、加圧工程と、減圧工程と、を有している。図2に、本実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示す。なお、図2には、TTT(Time Temperature Transformation)曲線、CCT(Continuous Cooling Transformation)曲線を併せて示す。また、比較例として、従来の焼入れ方法(図1に示す焼入れ室20の焼入れ油A(液面は下側レベルD2)にワークWを浸漬し、圧力をほとんど変えないで、油撹拌で冷却速度を調節する方法、または、真空ポンプ7により、直接、焼入れ室20を減圧する方法)による、ワークWの温度変化を点線で示す。
(浸炭工程)
本工程においては、ワークWに所定の真空浸炭、拡散処理が施される。まず、ワークWは、加熱室60で加熱される。次に、一定温度のまま、ワークWに浸炭処理が施される。続いて、一定温度のまま、ワークWは所定時間保持される。この際、炭素は、ワークWの表面から内部に拡散する。本工程完了後、ワークWは、加熱室60から焼入れ室20に搬入される。加熱室60と焼入れ室20とは、扉により遮断される。
(加圧工程)
本工程は、臨界区域Eにおける蒸気膜段階に対応して実行される。本工程においては、焼入れ油Aを焼入れ室20に注入することにより、焼入れ室20の空間Bを素早く小さくすると共に、焼入れ室20を加圧する。本工程は、ワークWの歯先aおよび歯元bの温度が、蒸気膜段階から沸騰段階に移行する650℃になるまで実行される。
本工程開始時の焼入れ装置1の状態について説明する。ワークWの温度は、850℃である。焼入れ室20の圧力は、大気圧(101.325kPa。本明細書では100kPaと表記する。)である。ワークWは、昇降部50に載置されている。焼入れ室20には、焼入れ油Aが貯留されている。焼入れ油Aの液面は、下側レベルD2である。加圧室300には、焼入れ油Aが貯留されている。加圧室300は、バルブV1を介して導入される窒素ガスにより、大気圧よりも高圧(焼入れ室20よりも高圧)に、蓄圧されている。全ての真空タンク40A〜40Dの減圧室400は、バルブV6A〜V6Dを介して、真空ポンプ7により、大気圧よりも低圧(焼入れ室20よりも低圧)に、減圧されている。焼入れ油Aは、撹拌翼210により撹拌されている。
本工程においては、まず、焼入れ室20の焼入れ油Aに、ワークWを浸漬する。ワークWの浸漬開始と同時に、バルブV1、V4A〜V4D、V5A〜V5D、V6A〜V6Dが閉じた状態で、バルブV2を介して、加圧室300から焼入れ室20に、焼入れ油Aを供給する。焼入れ油Aは、複数の噴射ノズル31から噴射される。加圧室300からの焼入れ油Aの噴射供給により、焼入れ室20の焼入れ油Aの液面は、下側レベルD2から上側レベルD1まで上昇する。また、液面が上昇した分だけ、焼入れ室20の空間(焼入れ油Aが貯留されていない部分)Bは、小さくなる。また、パスカルの原理に従って、焼入れ室20の圧力は、自身よりも高圧の加圧室300に連通することにより、所定の圧力まで上昇する。
また、本工程においては、サーボモータ53を駆動し、昇降部50つまりワークWを、上端位置C1と下端位置C2との間で、上下方向に揺動させる。すなわち、焼入れ油Aに浸漬された状態のワークWを上下方向に揺動させる。
(減圧工程)
本工程は、臨界区域Eにおける沸騰段階、沸騰段階通過後の対流段階に対応して実行される。また、本工程は、ワークWの温度がMs点直前になるまで、つまり危険区域F直前まで実行される。本工程においては、ワークWの冷却速度に応じた速度で焼入れ室20を減圧することにより、できるだけ焼入れ油Aの沸騰を持続させる。
まず、サーボモータ53を停止し、ワークWの揺動を停止する。次に、バルブV1〜V3、V4A〜V4D、V5A〜V5D、V6A〜V6Dのうち、バルブV4Aだけを開く。バルブV4Aを介して、焼入れ室20から真空タンク40Aの減圧室400に、焼入れ室20内の窒素ガスを導入する。パスカルの原理に従って、焼入れ室20の圧力は、自身よりも低圧の減圧室400に連通することにより、急速に低下する。すなわち、焼入れ室20は減圧される。ミストトラップ401は、窒素ガスに混じって減圧室400に導入される焼入れ油Aのミストを、捕集する。
以下、順次、バルブV4B〜V4Dを一つずつ開き、バルブV4B〜V4Dを介して、焼入れ室20から真空タンク40B〜40Dの減圧室400に、焼入れ室20内の窒素ガスを導入する。最終的には、全真空タンク40A〜40Dの減圧室400が、焼入れ室20に連通する。
このように、本工程においては、複数の減圧室400を、一つずつ段階的に焼入れ室20に連通させることにより、焼入れ室20を、ワークWの冷却速度に比例した所定の減圧速度で、減圧する。具体的には、減圧速度を、ワークWの表面温度に沿った、焼入れ油Aの蒸気圧曲線よりも速くすることにより、ワークWの表面が常に沸騰する状況を作り出す。すなわち、沸騰段階を継続させる。
その後、伝熱形態が沸騰段階から対流段階に移行したら、真空ポンプ7を用いて、焼入れ室20を減圧する。すなわち、バルブV4B〜V4D、V6A〜V6Dを開き、これらのバルブ、複数の減圧室400を介して、真空ポンプ7により、焼入れ室20を減圧する。
焼入れ後においては、バルブV5A〜V5Dを介して、ミストトラップ401により捕集した焼入れ油Aを、焼入れ室20に戻す。また、バルブV2を介して焼入れ室20と加圧室300とを連通させ、バルブV3を介して真空ポンプ7と加圧室300とを連通させ、真空ポンプ7を駆動することにより、焼入れ室20から加圧室300に、焼入れ油Aを戻す。なお、焼入れ後のワークWには、適宜、焼戻しが施される。
[作用効果]
次に、本実施形態の焼入れ装置および焼入れ方法の作用効果について説明する。加圧工程は、臨界区域Eにおける蒸気膜段階に対応している。不完全焼入れを抑制し、ワークWの硬質化、強度向上を図るためには、臨界区域EにおけるワークWの冷却速度を速くする必要がある。しかしながら、蒸気膜段階において、焼入れ油Aに浸漬されたワークWの表面は、蒸気膜により覆われている。このため、ワークWは、輻射により冷却されることになる。したがって、従来は、図2に示すように、ワークW(歯先a’および歯元b’)の冷却速度が遅かった。
この点、本実施形態によると、焼入れ室20は、加圧室300から噴射注入される焼入れ油Aにより、加圧される。このため、ワークWの表面に蒸気膜が発生するのを抑制することができる。したがって、ワークW(歯先aおよび歯元b)の冷却速度を速くすることができる。
また、噴射ノズル31からの焼入れ油Aの噴流は、ワークWの表面に衝突する。このため、ワークWの表面に発生した蒸気膜を破壊することができる。この点においても、ワークWの冷却速度を速くすることができる。
また、昇降部50つまりワークWは、焼入れ油A内を上下方向に高速で揺動する。このため、ワークWの表面に発生した蒸気膜を破壊することができる。この点においても、ワークWの冷却速度を速くすることができる。
また、図2に示すように、ワークWの冷却速度が速いため、ワークWの歯先aおよび歯元bの冷却曲線が、TTT曲線のパーライトノーズGに干渉するのを、防止することができる。このため、ワークWの完全焼入れが可能である。
また、ワークWが上下方向に揺動することにより、焼入れ油Aを撹拌することができる。このため、焼入れ油Aの上下方向の温度のばらつき(上部が高温、下部が低温)を、抑制することができる。したがって、焼入れ油Aの上下方向の冷却速度のばらつき(上部が低速、下部が高速)を、抑制することができる。よって、ワークWの上下方向における均熱性を保った高速冷却を達成することができる。また、撹拌翼210が回転することにより、焼入れ油Aを撹拌することができる。この点においても、ワークWの上下方向における均熱性を保った高速冷却を達成することができる。
また、減圧工程は、臨界区域Eにおける沸騰段階、沸騰段階通過後の対流段階に対応している。また、減圧工程は、ワークWの温度がMs点直前になるまで、つまり危険区域F直前まで実行される。ワークWに焼入れ歪みが発生するのを抑制するためには、臨界区域E通過後の危険区域Fにおいて、ワークWの均熱性を確保する必要がある。しかしながら、沸騰段階から対流段階に移行すると、言い換えると伝熱形態が核沸騰から対流に移行すると、熱伝達率が低くなってしまう。このため、ワークWの冷却速度が遅くなってしまう。従来は、図2に示すように、沸点500℃で沸騰段階から対流段階に移行していた。このため、ワークWの冷却速度が遅かった。
この点、本実施形態によると、加圧工程において、焼入れ室20には加圧室300から焼入れ油Aが注入される。このため、焼入れ油Aが注入されない場合と比較して、焼入れ室20に占める空間Bの割合が小さくなる。したがって、減圧工程における真空タンク40A〜40Dの排気負担を軽減することができる。よって、焼入れ室20を素早く減圧することができる。また、焼入れ室20を、ワークWの冷却速度に比例した速度で、減圧することができる。したがって、伝熱形態が核沸騰から対流段階に移行するのを、遅らせることができる。よって、危険区域Fに進入する前に、ワークWの均熱性を確保することができる。
また、焼入れ室20は、予め減圧済みの複数の減圧室400に、段階的に連通される。この点においても、焼入れ室20を素早く減圧することができる。また、真空ポンプ7を用いないで、焼入れ室20を素早く減圧することができる。また、焼入れ室20を、ワークWの冷却速度に比例した速度で、減圧することができる。
また、減圧室400には、ミストトラップ401が配置されている。このため、減圧工程において、真空ポンプ7に、焼入れ油Aのミストが混入するのを抑制することができる。また、騒音の発生を抑制することができる。
また、ワークWの揺動に、サーボモータ53とカウンタバランスウエイト51とを用いている。このため、油圧シリンダ、エアシリンダなどを用いる場合と比較して、ワークWの動きを制御しやすい。したがって、高速かつスムーズにワークWを動かすことができる。
<第二実施形態>
本実施形態の焼入れ方法は、第一実施形態の焼入れ装置を用いて実施される。図3に、本実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。焼入れ油Aの油種は、ホット油(油温200℃)である。
図3に示すように、焼入れ室20は、加圧工程において100kPaから150kPaまで加圧され、その後の減圧工程において150kPaから1.3kPaまで減圧される。ホット油の沸点は、焼入れ室20の圧力に従って変化する。
本実施形態の焼入れ方法と、第一実施形態の焼入れ方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の焼入れ方法によると、Ms点直前までに、歯先aと歯元bとの温度差を、急速に縮小することができる。このため、ワークWが質量50kg以上の大物であっても、簡単に均熱化することができる。
また、本実施形態の焼入れ方法によると、焼入れ油Aとしてホット油を用いている。ここで、大気圧におけるホット油の沸点は、500℃以上である。このため、ワークW(歯先aおよび歯元b)の温度が600℃付近から、伝熱形態が核沸騰から対流に移行しやすくなる。したがって、冷却速度が遅くなってしまう。
この点、本実施形態の焼入れ方法によると、加圧工程においては、蒸気膜の発生を抑制しながら、ワークWを急速冷却することができる。また、減圧工程においては、核沸騰を持続させることにより、ワークWを急速冷却することができる。このため、歯先aについては、TTT曲線のパーライトノーズGに干渉するのを、防止することができる。すなわち、完全焼入れを行うことができる。また、歯元bについては、TTT曲線のパーライトノーズGに干渉するものの、パーライト変態やベイナイト変態の少ない焼入れを行うことができる。したがって、ホット油を用いて、コールド油に近い冷却性能を確保することができる。また、コールド油を用いる場合は、焼入れ室20の減圧を途中で止める沸点温度制御により、危険区域を均一温度で通過する、ホット油並みの低歪み焼入れを行うことができる。このように、本実施形態の焼入れ方法によると、一種類の焼入れ油Aで、更油することなく、異なる焼入れ特性を確保することができる。
<第三実施形態>
本実施形態の焼入れ方法は、第一実施形態の焼入れ装置を用いて実施される。図4に、本実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。焼入れ油Aの油種は、コールド油(油温80℃)である。ただし、点線で示す比較例の焼入れ油Aの油種は、ホット油(油温200℃)である。大気圧において、コールド油の沸点は400℃以下、ホット油の沸点は500℃以上である。
図4に示すように、本実施形態の場合、減圧工程を、蒸気膜段階(650℃)を超えた点P1(焼入れ開始から2〜3秒後)から開始する。減圧工程においては、焼入れ室20の圧力を、3〜8秒間で10kPaまで減圧する。
本実施形態の焼入れ方法と、第一実施形態の焼入れ方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。歯先aは、冷却速度が速い。このため、歯先aの温度は、コールド油の沸点未満になりやすい。したがって、歯先aは、主に、熱伝達率が低い対流により冷却される。これに対して、歯元bは、冷却速度が遅い。このため、歯元bの温度は、コールド油の沸点以上になりやすい。したがって、歯元bは、主に、熱伝達率が高い核沸騰により冷却される。このように、本実施形態の焼入れ方法によると、歯先aの冷却速度を、対流伝熱により、遅くすることができる。一方、歯元bの冷却速度を、核沸騰伝熱により、維持することができる。このため、Ms点(200〜350℃)直前までに、歯先aと歯元bとの温度差を、急速に縮小することができる。このように、本実施形態の焼入れ方法によると、コールド油による焼入れであるにもかかわらず、ホット油によるマルクエンチ並みの低歪み焼入れを行うことができる。
また、本実施形態の焼入れ方法において、Ms点直前のコールド油の蒸気圧で減圧を止めて一定圧力に保持することにより、ワークWの均熱性をさらに向上させることができる。この場合、従来の180〜200℃ホット油マルクエンチ同等以上の低歪み焼入れを行うことができる。
<第四実施形態>
本実施形態の焼入れ方法は、第一実施形態の焼入れ装置を用いて実施される。図5に、本実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。焼入れ油Aの油種は、ホット油(油温200℃)である。大気圧におけるホット油の沸点は500℃以上である。
図5に示すように、第三実施形態と同様に、本実施形態の場合、減圧工程を、蒸気膜段階(650℃)を超えた点P1(焼入れ開始から2〜3秒後)から開始する。減圧工程においては、焼入れ室20の圧力を、3〜8秒間で10kPaまで減圧する。
本実施形態の焼入れ方法と、第三実施形態の焼入れ方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の焼入れ方法によると、従来、ソルトバスが使用され、ホット油では不可能であった、200℃以上のマルクエンチを行うことができる。
<第五実施形態>
本実施形態の焼入れ方法は、第一実施形態の焼入れ装置を用いて実施される。図6に、本実施形態の焼入れ方法のワークの温度変化を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。焼入れ油Aの油種は、コールド油(油温80℃)である。大気圧におけるコールド油の沸点は400℃以下である。
図6に示すように、本実施形態の場合、ワークWは上下方向に長いシャフト(長尺物)である。コールド油の液面から、ワークWの下端αまでの距離δは、800mmである。ワークWの長さ(上端γ〜下端α間の距離)は、600mmである。図6に、ワークWの下端α、上下方向中央β、上端γの冷却曲線を示す。また、下端α付近の沸点Tαの温度変化を示す。また、上端γ付近の沸点Tγの温度変化を示す。
本実施形態の焼入れ方法と、第一実施形態の焼入れ方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。また、ワークWが長尺物の場合、従来の焼入れ方法によると、上端γの冷却速度は、蒸気膜の影響により遅くなってしまう。一方、下端αの冷却速度は、撹拌により速くなってしまう。当該冷却速度の差により、Ms点突入時にワークWに温度差(時間差)が発生してしまう。このため、焼入れ歪みが大きくなる。
この点、本実施形態の焼入れ方法によると、サーボモータ53を用いて、昇降部50の昇降速度を、下降速度に対して上昇速度の方が速くなるように、設定することができる。こうすると、焼入れ油Aの上部の冷却速度を速くすることができる。このため、ワークW全体における冷却速度のばらつきを抑制することができる。
例えば、減圧工程において、一気に焼入れ室20を油温の蒸気圧まで減圧すれば、ワークWの上端γは沸点に達する。ここで、コールド油のヘッド差による内部圧力により、下端αは、上端γと比較して、蒸気圧が高くなる。このため、下端αは、上端と比較して、沸点が100〜200℃ほど高くなる。当該沸点差を利用して、Ms点突入前のワークWの温度差を縮小することができる。
また、減圧工程において、上端γの温度を550℃から一気に下げ、沸点に達した状態でMs点に向かう場合、下端αの伝熱状態は、350℃の手前から核沸騰から対流に切り替わる。このため、下端αの冷却速度が遅くなり、下端αは当該冷却速度を保ったまま、コールド油の油温80℃に向かう。一方、上下方向中央βは250℃まで沸騰段階であるため、250℃まで上下方向中央βの冷却速度は速い。並びに、上端γは100℃まで沸騰段階であるため、100℃まで上端γの冷却速度は速い。このため、上下方向中央β、上端γの温度は、下端αの温度に追いつく。したがって、均一な温度で、マルテンサイト変態が行われる。よって、焼入れ歪みを低減することができる。また、完全マルクエンチのため、上端γの温度が下端αの温度に追いついた後、追い越すことがないように、減圧を停止することもできる。
また、焼入れ油Aとしてホット油を使用する場合も、上端γの温度が下端αの温度に追いついた後、追い越すことがないように、減圧速度を制御することにより、所定の温度(例えば300℃)で、ワークWを均熱状態にすることができる。
<その他>
以上、本発明の焼入れ方法および焼入れ装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
減圧工程における焼入れ室20の減圧速度は特に限定しない。ワークWの大きさや形状で変わる表面温度冷却曲線(冷却速度)や、使用する焼入れ油Aの蒸気圧曲線に応じて、適正な減圧速度を設定すればよい。一例として、100kPaから10kPaまでの減圧時間を、10秒以内、好ましくは3秒以内としてもよい。
減圧工程においては、予め減圧された真空タンク40A〜40Dだけを用いて、焼入れ室20を減圧してもよい。また、真空タンク40A〜40Dと真空ポンプ7とを併用してもよい。また、減圧工程と沸騰段階とは、互いの少なくとも一部同士が、時間的に重複していればよい。例えば、減圧工程の全期間に亘って、沸騰段階が持続しなくてもよい。蒸気膜段階、沸騰段階、対流段階のうち少なくとも沸騰段階が、減圧工程に含まれればよい。
減圧工程の始期は特に限定しない。例えば、加圧工程に連続して減圧工程を行ってもよい。また、加圧工程終了後、所定の時間だけ空けてから、減圧工程を行ってもよい。減圧工程の終期は特に限定しない。例えば、Ms点直前まで減圧工程を行ってもよい。また、Ms点通過後まで減圧工程を行ってもよい。
加圧工程後における焼入れ室20の圧力は特に限定しない。加圧工程前よりも高圧であればよい。大気圧(101.325kPa)以上である方がよい。加圧工程の実行時間は特に限定しない。蒸気膜段階に対応して実行すればよい。加圧工程と蒸気膜段階とは、互いの少なくとも一部同士が、時間的に重複していればよい。例えば、加圧工程の全期間に亘って、蒸気膜段階が持続しなくてもよい。反対に、蒸気膜段階の全期間に亘って、加圧工程を行わなくてもよい。
加圧工程の実行時間は特に限定しない。例えば、図2〜図6に示すように、焼入れ開始から3秒以内であってもよい。すなわち、焼入れ室20の空間Bを、素早く小さくできればよい。減圧工程において、ワークWの揺動を停止するタイミングは特に限定しない。また、減圧工程において、ワークWの揺動を停止しなくてもよい。また、焼入れ後のワークWに焼戻しを施さなくてもよい。
バルブV1を介して加圧室300に供給される加圧用の気体の種類は特に限定しない。アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスであってもよい。
真空タンク40A〜40Dの容積、配置数は特に限定しない。配置数は、5つ以上であってもよい。また、単一でもよい。複数の真空タンク40A〜40Dを交互に焼入れ室20に連通させてもよい。この場合、常に一つの真空タンク40A〜40Dが焼入れ室20に連通することになる。また、複数の真空タンク40A〜40Dを同時に焼入れ室20に連通させてもよい。真空ポンプ7の種類は特に限定しない。メカニカルブースターポンプや油回転ポンプなどであってもよい。ミストトラップ401の種類は特に限定しない。デミスターなど、金属製のフィルタであってもよい。
焼入れ油Aの種類は特に限定しない。ホット油、セミホット油、コールド油などであってもよい。なお、ホット油はJISK2242の3種に、セミホット油は2種に、コールド油は1種に、各々相当する。ワークWの種類は特に限定しない。鋼製であればよい。
1:焼入れ装置、2:焼入れ部、20:焼入れ室、21:撹拌部、210:撹拌翼、211:モータ、22:筒部材、23:ハウジング、3:加圧装置、30:蓄圧タンク、300:加圧室、31:噴射ノズル、4:減圧装置、40A〜40D:真空タンク、400:減圧室、401:ミストトラップ、5:ワーク昇降装置、50:昇降部、51:カウンタバランスウエイト、52:スプロケット、53:サーボモータ、6:加熱部、60:加熱室、61:ハウジング、7:真空ポンプ
α:下端、β:上下方向中央、γ:上端、δ:距離、A:焼入れ油、B:空間、C1:上端位置、C2:下端位置、D1:上側レベル、D2:下側レベル、E:臨界区域、F:危険区域、G:パーライトノーズ、V1〜V3:バルブ、V4A〜V4D:バルブ、V5A〜V5D:バルブ、V6A〜V6D:バルブ、W:ワーク、a:歯先、b:歯元

Claims (11)

  1. 蒸気膜段階において、焼入れ油を焼入れ室に注入することにより、前記焼入れ室の空間を素早く小さくすると共に、前記焼入れ室を加圧することにより、ワークの表面に蒸気膜が発生するのを抑制する加圧工程と、
    沸騰段階において、前記ワークの冷却速度に応じた速度で前記焼入れ室を減圧することにより、前記焼入れ油の沸騰を持続させる減圧工程と、
    を有する焼入れ方法。
  2. 前記加圧工程において、前記ワークを上下動させることにより前記蒸気膜を破壊する請求項1に記載の焼入れ方法。
  3. 前記加圧工程において、前記焼入れ油を注入した後の前記焼入れ室の圧力は、大気圧以上である請求項1または請求項2に記載の焼入れ方法。
  4. 前記加圧工程において、前記焼入れ室と、前記焼入れ油が貯留され予め蓄圧された加圧室と、を連通させることにより、前記焼入れ室を加圧する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の焼入れ方法。
  5. 前記減圧工程において、前記焼入れ室と、予め真空引きされた減圧室と、を連通させることにより、前記焼入れ室を減圧する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の焼入れ方法。
  6. 前記減圧工程は、少なくともMs点直前まで実行される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の焼入れ方法。
  7. 前記減圧工程は、前記Ms点通過後まで実行される請求項6に記載の焼入れ方法。
  8. ワークが配置される焼入れ室と、
    焼入れ油を前記焼入れ室に注入し、前記焼入れ室の空間を素早く小さくすると共に、前記焼入れ室を加圧する加圧装置と、
    前記加圧装置により加圧された前記焼入れ室を減圧する減圧装置と、
    を備える焼入れ装置。
  9. 前記加圧装置は、前記焼入れ油が貯留され、前記焼入れ室に連通する前に予め蓄圧される加圧室を有する請求項8に記載の焼入れ装置。
  10. 前記ワークを上下動させるワーク昇降装置を備える請求項8または請求項9に記載の焼入れ装置。
  11. 前記減圧装置は、前記焼入れ室に連通する前に予め真空引きされる減圧室を有する請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の焼入れ装置。
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