JP6533107B2 - 発光装置 - Google Patents

発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6533107B2
JP6533107B2 JP2015131200A JP2015131200A JP6533107B2 JP 6533107 B2 JP6533107 B2 JP 6533107B2 JP 2015131200 A JP2015131200 A JP 2015131200A JP 2015131200 A JP2015131200 A JP 2015131200A JP 6533107 B2 JP6533107 B2 JP 6533107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
emitting element
correction
power supply
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015131200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017013315A (ja
Inventor
照彦 市村
照彦 市村
勝美 青木
勝美 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2015131200A priority Critical patent/JP6533107B2/ja
Publication of JP2017013315A publication Critical patent/JP2017013315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6533107B2 publication Critical patent/JP6533107B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)
  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子ある
いは有機LED(Organic Light Emitting diode:OLED)素子等の経時的に輝度が低下する傾向のある発光素子を備えた発光装置であって、経時的な輝度低下等の輝度変化を補正する補正手段を有する発光装置に関するものである。
従来の発光装置の1例を図9に示す。図9(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のB部及びIC,LSI等から成る駆動素子24を拡大して示す回路図である。この発光装置は、有機LEDプリンタ(OLEDP)ヘッドに適用されるものであり、ガラス基板等から成る長板状の基板21の一面に、複数の発光素子23の発光(点灯)をそれぞれ駆動する複数の駆動回路ブロック22と、基板1の長手方向に沿って2列(2行または2段)に並べられて配置された複数の発光素子23と、駆動回路ブロック22を構成する配線及び駆動回路ブロック22と発光素子23を接続する配線とが、CVD(Chemical
Vapor Deposition)法等の薄膜形成法によって形成されている。複数の駆動回路ブロ
ック22は、複数の発光素子23の列に沿って列状に並べられており、例えば1つの駆動回路ブロック22が400個の発光素子23を駆動するものであり、その駆動回路ブロック22が20個並べられている。従って、発光素子23は合計で8000個ある。また、基板21の一面の一端部には駆動回路ブロック22及び発光素子23を駆動し発光素子23の発光を制御する駆動素子24が、チップオングラス(Chip On Glass:COG)方式等の実装方法によって、設置されている。また、基板21の一面における駆動素子24設置部の近傍の縁部に、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)25が設置されている。このFPC25は、駆動素子24との間で駆動信号、制御信号等を入出力する。
図9(b)に示すように、2列を成す2個の発光素子23a,23bに対して1組の駆動回路
が形成されており、1組の駆動回路は、シフトレジスタ30、論理和否定(NOR)回路31、インバータ32、CMOSトランスファゲート素子33a,33b、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)34a,34bを有している。TFT34a,34bの各ドレイン電極部に有機LED素子等から成る発光素子23a,23bがそれぞれ接続されている。
1組の駆動回路は、以下のように順次動作する。シフトレジスタ30は、クロック端子(CLK)にハイ(「1」)のクロック信号(CLK)が入力されるとともに入力端子(in)にハイの同期信号(Vsync)が入力されたときに、出力端子(Q)からハイの信号が出力されるとともに反転出力端子(XQ)からロー(「0」)の信号が出力される。次に、NOR回路31は、反転出力端子(XQ)からローの信号が入力されるとともに反転イネーブル信号(XENB)であるローの信号が入力されて、ハイの信号を出力する。次に、インバータ32はローの信号を出力する。次に、CMOSトランスファゲート素子33aは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路31からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ32からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA11)を出力する。次に、データ信号(DATA11)がTFT34aのゲート電極部に入力されてTFT34aがオン状態となり、データ信号(DATA11)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子23aに供給される。同時に、CMOSトランスファゲート素子33bは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路31からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ32からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA12)を出力する。次に、データ信号(DATA12)がTFT34bのゲート電極部に入力されてTFT34bがオン状態となり、データ信号(DATA12)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子23bに供給される。以上の一連の動作が、次段の駆動回路によって順次実行されていき、すべての発光素子3が順次発光していく。
また、他の従来例として、複数のEL素子を配列してなる発光素子列を備えるラインヘッドの駆動装置であって、EL素子各々の電圧電流特性を測定する測定部と、測定部で測定されたEL素子の各々の電圧電流特性に基づいて、EL素子の各々に印加する電圧を制御する制御部とを備えることによって、EL素子間の発光輝度のばらつき及び経時的なEL素子の発光強度の変化を補正して一定輝度をラインヘッドから得ることができるラインヘッドの駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。さらに他の従来例として、負荷に入力信号に応じた駆動電流を流すための駆動トランジスタを備えた回路を有し、その回路は、負荷のインピーダンスに応じた補正信号を駆動トランジスタのゲートに供給して、駆動トランジスタが負荷に流す駆動電流を補正する補正回路を有することによって、経時的に劣化する特性をもつ発光素子の場合であっても、発光素子の経時劣化による輝度低下を画素毎に検知し、補正することによって、長時間、安定した画像形成を実現する駆動回路が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。さらに他の従来例として、発光素子から出力される光を検出する光検出素子を備えており、光検出素子は、トランジスタで構成され、オフ領域で動作するように構成されることによって、効率よく高精度の光検出を行うことができる光ヘッドが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開2006−56010号公報 特開2005−258427号公報 特開2007−290329号公報
図9に示す上記従来の発光装置においては、有機LED素子等の経時的に輝度が低下する傾向のある発光素子23を有しているために、長期間使用すると発光素子23の輝度が低下するとい問題点があった。そこで、特許文献1のように、測定されたEL素子各々の電圧電流特性に基づいてEL素子の各々に印加する電圧を制御することが考えられる。このような場合に、EL素子のインピーダンスを測定できれば、より高い精度でEL素子の輝度を制御できる。その目的のために、発光状態のEL素子及びその陽極(アノード電極)側に接続されたスイッチとしてのTFTに流れる電流を測定するときに、TFT自体に流れる電流を測定しようとすると、それが困難である場合があった。これについては詳細な原因は不明であるが、EL素子の陰極(カソード電極)はアルミニウム(Al)層を含む場合が多く、そのアルミニウム層を用いて測定しようとすると、アルミニウム層は発光装置の多くの部位で使用されているために、カソード電極以外の部位のアルミニウム層と容量結合等を起こしてその影響を受けやすいことに起因していると考えられる。
また、EL素子のインピーダンスを測定できたとしても、インピーダンスの経時変化に応じてEL素子の流す電源電流値を変化させればよいのだが、EL素子の閾値電流付近で輝度を制御することがむつかしいという問題点があった。すなわち、EL素子の輝度が低い輝度領域でEL素子の発光を制御しようとすると、誤ってEL素子を消灯する場合があるという問題点があった。
また、特許文献2のように、発光素子の輝度を自動的に補正する補正回路を有する構成である場合、発光素子が発光状態であるときには補正回路を動作させて補正する必要があるために、発光装置の消費電力が非常に大きくなるという問題点があった。例えば、発光
素子が発光状態であるときに動作する補正回路を有する発光装置は、その補正回路を有していない発光装置と比較して、数100倍以上の電力を消費する場合があった。また、特許文献3のように、オフ領域で動作するトランジスタから成る光検出素子を設けた場合、それによって検出されるオフリーク電流が微弱なため、発光素子の輝度を補正するのに利用しづらいという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、発光素子の輝度の変化の度合いを正確に測定することができ、それに基づいて高い精度で発光素子の輝度を制御でき、また発光素子の発光開始電流である閾値電流が変化してもそれを抽出することができる発光装置とすることである。
本発明の発光装置は、発光素子と、前記発光素子から放射された光を受光する受光素子と、前記発光素子の輝度を補正する補正部と、を有しており、
前記補正部は、前記受光素子から得られた情報によって前記発光素子の電源電流における閾値電流を抽出する第1の補正と、前記発光素子を流れる前記電源電流の値から得られた前記発光素子のインピーダンスによって前記発光素子の前記電源電流を補正する第2の補正と、を行う発光装置であって、
前記補正部は、前記第1の補正によって前記閾値電流を前記発光素子の最小輝度として決め、前記第2の補正によって前記閾値電流以上の前記電源電流を補正する構成である。
また本発明の発光装置は、好ましくは、前記第2の補正は、特定の輝度に対応するように前記電源電流を補正する。
また本発明の発光装置は、好ましくは、前記発光素子における前記電源電流の電流経路について、薄膜トランジスタ及びそれに接続された前記発光素子を含む第1の電流経路と、前記薄膜トランジスタと前記発光素子とを接続する接続線の途中から分岐した前記発光素子を含まない第2の電流経路と、が形成されており、
前記補正部は、前記第1の電流経路における第1の電流値と前記第2の電流経路における第2の電流値から前記発光素子のインピーダンスを算出するインピーダンス演算部を有している。
また本発明の発光装置は、好ましくは、前記第2の電流経路は、前記接続線に一方の電極が並列接続され、他方の電極が抵抗を通して接地部に接続されているとともに、インピーダンスが前記薄膜トランジスタのインピーダンスよりも小さい他の薄膜トランジスタを含んでいる。
また本発明の発光装置は、好ましくは、前記他の薄膜トランジスタは、インピーダンスが前記薄膜トランジスタのインピーダンスの100分の1以下である。
本発明の発光装置は、発光素子と、前記発光素子から放射された光を受光する受光素子と、前記発光素子の輝度を補正する補正部と、を有しており、
前記補正部は、前記受光素子から得られた情報によって前記発光素子の電源電流における閾値電流を抽出する第1の補正と、前記発光素子を流れる前記電源電流の値から得られた前記発光素子のインピーダンスによって前記発光素子の前記電源電流を補正する第2の補正と、を行う発光装置であって、
前記補正部は、前記第1の補正によって前記閾値電流を前記発光素子の最小輝度として決め、前記第2の補正によって前記閾値電流以上の前記電源電流を補正する構成であることから、発光素子の発光開始電流値である閾値電流付近であっても輝度を高い精度で制御
することが容易になるとともに、第1の補正によって発光素子の最小輝度を正確に決めることができ、第2の補正によって最小輝度以上の輝度を正確に補正することができる。その結果、例えば発光素子の輝度が経時的に低下したとしても、発光素子の最小輝度以上の輝度を高い精度で制御できる
また本発明の発光装置は、好ましくは、前記第2の補正は、特定の輝度に対応するように前記電源電流を補正することから、例えば特定の輝度について電源電流が経時変化等によって低下したとしても、特定の輝度を維持するように第2の補正によって正確に補正できる。
本発明の発光装置は、好ましくは、発光素子における電源電流の電流経路について、薄膜トランジスタ及びそれに接続された発光素子を含む第1の電流経路と、薄膜トランジスタと発光素子とを接続する接続線の途中から分岐した発光素子を含まない第2の電流経路と、が形成されており、補正部は、第1の電流経路における第1の電流値と第2の電流経路における第2の電流値から発光素子のインピーダンスを算出するインピーダンス演算部を有していることから、発光素子のインピーダンスを取得することができ、その結果、より高い精度で発光素子の輝度を制御できる。
本発明の発光装置は、好ましくは、第2の電流経路は、接続線に一方の電極が並列接続され、他方の電極が抵抗を通して接地部に接続されているとともに、インピーダンスが薄膜トランジスタのインピーダンスよりも小さい他の薄膜トランジスタを含んでいることから、薄膜トランジスタのインピーダンスから発光素子のインピーダンスを導き出すことができる。
また本発明の発光装置は、好ましくは、他の薄膜トランジスタは、インピーダンスが薄膜トランジスタのインピーダンスの100分の1以下であることから、薄膜トランジスタのインピーダンスから発光素子のインピーダンスをより正確に導き出すことができる。
図1(a)〜(c)は、本発明の発光装置について実施の形態の1例を示す図であり、(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のA部及び駆動素子の回路図、(c)は(b)の第1の薄膜トランジスタ、第2の薄膜トランジスタ及び発光素子の部位の回路図である。 図2は、図1の発光装置における駆動素子について実施の形態の1例を示す図であり、駆動素子の内部の機能を説明するためのブロック回路図である。 図3は、図1の発光装置における駆動素子について実施の形態の他例を示す図であり、駆動素子の内部の機能を説明するためのブロック回路図である。 図4(a)〜(c)は、本発明の発光装置について実施の形態の他例を示す図であり、(a)は発光装置における発光素子の輝度が経時劣化することを示すグラフ、(b)は発光素子のインピーダンスが経時変化することを示すグラフ、(c)は電源電圧を一定にしたときに発光素子の電源電流が経時変化することを示すグラフである。 図5(a),(b)は、本発明の発光装置について実施の形態の他例を示す図であり、(a)は発光素子の閾値電圧及び電源電圧が経時変化することを示すグラフ、(b)は発光素子の閾値電流及び電源電流が経時変化することを示すグラフである。 図6は、本発明の発光装置における発光素子について実施の形態の他例を示す図であり、発光装置の3つの有機EL素子から成る発光素子及びその周辺部の平面図である。 図7は、発光素子及び周辺部の図6のC1−C2線における断面図である。 図8(a),(b)は、本発明の発光装置について実施の形態の他例を示す図であり、(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のA1部及び駆動素子の回路図である。 図9(a),(b)は、従来の発光装置を示す図であり、(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のB部及び駆動素子の回路図である。
以下、本発明の発光装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明の発光装置の実施の形態における構成部材のうち、本発明の発光装置を説明するための主要部を示している。従って、本発明の発光装置は、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
図1〜図5は本発明の発光装置を示すものであり、図1(a)〜(c)は、本発明の発光装置について実施の形態の1例を示す図であり、(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のA部及び駆動素子の回路図、(c)は(b)の第1のTFT、第2のTFT及び発光素子の部位の回路図である。図1〜図5に示すように、本発明の発光装置は、発光素子3(3a,3b)と、発光素子3a,3bから放射された光を受光する受光素子7a,7bと、発光素子3a,3bの輝度を補正する補正部と、を有しており、補正部は、受光素子7a,7bから得られた情報である検出電流によって発光素子3a,3bの電源電流における閾値電流を抽出する第1の補正と、発光素子3a,3bを流れる電源電流の値から得られた発光素子3a,3bのインピーダンスによって発光素子3a,3bの電源電流を補正する第2の補正と、を行う構成である。この構成により、発光素子3a,3bの発光開始電流値である閾値電流付近であっても輝度を高い精度で制御することが容易になる。
まず本発明の発光装置の基本構成について以下に説明する。本発明の発光装置は、有機LEDプリンタ(OLEDP)ヘッド等に適用されるものであり、ガラス基板等から成る長板状の基板1の一面に、複数の発光素子3の発光(点灯)をそれぞれ駆動する複数の駆動回路ブロック2と、基板1の長手方向に沿って2列(2行または2段)に並べられて配置された複数の発光素子3と、駆動回路ブロック2を構成する配線及び駆動回路ブロック2と発光素子3を接続する配線とが、CVD法等の薄膜形成法によって形成されている。複数の駆動回路ブロック2は、複数の発光素子3の列に沿って列状に並べられており、例えば1つの駆動回路ブロック2が400個の発光素子3を駆動するものであり、その駆動回路ブロック2が20個並べられている。従って、発光素子3は合計で8000個ある。また、基板1の一面の一端部には駆動回路ブロック2及び発光素子3を駆動し発光素子3の発光を制御する駆動素子4が、COG方式等の実装方法によって設置されている。また、基板1の一面における駆動素子4設置部の近傍の縁部に、FPC5が設置されている。このFPC5は、駆動素子4との間で駆動信号、制御信号等を入出力する。
図1(b)に示すように、2列を成す2個の発光素子3a,3bに対して1組の駆動回路が形成されており、1組の駆動回路は、シフトレジスタ10、論理和否定(NOR)回路11、インバータ12、CMOSトランスファゲート素子13a,13b、第1のTFT14a,14b、第2のTFT15a,15bを有している。第1のTFT14a,14bの各ドレイン電極部に
、有機LED素子から成る発光素子3a,3bに接続される接続線がそれぞれ接続されている。また、発光素子3a,3bから放射された光を受光する受光素子7a,7bがある。受光素子7a,7bは、例えばTFTから成り、発光素子3a,3bが発光している時のソース−ドレイン間電流値Isd1と、発光素子3a,3bが非発光である時のソース−ドレイン間電流値(オフリーク電流値)Isd2との差分をとることにより、閾値電流を特定する。受光素子7a,7bには、そのオン、オフを制御するスイッチとしてのTFT6a,6b(以下、第3のTFT6a,6bともいう)が直列的に接続されている。なお、受光素子7a,7bは、TFTに限らず、フォトダイオード等から成っていてもよい。
そして、1組の駆動回路は、以下のように順次動作する。シフトレジスタ10は、クロック端子(CLK)にハイ(「1」)のクロック信号(CLK)が入力されるとともに入力端子(in)にハイの同期信号(Vsync)が入力されたときに、出力端子(Q)からハイの信号が出力されるとともに反転出力端子(XQ)からロー(「0」)の信号が出力される。次に、NOR回路11は、反転出力端子(XQ)からローの信号が入力されるとともに反転イネーブル信号(XENB)であるローの信号が入力されて、ハイの信号を出力する。次に、インバータ12はローの信号を出力する。次に、CMOSトランスファゲート素子13aは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路11からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ12からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA11)を出力する。次に、データ信号(DATA11)が第1のTFT14aのゲート電極部に入力されて第1のTFT14aがオン状態となり、データ信号(DATA11)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子3aに供給される。同時に、CMOSトランスファゲート素子13bは、n型MOSトランジスタのゲート電極部にNOR回路11からのハイの信号が入力されるとともにp型MOSトランジスタのゲート電極部にインバータ12からローの信号が入力されてオン状態となり、データ信号(DATA12)を出力する。次に、データ信号(DATA12)が第1のTFT14bのゲート電極部に入力されて第1のTFT14bがオン状態となり、データ信号(DATA12)に応じた電源電圧(VDD)による電源電流が発光素子3bに供給される。以上の一連の動作が、次段の駆動回路によって順次実行されていき、すべての発光素子3が順次発光していく。
また、本発明の発光装置、補正部は、第1の補正によって補正された閾値電流を発光素子3の最小輝度として決め、第2の補正によって閾値電流以上の電源電流を補正する。この場合、第1の補正によって発光素子3の最小輝度を正確に決めることができ、第2の補正によって最小輝度以上の輝度を正確に補正することができる。その結果、例えば発光素子3の輝度が経時的に低下したとしても、発光素子3の最小輝度以上の輝度を高い精度で制御できる。
例えば、図4(a)に示すように、発光素子3の輝度は経時的に低下する。(b)に示すように、発光素子3のインピーダンスは経時的に大きくなる。(c)に示すように、発光素子3を流れる電源電流は、電源電圧が一定であれば経時的に小さくなる。以上より、例えば、時間が経過しても発光素子3を流れる電源電流を一定として輝度を一定に保つように補正するためには、図5(a)に示すように、発光素子3に印加する電源電圧を大きくするように補正すればよい。図5(a)において、Vth1,Vth2,Vth3は、それぞれタイミングt1,t2,t3における発光開始電圧に相当する閾値電圧である。このように、時間が経過するに伴って、閾値電圧Vth1,Vth2,Vth3と、一定の輝度に対応する電源電圧は大きくなり、また輝度に対応する電源電圧の特性曲線すなわち電源電圧−輝度の特性曲線は、2次関数的な増加曲線を描く。従って、例えば、閾値電圧Vth1,Vth2,Vth3〜及び電源電圧−輝度の特性曲線の補正データを予め記憶しておき、その補正データに基づいて発光素子3の特定の輝度(例えば、最小輝度+ΔL(ΔLは輝度の増分))を一定に保つことができ、あるいは経時変化にかかわらず輝度を高い精度で制御することができる。また、閾値電圧Vth1,Vth2,Vth3〜を特定することができるので、上述したように、発光素子3の閾値電圧に相当する最小輝度から最大輝度までの広い輝度の範囲において、発光素子3の輝度を高い精度で制御できる。なお、初期の閾値電圧Vth1は2V〜5V程度であり、100時間程度の時間が経過したときの閾値電圧Vth2は3V〜6V程度、1000時間程度の時間が経過したときの閾値電圧Vth3は4V〜7V程度である。
また、図5(b)に示すように、発光素子3に印加する電源電流を大きくするように補正することもできる。図5(b)において、Ith1,Ith2,Ith3は、それぞれタイミングt1,t2,t3における発光開始電流に相当する閾値電流である。このように、時間が経過するに伴って、閾値電流Ith1,Ith2,Ith3と、一定の輝度に対応する電源電流は大きくなり、また輝度に対応する電源電流の特性曲線すなわち電源電流−輝度の特性曲線は、1次関数的な増加直線を描く。従って、例えば、閾値電流Ith1,Ith2,Ith3〜及び電源電流−輝度の特性直線の補正データを予め記憶しておき、その補正データに基づいて発光素子3の特定の輝度(例えば、最小輝度+ΔL(ΔLは輝度の増分))を一定に保つことができ、あるいは経時変化にかかわらず輝度を高い精度で制御することができる。また、閾値電流Ith1,Ith2,Ith3〜を特定することができるので、上述したように、発光素子3の閾値電流に相当する最小輝度から最大輝度までの広い輝度の範囲において、発光素子3の輝度を高い精度で制御できる。なお、初期の閾値電流Ith1は0.5μA〜1μA程度であり、100時間程度の時間が経過したときの閾値電流Ith2は0.7μA〜1.1μA程度、1000時間程度の時間が経過したときの閾値電流Ith3は0.9μA〜1.3μA程度である。以上より、本発明の発光装置は好ましくは、第2の補正は、特定の輝度に対応するように電源電流を補正する。この場合、例えば電源電流が経時変化等によって低下したとしても、特定の輝度に対応するように第2の補正によって正確に補正できる。
また本発明の発光装置は、好ましくは、第1のTFT14a,14bと発光素子3a,3bとの間の接続線に一方の電極(例えば、ソース電極)が並列接続され、他方の電極(例えば、ドレイン電極)が抵抗18を通して接地部(VSS)に接続されているとともに、インピーダンスが第1のTFT14a,14bのインピーダンスよりも小さく設定されている他のTFTである第2のTFT15a,15bを有している。この場合、後述するように、第1のTFT14a,14bのインピーダンスから発光素子3a,3bのインピーダンスを導き出すことができる。
図2は、図1の発光装置における駆動素子4について実施の形態の1例であって好適な例を示す図であり、駆動素子4の内部の機能を説明するためのブロック回路図である。図2に示すように、駆動素子4は、発光素子3の駆動の制御を行う制御部41、発光素子3に駆動のための輝度に応じたデータを伝送する駆動部42、補正処理部(電流経路切替部)A(41b)、補正処理部B(43)、補正処理部C(44)を有しており、制御部41は補正制御部41a、補正処理部A(41b)を有している。すなわち、補正部は、補正制御部41a、補正処理部A(41b)、補正処理部B(43)、補正処理部C(44)から成る。
本発明の発光装置は、補正制御部41aによって、発光素子3の経時劣化による輝度低下
を発光素子3に供給される電源電流によって常時または断続的に補正するように制御することができる。以下、発光素子3の経時劣化による輝度低下を電源電流によって断続的に補正する場合について説明する。補正制御部41aは、電源電流を断続的に補正するための
断続期間を漸次長くするように制御することもできる。この場合、発光素子3の経時劣化が発生しやすい初期段階で断続期間を短くして電源電流を補正することにより、高い精度で発光素子3の輝度を制御できる。また、発光素子3の経時劣化による輝度低下を発光素子3に供給される電源電流によって断続的に補正するので、消費電力の増大を抑えることができる。
また、補正処理部A(41b),B(43),C(44)は、補正制御部41aの指示に基づいて補正処理を行う。補正処理部A(41b),B(43)は、受光素子7a,7bの検出
電流によって発光素子3の電源電流における閾値電流を抽出する第1の補正を行う。補正処理部A(41b),C(44)は、発光素子3を流れる電源電流の値から発光素子3のイ
ンピーダンスを測定するとともに、発光素子3のインピーダンスによって発光素子3の電
源電流を補正する第2の補正を行う。
制御部41は、補正の実行、停止の制御、断続期間の長さの制御等を行う補正制御部41aと、電流経路切替部としての補正処理部A(41b)と、を有している。制御部41は、クロック信号(CLK)、同期信号(Vsync)、反転イネーブル信号(XENB)、電源電圧(VDD)を出力する。補正制御部41aは、発光素子3を通常の発光状態とする第1の状態(MODE1)と、発光素子3の輝度の補正を行う第2の状態(MODE2)とのいずれかを選択する。
MODE2が選択されると、以下のように動作する。まず、補正処理部Aが起動されてゲート信号Vnがオンの状態とされて、第3のTFT6aをオンし、受光素子7aを駆動可能とする。ただし、ゲート信号Vmはオフの状態であり、第2のTFT15aはオンされ
ず、スイッチ17は接地部(VSS)に接続されている。そして、補正処理部Bが起動されて、発光素子3aの閾値電流を特定するために、電源電流値を最大値付近から小さい方へ変化させていく。検出電流測定部43aによって、受光素子7aの検出電流が検出されな
くなったときの電源電流値と、受光素子7aの検出電流が検出され始めたときの電源電流値とを測定し、次にそれらの差分を差分演算部43bによって算出する。次に、補正データ
記憶部B(43c)によってその差分から発光素子3aの閾値電流値及び閾値電圧値を抽出
する。次に、抽出された閾値電流値及び閾値電圧値を駆動部42に伝送し、駆動部42は閾値電流値及び閾値電圧値を変更し、以後保持する。これにより、第1の補正が終了する。
次に、第2の補正が実行される。まず、補正処理部Aが起動されずにゲート信号Vmがオフの状態とされて、第1の電流値I1が測定される。補正処理部Cが起動し、電流測定部44aが電源電圧(VDD)による電源電流値を測定する。このときの電源電流値は、第
1のTFT14a及びそれに接続された発光素子3aを含む第1の電流経路IK1における第1の電流値I1である。次に、補正処理部Aが第2のTFT15aをオンするためのゲート信
号Vmを出力するとともに、スイッチ17を電源電圧(VDD2)側が閉状態(導通状態)となるように切り替えるスイッチ信号(SW)を出力し、発光素子3aを非発光状態とし、第1のTFT14aと第2のTFT15aと抵抗18を含むが発光素子3aを含まない第2の電流経路IK2における第2の電流値I2を測定する。
次に、インピーダンス演算部44bにおいて、第1の電流値I1と第2の電流値I2から
発光素子3aのインピーダンスを算出する。第1の電流値I1は、第1のTFT14aのイ
ンピーダンスと発光素子3aのインピーダンスと電源電圧(VDD)の電源電流値によって決まり、第2の電流値I2は、第1のTFT14aのインピーダンスと第2のTFT15aのインピーダンスと抵抗18と電源電圧(VDD)の電源電流値によって決まる。抵抗18は既知であり、第1の電流値I1及び第2の電流値I2は測定によって得られるので、第2のTFT15aのインピーダンスを第1のTFT14aのインピーダンスよりも無視できる程度に非常に小さく設定すれば、発光素子3aのインピーダンスを求めることができる。
次に、発光素子3aのインピーダンスに応じた補正データを記憶している補正データ記憶部C(44c)が、駆動部42に補正データを入力し、駆動部42が補正データ(補正さ
れたDATA11)をデータ線に入力する。駆動部42は、データを補正データに書き換えて、補正データを保持する。なお、このときDATA12はデータ線に入力されておらず、発光素子3b側はオフ状態とされている。これにより、第2の補正が終了する。
次に、DATA11をデータ線に入力せずに発光素子3a側をオフ状態として、上記の補正動作を発光素子3bについて実行する。これにより、発光素子3bも補正データによって駆動される。次に、次段以降の発光素子3についても同様に補正動作を実行し、すべての発光素子3のデータが補正される。
本発明の発光装置は、図1(c)に示すように、発光素子3における電源電流の電流経路について、第1のTFT14a及びそれに接続された発光素子3aを含む第1の電流経路IK1と、第1のTFT14aと発光素子3aとを接続する接続線の途中から分岐した発光素子
3aを含まない第2の電流経路IK2と、が形成されており、補正処理部C(44)は、第
1の電流経路IK1における第1の電流値I1と第2の電流経路IK2における第2の電流値I2から発光素子3aのインピーダンスを算出するインピーダンス演算部44bを有している
ことが好ましい。この場合、発光素子3aのインピーダンスを取得することができ、その結果、より高い精度で発光素子3aの輝度を制御できる。上述したように、第1の電流値I1は、第1のTFT14aのインピーダンスと発光素子3aのインピーダンスと電源電圧
(VDD)の電源電流値によって決まり、第2の電流値I2は、第1のTFT14aのイン
ピーダンスと第2のTFT15aのインピーダンスと抵抗18(図1(b))と電源電圧(
VDD)の電源電流値によって決まる。抵抗18は既知であり、第1の電流値I1及び第2の電流値I2は測定によって得られるので、第2のTFT15aのインピーダンスを第1
のTFT14aのインピーダンスよりも無視できる程度に非常に小さく設定すれば、発光素
子3aのインピーダンスを求めることができる。すなわち、I1=VDD/(R1+ROLED)、I2=VDD/(R1+R2+R)(R1は第1のTFT14aのインピーダンス、ROLEDは発光素子3aのインピーダンス、R2は第2のTFT15aのインピーダンスでR2≒0、Rは抵抗18の値)からROLEDを求めることができる。
本発明の発光装置は、第2のTFT15aは、インピーダンスが第1のTFT14aのインピーダンスの100分の1以下であることが好ましい。この場合、第1のTFT14aのインピーダンスから発光素子3aのインピーダンスをより正確に導き出すことができる。上述したように、第1の電流値I1と第2の電流値I2から発光素子3aのインピーダンスを導き出す際に、第2のTFT15aのインピーダンスを第1のTFT14aのインピーダンスよりも無視できる程度に非常に小さく設定すれば、発光素子3aのインピーダンスを求めることができるからである。例えば、第1のTFT14aのインピーダンスが200kΩ〜300kΩ程度である場合、第2のTFT15aのインピーダンスは2kΩ〜3kΩ程度とする。またこの場合、抵抗18を100kΩとすれば、発光素子3aのインピーダンスは500kΩ程度となる。また、例えばVDD,VDD2はそれぞれ10V、Vm,Vnは10V〜16V、VSSは0Vである。
また本発明の発光装置は、発光素子3が有機EL素子から成る場合に、発光状態の発光素子3について、第1のTFT14aが発光素子3の陽極(アノード電極)側に接続されて
おり、第1のTFT14aと発光素子3aとの間の接続線に第2のTFT15aが並列接続されており、第2の電流値I2を測定するために発光素子3の陰極側をVDD2に接続して非発光状態とすることが好適である。この場合、第1のTFT14a自体に流れる電流を測定
することが容易になる。すなわち、有機EL素子の陰極はAl層を含む場合が多く、そのAl層を用いて第1のTFT14a自体に流れる電流を測定しようとすると、陰極以外の部
位のAl層の影響を受けやすく、それを防ぐことができるからであると考えられる。
本発明の発光装置における補正制御部41aは好ましくは、電源電流を断続的に補正する
ための断続期間を漸次長くするように制御するが、これは発光素子3の経時劣化が使用の初期段階で比較的大きく、その後なだらかに変化していくとともにあるレベルに漸近するように変化が小さくなっていくことに基づく。
また、断続期間は以下のようにして決定することができる。発光素子3の輝度kの変化が、例えば、漸近線k=bに漸近する曲線k=a・exp(−t2)+b(a,bは定数
、tは時間)で表される場合、tはt=(ln(a/(k−b)))1/2で表される。こ
れにより、1回目の断続期間は、輝度kの変化Δk10=k1−k0が所定の値になるときのΔt10=(ln(a/(k1−b)))1/2−(ln(a/(k0−b)))1/2を求めて、断続期間をΔt10とすることができる。なお、k0は発光装置の使用開始時の輝度、k1は最初の断続期間の終了時の輝度である。2回目以降も同様にして、断続期間Δt21,Δt32・・・Δtnn-1(nは1以上の整数)を決定することができる。
また本発明の発光装置は、発光素子3の経時劣化は発光素子3の累積発光時間に対応させることができるので、図3に示すように、補正制御部41aは、発光素子3の累積発光時
間を測定する発光時間測定部41aaの結果に基づいて補正処理を実行させることが好ましい。この場合、発光素子3の累積発光時間と発光素子3の経時劣化による輝度低下との相関に基づく補正データを予め所得しておき、その補正データに基づいて高い精度で、発光素子3に供給される電源電流によって発光素子3の輝度を断続的に補正することができる。発光素子3の累積発光時間は、例えば、発光素子3に供給される電源電流の供給時間としてカウントでき、または発光素子3から放射された光を受光するフォトダイオード等の受光素子を設けておき、受光素子の受光時間としてカウントしてもよい。また、断続期間として、発光素子3の累積発光時間に発光素子3に流した電流値を乗算した値を用いてもよい。この場合、発光素子3の劣化の度合いをより正確に予測することができる。
また本発明の発光装置は、発光素子3の累積発光時間を初期、中期、終期に分けた場合、中期の断続期間は初期の断続期間の1.1倍〜3倍であり、終期の断続期間は初期の断続期間の2倍〜5倍であることが好ましい。この場合、発光素子3の経時劣化が大きい累積発光時間の初期、発光素子3の経時劣化が次に大きい累積発光時間の中期、発光素子3の経時劣化が小さい累積発光時間の後期のそれぞれに対応して断続期間の長さを調整できる。その結果、発光素子3の経時劣化による輝度低下が認識されたり、検出されることを、長期間にわたって抑えることができる。上記した、初期の断続期間の長さ、中期の断続期間の長さ、終期の断続期間の長さのそれぞれの設定は、断続期間の平均値によって行ってもよい。すなわち、中期の断続期間の平均値が初期の断続期間の平均値の1.1倍〜3倍となるようにしてもよく、終期の断続期間の平均値が初期の断続期間の平均値の2倍〜5倍となるようにしてもよい。
また本発明の発光装置は、初期は累積発光時間が0時間から100時間までの期間であり、中期は100時間を超えて1000時間までの期間であり、終期は1000時間を超えた期間であることが好ましい。この場合、発光素子3の経時劣化が大きい累積発光時間の初期、発光素子3の経時劣化が次に大きい累積発光時間の中期、発光素子3の経時劣化が小さい累積発光時間の後期のそれぞれを、有機EL素子等の経時劣化を有する発光素子3に対してより正確に設定できる。その結果、発光素子3の経時劣化による輝度低下が認識されたり、検出されることを、長期間にわたって抑えることができる。なお、上述した駆動素子4における各種の駆動、制御は、例えば駆動素子4内のROM,RAM等に格納されたプログラムソフトによって実行させることができる。
本発明の発光装置の発光素子が有機発光層を有する有機EL素子である場合の、発光素子及びその周辺部の詳細な構成を図6、図7に示す。図6は、発光装置の3つの発光素子及びその周辺部の平面図である。図7は、発光素子及び周辺部の断面図であり、図6のC1−C2線における断面図である。これらの図に示すように、発光装置は、ガラス基板等の透光性を有する基板51上に形成されたTFT(第1のTFT)62と、そのTFT62上にアクリル樹脂等から成る第1の絶縁層57を挟んで積層された有機発光体部71と、その有機発光体部71とTFT62のドレイン電極56bとを導電接続するコンタクトホール72と、を含む発光部を有しており、有機発光体部71は、TFT62の側からコンタクトホール72に電気的に接続された第1の電極層58、有機発光層60、第2の電極層61が積層されており、第1の絶縁層57及び第1の電極層58上に有機発光層60を囲むようにアクリル樹脂等から成る第2の絶縁層59が形成されている構成である。なお、図6、図7において、第2のTFTは図示していないが、発光素子70とTFT62との間の接続線に並列接続される。
また、図6、図7において、70は第1の電極層58及び第2の電極層61によって有機発光層60に直接的に電界が印加されて発光する発光領域としての発光素子である。また、第1の電極層58が陽極であってインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide :ITO)等の透明電極から成り、第2の電極層61が陰極であってAl,Al−Li合金,Mg−Ag合金(Agを5〜10重量%程度含む),Mg−Cu合金(Cuを5〜10重量%程度含む)等の仕事関数(約4.0V以下)が低く遮光性、光反射性を有する金属、合金から成る場合、有機発光層60で発光した光は基板51側から出射される。即ち、発光方向(図7の白抜き矢印で示す方向)が下方(底部方向)であるボトムエミッション型の発光装置となる。一方、第1の電極層58が陰極であって上記の遮光性、光反射性を有する金属またはそれらの合金から成り、第2の電極層61が陽極であって透明電極から成る場合、発光方向が上方(頂部方向)であるトップエミッション型の発光装置となる。
TFT62は、基板51側から、ゲート電極52、ゲート絶縁膜53、チャネル部としてのポリシリコン膜54及びポリシリコンに不純物をチャネル部よりも高濃度に含有させた高濃度不純物領域54aから成る半導体膜、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)等から成る絶縁膜55、ソース電極56a及びドレイン電極56bが、順次積層された
構成を有している。なお、図6において、56aLはソース電極56aにソース信号(電源電流
)を伝達するソース信号線(電源線)であり、52Lはゲート電極52にゲート信号を伝達
するゲート信号線である。各ゲート信号線52Lに入力するゲート信号の電圧を制御するこ
とにより、各有機発光層60の発光強度を制御することができる。このようにソース信号線56aLは電源線として機能する。
第1の電極層58または第2の電極層61に用いられる透明電極は、インジウム錫酸化物(ITO)、インイジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、リン,ボロンを含むシリコン(Si)等の導電性材料であって透光性を有する材料から成る。また第1の絶縁層57及び第2の絶縁層59は、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA樹脂)、ポリシロキサン、ポリシラザン等を用いることができる。ポリシロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合によって骨格構造が形成されたものである。ポリシロキサンは、その酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基、例えばアルキル基、芳香族炭化水素基を有するもの、また酸素の置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基を有するものであってもよい。ポリシラザンは、珪素(Si)と窒素(N)の結合を有するポリマー材料を出発原料として形成される材料である。絶縁層として上記の有機材料から成るものを用いると、表面の平坦性を高めることができ、平坦化層とすることが容易である。
TFT62は、基板51側から、ゲート電極52、ゲート絶縁膜53、チャネル部としてのポリシリコン膜54及びポリシリコンに不純物をチャネル部よりも高濃度に含有させた高濃度不純物領域54aから成る半導体膜、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)等から成る絶縁膜55、ソース電極56a及びドレイン電極56bが、順次積層された
構成を有している。TFT62を構成する半導体は低温ポリシリコン(Low-Temperature
Poly Silicon:LTPS)、アモルファスシリコン、インジウムガリウム亜鉛酸化物
(Indium Gallium Zinc Oxide:IGZO)等の酸化物半導体などから成っていてもよい。図7に示すTFT62はゲート電極52がチャネル部の下方にあるボトムゲート型のTFTであるが、ゲート電極52がチャネル部の上方にあるトップゲート型のTFTであ
ってもよく、ゲート電極52がチャネル部の下方及び上方の双方にあるダブルゲート型のTFTであってもよい。トップゲート型のTFT、ダブルゲート型のTFTは、一般に遮光性を有する金属等から成るゲート電極52がチャネル部の上方にあるので、チャネル部に光が入り込むことをより抑えることができ好適である。
有機発光層60は、バックライトが不要な自発光型の有機電界発光性を有するものである。例えば有機発光層60は数100nm程度の厚みを有する積層構造体であり、陰極側から電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極を積層したものである。電極層間の各層の厚みは数nm〜数100nm程度である。電極層を含む厚みは1μm程度である。有機発光層60の発光層の発光材料としては、低分子蛍光色素材料、蛍光性の高分子材料、金属錯体材料等が採用し得る。
発光層に正孔を注入しやすくするためには発光層のイオン化エネルギーが6.0eV以下であることがよく、発光層に電子を注入しやすくするためには発光層の電子親和力が2.5eV以上であることがよい。発光層の発光材料としては、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体(BeBq)、トリ(ジベンゾイルメチル)フェナントロリンユーロピウム錯体(Eu(DBM)3(Phen))、ジトルイルビニルビフェニル(DTVBi)などがある。高分子材料としては、蛍光性のポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアルキルチオフェン等のπ共役高分子があり、これらの高分子材料は置換基の導入によってキャリア輸送性を制御することができる。電子輸送層の材料としては、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体等が採用し得る。正孔輸送層の材料としては、1,1-ビス(4-ジ-p-アミノフェニル)シクロヘキサン、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体等が採用し得る。正孔輸送層に正孔を注入する正孔注入層の材料としては、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、芳香族ジアミン等が採用し得る。
第1の電極層58、有機発光層60、第2の電極層61は、蒸着法、スパッタリング法等の薄膜形成法等によって形成され得る。例えば、第1の電極層58はスパッタリング法等によって形成でき、有機発光層60は真空蒸着法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法等によって形成でき、第2の電極層61は電子ビーム(Electron Beam:EB)蒸着法、スパッタリング法等によって形成できる。
図8(a),(b)は、本発明の発光装置について実施の形態の他例を示す図であり、(a)は発光装置の全体の平面図、(b)は(a)のA1部及び駆動素子の回路図である。図8に示すように、4列を成す4個の発光素子3a,3b,3c,3dに対して1組の駆動回路が形成されていてもよい。この場合、1組の駆動回路は、シフトレジスタ10、論理和否定(NOR)回路11、インバータ12、CMOSトランスファゲート素子13a,13b,13c,13d、第1のTFT14a,14b,14c,14d、第2のTFT15a,15b,15c,15d、受光素子7a,7b,7c,7d、第3のTFT6a,6b,6c,7dを有している。また、発光素子3は2m列(mは1以上の整数)を成すように配置されていてもよい。
また、上記実施の形態の例においては、受光素子7a,7bを発光素子3a,3bの閾値電流を抽出するために用いたが、発光素子3a,3bの輝度を制御するために用いることもできる。例えば、発光素子3a,3bのインピーダンスは発光素子3a,3bの温度が変わると変わる傾向があるので、発光素子3a,3bの温度が所定の基準値(例えば、室温付近の25℃)からある程度(例えば、5℃程度)変化した場合、受光素子7a,7bから得られた輝度の情報によって発光素子3a,3bの電源電流を補正することができる。あるいは、発光素子3a,3bのインピーダンスによる電源電流の補正と、受光素子7a,7bから得られた輝度の情報による電源電流の補正と、を組み合わせることもでき
る。
なお、本発明の発光装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良が施されていてもよい。
本発明の発光装置は、図1(a)に示すように長板状の基板1の長手方向に複数の発光素子を列状に並ぶように形成することによって有機LEDプリンタ(OLEDP)ヘッドとして構成し得る。また、基板1が矩形状等の形状であり、複数の発光素子3を2次元的(平面的に)並ぶように形成することによって有機EL表示装置として構成し得る。さらに本発明の発光装置及び発光装置を用いた有機EL表示装置は、各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、照明装置、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、自動車等の乗り物の計器用インジケータ、インスツルメントパネル、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、医療用表示装置、デジタル表示式腕時計、スマートウォッチなどがある。
1 基板
2 駆動回路ブロック
3、3a、3b 発光素子
4 駆動素子
5 FPC
6a、6b 第3のTFT
7a、7b 受光素子
14a、14b 第1のTFT
15a、15b 第2のTFT
18 抵抗
41a 補正制御部
41b 補正処理部A(電流経路切替部)
42 駆動部
43 補正処理部B
43a 検出電流測定部
43b 差分演算部
43c 補正データ記憶部B
44 補正処理部C
44a 電流測定部
44b インピーダンス演算部
44c 補正データ記憶部C

Claims (5)

  1. 発光素子と、前記発光素子から放射された光を受光する受光素子と、前記発光素子の輝度を補正する補正部と、を有しており、
    前記補正部は、前記受光素子から得られた情報によって前記発光素子の電源電流における閾値電流を抽出する第1の補正と、前記発光素子を流れる前記電源電流の値から得られた前記発光素子のインピーダンスによって前記発光素子の前記電源電流を補正する第2の補正と、を行う発光装置であって、
    前記補正部は、前記第1の補正によって前記閾値電流を前記発光素子の最小輝度として決め、前記第2の補正によって前記閾値電流以上の前記電源電流を補正する発光装置
  2. 前記第2の補正は、特定の輝度に対応するように前記電源電流を補正する請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光素子における前記電源電流の電流経路について、薄膜トランジスタ及びそれに接続された前記発光素子を含む第1の電流経路と、前記薄膜トランジスタと前記発光素子とを接続する接続線の途中から分岐した前記発光素子を含まない第2の電流経路と、が形成されており、
    前記補正部は、前記第1の電流経路における第1の電流値と前記第2の電流経路における第2の電流値から前記発光素子のインピーダンスを算出するインピーダンス演算部を有している請求項1または請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記第2の電流経路は、前記接続線に一方の電極が並列接続され、他方の電極が抵抗を通して接地部に接続されているとともに、インピーダンスが前記薄膜トランジスタのインピーダンスよりも小さい他の薄膜トランジスタを含んでいる請求項に記載の発光装置。
  5. 前記他の薄膜トランジスタは、インピーダンスが前記薄膜トランジスタのインピーダンスの100分の1以下である請求項に記載の発光装置。
JP2015131200A 2015-06-30 2015-06-30 発光装置 Active JP6533107B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131200A JP6533107B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131200A JP6533107B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017013315A JP2017013315A (ja) 2017-01-19
JP6533107B2 true JP6533107B2 (ja) 2019-06-19

Family

ID=57828668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131200A Active JP6533107B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6533107B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3887826B2 (ja) * 1997-03-12 2007-02-28 セイコーエプソン株式会社 表示装置及び電子機器
JP4095614B2 (ja) * 2004-02-12 2008-06-04 キヤノン株式会社 駆動回路及びそれを用いた画像形成装置
JP2006056010A (ja) * 2004-08-17 2006-03-02 Seiko Epson Corp ラインヘッドの駆動装置及び方法、ラインヘッド、並びに画像形成装置
JP2006133307A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Matsushita Toshiba Picture Display Co Ltd 自発光型表示装置
JP2007290329A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 受光素子、発光装置、光ヘッド、及び画像形成装置
US20070290958A1 (en) * 2006-06-16 2007-12-20 Eastman Kodak Company Method and apparatus for averaged luminance and uniformity correction in an amoled display
WO2015011159A1 (en) * 2013-07-24 2015-01-29 Koninklijke Philips N.V. Electronic control of oleds with distributed electrodes

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017013315A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11605322B2 (en) Pixel circuit, driving method thereof and display device
US11302760B2 (en) Array substrate and fabrication method thereof, and display device
US9959812B2 (en) Method of compensating AMOLED power supply voltage drop
US10089933B2 (en) Threshold voltage detection method of OLED drive thin film transistor
US10102784B2 (en) K value detection method of OLED drive thin film transistor
TWI239497B (en) Circuit, electro-luminance display apparatus, optoelectronic apparatus, electronic machine, control method of supplying current for the organic electro-luminance pixel, and method of driving circuit
CN110100275B (zh) 像素阵列基板及其驱动方法、显示面板、显示装置
JP2003195810A (ja) 駆動回路、駆動装置及び光学要素の駆動方法
US20220028339A1 (en) Organic light-emitting diode display panel and driving method thereof
US9954202B2 (en) Method for manufacturing electroluminescent display device
US10074309B2 (en) AMOLED pixel driving circuit and AMOLED pixel driving method
CN115831047A (zh) 一种像素电路及其驱动方法、显示基板及显示装置
JP6506103B2 (ja) 発光装置
JP6533107B2 (ja) 発光装置
JP6711667B2 (ja) 発光装置
JP6737637B2 (ja) 発光装置
JP6787849B2 (ja) 発光装置
JP6791654B2 (ja) 光プリンタヘッド
JP6612601B2 (ja) 発光装置
JP6825989B2 (ja) 発光装置
JP6888954B2 (ja) 発光装置
JP6691023B2 (ja) 発光装置
JP6747847B2 (ja) 発光装置
JP6585498B2 (ja) 発光装置
JP2017084698A (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180615

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20181017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6533107

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150