JP6532708B2 - コンクリート用ボイド部材 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートスラブ等のコンクリート構造体に埋設されるボイド部材に関し、特にボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリートに埋設されるボイド部材に関する。
コンクリートスラブなどのコンクリート構造体において、コンクリートの打設量を減らして軽量化するために、ボイド部材を埋設することが知られている。
例えば、特許文献1のボイド部材は、コンクリートの打設時の流動圧で位置ずれしないように、ボイド保持鉄筋によって上下両側から挟み付けられている。ボイド部材の上面又は下面には嵌合溝部が形成されており、この嵌合溝部にボイド保持鉄筋が嵌め込まれている。
特許第5259465号公報([0074]、図26)
前掲特許文献1においては、嵌合溝部とボイド保持鉄筋とを1対1に正確に位置合わせして嵌め合わせるようになっている。そのため、ボイド保持鉄筋の配筋作業やボイド部材の設置作業が煩雑である。その一方で、ボイド部材を、コンクリートの打設時の流動圧等に耐え得る程度に保持する必要もある。
本発明は、前記事情に鑑み、ボイド保持鉄筋の配筋作業やボイド部材の設置作業を容易化するとともに、ボイド部材の保持性を確保することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明は、ボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリート構造体に埋設されるボイド部材であって、
上面及び下面の少なくとも一方の面には、並列された3つ以上の溝又は単一の溝が形成され、かつ前記溝の配置領域が、前記一方の面における前記溝の幅に沿う方向の中央部及び両側部にわたっていることを特徴とする。
このボイド部材によれば、例えば上下に対をなすボイド保持鉄筋によって上下から挟まれるようにして保持される。ボイド部材の上面の溝と上側のボイド保持鉄筋とは、互いに平行であってもよく、交差(又は直交)していてもよい。同様に、ボイド部材の下面の溝と下側のボイド保持鉄筋とは、互いに平行であってもよく、交差(又は直交)していてもよい。平行にすると、ボイド保持鉄筋を3つ以上の溝の何れかに収容したり、幅広な単一の溝の幅方向の何れかの箇所に収容したりすることができる。交差させると、ボイド保持鉄筋の複数箇所をボイド部材の前記一方の面における隣接する溝どうし間の部分や溝の両縁に押し当てたり、ボイド保持鉄筋のリブを溝に係止させたりできる。これによって、ボイド保持鉄筋の配筋作業やボイド部材の設置作業を容易化するとともに保持性を確保することができる。
前記一方の面のほぼ全域に前記3つ以上の溝が並列されており、各溝が断面V字状に形成され、かつ隣接する溝どうしの間に断面三角形状の凸条が形成されていることが好ましい。これによって、ボイド部材とボイド保持鉄筋とを厳密に位置合わせしなくても、ボイド保持鉄筋を任意の溝に嵌め込んだり、ボイド保持鉄筋を複数の凸条と交差させてこれら凸条の各々に押し当てたりすることができる。ボイド保持鉄筋を2本以上並べて配筋する場合でも、これらボイド保持鉄筋どうしの間隔を厳密に設定する必要がない。したがって、ボイド部材の設置作業やボイド保持鉄筋の配筋作業を容易化したり、保持性を確保したりすることができる。
なお、「前記一方の面のほぼ全域」とは、前記一方の面の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の領域を言う(以下同意)。
前記一方の面には前記単一の溝が形成され、かつ前記単一の溝が、前記一方の面のほぼ全域を占める一対の斜面を有し、これら斜面が、互いに近づくにしたがって上下方向に凹むように傾斜するとともに前記一方の面の中央部において互いに交差していてもよい。これによって、ボイド部材とボイド保持鉄筋とを厳密に位置合わせしなくても、ボイド保持鉄筋を溝に簡単に収容できる。ボイド保持鉄筋を2本以上並べて配筋する場合でも、これらボイド保持鉄筋どうしの間隔を厳密に設定する必要がない。したがって、ボイド部材の設置作業やボイド保持鉄筋の配筋作業を容易化できる。
前記溝が前記上面及び前記下面の双方に形成されており、かつ前記上面の溝の延び方向と前記下面の溝の延び方向とが、互いに直交していることが好ましい。これに合わせて、上側のボイド保持鉄筋の架渡方向と、下側のボイド保持鉄筋の架渡方向とを互いに直交させることが好ましい。そうすることによって、ボイド部材の変位が上面側と下面側とで互いに直交する方向に規制されるようにできる。また、ボイド部材の揺動も規制できる。これによって、ボイド部材をより安定的に保持できる。
前記上面及び下面のうち他方の面には、平行な2つの幅広溝、又は井形状をなす4つの幅広溝が形成されており、前記各幅広溝の幅が、前記ボイド保持鉄筋の直径よりも大きくてもよい。
これによって、前記他方の面に対応するボイド保持鉄筋がフリー状態であっても、該ボイド保持鉄筋を前記幅広溝に容易かつ確実に嵌めることができる。
前記平行な2つの幅広溝は、前記一方の面の溝の延び方向に対して直交していることが好ましい。
前記一方の面のほぼ全域に前記3つ以上の溝が並列されており、かつ前記3つ以上の溝のうち、互いに離れた2つの主溝が、残りの予備溝よりも幅広であることが好ましい。
これによって、前記一方の面に対応するボイド保持鉄筋を原則として前記主溝に嵌めるようにすることができ、ボイド保持鉄筋を嵌めるべき溝の選択を容易化できる。
前記一方の面における隣接する溝どうしの間隔が、前記各主溝を含む両側部では狭く、前記両側部間の中央部では広く、前記中央部の隣接する溝どうしの間には平坦部が形成されていることが好ましい。
主溝を含む両側部の溝間隔を狭くすることによって、前記一方の面に対応するボイド保持鉄筋が前記主溝に対して少しずれていたときは、前記主溝の近くの予備溝に確実に嵌めることができる。また、主溝から遠い中央部には平坦部を設けることによって、隣接する溝間の尖り部すなわち欠損し易い部分を少なくでき、ボイド部材の欠損を抑制又は防止することができる。
本発明によれば、ボイド保持鉄筋の配筋作業やボイド部材の設置作業を容易化できるとともに、ボイド部材の保持性を確保できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示し、図1(a)は、図2(a)のIa−Ia線に沿う平面図であり、図1(b)は、図2(a)のIb−Ib線に沿う底面図である。 図2(a)は、図1(a)のIIa−IIa線に沿う、前記ボイド部材の正面図である。図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿う、前記ボイド部材の側面図である。 図3は、前記ボイド部材の斜視図であり、ボイド保持鉄筋を仮想線にて示す。 図4は、前記ボイド部材を含むコンクリートスラブを示し、図5のIV−IV線に沿う平面断面図である。 図5は、図4のV−V線に沿う、前記コンクリートスラブの正面断面図である。 図6は、図4のVI−VI線に沿う、前記コンクリートスラブの側面断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示す斜視図であり、ボイド保持鉄筋を仮想線にて示す。 図8は、本発明の第3実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示す斜視図であり、ボイド保持鉄筋を仮想線にて示す。 図9は、前記第3実施形態における上側ボイド保持鉄筋とボイド部材との当接部を拡大して示す断面図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示す斜視図であり、ボイド保持鉄筋を仮想線にて示す。 図11は、本発明の第5実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は、底面図である。 図12(a)は、図11(a)のXIIa−XIIa線に沿う、前記第5実施形態のボイド部材の正面図である。図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線に沿う、前記第5実施形態のボイド部材の側面図である。 図13は、本発明の第6実施形態に係るコンクリート用ボイド部材を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は、底面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態を示したものである。図4〜図6に示すように、コンクリートスラブ1(コンクリート構造体)は、建物の例えば床等として用いられるものであり、コンクリート2と、鉄筋組立体4とを備えている。コンクリート2に鉄筋組立体4が埋設されている。鉄筋組立体4は、主筋40と、配力筋41とを含む。主筋40と配力筋41とは互いに直交する方向へ延びている。ここで、主筋40に沿う方向を「A方向」とし、配力筋41に沿う方向を「B方向」とする。図5及び図6に示すように、主筋40及び配力筋41は、それぞれ上下(コンクリートスラブ1の厚さ方向)に2段になっている。
図4に示すように、鉄筋組立体4は、さらに上側ボイド保持鉄筋42及び下側ボイド保持鉄筋43を含む。図5及び図6に示すように、上側ボイド保持鉄筋42は、鉄筋組立体4の上段に配置されて、上段の主筋40と平行にA方向に延びるとともに、配力筋41と交差している。下側ボイド保持鉄筋43は、鉄筋組立体4の下段に配置されて、下段の主筋40と交差するとともに、配力筋41と平行にB方向に延びている。したがって、上側ボイド保持鉄筋42の架渡方向と下側ボイド保持鉄筋43の架渡方向とは互いに交差(直交)している。
さらに、コンクリート2には、減量化のために、複数のコンクリート用ボイド部材3(以下「ボイド部材3」と称す)が埋設されている。ボイド部材3は、コンクリート2よりも軽比重の材質にて構成され、好ましくは発泡スチロール等の発泡樹脂にて構成されている。図4〜図6に示すように、複数のボイド部材3は、コンクリートスラブ1内において縦横に並べられて配置されている。隣接するボイド部材3,3どうしの間に、前記鉄筋組立体4の主筋40及び配力筋41が配筋されている。さらに、各ボイド部材3が、2本の上側ボイド保持鉄筋42,42と2本の下側ボイド保持鉄筋43,43とによって上下から挟持されている。
図1〜図3に示すように、各ボイド部材3は、水平断面がほぼ正方形(四角形)で、水平方向の一辺の長さが高さよりも大きいブロック状になっている。ボイド部材3の対向する2つの水平な辺はB方向に沿い、これと直交する他の2つの水平な辺はA方向に沿っている。また、ボイド部材3の上下方向の中間部よりも上側の部分及び下側の部分はそれぞれ四角錐台状になっている。したがって、ボイド部材3の外面は、上下方向の中間部における4つの側面11と、その上側の4つの上側傾斜面12と、下側の4つの下側傾斜面13と、上面20及び下面30を含む。さらに、ボイド部材3の上面20及び下面30の四隅の角部が、それぞれ斜めにカットされ、三角形の切欠部20e,30eが形成されている。
図5及び図6に示すように、ボイド部材3の上面20は、上段の主筋40及び配力筋41とほぼ同じ高さに位置している。また、ボイド部材3の下面30は、下段の主筋40及び配力筋41とほぼ同じ高さに位置している。ボイド部材3の上下の側面部分をそれぞれ斜めにカットして傾斜面12,13とすることによって、主筋40及び配力筋41の配置スペースを容易に確保することができる。
ボイド部材3の水平方向の一辺の長さは、例えば100mm〜500mm程度であり、好ましくは300mm程度である。また、ボイド部材3の上下方向の寸法(高さ)は、例えば50mm〜300mm程度であり。好ましくは150mm程度である。
図1(a)に示すように、ボイド部材3の上面20(一方の面)には、3本以上の溝21,21…が形成されている。図においては、溝21の数は9本であるが、3〜8本であってもよく、10本以上であってもよい。図3及び図4に示すように、各溝21は、A方向に延びることで、上側ボイド保持鉄筋42の架渡方向に沿っている。図1(a)に示すように、溝21,21…は、上面20におけるB方向の一端近くから他端近くまで、上面20のほぼ全域にわたって連続して等間隔で並べられている。したがって、溝21の配置領域は、上面20のB方向(溝21の幅に沿う方向)の中央部及び両端部にわたっている。
図2(a)に示すように、溝21の延び方向(A方向)と直交する断面は、V字状になっている。図1(a)に示すように、各溝21の両端部は、A方向の両側(図1(a)において上下)の上側傾斜面12にそれぞれ達している。隣接する溝21どうしの間には、凸条23が形成されている。凸条23は、三角形状の断面をなしてA方向に延びている。溝21と凸条23とが、B方向に交互に並んでいる。したがって、上面20のA方向と直交する断面が三角波形状になっている。また、A方向の両側の上側傾斜面12の上縁が三角波形状になっている。
溝21のピッチは、例えば10mm〜30mm程度であり、好ましくは10mm程度である。また、溝21の深さは、例えば3mm〜20mm程度であり、好ましくは5mm程度である。
図1(b)に示すように、ボイド部材3の下面30(他方の面)には、3本以上の溝31,31…が形成されている。図においては、溝31の数は9本であるが、3〜8本であってもよく、10本以上であってもよい。各溝31は、B方向に延びることで、下側ボイド保持鉄筋43の架渡方向に沿っている。したがって、上側の溝21の延び方向と、下側の溝31の延び方向とは、互いに直交している。さらに、溝31,31…は、下面30におけるA方向の一端近くから他端近くまで、下面30のほぼ全域にわたって連続して等間隔で並べられている。したがって、溝31の配置領域は、下面30のA方向(溝31の幅に沿う方向)の中央部及び両端部にわたっている。
図2(b)に示すように、溝31の延び方向(B方向)と直交する断面は、V字状になっている。図1(b)に示すように、溝31の両端部は、B方向の両側(図1(b)において左右)の下側傾斜面13にそれぞれ達している。隣接する溝31どうしの間には、凸条33が形成されている。凸条33は、三角形状の断面をなしてB方向に延びている。溝31と凸条33とが、A方向に交互に並んでいる。したがって、下面30のB方向と直交する断面が三角波形状になっている。また、B方向の両側の下側傾斜面13の上縁が三角波形状になっている。
溝31の並列ピッチは、例えば10mm〜30mm程度であり、好ましくは10mm程度である。また、溝31の深さは、例えば3mm〜20mm程度であり、好ましくは5mm程度である。
図5及び図6に示すように、各ボイド部材3の上面20における任意の2つの溝21,21に2本の上側ボイド保持鉄筋42,42がそれぞれ嵌り込んで係止されている。また、各ボイド部材3の下面30の任意の2つの溝31,31に2本の下側ボイド保持鉄筋43,43がそれぞれ嵌り込んで係止されている。ボイド部材3における残余の溝21,31には、コンクリート2が入り込んでいる。
なお、前記2本の上側ボイド保持鉄筋42,42どうしの間隔は、溝21の並列ピッチの整数倍であることが好ましい。また、前記2本の下側ボイド保持鉄筋43,43どうしの間隔は、溝31の並列ピッチの整数倍であることが好ましい。
鉄筋組立体4を構築し、ひいてはコンクリートスラブ1を構築する際は、下側ボイド保持鉄筋43をB方向に架け渡して下段の主筋40に支持させる。そして、各ボイド部材3を2本の下側ボイド保持鉄筋43,43上に載せる。そうすることで、ボイド部材3の何れか2つの溝31,31に2本の下側ボイド保持鉄筋43,43を簡単に嵌め込むことができる。特定の溝31と下側ボイド保持鉄筋43とを厳密に位置合わせする必要はない。また、2本の下側ボイド保持鉄筋43,43どうしの間隔を厳密に設定する必要もない。
また、上側ボイド保持鉄筋42をA方向に架け渡して上段の配力筋41に支持させる。そして、各ボイド部材3の上面20に2本の上側ボイド保持鉄筋42,42を押し当てる。そうすることで、ボイド部材3の何れか2つの溝21,21に2本の上側ボイド保持鉄筋42,42を簡単に嵌め込むことができる。特定の溝21と上側ボイド保持鉄筋42とを厳密に位置決めする必要はない。また、2本の上側ボイド保持鉄筋42,42どうしの間隔を厳密に設定する必要もない。
これによって、ボイド部材3を鉄筋組立体4に簡単に組み込むことができる。上下のボイド保持鉄筋42,43によってボイド部材3を上下から挟み付けることによって、ボイド部材3を鉄筋組立体4の内部に安定的に配置することができる。しかも、上面20の溝21と下面30の溝31とが互いに直交し、上側ボイド保持鉄筋42と下側ボイド保持鉄筋43とが互いに直交しているため、ボイド部材3を一層安定的に保持できる。すなわち、上側ボイド保持鉄筋42と溝21の内面との当たりによって、ボイド部材3のB方向への平行移動(位置ずれ)及びB方向に沿う軸まわりの回転(揺動)を阻止できる。また、下側ボイド保持鉄筋43と溝31の内面との当たりによって、ボイド部材3のA方向への平行移動(位置ずれ)及びA方向に沿う軸まわりの回転(揺動)を阻止できる。
続いて、前記鉄筋組立体4の周りに型枠を設置し、コンクリート2を打設する。このとき、ボイド部材3にコンクリート2の流動圧力が作用しても、ボイド保持鉄筋42,43によってボイド部材3を上下から挟持しておくことにより、ボイド部材3の位置ずれが起きるのを防止できる。しかも、溝21,31どうしが互いに直交する方向へ向けられ、かつボイド保持鉄筋42,43どうしが互いに直交する方向へ向けられているため、ボイド部材3の位置ずれや揺動を確実に防止することができる。
たとえ、ボイド部材3がB方向に位置ずれしたとしても、上側ボイド保持鉄筋42を隣の溝21に係止できる。また、ボイド部材3がA方向に位置ずれしたとしても、下側ボイド保持鉄筋43を隣の溝31に係止できる。したがって、ボイド部材3が大きく位置ずれするのを防止できる。
このようにして、鉄筋組立体4及びボイド部材3がコンクリート2に埋設され、コンクリートスラブ1が作製される。ボイド部材3を埋め込むことによって、コンクリート2の打設量を減量できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
図7は、本発明の第2実施形態に係るボイド部材3Aを示したものである。この実施形態のボイド部材3Aは、上面20に幅広の単一の溝22が形成され、かつ下面30に幅広の単一の溝32が形成されている。
上面20の溝22は、幅方向をB方向に向けてA方向に延び、上面20のほぼ全域にわたって設けられている。したがって、溝22の配置領域が、上面20のB方向(溝22の幅に沿う方向)の中央部及び両側部にわたっている。溝22は、一対の斜面22a,22aを有し、断面V字状になっている。これら斜面22a,22aは、上面20のB方向の両側に配置されるとともに互いに近づくにしたがって下方へ凹むように傾けられ、上面20のB方向の中央部において交差している。斜面22a,22aどうしの交差部22cはA方向へ直線状に延びている。また、各斜面22aのB方向の外端部(交差部22cとは反対側の端部)は、上面20のB方向の端部に達し、かつ各斜面22aのA方向の両端部は、A方向の両側の傾斜面12に達している。したがって、上面20のほぼ全域が、溝22の一対の斜面22a,22aによって占められている。
また、下面30の溝32は、幅方向をA方向に向けてB方向に延び、下面30のほぼ全域にわたって設けられている。したがって、溝32の配置領域が、下面30のA方向(溝32の幅に沿う方向)の中央部及び両側部にわたっている。溝32は、一対の斜面32a,32aを有し、断面V字状になっている。これら斜面32a,32aは、下面30のA方向の両側に配置されるとともに互いに近づくにしたがって上方へ凹むように傾けられ、下面30のA方向の中央部において交差している。斜面32a,32aどうしの交差部32cはB方向へ直線状に延びている。また、各斜面32aのA方向の外端部(交差部32cとは反対側の端部)は、下面30のA方向の端部に達し、かつ各斜面32aのB方向の両端部は、B方向の両側の傾斜面13に達している。したがって、下面30のほぼ全域が、溝32の一対の斜面32a,32aによって占められている。
第1実施形態と同様に、上側の溝22の延び方向と、下側の溝32の延び方向とは、互いに直交している。
2本の上側ボイド保持鉄筋42,42が溝22に収容されている。これら上側ボイド保持鉄筋42の架渡方向は、溝22の延び方向(A方向)と平行である。一方の上側ボイド保持鉄筋42が一方の斜面22aに当たり、他方の上側ボイド保持鉄筋42が他方の斜面22aに当たっている。
また、2本の下側ボイド保持鉄筋43,43が溝32に収容されている。これら下側ボイド保持鉄筋43の架渡方向は、溝32の延び方向(B方向)と平行である。一方の下側ボイド保持鉄筋43が一方の斜面32aに当たり、他方の下側ボイド保持鉄筋43が他方の斜面32aに当たっている。
第2実施形態においては、溝22が幅広であるため、ボイド部材3Aを2本の上側ボイド保持鉄筋42,42に下方から宛がうことで、溝22に上側ボイド保持鉄筋42,42を簡単に収容できる。また、溝22がV字状であるため、2本の上側ボイド保持鉄筋42,42どうしの間隔の広狭にかかわらず、これら上側ボイド保持鉄筋42,42を、対応する斜面22aに確実に当接できる。そして、これら上側ボイド保持鉄筋42,42と斜面22a,22aとの当たりによって、ボイド部材3AのB方向への位置ずれを阻止することができる。
同様に、溝32が幅広であるため、ボイド部材3Aを2本の下側ボイド保持鉄筋43,43上に載せることで、溝32に下側ボイド保持鉄筋43,43を簡単に収容できる。また、溝32がV字状であるため、2本の下側ボイド保持鉄筋43,43どうしの間隔の広狭にかかわらず、これら下側ボイド保持鉄筋43,43を、対応する斜面32aに確実に当接できる。そして、これら下側ボイド保持鉄筋43,43と斜面32a,32aとの当たりによって、ボイド部材3AのA方向への位置ずれを阻止することができる。
さらに、上下のボイド保持鉄筋42,43の架渡方向が互いに直交(交差)することによって、ボイド部材3Aの揺動を阻止することができる。
これによって、ボイド保持鉄筋42,43の配筋作業やボイド部材3Aの設置作業を容易化できるとともに、ボイド部材3Aの保持性を確保できる。
図8及び図9は、本発明の第3実施形態を示したものである。図8に示すように、第3実施形態では、ボイド部材3が、第1実施形態に対して鉛直線まわりに90°回転された方向へ向けられている。したがって、上面20の溝21は、それぞれB方向へ延びるとともに、互いにA方向に並べられている。また、下面30の溝31は、それぞれA方向へ延びるとともに、互いにB方向に並べられている。
上側ボイド保持鉄筋42が、A方向へ架け渡されることによって溝21,21…と交差している。図9に示すように、上側ボイド保持鉄筋42は、長手方向の複数箇所において凸条23,23…に押し当てられている。また、上側ボイド保持鉄筋42の外周にはリブ42bが形成されており、このリブ42bが、溝21に入り込んだり、溝21の縁に引っ掛かったり、或いは凸条23に押し当てられたりしている。
なお、リブ42bは、螺旋状になっていてもよい(下側ボイド保持鉄筋43においても同様)。
また、図8に示すように、下側ボイド保持鉄筋43が、B方向へ架け渡されることによって溝31,31…と交差している。詳細な図示は省略するが、下側ボイド保持鉄筋43は、長手方向の複数箇所において凸条33,33…に押し当てられている。また、下側ボイド保持鉄筋43の外周のリブが、溝31に入り込んだり、溝31の縁に引っ掛かったり、或いは凸条33に押し当てられたりしている。
第3実施形態においては、溝21の並列方向が上側ボイド保持鉄筋42の架渡方向に沿っているため、ボイド部材3と上側ボイド保持鉄筋42とを厳密に位置合わせしなくても、ボイド部材3の上面をボイド保持鉄筋42に宛がうだけで、上側ボイド保持鉄筋42の複数箇所と凸条23,23…とを交差させるとともに、リブ42bを溝21に係止することができる。また、溝31の並列方向が下側ボイド保持鉄筋43の架渡方向に沿っているため、ボイド部材3と下側ボイド保持鉄筋43とを厳密に位置合わせしなくても、ボイド部材3を下側ボイド保持鉄筋43上に載せるだけで、下側ボイド保持鉄筋43の複数箇所と凸条33,33…とを交差させるとともに、下側ボイド保持鉄筋43のリブを溝31に係止することができる。これによって、ボイド部材3の設置作業を簡易化できるとともに、保持性を確保できる。
図10は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態のボイド部材3Bの上面20には、3つの溝24が形成されている。なお、溝24の数は、4つ以上であってもよい。これら溝24は、それぞれB方向へ延びるとともに、互いにA方向に並べられている。したがって、溝24の配置領域が、上面20におけるA方向(溝24の幅に沿う方向)の中央部及び両側部にわたっている。溝24の延び方向(B方向)と直交する断面は、概略四角形になっている。
上側ボイド保持鉄筋42が、A方向へ架け渡されることによって3つの溝24,24,24と交差するとともに、上面20に押し当てられている。また、詳細な図示は省略するが、上側ボイド保持鉄筋42の外周のリブ42bが、上面20に強く押し当てられたり、溝24に入り込んだり、溝24の縁に引っ掛かったりしている。
また、ボイド部材3Bの下面30には、3つの溝34が形成されている。なお、溝34の数は、4つ以上であってもよい。これら溝34は、それぞれA方向へ延びるとともに、互いにB方向に並べられている。したがって、溝34の配置領域が、下面30におけるB方向(溝34の幅に沿う方向)の中央部及び両側部にわたっている。溝34の延び方向と直交する断面は、四角形になっている。
下側ボイド保持鉄筋43が、B方向へ架け渡されることによって3つの溝34,34,34と交差するとともに、下面30に押し当てられている。また、詳細な図示は省略するが、下側ボイド保持鉄筋43の外周のリブが、下面30に強く押し当てられたり、溝34に入り込んだり、溝34の縁に引っ掛かったりしている。
第4実施形態においては、ボイド部材3Bとボイド保持鉄筋42とを厳密に位置合わせしなくても、ボイド部材3Bの上面をボイド保持鉄筋42に宛がうだけで、上側ボイド保持鉄筋42が3箇所において溝24と交差するようにできる。また、ボイド部材3Bを下側ボイド保持鉄筋43上に載せるだけで、下側ボイド保持鉄筋43が3箇所において溝34と交差するようにできる。これによって、ボイド部材3Bの設置作業を簡易化できるとともに、保持性を確保できる。
図11及び図12は、本発明の第5実施形態を示したものである。
図11(a)及び図12(a)に示すように、第5実施形態のボイド部材3Cでは、上面20(一方の面)のほぼ全域にわたって3つ以上の溝25,26が形成されている。これら溝25,26は、それぞれA方向(主筋40(図4参照)に沿う方向)に延びるとともに、互いにB方向(配力筋41(図4参照)に沿う方向)に並べられている。上面20のA方向と直交する断面は、概略波形状になっている。
溝25,26の幅、ピッチ、断面形状等は、変則的になっている。
詳しくは、図11(a)に示すように、上面20の溝のうち、互いに離れた2つの主溝25,25は、残りの予備溝26,26…よりも幅広になっている。すなわち、主溝25の幅W25は、予備溝26の幅W26より大きい(W25>W26)。2つの主溝25,25は、上面20のB方向(溝幅方向)の両側部20d,20dに配置されている。図12(a)に示すように、各主溝25の断面は、台形状になっている。これに対し、各予備溝26の断面は、V字状になっている。予備溝26は、上面20における主溝25よりもB方向の外側、及び2つの主溝25,25どうしの間に配列されている。
さらに、図11(a)及び図12(a)に示すように、上面20の両側部20dにおける隣接する溝25,26どうし及び26,26どうしの間隔は狭く、両側部20d,20d間の中央部20cにおける隣接する予備溝26,26どうしの間隔は広い。好ましくは、両側部20dにおける隣接する溝25,26どうし及び26,26どうしは、略くっ付いており、これら溝25,26どうし及び26,26どうしの間に断面三角形状の凸条23(尖り部)が形成されている。これに対し、中央部20cにおける隣接する溝26,26どうしの間には、断面台形状の凸条27が形成されている。凸条27の上端面は、平坦部27aになっている。平坦部27aの幅W27は、予備溝26の幅W26よりも小さい(W27<W26)。但し、これに限定されるものではなく、W27≧W26であってもよい。
図11(b)及び図12(b)に示すように、ボイド部材3Cの下面30(他方の面)には、断面半円形の2つの幅広溝35,35が平行に形成されている。幅広溝35は、B方向(配力筋41(図4参照)に沿う方向)に延びている。したがって、幅広溝35の延び方向は、上面20の溝25,26の延び方向に対して直交している。2つの幅広溝35,35は、下面30のA方向(図11(b)において上下)の両側に互いに離れて配置されている。幅広溝35の幅W35は、主溝25の幅W25と同等又はそれより大きく(W35≧W25)、下側ボイド保持鉄筋43の直径D43よりも十分に大きい。ここで、下側ボイド保持鉄筋43の直径D43とは、下側ボイド保持鉄筋43のリブ及びフシを除く実部の直径を言う。好ましくは、幅広溝35の幅W35は、下側ボイド保持鉄筋43の直径D43の1.5倍〜5倍程度である。具体的には、幅広溝35の幅W35は、W35=10mm〜30mm程度であり、好ましくはW35=20mm程度である。幅広溝35の深さH35は、例えばH35=3mm〜10mm程度であり、好ましくはH35=6mm程度である。
なお、幅広溝35の断面形状は半円形に限られず、四角形やV字形であってもよい。幅広溝35の幅W35が、主溝25の幅W25以下であってもよい(W35≦W25)。
図11(b)及び図12(b)に示すように、各幅広溝35に下側ボイド保持鉄筋43が嵌められている。下側ボイド保持鉄筋43はフリー状態である。つまり、下側ボイド保持鉄筋43は、主筋40(図6参照)上に単に置かれただけであり、主筋40に結束等で固定されていない。
第5実施形態のボイド部材3Cは、下側ボイド保持鉄筋43がフリー状態である場合に特に好適である。つまり、下面30が、上面20と同様に多数の溝を有して波形状になっていると、作業者は、どの溝に下側ボイド保持鉄筋43を嵌るべきか判り難い。特に、下面30は見えにくいため、嵌めるべき溝の選択は容易でない。しかも、フリー状態の下側ボイド保持鉄筋43の位置は不正確で指標にならず、かつ不安定であるために溝が幅狭であると一旦嵌めても外れやすい。
これに対し、幅広溝35を2本だけとすることによって、下側ボイド保持鉄筋43を嵌めるべき溝を明確にできる。また、幅広溝35の幅W35を下側ボイド保持鉄筋43の直径D43よりも十分に大きくすることによって、下側ボイド保持鉄筋43を幅広溝35に嵌め易くでき、かつ下側ボイド保持鉄筋43とボイド部材3Cとの位置のバラツキをある程度許容することができ、フリー状態の下側ボイド保持鉄筋43を安定的に嵌めておくことができる。また、溝35の断面形状を半円形にすることによって、下側ボイド保持鉄筋43が自然と幅広溝35の幅方向の中央部に案内されるようにすることができる。さらには、2つの幅広溝35にそれぞれ下側ボイド保持鉄筋43を嵌めることで、2つの下側ボイド保持鉄筋43,43どうしの間隔を所望の大きさに規制することができる。
図11(a)及び図12(a)に示すように、上側ボイド保持鉄筋42は、上面20の溝25,26のうち、原則として主溝25に嵌められる。主溝25は予備溝26よりも幅広であるため、上側ボイド保持鉄筋42をどの溝に嵌めるべきかを判別しやすくできる。
そして、上側ボイド保持鉄筋42と主溝25とがずれている場合には、上側ボイド保持鉄筋42を予備溝26に嵌めることができる。通常、前記のずれは小さいため、両側部20dの溝25,26どうしの間隔を狭くすることによって、上側ボイド保持鉄筋42を主溝25の近くの予備溝26に確実に嵌めることができる。
一方、主溝25から遠い中央部20cには平坦部27aを設けることで、ボイド部材3Cの一部が欠けるのを防止又は抑制することができる。
なお、上側ボイド保持鉄筋42は、配力筋41(図4参照)に結束されているが、結束せずにフリー状態としてもよい。
ボイド部材3Cを上下にひっくり返して使用してもよい。上面20に幅広溝35が形成され、下面30に溝25,26が形成されていてもよい。そして、上側ボイド保持鉄筋42を幅広溝35に嵌め、下側ボイド保持鉄筋43を主溝25(又は予備溝26)に嵌めることにしてもよい。
図13は、本発明の第6実施形態を示したものである。
第6実施形態のボイド部材3Dは、第5実施形態のボイド部材3Cの変形態様に係る。ボイド部材3Dの下面30には、断面半円形の4つの幅広溝35,35,36,36が形成されている。これら幅広溝35,36が、井型状に配置されている。すなわち、2つの幅広溝35,35は、それぞれA方向に延びるとともに、互いにB方向に離れて配置されている。残りの2つの幅広溝36,36は、それぞれB方向に延びるとともに、互いにA方向に離れて配置されている。幅広溝35と幅広溝36とが直角に交わっている。
幅広溝35の延び方向は、上面20の溝25,26の延び方向に対して直交している。
幅広溝36の延び方向は、上面20の溝25,26の延び方向に対して平行になっている。
幅広溝36の幅W36は、幅広溝35の幅W35とほぼ等しい(W35≒W36)。なお、これら幅広溝35,36の幅W35,W36どうしが異なっていてもよい。
ボイド部材3Dによれば、図13に示すように、下側ボイド保持鉄筋43が上側ボイド保持鉄筋42に対して直交しているときは、幅広溝35に下側ボイド保持鉄筋43を嵌め、かつ主溝25(又は予備溝26)に上側ボイド保持鉄筋42を嵌めることができる。或いは、ボイド保持鉄筋42,43に対してボイド部材3Dを図13の姿勢から90°回転させて、幅広溝36に下側ボイド保持鉄筋43を嵌め、かつ上面20の溝25,26を上側ボイド保持鉄筋42に対して直交させて配置(第3実施形態(図8)参照)することもできる。
図示は省略するが、上下のボイド保持鉄筋42,43が平行であるときは、幅広溝36に下側ボイド保持鉄筋43を嵌め、かつ主溝25(又は予備溝26)に上側ボイド保持鉄筋42を嵌めることができる。或いは、幅広溝35に下側ボイド保持鉄筋43を嵌め、かつ上面20の溝25,26を上側ボイド保持鉄筋42に対して直交させて配置(第3実施形態(図8)参照)することもできる。
ボイド部材3Dを上下にひっくり返して使用してもよい。上面20に幅広溝35,36が形成され、下面30に溝25,26が形成されていてもよい。そして、上側ボイド保持鉄筋42を幅広溝35に嵌め、下側ボイド保持鉄筋43を主溝25(又は予備溝26)に嵌めることにしてもよい。または、上側ボイド保持鉄筋42を幅広溝36に嵌め、下側ボイド保持鉄筋43を溝25,26と交差させることにしてもよい。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、ボイド部材3,3A,3B,3C,3Dの水平断面は、正方形に限られず、長方形などの他の四角形であってもよい。
ボイド部材3,3A,3Bの上面20及び下面30のうち上面20だけに溝が形成されていてもよく、または、下面30だけに溝が形成されていてもよい。
上側ボイド保持鉄筋42が配力筋41と平行になり、下側ボイド保持鉄筋43が主筋40と平行になっていてもよい。
上側ボイド保持鉄筋42の架渡方向と下側ボイド保持鉄筋43の架渡方向とが互いに平行であってもよい。
ボイド部材3,3A,3B,3Cの上側の溝21,22,24,25,26の延び方向と、下側の溝31,32,34,35の延び方向とが互いに平行であってもよい。
溝21,22,24,25,26の断面形状は、V字状や四角形状に限られず、半円状などであってもよい。
各ボイド部材3,3A,3B,3C,3Dに当てる上側ボイド保持鉄筋42の数及び下側ボイド保持鉄筋43の数は、それぞれ2本に限られず、1本でもよく、3本以上でもよい。
第1実施形態(図1〜図6)において、1本の上側ボイド保持鉄筋42を上面20のB方向の中央部の溝21に嵌め込んでもよく、1本の下側ボイド保持鉄筋43を下面30のA方向の中央部の溝31に嵌め込んでもよい。
第2実施形態(図7)において、1本の上側ボイド保持鉄筋42を上面20の交差部22cに配置してもよく、1本の下側ボイド保持鉄筋43を下面30の交差部32cに配置してもよい。
複数の実施形態を組み合せてもよい。たとえば、第4実施形態(図10)において、溝24と上側ボイド保持鉄筋42とが平行であってもよく、さらには、上側ボイド保持鉄筋42を溝24に収容してもよい。また、溝34と下側ボイド保持鉄筋43とが平行であってもよく、さらには、下側ボイド保持鉄筋43を溝34に収容してもよい。
第5実施形態(図11、図12)において、第3実施形態(図8)と同様に、溝25,26と上側ボイド保持鉄筋42とが直交していてもよく、幅広溝35と下側ボイド保持鉄筋43とが直交していてもよい。
第1実施形態(図1〜図6)等の上面20の溝21,21…や下面30の溝31,31…の幅やピッチを、第5実施形態(図11、図12)の溝25,26と同様に変則的にしてもよい。
第5、第6実施形態(図11〜図13)のボイド部材3C,3Dの上面20(一方の面)の変則的な溝25,26を、第1実施形態(図1〜図6)の規則的な3つ以上の溝21,21…や、第2実施形態(図7)の単一の溝22に置換してもよい。
ボイド保持鉄筋42又は43が、ボイド部材3を貫通していてもよい。
ボイド保持鉄筋42又は43が、複数のボイド部材3,3…(3A,3A…)(3B,3B…)(3C,3C…)(3D,3D…)を串刺しに貫くことで、ボイド保持鉄筋42又は43と複数のボイド部材3,3…(3A,3A…)(3B,3B…)(3C,3C…)(3D,3D…)とがユニットになっていてもよい。
ボイド部材3,3A,3B,3C,3Dを2つのピースに分割し、これら2つのピースどうし間にボイド保持鉄筋42,43を挟むとともに、これら2つのピースを一体化することによって、ボイド保持鉄筋42,43がボイド部材3,3A,3B,3C,3Dを貫通する状態にしてもよい。
ボイド部材3,3A,3B,3C,3Dの材質として、コンクリートスラブ1の強度の一部を担い得る材質を採用してもよい。そうすると、溝21〜34によってボイド部材3,3A,3B,3C,3Dの表面積を増やしてコンクリート2との付着性を高めることができるから、ボイド部材3,3A,3B,3C,3Dの強度負担力を効果的に引き出すことができる。
本発明は、例えば鉄筋コンクリート構造物の構築に適用できる。
1 コンクリートスラブ(コンクリート構造体)
2 コンクリート
3,3A,3B,3C,3D コンクリート用ボイド部材
20 上面(一方の面)
20c 中央部
20d 両側部
21 溝
22 単一の溝
22a 斜面
23 凸条
24 溝
25 主溝
26 予備溝
27a 平坦部
30 下面(他方の面)
31 溝
32 単一の溝
32a 斜面
33 凸条
34 溝
35,36 幅広溝
42 上側ボイド保持鉄筋
43 下側ボイド保持鉄筋

Claims (7)

  1. ボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリート構造体に埋設されるボイド部材であって、
    上面及び下面の少なくとも一方の面には、並列された3つ以上の溝又は単一の溝が形成され、かつ前記溝の配置領域が、前記一方の面における前記溝の幅に沿う方向の中央部及び両側部にわたっており、
    前記溝が前記上面及び前記下面の双方に形成されており、かつ前記上面の溝が一方向へのみ延び、前記下面の溝が前記一方向と直交する方向へのみ延びていることを特徴とするコンクリート用ボイド部材。
  2. ボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリート構造体に埋設されるボイド部材であって、
    上面及び下面の少なくとも一方の面には、並列された3つ以上の溝が形成され、かつ前記溝の配置領域が、前記一方の面における前記溝の幅に沿う方向の中央部及び両側部にわたっており、
    前記3つ以上の溝が前記上面及び前記下面の双方に形成され、前記上面及び下面における隣接する溝どうしの間には、凸条が、前記隣接する溝と同じ方向に延びるように形成され、
    前記上面の溝及び凸条が、一方向へ途切れなく延びるとともに両端部は前記上面の前記一方向の両縁に達し、
    前記下面の溝及び凸条が、前記一方向と直交する方向へ途切れなく延びるとともに両端部は前記下面の前記直交する方向の両縁に達していることを特徴とするコンクリート用ボイド部材。
  3. ボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリート構造体に埋設されるボイド部材であって、
    上面及び下面の少なくとも一方の面には、並列された3つ以上の溝又は単一の溝が形成され、かつ前記溝の配置領域が、前記一方の面における前記溝の幅に沿う方向の中央部及び両側部にわたっており、
    前記上面及び下面のうち他方の面には、平行な2つの幅広溝、又は井形状をなす4つの幅広溝が形成されており、前記各幅広溝の幅が、前記ボイド保持鉄筋の直径よりも大きいことを特徴とするコンクリート用ボイド部材。
  4. 前記一方の面のほぼ全域に前記3つ以上の溝が並列されており、各溝が断面V字状に形成され、かつ隣接する溝どうしの間に断面三角形状の凸条が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート用ボイド部材。
  5. 前記一方の面には前記単一の溝が形成され、かつ前記単一の溝が、前記一方の面のほぼ全域を占める一対の斜面を有し、これら斜面が、互いに近づくにしたがって上下方向に凹むように傾斜するとともに前記一方の面の中央部において互いに交差していることを特徴とする請求項1又は3に記載のコンクリート用ボイド部材。
  6. 前記一方の面のほぼ全域に前記3つ以上の溝が並列されており、かつ前記3つ以上の溝のうち、互いに離れた2つの主溝が、残りの予備溝よりも幅広であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリート用ボイド部材。
  7. ボイド保持鉄筋によって保持された状態でコンクリート構造体に埋設されるボイド部材であって、
    上面及び下面の少なくとも一方の面には、並列された3つ以上の溝又は単一の溝が形成され、かつ前記溝の配置領域が、前記一方の面における前記溝の幅に沿う方向の中央部及び両側部にわたっており、
    前記一方の面のほぼ全域に前記3つ以上の溝が並列されており、かつ前記3つ以上の溝のうち、互いに離れた2つの主溝が、残りの予備溝よりも幅広であり、
    前記一方の面における隣接する溝どうしの間隔が、前記各主溝を含む両側部では狭く、前記両側部間の中央部では広く、前記中央部の隣接する溝どうしの間には平坦部が形成されていることを特徴とするコンクリート用ボイド部材。
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