JP6531525B2 - 光変調器および光変調器の製造方法 - Google Patents

光変調器および光変調器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光変調器および光変調器の製造方法に関する。
下部クラッド層とコア層と上部クラッド層とを有し、コア層の電界強度を変化させることで伝搬光の位相を変調する光変調器が知られている。この様な光変調器は例えば、マッハ・ツェンダ型光変調器等の半導体光装置に搭載される(例えば、特許文献1〜2および非特許文献1)。
光変調器の上部クラッド層の長手方向の両側に、半絶縁性の半導体層からなるクラッド層が設けられることがある。この様な半絶縁性の半導体クラッド層は、同一基板上に搭載された光変調器同士を電気的に分離するために用いられる(例えば、非特許文献1)。半絶縁性の半導体クラッド層は、光変調器同士を電気的に分離するだけでなく、光変調器の高周波数特性を改善する(例えば、特許文献1および非特許文献1)。
特開2004−151590号公報 特開2011−203382号公報 特開2013−236067号公報 特開2011−203384号公報 国際公開第2004/081638号公報
S. Akiyam et. al., "InP-Based Mach-Zehnder Modulator With Capacitively Loaded Traveling-Wave Electrodes", JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL. 26, NO. 5, MARCH 1, 2008, pp. 608-615.
上述したように、上部クラッド層の長手方向の両側に半絶縁性の半導体クラッド層を設けると、光変調器の高周波数特性が改善される。しかし、上部クラッド層の長手方向の両側に上部クラッド層とは材料、ドーピング濃度が異なる半導体クラッド層を成長すると、成長層の表面に段差が生じて電極の形成が困難になる等の種々の問題が生じる。従って、高周波数特性が優れた光変調器を形成することは容易ではない。
そこで本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
上記の問題を解決するために、本装置の一観点によれば、第1導電型の半導体を有する下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に配置されたコア層を含むノンドープ層あるいは前記コア層を含む半絶縁層と、前記ノンドープ層あるいは前記半絶縁層上に配置され、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層と、前記下部クラッド層に接続された第1電極と、前記第1上部クラッド層の上に配置された第2電極と、前記第2電極の長手方向の端付近から外側にかけての少なくとも一部において前記ノンドープ層あるいは前記半絶縁層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第1側面が前記第1上部クラッド層で覆われると共に、下面に接する下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体層と、前記第1半導体層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第2側面が前記第1上部クラッド層で覆われた第2半導体層または前記1半導体層であって、前記第1上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有するブロック層とを有する光変調器が提供される。
開示の光変調器によれば、周波数特性が優れる共に形成が容易な光変調器が提供される。
図1は、実施の形態1の光変調器を説明する平面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、実施の形態1の半導体光装置の動作の一例を説明する図である。 図5は、光変調器の低周波域での電界分布を説明する図である。 図6は、光変調器の高周波域での電界分布を説明する図である。 図7は、光変調器の低周波域の電界分布の計算結果を示す図である。 図8は、実施の形態1の光変調器の製造方法を説明する工程断面図である。 図9は、実施の形態1の光変調器の製造方法を説明する工程断面図である。 図10は、上部クラッド層の長手方向の両側に半絶縁性のクラッド層を有する光変調器の断面図である。 図11は、半絶縁性のクラッド層の問題点を説明する図である。 図12は、変形例3の光変調器の長手方向の断面図である。 図13は、実施の形態2の光変調器の長手方向に沿った断面図である。 図14は、実施の形態2の光変調器の製造方法を説明する工程断面図である。 図15は、第2クラッド層を有さない光変調器の長手方向の断面図である。 図16は、実施の形態3の光変調器が搭載された半導体光装置の平面図である。 図17は、図16のXVII−XVII線に沿った断面図である。 図18は、実施の形態4の光変調器が集積された半導体光装置の平面図である。 図19は、図18のXIX−XIX線に沿った断面図である。 図20は、実施の形態4の半導体光装置の製造方法の一例を説明する工程断面図である。 図21は、実施の形態4の半導体光装置の製造方法の一例を説明する工程断面図である。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図面が異なっても同じ構造を有する部分等には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
(1)構造
図1は、実施の形態1の光変調器を説明する平面図である。図1には、実施の形態1の光位相変調器2a,2bを含む半導体光装置4が示されている。実施の形態1の半導体光装置4は、マッハ・ツェンダ型光変調器である。
半導体光装置4は、入力導波路6と、入力端に入力導波路6が接続された1×2 MMIカプラ8a(multi-mode-interference coupler)とを有する。半導体光装置4は更に、1x2 MMIカプラ8aの出力端の一方に接続された光位相変調器2aと、1x2 MMIカプラ8aの出力端の他方に接続された光位相変調器2bとを有する。半導体光装置4は更に、入力端の一方に光位相変調器2aが接続され入力端の他方に光位相変調器2bが接続された2×1 MMIカプラ8bと、2×1 MMIカプラ8bの出力端に接続された出力導波路10とを有する。
光変調器2aと光変調器2bの構造は、略同じである。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。
光変調器2a,2b(図2参照)は、第1導電型(例えば、n型)の半導体(例えば、n型InP)を有する下部クラッド層12と、下部クラッド層12上に配置されたノンドープ層14とを有する。下部クラッド層12は、例えば半導体基板(例えば、n型InP基板)と半導体基板上に形成されたバッファ層(例えば、n型InP層)とを有する。ノンドープ層14は例えば、ノンドープ(すなわち、i型)のAlGaInAs/AlGaInAs多重量子井戸(以下、AlGaInAsMQWと呼ぶ)からなるコア層を含む半導体層である。ノンドープ層14には、コア層とは別に、i型AlGaInAs層やi型InP層が含まれてもよい。コア層は、i型のInGaAsP/InGaAsP多重量子井戸であってもよい(実施の形態2〜4においても同様)。
光位相変調器2a,2b(図2参照)は更に、ノンドープ層14上に配置され、第1導電型と逆の第2導電型(例えば、p型)を有する第1上部クラッド層16a(例えば、p型InP層)を有する。光位相変調器2a,2bは更に、ノンドープ層14上に設けられ第1上部クラッド層16aと同じ導電型(例えば、p型)を有し、第1上部クラッド層16a及び後述する第1半導体層18a(図3参照)により上面が覆われた第2上部クラッド層16bを有する。第2上部クラッド層16bは、例えばp型InP層である。コア層は、第1及び第2上部クラッド層16a,16bおよび下部クラッド層12より高い屈折率を有する半導体層である。
光位相変調器2a,2bは更に、後述する上部電極の長手方向の端付近から外側にかけての部分(以降、「端部」と呼ぶ)においてノンドープ層14(図3参照)と第1上部クラッド層16aの間に配置された第1半導体層18a(例えば、i型InGaAsP層)を有する。第1半導体層18aは、ノンドープ層14の中央部側(すなわち、後述する第2電極側)の第1側面20aが第1上部クラッド層16aで覆われると共に、下面に接する下層に対して選択的にエッチング可能な半導体層である。実施の形態1の下層は、第2上部クラッド層16bである。下層に対して選択的にエッチング可能とは、下層に対するエッチング速度より5倍以上(好ましくは、10倍以上)速いエッチング速度でエッチング可能なことを言う。この様なエッチングを可能にするエッチング液は、選択エッチング液と呼ばれる。
実施の形態1の第1半導体層18aは更に、第1及び第2上部クラッド層16a,16bより高い抵抗率を有する半導体層である。第1半導体層18aは、後述するように、ノンドープ層14の長手方向の端部に印加される電界を抑制する半導体層(以下、ブロック層と呼ぶ)である。
光位相変調器2a,2b(図2及び図3参照)は更に、第1上部クラッド層16aの中央部上に配置されたコンタクト層22a,22b(例えば、p型InGaAs層)と第2電極24ba,24bb(以下、上部電極と呼ぶ)とを有する。上部電極24ba,24bbは、コンタクト層22a,22bを介して、上部クラッド層16aの中央部上に配置される。光位相変調器2a,2bは更に、下部クラッド層12に接続された共通の第1電極24a(以下、下部電極と呼ぶ)を有する。
上部電極24ba,24bb(図2及び図3参照)は好ましくは、平面視においてブロック層(実施の形態1では、第1半導体層18a)に接する電極である。上部電極24ba,24bbは、平面視においてブロック層の端部を覆ってもよい。或いは上部電極24ba,24bbは、平面視においてブロック層から離隔してもよい。上部電極24ba,24bbとブロック層の重なりは、好ましくは5μm以内である。同様に上部電極24ba,24bbとブロック層の間隔は、好ましくは5μm以内である。
第1上部クラッド層16a(図3参照)、第2上部クラッド層16bおよび下部クラッド層12は好ましく、1×1017cm−3以上1×1020cm−3以下の不純物濃度(あるいはキャリア濃度;以下、同様)を有する導電性の半導体層である。更に好ましくは、第1上部クラッド層16a、第2上部クラッド層16bおよび下部クラッド層12は、5×1017cm−3以上5×1019cm−3以下の不純物濃度を有する導電性の半導体層である。コンタクト層22a,22bは、第1上部クラッド層16aの不純物濃度より高い不純物濃度を有する導電性の半導体層である。
ノンドープ層14は好ましくは、5×1016cm−3以下の不純物濃度を有する半導体層(すなわち、i型半導体層)である。更に好ましくはノンドープ層14は、2×1016cm−3以下の不純物濃度を有する半導体層である。ノンドープ層14は、1×10Ωcm以上(又は、5×10Ωcm以上)の抵抗率を有する半導体層(すなわち、半絶縁性の半導体層(以下、半絶縁層と呼ぶ))で置き換えてもよい。
光位相変調器2a,2b(図2及び図3参照)は例えば、ノンドープ層14を有し一方向に延在する突出部(即ち、ハイメサ)を持つ導波路構造からなる。光位相変調器2a,2bの側方には好ましくは、樹脂層26(例えば、ベンゾシクロブテン層)が設けられる。ノンドープ層14と樹脂層26の間には好ましくは、パッシベーション膜28a(例えば、SiO膜)が設けられる。樹脂層26の表面には好ましくは、別のパッシベーション膜28b(例えば、SiO膜)が設けられる。
図1〜3を参照して説明した例では、第1半導体層18aは、ノンドープ層14の一端側の領域および他端側の領域の両方の上に配置されている。しかし第1半導体層18aは、ノンドープ層14の一端側の領域の上に配置されてもよい。この場合、コンタクト層22a,22bおよび上部電極24ba,24bbは、第1上部クラッド層16aを介してノンドープ層14の他端側の領域の上方に配置される(後述する実施の形態2においても同様)。
(2)動作
(2−1)半導体光装置の動作
図4は、実施の形態1の半導体光装置4の動作の一例を説明する図である。
入力導波路6に入射した光30は、1×2MMIカプラ8aにより第1分岐光29aと第2分岐光29bに分割される。第1分岐光29aは一方の光位相変調器2aに供給され、位相が変調される。第2分岐光29bは、他方の光位相変調器2bに供給される。図4に示す例では、第2分岐光29bの位相は変調されない。その後、第1分岐光29aおよび第2分岐光29bは、2×1MMIカプラ8bにより合波されて出力光になる。出力光32は出力導波路10を伝搬し、半導体光装置4から出力される。
出力光の強度は、第1分岐光29aと第2分岐光29bの位相差に応じて変化する。例えば、第1分岐光29aと第2分岐光29bの位相差が0 radの場合、出力光の強度は最大になる。一方、第1分岐光29aと第2分岐光29bの位相差がπ radの場合、出力光の強度は最小になる。第1分岐光29aの位相は、一方の光位相変調器2aに供給される電気信号の電圧に応じて変化する。第2分岐光29bの位相は、他方の光変調器2bに供給される定電圧により、一定に保たれる。
光位相変調器2a,2bの上部電極24ba,24bbと下部電極24aの間には、第1及び第2上部クラッド層16a,16bと下部クラッド層12とを含むPN接合の逆バイアス電圧が印加される。逆バイアス電圧は、例えば定電圧源34、35により供給される。
逆バイアス電圧の印加によりコア層14には、電界(ビルドイン・ポテンシャルに対応する電界より強い電界)が発生する。すると、例えばQCSE効果(Quantum Confined Stark Effect)により、コア層14の屈折率が変化する。すなわちコア層14の屈折率が、コア層内の電界強度に応じて変化する。
光位相変調器2aには更に、逆バイアス電圧に重畳された10Gb/sを超える電気信号が供給される。電気信号は例えば、外部回路36により供給される。
上部電極24ba,24bbと下部電極24aの間に印加される電気信号に応答して、一方の光変調器2aに含まれるコア層14の屈折率(以下、コア屈折率と呼ぶ)が変化する。このコア屈折率の変化により、一方の光位相変調器2aを伝搬する第1分岐光29aの位相が変調される。すると、第1分岐光29aと第2分岐光29bの位相差が変化し、半導体光装置4の出力光の強度が変化する。
(2−2)光変調器の周波数特性
図5〜図7は、光変調器2a,2bの周波数特性を説明する図である。図5(a)は、第1半導体層18a(ブロック層)を有さない光位相変調器37(以下、ブロック層無し光変調器と呼ぶ)の長手方向の断面図である。ブロック層無し光位相変調器37の構造は、第1半導体層18a(ブロック層)を有さないこと以外は、実施の形態1の光位相変調器2a,2bの構造と略同じである。
図5(a)には、ブロック層無し光位相変調器37に発生する電界38aが示されている。図5(b)には、実施の形態1の光位相変調器2a,2bに発生する電界38bが示されている。
図5(a)の電界38aは、逆バイアス電圧に重畳された変調信号のビットレートに対して低周波の信号(例えば、50MHz以下の信号)が、ブロック層無し光位相変調器37に供給された場合に発生する電界である。同様に図5(b)の電界38bは、逆バイアス電圧に重畳された低周波信号(例えば、50MHz以下の電気信号)が、実施の形態1の光変調器2a,2bに供給された場合に発生する電界である。
実線は、ノンドープ層14に発生する電界を示している(後述する図6についても同様)。
破線は、下部クラッド層12および上部クラッド層16(又は、第1及び第2上部クラッド層16a,16b)に発生する微弱な電界を示している。
図5(a)に示すようにブロック層無し光変調器37の電界38aは、平面視において上部電極24bの外側に浸み出す。ノンドープ層14における電界強度は、上部電極24bの下側では略一定に保たれ、上部電極24bの外側では、上部電極24bから遠ざかるに従い徐々に弱くなる。
実施の形態1の光位相変調器2a,2bのノンドープ層14における電界強度も、上部電極24ba,24bbの下側では略一定に保たれる。上部電極24ba,24bbの外側では、実施の形態1のノンドープ層14における電界強度は、前述のブロック層無し光位相変調器37と比較して弱くなる。
実施の形態1の光位相変調器2a,2bには、上部電極24ba,24bbの外側に第1半導体層18a(ブロック層)が設けられている。第1半導体層18aは、第1及び第2上部クラッド層16a,16b(以下、上部クラッド層16a,16bと呼ぶ)より高い抵抗率を有する半導体層である。従って第1半導体層18a(ブロック層)における電界強度は、ノンドープ層14における電界強度と同程度になる。従って、上部電極24ba,24bbに逆バイアス電圧が印加されると、上部電極24ba,24bbの外側では、逆バイアス電圧の一部が第1半導体層18a(ブロック層)に印加される。その結果、実施の形態1の光変調器2a,2bではノンドープ層14における電界強度が、上部電極24ba,24bbの外側では小さくなる。すなわち、ノンドープ層14の長手方向の端部に発生する電界の強度が、第1半導体層18a(ブロック層)により抑制される。
図6(a)には、逆バイアス電圧に重畳された高周波信号(例えば、1GHz以上の電気信号)が供給されたブロック層無し光位相変調器37に発生する電界40aが示されている。図6(b)には、逆バイアス電圧に重畳された高周波信号(例えば、1GHz以上の電気信号)が供給された光変調器2a,2b(実施の形態1の光変調器)に発生する電界40bが示されている。
図6(a)および図6(b)に示すように、第1半導体層18a(ブロック層)の有無に拘わらず、高周波信号に対する電界40a,40bは、上部電極24b,24ba,24bbの外側には殆ど浸み出さない。
InP等の半導体の誘電損失は、電気信号の周波数が増加すると増加する。上部電極24b,24ba,24bbの外側を通りノンドープ層14に至る経路は、上部電極24b,24ba,24bbの下側を通りノンドープ層14に至る経路より長い。従って、上部電極24b,24ba,24bbの外側の経路は、誘電損失の影響を受けやすい。その結果、高帯域(例えば、1GHz以上の周波数領域)では上部電極24b,24ba,24bbの外側には電界40a,40bは殆ど浸み出さない。
ブロック層無し光位相変調器37では、高周波信号(例えば、1GHz以上の電気信号)に対するコア層14の電界強度の分布と、低周波信号(例えば、50MHz以下の電気信号)に対するコア層14の電界強度分布とは大きく異なる。具体的には、低周波信号により発生する電界の浸み出しは、高周波信号に対しては殆ど生じない(図5(a)および図6(a)参照)。
従ってブロック層無し光位相変調器37では、高周波信号によりコア屈折率が実質的に変化する領域は、上部電極24bの下側の領域に限定される。一方、低周波信号によりコア屈折率が実質的に変化する領域は、上部電極24bの外側と下側とを合わせた領域である。従ってブロック層無し光位相変調器37では、高周波信号に対する変調度は、低周波信号に対する変調度より小さくなる。具体的には例えば、ブロック層無し光位相変調器37の変調度は、50MHz〜1GHzの周波数領域(以下、低帯域と呼ぶ)で急激に低下する。
なお、図5の電界38a,38bに対応する低周波信号の周波数は、上記低帯域の下限周波数(50MHz)以下の周波数である。すなわち、図5の電界38a,38bに対応する低周波信号の周波数と図6の電界40a,40bに対応する高周波信号の周波数の間の帯域を、低帯域と呼ぶ。
一方、図5(b)に示すように、実施の形態1の光変調器2a,2bでは、低周波信号による電界の浸み出しによりノンドープ層に印加される電界は小さい。従って、低周波信号の印加によりコア屈折率が変化する量は微小である。従って実施の形態1の光変調器2a,2bでは、コア屈折率が変化する量が、電気信号の周波数に大きく依存しない従って実施の形態1によれば、光位相変調器2a,2bの低帯域における応答特性(変調度)の劣化が抑制される。
図7は、ノンドープ層14における電界強度分布の一例を示す図である。縦軸は、ノンドープ層14における電界強度である。横軸は、ノンドープ層14の長手方向における座標である。横軸の原点は、上部電極24b,24ba,24bbの一端の座標が0.5mmになるように定められている。長手方向の座標が0〜0.5mmの領域は、上部電極24b,24ba,24bbの下側の領域である。長手方向の座標が0.5mmより大きい領域は、上部電極24b,24ba,24bbの外側の領域である。
図7のデータは、電磁界シミュレーションにより算出されたデータである。電磁界シミュレーションに用いた電気信号の周波数は、50MHzである。シミュレーションに用いたモデル(光変調器)のノンドープ層14は、厚さ900nmでありi型AlGaInAs MQW(Multiple Quantum Well)コア層およびi型InP層を含む層である。
第1電界分布42aは、ブロック層無し光位相変調器37のノンドープ層14における電界分布である。第2電界分布42bは、厚さ200 nmの第1半導体層18a(ブロック層)を有する光位相変調器2a,2bのノンドープ層14における電界分布である。第3電界分布42cは、厚さ500 nmの第1半導体層18a(ブロック層)を有する光位相変調器2a,2bのノンドープ層14における電界分布である。
図7に示すように、ブロック層無し光位相変調器37(図5(a)参照)では、上部電極24bの外側の電界強度は、上部電極24bから遠ざかるに従って徐々に減少する(第1電界分布42a参照)。一方、第1半導体層18a(ブロック層)を有する光位相変調器2a,2b(図5(b)参照)では、上部電極24ba,24bbの外側の電界強度は、ブロック層無し光変調器37の場合と比較して小さい(第2及び第3電界分布42b,42c参照)。
すなわち実施の形態1の光変調器2a,2bによれば、低周波信号(50MHz以下の電気信号)の印加により上部電極24ba、24bbの外側で起こるコア屈折率の変化量は小さい。従って、実施の形態1の光変調器2a,2bによれば、低帯域(例えば、50MHz〜1GHz)における応答特性(変調度)の劣化を抑制することができる。
尚、図7に示すように、上部電極24ba,24bbの外側の電界強度は、第1半導体層18a(ブロック層)が厚いほど小さい。従って、第1半導体層18a(ブロック層)は厚いほど好ましい。
(3)製造方法
図8及び図9は、実施の形態1の光変調器の製造方法を説明する工程断面図である。
(3−1)コア層を含むノンドープ層の形成工程(図8(a)参照)
第1導電型の半導体を有する下部クラッド層12上に、コア層を含むノンドープ層14を成長する。ノンドープ層14は例えば、有機金属成長法または分子線エピタキシー成長法により成長する。後述する各半導体層についても、同様である。
具体的には例えば、n型InP基板44の上に、n型InPバッファ層(図示せず)と、AlGaInAs MQWを含むi型半導体層(ノンドープ層14)とを成長する。n型InP基板44とn型InPバッファ層は、下部クラッド層12を形成する。
(3−2)第2上部クラッドの形成工程(図8(b)参照)
ノンドープ層14上に、第1導電型とは異なる第2導電型の第2上部クラッド層16bを成長する。
具体的には例えば、ノンドープ層14上に、第2p型InP層(第2上部クラッド層16b)を成長する。
(3−3)第1半導体膜の形成工程(図8(c)参照)
第2上部クラッド層16bの上に、下面に接する第1下層(実施の形態1では、第2上部クラッド層16b)に対して選択的にエッチング可能な第1半導体膜46aを成長する。第1半導体膜46aは、第2上部クラッド層16bおよび後述する第1上部クラッド層16aより高い抵抗率を有するブロック層である。
具体的には例えば、第2p型InP層(第2上部クラッド層16b)の上に、i型InGaAsP膜(第1半導体膜46a)を成長する。i型InGaAsP膜(第1半導体膜46a)は、第2p型InPクラッド層(第2上部クラッド層16b)に対して選択的にエッチング可能な半導体である。
(3−4)選択エッチング工程(図9(a)参照)
第1半導体膜46a(図8(c)参照)の変調器形成領域48aの中央部(以下、第1中央部と呼ぶ)を、第1下層(具体的には、第2上部クラッド層16b)に対して選択的にエッチングする。この時、第1下層は殆どエッチングされない。変調器形成領域48aは、光位相変調器2a,2b(図1参照)に対応する領域である。
第1半導体膜46aのエッチング速度は好ましくは、第1下層の5倍以上(好ましくは、10倍以上)である。このエッチングにより第1半導体膜46aは、図9(a)に示すように、第1半導体層18a(ブロック層)になる。
具体的には例えば、i型InGaAsP膜(第1半導体膜46a)のうち上部電極24ba,24bb(図3参照)に対応する領域を、例えばHClとHとHOの混合液により、選択的にウェットエッチングする。第2上部クラッド層16bは殆どエッチングされず、該混合液に曝されても表面は平坦なままである。
(3−5)第1上部クラッド層およびコンタクト層の形成工程(図9(b)参照)
第1中央部がエッチングされた第1半導体膜46a(すなわち、第1半導体層18a)および第1下層(第2上部クラッド層16b)の上に第1導電型と逆の第2導電型(例えば、p型)の第1上部クラッド層16aを成長する(図9(b)参照)。その後、第1上部クラッド層16aの上に、第2導電型のコンタクト層22a,22b(図2参照)を形成する。
例えば、選択的にエッチングしたi型InGaAsP膜(第1半導体膜46a)および第2p型InP層(第2上部クラッド層16b)の上に更に、第1p型InP層(第1上部クラッド層16a)を成長する。その後、第1p型InP層(第1上部クラッド層16a)の上に、p型InGaAs層(コンタクト層122)を成長する。
第1p型InPクラッド層(第1上部クラッド層16a)およびp型InGaAs層(コンタクト層122)は、n型InP基板44全体を覆うように成長する。
その後、上部電極24ba,24bbに対応する領域が残るようにp型InGaAs層をエッチングして、コンタクト層22a,22bを形成する。
(3−6)光導波路の形成(図2参照)
コンタクト層22a,22bの形成後、例えばドライエッチングにより成長層を下部クラッド層12の上面までエッチングして、ハイメサ構造の光導波路を形成する。
その後、エッチング面をパッシベーション膜28a(図2参照)で覆う。更に形成した光導波路の側方に、樹脂層26を形成する。樹脂層26は、例えばベンゾシクロブテン層である。更に、樹脂層26を覆うパッシベーション膜28bを形成する。パッシベーション膜28a,28bは、例えばSiO膜である。
(3−7)電極の形成(図9(c)参照)
導波路の形成後、下部クラッド層12に接続された下部電極24aと、第1上部クラッド層16aの中央部上の上部電極24ba,24bbとを形成する。
具体的には例えば、n型InP基板44の裏面に下部電極24aを形成する。更に、コンタクト層22a,22b上に、上部電極24ba,24bbを形成する。その後、半導体基板44を劈開して、それぞれが光変調器2a,2bを含む複数の半導体装置に分割する。
以上の工程により、光変調器2a,2bが形成される。光位相変調器2a,2bは例えば、半導体光装置4の各構成要素(例えば、入力導波路6等)と一緒に形成される。
実施の形態1の製造方法によれば、電界の浸み出しを抑制する層構造(例えば、第1半導体層18+第1上部クラッド層16a)を、選択成長を用いずに形成することができる。従って、光変調器2a,2bの形成が容易になる。
図8〜9を参照して説明した製造方法では、変調器形成領域48aの中央部で第1半導体膜46aを選択的にエッチングする。しかし、変調器形成領域48aの一端側で第1半導体膜46aを選択的にエッチングしてもよい。この場合、コンタクト層22a,22bおよび上部電極24ba,24bbは、第1半導体層18aを選択的にエッチングした領域の上方に形成する。
また図8〜9を参照して説明した製造方法では、下部クラッド層12上にコア層を含むノンドープ層14を成長する。このノンドープ層14の代わりに、コア層を含む半絶縁層を成長してもよい(実施の形態2においても同様)。
(4)半絶縁性クラッド層を有する光変調器
図10は、上部クラッド層16の長手方向の両側に半絶縁性クラッド層52を有する光変調器54の断面図である。図10には、逆バイアス電圧に重畳された低周波信号(例えば、50MHz以下の電気信号)が供給された時に発生する電界38cが示されている。低周波信号は、コンタクト層22上に配置された上部電極24bに供給される。
半絶縁性クラッド層52は、図10に示すように、上部電極24bの外側に発生する電界(コア層14内の電界)を抑制する。従って図10に示す光変調器54によれば、光変調器の低帯域における応答特性(変調度)の劣化が抑制される。
図11は、半絶縁性クラッド層52の問題点を説明する図である。半絶縁性クラッド層52を形成するためには先ず、上部クラッド層16(図5(a)参照)のうち上部電極24bの外側に対応する領域を除去する。その後、上部クラッド層16を除去した領域に半絶縁性クラッド層52(例えば、半絶縁性InP層)を、有機金属成長法により選択的に成長する。しかし、上部クラッド層16を除去した領域に半絶縁性クラッド層52を選択的に成長すると、上部クラッド層16と半絶縁性クラッド層52の境界に段差56(図11参照)が形成される。この様な段差56は、上部電極24bの形成を困難にする。
上述したように、実施の形態1の光位相変調器2a,2bは、選択成長によらずに形成可能な層構造(第1半導体層18a+第1上部クラッド層16a)により、電界の浸み出しを抑制する。従って実施の形態1によれば、上部電極24bの形成を困難にする突起56を発生させずに、光位相変調器の周波数特性を改善することができる。すなわち実施の形態1によれば、周波数特性に優れた光変調器の形成が容易になる。
なお、以上の例ではマッハ・ツェンダ型光変調器に用いられる光位相変調器の例を示したが、本発明の構造は逆バイアスを印加する光変調器すべてに適用可能であり、例えば電界吸収型変調器でも同様の効果が得られる。
(5)変形例
(5−1)変形例1
以上の例では第1半導体層18aは、第1上部クラッド層16aおよび第2上部クラッド層16bより高い抵抗率を有するブロック層である。しかし第1半導体層18aは、第1上部クラッド層16aの導電型(例えば、p型)とは逆の導電型(例えば、n型)を有するブロック層であってもよい。以下、第1半導体層18aの導電型が第1上部クラッド層16aの導電型と逆の光変調器を、変形例1の光変調器と呼ぶ。
変形例1の上部電極24ba,24bbに逆バイアス電圧が印加されると、上部電極24ba,24bbの外側では逆バイアス電圧の一部が、第1上部クラッド層16aと第1半導体層18aとを含むpn接合の空乏層を広げるために使われる。その結果、上部電極24ba,24bbの外側のコア層14に印加される電圧が抑制される。従って変形例1によっても、低帯域における応答特性(変調度)の劣化が抑制される。
第1半導体層18aにおける不純物濃度が十分高ければ、第1半導体層18aが薄くても、第1上部クラッド層16aと第1半導体層18aとを含むpn接合には、大きな電圧の印加が発生し得る。従って、第1半導体層18aを薄層化しても、周波数特性の劣化は抑制できる。すなわち変形例1によれば、第1半導体層18aを薄層化できる。第1半導体層18aが薄層化されると、第1上部クラッド層16aの中央部と第1半導体層18aの境界で発生する導波光の反射が抑制される。
変形例1の光変調器は、図8及び図9を参照して説明した製造方法と略同じ手順で製造できる。具体的には、第1半導体膜46a(図8(c)参照)の導電型が第1上部クラッド層16aの導電型とは逆導電型であること以外は、図8及び図9を参照して説明した製造方法と同じ手順により変形例1の光変調器を製造できる。従って変形例1の光変調器も、図3を参照して説明した光変調器と同様、容易に形成である。
(5−2)変形例2
また以上の例では、第1上部クラッド層16aおよび第2上部クラッド層16bは、下部クラッド層12の導電型(例えば、n型)と逆の第2導電型(例えば、p型)を有する半導体層である。しかし、第1上部クラッド層16aおよび第2上部クラッド層16bは、下部クラッド層12の導電型(例えば、n型)と同じ導電型を有する半導体層であっても良い(実施の形態2〜4に於いても同様)。以下、上部クラッド層と下部クラッド層の導電型が同じ光変調器を、変形例2の光変調器と呼ぶ。
上部クラッド層と下部クラッド層が同じ導電型を有していてもコア層周辺の層14がi型または半絶縁性なので、コア層には大きな電界が印加される。従って、入射光の位相を変調することは可能である。更に変形例2の変調器は、第1半導体層18a(ブロック層)を有するので、低帯域における応答特性の劣化を抑制することができる。
ところで、半導体の光吸収係数は導電型により異なることがある。従って、上部クラッド層と下部クラッド層の導電型を、光吸収係数が小さくなる導電型にすることで光変調器の光損失を低減することができる。例えば、n型InPの光吸収係数は、p型InPの光吸収形係数より小さい。従って、上部クラッド層および下部クラッド層をn型InPで形成することで、光変調器の光損失を低減することができる。
同様に、高周波に対する半導体の損失は導電型により異なることがある。上部クラッド層と下部クラッド層の導電型を、高周波に対する損失が小さい導電型にすることで光変調器の高周波特性を改善することができる。例えば、n型InPの高周波に対する損失は、p型InPの高周波に対する損失より小さい。従って、上部クラッド層および下部クラッド層をn型InPで形成することで、光変調器の高周波特性を改善することができる。
変形例2の光変調器は、図8及び図9を参照して説明した製造方法と略同じ手順で製造できる。具体的には、第1及び第2上部クラッド層16a,16bとして、下部クラッド層12の導電型と同じ導電型を有する半導体層を成長すること以外は、図8及び図9を参照して説明した製造方法と同じ手順により、変形例2の光変調器を製造できる。従って、変形例2の光変調器も、図3を参照して説明した光変調器と同様に容易に形成である。
(5−3)変形例3
また以上の例では、光変調器2a,2bは、第1半導体層18aとノンドープ層14の間に、第2上部クラッド層16b(図3参照)を有する。しかし光位相変調器2a,2bは、第2上部クラッド層16bを有さなくても良い。以下、第2上部クラッド層16bを有さない光変調器を、変形例3の光変調器と呼ぶ。
図12は、変形例3の光変調器2cの長手方向の断面図である。第2上部クラッド層16bの有無に拘わらず、上部電極24ba,24bbに逆バイアス電圧が印加されると、第1半導体層18a(ブロック層)には、ノンドープ層14に発生する電界と同程度に強い電界が発生する。従って変形例3によれば、低帯域における応答特性(変調度)の劣化が抑制される。
変形例3の光変調器2cは、図8及び図9を参照して説明した製造方法と略同じ手順で形成できる。具体的には、第2上部クラッド層16b(図8(b)参照)を成長しないこと以外は図8及び図9を参照して説明した製造方法と同じ手順により、変形例3の光変調器3cを製造できる。従って変形例3の光変調器2cも、図3の光変調器2a,2bと同様に容易に形成である。更に第2上部クラッド層16bを成長しないので、製造工程が簡素化される(実施の形態2の光変調器202cについても同様)。
尚、コア層14がi型AlGaInAs MQWで第1半導体層18aがi型InGaAs層の場合、選択エッチング液は例えばAlGaAsAs層のエッチングレートが早くなるように組成比率を調整したHCl:CHCOOH:H:HOである。
(5−4)変形例4
また以上の例では、第1半導体層18aはInGaAsP層である。しかし、第1半導体層18aは、InGaAsP層以外の半導体層であってもよい。例えば、第1半導体層18aは、AlGaInAs層であっても良い。AlGaInAs層は、InP層に対して選択エッチング可能な半導体層である。
以上のように実施の形態1の光変調器は、高抵抗率(又は、第1上部クラッド層とは逆の導電型)を有すると共に選択エッチング可能な第1半導体層18a(ブロック層)を、コア層14の長手方向の端部の上に有する。従って、電界の浸み出しを抑制する層構造(第1半導体層18a+第1上部クラッド層16a)が、選択成長を用いずに形成できる。従って実施の形態1によれば、周波数特性に優れる共に形成が容易な光変調器が提供される。
なお以上の例では、図1に示す半導体光装置4に含まれる光位相変調器2a,2bを、実施の形態1の光変調器の一例として説明した。しかし、図1に示す半導体光装置4は、図3に示す構造を含むマッハ・ツェンダ型光変調器なので、実施の形態1の光変調器とも考えられる。
(実施の形態2)
実施の形態2の光変調器は、実施の形態1の光位相変調器2a,2b(図3参照)において更に、第1半導体層18aと第1上部クラッド層16aの間に配置された第2半導体層を有する光位相変調器である。実施の形態2の光変調器は、第2半導体層を有すること以外は、実施の形態1の光変調器2a,2bと略同じ構造を有している。従って、実施の形態1と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。
(1)構造
図13は、実施の形態2の光変調器202aの長手方向に沿った断面図である。
実施の形態2の光変調器202aは、第1半導体層218aと第1上部クラッド層16aの間に配置された第2半導体層218bを有する。
図13に示すように、第2半導体層218bの上部電極側(第2電極側)の第2側面20bは、第1上部クラッド層16aで覆われる。第2半導体層218bは、第1上部クラッド層16aより高い抵抗率または第1上部クラッド層16aの導電型とは逆の導電型を有するブロック層である。
第2半導体層218bは好ましくは、第1上部クラッド層16aの屈折率以上で第1半導体層218aの屈折率より小さい屈折率を有する半導体層である。更に好ましくは、第2半導体層218bは、第1上部クラッド層16aの屈折率を有する半導体層である。
具体的には例えば、第1上部クラッド層16aおよび第2上部クラッド層16bは、p型のInP層である。第1半導体層218aは例えば、i型(又は、n型)のInGaAsP層である。第2半導体層218bは例えば、i型(又は、n型)のInP層である。
光変調器202aは、実施の形態1の光変調器2a,2bと同様、下層に対して選択エッチング可能な第1半導体層218aを有する。従って、実施の形態2の光変調器202aは、実施の形態1の光変調器2a,2bと同様、容易に形成することができる。
第1半導体層218aおよび第2半導体層218bは、高抵抗率(又は、上部クラッド層とは逆の導電型)を有するブロック層である。従って、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、上部電極24baの外側への電界の浸み出しを抑制することができる。従って、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、周波数特性に優れる共に形成が容易な光変調器を提供できる。
更に第2半導体層218bが電界の浸み出しを抑制するブロック層なので、第1半導体層218aを薄くしても、上部電極24baの外側への電界の浸み出しを抑制することができる。
ところで上述したように、第2半導体層218bは、第1上部クラッド層16a(例えば、p型InP層)の屈折率以上で第1半導体層218a(例えば、i型InGaAsP層)の屈折率より小さい屈折率を有する半導体層(例えば、i型InP層)である。従って、第1半導体層218aを薄くすることで、第1半導体層218aが配置された領域の導波モードと第1半導体層218aがない電極部の導波モードの差異を小さくすることができる。従って実施の形態2によれば、コア層端部とコア層中央部の境界で発生する光反射を抑制することができる。
(2)製造方法
図14は、実施の形態2の光変調器202aの製造方法を説明する工程断面図である。
(2−1)コア層および第2上部クラッドの形成工程(図8(a)〜図8(b)参照)
実施の形態1と略同じ手順により、第1導電型の半導体(例えば、n型InP)を有する下部クラッド層12上に、コア層を含むノンドープ層14(例えば、i型AlGaInAs MQWを含む半導体層)と第2上部クラッド層16b(例えば、n型InP層)を成長する。
(2−2)第2及び第3半導体膜の形成工程(図14(a)参照)
ノンドープ層14の上方に、下面に接する第2下層(例えば、第2上部クラッド層16b)に対して選択的にエッチング可能な第2半導体膜46bと第2半導体膜46b上の第3半導体膜46cとを含む積層膜58を成長する。第2半導体膜46bは例えば、i型InGaAsP膜である。第3半導体膜46cは、例えばi型InP層である。
第2半導体膜46bおよび第3半導体膜46cは、第2上部クラッド層16bおよび後述する第1上部クラッド層16aより高い抵抗率(又は、第1及び第2上部クラッド層16a,16bとは逆の導電型)を有する半導体層である。
(2−3)選択エッチング工程(図14(b)および図14(c)参照)
積層膜58の変調器形成領域48bの中央部(以下、第2中央部と呼ぶ)において、第3半導体膜46cを第2半導体膜46bに対して選択的にエッチングする(図14(b)参照)。その後、更に第2下層(具体的には、第2上部クラッド層16b)に対して第2半導体膜46bを選択的にエッチングする(図14(c)参照)。変調器形成領域48bは、光位相変調器に対応する領域である。上記エッチングにより、第3半導体膜46cは第2半導体層218bになる。第2半導体膜46bは、第1半導体層218aになる。
具体的には例えば、i型InP層(第3半導体膜46c)のうち上部電極24ba(図13参照)に対応する第2中央部を、濃HClで選択的にエッチングする(図14(b)参照)。その後、i型InGaAsP層(第2半導体膜46b)のうち第2中央部を、HClとHとHOの混合液により選択的にエッチングする図14(c)参照)。
(2−4)第1上部クラッドおよびコンタクト層の形成工程(図13参照)
その後、実施の形態1と略同じ手順により、第1上部クラッド層16a、コンタクト層22aを成長し、光導波路を形成し、下部電極24aおよび上部電極24baを形成する。
実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、電界の浸み出しを抑制する層構造(第1半導体層18a+第2半導体層18b+第1上部クラッド層16a)を、選択成長を用いず形成することができる。従って実施の形態2によれば、周波数特性に優れた光変調器202aを容易に形成できる。
図14〜15を参照して説明した製造方法では、変調器形成領域48bの中央部で第3半導体膜46cを選択的にエッチングする。しかし、変調器形成領域48bの一端側で第3半導体膜46cを選択的にエッチングしてもよい。この場合、コンタクト層22aおよび上部電極24baは、第3半導体膜46cを選択的にエッチングした領域の上方に形成する。
(3)変形例
以上の例では、第2半導体層218bはInP層である。しかし、第2半導体層218bは、InP層以外の半導体層であってもよい。例えば第2半導体層218bは、InGaAsP層またはAlGaInAs層であっても良い。
また以上の例では、第1半導体層218aはInGaAsP層である。しかし第1半導体層218aは、InGaAsP層以外の半導体層であっても良い。第1半導体層218aは例えば、AlGaInAs層またはInP層であってもよい。第1半導体層218aがInP層の場合、第2上部クラッド層16bの最上層は、InP層に対して選択エッチング可能なp型InGaAsP層(または、p型AlGaInAs層)であることが好ましい。
以上の例では第1半導体層218aは、第1及び第2上部クラッド層16a,16bより高い抵抗率(または、第1及び第2上部クラッド層16a,16bの導電型とは逆の導電型)を有する半導体層(すなわち、ブロック層)である。しかし第1半導体層218aは、第1及び第2上部クラッド層16a,16b(例えば、p型InP層)と同じ導電型を有する半導体層(例えば、p型InGaAsP層)であっても良い。この様な構造でも、第2半導体層218bにより、上部電極24baの外側への電界の浸み出しを抑制することができる。
この場合、第1半導体層218aに対応する第2半導体膜46b(図14(b)参照)は、第1及び第2上部クラッド層16a,16b(例えば、p型InP層)と同じ導電型を有する半導体層(例えば、p型InGaAsP膜)である。
また以上の例では、光位相変調器202aは、第2上部クラッド層16b(図13参照)を有する。しかし光位相変調器202aは、第2上部クラッド層16bを有さなくても良い。
図15は、第2上部クラッド層16bを有さない光位相変調器202cの長手方向の断面図である。第2上部クラッド層16bの有無に拘わらず、上部電極24baに電圧が印加されると、少なくとも第2半導体層218b(ブロック層)には、ノンドープ層14に発生する電界と同程度の強い電界が発生する。従って第2上部クラッド層16bが存在しなくても、低帯域における応答特性(変調度)の劣化を抑制できる。
第2上部クラッド層16bを有さない光変調器202cは、図14の製造方法と略同じ手順で形成できる。具体的には、第2上部クラッド層16b(図13参照)を成長しないこと以外は、図14を参照して説明した光変調器202cの製造方法と同じ手順により、図15の光変調器202cを製造することができる。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、周波数特性に優れる共に形成が容易な光変調器が提供される。更に実施の形態2によれば、下層に対して選択エッチング可能な第1半導体層218aを、第1上部クラッド層16aの屈折率と同一または略同じ屈折率を有する半導体層で形成できる。従って、端部と上部電極が形成された部分との境界における光反射を抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の光変調器は、コプレーナ型電極を有する光変調器である。実施の形態3の光変調器は、コプレーナ型電極を有すること以外は、実施の形態1の光変調器2a,2bと略同じ構造を有する。従って、実施の形態1と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。
図16は、実施の形態3の光変調器302a,302bが搭載された半導体光装置304の平面図である。図17は、図16のXVII−XVII線に沿った断面図である。半導体光装置304は、コプレーナ型電極324a,324ba,324bbを有するマッハ・ツェンダ型光変調器である。
半導体光装置304の下部クラッド層312(第1クラッド層)は、半絶縁性の半導体基板344(例えば、SI InP基板)と、半導体基板344の上に配置された第1導電型の半導体層362(例えば、n型InP層)とを有する。更に半導体光装置304は、下部電極24aの代わりに、第1導電型の半導体層362の表面に配置された接地電極324a(第1電極)を有する。第1上部電極324ba、第2上部電極324bbおよび接地電極324aは、コプレーナ型電極を形成する。以上の点を除けば、光変調器302a,302bは、実施の形態1の光変調器2a,2bと略同じ構造を有する。
実施の形態3の光位相変調器302a,302bは、実施の形態1の光位相変調器2a,2bと同様、下面に対して選択エッチング可能な第1半導体層18a(ブロック層)を有する。従って実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、周波数特性に優れる共に形成が容易な光変調器が提供される。
ところで半絶縁性の半導体基板は、半導体光装置の周波数特性を改善する。従って実施の形態3に依れば、実施の形態1の光位相変調器2a,2bより更に優れた周波数特性を有する光変調器の提供が可能になる。
(実施の形態4)
(1)構造
実施の形態4の光変調器は、半導体レーザと共に半導体光装置に集積される。しかかし実施の形態4の光変調器は、実施の形態1の光位相変調器2a,2bと略同じ構造を有する。従って、実施の形態1と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。
図18は、実施の形態4の光位相変調器2a,2bが集積された半導体光装置404の平面図である。図19は、図18のXIX−XIX線に沿った断面図である。半導体光装置404は、実施の形態1の半導体光装置4において、更に入力導波路6に接続された半導体レーザ470を有する半導体装置である。以上の点を除けば、半導体光装置404は、実施の形態1の半導体光装置4と略同じ構造を有する。
半導体レーザ470は例えば、分布帰還型半導体レーザである。半導体レーザ470は例えば、第1導電型の下部クラッド層12(例えば、n型InPクラッド層)と、下部クラッド層12内に配置された回折格子472(例えば、InGaAsP回折格子)とを有する(図19参照)。半導体レーザ470は更に、活性層474(例えば、InGaAsP系MQW)と第2導電型の上部クラッド層416(例えば、p型InPクラッド層)とを有する。活性層474は例えば、1.55μm帯に利得を有する。半導体レーザ470は更に、コンタクト層422(例えば、p型InGaAs層)と上部電極424と、下部電極24aとを有する。
上部電極424と下部電極24aの間に順バイアス電圧を印加すると、活性層474に電流が注入される。図19に示すように、半導体レーザ470には、第1半導体層18a(ブロック層)は配置されない。従って、活性層474への電流注入が第1半導体層18a(ブロック層)により阻害されることはない。
第1半導体層18a(ブロック層)は、実施の形態1と同様、光位相変調器2a,2bにおける電界の浸み出しを抑制する。第1半導体層18a(ブロック層)は更に、半導体レーザ470から光変調器2a,2bへの電流の漏れを抑制する。従って実施の形態4によれば、半導体レーザと光変調器2a,2bとを有する光半導体装置の電流漏れを抑制することができる。
(2)製造方法
図20及び図21は、実施の形態4の半導体光装置404の製造方法の一例を説明する工程断面図である。
(2−1)回折格子の形成工程(図20(a)〜図20(b)参照)
第1導電型の半導体基板444(例えば、n型InP基板)の上に、半導体基板444とは異なる屈折率を有する半導体層480(例えば、InGaAsP層)を成長する(図20(a)参照)。
次にこの半導体層480を加工して、半導体レーザ470に対応する領域に回折格子472を形成する(図20(b)参照)。半導体層480の加工は例えば、電子ビーム描画法を用いて行う。
(2−2)p型クラッド及び活性層の形成工程(図20(c)参照)
回折格子472が形成された半導体基板444の上に、第1導電型の半導体層484(例えば、n型InP層)を成長する。その後、半導体層484の上に、MQW486(例えば、InGaAsP系MQW)と第2導電型の半導体層488(例えば、p型InP層)を成長する。
半導体基板444と半導体層484は、下部クラッド層12になる。MQW486は、活性層474に対応する半導体層である。半導体層488は、上部クラッド層416に対応する半導体層である。
(2−3)バットジョイントの形成工程(図20(d)〜図20(e)参照)
半導体レーザ470に対応する領域を除いて、半導体層488およびMQW486を除去する(図20(d)参照)。
半導体層488およびMQW486を除去した領域に、コア層14、第2上部クラッド層16b、および第1半導体膜46aを選択的に成長する。この選択成長により、バットジョイント(突合せ接合)が形成される(図20(e)参照)。
コア層14は例えば、i型AlGaInAs MQWを含む半導体層である。第2上部クラッド層16bは例えば、p型InP層である。第1半導体膜46aは例えば、i型InGaAsP膜である。
(2−4)ブロック層および第1上部クラッド層の形成工程(図21(f)〜図21(g)参照)
第1半導体膜46aのうち上部電極24ba,24bb(図19及び図2参照)に対応する領域を選択的にエッチングして、第1半導体層18a(ブロック層)を形成する(図21(f)参照)。
その後、半導体基板444の全面に、第1上部クラッド層16aと、不純物濃度が第1上部クラッド層16aより高い半導体層446(例えば、p型InGaAs層)とを成長する。
半導体層446のうち上部電極424,24ba,24bb(図19及び図2参照)に対応する領域以外の半導体層446をエッチングして、半導体レーザおよび光変調器のコンタクト層422,22a,22bを形成する(図21(g)参照)。
(2−5)導波路および電極の形成工程(図21(h)参照)
コンタクト層の成長後、例えばドライエッチングにより、下部クラッド層12の上面まで成長層をエッチングして、ハイメサ構造の光導波路を形成する。
その後、半導体レーザ470の側方に例えば、半絶縁性のInP層を形成する。光変調器2a,2bの側方には、パッシベーション膜(図示せず)および樹脂層(図示せず)を形成する。更に、樹脂層26(図2参照)および第1半導体層18aの上方を覆うパッシベーション膜28bを形成する。
その後、コンタクト層422,22a,22b(図21(h)および図2参照)の上に、上部電極424,24ba,24bb(図21(h)および図2参照)を形成する。
実施の形態4によれば、実施の形態1と同様、電界の浸み出しを抑制する層構造(第1半導体層18a+第1上部クラッド層16a)を、選択成長を用いず形成することができる。従って、光変調器2a,2bの形成が容易になる。
ところで、バットジョイント(突合せ接合)の形成後に一旦、半導体層の成長を中断する。この中断は、選択成長に用いた絶縁膜を除去するためのものである。この中断の間に、第1半導体膜46aを選択的にエッチングすることができる。従って、成長中断の回数を増やさずに、第1半導体層18a(ブロック層)を形成することができる。
なお半導体レーザ470の代わりに、半導体光増幅器や分波器を半導体光装置404に集積してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施の形態1〜4は、例示であって制限的なものではない。
例えば実施の形態の光変調器は、位相変調器である。しかし実施の形態の光変調器は、入力光の強度を変調する電界吸収型の光変調器であってもよい。
また実施の形態の光変調器は、半導体光装置の一部である。しかし、実施の形態1〜4の光変調器は、単独の光素子であってもよい。
また実施の形態では、半導体基板はInPである。しかし、半導体基板はInP基板以外の半導体であってもよい。例えば、半導体基板はGaAsであってもよい。この場合、コア層はGaAs/AlGaAs MQWにより形成できる。クラッド層は、AlGaAsにより形成できる。
以上の実施の形態1〜4に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1導電型の半導体を有する下部クラッド層と、
前記下部クラッド層上に配置されたコア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層と、
前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に配置され、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層と、
前記下部クラッド層に接続された第1電極と、
前記第1上部クラッド層の上に配置された第2電極と、
前記第2電極の長手方向の端付近から外側にかけての少なくとも一部において前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第1側面が前記第1上部クラッド層で覆われると共に、下面に接する下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体層と、
前記第1半導体層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第2側面が前記第1上部クラッド層で覆われた第2半導体層または前記1半導体層であって、前記第1上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有するブロック層とを有する
光変調器。
(付記2)
更に、前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に設けられ、前記第1上部クラッド層の導電型を有し、前記第1上部クラッド層および前記第1半導体層により上面が覆われた第2上部クラッド層を有し、
前記ブロック層が、前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第2上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有することを
特徴とする付記1に記載の光変調器。
(付記3)
前記第2半導体層は、前記第1上部クラッド層の屈折率以上で前記第1半導体層の屈折率より小さい屈折率を有することを
特徴とする付記1又は2に記載の光変調器。
(付記4)
前記第1上部クラッド層、前記第2上部クラッド層および下部クラッド層は、1×1017cm−3以上の不純物濃度を有し、
前記ノンドープ層は、5×1016cm−3以下の不純物濃度(あるいはキャリア濃度)を有し、
前記半絶縁層は、1×10Ωcm以上の抵抗率を有し、
前記第1半導体層または前記第2半導体層は、5×1016cm−3以下の不純物濃度(あるいはキャリア濃度)または1×10Ωcm以上の抵抗率を有することを
特徴とする付記2に記載の光変調器。
(付記5)
前記第1上部クラッド層の導電型は、前記下部クラッド層が有する前記第1導電型とは逆の前記第2導電型であり、
前記第1電極と前記第2電極の間に、前記第1上部クラッド層と前記下部クラッド層とを含むPN接合の逆バイアス電圧と、前記逆バイアス電圧に重畳された1GHzを超える高周波信号とが供給されることを
特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の光変調器。
(付記6)
第1導電型の下部クラッド層と、
前記下部クラッド層上に配置されたノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層と、
前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に配置され、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層と、
前記下部クラッド層に接続された第1電極と、
前記第1上部クラッド層の上に配置された第2電極と、
前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層の前記第2電極の長手方向の端付近から外側にかけての少なくとも一部と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第1側面が前記第1上部クラッド層で覆われると共に、下面に接する下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体層と、
前記第1半導体層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第2側面が前記第1上部クラッド層で覆われた第2半導体層または前記1半導体層であって、前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層の前記第2電極の長手方向の端付近から外側にかけての少なくとも一部に印加される電界を抑制するブロック層とを有する
光変調器。
(付記7)
第1導電型の半導体を有する下部クラッド層上に、コア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層を成長する工程と、
下面に接する第1下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体膜を前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に成長する工程と、
前記第1半導体膜の一部を前記第1下層に対して選択的にエッチングする工程と、
前記エッチングする工程の後に、前記一部がエッチングされた前記第1半導体膜および前記第1下層の上に前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層を成長する工程と、
前記下部クラッド層に接続された第1電極と、前記第1上部クラッド層を介して前記一部の上方に配置される第2電極とを形成する工程を有し、
前記第1半導体膜は、前記第1上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有する
光変調器の製造方法。
(付記8)
更に、前記第1半導体膜を成長する工程の前に、前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に、前記第1上部クラッド層の導電型を有する第2上部クラッド層を成長する工程を有し、
前記第1半導体膜は、前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第2上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有することを
特徴とする付記7に記載の光変調器の製造方法。
(付記9)
第1導電型の半導体を有する下部クラッド層上に、コア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層を成長する工程と、
下面に接する第2下層に対して選択的にエッチング可能な第2半導体膜と前記第2半導体膜上の第3半導体膜とを含む積層膜を、前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に成長する工程と、
前記積層膜の一部で前記第3半導体膜をエッチングし更に前記第2下層に対して前記第2半導体膜を選択的にエッチングする工程と、
前記一部がエッチングされた前記積層膜および前記第2下層の上に前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層を成長する工程と、
前記下部クラッド層に接続された第1電極と、前記第1上部クラッド層を介して前記一部の上方に配置される第2電極とを形成する工程を有し、
前記第3半導体膜は、前記第1上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有する
光変調器の製造方法。
(付記10)
更に、前記積層膜を成長する工程の前に、前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に、前記第1上部クラッド層の導電型を有する第2上部クラッド層を成長する工程を有し、
前記第3半導体膜は、前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第2上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有することを
特徴とする付記9に記載の光変調器の製造方法。
2a,2a,2c・・・光位相変調器
12・・・下部クラッド層
14・・・ノンドープ層、あるいは、半絶縁層
16a・・・第1上部クラッド層 16b・・・第2上部クラッド層
18a,218a・・・第1半導体層
18b,218b・・・第2半導体層
20a・・・第1側面 20b・・・第2側面
24a・・・第1電極(下部電極)
24ba,24bb・・・第2電極(上部電極)
46a・・・第1半導体膜 46b・・・第2半導体膜
46c・・・第3半導体膜
48a,48b・・・変調器形成領域
58・・・積層膜

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体を有する下部クラッド層と、
    前記下部クラッド層上に配置されたコア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層と、
    前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に配置され、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第1上部クラッド層と、
    前記下部クラッド層に接続された第1電極と、
    前記第1上部クラッド層の上に配置された第2電極と、
    前記第2電極の長手方向の端付近から外側にかけての少なくとも一部において前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第1側面が前記第1上部クラッド層で覆われると共に、下面に接する下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体層と、
    前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に設けられ、前記第1上部クラッド層の導電型を有し、前記第1上部クラッド層および前記第1半導体層により上面が覆われた第2上部クラッド層と、
    記第1半導体層と前記第1上部クラッド層の間に配置され前記第2電極側の第2側面が前記第1上部クラッド層で覆われた第2半導体層または前記第1半導体層であって、前記第1上部クラッド層および前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有するブロック層とを有する
    光変調器。
  2. 前記第2半導体層は、前記第1上部クラッド層の屈折率以上で前記第1半導体層の屈折率より小さい屈折率を有することを
    特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 第1導電型の半導体を有する下部クラッド層上に、コア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層を成長する工程と、
    前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第2上部クラッド層を成長する工程と、
    面に接する第1下層に対して選択的にエッチング可能な第1半導体膜を、前記第2上部クラッド層上に成長する工程と、
    前記第1半導体膜の一部を前記第1下層に対して選択的にエッチングする工程と、
    前記エッチングする工程の後に、前記一部がエッチングされた前記第1半導体膜および前記第1下層の上に前記第2上部クラッド層の導電型を有する第1上部クラッド層を成長する工程と、
    前記下部クラッド層に接続された第1電極と、前記第1上部クラッド層を介して前記一部の上方に配置される第2電極とを形成する工程を有し、
    前記第1半導体膜は、前記第1上部クラッド層および前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有する
    光変調器の製造方法。
  4. 第1導電型の半導体を有する下部クラッド層上に、コア層を含むノンドープ層、あるいは、前記コア層を含む半絶縁層を成長する工程と、
    前記ノンドープ層、あるいは、前記半絶縁層上に、前記第1導電型と逆の第2導電型または前記第1導電型を有する第2上部クラッド層を成長する工程と、
    面に接する第2下層に対して選択的にエッチング可能な第2半導体膜と前記第2半導体膜上の第3半導体膜とを含む積層膜を、前記第2上部クラッド層上に成長する工程と、
    前記積層膜の一部で前記第3半導体膜をエッチングし更に前記第2下層に対して前記第2半導体膜を選択的にエッチングする工程と、
    前記一部がエッチングされた前記積層膜および前記第2下層の上に前記第2上部クラッド層の導電型を有する第1上部クラッド層を成長する工程と、
    前記下部クラッド層に接続された第1電極と、前記第1上部クラッド層を介して前記一部の上方に配置される第2電極とを形成する工程を有し、
    前記第3半導体膜は、前記第1上部クラッド層および前記第2上部クラッド層より高い抵抗率または前記第1上部クラッド層の導電型とは逆の導電型を有する
    光変調器の製造方法。
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