JP6530669B2 - ガス濃度測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス濃度測定装置に関し、より詳細には、第1の濃度と第2の濃度との2濃度検査にて高精度なガス濃度測定が可能な算出式を用いたガス濃度測定装置に関する。
従来から大気中の測定対象ガスの濃度測定を行うガス濃度測定装置として、ガスの種類によって吸収される赤外線の波長が異なることを利用し、この吸収量を検出することによりそのガス濃度を測定する非分散赤外吸収型(Non−Dispersive Infrared)ガス濃度測定装置が知られている。この原理を用いたガス濃度測定装置としては、例えば、測定対象ガスが吸収特性を持つ波長に限定した赤外線を透過するフィルタ(透過部材)と赤外線センサを組み合わせ、赤外線の吸収量を測定することによってガスの濃度を測定するようにしたものが挙げられる。
また、この原理の応用を用いたガス濃度測定装置として、例えば、特許文献1に記載のものは、測定対象ガスによる赤外線の吸収が生じない波長域の赤外線を選択的に透過する参照用フィルタと、測定対象ガスによる赤外線の吸収が生じる波長域の赤外線を選択的に透過する測定用フィルタをそれぞれ配置した赤外線検出素子を複数配置し、それぞれの赤外線検出素子からの出力信号に基づいて測定対象ガスの検出や濃度測定をしており、検出精度や出力の安定性を向上させた炭酸ガス濃度測定装置及び炭酸ガス検出方法である。
以下、これらも含めて、ガス濃度測定装置及びガス濃度測定方法ともいう。その動作原理は、波長による吸収度合いの差異を、炭酸ガス検出に応用したものである。光源であるセラミックヒータから放射された赤外線において、波長4.3μm付近の赤外線は、気体容器内の炭酸ガスにより吸収されて、その放射強度が低下する。一方、波長3.9μmの赤外線は、炭酸ガスによる吸収はなく、その放射強度が低下することはない。
そして、ガス測定装置の気体容器内を通過した異なる波長を含む赤外線から、波長4.3μmと波長3.9μmとの2波を、2波それぞれに対応した通過帯域を有する2種類の光学フィルタで濾波選別する。これら波長の異なる赤外線それぞれの放射強度に基づいて、気体容器内の炭酸ガスの濃度が算出される。セラミックヒータの放射強度分布は、炭酸ガスの赤外線吸収スペクトルを含み、2μm〜50μmの波長領域でブロードであるため、炭酸ガスの赤外線吸収スペクトル付近の波長領域で十分な放射強度を有する。したがって、光源にセラミックヒータを用いたガス測定装置の検出精度及び出力の安定性は向上する。
特開平9−33431号公報
非分散赤外吸収型ガス濃度測定装置では、ランバートベール(Lambert−Beer_law)の法則に基づいて、例えば、下記式(1)に則った測定用赤外線検出部の出力が得られる。
Figure 0006530669
式(1)中、Vは測定用赤外線検出部の出力、Gは測定用赤外線検出部が光信号を電気信号に変える際のゲイン、Iは測定対象ガスによる吸収がなかった場合に測定用赤外線検出部に入射する光信号、εは吸光度係数、l(エル)は光路長、cは測定対象ガスの濃度、αは測定用赤外線検出部の出力オフセット、である。出力オフセットαは、測定対象ガスによって吸収されない波長の光の測定用赤外線検出部への入射等によって生じる。
しかし、出力オフセットαやゲインG、吸収がなかった場合の出力Iは個体ごとにばらつきがあり、これらを定量化することは極めて困難である。そのため、2濃度検査を前提に測定対象ガスの濃度値を演算する場合、従来は、例えば、3つ中1つの係数が固定であり、2濃度の検査から残りの係数を求める、測定用赤外線検出部の出力を変数とし測定対象ガスの濃度を出力する2次関数を定義し、その2次関数用いて濃度演算を行っていた。この演算方法では、ゲインや出力オフセットのばらつきの影響を完全に除去できないため、演算精度は低いものであった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、第1の濃度と第2の濃度との2濃度検査にて、高精度なガス濃度測定が可能なガス濃度測定装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の様態は、光源と、前記光源からの光に応じた信号である測定出力を出力する測定用赤外線検出部と、前記測定用赤外線検出部からの出力が入力される演算部と、を備えたガス濃度測定装置であって、前記演算部は、第1の濃度の測定対象ガス中で前記測定用赤外線検出部が出力する第1の測定出力と、前記第1の濃度とは異なる第2の濃度の測定対象ガス中で前記測定用赤外線検出部が出力する第2の測定出力と、を有し、前記第2の測定出力と前記第1の測定出力との差分から得られる第1の補正値に対する、測定時の前記測定出力と前記第1の測定出力との差分から得られる第2の補正値の比を2次以上の項を有する基準濃度算出式の変数値に代入して測定対象ガスの濃度を演算するガス濃度測定装置である。
本発明のガス濃度測定装置によれば、高精度なガス濃度測定が可能な算出式を用いたガス濃度測定装置を実現することが可能になる。
本発明に係るガス濃度測定装置の実施形態を説明するための構成図である。 実施例と比較例を対比した結果を示す図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかであろう。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[実施形態]
図1は、本発明に係るガス濃度測定装置の実施形態を説明するための構成図である。図中符号10はガスセル、11はガス導入口、12はガス導出口、20は光源、31は測定用赤外線検出部、40は演算部、100はガス濃度測定装置、Lは最短距離の光路長を示している。なおここでは参考のため、ガスセル10を明示しているが、本発明においてガスセルは必須の構成ではなく、ガスセルの無い形態でも試験容器内等にガス濃度測定装置を配置することで下記と同様の2濃度検査を行うことが可能である。
本実施形態のガス濃度測定装置100は、光源20と、光源20からの光に応じた信号である測定出力を出力する測定用赤外線検出部31と、測定用赤外線検出部31からの出力が入力される演算部40と、を備えたガス濃度測定装置である。
演算部40は、第1の濃度の測定対象ガス中で測定用赤外線検出部31が出力する第1の測定出力と、第1の濃度とは異なる第2の濃度の測定対象ガス中で光測定用赤外線検出部31が出力する第2の測定出力と、を有し、第2の測定出力と第1の測定出力との差分から得られる第1の補正値に対する、測定時の測定出力と第1の測定出力との差分から得られる第2の補正値の比に基づいて測定対象ガスの濃度を演算するガス濃度測定装置である。
本実施形態による効果の一例を、式(1)を用いて説明する。
まず、第1の補正値を、第2の測定出力と第1の測定出力との差分とし、第2の補正値を測定時の測定用赤外線検出部31の出力と第1の測定出力との差分とすると、下記式が得られる。
Figure 0006530669
Figure 0006530669
ここで、Aは第1の補正値、Aは第2の補正値、Vは測定時の測定用赤外線検出部31の出力、Vは測定対象ガスが第1の濃度である場合の測定用赤外線検出部31の出力、Vは定対象ガスが第2の濃度である場合の測定用赤外線検出部31の出力、cは測定対象ガスの第1の濃度、cは測定対象ガスの第2の濃度、cは測定時の測定対象ガスの濃度である。
式(2)、式(3)より、第1の補正値および第2の補正値は、ばらつき成分であるオフセットαが含まれていないことが理解される。
また、第1の補正値に対する第2の補正値の比をとると、
Figure 0006530669
が得られる。
ここで、Rは第1の補正値に対する第2の補正値の比である。
式(4)より、第1の補正値に対する第2の補正値の比をとることで、ばらつき成分である、GやIが消去されていることがわかる。
以上より、本実施形態のガス濃度測定装置100は、第1の濃度の測定対象ガス中で測定用赤外線検出部31が出力する第1の測定出力と、第1の濃度とは異なる第2の濃度の測定対象ガス中で測定用赤外線検出部31が出力する第2の測定出力と、を有し、測定時の第2の測定出力と第1の測定出力との差分から得られる第1の補正値に対する、測定時の測定出力と第1の測定出力との差分から得られる第2の補正値の比に基づいて測定対象ガスの濃度を演算することにより、2つの異なる既知濃度における測定出力を予め取得することのみで、従来よりも高精度なガス濃度測定が可能になることが理解される。
ここで、測定対象ガスの濃度を演算するための濃度算出式としては、種々の式を利用することができる。一例としては、式(5)のような式を用いてもよい。
Figure 0006530669
ここで、cは測定対象ガスの濃度、aは濃度算出式の2次の係数、aは濃度算出式の1次の係数、aは濃度算出式の0次の係数である。aなどの濃度算出式の係数は、本実施形態のガス濃度測定装置100と近いガス濃度特性を示す、別個体のガス濃度測定装置における、Rとcの関係を表す2次近似式の係数である。
いずれの濃度換算式を用いる場合においても、上述したように第1の補正値に対する第2の補正値の比に基づいて測定対象ガスの濃度を演算することで、各種のばらつき成分が消去され、精度の高い濃度演算が可能になることは明らかである。
また、本実施形態に係わるガス濃度測定装置100において、ガス濃度測定装置100は、測定用赤外線検出部31の近傍に配置され、前記光源からの光に応じた信号である参照出力を出力する参照用赤外線検出部(図示せず)をさらに備え、演算部は測定出力を参照出力に基づいて補正してもよい。
測定出力を参照出力に基づいて補正することで、式(1)中のIが経時的に変化したとしても、その変化分を補正できるため、従来よりも高精度なガス濃度測定が可能になるという効果を奏する。
補正の具体例としては、式(6)などがある。
Figure 0006530669
ここで、V’は参照出力で補正された測定出力、Vrefは参照出力である。
また、本実施形態に係わるガス濃度測定装置100において、演算部は測定出力を、光源20を消灯させた時の測定出力に基づいて補正してもよい。また、本実施形態に係わるガス濃度測定装置100において、演算部は参照出力を、光源20を消灯させた時の参照出力に基づいて補正してもよい。
補正の具体例としては、式(7)、式(8)のように、光源20を点灯させた時の測定出力および参照出力と、光源20を消灯させた時の測定出力および参照出力の差分をとるなどがある。
Figure 0006530669
ここで、Dは測定出力を光源20を消灯させた時の測定出力で補正したもの、Drefは参照出力を光源20を消灯させた時の参照出力で補正したもの、Vonは光源20を点灯させた時の測定出力、Voffは光源20を消灯させた時の測定出力、Vref_onは光源20を点灯させた時の参照出力、Vref_offは光源20を消灯させた時の参照出力、である。
ここで、光源20を点灯させた状態とは、光源20が周囲環境から放射される赤外線量よりも多い赤外線を放射している状態をいう。
また、光源20を消灯させた状態とは、完全に消灯している状態でなくてもよい。
光源20に電力が供給されて光源20が赤外線を放射している状態であっても、放射する赤外線量が光源20点灯時に放射する赤外線量以下である場合、または周囲環境から放射される赤外線量以下である場合には、光源20は実質的に赤外線を放射しない状態であるため消灯状態と看做される。
光源20を消灯させた時の測定出力や参照出力に基づいて、測定出力や参照出力を補正することで、測定出力や参照出力に含まれる回路的オフセットを補正できるため、従来よりも高精度なガス濃度測定が可能になるという効果を奏する。
ここで、回路的オフセットとは、例えば測定用赤外線検出や参照用赤外線検出部に内蔵されるオペアンプの出力オフセットなどである。
以下、本実施形態のガス濃度測定装置における各構成要件について説明する。各構成要件の具体例や技術的特徴は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で単独または組み合わせて適用可能である。
(測定用赤外線検出部及び参照用赤外線検出部)
測定用赤外線検出部31、参照用赤外線検出部(図示せず)は、光源20が出力する赤外線に対する感度を有し、入射された赤外線に応じた信号を出力するものである。測定用赤外線検出部31は参照用赤外線検出部よりも、測定対象ガスによる赤外線吸収帯域に対する感度の赤外線吸収帯域以外の帯域に対する感度に対する比が大きいものであれば特に制限されない。測定用赤外線検出部31及び参照用赤外線検出部には、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile:熱電堆)、ボロメータ(Bolometer)等の熱型赤外線センサや、量子型赤外線センサ等が好適である。
測定用赤外線検出部31、参照用赤外線検出部は、測定対象ガスに併せて所望の光学特性を有する光学フィルタをさらに備えていてもよい。例えば、測定対象ガスが炭酸ガスの場合、測定用赤外線検出部31には炭酸ガスによる赤外線吸収が多く生じる波長帯(代表的には4.3μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタを搭載し、参照用赤外線検出部には炭酸ガスによる赤外線吸収が生じない波長帯(代表的には3.9μm付近)の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタを搭載する形態が例示される。
(光源)
光源20は、測定用赤外線検出部31、参照用赤外線検出部が感度を有する赤外線帯域を出力できるものであれば特に制限されない。例えば、白熱電球やセラミックヒータ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒーターやLEDなどを用いることができる。
(演算部)
演算部40は、ガス濃度算出における演算が可能なものであれば特に制限されず、例えば、アナログIC、ディジタルIC及びCPU(Central Processing Unit)等が好適である。演算部40には、光源20を制御するための機能が含まれていても構わない。
(ガスセル)
本実施形態のガス濃度測定装置100は、内部に測定対象ガスを流入可能であり、内部に光源20、測定用赤外線検出部31、参照用赤外線検出部、演算部40等を配置可能なガスセルをさらに備えても良い。ここで、流入可能とは光源20から出力された赤外線が前記測定対象ガスの存在する空間を通って、測定用赤外線検出部31に到達可能であることを示す。ガスセルをさらに備えることで、測定用赤外線検出部31及び参照用赤外線検出部の出力する信号のSN比を高めることができ、より高精度なガス濃度測定装置が実現する。赤外線検出部に入射される赤外線の効率化の観点から、ガスセル内部が赤外線を反射する材料で形成されていることが好ましい。具体的にはアルミニウムや銅などの金属材料が挙げられる。
次に、本実施形態のガス濃度測定装置の実施例について説明する。
タングステン光源、COによる赤外線吸収のある4.2μm〜4.4μmの波長帯を選択的に濾波選別する光学フィルタを搭載した測定用赤外線検出部31としての量子型赤外線センサ「IR1011」(旭化成エレクトロニクス株式会社製)、COによる赤外線吸収の無い3.7μm〜3.9μmの波長帯を選択的に濾波選別する光学フィルタを搭載した参照用赤外線検出部としての量子型赤外線センサ「IR1011」(旭化成エレクトロニクス株式会社製)、演算部40として記憶部と処理部を備えたICを、リン青銅に金メッキを施したガスセル中に、配置した炭酸ガス濃度測定装置を準備した。
次いで、濃度0ppmの炭酸ガスをガスセル中に充填した時の、光源20が点灯および消灯している時の、それぞれアンプにより増幅された測定用赤外線検出部31と参照用赤外線検出部からの出力と、濃度986mの炭酸ガスをガスセル中に充填した時の、光源20が点灯および消灯している時の、それぞれアンプにより増幅された測定用赤外線検出部31と参照用赤外線検出部からの出力とを用いて、上述した実施形態の濃度演算を行った。
具体的な演算は下記の通りである。
以下、本実施例で述べる測定出力とは、光源20を点灯している時の測定出力と光源20を消灯している時の測定出力との差分であり、参照出力とは、光源20を点灯している時の参照出力と光源20を消灯している時の参照出力との差分である。
まず、測定時の参照出力に対する測定出力の比(D’)と、炭酸ガス濃度0ppm時の参照出力に対する測定出力の比(D’)の差分を演算した。また、炭酸ガス濃度986ppm時の参照出力に対する測定出力の比(D’)と、炭酸ガス濃度0ppm時の参照出力に対する測定出力の比(D’)の差分を演算した。次いで、これら2つの差分の比をとり、これを基準濃度算出式に代入し、炭酸ガス濃度を演算した。
基準濃度算出式とは、ここで用いているガス濃度測定装置と近いガス濃度特性を示す別個体のガス濃度測定装置(基準ガス濃度測定装置)の、上述した2つの差分の比と炭酸ガス濃度の関係を直接的あるいは近似的に表す数式である。ここでは、基準ガス濃度測定装置の0〜5000ppmの5点での濃度試験結果から、式(9)のような基準濃度算出式を導出した。
Figure 0006530669
ここで、f(x)は基準濃度算出式、xは基準濃度算出式の変数である。
上述した2つの差分の比は、ゲインと出力オフセットを含まない値のため、これを基準算出式に代入することで、精度良く炭酸ガス濃度を演算できることが理解される。
本実施例の演算を表す数式を式(10)に示す。
Figure 0006530669
ここで、D’は測定時の参照出力に対する測定出力の比、D’は炭酸ガス濃度0ppmである場合の参照出力に対する測定出力の比、D’は炭酸ガス濃度986ppmである場合の参照出力に対する測定出力の比である。
[比較例]
以下、本比較例で述べる測定出力とは、光源20を点灯している時の測定出力と光源20を消灯している時の測定出力との差分であり、参照出力とは、光源20を点灯している時の参照出力と光源20を消灯している時の参照出力との差分である。
まず、式(11)のような、2次の係数が固定で、1次の係数(b)と0次の係数(b)が未定である濃度算出式を用意した。
Figure 0006530669
ここで、g(D’)は比較例における濃度算出式、D’は測定時の参照出力に対する測定出力、bは濃度算出式の1次の係数、bは濃度算出式の0次の係数である。
濃度算出式(式(11))の2次の係数は、ここで用いているガス濃度測定装置と近いガス濃度特性を示す別個体のガス濃度測定装置の、炭酸ガス濃度と参照出力に対する測定出力の比との関係を表す、2次の近似式の2次の係数である。ここでは、実施例で用いた基準ガス濃度測定装置の0〜5000ppmの5点での濃度試験結果から、炭酸ガス濃度と参照出力に対する測定出力の比との関係を表す2次近似式を求め、その2次関数の2次の係数を濃度算出式(式(11))中の2次の係数とした。
次いで、式(11)の1次および0次の係数を、炭酸ガス濃度0ppm時の測定用赤外線検出部31の出力に対する参照用赤外線検出部の出力と、炭酸ガス濃度987ppm時の参照用赤外線検出部の出力に対する測定用赤外線検出部31の出力の比から求め、式(12)を得た。
Figure 0006530669
次いで、式(12)に測定時の参照出力に対する測定出力の比を代入し、炭酸ガス濃度を演算した。
図2は、上述した実施例と比較例を対比した結果を示す図である。
図2の結果より、実施例の演算によると最大で40ppmの誤差にとどまったが、比較例1の演算によると最大で326ppmの誤差が生じた。
以上の結果より、本実施形態のガス濃度演算装置によれば、従来の濃度算出式よりも高精度な濃度演算が可能であることが理解される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、炭酸ガス等に代表される赤外線吸収を生じるガスのガス濃度測定装置として好適である。
10 ガスセル
11 ガス導入口
12 ガス導出口
20 光源
31 測定用赤外線検出部
40 演算部
100 ガス濃度測定装置

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源からの光に応じた信号である測定出力を出力する測定用赤外線検出部と、
    前記測定用赤外線検出部からの出力が入力される演算部と、
    を備えたガス濃度測定装置であって、
    前記演算部は、
    第1の濃度の測定対象ガス中で前記測定用赤外線検出部が出力する第1の測定出力と、
    前記第1の濃度とは異なる第2の濃度の測定対象ガス中で前記測定用赤外線検出部が出力する第2の測定出力と、
    を有し、
    前記第2の測定出力と前記第1の測定出力との差分から得られる第1の補正値に対する、測定時の前記測定出力と前記第1の測定出力との差分から得られる第2の補正値の比を2次以上の項を有する基準濃度算出式の変数値に代入して測定対象ガスの濃度を演算するガス濃度測定装置。
  2. 前記測定用赤外線検出部の近傍に配置され、前記光源からの光に応じた信号である参照出力を出力する参照用赤外線検出部をさらに備え、
    前記演算部は、
    前記測定出力を前記参照出力に基づいて補正する請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 前記演算部は、
    前記測定出力を前記光源を消灯させた時の前記測定出力に基づいて補正する請求項1または請求項2に記載のガス濃度測定装置。
  4. 前記演算部は、
    前記測定出力と前記参照出力の少なくとも一方を、前記光源を消灯させた時の前記測定出力と前記光源を消灯させた時の前記参照出力の少なくとも一方に基づいて補正する請求項2記載のガス濃度測定装置。
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