JP6528621B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。詳細には、高いクリーニング性能を長期間維持できる画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、帯電させた感光体上を露光して静電潜像を形成した後、トナーを供給して現像し、得られた画像を用紙上に転写している。転写後、感光体の表面にクリーニングブレードを当接させて、感光体上に残留するトナーを除去するが、この感光体の高いクリーニング性能を長期間維持することが、画像形成装置の高い信頼性及び耐久性につながる。
従来、感光体の摩耗やクリーニングブレードのチッピング等を抑えて、高いクリーニング性能を維持するため、感光体及びクリーニングブレードの硬度、感光体の表面粗さ等を最適化することが行われている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
例えば、上記特許文献1では、ユニバーサル硬さが150〜220N/mmの範囲内にある感光体と、ゴム硬度が78〜99°の範囲内にあるクリーニングブレードの組み合わせが挙げられている。
しかしながら、クリーニングブレードの硬度に対して、感光体の硬度は摩耗を防ぐには不十分な硬度であり、感光体の表面が荒れてトナーのすり抜けが生じてしまうため、十分なクリーニング性能が得られない。
一方、上記特許文献2には、最大高さ粗さ(Rz)が0.2〜1.5μmの範囲となるように粗面化された感光体と、JIS−A硬度が75〜95°の範囲内にあるクリーニングブレードの組み合わせが挙げられている。
粗面化によって感光体とクリーニングブレードの接触面積が減るため、感光体やクリーニングブレードの摩耗を抑えることができるが、表面の凹凸が大きいため、感光体の硬度を高くする必要がある。しかしながら、例えばユニバーサル硬さが220N/mm以上の高硬度の感光体を使用すると、JIS−A硬度が75〜95°の範囲内にあるクリーニングブレードではチッピングが生じてしまう。
特開2005−164775号公報 特開2009−157103号公報
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、高いクリーニング性能を長期間維持できる画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、感光体及びクリーニングブレードの硬度を高めれば、両者の摩耗を抑えて高いクリーニング性能を得ることができ、感光体表面の凹凸を減らすことにより、高硬度のクリーニングブレードが凹凸に引っ掛かり、チッピングすること抑えることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
1.トナーの供給により現像された画像を担持する感光体と、
前記感光体の表面に当接して、前記感光体上のトナーを除去するクリーニングブレードと、を備え、
前記感光体の表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、ユニバーサル硬さが220〜300N/mmの範囲内にあり、
前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、80〜100°の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
2.前記クリーニングブレードが、
ポリウレタンを含有し、
前記ポリウレタンとイソシアネート化合物との重合体を含有する硬化層を、前記感光体との当接部分に備えることを特徴とする第1項に記載の画像形成装置。
3.前記クリーニングブレードが、前記感光体の表面に対して5〜20°の範囲内の角度で傾斜し、かつ13〜30N/mの範囲内の線圧で当接していることを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成装置。
4.前記感光体が、最表面に保護層を備え、
前記保護層が、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
5.前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給部を備えることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
6.前記滑剤供給部が、前記滑剤が外添された前記トナーを前記感光体上に供給する現像部であることを特徴とする第5項に記載の画像形成装置。
本発明の上記手段により、高いクリーニング性能を長期間維持できる画像形成装置を提供できる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は明確になっていないが、以下のように推察される。
ユニバーサル硬さが220〜300N/mmの範囲内にある高硬度の感光体は、長期使用による感光体の表面の摩耗、荒れが少なく、トナーのすり抜け及び面内濃度ムラを抑えることができる。
この高硬度の感光体に対して、JIS−A硬度が80〜100°の範囲内にある高硬度のクリーニングブレードを使用することにより、長期使用によるクリーニングブレードの摩耗を減らすとともにトナーの掻き取り能力を高めることができる。
また、画像形成を繰り返すと、帯電時に生じた放電生成物が感光体上に付着して表面に劣化層が形成されることがある。劣化層は滑り性が低く、クリーニングブレードとの摩擦が大きいため、クリーニングブレードのまくれ、振動等が生じて、画像がぼける像流れが生じやすいが、高硬度のクリーニングブレードであれば、像流れの要因となる劣化層を削り取って感光体の表面をリフレッシュすることができる。
感光体もクリーニングブレードも高硬度であると、感光体の凹凸にクリーニングブレードが引っ掛かってチッピングが生じやすいが、最大高さ粗さRzが0.060μm以下の感光体は凹凸が少ないため、チッピングによるトナーのすり抜け等を効果的に抑えることができ、高いクリーニング性能を長期間維持することができたと推察される。
本発明の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す正面図 感光体とクリーニングブレードの当接部分の拡大図 感光体の構成を示す断面図
本発明の画像形成装置は、トナーの供給により現像された画像を担持する感光体と、前記感光体の表面に当接して、前記感光体上のトナーを除去するクリーニングブレードと、を備え、前記感光体の表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、ユニバーサル硬さが220〜300N/mmの範囲内にあり、前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、80〜100°の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置を特徴とする。この特徴は請求項1から請求項6までの各請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、クリーニングブレードの柔軟性と上記範囲の高硬度とを両立しやすくする観点から、前記クリーニングブレードが、ポリウレタンを含有し、前記ポリウレタンとイソシアネート化合物との重合体を含有する硬化層を、前記感光体との当接部分に備えることが好ましい。
また、より高いクリーニング性能を得る観点から、前記クリーニングブレードが、前記感光体の表面に対して5〜20°の範囲内の角度で傾斜し、かつ13〜30N/mの範囲内の線圧で当接していることが好ましい。
また、上記範囲の高硬度を得る観点から、前記感光体が最表面に保護層を備え、前記保護層がバインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含有することが好ましい。
また、感光体とクリーニングブレードの摩耗を減らして長寿命化を図る観点から、前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給部を備えることが好ましい。
前記滑剤供給部が、前記滑剤が外添された前記トナーを前記感光体上に供給する現像部であることもできる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態について詳細な説明をする。
なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
〔画像形成装置〕
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置1の概略構成を示している。
図1に示すように、画像形成装置1は、書込みユニット21、転写ローラー23、定着装置24及び給紙トレイ25を備えている。
書込みユニット21は、ドラム形状の感光体2aと、感光体2aの回転方向に沿って配置された帯電部2b、露光部2c、現像部2d及びクリーニング装置2eを備えている。
画像形成時、書込みユニット21では、帯電部2bにより感光体2aに一様な電位を付与して帯電させた後、原画像データに基づいて露光部2cにより出射した光束で感光体2a上を走査し、静電潜像を形成する。露光部2cは、LED等の光源により出射した光束を偏向するポリゴンミラー、光束を感光体2aへ導く光学系等を備えて構成されている。
次に、現像部2dによりトナーを感光体2a上に供給する。感光体2aは、トナーの供給により現像された画像を担持する。
感光体2a上に担持された画像が感光体2aの回転によって転写ローラー23の位置に至るタイミングに合わせて、給紙トレイ25から用紙Pを給紙すると、転写ローラー23と感光体2aにニップされた用紙P上に感光体2a上の画像が転写される。転写後、感光体2a上に残留するトナーをクリーニング装置2eにより除去する。
次に、画像が転写された用紙Pを定着装置24により加熱及び加圧して画像を用紙Pに定着させる。用紙Pの両面に画像を形成する場合、用紙Pを搬送経路26に搬送して用紙面を反転させた後、転写ローラー23の位置へ再度用紙Pを給紙する。
図2は、クリーニング装置2e付近の感光体2aの拡大図である。
図2に示すようにクリーニング装置2eは、感光体2aの表面に当接して感光体2a上の残留トナーを除去するクリーニングブレード51と、クリーニングブレードの支持体53とを備えている。
感光体2aは、表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、かつ表面のユニバーサル硬さ(HU)が220〜300N/mmの範囲内にある。
また、クリーニングブレード51は、感光体2aとの当接部分のJIS−A硬度が80〜100°の範囲内にある。
ユニバーサル硬さ(HU)が220N/mm以上の高硬度の感光体2aは、クリーニングブレード51のくい込みが小さく、引き込まれにくいため、トナーのすり抜けを効果的に抑えることができる。ユニバーサル硬さが高すぎると、表面が酸化してできた劣化層を除去しきれず、像流れが生じやすいが、感光体2aのユニバーサル硬さは300N/mm以下であるので、JIS−A硬度が80°以上の高硬度のクリーニングブレードにより像流れを生じさせる劣化層を削り取ることができる。
このような高硬度の感光体2aに対しては、JIS−A硬度が80°以上の高硬度のクリーニングブレード51を使用することにより、感光体2aとの当接によるクリーニングブレード51の摩耗を減らし、長寿命化することができる。クリーニングブレード51のJIS−A硬度は100°以下であるため、クリーニングブレード51に十分な靭性を付与することができ、トナーの表面上の外添剤との擦過によるチッピングを減らすことができる。また、高硬度のクリーニングブレード51は押圧力が大きく、トナーの掻き取り力が高いため、クリーニング性能を高めることができる。
高硬度の感光体2aに高硬度のクリーニングブレード51を使用する場合、感光体2aの表面が粗く凹凸が多いと、凸部にクリーニングブレード51が擦過してチッピングが生じやすい。しかしながら、感光体2aの表面の最大高さ粗さRzは0.060μm以下であり、凹凸が少ない。よって、凹凸に起因するチッピングを減らし、チッピングによるトナーのすり抜けを効果的に抑制することができる。
〔クリーニング装置〕
上述したクリーニングブレード51のJIS−A硬度は、JIS K6253に規定される硬さ試験法に準拠して、タイプAデュロメータを用いて温度25℃で測定される値をいう。
クリーニングブレード51の材料としては、例えばポリウレタン、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。なかでも、回転する感光体2aに当接できる適度な強度と柔軟性が得られる点で、ポリウレタンが好ましい。
ポリウレタンを用いたクリーニングブレード51は、例えば脱水処理を行ったポリオールとイソシアネート化合物を混合し、100〜120℃の温度範囲で30〜90分間反応させて得られるプレポリマーに架橋剤を加えて、金型に注入し硬化させることにより製造することができる。
JIS−A硬度が上記範囲内にあるクリーニングブレード51は、材料の選択、架橋度の調整等により得ることができる。例えば、ポリウレタンを使用する場合、ポリオールとイソシアネート化合物の濃度、反応時間等を変えて大きな架橋度に調整することにより、JIS−A硬度を上記範囲内に調整することができる。
ポリオールとしては、例えばポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用でき、イソシアネート化合物としてはジフェニルメタンジイソシアネート等を使用できる。また、架橋剤としては、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、これらの混合物等を使用できる。
クリーニングブレード51は、全体のJIS−A硬度が上記範囲内にあってもよいが、図2に示すように、JIS−A硬度が上記範囲内にある硬化層52を感光体2aとの当接部分に備える構成であってもよい。
当接部分のみを高硬度の硬化層52とすることにより、クリーニングブレード51が感光体2aに当接したときに適度に撓める程度の柔軟性が得られるように、クリーニングブレード51本体の硬度を調整しやすくなる。
硬化層52は、クリーニングブレード51の表面に設けられた層であってもよいが、耐久性を高める観点から、クリーニングブレード51本体の一部が加工処理された層であることが好ましい。
クリーニングブレード51の基材としてポリウレタンを使用する場合、クリーニングブレード51の感光体2aとの当接部分をイソシアネート化合物に一定時間含浸し、クリーニングブレード51本体が含有するポリウレタンをイソシアネート化合物と反応させることにより、その反応部分を硬化層52として形成することができる。
上述のようにして形成された硬化層52は、ポリウレタンとイソシアネート化合物との重合体を含有する。クリーニングブレード51を構成するポリウレタン中には活性水素を有するウレタン結合が存在しており、このウレタン結合と含浸したイソシアネート化合物とを反応させることにより、クリーニングブレード51が含有するポリウレタンと、硬化層52が含有する重合体と間に、硬化層52の硬度を高めるアロファネート結合を形成することができる。また、含浸したイソシアネート化合物の多量化反応も同時に進行することから、厚い硬化層52を形成することができ、硬化層52が摩耗しても、硬化層52が厚いため、クリーニングブレード51の良好なJIS−A硬度を長期間維持することができる。
クリーニングブレード51は、残留トナーの掻き取り力を高め、より高いクリーニング性能を得る観点から、図2に示すように感光体2aの表面に対する傾斜角度θが5〜20°の範囲内にあり、かつ13〜30N/mの範囲内の線圧で当接していることが好ましい。
クリーニングブレード51のサイズは、適宜選択することができるが、一般的には幅5〜30mm、厚さ2〜3mm、長さ200〜500mmの範囲内とすることができる。
感光体2a及びクリーニングブレード51の摩擦を減らして、両者の長寿命化を図る観点から、クリーニング装置2eは、図2に示すように、感光体2aの回転方向に沿って配置された滑剤供給部2fを備えることが好ましい。
滑剤供給部2fは、加圧部材43により付勢された固形滑剤41をブラシローラー42により掻き出して、感光体2aの表面に滑剤粒子を供給する。
滑剤供給部2fとして現像部2dを使用し、現像部2dにより滑剤を外添したトナーを感光体2a上に供給することもできる。
滑剤としては、ウンデシル酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸ストロンチウム、ラウリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム等の脂肪酸金属塩を使用することができる。1価の金属塩よりも2価の金属塩の方が、帯電時等の放電による劣化が少なく、画像流れを抑えることができるため、好ましい。
〔感光体〕
上述したように、感光体2aは、表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、かつ表面のユニバーサル硬さ(HU)が220〜300N/mmの範囲内にある。
この最大高さ粗さRzは、JIS B0601:2013に準拠して測定された表面の粗さ曲線から算出することができる。粗さ曲線は、JIS B0601:2013に準拠した触針式の表面粗さ測定装置やレーザー等を用いた非接触式の表面解析装置等により測定することができる。
触針式の表面粗さ測定装置を用いた場合の測定条件としては、以下の条件が挙げられる。
(測定条件)
測定装置:サーフコム1400D(東京精密社製)
測定モード:粗さ測定
測定長 :20.0mm
カットオフ:0.08mm(ガウシアン)
測定速度 :0.15mm/sec
最大高さ粗さRzが上記範囲内の感光体2aは、例えば感光体2aの表面を研磨処理又は加工処理することにより製造することができる。
最大高さ粗さRzの下限としては、0.020μm以上であることが好ましい。0.020μm以上であれば、感光体2aとクリーニングブレード51との接触面積を減らして、クリーニングブレード51のめくれの発生を抑えることができる。
また、上記感光体2aの表面のユニバーサル硬さ(HU)は、フィッシャースコープH100(ISO/FDIS14577に準拠するフィッシャー・インスツルメンツ社製の硬さ試験システム)により測定することができる。
具体的には、フィッシャースコープH100において、対面角度が136°に規定されている四角錐のダイヤモンド製の圧子に荷重F(N)を段階的に加えて(最大荷重2mN)、圧子をサンプルに押し込んだときの押し込み深さh(mm)及び荷重Fから、下記式によりユニバーサル硬さ(HU)を計算する。
HU(N/mm)=F/(26.43×h
感光体2aが最表面に保護層を備え、この保護層がバインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含有することにより、ユニバーサル硬さ(HU)が上記範囲内の感光体2aを得ることができる。
図3は、感光体2aの概略構成を示す断面図である。
感光体2aは、図3に示すように、ドラム形状の導電性支持体31上に中間層32、感光層33及び保護層34をこの順に備えている。
〔保護層〕
保護層34は、感光体2aを外力から保護する観点から感光体2aの最表面に設けられている。最表面に位置する保護層34は、上述のように表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下になるように、表面加工処理が施されている。
保護層34は、上記ユニバーサル硬さ(HU)の感光体2aを得やすいことから、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含有することが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂等が挙げられる。なかでも、感光体2aの耐摩耗性及び耐久性を高める観点から、紫外線や電子線等の活性線の照射により重合性化合物を重合及び硬化させて得られる硬化樹脂が好ましい。硬化樹脂と非硬化樹脂を併用することもできる。
(硬化樹脂)
硬化樹脂に使用できる重合性化合物としては、重合性官能基を2個以上有するモノマー(多官能重合性化合物)を使用することができ、重合性官能基を1個有するモノマー(単官能重合性化合物)を併用することもできる。
重合性化合物としては、重合性官能基を3個以上有するモノマーを用いることができる。また、2種以上の重合性化合物を併用する場合、重合性官能基を3個以上有するモノマーを50質量%以上の割合で用いることが好ましい。
具体的な重合性化合物としては、例えばスチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマー等が挙げられる。このうちの1種を単独で用いても、複数種を併用してもよい。
なかでも、少ない光量又は短時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH=CHCO−)又はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を2個以上有するアクリル系モノマーか、これらのオリゴマーであることが好ましい。
重合性化合物としては、下記例示化合物(M1)〜(M15)が挙げられるが、本発明に使用可能な重合性可能物はこれらに限定されるものではない。
なお、下記例示化合物(M1)〜(M15)において、Rはアクリロイル基(CH=CHCO−)を示し、R′はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を示す。
Figure 0006528621
Figure 0006528621
(重合開始剤)
保護層34に使用可能な重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、光重合開始剤及び熱重合開始剤のいずれも使用することができ、複数種の併用も可能である。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物等を使用することができ、α−ヒドロキシアセトフェノン構造又はアシルホスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。光重合開始剤の市販品としては、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア819:BASFジャパン社製)等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド系化合物、パーオキシケタール系化合物、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパオキサイド系化合物、ジアシルパーオキサイド系化合物、パーオキシジカーボネート系化合物、パーオキシエステル系化合物等を使用できる。
重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対し0.1〜40質量部とすることができ、好ましくは0.5〜20質量部である。この範囲内であれば、重合性化合物の重合が十分に進行し、感光体2aの表面のユニバーサル硬さを220〜300N/mmの範囲内に調整することができる。
(ラジカル捕捉剤)
重合度を調整するため、重合反応時にラジカル捕捉剤を使用することもできる。
ラジカル捕捉剤の市販品としては、例えばスミライザーGS(住友化学工業社製)等が挙げられる。
(金属酸化物粒子)
保護層34に使用可能な金属酸化物粒子としては、例えばシリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化スズ、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。なかでも、酸化スズ、酸化チタン又は酸化亜鉛が好ましく、電気特性に優れることから、酸化スズがより好ましい。
金属酸化物粒子の製造方法は特に限定されず、例えばJIS K1410に記載された間接法(フランス法)、直接法(アメリカ法)、プラズマ法等を使用できる。
金属酸化物粒子の数平均一次粒径は1〜300nmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは3〜100nmの範囲である。
上記金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ社製、ソフトウエアバージョン Ver.1.32)を使用して算出することができる。
金属酸化物粒子としては、反応性有機基を有する表面処理剤により金属酸化物粒子を表面処理することにより、粒子表面に反応性有機基が導入されたものを使用することができる。
表面処理剤としては、金属酸化物粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応するものが好ましく、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
また、表面処理剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のラジカル重合性反応基を有する表面処理剤を用いることも好ましい。このようなラジカル重合性反応基は、バインダー樹脂を構成する重合性化合物とも反応して強固な保護層34を形成することができる。ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤としては、ラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤、シラン化合物等が好ましい。
以下、表面処理剤の例示化合物(S−1)〜(S−30)を示す。
S−1 CH=CHSi(CH)(OCH
S−2 CH=CHSi(OCH
S−3 CH=CHSiCl
S−4 CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5 CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6 CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7 CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8 CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9 CH=CHCOO(CHSiCl
S−10 CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11 CH=CHCOO(CHSiCl
S−12 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15 CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18 CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19 CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20 CH=CHSi(C)(OCH
S−21 CH=C(CH)Si(OCH
S−22 CH=C(CH)Si(OC
S−23 CH=CHSi(OCH
S−24 CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25 CH=CHSi(CH)Cl
S−26 CH=CHCOOSi(OCH
S−27 CH=CHCOOSi(OC
S−28 CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29 CH=C(CH)COOSi(OC
S−30 CH=C(CH)COO(CHSi(OC
表面処理剤は、1種を単独で又は2種以上を併用してもよい。
表面処理剤の使用量は、金属酸化物粒子100質量部に対して0.1〜200質量部の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは7〜70質量部の範囲内である。
表面処理の方法としては、例えば金属酸化物粒子と表面処理剤と溶媒を含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式解砕した後、溶媒を除去して紛体化する方法が挙げられる。この方法によれば、金属酸化物粒子の再凝集を防止しつつ、金属酸化物粒子の表面処理を進行させることができる。
表面処理装置としては、例えばサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミル等を使用できる。
保護層34は、酸化防止剤や滑剤粒子、電荷輸送剤等をさらに含有することができる。
酸化防止剤としては、例えば特開2000−305291号公報に記載のものを使用できる。
滑剤粒子としては、フッ素原子含有樹脂粒子等を使用できる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、例えば四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂等を使用できる。
また、電荷輸送剤としては、後述する電荷輸送層33bが含有する電荷輸送物質を使用することができる。
保護層34の層厚は、十分な耐衝撃性を得る観点から、0.2〜10μmの範囲内にあることが好ましく、0.5〜6μmの範囲内にあることがより好ましい。
保護層34は、上記したバインダー樹脂、金属酸化物粒子等を含有する塗布液を調製し、感光層33上に塗布した後、乾燥することにより、形成することができる。バインダー樹脂として、硬化樹脂を使用する場合は、重合性化合物、重合開始剤等を含有する塗布膜を感光層33上に形成した後、乾燥、硬化させることにより、保護層34を形成できる。
塗布法としては、浸漬法、スプレー法、スピンナー法、ビード法、ブレード法、ビーム法、スライドホッパー法等の公知の方法を用いることができる。
乾燥は、自然乾燥又は熱乾燥でよい。
バインダー樹脂として硬化樹脂を使用する場合、重合性化合物、重合開始剤等を含有する塗布膜に活性線を照射して、分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成させて硬化させることが好ましい。活性線としては紫外線や電子線が好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cmの範囲内であり、好ましくは5〜100mJ/cmの範囲内である。
ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間〜10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間〜5分間がより好ましい。
以下、保護層34以外の感光体2aの各層について説明する。
〔導電性支持体〕
導電性支持体31としては、導電性を有するのであれば、例えばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス等の金属を成形したドラムを用いることができる。
なお、感光体2aがドラム形状ではなく、ベルト、プレート等の形状である場合、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ等の導電性物質や、アルミニウム、銅等の金属膜を形成した樹脂フィルム、紙等を用いたベルト、プレート等も、導電性支持体31として使用することもできる。
〔中間層〕
中間層32は、ガスバリアー性及び密着性を高める観点から、導電性支持体31と感光層33との間に必要に応じて設けることができる。
中間層32は、バインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布する等して塗布膜を形成した後、乾燥することにより、形成することができる。
バインダー樹脂としては、例えばカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン等を使用することができ、なかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
バインダー樹脂の濃度は、中間層32の層厚や生産速度に合わせて適宜選択することができる。
中間層32は、抵抗を調整する観点から、無機粒子、例えばアルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の金属酸化物粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の導電性微粒子を含有することができる。これら無機粒子を1種又は2種以上を混合して用いることができ、2種以上混合した場合には、固溶体又は融着した状態であってもよい。
無機粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部の範囲内にあることが好ましく、50〜200質量部の範囲内にあることがより好ましい。
無機粒子の数一次平均粒径は、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層32の層厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔感光層〕
感光層33は、図3に示すように電荷発生層33aと電荷輸送層33bとを備えている。
露光部2cにより照射された光が感光層33に到達すると、照射された光量に応じた電荷が電荷発生層33aにおいて発生し、この電荷が電荷輸送層33b中を移動して感光体2aの表面に到達し、静電潜像が形成される。
図3に示す感光層33は多層構造であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質の両方を含有する単層構造であってもよい。
〔電荷発生層〕
電荷発生層33aは、バインダー樹脂と、光エネルギーを吸収すると電荷を発生する電荷発生物質とを含有する。
電荷発生層33aは、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成した塗布膜を乾燥することにより、形成することができる。
電荷発生物質としては、例えばスーダンレッド、ダイアンブルー等のアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレン等の多環キノン顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で又は公知の樹脂中に分散された状態で使用することができる。
電荷発生物質の分散手段としては、例えば超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサー等を使用できる。
バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂のうち二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。
電荷発生層33a中の電荷発生物質の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部の範囲である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性、含有量等により異なるが、好ましくは0.01〜5μmの範囲内であり、より好ましくは0.05〜3μmの範囲である。
〔電荷輸送層〕
電荷輸送層33bは、バインダー樹脂と、電荷輸送物質(CTM:Charge Transport Materialともいう。)と、を含有する。
電荷輸送層33bは、バインダー樹脂溶液中に電荷輸送物質を溶解、塗布して塗布膜を形成した後、乾燥することにより、形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン誘導体、ブタジエン化合物等の他、下記化合物A等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
Figure 0006528621
バインダー樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリカーボネート樹脂が好ましく、耐クラック、耐磨耗性及び帯電特性を高める観点からは、ビスフェノールA(BPA)型、ビスフェノールZ(BPZ)型、ジメチルBPA型、BPA−ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂等が好ましい。
電荷輸送層33b中の電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部の範囲が好ましく、より好ましくは20〜250質量部の範囲である。
電荷輸送層33bの層厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性、含有量等により異なるが、5〜40μmの範囲内にあることが好ましく、10〜30μmの範囲内にあることがより好ましい。
電荷輸送層33bは、さらに酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイル等を含有することもできる。
酸化防止剤としては、特開2000−305291号公報、電子導電剤としては特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報等に記載された材料を用いることができる。
なお、モノクロの画像形成装置1の例を示したが、カラーの画像形成装置にも本発明を適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔感光体1〕
(導電性支持体)
直径100mm、高さ360mmのアルミニウム製のドラムの表面を切削加工し、表面の最大高さ粗さRzが1.5μmの導電性支持体を作製した。
(中間層)
分散機としてサンドミルを用いて下記原料を分散させ、中間層用の塗布液を調製した。分散は、バッチ式により10時間行った。
ポリアミド樹脂X1010(ダイセル・エボニック社製のバインダー樹脂):1質量部
エタノール(溶媒):20質量部
酸化チタン微粒子SMT500SAS(テイカ社製の数平均一次粒径0.035μmの金属酸化物微粒子):1.1質量部
上記導電性支持体上に、調製した中間層用の塗布液を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を110℃で20分間乾燥して、層厚2μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
分散機としてサンドミルを用いて下記原料を分散させ、電荷発生層用の塗布液を調製した。分散は10時間行った。
チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で5少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有する電荷発生物質):20質量部
ポリビニルブチラール樹脂#6000−C(電気化学工業社製のバインダー樹脂):10質量部
酢酸t−ブチル(溶媒):700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン(溶媒):300質量部
上記中間層上に、調製した電荷発生層用の塗布液を浸漬塗布法によりで塗布して塗布膜を形成し、層厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層用の塗布液を調製した。
上記式(A)で表される構造を有する化合物(電荷輸送物質):150質量部
ポリカーボネート樹脂Z300(三菱ガス化学社製のバインダー樹脂):300質量部
トルエンとテトラヒドロフランの混合溶媒(トルエン/テトラヒドロフランの体積比率が1/9):2000質量部
Irganox1010(日本チバガイギー社製の酸化防止剤):6質量部
シリコーンオイルKF−54(信越化学社製のレベリング剤):1質量部
上記電荷発生層上に、調製した電荷輸送層用の塗布液を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を120℃で70分間乾燥して、層厚20μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層)
分散機としてサンドミルを用いて、下記重合性化合物、溶媒及び金属酸化物微粒子を遮光下で10時間分散させた。さらに、下記光重合開始剤及びラジカル捕捉剤を加え、遮光下で混合、撹拌して溶解させ、保護層用の塗布液を調製した。
トリメチロールプロパントリメタクリレート(重合性化合物):100質量部
sec−ブタノール(溶媒):315質量部
テトラヒドロフラン(溶媒):15質量部
数平均一次粒径20nmの酸化スズ粒子((CH=C(CH)COO(CHSi(OCH)の式で表される構造を有する表面処理剤によって表面処理された金属酸化物微粒子):150質量部
イルガキュア819(BASFジャパン社製の光重合開始剤):12質量部
スミライザーGS(住友化学工業社製のラジカル捕捉剤):7質量部
円形スライドホッパー塗布装置を用いて、上記電荷輸送層上に調製した塗布液を塗布し、塗布膜を形成した。この塗布膜を室温で20分間乾燥した後、窒素流量が13.5L/minの窒素気流下において、光源としてキセノンランプを用い、ランプ出力4kWで波長365nmの光を18秒間照射することにより、層厚3.5μmの保護層を形成して、感光体1を得た。光源の強度は4000mW/cm、塗布膜における光の照射強度は、1800mW/cm、光源と塗布膜の表面との離間距離は5mmであった。
感光体1の表面の最大高さ粗さRzを、サーフコム1400D(東京精密社製)を用いて、下記測定条件により測定したところ、0.050μmであった。
(測定条件)
測定装置:サーフコム1400D(東京精密社製)
測定モード:粗さ測定
測定長 :20.0mm
カットオフ:0.08mm(ガウシアン)
測定速度 :0.15mm/sec
また、感光体1の表面のユニバーサル硬さ(HU)を、フィッシャースコープH100(フィッシャー・インスツルメンツ社製)を用いて測定したことろ、240(N/mm)であった。
〔感光体2〜9〕
感光体2〜9のユニバーサル硬度(HU)が下記表1の硬度になるように、金属酸化物微子の種類及び数平均一次粒径(nm)を下記表1に示すように変更し、ラジカル捕捉剤(スミライザーGS)の添加量も変更して、保護層を形成したこと以外は感光体1と同様にして、各感光体2〜9を製造した。
感光体2〜9の表面の最大高さ粗さRz及びユニバーサル硬さHUを、感光体1と同様にしてそれぞれ測定した。測定結果を下記表1に示す。
〔クリーニングブレード1〕
特開2007−52062の実施例1に記載された方法で、クリーニングブレード1を製造した。
下記原料のヒドロキシ基とNCO基のモル比(ヒドロキシ基/NCO基)が0.8になるように、各原料を混合して型に入れた。30分硬化させて成型し、クリーニングブレード1の本体を得た。
イソシアネート化合物:MDI(日本ポリウレタン工業社製の4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)
ポリオール:ブチレンへキシレンアジペート系ポリエステルポリオール
架橋剤:1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンの混合液(質量比65:35)
得られた本体の感光体との当接部分を、80℃のMDI(日本ポリウレタン工業社製の4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート)と酢酸ブチルの混合液を入れた槽に3分間浸漬して、硬化層を形成した。混合液中のMDI濃度は、JIS−A硬度が80°の硬化層が得られるように調整した。その後、槽から引き揚げた本体表面に付着した余分なMDIをふき取り、NN環境下で2日間エージングして、硬化層を有するクリーニングブレード1を製造した。
クリーニングブレード1の硬化層の断面を光学顕微鏡で観察したところ、硬化層の厚さは0.2mmであった。
また、クリーニングブレード1の感光体との当接部分、すなわち硬化層のJIS−A硬度(°)を測定したところ、80°であった。JIS−A硬度(°)は、JIS K6253に規定される硬さ試験法に準拠して、タイプAデュロメータを用いて、温度25℃で測定した。
〔クリーニングブレード2〜5〕
硬化層のJIS−A硬度が下記表1に示す硬度となるように、本体を浸漬する槽中のMDIの濃度を変更して硬化層を形成したこと以外は、上記クリーニングブレード1と同様にして各クリーニングブレード2〜5を製造した。
各クリーニングブレード2〜5の感光体との当接部分、すなわち硬化層のJIS−A硬度を、クリーニングブレード1と同様にして測定した。測定結果を下記表1に示す。
〔評価〕
モノクロの画像形成装置bizhub PRO 1250(コニカミノルタ社製)に、製造した感光体1〜9及びクリーニングブレード1〜5を、下記表1に示す組み合わせで搭載し、画像形成装置1〜11及び31〜36とした。
この画像形成装置1〜11及び31〜36により、面内濃度ムラ、像流れ及びクリーニング性能を評価するための画像形成を、次のようにして行った。なお、画像形成時には、滑剤としてステアリン酸亜鉛を使用してトナーに外添し、現像部により供給した。また、クリーニングブレード1〜5は、感光体1〜9の表面に対して傾斜角度θ=12°、当接圧20N/mで当接させた。
〔面内濃度ムラ〕
温度20℃、相対湿度50%RHの環境下で、100万枚のA4サイズの中性紙上にそれぞれ印字率5%の画像を連続して形成した。
その後、温度10℃、相対湿度20%RHの環境下で、A3サイズ(縦297mm×横420mm)の中性紙の全面にモノクロのハーフトーン画像(マクベス濃度計で測定した平均相対反射濃度が0.4の画像)を形成した。このA3サイズの用紙面の隅から横方向180mmの位置で縦方向の端から33mm間隔の計8点をそれぞれa1、a2、・・・a8とし、隅から横方向195mmの位置で縦方向の端から33mm間隔の計8点を同様にb1、b2、・・・b8とし、マクベス濃度計にて各点の反射濃度を測定した。
これらの16点の測定値の公差(最大値と最小値の差)を算出し、下記評価基準にしたがってランク評価した。なお、測定値の公差が小さいほど、用紙面内の濃度ムラが少ない。
A:測定値の公差が0.01未満であり、濃度ムラがほとんどない
B:測定値の公差が0.01以上0.02未満であり、濃度ムラが生じているが、少なく実用上問題ない
C:測定値の公差が0.02以上0.04未満であり、濃度ムラが生じているが、実用可能
D:測定値の公差が0.04以上であり、明確な濃度ムラが生じており、実用できない
〔像流れ〕
温度20℃、相対湿度50%RHの環境下で、100万枚のA4サイズの中性紙上にそれぞれ印字率5%の画像を連続して形成した。
その後、温度30℃、相対湿度80%RHの環境下で、A4サイズの1000枚の中性紙上にそれぞれBk(黒色)の印字率が5.0%の画像を形成した後、すぐに画像形成装置の主電源を切った。12時間後に再度主電源を入れ、印刷可能状態になった後、ただちにA3サイズの中性紙の全面に、ハーフトーン画像(マクベス濃度計で測定した相対反射濃度が0.4(最大値は2.0)の画像)と、線幅が6ドットの格子画像とを形成した。
用紙上の画像の状態を目視により観察し、下記評価基準によりランク評価した。
A:ハーフトーン画像及び格子画像ともに画像のボケが発生しておらず、像流れが生じていない
B:ハーフトーン画像のみに幅方向(感光体の回転軸方向)に長い帯状の濃度低下が認められ、像流れが生じているが、実用上問題なし
C:画像ボケによる格子画像の欠損、線幅の細り等の像流れが発生しており、実用上問題有り)
〔すり抜け〕
温度20℃、相対湿度50%RHの環境下で、100万枚のA4サイズの中性紙上にそれぞれ印字率5%の画像を連続して形成した。
その後、温度10℃、相対湿度20%RHの環境下で、A4サイズの1000枚の中性紙の中央部分に帯状のベタ画像(マクベス濃度計の相対反射濃度が2.0(最大値))をそれぞれ形成した。
用紙の余白部分のトナーの有無を目視により、下記評価基準にしたがってランク評価した。
A:周囲の白地部分と同程度のトナーがあり、すり抜けが発生していない
B:周囲の白地部分以上にトナーがあり、すり抜けが発生している
下記表1は、評価結果を示している。
Figure 0006528621
表1に示すように、表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、ユニバーサル硬さが220〜300N/mmの範囲内にある感光体と、JIS−A硬度が80〜100°の範囲内にあるクリーニングブレードとを組み合わせることにより、画像形成を100万枚連続して行った後でも、面内濃度ムラ、像流れ及びすり抜けを効果的に抑えられており、高いクリーニング性能を長時間維持できていることが分かる。
1 画像形成装置
21 書込みユニット
2a 感光体
34 保護層
2c 現像部
2e クリーニング装置
51 クリーニングブレード
52 硬化層
2f 滑剤供給部

Claims (6)

  1. トナーの供給により現像された画像を担持する感光体と、
    前記感光体の表面に当接して、前記感光体上のトナーを除去するクリーニングブレードと、を備え、
    前記感光体の表面の最大高さ粗さRzが0.060μm以下であり、ユニバーサル硬さが220〜300N/mmの範囲内にあり、
    前記クリーニングブレードのJIS−A硬度が、80〜100°の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニングブレードが、
    ポリウレタンを含有し、
    前記ポリウレタンとイソシアネート化合物との重合体を含有する硬化層を、前記感光体との当接部分に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードが、前記感光体の表面に対して5〜20°の範囲内の角度で傾斜し、かつ13〜30N/mの範囲内の線圧で当接していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体が、最表面に保護層を備え、
    前記保護層が、バインダー樹脂と金属酸化物粒子とを含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記感光体の表面に滑剤を供給する滑剤供給部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記滑剤供給部が、前記滑剤が外添された前記トナーを前記感光体上に供給する現像部であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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