JP6528084B2 - 自動製パン器 - Google Patents

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Description

本発明は、主として一般家庭で調理に用いる穀物ペーストを自動的に作製し、その穀物ペーストを用いて自動的にパンを調理する自動製パン器に関するものである。
古くから食パンや菓子パン等のパン作りは、温度管理が難しい酵母を必要とすること、さらに、捏ねを十分に行わなければ出来映えの良いものが得られず業務用の製パン器に頼っていた。
例えば、パン作りの一連の工程は、先ず、水を始めとして小麦粉、塩、砂糖、スキムミルク、ショートニングのミックス粉と、酵母を水に触れないようにしてパンケース内に投入した後、それぞれの材料を十分に混合する捏ね工程と、その後、捏ね上った生地を休めて25〜32℃程度に加温して発酵させて膨らませる一次発酵工程と、その後、生地を僅かの時間捏ねて生地中の余分なガス(気泡)を抜くガス抜き工程と、その後、生地内に残ったガスをつぶさないようにして成形する生地丸め工程と、さらにその後、生地を1時間程度休ませて発酵させる二次発酵工程と、その後、160〜180度で焼く焼成工程とから構成されており、これらの工程を順序よく進めなければならない。
そこで、パン材料の捏ねから焼成までの種々の工程をマイクロコンピュータのプログラムに基づいて自動的に実行して、一般家庭で手軽にパンを焼くことができる自動製パン器が世の中に普及してきている(例えば、特許文献1参照)。
図9は特許文献1に記載された自動製パン器のレーズン入り食パンの調理工程図である。図9に示すように、従来の自動製パン器はパン材料の捏ねから焼成までの種々の工程をマイクロコンピュータのプログラムに基づいて自動的に実行するようになっていて、一般家庭で手軽にパンを焼くことができるようになっている。
また、低コストで取り扱いが簡単な製パン器能付き炊飯器も考えられた(例えば、特許文献2参照)。図10は特許文献2に記載された製パン器能付き炊飯器の炊飯時の状態を示す断面図である。
図10に示すように、製パン器能付き炊飯器によれば、容器A1は加熱室2内に着脱自在に設けられ、容器A1の開口部は内蓋3によって選択的に塞ぐことが可能となり、練り羽根4はモータと制御部とによって選択的に回転される。そのため、内蓋3を付すことで容器A1を密封して炊飯を行うことができ、内蓋3を取り外した状態で練り羽根4を回転させて製パンを行うことができる。従って、容器A1を共通にして炊飯と製パンを行うことができるので、コスト的に有利である。また、容器A1を加熱室2から取り外して洗浄作業、洗米を入れる作業などを行うことができるとともに、容器A1を加熱室2に入れるだけで係合部を介して練り羽根4とモータとの連結が行われるので、取り扱いが簡単である。
さらに、近年、食生活の欧米化、消費者の嗜好の変化等により米の消費量が低迷してきていることから、この低迷に歯止めをかけ、より米の消費量の増大を図る取り組みが推進されている。その推進策として、米を主原料としたこれまでの加工食品、例えば餅、煎餅、団子等以外にも広げるべく、米を主原料にした製パン技術が開発され、米粉パンが市販されている。この米粉パンは、小麦粉パンに比べて、多糖類の含有量が多く、しっとりした良好な感触と自然な甘味が得られ、また餅のように喉に詰まる恐れが少なく、更に少量
を食するだけで満腹感が得られることから、消費者間で人気を博しており、更にまた、小麦粉を混入しない米粉パンは小麦アレルギーを持つ消費者にとって待望された食材となってきている。
そこで、より簡易に米粉パンができるように、米粉を入手しなくても、自動製パン器で、家庭にある米をそのまま粉砕してパンにする装置が考えられた(例えば、特許文献3参照)。図11は特許文献3に記載された従来の生地製造器の断面図、図12は特許文献3に記載された従来の加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャートである。
図12に示すように、加熱調理食品生地製造方法は、所定量の米粒と所定量の液体とを容器へ収納し所定時間静置する粉砕前含浸工程#10と、所定量の米粒と所定量の液体の混合物の中でブレードを回転させて米粒を粉砕する粉砕工程#20と、粉砕米粒と液体の混合物からなる生地原料を練りブレードで生地に練り上げる練り工程#30からなる。
そして、米粒からパン用の生地を製造するときは、図11に示すように生地製造器11を次のように用いる。蓋12を外し、容器B13の中に所定量の米粒と所定量の液体を入れた後、再び蓋12を嵌め込んで、粉砕前含浸工程#10を実行する。粉砕前含浸工程#10の間、加熱手段14で容器B13を加熱し、液体(この場合は水)の温度を上げると含浸が進む。粉砕前含浸工程#10の最初でブレード15を回転させ、その後も時々ブレード15を回転させて米粒の表面に傷をつけると、米粒の吸液が促され、含浸を早く完了させることができる。
粉砕工程#20に入ったらブレード15を高速回転させ、米粒を粉砕する。これにより、粉砕米粒と液体の混合物からなる生地原料が形成される。練り工程#30ではブレード15を低速回転させ、生地原料を捏ねて一つにつながった生地を練り上げる。
練り工程#30の冒頭で蓋12を開け、所定量のグルテンと、必要に応じ所定量の調味材料を生地原料に投入する。蓋12を閉じ、ブレード15を低速回転させて、生地原料及びそれに投入されたグルテンや調味材料を混合する。この過程で生地の温度が上昇するので、後に投入される発泡誘起材料が酵母である場合には、適当なタイミングで冷却手段16により容器B13を冷却し、中の生地を冷やす。なお冷却の場合も加熱の場合も、容器B13の温度を温度センサ17で監視し、正確な温度が得られるようにする。
発泡誘起材料を投入する時機になったら、蓋12を開けて生地に所定量の発泡誘起材料を投入する。蓋12を閉め、ブレード15を低速回転させて生地と発泡誘起材料を混合し、生地を完成させる。その後、生地を容器B13から取り出して、あるいは生地を容器B13に入れたままで、生地の発泡が進むのを待つ。所望の発泡を得られたら生地をパン焼き装置に入れ、パンを焼く。
このように、同一の容器B13内で粉砕前含浸工程#10から練り工程#30まで進行させることにより、ある工程から他の工程に移行する際に内容物を別の容器に移し替える必要がなく、時間を短縮できる。また、米粒や生地原料の一部が前の工程で使用した容器の内面に残り、少しずつ目減りするという問題もなくなる。
また、特許文献4には特許文献3の構成を基本として、同一のブレードにより粉砕と練りとが行われることを特徴とすることが記載されている。
さらに、特許文献5には、小麦粉を原料とするパン生地では、イースト発酵の際のせん断粘度が1×100000(Pa・s)程度であるのに対し、米粉を主成分とした生地のせん断粘度を1×100〜4×10000(Pa・s)の範囲に調整することで、イース
ト発酵により良好な発泡倍率を得ることができ、小麦粉、グルテンを添加しなくてもパン状の製品を得られることが記載されている。
特開2002−360441号公報 特開2008−018122号公報 特開2010−035475号公報 特開2012−210412号公報 特開2003−189786号公報
しかしながら、特許文献1で用いられるパンの材料は、小麦粉を主原料とするものを主としており、特に、米を材料として改善されたものではなく、また、特許文献2では炊飯機能は有するものの、特許文献1と同様に、製パンに関しては米を材料として改善されたものではない。
さらに、特許文献3では、米粉を入手しなくても、より簡易に米粉パンができるように、製粉工程を経ることなく米粒から加熱調理食品生地を製造する方法として、所定量の米粒と所定量の液体の混合物の中でブレード15を回転させて米粒を粉砕する粉砕工程を有するようになっているが、所定量の米粒を粉砕するようになっているため、どうしても、粉砕に関する課題を生じてしまっていた。
そして、粉砕に関する課題としては、液体の混合物の中でブレード15を回転させて米粒を粉砕して微細粒とするためには、非常に多くの時間を要してしまう。
さらに、粉砕工程ではブレード15を高速回転させ米粒を粉砕し粉砕米粒と液体の混合物からなる生地原料が形成され、練り工程ではブレード15を低速回転させると記載されていることから、高速回転により米粒を粉砕する際にブレード15と米粒が激しく衝突することで発熱し澱粉の一部が糊化してしまうことが考えられる。糊化した澱粉は水分保持能力が高いため、もちもちとした食感を付与するという利点も有するが、製パン焼成時に水分蒸発が十分に行われず、出来上がりのパンが凹状につぶれてしまうことが多々ある。特に糊化度合いが高い場合はその傾向が顕著となる。また、小麦やグルテンを含まない米粒のみで製パンした場合には、グルテンを形成しないためパンの形状を保持するネットワーク構造を有しないため、同様に出来上がりのパンが凹状につぶれてしまうことがある。
また、製パン終了後はブレード15に生地がまとわり付いた状態で焼き上がるために、パンの取り出しが非常に困難となって使い勝手を悪化させていた。
特許文献4に記載の構成であっても、米粒を粉砕する際にブレードを高速回転させるという点においては上記のような課題については同様に起こり得るものであった。同じブレードで粉砕と練りを行い、かつ粉砕ではブレードを高速回転させるために、米粒が十分に粉砕されていない状態の溶液の粘度が低い状態では液面が激しく揺さぶられ、溶液が周囲に飛び散るという課題を有している。
特許文献5では、米粉を主成分とした生地のせん断粘度を最適化することで、イースト発酵により良好な発泡倍率を得ることができ、小麦粉、グルテンを添加しなくてもパン状の製品を得られることが記載されているが、生の米粒から製造することはできない。すなわち、特許文献5では、良好な発泡倍率を得るためには、米粉と水の割合が重要になると
ともに、米粉の種類にも気をつける必要がある。つまり、米粉の損傷澱粉割合が多い場合には吸水率が高いため、決まった量の米粉と水を混合しても目的のせん断粘度にならないことが考えられる。よって、一般家庭で製パンする場合にはそもそもせん断粘度を測定することが困難であるとともに、せん断粘度を測定することができたとしても、粘度調整が非常に難しい製パン手法といえる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、製パン材料として少なくとも生の米粒と水を用い容器と粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で粉砕された米粒と水を粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを混合工程とを有し、粉砕工程と混合工程における粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させ、小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製するようにした自動製パン器の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン器は、
製パン材料を収容する容器と、
前記容器の周囲に配設し前記容器を加熱する加熱手段と、
前記容器内の製パン材料を粉砕および混合する粉砕混合手段と、
前記製パン材料の温度を直接的或いは間接的に検出する温度検出手段と、
操作条件を設定する操作部と、
前記操作部で設定された条件と、前記温度検出手段で検出された前記製パン材料の温度に基づき、前記加熱手段および前記粉砕混合手段を駆動制御し前記製パン材料の粉砕から混合を経て小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製して発酵から焼成までを自動的に行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記容器と前記粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で粉砕された米粒と水を前記粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、前記粉砕工程と前記混合工程における前記粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させるものである。
上記の構成により、制御手段は、容器と粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で粉砕された米粒と水を粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、粉砕工程と混合工程における粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させ、小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製するようにしたことで、米粒を製パン材料としたパンにおいて、生の米粒を高速回転ブレードで穀物粉に粉砕する必要がないため、穀物ペーストの性質の安定化が図れるようになる。すなわち、生の米粒を低速回転する粉砕混合手段で穀物ペーストに粉砕するため発熱が少なく穀物の澱粉が糊化し難いため穀物ペーストの粘度が安定し易い。
従来低速回転では米のすり潰しが満足いくものではなく、すなわちすり潰し残りが多く製パン不可であった。よって米のすり潰しは高速回転で行い、米ペーストの混合は低速回転で行っていた。米のすり潰しを低速回転で行うことにより米の澱粉の損傷を抑制し製パン性能が向上する。また、米のすり潰しと、米ペーストの混合を両立させる容器の底形状と羽根の形状とすることによって、米のすり潰しと、米ペーストの混合まで一貫して実施することが出来る。
また、混合の過程において、米ペーストのせん断粘度を自動的に最適化するためには、容器内の米ペーストにランダムな流れを形成して米の主成分である米澱粉と水を均一に混合する必要がある。米ペーストの初期粘度は非常に低いことから、粉砕混合手段の一部が米ペーストの液面より上部に位置していると液面が激しく揺さぶられ液滴が容器外に飛び散ってしまう。そこで、混合部は、回転方向に対して翼のように流線形状を有しており、
設計量の米ペーストを容器内に入れた際に混合部はもとより粉砕混合手段全体が覆い隠されるように構成されている。そして、粉砕混合手段が米ペーストの中で低速回転(約300rpm)することで米ペーストにランダムな流れを与え、効率的に米ペーストのせん断粘度を最適化する。
米粒を用いた場合は、米粒と水から作成した米ペーストとその他の被調理材に米粉などのグルテンを含まない被調理材を用いたパンにおいては、小麦を用いていないので、小麦アレルギーの人でも食べられるようになるが、小麦に比べ、米粉は水を多量に含み、小麦パンが膨らむ要素のグルテンを有しておらず、グルテンの代替品を用いても膨らみにくいため、捏ね方や水分量など作り方が難しいが、粉砕混合手段を低速で回転させ糊化させずに生の米粒と水からせん断粘度を最適化した米ペーストを作製し、その米ペーストを用いてパン材料の捏ねから焼成までの種々の工程を自動製パン器で一貫して行うことで、膨らみが安定した生の米粒から作製するパンができるようになる。
また、米粒の澱粉を吸水と加熱と撹拌によって糊化させることなく十分に膨潤させてせん断粘度が最適化された穀物ペーストを用いることにより、発酵の際に気泡を内部に閉じ込めることが可能となり生地の膨らみを促進し、生地の膨らみと形状の保持に対し非常に良好な影響を及ぼす。
本発明の自動製パン器における制御手段は、容器と粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で粉砕された米粒と水を粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、粉砕工程と混合工程における粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させ、小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製するようにしたことで、米粒を製パン材料としたパンにおいて、生の米粒を高速回転ブレードで穀物粉に粉砕する必要がないため、穀物ペーストの性質の安定化が図れるようになる。すなわち、生の米粒を低速回転する粉砕混合手段で穀物ペーストに粉砕するため発熱が少なく穀物の澱粉が糊化し難いため穀物ペーストの粘度が安定し易い。
本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の断面図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の容器と粉砕混合手段の要部断面図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の容器と粉砕混合手段の要部断面図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の容器と粉砕混合手段の要部断面図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の制御ブロック図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の操作部の表示例図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の米パン工程図 本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の米ペーストを用いて作成するパンの工程図 従来の自動製パン器のレーズン入り食パンの調理工程図 従来の製パン器能付き炊飯器の炊飯時の状態を示す断面図 従来の生地製造器の断面図 従来の加熱調理食品生地製造工程の全体フローチャート
第1の発明は、
製パン材料を収容する容器と、
前記容器の周囲に配設し前記容器を加熱する加熱手段と、
前記容器内の製パン材料を粉砕および混合する粉砕混合手段と、
前記製パン材料の温度を直接的或いは間接的に検出する温度検出手段と、
操作条件を設定する操作部と、
前記操作部で設定された条件と、前記温度検出手段で検出された前記製パン材料の温度に基づき、前記加熱手段および前記粉砕混合手段を駆動制御し前記製パン材料の粉砕から混合を経て小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製して発酵から焼成までを自動的に行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記容器と前記粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で粉砕された米粒と水を前記粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、前記粉砕工程と前記混合工程における前記粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させる自動製パン器としてある。
上記の構成により、制御手段は、容器と粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、粉砕工程で粉砕された米粒と水を粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、粉砕工程と混合工程における粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させ、小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製するようにしたことで、米粒を製パン材料としたパンにおいて、生の米粒を高速回転ブレードで穀物粉に粉砕する必要がないため、穀物ペーストの性質の安定化が図れるようになる。すなわち、生の米粒を低速回転する粉砕混合手段で穀物ペーストに粉砕するため発熱が少なく穀物の澱粉が糊化し難いため穀物ペーストの粘度が安定し易い。
従来低速回転では米のすり潰しが満足いくものではなく、すなわちすり潰し残りが多く製パン不可であった。よって米のすり潰しは高速回転で行い、米ペーストの混合は低速回転で行っていた。米のすり潰しを低速回転で行うことにより米の澱粉の損傷を抑制し製パン性能が向上する。また、米のすり潰しと、米ペーストの混合を両立させる容器の底形状と羽根の形状とすることによって、米のすり潰しと、米ペーストの混合まで一貫して実施することが出来る。
また、混合の過程において、米粒として米を用いた場合は、米ペーストのせん断粘度を自動的に最適化するためには、容器内の米ペーストにランダムな流れを形成して米の主成分である米澱粉と水を均一に混合する必要がある。米ペーストの初期粘度は非常に低いことから、粉砕混合手段の一部が米ペーストの液面より上部に位置していると液面が激しく揺さぶられ液滴が容器外に飛び散ってしまう。そこで、混合部は、回転方向に対して翼のように流線形状を有しており、設計量の米ペーストを容器内に入れた際に混合部はもとより粉砕混合手段全体が覆い隠されるように構成されている。そして、粉砕混合手段が米ペーストの中で低速回転(約300rpm)することで米ペーストにランダムな流れを与え、効率的に米ペーストのせん断粘度を最適化する。
米粒を用いた場合は、米粒と水から作成した米ペーストとその他の被調理材に米粉などのグルテンを含まない被調理材を用いたパンにおいては、小麦を用いていないので、小麦アレルギーの人でも食べられるようになるが、小麦に比べ、米粉は水を多量に含み、小麦パンが膨らむ要素のグルテンを有しておらず、グルテンの代替品を用いても膨らみにくいため、捏ね方や水分量など作り方が難しいが、粉砕混合手段を低速で回転させ糊化させずに生の米粒と水からせん断粘度を最適化した米ペーストを作製し、その米ペーストを用いてパン材料の捏ねから焼成までの種々の工程を自動製パン器で一貫して行うことで、膨らみが安定した生の米粒から作製するパンができるようになる。
また、米粒の澱粉を吸水と加熱と撹拌によって糊化させることなく十分に膨潤させてせん断粘度が最適化された穀物ペーストを用いることにより、発酵の際に気泡を内部に閉じ
込めることが可能となり生地の膨らみを促進し、生地の膨らみと形状の保持に対し非常に良好な影響を及ぼす。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記粉砕混合手段は米粒を粉砕する粉砕部と、穀物ペーストを作製する混合部とを備え、前記粉砕部と前記容器との隙間は複数種類の異なる隙間を有し、前記容器と前記粉砕部との隙間は米粒の短径より大きい隙間と小さい隙間を有するようにした自動製パン器とすることで、米粒を容器と粉砕部との隙間において効率的に粉砕することができる。
すなわち、米粒は様々な形状を有しており、例えば、一般的に縦長であり、縦長方向に直交する中央部の断面は楕円形状となっている。この楕円の短径が米粒の最短長であり、短径よりも大きい隙間を設けることで米粒が入り込み、短径よりも小さい隙間があることで入り込んだ米粒は閉じ込められる。粉砕混合手段は回転動作しているため、固定位置において短径よりも大きい隙間と短径よりも小さい隙間が交互に生じることで、閉じ込められた米粒は短径よりも小さい隙間から追い出される際にせん断応力と圧縮応力が負荷され粉砕される。以上の一連の動作によって、米粒が細かく粉砕されていく。なお、粉砕部と容器との隙間は複数種類の異なる隙間を有しているため、小さい米粒や大きい米粒でも粉砕することが出来る。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、粉砕と混合が、同一容器内で進行するようにした自動製パン器とすることにより、粉砕された材料を混合させる過程で材料を他容器に移し替える手間がなく時間を短縮できるとともに、粉砕の際に使用した容器に材料が残ってしまい、総重量が減少するという問題を回避することができる。
第4の発明は、特に第1〜3のいずれか1つの発明において、前記粉砕された米粒と水を混合して穀物ペーストを得た後に、酵母を自動で投入し、発酵と焼成を経て製パンするようにした自動製パン器とすることで、パン生地に適した粒残りの無い穀物ペーストが均等に混ざり合った後に酵母を生地に混ぜ込むことが可能となり、小麦グルテンと米粉と小麦粉を添加しないかつ穀物ペーストを自動で作製するパンにおいて、従来に無い製パン性能を確保することができるとともに製パンのばらつきを少なくすることができる。
すなわち、穀物ペーストを作製する際の温度が発酵温度に近い場合は、酵母が混合していたならば撹拌の際に発酵が進んでしまうことになるが、穀物ペーストの作製が終了し穀物ペーストの状態を安定させた上で、酵母を投入することで発酵状態が非常に安定したものになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の断面図、図2と図3と図4は本発明の第1の実施の形態における容器と粉砕混合手段の要部断面図、図5は本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の制御ブロック図、図6は本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の操作部の表示例図、図7は本発明の第1の実施の形態における穀物ペーストを用いて作成するパンの工程図、図8は本発明の第1の実施の形態における穀物ペーストを用いて作成するパンの工程のフロー図を示したものである。
図1〜4に示すように、本実施の形態における自動製パン器は、機器本体21内部に設けた焼成室22と、焼成室22内に着脱自在に収納され製パン材料を収容する有底の容器23が配設してある。この容器23には、Dカット部を形成した回転軸24が底面を貫通
して配置され、回転軸24は動力伝達手段25を介してモータ26と連結している。容器23内の製パン材料を粉砕および混合する粉砕混合手段27を有している。粉砕混合手段27は混合部28と粉砕部29とボス30が一体に構成され、ボス30は回転軸24に嵌合している。モータ26が回転することにより、動力伝達手段25を介して回転軸24が回転し、粉砕混合手段27が回転する。粉砕混合手段27の混合部28と粉砕部29は、ボス30から回転軸24の半径方向へ延出して形成されている。混合部28は、特に、図3に示すように粉砕混合手段27の回転方向に対して翼のように流線形状を有しており、設計量の米粒Rと水Wを容器23内に入れた際に、少なくとも水Wによって混合部28はもとより粉砕混合手段27全体が覆い隠されるように構成されている。
粉砕部29は平滑な平面で構成され、粉砕部29と対向する容器23の底部23Bには凹凸形状を構成し粉砕部29に向かう凸部23Aが容器23の中心から放射状に複数形成されている。粉砕混合手段27が回転したとき凸部23Aの頂部は粉砕部29の平面と隙間h2を有して離間している。容器23の底部23Bと粉砕部29の平面との隙間は、米粒Rの短径r1より大きい隙間h1と米粒Rの短径r1より小さい隙間h2を有している。大きい隙間h1は、容器23の底部23Bから粉砕部29の平面までの距離であり、小さい隙間h2は凸部23Aから粉砕部29の平面までの距離である。
例えば米粒Rを例にとると一般的に縦長であり、縦長方向に直交する中央部の断面は楕円形状となっている。この楕円の短径r1が米粒Rの最短長であり、米粒Rの短径r1よりも大きい隙間h1を設けることで米粒Rが大きい隙間h1に入り込み、短径r1よりも小さい隙間h2があることで入り込んだ米粒Rは隣接する凸部23Aの間に閉じ込められる。
また、機器本体21の上部には開口部を覆う開閉自在な外蓋34が設けてあり、焼成室22内の下方の容器23の外周に位置して外周部より容器23を加熱する加熱手段35が設けてある。そして、容器23の温度を検知して製パン材料の温度を間接的に検出する温度検出手段36が容器23に当接して設けてあり、温度検出手段36で検出された製パン材料の温度に基づき、機器本体21上部に配設した操作部37で操作条件を設定された設定内容に対応する所定のシーケンスで、制御部38によって加熱手段35および粉砕混合手段27(モータ26)を駆動制御し製パン材料の加熱および粉砕あるいは混合を経て小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製して発酵から焼成までを自動的に行うようになっている。
なお、機器本体21の上部の外蓋34の内部には、酵母を自動投入する酵母自動投入器40と、小麦粉、上新粉あるいは餅粉などの粉である製パン材料を投入する粉自動投入器41と、具材を投入する具材自動投入器42が配設してあり、さらに、容器23の上部に位置し焼成室22に配設した吸い込み口43から吸引して機器本体21外へ排出する送風ファン44が設けてあり、穀物ペーストを作製するときから、焼成してパンに作り上げるときまで、所定のシーケンスで適宜、送風ファン44を作動するようにしてある。
また、粉自動投入器41には、粉が固まって落ちにくいので、粉自動投入器41に接して振動を与えて粉を落としやすいようにバイブレーター45が設けてあり、この粉自動投入器41は穀物ペースト作製時に一緒に加熱することのできない上新粉あるいは餅粉などの製パン材料を後から投入する必要性があるものを、適切な投入時期に自動的に投入するものである。
さらに、機器本体21の雰囲気温度などの影響により温度検出手段36で検出された製パン材料の温度が所定の温度より低いときは、加熱手段35で加熱するとともに、温度検出手段36で検出された製パン材料の温度が所定の温度より高いときは、製パン材料の発
酵時間を短縮するなど、温度検出手段36で検出する温度によって調整するようにしてある。
そしてまた、図6に示すように、操作部37には、小麦粉を主とした従来のパンの工程と、米ペーストを作製しその米ペーストを用いてパンを作製する米パン工程を選択する工程選択手段50と表示部51が設けてあり、表示部51に工程毎の設定内容を表示し、例えば食パンやレーズンなどの具入りパンなどのそれぞれの工程に共通のメニューと、上記工程の単独メニューを表示してメニュー選択手段52で選べるようになっている。
さらに、操作部37には、穀物ペーストを用いてパンを作製する穀物パン工程のときに、機器本体21で使用する穀物量を設定する穀物量設定手段53と、できあがりのパンにおける穀物の含有割合を変化させる割合選択手段54が設けてあり、穀物量設定手段53で設定された穀物の量と割合選択手段54で選択された含有割合に基づき、穀物以外の使用する製パン材料の量を表示部51に表示するようになっている。
また、操作部37には、パン工程を開始させるスタートボタン55が配設してあり、上述の設定した条件で、パン工程を開始させるようになっている。
以上のように構成された自動製パン器について、それぞれの工程のパンの作成について説明する。
生の米粒から小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製し、その穀物ペーストを用いてパンを作製する代表的な穀物パン工程(本実施の形態では米粒として米を用いた)について説明すると、図7に示すように、はじめに操作部37で吸水した米粒から米ペーストを作製しその米ペーストを用いてパンを作製する米パン工程を選択して(ステップ201)、つぎに、穀物量設定手段53で該機器での米量を設定する(ステップ202)とともに、割合選択手段54でできあがりのパンの米の含有割合を選択する(ステップ203)。つぎに、表示部51に、例えば食パンやレーズンなどの具入りパンなどの共通のメニューあるいは米ペーストを作製しその米ペーストを用いてパンを作製する米パンの個別のメニュー(出来上がりの米パンの食味:甘い、しっとり感など)および米種を表示して(ステップ204)、メニュー選択手段52で選択する(ステップ205)。つぎに、選択された内容に基づき表示部51に必要な具材の量を表示して(ステップ206)、使用者が確認して容器23に水と米粒を所定量投入するとともに、酵母自動投入器40に酵母を、粉自動投入器41に小麦やグルテン以外の穀物粉を、そして、具材自動投入器42に具材を所定量セットし(ステップ207)、準備が完了したら、スタートボタン55を押して、機器本体21の製パンを開始させる(ステップ208)。機器本体21は、操作部37で設定された設定内容に対応する所定のシーケンスで、温度検出手段36で検出された前記製パン材料の温度に基づき、加熱手段35および粉砕混合手段27を駆動制御し、米粒を粉砕して米ペーストを作製、混合、ねかせ、発酵、焼き上げを組み合わせて、パンを作成する(ステップ209)。
ここで、粉砕、混合、ねかせ、発酵、焼き上げの製パンのフローは、図8に示すように、ステップ211で米粒の澱粉を吸水と加熱と撹拌によって糊化させることなく十分に膨潤させ、米ペーストのせん断粘度を自動的に最適化する。
粉砕工程では、容器23と粉砕混合手段27の底部との隙間で生の米粒を粉砕する工程である。具体的に詳細に説明すると、粉砕工程において図2、図3に示すように、米粒を効率よく磨り潰すためには粉砕部29と容器23の隙間h1に米粒Rを誘い込み、米粒Rにせん断応力と圧縮応力を負荷する必要がある。図2は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の容器23と粉砕混合手段27の米粒粉砕前の状態を示す断面図であり
、図3は、本発明の第1の実施の形態における自動製パン器の容器23と粉砕混合手段27との関係を示す要部断面図である。
粉砕部29は平滑な平面で構成され、粉砕部29と対向する容器23の底部23Bには凹凸形状を構成し粉砕部29に向かう凸部23Aが容器23の中心から放射状に複数形成されている。粉砕混合手段27が回転したとき凸部23Aの頂部は粉砕部29の平面と隙間h2を有して離間している。容器23の底部23Bと粉砕部29の平面との隙間は、米粒Rの短径r1より大きい隙間h1と米粒Rの短径r1より小さい隙間h2を有しており、大きい隙間h1は、容器23の底部23Bから粉砕部29の平面までの距離であり、小さい隙間h2は凸部23Aから粉砕部29の平面までの距離に設定されている。
例えば米粒Rを例にとると一般的に縦長であり、縦長方向に直交する中央部の断面は楕円形状となっている。この楕円の短径r1が米粒Rの最短長であり、米粒Rの短径r1よりも大きい隙間h1を設けることで米粒Rが大きい隙間h1に入り込み、短径r1よりも小さい隙間h2があることで入り込んだ米粒Rは隣接する凸部23Aの間に閉じ込められる。
粉砕混合手段27はモータ26によって回転動作しており、本実施の形態では粉砕時に低速回転域(約300rpm)で動作される。一般的に米などの穀物を粉砕するためには従来3000rpm以上の高速回転するブレードで粉砕していたが、米ペーストの性質が安定しないという課題を有していた。すなわち、生の米粒を高速回転するブレードで米ペーストに粉砕するため発熱が多く米の澱粉が糊化し易くなり穀物ペーストの粘度が安定し難かった。
また、粉砕混合手段27はモータ26によって回転動作しているため、次々に米粒Rが短径r1よりも大きい隙間h1から入って隣接する凸部23Aの間に蓄積され、米粒Rは短径r1よりも小さい隙間h2から追い出される際に粉砕部29と凸部23Aとによって、せん断応力と圧縮応力が負荷され粉砕される。以上の一連の動作によって、米粒Rが細かく粉砕されて図4に示すように米ペーストPが出来上がる。この米ペーストPの液面は粉砕混合手段27の最高部より高くなるように設定されている。
また、混合工程では、粉砕工程で粉砕された米粒と水を粉砕混合手段27で混合して穀物(米)ペーストを得る工程である。具体的に詳細に説明すると、混合工程において、米ペーストPのせん断粘度を自動的に最適化するためには、容器内の米ペーストPにランダムな流れを形成して米の主成分である米澱粉と水を均一に混合する必要がある。米ペーストの初期粘度は非常に低い(水と同様)ことから、粉砕混合手段27の一部が米ペーストの液面より上部に位置していると液面が激しく揺さぶられ液滴が容器23外に飛び散ってしまう。そこで、混合部28は、回転方向に対して翼のように流線形状を有しており、設計量の米ペーストを容器23内に入れた際に混合部28はもとより粉砕混合手段27全体が米ペーストによって覆い隠されるように構成されている。そして、粉砕混合手段27が米ペーストの中で低速回転(約300rpm)することで米ペーストにランダムな流れを与え、効率的に米ペーストのせん断粘度を最適化する。
以上のプロセスにより、生米を加熱して柔らかくしながら磨り潰すとともに、従来3000rpm以上の高速回転で米粒を粉砕していた場合と比較して、生米を微小化する際に伴う切削音は著しく小さいという利点がある。
従来低速回転では米のすり潰しが満足いくものではなく、すなわちすり潰し残りが多く製パン不可であった。よって米のすり潰しは高速回転で行い、米ペーストの混合は低速回転で行っていた。米のすり潰しを低速回転で行うことにより米の澱粉の損傷を抑制し製パ
ン性能が向上する。また、米のすり潰しと、米ペーストの混合を両立させる容器の底形状と羽根の形状とすることによって、米のすり潰しと、米ペーストの混合まで一貫して実施することが出来る。
さらに、粉砕混合手段27で米粒と水をゆっくりと間欠的に撹拌するようにしてあるとともに、米澱粉の吸水と膨潤が促進される温度(例えばこしひかりなどの米種を選択した場合には25〜45℃、選択した穀物種に合わせて自動で20℃〜65℃の範囲で加熱温度設定される)で加熱手段35によって加熱するようにしてある。また、米ペーストの膨潤を促進しながら粉砕混合手段27に作用する被調理物の抵抗力(電流値)をモータ26が検知し被調理物のせん断抵抗が分かるようになっているため、せん断抵抗を検知しながら米ペーストのせん断粘度が最適値になるようにモータ26と加熱手段35と送風ファン44を制御部38が制御する。米澱粉の膨潤が進んでいない初期の段階ではせん断粘度は小さく、加熱と撹拌するに従ってせん断粘度が大きくなっていくため、せん断粘度が小さすぎず、大きすぎることがないようにモータ26と加熱手段35と送風ファン44を制御部38が制御して米ペーストを最適な状態に保つようにしている。送風ファン44の作用として、生地の温度調整をするとともに生地中の水分量を調整する役割を有している。
温度検出手段36で検出された米と溶液の温度およびモータ26で検出されたせん断抵抗に基づき、モータ26と加熱手段35と送風ファン44を駆動制御し、米ペーストを所定のせん断粘度になるように制御部38が制御する。モータ26を制御することで澱粉の膨潤を促進してせん断粘度を向上させるとともに、加熱手段35を制御することで加熱量を調整して所定の温度になるようにし澱粉を分解する酵素が働きやすい状態にする。
送風ファン44を作動させると、容器23の上部の焼成室22内の蒸気を含む温度の高い空気を機器本体21外へ排出する様になっており、水分を蒸発させることで米ペーストのせん断粘度を調整するようになっている。
そして米澱粉膨潤のための加熱が終了すると、ステップ212において粉砕混合手段27で米粒を磨り潰し、ステップ213で粉自動投入器41から米粉等の粉を投入して、ステップ214で練りを行い米ペーストと米粉等の粉品を混ぜるとともに、ステップ212およびステップ214の間で、送風ファン44を作動させて、容器23の上部の焼成室22内の米ペーストの蒸気を含む温度の高い空気を機器本体21外へ排出して、米ペーストを酵母の最も活動する温度に冷却していくようになっている。尚、ステップ213の米粉等の粉品を投入時には、送風ファン44の作動は停止して、送風ファン44の吸い込み口43に米粉等の粉品が入らないようにしてある。
つぎに、ステップ215で、酵母を酵母自動投入器40で自動投入するとともに、ステップ216で、具材自動投入器42でレーズン等の具材を投入したのち、ステップ217で、第3練りを行い、ステップ218、米ペーストと米粉等の粉の混合物をねかし、そして、ステップ219で焼き上げる。さらにこのとき、ステップ217およびステップ218の間で、送風ファン44を作動させて、容器23の上部の焼成室22内のパン生地の水分を含む温度の高い空気を機器本体21外へ排出して、焼成中のパン生地の水分の微調整をおこなうようになっている。尚、ステップ215の酵母およびステップ216のレーズン等の具材を投入時には、送風ファン44を作動は停止して、送風ファン44の吸い込み口43に酵母およびレーズン等の具材が入らないようにしてある。
ステップ220で焼き上がったら完成となり、容器23から取り出して完了する。
そして、上述の米ペーストを作製しその米ペーストを用いて作成したパンは、米粉を主とした従来のパンの工程で作成したものよりも膨らみが得られ、もちっとした食感で、甘
みが感じられよりおいしく感じられた。
これは、米ペーストに含まれている膨潤した澱粉とタンパク質が均等に混ざり合うことで、生地の伸びと強度を両立するパン生地のベースとなる状態が形成され、酵母を均等に混ぜ込むことで膨潤した澱粉とタンパク質の間に酵母が入り込み、発酵によって生成する炭酸ガスが膨潤した澱粉とタンパク質の隙間に気泡を形成し生地が十分に膨らむためである。また、米中には糖生成酵素が存在しているが、その酵素は米の外層部と内層部で温度依存性が異なる。先に溶液の温度の影響を受ける外層部の酵素群至適温度は40℃であり、内層部は60℃である。よって、米ペーストを作製する際に糊化しない40℃に温度制御を行って米澱粉を膨潤することによって、米が本来持っているアミラーゼが作用して十分に澱粉の分解が起こり、米澱粉が膨潤するとともに甘味成分を生成でき、甘味の強いパンを焼き上げることができる。また糖類が生成することでパンの日持ちも良くすることができる。
従来の方式では、ブレードを高速回転させて米粒を粉砕し微細米粉ペーストを作製しそこに米粉などを添加していたため、生地の伸びと強度が不足していることで製パン性(特に膨らみ)が十分ではない。また、米を加熱してブレードを高速回転させると粘性が高くなることによってブレードが回転不能になるため、温度を上げることが出来ず、甘味の強いパンを焼き上げることが出来ない。
さらに、上述の米ペーストを作製し、酵母のみを用いたパンにおいては、小麦を用いていないので、小麦アレルギーの人でも食べられるようになるが、小麦に比べ、米粉は水を多量に含み、小麦パンが膨らむ要素のグルテンを有しておらず、グルテンの代替品を用いても膨らみにくいため、捏ね方や水分量など作り方が難しく、パン材料の捏ねから焼成までの種々の工程を自動製パン器で一貫して行うことで、できあがりが安定した米から作製するパンができるようになる。
米ペーストを作製するときに、粉砕混合手段27で製パン材料を撹拌するようにした構成としてあるので、生の米と水の状態で撹拌することで、生の米の吸水を早く均一にすることができ、また、加熱中に撹拌することで、温度分布を平均にすることができ、更に製パン時の捏ねに適するように混ぜることができ、そして、製パンに適した条件で米澱粉の膨潤時間を短縮することが出来るとともに、次ステップの磨り潰しにスムーズに移行でき、磨り潰し時間を短縮することができるようになる。
また、製パン材料あるいは容器23近傍を冷却する送風ファン44を配設してあるので、米ペーストを作成するときから、焼成してパンに作り上げるときまで、適宜、送風ファン44を作動することで、米澱粉の糊化度を調整した米ペーストを作製する加熱時にその熱で酵母が死滅しないようにするなどや、米ペーストを冷却する時間の短縮を図ることが出来るようになる。つまり、米澱粉の糊化度を調整した米ペーストから製パンするときの温度調節をすることが出来、より米から作製するパンの製パン性能を向上させることができるようになる。
製パン時に用いる酵母は、温度が27〜36℃で最も活動的になり、60℃以上で死滅するため、製パン時はパンを焼成する前までつまり、酵母の保管、捏ね、発酵期間は少なくとも常温に近い温度にしておかねばならず、米ペースト作製の加熱量を小さくすることで、酵母の冷却保管を容易にして、酵母の冷却手段を簡易とすることができ、酵母の温度管理が容易となり、できあがりが安定したせん断粘度を調整した米から作製するパンができるようになる。
特に、酵母は4℃以下になると活動が停止し60℃以上で死滅し、27℃〜30℃が活
発に働く温度として、一次発酵に丁度よい温度で、再発酵(仕上げ発酵)させる時は35℃〜38℃とやや高めで発酵させるようになっており、温度管理が必要で、米ペースト作製完了した直後は温度が高いため、酵母を投入することが出来ない。
ここで、送風ファン44は、米ペーストを作製してから、酵母を投入するまでの間に作動させ、米ペーストの温度が酵母の死滅する温度以下になるまで冷却するようにした構成としてあるので、米ペーストの温度を適正な温度に素早く下げることが出来、製パン性の向上と製パンにかかる時間の短縮を図ることが出来るようになる。
また、米ペーストを製パン材料として用いてパンを作成する場合は、小麦粉を主とした製パン材料を用いてパンを作成する場合より、パンの膨らみが少なく、また、作製した米ペーストの量や製パン材料などの量を調整して、容器23のパンを作成したときのパンの体積が少なくて、容器23の上部まで達していないと、どうしても、パン焼成時のパン上面への熱の伝わり方が不十分となりやすい。そこで、容器23の上方にできあがるパンの天面を加熱する第2加熱手段35を配設するか、あるいは、容器23の上方に加熱手段35の熱を反射させる反射板を配設するようにしてもよい。
これによれば、パンの膨らみが十分でない場合でも、容器23の側面からの加熱に加えて、容器23の上方から加熱されるので、パン焼成時にパン上面が加熱されやすくなり、パン上面の焼きムラが低減されるようになる。
以上のように、本発明の自動製パン器は、上記実施の形態に示した構成に限定されず種々の形態のものに適用できるものであり、穀物ペーストを製パン材料として用いて製パンする装置や、小麦粉を主とした従来のパンも作成でき、穀物澱粉を膨潤させて穀物ペーストを作製しその穀物ペーストを製パン材料として用いて製パン出来る装置、などの本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
21 機器本体
22 焼成室
23 容器
24 回転軸
25 動力伝達手段
26 モータ
27 粉砕混合手段
28 混合部
29 粉砕部
30 ボス
34 外蓋
35 加熱手段
36 温度検出手段
37 操作部
38 制御部
40 酵母自動投入器
41 粉自動投入器
42 具材自動投入器
43 吸い込み口
44 送風ファン
45 バイブレーター
50 工程選択手段
51 表示部
52 メニュー選択手段
53 穀物量設定手段
54 割合選択手段
55 スタートボタン

Claims (4)

  1. 製パン材料を収容する容器と、
    前記容器の周囲に配設し前記容器を加熱する加熱手段と、
    前記容器内の製パン材料を粉砕および混合する粉砕混合手段と、
    前記製パン材料の温度を直接的或いは間接的に検出する温度検出手段と、
    操作条件を設定する操作部と、
    前記操作部で設定された条件と、前記温度検出手段で検出された前記製パン材料の温度に基づき、前記加熱手段および前記粉砕混合手段を駆動制御し前記製パン材料の粉砕から混合を経て小麦粉やグルテンを用いることなく製パンに適した穀物ペーストを作製して発酵から焼成までを自動的に行う制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記容器と前記粉砕混合手段の底部との隙間で生の米粒を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で粉砕された米粒と水を前記粉砕混合手段で混合して穀物ペーストを得る混合工程とを有し、前記粉砕工程と前記混合工程における前記粉砕混合手段を同じ速度帯で動作させる自動製パン器。
  2. 前記粉砕混合手段は米粒を粉砕する粉砕部と、穀物ペーストを作製する混合部とを備え、前記粉砕部と前記容器との隙間は複数種類の異なる隙間を有し、前記容器と前記粉砕部との隙間は米粒の短径より大きい隙間と小さい隙間を有するようにした請求項1に記載の自動製パン器。
  3. 粉砕と混合が、同一容器内で進行するようにした請求項1または2に記載の自動製パン器。
  4. 前記粉砕された米粒と水を混合して穀物ペーストを得た後に、酵母を自動で投入し、発酵と焼成を経て製パンするようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動製パン器。
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