JP6526434B2 - アルミニウム合金フィン材 - Google Patents

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この発明は、熱交換器に好適に用いられるアルミニウム合金フィン材に関するものである。
燃費向上や省スペース化の観点から熱交換器は軽量化傾向にあり、そのため使用部材には薄肉高強度化が求められる。特にフィン材は使用量が多いことからその要求が強い。このため、成分添加量を調整したアルミニウム合金フィン材が、いままでにもいくつか提案されている(例えば特許文献1〜5参照)。
特開2007−31778号公報 特開2008−308761号公報 特開2012−126950号公報 特開平5−263173号公報 特開平7−18358号公報
しかし、単純に成分添加量を増加させると高強度化は達成できても、融点(固相線温度)の低下によってろう付時にろう浸食によるフィンの座屈が生じる。そのため、薄肉熱交換器専用のろう付製造ラインを必要としたり、製造条件が狭い範囲に限定されるなど生産上の問題が生じる。さらに、近年の熱交換器は軽量化のために冷媒通路であるチューブにも高強度材が使用される傾向にある。一般に高強度材は耐食性が悪く、フィンによる犠牲陽極効果をより効果的に発揮させなければチューブの耐食性を長期間確保するのが困難になる。また、チューブの耐食性を確保するために、フィンによる犠牲陽極効果だけでなく、チューブろう材にZnを添加することでチューブ自身の耐食性を向上させようとすることもあるが、その場合にはろう付時にフィンとチューブの接合部にZnが濃縮することで接合部の電位が卑となる。そのような状況のコアが腐食環境に晒された場合には接合部が優先的に腐食してしまい、フィンとチューブが早期に分離(フィン剥離)してしまう。その場合にはチューブに対するフィンの犠牲陽極効果が無くなってしまうため、チューブの耐食性が著しく劣化してしまう。さらに、薄肉高強度フィンでは腐食環境において腐食による消耗が大きくなってしまい、長期使用後に性能維持が困難になるという問題も生じる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、高強度でろう付け性に優れ、チューブに対する十分な犠牲陽極効果を長期間にわたって有したうえに自己耐食性に優れたアルミニウム合金フィン材を提供することを目的とする。
そこで本発明では、フィン材の成分を適正化するとともにろう付時の耐ろう浸食性の改善策として所定以上の融点(固相線温度)を有し、かつろう付時の結晶粒径を粗大とすることで、高強度かつろう付性に優れるフィンを得ている。具体的には微細な第二相粒子の分布状態を制御することでこれを実現している。また、フィンとチューブ接合部での各箇所における電位の貴卑においてフィンと接合部の孔食電位差を小さくして接合部の優先腐食を防ぐ、さらにはフィンが最も卑となるようなバランスとする。具体的にはフィンの電位を卑な値に調整することで、チューブに対して長期間優れた犠牲陽極効果を付与できるようにした。一方、フィン材の電位が卑な場合は、貴な場合に比べてフィンの自己耐食性は劣化しやすくなるが、これに関しては、ろう付後の粗大な第二相粒子の組成を制御することで自己耐食性を向上させている。
すなわち、本発明のアルミニウム合金フィン材のうち、第1の本発明は、質量%で、Mn:1.3〜1.8%、Si:0.7〜1.3%、Fe:0.10〜0.35%、Zn:1.5〜5.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、固相線温度が615℃以上で、ろう付後の引張強さが130MPa以上、ろう付後の孔食電位が−1000〜−830mVの範囲にあり、さらに、ろう付後の圧延面の平均結晶粒径が150μm〜800μmの範囲にあることを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム合金フィン材は、前記第1の本発明において、前記組成成分として、さらに質量%で、Zr:0.05〜0.25%を含有することを特徴とする。
第3の本発明のアルミニウム合金フィン材は、前記第1、または第2の本発明において、前記組成成分として、さらに質量%で、Cu:0.03〜0.20%を含有することを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウム合金フィン材は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、ろう付後に母相中に分布する第二相粒子のうち、円相当径が0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物中のMn、Fe、Siの含有量の平均が、前記化合物中の原子%でFe/(Mn+Si)<0.25の関係を満足することを特徴とする。
第5の本発明のアルミニウム合金フィン材は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、加工前の素材において、母相中に分布する第二相粒子で、円相当径0.05〜0.4μmの範囲にあるものが、20〜80個/μmの範囲で存在することを特徴とする。
以下に、本発明の限定理由について説明する。なお、組成中の成分含有量はいずれも質量%で示される。
Mn:1.3〜1.8%
Mnは、SiやFe等とAl−Mn−Si系、あるいはAl−(Mn、Fe)−Si系の金属間化合物(分散粒子)を生成することでろう付後のフィンの強度を向上させる効果を有している。その含有量が1.3%未満では、その効果が十分発揮されず、1.8%を超えると、Al−(Mn、Fe)−Si系の金属間化合物の巨大晶が生成してアルミニウム合金板の製造性が大幅に低下する。そのため、Mn含有量は1.3%〜1.8%に定める。なお、同様の理由により、下限は1.5%、上限は1.75%とするのが望ましい。
Si:0.7〜1.3%
Siは、Al−Mn−Si系、あるいはAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物(分散粒子)を析出させ、分散強化によるろう付後の強度を得るために含有させる。ただし、0.7%未満の含有では、Al−Mn−Si系、あるいはAl−(Mn、Fe)−Si系金属間化合物による分散強化の効果が小さく、所望のろう付後強度が得られない。一方、1.3%を超えて含有するとSiの固溶量が大きくなり、固相線温度(融点)が低下し、ろう付時に著しいろう侵食が生じやすくなる。なお、同様の理由で下限を0.9%、上限を1.2%とするのが望ましい。
Fe:0.10〜0.35%
Feの含有によって、Al−(Mn、Fe)−Si系化合物による分散強化が得られ、ろう付後強度が向上する。このため、Fe含有量を0.10%以上とする。また、Feの含有量が0.35%を超えると、鋳造時に粗大化した晶出物(金属間化合物)が腐食の起点となることで、フィン材の自己耐食性が低下するおそれがある。
Zr:0.05〜0.25%
Zrは、ろう付後のフィンの結晶粒径を粗大化するため、およびろう付後のフィンの強度を向上させるため含有させる。ただし、Zrの含有量が0.05%未満であると、ろう付後のフィンの結晶粒径を粗大化する効果と強度を向上させる効果が十分に得られない。一方、Zrが0.25%を超えて含有すると、巨大晶が生成しやすく、アルミニウム合金板の製造性が大幅に低下する。これらの理由により、Zrの含有量を0.05〜0.25%に定める。
Cu:0.03〜0.20%
Cuは、固溶強化によりろう付後強度を向上させるので、所望により含有させる。ただし、0.03未満ではその効果が十分に得られない。また0.20%を超えて含有するとフィンの自己耐食性が低下するので、所望により含有させる場合は、Cu含有量を0.03〜0.20%とする。ただし、0.03%未満でCuを不可避不純物として含有してもよい。
Zn:1.5〜5.0%
Znは、電位を卑にしてチューブに対する犠牲陽極効果を得るため含有させる。Zn含有量が1.5%未満であると、電位の卑化が不十分となり犠牲陽極効果が十分に得られない。一方、5.0%を超えて含有すると、電位が卑になりすぎて、フィンの自己耐食性が低下するおそれがある。
固相線温度:615℃以上
固相線温度を615℃以上とすることで、ろう付け時のろう浸食を防止し、座屈を防止する。なお、同様の理由で固相線温度が617℃以上であるのが望ましい。固相線温度は、成分の設定により達成することができる。
ろう付後引張強さ:130MPa以上
熱交換器として使用される際の強度保障としてろう付後の引張強さが130MPa以上であることが必要である。
ろう付後孔食電位:−1000〜−830mV
ろう付後の孔食電位を設定することで良好な犠牲陽極効果が得られる。このため、ろう付後孔食電位を−830mV以下とする。この電位よりも貴な孔食電位では、例えばZn含有ろう材も持つチューブ材と組み合わせた場合に、接合部の電位に対して、フィンの電位が卑となるため、接合部が優先腐食することでフィンの早期剥離が生じることで犠牲陽極効果が不十分となりチューブに腐食が発生しやすくなる。一方、孔食電位が−1000mVよりも卑となると、フィンの自己耐食性が低下するため、−1000mV以上とする。
ろう付後の圧延面の平均結晶粒径:150μm〜800μm
ろう侵食は結晶粒界で優先的に生じるから、結晶粒径が微細だと結晶粒界の数(面積)が増えるのでろう侵食されやすくなる。ろう付後の強度はろう付後の結晶粒径が粗大になり過ぎると低下する。すなわち、ろう付後の圧延面の平均結晶粒径が150μm未満であると、耐ろう侵食性が低下し、800μmを超えると、ろう付後強度の低下を招く。
当該材はろう付するとその昇温過程(ろうが溶融する温度よりも低い温度)で再結晶する。再結晶した後では結晶粒の大きさは殆ど変化しない。したがって、ろうによる侵食時に形成されている再結晶粒の大きさ=ろう付後の再結晶粒の大きさとなるため、ろう付後の粒径で観察することができる。
円相当径で0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物中のMn、Fe、Siの含有量の平均が、前記化合物中の原子%でFe/(Mn+Si)<0.25
Al合金の腐食はFeを含有する化合物によって促進される。一方、Feを含有しない化合物は腐食を促進しにくい。したがって、化合物中のFe/(Mn+Si)比が小さいというのは、腐食を促進しにくい化合物が形成されていることを意味する。ただし、化合物が存在するとAl合金の腐食が促進されるが、その効果は微細な化合物では影響が少ない。その目安となるサイズが0.5μm以上である。
したがって、円相当径で0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物における上記比を満たすことで、化合物がAl合金の腐食を促進する効果を低減することができる。
上記比は、0.22以下であるのがさらに望ましい。また、同様の理由で上記比が0.13以上であるのが一層望ましい。
上記比は、製造時に材料成分、製造時の鋳造速度、および均質化処理条件などによって達成することができる。
加工前の素材において円相当径0.05〜0.4μmの範囲にある第二相粒子が20〜80個/μm
第二相粒子は材料の再結晶挙動に影響する。微細な化合物(0.5μm以下)は再結晶を遅延して再結晶後の結晶粒を粗大化する。一方、粗大な化合物は再結晶を促進して再結晶後の結晶粒を微細化する。したがって、ろう付前の素材の状態で0.05〜0.4μmの化合物が多く存在する場合、ろう付熱処理時の再結晶が遅延されてろう付熱処理後の結晶粒が大きくなる。上記第二相粒子を適量分散することで、結晶粒が大きくなり、耐ろう侵食性が増すためろう付けに際し座屈が生じにくくなる。
ただし、80個/μmを超えると、製造中の冷間圧延続行あるいは調質調整のための焼鈍時に材料が軟化しにくくなり製造に支障をきたす。上記分散量は、30個/μm以上であるのが一層望ましく、同様の理由で50個/μm以下であるのが一層望ましい。
上記第二相粒子の分散は、均質化処理を低温、長時間、例えば350〜480℃×2〜15時間などの条件によって行うことで達成される。
以上説明したように、本発明によれば、高い強度とろう付け時に座屈やろう浸食が生じにくくて良好なろう付け性を有し、ろう付け後に長期間にわたってチューブに対する良好な犠牲陽極効果が得られ、しかもフィン自身の良好な耐食性が得られる効果がある。
本発明の一実施形態のアルミニウム合金フィン材の使用例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
本発明の組成成分に調整した鋳塊は、常法により製造することができる。鋳造時の鋳造速度は、0.2〜10℃/sとするのが望ましい。これにより、円相当径で0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物における成分比を調整して、Fe/(Mn+Si)を小さく制御できる。
上記鋳塊を好適には350〜480℃×2〜15時間の条件で均質化することが望ましい。これにより、円相当径で0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物におけるFe/(Mn+Si)比を調整できる。さらには円相当径0.05〜0.4μmの範囲にある第二相粒子が20〜80個/μmで分散した素材が得られる。
前記素材は、常法により熱間加工、冷間加工を行うことができる。その条件は常法により行うことが可能である。
上記材料は、図1に示すように、アルミニウム合金フィン材1として提供され、チューブ2やヘッダーなどと組み付けて、ろう付け体としてろう付に供される。ろう付の条件は、本発明としては特に限定されるものではないが、例えば、昇温速度:室温からの平均で40℃/min、保持温度600℃、保持時間3min、冷却速度100℃/minなどの条件で行うことができる。ろう付けによって熱交換器10が得られる。
ろう付けされたアルミニウム合金フィン材は、ろう付後の引張強さが130MPa以上、ろう付後の孔食電位が−1000〜−830mVの範囲にあり、さらに、ろう付後の圧延面の平均結晶粒径が150μm〜800μmの範囲にある。強度、耐食性(チューブに対する犠牲陽極効果と自己耐食性)に優れている。
以下に、本発明の一実施例を比較例と比較しつつ説明する。
表1に示す組成(残部Al+不可避不純物)を有するアルミニウム合金を、半連続鋳造法により溶解、鋳造した。なお、鋳造速度は、0.6〜2.5℃/秒であった。さらに、得られた鋳塊に対し、表2、3に示す条件にて均質化処理を行い、その後、熱間圧延、冷間圧延を行った。
冷間圧延工程では、75%以上で冷間圧延を行った後、350℃にて中間焼鈍を行って、材料を完全に軟化(再結晶)させ、その後圧延率40%の最終圧延を行い、板厚0.06mmで、質別H14のフィン材(供試材)を得た。
ただし本発明の工程はこれに限定されるものではない。例えば、中間焼鈍を150〜250℃の低温で行って、未再結晶状態(完全に軟化させない状態)とし、その後の最終圧延を10〜20%程度の低圧下で行うこともできる。
室温から600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却する熱処理の条件でろう付相当加熱を行った。加熱後のフィン材について、以下の評価試験を行った。試験結果は、表2、3に示した。
(素材の化合物の分布状態)
均質化処理後の素材において、円相当径0.05〜0.4μmの範囲にある第二相粒子(分散粒子)の個数密度(個/μm)を透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した。
測定方法は、素材に400℃×15秒のソルトバス焼鈍を行って変形ひずみを除去して化合物を観察しやすくした後、通常の方法で機械研磨、および電解研磨によって薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡にて30000倍で写真撮影した。5視野(合計で16μm程度)について写真撮影し、画像解析によって分散粒子のサイズおよび個数密度を計測した。
(ろう付後強度)
作製した前記フィン材に、ろう付相当の熱処理を施した。具体的には、600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持後、100℃/分の降温速度で降温冷却した。その後、圧延方向と平行にサンプルを切り出してJIS13号B形状の試験片を作製し、引張試験を実施し、引張強さを測定した。結果は、ろう付後TSに示した。引張速度は3mm/分とした。評価基準は表2、3のとおりとした。
(孔食電位)
ろう付後の孔食電位をアノード分極測定によって測定した。
フィン材にろう付相当の熱処理を施した。熱処理の条件はろう付後強度に記載と同様の条件である。該ろう付相当熱処理を施したフィン材から分極測定用のサンプルを切り出して50℃に加熱した5%NaOH溶液中に30秒浸漬、その後、30%HNO溶液中に60秒浸漬、さらに水道水、イオン交換水で洗浄したのみ、乾燥させずにそのまま40℃の2.67%AlCl溶液中、脱気雰囲気、電位掃引速度0.5mV/秒の条件で孔食電位(参照電極は飽和カロメル電極)を室温で測定した。孔食電位は電流密度−電位線図において電流密度が急増する電位と定義した。ただし、明瞭な電流密度の急増が見られない場合は電流密度0.1mA/cmの電位を孔食電位として測定し、ろう付後Epitに示した。
孔食電位が−830mV〜−1000mVの範囲にあるものを○とした。
(ろう浸食性)
作製したフィン材および別途用意した板厚0.2mmのチューブ材(犠牲材7072(15%クラッド)/芯材3003+0.7Cu/ろう材4045+2Zn(10%クラッド))を用い、以下の手順に従ってろう侵食性評価用のミニコア熱交換器を組み上げた。まず、前記フィン材をコルゲート加工した。そして、前記チューブ材に前記フィン材を組み付けた。チューブ材のフィン材との接合部にフラックスを5g/mの分量で塗布し、ろう付け熱処理を行った。ろう付は600℃まで平均昇温速度40℃/分で昇温し、600℃で3分保持した後、100℃/分の降温速度で降温冷却する条件で実施した。作製したミニコア熱交換器の任意箇所を樹脂埋めして、フィン/チューブ接合部の断面観察を実施した。接合部フィレット直近のフィンを観察し、フィンのろう浸食状態を調査した。
フィンに座屈が発生したものは×、板厚半分未満の軽度な侵食が発生したものは○、侵食がほとんど発生しなかったものは○○とした。
(フィンの犠牲陽極効果:チューブの腐食深さ)
(ろう侵食性)に記載と同様の方法でミニコア熱交換器を作製した。組み上がった試験用熱交換器をSST試験に100日間供した。試験後の試験体は、沸騰させたリン酸クロム酸混合溶液中に10分間浸漬することで腐食生成物を除去して、フィンおよびチューブの腐食状況を評価した。
フィンの犠牲陽極効果はフィン間のチューブに発生した腐食深さをもとに評価し、チューブの腐食深さが40μm以上のものは×、40μm未満であったものは○とした。
(フィンの自己耐食性)
フィンの自己耐食性は腐食生成物除去後の試験体を樹脂埋めし、任意箇所20箇所について、フィンの断面を取得し、フィンが残存している面積/腐食試験前の面積として求めた。フィンの残存率が80%以上のものは○○、50〜79%のものは○、50%未満のものは×とした。
(固相線温度)
作製した前記フィン材を通常の方法でDTAにて固相線温度を測定した。測定時の昇温速度は室温から500℃までは20℃/min、500〜600℃の範囲は2℃/minとした。リファレンスにはアルミナを用いた。結果は、融点の欄に示した。
(ろう付後の結晶粒径)
ろう付後の結晶粒径を実体顕微鏡によって測定した。
測定方法は、作製したフィン材に前記のろう付相当熱処理を施した後、DAS液に所定時間浸漬し、圧延面の結晶粒組織が明瞭に見えるまでエッチングしたのち、実体顕微鏡によって圧延面の結晶粒組織を観察した。観察倍率は20倍を基本とし、結晶粒が著しく粗大あるいは微細な場合は結晶粒の大きさによって、観察倍率は適宜変更した。5視野について結晶粒組織を撮影し、圧延方向に対して平行方向に切断法によって結晶粒の大きさを計測した。
(化合物中のFe/(Mn+Si)比)の測定
作製したフィン材に上記と同じろう付相当熱処理を施した後、圧延方向平行断面についてCP加工にて断面を露出させ、0.5μm以上の化合物を対象にEPMAの粒子解析で各化合物の定量分析を実施し、Al−Mn−Fe−Si化合物中のMn、Fe、Siの含有量の平均値を求めた。なお、測定面積は50×50μmとし測定される化合物の数は最低でも300個以上となるように視野数は適宜選択した。化合物中のFe/(Mn+Si)値が、0.3以上で×、0.30未満0.25以上で○、さらに0.25未満で○○とした。
(総合評価)
いずれかの項目が×の場合に×として評価した。
ろう付後の孔食電位が○、かつ他の全ての項目が○以上の場合に○
ろう付後の孔食電位が○、かつ他の全ての項目が○○の場合に○○と評価した。
Figure 0006526434
Figure 0006526434
Figure 0006526434
1 アルミニウム合金フィン材
2 チューブ
10 熱交換器

Claims (4)

  1. 質量%で、Mn:1.3〜1.8%、Si:0.7〜1.3%、Fe:0.10〜0.35%、Zn:1.5〜5.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、固相線温度が615℃以上で、ろう付後の引張強さが130MPa以上、ろう付後の孔食電位が−1000〜−830mVの範囲にあり、さらに、ろう付後の圧延面の平均結晶粒径が150μm〜800μmの範囲にあることを特徴とするアルミニウム合金フィン材。
  2. 前記組成成分として、さらに質量%で、Zr:0.05〜0.25%を含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金フィン材。
  3. 前記組成成分として、さらに質量%で、Cu:0.03〜0.20%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金フィン材。
  4. ろう付後に母相中に分布する第二相粒子のうち、円相当径が0.5μm以上のAl−Mn−Fe−Si化合物中のMn、Fe、Siの含有量の平均が、前記化合物中の原子%でFe/(Mn+Si)<0.25の関係を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金フィン材。
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