JP6523010B2 - 車両用ホイールハウスの内周面構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両のタイヤ上方を覆う車両用ホイールハウス若しくはマッドガード等の内周面構造に関し、特に、石当たり音を低減することができる車両用ホイールハウス等の内周面構造に関する。
従来技術の車両用ホイールハウス若しくはその内側に設けられるマッドガード(インナーフェンダー)等を示す文献として、例えば、特許文献1及び特許文献2がある。
図6は、特許文献1に開示された車両用インナーフェンダー110を示す図である。図6に示すように、車両用インナーフェンダー110は、ホイールハウスのタイヤ側表面にビスやクリップ等で取り付けられてタイヤの上方を覆うものであり、車両側方から見て(タイヤ軸方向に見て)、略半円状の形態を成している。車両用インナーフェンダー110の内周面、即ちタイヤに臨む面は、車両前方から見て(タイヤ軸を含む断面において)、タイヤ幅の中央付近でトレッド面から離れるようにタイヤの径方向外側に膨出している。
同文献に記載された車両用インナーフェンダー110は、樹脂製のハニカム構造体から構成されており、これにより、優れた吸音効果が得られ、ロードノイズが車内に侵入することを効果的に低減できるとしている。
また、例えば、特許文献2に記載されたフェンダプロテクタは、合成樹脂を射出成形することにより弾性変形可能に薄肉状に形成されており、タイヤによって巻き上げられる小石等によるホイールハウスの内周面の傷付きを防いでいる。なお、同文献のフェンダプロテクタは、前方側から見て略半円弧状或いは略逆U字状に形成されている。
特開2006−103408号公報(第5−6頁、第1図) 特開2013−112289号公報(第8頁、第1図)
しかしながら、上記した従来技術に係るホイールハウス等では、タイヤによって巻き上げられる小石等がホイールハウス等の内周面に衝突することにより発生する石当たり音(石跳び音)を低減する観点から改善の余地があった。
即ち、図7(A)及び(B)に模式的に示すように、従来技術のホイールハウス210では、タイヤ20によって巻き上げられる小石等が、タイヤ20のトレッド面21とホイールハウス210の内周面との間を往復移動して両者との衝突を繰り返すという問題点があった。
具体的には、タイヤ20によって飛ばされた小石等は、矢印Fで示すように、ホイールハウス210の内周面に衝突して跳ね返され(1次衝突C11)、再度タイヤ20のトレッド面21に衝突する。タイヤ20のトレッド面21に再衝突した小石等は、タイヤ20によって跳ね返され、再びホイールハウス210の内周面に衝突する(2次衝突C12)。そして、このような衝突を繰り返すことになる(3次衝突C13等)。
このように、タイヤ20のトレッド面21によって跳ね返される小石等がホイールハウス210の内周面に繰り返し衝突することによって、通常の走行ノイズよりも比較的大きな音である石当たり音が発生する。特に、2次衝突C12や3次衝突C13以降によって発生する石当たり音は、タイヤ20によって跳ね返されることによって小石等の速度が増すので、1次衝突C11によって発生する音に比べて大きな音となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タイヤによって巻き上げられる小石等がホイールハウス等の内周面に繰り返し衝突することを回避して石当たり音を低減することができる車両用ホイールハウスの内周面構造を提供することにある。
本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造は、車両のタイヤに面する車両用ホイールハウスの内周面構造であって、前記タイヤのトレッド面を覆い前記車両の車幅方向斜め外側を向く外傾斜面と、前記外傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて前記トレッド面を覆い車幅方向斜め内側を向く内傾斜面と、前記内傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く奥傾斜面と、を有し、前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交角は、85度以上であり、前記外傾斜面と前記内傾斜面との交線は、その車幅方向の位置が、前記トレッド面の車幅方向内側の端部と車幅方向外側の端部との間にあり、前記外傾斜面と前記内傾斜面との交線と、前記トレッド面の車幅方向内側の端部と、の車幅方向の距離は、前記トレッド面の幅寸法の30%以上70%以下の範囲内にあることを特徴とする。
また、本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造は、車両のタイヤに面する車両用ホイールハウスの内周面構造であって、前記タイヤのトレッド面を覆い前記車両の車幅方向斜め外側を向く外傾斜面と、前記外傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて前記トレッド面を覆い車幅方向斜め内側を向く内傾斜面と、前記内傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く奥傾斜面と、を有し、前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交角は、85度以上であり、前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交線は、前記トレッド面の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側にあることを特徴とする。
また、本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造は、前記外傾斜面と前記内傾斜面との交角が、90度以上130度以下であることを特徴とする。
また、本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造は、前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交線が、前記トレッド面の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側にあることを特徴とする。
また、本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造は、前記外傾斜面、内傾斜面及び奥傾斜面が、前記タイヤの軸よりも後方に形成されることを特徴とする。
本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造によれば、タイヤのトレッド面を覆い車幅方向斜め外側を向く外傾斜面と、外傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されてトレッド面を覆い車幅方向斜め内側を向く内傾斜面と、内傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く奥傾斜面と、を有し、内傾斜面と奥傾斜面との交角は、85度以上である。これにより、タイヤによって巻き上げられる小石等がホイールハウスの内周面に繰り返し衝突することを回避して、ホイールハウスの石当たり音を低減することができる。
具体的には、タイヤのトレッド面を覆う外傾斜面は車幅方向斜め外側を向くよう傾斜しているので、タイヤのトレッド面からタイヤの径方向外側に飛ばされて外傾斜面に衝突する小石等は、車幅方向外側に跳ね返される。これにより、外傾斜面に跳ね返される小石等が再度タイヤに衝突することを回避できる。
また、タイヤのトレッド面を覆う内傾斜面は車幅方向斜め内側を向くよう傾斜しているので、タイヤのトレッド面からタイヤの径方向外側に飛ばされて内傾斜面に衝突する小石等は、内傾斜面に跳ね返されて車幅方向内側に向かい奥傾斜面に衝突する。
そして、奥傾斜面は、車幅方向斜め外側を向くよう傾斜しており、内傾斜面との交角が85度以上であるので、奥傾斜面に衝突する小石等は、奥傾斜面に跳ね返されてタイヤの内側をタイヤの略径方向に飛ばされる。そのため、奥傾斜面に跳ね返される小石等は、タイヤのトレッド面の近傍に衝突することなくホイールハウスの外部に出される。これにより、内傾斜面及び奥傾斜面に跳ね返される小石等が再度ホイールハウスの内周面に衝突することを回避できる。
このように、本発明の車両用ホイールハウスの内周面構造によれば、タイヤに巻き上げられてホイールハウスの内周面に跳ね返される小石等が再度タイヤのトレッド面近傍に衝突することを回避できるので、衝突の繰り返しによる石当たり音を低減することができる。
また、外傾斜面と内傾斜面との交線は、その車幅方向の位置が、トレッド面の車幅方向内側の端部と車幅方向外側の端部との間にあり、外傾斜面と内傾斜面との交線と、トレッド面の車幅方向内側の端部と、の車幅方向の距離は、トレッド面の幅寸法の30%以上70%以下の範囲内にあっても良い。これにより、タイヤからの跳び石による衝突エネルギを低減して騒音値を下げることができる。
また、外傾斜面と内傾斜面との交角は、90度以上130度以下であっても良い。これにより、タイヤによって巻き上げられる小石等の衝突エネルギを低減して騒音値を下げることができる。
また、内傾斜面と奥傾斜面との交線は、トレッド面の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側にあっても良い。これにより、タイヤのトレッド面からタイヤの径方向外側に飛び出す小石等が直接奥傾斜面に衝突することを回避できる。つまり、タイヤに巻き上げられる小石等が奥傾斜面、内傾斜面に順次衝突して跳ね返されて再度タイヤのトレッド面に衝突することを抑止できる。
また、外傾斜面、内傾斜面及び奥傾斜面は、タイヤの軸よりも後方に形成されても良い。これにより、タイヤが接地面から離れた直後にトレッド面から離れてタイヤの後方に飛ばされる小石等を効率的にホイールハウスの外部に跳ね返して繰り返し衝突を抑止することができ、石当たり音を低減することができる。
本発明の実施形態に係るホイールハウスを備える車両の側面図である。 同上ホイールハウスの内周面構造の概略を示す(A)側面断面図、(B)水平断面図(Y−Y線断面図)である。 同上ホイールハウスの内周面構造における石当たりを模式的に示す水平断面図である。 同上ホイールハウスの内周面構造における石当たりを模式的に示す水平断面図である。 同上ホイールハウスの内周面構造における(A)外傾斜面と内傾斜面との交線と、タイヤのトレッド面と、の位置関係を示す水平断面図、(B)外傾斜面と内傾斜面との交線の位置が石当たり音に及ぼす影響を示すグラフである。 従来技術の車両用インナーフェンダーを示す斜視図である。 従来技術のホイールハウスの内周面構造における石当たりを模式的に示す(A)側面断面図、(B)水平断面図(Z−Z線断面図)である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用ホイールハウスの内周面構造を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るホイールハウス10(車両用ホイールハウス)を備える車両1の側面図である。図1に示すように、ホイールハウス10は、車両1のタイヤ20(前輪及び後輪の何れでも良い。)を収容する空間においてタイヤ20の上方を覆い、タイヤ20に面する内周面を有する部材である。
なお、本発明は、ホイールハウス10の内周面構造に特徴を有するものである。そのため、ここで説明するホイールハウス10は、タイヤ20に臨む内周面を有する部材であれば良く、鋼板等によって車体と一体に形成されるいわゆる狭義のホイールハウスに限定されるものではない。ホイールハウス10としては、例えば、車体のタイヤ20に臨む面に取り付けられるマッドガード等であっても良い。
また、ホイールハウス10は、鋼板や合成樹脂材料等の各種材料を用いて成形可能であり、その内周面には、各種保護塗装や表面処理等が施されていても良い。また、ホイールハウス10は、衝撃吸収や吸音のための各種構造を備えていても良い。
図2(A)は、ホイールハウス10の内周面構造の概略を示す側面断面図であり、図2(B)は、同水平断面図(図2(A)に示すY−Y線断面図)である。図2(A)及び(B)は、図1に示すX部の詳細を示している。
図2(A)に示すように、ホイールハウス10は、タイヤ20の上方を覆い、ホイールハウス10の内周面、即ちタイヤ20に臨む面は、車両1の側方から見て(タイヤ20の軸方向に見て)、略半円状の形態を成している。
図2(B)に示すように、ホイールハウス10は、外傾斜面11と、内傾斜面12と、奥傾斜面13と、を有する。外傾斜面11、内傾斜面12及び奥傾斜面13は、ホイールハウス10の車幅方向外側から内側に向かって連続して形成されて、ホイールハウス10の内周面を形成する。
外傾斜面11は、タイヤ20のトレッド面21を覆い、車幅方向斜め外側を向く。即ち、外傾斜面11は、トレッド面21に略対向して形成され、車幅方向外側よりも内側の方がトレッド面21との距離が近くなるよう車幅方向外向きに傾斜している。
内傾斜面12は、外傾斜面11の車幅方向内側の端部(交線15)から連続して形成されてトレッド面21を覆い、車幅方向斜め内側を向く。即ち、内傾斜面12は、トレッド面21に略対向して、外傾斜面11の車幅方向内側に形成され、車幅方向外側よりも内側の方がトレッド面21との距離が離れるよう車幅方向内向きに傾斜している。
換言すれば、タイヤ20のトレッド面21に臨むホイールハウス10の内周面は、外傾斜面11と内傾斜面12との交線15においてトレッド面21に最も近接するよう、タイヤ20に向かって凸状に形成される。なお、外傾斜面11と内傾斜面12との交線15は、トレッド面21の幅方向の中間部に形成され、更に詳しくは、トレッド面21の幅方向の略中央に形成される。
奥傾斜面13は、内傾斜面12の車幅方向内側の端部(交線16)から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く。即ち、奥傾斜面13は、内傾斜面12の車幅方向内側に形成されて、車幅方向外側よりも内側の方がトレッド面21との距離(タイヤ20の径方向の距離)が近づくよう車幅方向外向きに傾斜している。
奥傾斜面13の車幅方向内側の端部は、奥面14に連続する。奥面14は、車幅方向外側を向き略鉛直に形成され、即ちタイヤ20の軸に対して略垂直に形成されて、ホイールハウス10の奥側の側面を構成する。
前述のとおり、タイヤ20のトレッド面21を覆う外傾斜面11は車幅方向斜め外側を向くよう傾斜している。そのため、図2(B)に矢印Fで示す如く、タイヤ20のトレッド面21からタイヤ20の径方向外側に飛ばされて外傾斜面11に衝突(1次衝突C1)する小石等は、車幅方向外側に跳ね返される。これにより、外傾斜面11に跳ね返される小石等が再度タイヤ20に衝突することを回避できる。
また、タイヤ20のトレッド面21を覆う内傾斜面12は車幅方向斜め内側を向くよう傾斜している。これにより、タイヤ20のトレッド面21からタイヤ20の径方向外側に飛ばされて内傾斜面12に衝突(1次衝突C1)する小石等は、内傾斜面12に跳ね返されて車幅方向内側に向かい奥傾斜面13に衝突する(2次衝突C2)。
そして、奥傾斜面13は、車幅方向斜め外側を向くよう傾斜しているので、内傾斜面12で跳ね返されて奥傾斜面13に衝突する小石等は、奥傾斜面13に跳ね返されてタイヤ20の内側をタイヤ20の略径方向に飛ばされる。
そのため、奥傾斜面13に跳ね返される小石等は、タイヤ20のトレッド面21の近傍に衝突することなくホイールハウス10の外部に出される。これにより、内傾斜面12及び奥傾斜面13に跳ね返される小石等が再度ホイールハウス10の内周面に衝突することを回避できる。
このように、本実実施形態に係るホイールハウス10の内周面構造によれば、タイヤ20に巻き上げられてホイールハウス10の内周面に衝突する小石等が再度タイヤ20のトレッド面21近傍に衝突することを回避できるので、衝突の繰り返しに起因する石当たり音を低減することができる。
なお、奥傾斜面13への小石等の衝突(2次衝突C2)は、内傾斜面12に衝突(1次衝突C1)することによって減速された後の小石等によるものである。これに対し、図7(A)を参照して既に説明したように、従来技術のホイールハウス210では、タイヤ20への再衝突によって加速された小石等がホイールハウス210に再衝突する(2次衝突C12、3次衝突C13等)。よって、本実施形態における奥傾斜面13への衝突(2次衝突C2)によって発生する石当たり音は、従来技術のホイールハウス210における繰り返し衝突(2次衝突C12、3次衝突C13等)によって発生する石当たり音に比べてはるかに小さい。
ここで、外傾斜面11、内傾斜面12及び奥傾斜面13は、タイヤ20の軸よりも後方、即ち、タイヤ20の後方から上方にかけて形成されている。これにより、タイヤ20が接地面から離れた直後に、トレッド面21から離れてタイヤ20の後方に飛ばされる小石等(図2(A)に示す矢印F参照)を効率的にホイールハウス10の外部に跳ね返して繰り返し衝突を抑止することができる。なお、外傾斜面11、内傾斜面12及び奥傾斜面13をホイールハウス10の内周面の全体(タイヤ20の後方から前方まで)に形成しても良い。
図3は、ホイールハウス10の内周面構造における石当たりを模式的に示す水平断面図である。図3は、内傾斜面12と奥傾斜面13とが直交する場合、即ち、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2が略90度の場合を示している。
図3に矢印Fで示すように、タイヤ20のトレッド面21の点Aから飛ばされる小石等は、内傾斜面12の点Bに衝突(1次衝突C1)して跳ね返された後、奥傾斜面13の点Cに衝突(2次衝突C2)して跳ね返され、タイヤ20の略径方向に向かう。即ち、小石等は、点A、点B及び点Cを順次通り、点Dへ向かう。
タイヤ20から飛ばされる小石等は、遠心力によってタイヤ20の径方向外側、即ちトレッド面21に対して略直角の方向に向かう(線AB)。また、内傾斜面12の点Bにおける衝突(1次衝突C1)においては、小石等の入射角a1と反射角a2は略等しい。
ここで、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2が略90度である場合、点Bにおける内傾斜面12の法線Nと、奥傾斜面13と、は略平行になる。そのため、奥傾斜面13に向かう小石等(線BC)と奥傾斜面13との成す角a3と、点Bにおける反射角a2と、は略等しい(平行な2直線に交わる直線の錯角)。
また、奥傾斜面13の点Cにおける衝突(2次衝突C2)においては、小石等の入射角b1と反射角b2は略等しいので、それらの余角である角a3と角a4とは略等しい。よって、奥傾斜面13とそこから跳ね返される小石等の飛行方向(線CD)との成す角a4は、トレッド面21から略直角の方向(線AB)に飛ばされて内傾斜面12に衝突(1次衝突C1)する小石等の入射角a1と略等しい。
従って、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2が略90度である場合、奥傾斜面13の点Cで跳ね返さる小石等の飛行方向(線CD)は、タイヤ20の点Aから飛ばされる小石等の飛行方向(線AB)に略平行となる。即ち、奥傾斜面13に衝突(2次衝突C2)して跳ね返される小石等は、タイヤ20の軸に対して略垂直方向に飛ばされることになり、これによって小石等がタイヤ20に再衝突することが回避される。
また、内傾斜面12と奥傾斜面13との交線16は、トレッド面21の車幅方向内側の端部21bよりも車幅方向内側にある。これにより、タイヤ20のトレッド面21からタイヤ20の径方向外側に飛び出す小石等が、内傾斜面12に衝突する前に、直接奥傾斜面13に衝突することを回避できる。つまり、タイヤ20に巻き上げられる小石等が奥傾斜面13に衝突してから内傾斜面12に衝突して跳ね返されて、再度タイヤ20のトレッド面21に衝突することを抑止できる。
図4は、ホイールハウス10の内周面構造における石当たりを模式的に示す水平断面図である。図4は、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2を略90度よりも小さくして、略85度にした例を示している。
図4に示すように、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2を略90度よりも小さくすると、奥傾斜面13の点Cに衝突(2次衝突C2)して跳ね返される小石等は、車幅方向斜め外側、即ちタイヤ20に近づく方向に向かう(直線CD)。これにより、奥傾斜面13に跳ね返された小石等が、再度タイヤ20に衝突して(点D)跳ね返される恐れがある。
ここで、小石等がタイヤ20に再衝突する位置(点D)が、タイヤ20の側面22であり、トレッド面21から十分離れていれば、タイヤ20に再度跳ね返される小石等は、ホイールハウス10に再び衝突(3次衝突)する可能性は低い。例えば、側面22の小石等が再衝突する位置(点D)とトレッド面21との距離が、トレッド面21の幅寸法Wの約2倍以上離れていれば、タイヤ20によって跳ね返される小石等がホイールハウス10に3次衝突することを抑制できる。
内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2を略85度にすると、トレッド面21の幅方向の中央近傍(点A)から跳ね上げられる小石等は、内傾斜面12(点B)及び奥傾斜面13(点C)に順次衝突して跳ね返され、トレッド面21から幅寸法Wの約2倍離れた位置(点D)に衝突する。
よって、小石等のホイールハウス10への3次衝突を抑制する観点から、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2は、略85度以上であることが望ましい。更に好ましくは、図3を参照して説明したとおり、交角AN2は、略90度以上が良い。なお、奥傾斜面13は、車幅方向斜め外側に向かっていなければならないので、交角AN2は、奥傾斜面13が略水平になる角度よりも小さくなければならない。
このように、内傾斜面12と奥傾斜面13との交角AN2を略85度以上にすることにより、奥傾斜面13に衝突する小石等は、タイヤ20のトレッド面21の近傍に衝突することなくホイールハウス10の外部に出される。これにより、内傾斜面12及び奥傾斜面13に跳ね返される小石等が再度ホイールハウス10の内周面に衝突することを回避できる。
更に、交角AN2を略90度以上にすることにより、奥傾斜面13に衝突する小石等は、タイヤ20の側面22と略平行に、若しくはタイヤ20から離れるように車幅方向斜め内側に向かって飛ばされ、タイヤ20への再衝突が回避される。
図5(A)は、ホイールハウス10の内周面構造における外傾斜面11と内傾斜面12との交線15と、タイヤ20のトレッド面21と、の位置関係を示す水平断面図であり、図5(B)は、外傾斜面11と内傾斜面12との交線15の位置が石当たり音に及ぼす影響を示すグラフである。
図5(B)に示すグラフの横軸は、図5(A)に示すトレッド面21の幅寸法Wに対する、トレッド面21の車幅方向内側の端部21bから交線15までの車幅方向の距離L1の比率L1/Wである。図5(B)のグラフの縦軸は、小石等による衝突力を示している。同グラフに示す衝突力の大小は、小石等の衝突による石当たり音の大小を表していると言える。
同グラフには、図5(A)に示すトレッド面21の車幅方向内側の端部21bから内傾斜面12までのタイヤ20の径方向の距離L2をパラメータとして、距離L2が幅寸法Wに略等しいとき及び距離L2が幅寸法Wの約1/2であるときの夫々の衝突力の解析結果が示されている。
図5(B)に示す如く、比率L1/Wが50%、即ち交線15がトレッド面21の中央にあるとき石当たり音は最も小さくなり、比率L1/Wが30%以上70%以下の範囲において、石当たり音は比較的小さい。
よって、交線15の車幅方向の位置は、トレッド面21の車幅方向内側の端部21bと車幅方向外側の端部21aとの間にあり、交線15と端部21bとの車幅方向の距離L1は、トレッド面21の幅寸法Wの30%以上70%以下の範囲内にあることが望ましい。また、更に好ましくは、距離L1は、幅寸法Wの40%以上60%以下の範囲内が良く、理想的には幅寸法Wの50%が良い。これにより、タイヤ20からの跳び石による衝突エネルギを低減して騒音値を下げることができる。
また、前述の石当たり音が小さくなる条件において、図5(A)に示す外傾斜面11と内傾斜面12との交角AN1は、90度以上130度以下である。詳しくは、トレッド面21の車幅方向内側の端部21bから内傾斜面12までのタイヤ20の径方向の距離L2が幅寸法Wの約1/2であるときは、交角AN1は、90度以上95度以下である。また、距離L2が幅寸法Wに略等しいときは、交角AN1は、125度以上130度以下である。
よって、交角AN1は、90度以上130度以下が望ましく、内傾斜面12とトレッド面21との距離L2が近いときは小さく、距離L2が離れているときは大きくすることが望ましい。これにより、タイヤ20によって巻き上げられる小石等の衝突エネルギを低減して騒音値を下げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
1 車両
10 ホイールハウス
11 外傾斜面
12 内傾斜面
13 奥傾斜面
14 奥面
15 交線
16 交線
20 タイヤ
21 トレッド面
21a 端部
21b 端部
22 側面
AN1 交角
AN2 交角
L1 距離
L2 距離
W 幅寸法

Claims (5)

  1. 車両のタイヤに面する車両用ホイールハウスの内周面構造であって、
    前記タイヤのトレッド面を覆い前記車両の車幅方向斜め外側を向く外傾斜面と、
    前記外傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて前記トレッド面を覆い車幅方向斜め内側を向く内傾斜面と、
    前記内傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く奥傾斜面と、を有し、
    前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交角は、85度以上であり、
    前記外傾斜面と前記内傾斜面との交線は、その車幅方向の位置が、前記トレッド面の車幅方向内側の端部と車幅方向外側の端部との間にあり、
    前記外傾斜面と前記内傾斜面との交線と、前記トレッド面の車幅方向内側の端部と、の車幅方向の距離は、前記トレッド面の幅寸法の30%以上70%以下の範囲内にあることを特徴とする車両用ホイールハウスの内周面構造。
  2. 車両のタイヤに面する車両用ホイールハウスの内周面構造であって、
    前記タイヤのトレッド面を覆い前記車両の車幅方向斜め外側を向く外傾斜面と、
    前記外傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて前記トレッド面を覆い車幅方向斜め内側を向く内傾斜面と、
    前記内傾斜面の車幅方向内側の端部から連続して形成されて車幅方向斜め外側を向く奥傾斜面と、を有し、
    前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交角は、85度以上であり、
    前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交線は、前記トレッド面の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側にあることを特徴とする車両用ホイールハウスの内周面構造。
  3. 前記内傾斜面と前記奥傾斜面との交線は、前記トレッド面の車幅方向内側の端部よりも車幅方向内側にあることを特徴とする請求項1に記載の車両用ホイールハウスの内周面構造。
  4. 前記外傾斜面と前記内傾斜面との交角は、90度以上130度以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両用ホイールハウスの内周面構造。
  5. 前記外傾斜面、前記内傾斜面及び前記奥傾斜面は、前記タイヤの軸よりも後方に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車両用ホイールハウスの内周面構造。
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