JP6522368B2 - 核定数算出プログラム及び解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中性子輸送計算を実行して、燃料集合体の核定数を算出するための核定数算出プログラム及び解析装置に関するものである。
従来、炉心内を解析する炉心解析プログラムとして、中性子輸送方程式を用いて、炉心に装荷される燃料集合体の核定数を算出する核定数計算コード(格子計算コード)が知られている(例えば、特許文献1参照)。核定数計算コードでは、燃料集合体を軸方向に直交する面で切った断面となる四角形の幾何形状を2次元の解析対象領域としている。
特開2012−168015号公報
特許文献1の核定数計算コードで算出された核定数は、炉心計算コードの入力値として使用されており、炉心内の状況を考慮した計算条件に応じて、複数のセット数が用意される。そして、炉心計算コードでは、入力される核定数に基づいて、炉心内の核特性を解析している。
ところで、炉心解析においては、シビアアクシデント等の炉心内の様々な状況を考慮した、幅広い計算条件に基づく解析が要求されている。例えば、炉心内の状況として、炉心内が減速材(冷却水)で満たされる状況から、炉心内の減速材が喪失する状況までが想定される。この場合、計算条件のパラメータの1つとしては、炉心内の水密度が適用され、水密度が1g/cmとなる計算条件から、水密度が0g/cmとなる計算条件まで考慮する必要がある。しかしながら、幅広い計算条件では、計算条件が多くなることから、格子計算コードによって算出する核定数のセット数が増大するため、計算負荷が増大し、計算コストが増大してしまう。
そこで、本発明は、幅広い計算条件であっても、計算精度を悪化させることなく、計算負荷の増大を抑制することができる核定数算出プログラム及び解析装置を提供することを課題とする。
本発明の核定数算出プログラムは、解析装置の演算部に、中性子輸送計算を実行させて、燃料棒を格納した炉心に装荷される燃料集合体の核定数を算出する核定数算出プログラムにおいて、前記燃料集合体の体系を取り扱うために設定されるパラメータを、簡易なパラメータに設定すると共に、多数のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する簡易輸送計算ステップと、前記簡易輸送計算ステップの実行後、前記パラメータを、前記簡易輸送計算ステップに比して詳細なパラメータに設定すると共に、前記多数のエネルギー群を縮約した少数のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する詳細輸送計算ステップと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、簡易輸送計算ステップでは、多数のエネルギー群を用いる一方で、燃料集合体の体系を取り扱うために設定されるパラメータを簡易なものにできることから、計算時間の短縮を図ることができる。また、詳細輸送計算ステップでは、パラメータを詳細なものとする一方で、エネルギー群の群数を少数にできることから、計算時間の短縮を図ることができる。そして、簡易輸送計算ステップ及び詳細輸送計算ステップでは、多数のエネルギー群及び詳細なパラメータを考慮していることから、幅広い計算条件であっても、計算負荷の増大を抑制しつつ、核定数を精度良く算出することができる。なお、燃料集合体の体系としては、燃料棒を格納したセルを複数集合して構成したセル群である解析対象領域がある。また、燃料集合体の体系を取り扱うために設定されるパラメータとしては、解析対象領域を複数に分割した詳細領域の分割数、解析対象領域上における中性子の飛行方向、中性子の非等方散乱等がある。このため、簡易なパラメータとは、燃料集合体の体系を粗く取り扱うことであり、具体的に、詳細領域の分割数が少なかったり、解析対象領域上に設定される中性子の飛行方向(中性子パス)が少なかったり、中性子の非等方散乱がシンプル(つまり、等方散乱)であったりする。一方で、詳細なパラメータとは、燃料集合体の体系を細かく取り扱うことであり、具体的に、詳細領域の分割数が多かったり、解析対象領域上に設定される中性子の飛行方向(中性子パス)が多かったり、中性子が非等方散乱していたりする。
この場合、前記多数のエネルギー群は、前記中性子輸送計算の入力値となる実効断面積を算出する共鳴計算の計算結果として得られる群数であり、前記少数のエネルギー群は、前記共鳴計算の計算結果として得られる共鳴ピークが、所定のエネルギー群内に収まるように、前記多数のエネルギー群を縮約したものであることが、好ましい。
この構成によれば、共鳴ピークの特徴を喪失させずに残存させた状態で、多数のエネルギー群を少数のエネルギー群に縮約することができる。このため、算出される核定数は、共鳴ピークを考慮したものにできることから、核定数を精度良く算出することができる。
前記多数のエネルギー群は、172群であり、前記少数のエネルギー群は、22群であることが、好ましい。
この構成によれば、算出される核定数の計算精度の悪化を抑制しつつ、計算負荷の増大を好適に抑制することが可能なエネルギー群の群数にすることができる。
本発明の解析装置は、上記の核定数算出プログラムを実行可能であることを特徴とする。
この構成によれば、幅広い計算条件であっても、核定数の計算精度を悪化させることなく、計算負荷の増大を抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る解析装置を模式的に表した概略構成図である。 図2は、本実施形態に係る解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した説明図である。 図3は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。 図4は、解析装置に記憶された格子計算コードに関する説明図である。 図5は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。 図6は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。 図7は、輸送計算プログラムにより中性子束を算出するフローチャートである。 図8は、共鳴計算によって得られる172群の実効断面積を示すグラフである。 図9は、図8の点線で囲んだ一部を拡大したグラフである。 図10は、本実施形態の格子計算コードの計算精度と、従来の格子計算コードの計算精度とを比較した図である。 図11は、本実施形態の格子計算コードの計算速度と、従来の格子計算コードの計算速度とを比較した図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態]
本実施形態に係る核定数算出プログラムは、炉心内の燃料集合体を評価する炉心解析プログラムに組み込まれている。炉心解析プログラムは、解析装置に保存され、解析装置において炉心解析プログラムが実行されることで、炉心内の中性子束を計算し、炉心内の核反応を媒介する中性子の分布や挙動を予測し、炉心内の核特性を評価する。そして、この炉心解析プログラムによって得られた解析結果に基づいて、炉心設計が行われる。なお、炉心設計とは、安全性、燃焼効率性や燃料配置等を考慮して、炉心に装荷されている燃料を交換するために行われるものである。先ず、図1を参照し、解析装置について説明する。
図1は、解析装置を模式的に表した概略構成図である。図1に示すように、解析装置40は、各種プログラムを実行して演算可能な演算部41と、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶部42と、キーボード等の入力デバイスで構成された入力部43と、モニタ等の出力デバイスで構成された出力部44とを有している。なお、解析装置40は、単体の装置で構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等を組み合わせた複数の装置で構成してもよく、特に限定されない。
記憶部42には、各種プログラムとして、炉心解析プログラムPが記憶され、また、データとして、実効断面積をまとめた断面積ライブラリD1と、複数のセット数となる核定数をまとめた核定数データD2と、が記憶されている。また、炉心解析プログラムPには、核定数を算出するための格子計算コード(核定数算出プログラム)C1と、核定数に基づいて炉心内の核特性を解析する炉心計算コードC2とが含まれている。
ここで、図2及び図3を参照して、炉心解析プログラムPの解析対象となる炉心5について説明する。図2は、本実施形態に係る解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した説明図であり、図3は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。図2に示すように、原子炉には、炉心設計の対象となる炉心5が格納されている。この炉心5は、複数の燃料集合体6で構成される。なお、燃料の交換は、燃料集合体6単位で行われる。
図3に示すように、各燃料集合体6は、複数の燃料棒10と、各燃料棒10を覆う複数の被覆管11と、複数の被覆管11を束ねる図示しないグリッドと、で構成され、燃料集合体6の内部は減速材(冷却材)13で満たされると共に、複数の制御棒14および炉内核計装15が挿入可能となるように構成されている。
燃料集合体6は、断面方形状に形成され、例えば、17×17のセル20で構成されている。そして、17×17のセル20のうち、24個のセル20には、それぞれ制御棒14が挿入され、集合体中心のセル20には、炉内核計装15が挿入される。このとき、制御棒14が挿入されるセル20を制御棒案内管、炉内核計装15が挿入されるセル20を計装案内管という。また、その他のセル20には、燃料棒10がそれぞれ挿入される。なお、燃料集合体6が沸騰水型軽水炉(BWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側がチャンネルボックスに覆われる。一方で、燃料集合体6が加圧水型軽水炉(PWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側が開放されている。そして、BWRの場合にはチャンネルボックスの外側に、PWRの場合には燃料集合体6の外側に、集合体間ギャップ12が存在する。
次に、炉心解析プログラムPの格子計算コードC1及び炉心計算コードC2について説明する。
格子計算コードC1は、燃料集合体6を軸方向に直交する面で切った断面となる四角形の幾何形状を2次元の解析対象領域30(図3参照)としており、この解析対象領域30における核定数を算出可能なコードとなっている。なお、核定数は、炉心計算コードC2に用いられる入力データとなっており、核定数としては、拡散係数、吸収断面積、除去断面積および生成断面積などがある。つまり、格子計算コードC1を用いて核定数計算を行うことにより、炉心計算用の入力データである核定数を生成している。
炉心計算コードC2は、燃料集合体6を軸方向に複数に分割して直方体形状の小体積となる燃料ノード(図示省略)に、算出された核定数をそれぞれ設定して炉心計算を行っている。複数の燃料ノードは、炉心を表現しており、炉心計算コードC2は、炉心計算を行うことにより、臨界ホウ素濃度、出力分布、反応度係数等の炉心内の核特性を評価可能なコードとなっている。
この解析装置40は、入力部43から入力された入力パラメータに基づいて、記憶部42に記憶された炉心解析プログラムPを、演算部41において実行させる。すると、解析装置40は、格子計算コードC1を用いて、燃料集合体6の解析対象領域30における核定数を算出し、炉心計算コードC2を用いて、算出された核定数を各燃料ノードに設定して炉心計算を行うことにより、炉心5の核特性を評価する。そして、解析装置40は、炉心解析プログラムPによる解析結果を出力部44に出力する。
次に、図4を参照して、格子計算コードC1について具体的に説明する。図4は、解析装置に記憶された格子計算コードに関する説明図である。本実施形態の格子計算コードC1は、燃料集合体6内の中性子束を計算したり、燃焼計算を行ったり、核定数計算を行ったりしている。
格子計算コードC1は、共鳴計算プログラム51と、輸送計算プログラム52と、燃焼計算プログラム53と、核定数計算プログラム54とを含んで構成される。そして、この格子計算コードC1は、解析装置40に入力される燃料集合体6に関する諸元データや、解析装置40の記憶部42に記憶された断面積ライブラリD1から取得される実効断面積に基づいて、各種計算を行っている。なお、諸元データとしては、例えば、燃料棒の半径、集合体間ギャップ、燃料組成、燃料温度や減速材温度等である。
図5は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。図5に示すように、格子計算コードC1の解析対象となる解析対象領域30は、任意の計算体系であり、各セル20に対応する複数のセル領域31a,31bによって構成されている。セル領域31a,31bとしては、例えば、燃料棒10が挿入されたセル領域31aと、制御棒14が挿入されたセル領域31bとがある。セル領域31a,31bは、複数の詳細領域に分割されている。この複数の詳細領域の一部は、共鳴現象が発生する共鳴領域となっている。
共鳴計算プログラム51は、共鳴現象を考慮した各詳細領域の実効断面積を求めるために実行される。ここで、共鳴現象とは、中性子のエネルギーが所定のエネルギーになると断面積が飛躍的に増加する現象であり、例えば、図8に示す共鳴ピークEとして出現する。この共鳴計算プログラム51では、中性子のエネルギーを、例えば、172群となる複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積が求められる。つまり、共鳴計算プログラム51では、多群(172群)の実効断面積を算出する。そして、算出された実効断面積は、断面積ライブラリD1に保存される。
輸送計算プログラム52は、算出した実効断面積を用いて、簡易な中性子輸送計算を実行すると共に、詳細な中性子輸送計算を実行している。ここで、図6は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。図6に示すように、輸送計算プログラム52は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域30上に複数の中性子飛行パスsを作成する。そして、作成された中性子飛行パスs毎に、各詳細領域iの中性子束を算出する。なお、簡易な中性子輸送計算及び詳細な中性子輸送計算については、後述する。
燃焼計算プログラム53は、炉心5内の核種の生成と消滅とを追跡する燃焼計算を実行している。燃焼計算プログラム53は、燃焼方程式を解くことにより、各核種の原子数密度の時間変化を評価し、各燃焼度点における多群中性子輸送計算の入力条件を与える。これにより、燃料計算プログラム53は、所定のサンプリング周期毎に燃焼計算と輸送計算とを交互に行うことで、燃焼状態(燃焼の時間変化)を追跡する。
核定数計算プログラム54は、輸送計算プログラム52によって得られる燃料集合体6内の多群の中性子束を重みとして、燃料集合体6内の多群の実効断面積を縮約・均質化し、均質化された核定数を算出する。
続いて、図7を参照し、本実施形態の輸送計算プログラム52について、具体的に説明する。図7は、輸送計算プログラムにより中性子束を算出するフローチャートである。図7に示すように、解析装置40の演算部41は、輸送計算プログラム52を実行することで、簡易輸送計算ステップS2と、詳細輸送計算ステップS4、を含むステップを実行する。
先ず、解析装置40の演算部41は、共鳴計算プログラム51を実行して、多群(172群)の実効断面積を算出し、算出した実効断面積を、記憶部42の断面積ライブラリD1に保存する(ステップS1)。この後、解析装置40の演算部41は、輸送計算プログラム52を実行して、多群(172群)のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する(ステップS2:簡易輸送計算ステップ)。
簡易輸送計算ステップS2では、燃料集合体6の体系(計算体系)を取り扱うために設定されるパラメータを、詳細輸送計算ステップS4に比して、簡易なパラメータに設定している。ここで、パラメータは、上記した解析対象領域30を複数に分割した詳細領域iの分割数、解析対象領域30上における中性子の飛行方向(中性子飛行パスs)、中性子の非等方散乱等がある。このため、簡易輸送計算ステップS2では、簡易なパラメータに設定することで、燃料集合体6の体系を粗く取り扱っている。具体的に、簡易輸送計算ステップS2では、詳細領域iの分割数が少なかったり(換言すれば、詳細領域iの面積が大きかったり)、解析対象領域30上に設定される中性子の飛行方向(中性子飛行パスs)が少なかったり、中性子の非等方散乱がシンプル(つまり、等方散乱)であったりする。
また、簡易輸送計算ステップS2では、共鳴計算の計算結果として得られた172群となる多群の実効断面積に基づき、中性子流結合衝突確率法(CCCP法:Current Coupling Collision Probability Method)を用いて、中性子輸送計算が行われる。なお、簡易輸送計算ステップS2では、セル20間の中性子流が等方的に均等配分されると仮定(DP0)している。
このように、簡易輸送計算ステップS2では、燃料集合体6の体系を粗く取り扱うと共に、172群の実効断面積に基づき、中性子流結合衝突確率法を用いて、各群の中性子束を算出する。
解析装置40の演算部41は、簡易輸送計算ステップS2の実行後、簡易輸送計算ステップS2で算出された172群の中性子束を重み付けとして、172群となるエネルギー群における実効断面積を縮約し、22群となるエネルギー群における実効断面積を作成する(ステップS3)。
図8は、共鳴計算によって得られる172群の実効断面積を示すグラフであり、図9は、図8の点線で囲んだ一部を拡大したグラフである。図8及び図9のグラフにおいて、その横軸は、中性子のエネルギーとなっており、その縦軸は、実効断面積の一つである吸収断面積となっている。ここで、エネルギー群は、中性子のエネルギーが大きい図8の右側が第1群となっており、中性子のエネルギーが小さい図8の左側へ向かうにつれて、第2群、第3群・・・第172群となる。図8及び図9に示すように、共鳴計算によって得られた実効断面積には、共鳴ピークEが出現している。
ステップS3では、172群の実効断面積を、22群の実効断面積に縮約するときに、共鳴計算で出現する共鳴ピークEが、所定のエネルギー群に収まるように、172群のエネルギー群を縮約している。つまり、図9に示すように、172群のうち、所定のエネルギー群が、共鳴ピークEの頂部に相当するエネルギー群となっている。そして、22群のうち、所定のエネルギー群が、共鳴ピークEの頂部に相当するエネルギー群を中心とするエネルギー群となっている。換言すれば、縮約される22群のエネルギー群は、共鳴ピークEにおける分割数が、共鳴ピークE以外における分割数に比して多くなっている。よって、縮約される22群のエネルギー群は、共鳴ピークEにおける分解能が高く、一方で、共鳴ピークE以外における分解能が低くなっている。このため、ステップS3において縮約される22群の実効断面積は、共鳴ピークEの特徴(特性)が残存したものとなる。
解析装置40の演算部41は、ステップS3の実行後、縮約した少数群(22群)のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する(ステップS4:詳細輸送計算ステップ)。
詳細輸送計算ステップS4では、燃料集合体6の体系を取り扱うために設定されるパラメータを、簡易輸送計算ステップS2に比して、詳細なパラメータに設定している。つまり、詳細輸送計算ステップS4では、詳細なパラメータに設定することで、燃料集合体6の体系を細かく取り扱っている。具体的に、詳細輸送計算ステップS4では、詳細領域iの分割数が多かったり(換言すれば、詳細領域iの面積が小さかったり)、解析対象領域30上に設定される中性子の飛行方向(中性子飛行パスs)が多かったり、中性子が非等方散乱となっていたりする。
また、詳細輸送計算ステップS4では、縮約した22群となる少数群の実効断面積に基づき、特性曲線法(MOC:Method of Characteristics)を用いて、中性子輸送計算が行われる。
このように、詳細輸送計算ステップS4では、燃料集合体6の体系を詳細に取り扱うと共に、縮約した22群の実効断面積に基づき、特性曲線法を用いて、各群の中性子束を算出する。
そして、解析装置40の演算部41は、詳細輸送計算ステップS4の実行後、22群の中性子束を、所定の算出式を用いて、172群に展開する(ステップS5)ことで、172群の中性子束を算出し(ステップS6)、輸送計算プログラム52に基づく計算を終了する。
なお、解析装置40の演算部41は、核定数計算プログラム54を実行して、輸送計算プログラム52で算出された172群の中性子束に基づき、各群の核定数を算出する。
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態の格子計算コードを用いた中性子輸送計算に関する計算精度及び計算速度と、従来の格子計算コードを用いた中性子輸送計算に関する計算精度及び計算速度とを比較する。図10は、本実施形態の格子計算コードの計算精度と、従来の格子計算コードの計算精度とを比較した図であり、図11は、本実施形態の格子計算コードの計算速度と、従来の格子計算コードの計算速度とを比較した図である。ここで、従来の格子計算コードは、共鳴計算の計算結果として得られた172群となる多群の実効断面積に基づき、特性曲線法(MOC)を用いて、中性子輸送計算を行うものである。
図10において、「Fuel Type」は、燃料棒10に含まれる燃料及びセルタイプを含む種類であり、燃料の種類としては、酸化ウラン燃料(UO)、ガドリニア(Gd2O3)入り酸化ウラン燃料(Gd)、混合酸化物燃料(MOX)、エルビア入り酸化ウラン燃料(Er)等があり、セルタイプとしては、「14×14」、「15×15」、「17×17」等がある。「avg」は、燃料集合体6の反応度の参照解との差異のアベレージであり、「Stdev」は、燃料集合体6の反応度の参照解との差異の標準偏差である。参照解とは、連続エネルギーモンテカルロ法に基づく中性子輸送計算にて得られた燃料集合体の反応度である。本実施形態の格子計算コードを用いて算出された燃料集合体6の反応度と、従来の格子計算コードを用いて算出された燃料集合体6の反応度とを比較すると、ほぼ同等の反応度となっており、計算精度は、維持されていることが確認された。
図11は、右側の列が、本実施形態の計算速度を、従来の計算速度で割ったもの(本実施形態の計算速度/従来の計算速度)であり、本実施形態の計算速度は、従来の計算速度に比して、3倍程度高速化している。
以上のように、本実施形態によれば、簡易輸送計算ステップS2において、多数のエネルギー群を用いる一方で、燃料集合体6の体系を粗く取り扱うため、計算時間の短縮を図ることができる。また、詳細輸送計算ステップS4において、燃料集合体6の体系を詳細に取り扱う一方で、エネルギー群の群数を少数にできることから、計算時間の短縮を図ることができる。そして、簡易輸送計算ステップS2では、多数のエネルギー群を用いる一方で、燃料集合体6の体系を粗く取り扱い、詳細輸送計算ステップS4では、エネルギー群の群数を少数としているが、燃料集合体6の体系を詳細に取り扱っていることから、簡易輸送計算ステップS2の計算精度を補い、幅広い計算条件であっても、計算負荷の増大を抑制しつつ、核定数を精度良く算出することができる。
また、本実施形態によれば、共鳴ピークEの特徴を喪失させずに残存させた状態で、多数のエネルギー群を少数のエネルギー群に縮約することができる。このため、算出される核定数は、共鳴ピークEを考慮したものにできることから、核定数を精度良く算出することができる。
また、本実施形態によれば、多数のエネルギー群を172群とし、少数のエネルギー群を22群とすることができるため、図10及び図11に示すように、算出される核定数の計算精度の悪化を抑制しつつ、計算負荷の増大を好適に抑制することができる。
なお、本実施形態は、沸騰水型原子炉に適用してもよいし、加圧水型原子炉に適用してもよく、特に限定されない。
また、本実施形態では、簡易輸送計算ステップS2において、CCCP法を用い、詳細輸送計算ステップS4において、MOC法を用いたが、この構成に限定されない。
5 炉心
6 燃料集合体
10 燃料棒
11 被覆管
12 集合体間ギャップ
13 減速材
14 制御棒
15 炉内核計装
20 セル
30 解析対象領域
31a,31b セル領域
40 解析装置
41 演算部
42 記憶部
43 入力部
44 出力部
51 共鳴計算プログラム
52 輸送計算プログラム
53 燃焼計算プログラム
54 核定数計算プログラム
P 炉心解析プログラム
D1 断面積ライブラリ
D2 核定数データ
C1 格子計算コード
C2 炉心計算コード
s 中性子飛行パス
i 詳細領域
E 共鳴ピーク

Claims (4)

  1. 解析装置の演算部に、中性子輸送計算を実行させて、燃料棒を格納した炉心に装荷される燃料集合体の核定数を算出する核定数算出プログラムにおいて、
    前記燃料集合体の体系を取り扱うために設定されるパラメータを、簡易なパラメータに設定すると共に、多数のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する簡易輸送計算ステップと、
    前記簡易輸送計算ステップの実行後、前記パラメータを、前記簡易輸送計算ステップに比して詳細なパラメータに設定すると共に、前記多数のエネルギー群を縮約した少数のエネルギー群に基づく、中性子輸送計算を実行する詳細輸送計算ステップと、を備えることを特徴とする核定数算出プログラム。
  2. 前記中性子輸送計算の入力値となる実効断面積を算出する共鳴計算では、中性子のエネルギーを前記多数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の前記実効断面積を算出し、
    前記多数のエネルギー群は、前記共鳴計算において分割された群数であり、
    前記少数のエネルギー群は、前記共鳴計算の計算結果として得られる共鳴ピークが、所定のエネルギー群内に収まるように、前記多数のエネルギー群を縮約したものであることを特徴とする請求項1に記載の核定数算出プログラム。
  3. 前記多数のエネルギー群は、172群であり、
    前記少数のエネルギー群は、22群であることを特徴とする請求項1または2に記載の核定数算出プログラム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の核定数算出プログラムを実行可能であることを特徴とする解析装置。
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