JP6520588B2 - スルホニルブロマイド化合物類の製造方法 - Google Patents

スルホニルブロマイド化合物類の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6520588B2
JP6520588B2 JP2015178765A JP2015178765A JP6520588B2 JP 6520588 B2 JP6520588 B2 JP 6520588B2 JP 2015178765 A JP2015178765 A JP 2015178765A JP 2015178765 A JP2015178765 A JP 2015178765A JP 6520588 B2 JP6520588 B2 JP 6520588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
acid
bromide
reaction system
sulfonyl bromide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015178765A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017052728A (ja
Inventor
桐原 正之
正之 桐原
達也 小田切
達也 小田切
智丈 浅輪
智丈 浅輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP2015178765A priority Critical patent/JP6520588B2/ja
Publication of JP2017052728A publication Critical patent/JP2017052728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6520588B2 publication Critical patent/JP6520588B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、チオール類やジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化してスルホニルブロマイド化合物類を製造するスルホニルブロマイド化合物類の新規な製造方法に関する。
スルホニルハライド化合物類は、医薬、農薬、機能性材料等を製造する際にその中間体として極めて重要な物質であり、多くの重要な医薬、農薬、機能性材料等の製造中間体として用いられている。そして、このようなスルホニルハライド化合物類のひとつであるスルホニルクロライド化合物類を製造する方法として、本発明者らは、先に、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いてチオール類又はジスルフィド類を酸化することにより、簡便にスルホニルクロライド化合物類を製造することができる方法を提案した(特許文献1)。
ところで、スルホニルハライド化合物類のうち、ハロゲン原子が臭素であるスルホニルブロマイド化合物類については、スルホニルクロライド化合物類よりも比較的反応性が高く、スルホニルクロライドと同じく、医薬、農薬、機能性材料分野などで使用される有機化合物類のビルディングブロックとなり得ることから、合成化学上有用であり、このスルホニルブロマイド化合物類を製造する方法についても幾つかの検討が行われている。
例えば、特許文献2においては、ハロメチルチオニトロベンゼン類を原料として用い、該化合物を加水分解した後に、引き続き水の存在下にハロゲン化剤として臭素を用いてハロゲン化することにより、ニトロベンゼンスルホニルブロマイドを得る方法が提案されている。しかしながら、この特許文献2に記載されたようなハロゲン化剤として臭素を用いる反応においては、臭素を臭素ガスとして反応系に供給する必要があり、工業的な大量生産の場合には大量の臭素ガスの供給が必要になり、臭素ガスが有害であって臭気の問題も発生することから、工業的には臭素ガス除害設備が不可欠になり、それだけ製造コストが嵩み、経済上の問題が発生する。
また、非特許文献1においては、ジスルフィド類をアセトニトリルと水との混合溶媒に溶解した後、ハロゲン化剤としてN-ブロモスクシンイミド(NBS)を添加してジスルフィド類と反応させることにより、スルホニルブロマイドを得る方法が提案されている。しかしながら、上記の反応において、ジスルフィド類と反応させるN-ブロモスクシンイミド(NBS)は高価であり、上記の反応を用いて工業的にスルホニルブロマイド化合物類を製造するには経済上の問題が発生する。また、N-ブロモスクシンイミド(NBS)は、水の存在下では臭化水素を発生し、さらに分解されて臭素を発生するため、工業的には環境上の観点からこの臭素の処理問題が発生する。
特開2015-074,609号公報 特開平9-255,652号公報
M. Kirihara et. al., Tetrahedron, 2014, 70, 2464-2471.
そこで、本発明者らは、チオール類やジスルフィド類を反応基質としてスルホニルブロマイド化合物類を製造するに際し、上述した従来技術において存在するような環境上や経済上の問題がなく、安全かつ簡便に対応するスルホニルブロマイド化合物類を製造することができる方法について鋭意検討した結果、意外なことには、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いると共に、酸化反応の反応系を臭素無機塩の存在下にpH7以下の中性又は酸性にpH調整して反応させることにより、スルホニルブロマイド化合物類を高い収率で製造することができることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、チオール類やジスルフィド類を反応基質として、環境上や経済上の問題がなく、安全かつ簡便に対応するスルホニルブロマイド化合物類を製造することができるスルホニルブロマイド化合物類の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるチオール類又は下記一般式(2)で表されるジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化して下記一般式(3)で表されるスルホニルブロマイド化合物類を製造するスルホニルブロマイド化合物類の製造方法であり、
1−SH ……(1)
1−S−S−R2……(2)
1−SO2Br及び/又はR2−SO2Br ……(3)
〔但し、一般式(1)〜(3)において、R1及びR2は次亜塩素酸ソーダと反応しない有機基であって、互いに同じであっても異なっていてもよい。〕
前記酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いると共に、前記酸化反応の反応系を次亜塩素酸イオン及び次亜臭素酸イオンを分解しない金属種の臭素無機塩の存在下にpH7以下の中性又は酸性にpH調整して反応させることを特徴とするスルホニルブロマイド化合物類の製造方法である。
そして、上記本発明のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法において、好適には、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物を用いることであり、また、反応系のpH調整に関して反応系に酸を添加して行うことであり、更に、反応系のpH調整に使用する酸が有機酸であることであり、更にまた、反応系のpH調整に関して反応溶媒として酸性溶剤を用いて行うことであり、更には、反応系のpH調整に使用する酸性溶剤が有機酸性溶剤であることである。
本発明の方法において、反応基質として用いる上記一般式(1)のチオール類及び上記一般式(2)のジスルフィド類については、その置換基Rが酸化剤の次亜塩素酸ソーダと反応しない有機基であれば特に限定されるものではなく、例えばアルキル基、アリール基、及びアラルキル基等を掲示することができる。また、ここに例示したアルキル基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状、枝分れ状、又は環状のアルキル基等を挙げることができ、また、アリール基については、例えば、置換基を有する又は置換基を有しないフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等を挙げることができ、更に、アラルキル基については、例えば、置換基を有する又は置換基を有しないベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ピコリル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。更に、一般式(1)のチオール類については、チオールとして使用できるほか、チオールのアルカリ金属塩として使用することもでき、特にこのチオール類が常温でガス状又は低沸点である場合には、取扱い時の飛散防止を目的に、例えばアルカリ水溶液中にチオール類を添加し、アルカリ金属塩を生成させた後に本発明の酸化反応に供することが望ましい。
また、本発明の方法において、酸化剤として使用する次亜塩素酸ソーダについては、特に制限されるものではなく、例えば、一般的に水溶液として市販されている有効塩素濃度6〜13質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液や、有効塩素濃度が39質量%以上、好ましくは約42質量%以上の次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)を挙げることができる。この次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)は、例えば特許第04,211,130号公報に記載の方法により製造することができ、また、有効塩素濃度が39質量%より低くなると、保存中にその水分により液状化し、次亜塩素酸ソーダの分解が進む虞がある。そして、これら次亜塩素酸ソーダは酸性条件下では次亜塩素酸になり、反応系に臭素無機塩が存在しない反応条件下では、反応基質のチオール類及びジスルフィド類とは、それぞれ以下の反応式(4)及び(5)に従って反応する。
RSH+3HOCl→RSO2Cl+H2O+2HCl……(4)
RSSR+5HOCl→2RSO2Cl+H2O+3HCl……(5)
これに対して、反応系内に臭素無機塩が存在し、また、中性又は酸性の反応条件下では、次亜塩素酸ソーダは反応基質と反応する前に優先的に次亜臭素酸になり、次亜臭素酸として反応基質のチオール類及びジスルフィド類と反応し、それぞれ以下の反応式(6)及び(7)に従ってスルホニルブロマイド化合物類を生成するものと考えられる。
RSH+3HOBr→RSO2Br+H2O+2HBr……(6)
RSSR+5HOBr→2RSO2Br+H2O+3HBr……(7)
これは、反応系内に臭素無機塩由来の臭化物イオンが存在すると、この臭化物イオンと次亜塩素酸の塩素とのハロゲン交換によって次亜臭素酸と塩化物イオンが生成し、次亜塩素酸と次亜臭素酸との間の平衡が次亜臭素酸側に偏り、反応系中では次亜臭素酸が優先的に生成すると推測される。ここへ、反応基質であるチオール類およびジスルフィド類を添加することで、スルホニルブロマイドが生成すると考えられる。
ここで、本発明で使用する次亜塩素酸ソーダについては、上記の反応式(6)及び(7)から分かるように、チオール類の酸化反応に必要な次亜臭素酸が3当量であって、ジスルフィド類の酸化反応に必要な次亜臭素酸が5当量であり、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いた場合には、反応系の容量が大きくなって、必然的に1つの反応器を用いて1回の酸化反応で製造し得るスルホニルブロマイド化合物類の生産量に限界が生じ、生産効率の低下や廃液量の増加が発生する場合があるので、好ましくは次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)を用いるのがよい。次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)の使用により、反応系での水分量を大幅に低減することができ、効率の良い酸化反応を実施することができる。
ここで、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物を使用する場合、次亜塩素酸ソーダ5水和物は、水に溶解して使用することができるが、反応速度や反応器の容積効率を考慮し、通常、有効塩素濃度12質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として、好ましくは有効塩素濃度20質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として、より好ましくは有効塩素濃度30質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として使用される。例えば、一般的に流通している有効塩素濃度約12質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液に比べて、有効塩素濃度約42質量%の次亜塩素酸ソーダ5水和物は約3.5倍高濃度であるため、酸化剤に対する基質比率も約3.5倍向上できるほか、高濃度のため反応速度も向上するという利点がある。
本発明の方法において、次亜塩素酸ソーダと共に反応系に用いられる臭素無機塩としては、反応系内で臭化物イオンを生成するもののうち、次亜塩素酸イオン及び次亜臭素酸イオンを分解しない金属種との塩であれば特に制限されるものではなく、例えば、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)を例示することができ、特に、反応終了後のスルホニルブロマイドの単離操作で、塩析効果による収率向上が期待できる、臭化ナトリウム(NaBr)や臭化カリウム(KBr)を用いるのが好ましい。また、臭化銅(CuBr)や臭化リチウム(LiBr)、臭化マグネシウム(MgBr2)等の金属塩については、これら金属塩に含まれる金属がLewis酸触媒として作用し、次亜塩素酸イオン及び次亜臭素酸イオンを分解するため好ましくない。
本発明の方法において、酸化反応はその反応系をpH7以下の中性又は酸性にpH調整して行われる。ここで、反応系をpH7以下の中性又は酸性に調整するpH調整については、特に制限されるものではないが、例えば、反応系に酸を添加して行う酸添加の方法や、反応溶媒として酸性溶剤を用いる方法等を例示することができる。ここで、反応系のpH調整に際して、酸添加の方法で用いられる酸としては、水溶液が酸性を示すブレンステッド酸であれば特に制限されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸や、酢酸、プロピオン酸、スルホン酸等の有機酸を例示することができ、pHを強酸性にすると次亜臭素酸が分解し臭素ガスが発生し、系外に漏れ出る恐れがあるため、好ましくはpH調整が容易なリン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等である。また、反応溶媒として酸性溶剤を用いる方法においては、例えば、pHを3〜7程度に調整した塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸水溶液や、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸あるいは、その水溶液等や、リン酸緩衝液、フタル酸緩衝液、酢酸緩衝液等を例示することができる。ここで、反応系のpH調整に使用される酸や酸性溶剤については、有機酸を用いることで系内の水分量を低減でき、その結果、目的物のスルホニルブロマイド類の分解を抑制できることから、有機酸が好ましい。
また、本発明の方法において、酸化反応は、必要により反応基質のチオール類やジスルフィド類を溶解する溶剤、及び/又は、酸化剤の次亜塩素酸ソーダ5水和物を溶解する溶剤(酸化剤が次亜塩素酸ソーダ水溶液の場合には水)を用い、反応系を均一系にして、若しくは水/油相の2相系にして、若しくは、反応系をスラリー状態にして実施される。ここで用いられる反応溶剤(反応基質を溶解する溶剤や酸化剤を溶解する溶剤)としては、溶剤自体が反応生成物のスルホニルブロマイド化合物類や反応中間体と反応することがなく、また、酸化剤に酸化されないものである必要があり、例えばジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジクロリド等のハロゲン系溶媒や、例えばt-ブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール、2-メチル-2-ヘキサノール等の3級アルコール系溶媒や、例えばメチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒や、例えばモノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、4-クロロベンゾトリフルオリド等の電子不足型の芳香族系溶媒等や、例えば水、塩酸、リン酸水溶液等の無機溶剤等を例示することができる。なお、反応溶剤としての1級アルコール(メタノールやエタノール等)の使用は、反応生成物のスルホニルブロマイド化合物類と反応してスルホン酸エステルを副生し、収率を低下させる場合があるので好ましくない。また、反応系のpH調整において、酸性溶剤として有機酸を用いる場合、使用する有機酸の種類によっては、この有機酸を反応溶剤として用いることができ、この場合には系内の水分量を低減できるので、目的化合物であるスルホニルブロマイド類の分解を抑制できるという利点がある。
また、本発明の酸化方法において、その酸化反応の反応条件については、通常、0℃以上50℃以下の反応温度で撹拌下に行われ、好ましくは0℃以上室温(30℃程度)以下の反応温度で撹拌下に行われる。反応温度を室温以上にすることは、次亜塩素酸ソーダの分解反応と酸化反応との競争反応になり、次亜塩素酸ソーダの分解が起こって必要な次亜塩素酸ソーダ5水和物の使用量が増大するので好ましくなく、また、反応温度を反応系が固化しない程度の低温(0℃未満)まで下げることは、特別に設備的な対応が必要になるほか、反応速度の低下を招く等、かえって利点が少ない。
本発明のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法によれば、チオール類やジスルフィド類を反応基質として、環境上や経済上の問題が無く、安全かつ簡便で効率良く対応するスルホニルブロマイド化合物類を製造することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
〔実施例1〕
50mLナスフラスコに次亜塩素酸ソーダ5水和物3.21g(19.5mmol)、臭化ナトリウム2.47g(24.0mmol)、及び酢酸30mLを入れ、室温(20〜30℃)下で5分間撹拌した。その後、原料のジフェニルジスルフィド0.66g(3.0mmol)を添加し、原料添加終了後から撹拌下に30分間反応させた。この際の反応系のpH値は2.8であった。
反応終了後に反応系から反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、ベンゼンスルホニルブロマイドが99%の収率で生成したのを確認した。
〔実施例2〕
原料としてジメチルジスルフィド0.28g(3.0mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にして酸化反応を行った。この際の反応系のpH値は2.9であった。
得られた反応液を実施例1と同様にして分析した結果、メタンスルホニルブロマイドが98%の収率で生成したのを確認した。
〔実施例3〕
ナスフラスコに次亜塩素酸ソーダ5水和物1.06g(6.4mmol)、臭化ナトリウム0.82g(8.0mmol)、及び酢酸8mLを入れ、室温下で20分間撹拌した。その後、原料のジ-p-トリルジスルフィド0.246g(1.0mmol)を添加し、原料添加終了後から撹拌下に80分間反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物中に水50mLを加え、反応混合物中の塩類を水相に溶解し、次いでクロロホルムで3回抽出し、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥させ、ろ過後に溶媒を溜去し、反応生成物のp-トリルスルホニルブロマイド0.4003g(1.7mmol、収率85%)を得た。
〔実施例4〕
ナスフラスコに次亜塩素酸ソーダ5水和物1.08g(6.5mmol)、臭化ナトリウム0.83g(8.0mmol)、及び酢酸8mLを入れ、室温下で20分間撹拌した。その後、ナスフラスコにアルミニウムホイルを巻き、原料のビス(p-メトキシフェニル)ジスルフィド0.278g(1.0mmol)を添加し、原料添加終了後から撹拌下に40分間反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物中に水50mLを加え、反応混合物中の塩類を水相に溶解し、次いでクロロホルムで3回抽出し、有機相に無水硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥させ、ろ過後に溶媒を溜去し、粗生成物0.5722gを得た。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル mesh 40〜50μm、カラムφ= 2cm、展開溶媒 Hexane:AcOEt = 10:1、使用した試験管 = 1.5×10 cm)で精製し、反応生成物の(p-メトキシフェニル)スルホニルブロマイド0.4193g(1.7mmol、収率84%)を得た。
〔実施例5〕
原料としてビス(p-クロロフェニル)ジスルフィド0.287g(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様にして酸化反応を行った。反応時間は55分間とした。
反応終了後、得られた反応混合物を実施例4と同様にして処理した結果、反応生成物のp-クロロベンゼンスルホニルブロマイド0.3748g(1.5mmol、収率73%)を得た。
〔実施例6〜7〕
反応基質として表1に示す各ジスルフィド類を用い、実施例5と同様にして酸化反応を行い、実施例5と同様にして対応するスルホニルブロマイドを得た。
得られた反応生成物のスルホニルブロマイドの収率を表1に示す。
Figure 0006520588
〔実施例8〕
原料としてベンゼンチオール0.1mL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様にして酸化反応を行った。反応時間は30分間とした。
反応終了後、得られた反応混合物を実施例3と同様にして処理した結果、反応生成物のベンゼンスルホニルブロマイド0.0788g(0.36mmol、収率36%)を得た。
〔実施例9〕
原料としてp-トルエンチオール0.126g(1.0mmol)を用いた以外は、実施例4と同様にして酸化反応を行った。反応時間は42分間とした。
反応終了後、得られた反応混合物を実施例3と同様にして処理した結果、反応生成物のp-トルエンスルホニルブロマイド0.2144g(0.91mmol、収率91%)を得た。
〔実施例10〕
原料としてp-メトキシベンゼンチオール0.123mL(1.0mmol)を用いた以外は、実施例3と同様にして酸化反応を行った。反応時間は40分間とした。
反応終了後、得られた反応混合物を実施例4と同様にして処理した結果、反応生成物のp-メトキシベンゼンスルホニルブロマイド0.1438g(0.57mmol、収率57%)を得た。
〔実施例11〜12〕
反応基質として表2に示す各ジスルフィド類を用い、実施例10と同様にして酸化反応を行い、実施例10と同様にして対応するスルホニルブロマイドを得た。
得られた反応生成物のスルホニルブロマイドの収率を表2に示す。
Figure 0006520588
〔実施例13〕
50mLナスフラスコに次亜塩素酸ソーダ5水和物3.21g(19.5mmol)、臭化カリウム2.86g(24.0mmol)、及び酢酸30mL中を入れ、室温(20〜30℃)下で5分間撹拌した。その後、原料のジフェニルジスルフィド0.66g(3.0mmol)を添加し、原料添加終了後から撹拌下に30分間反応させた。
得られた反応液を実施例1と同様にして分析した結果、ベンゼンスルホニルブロマイドが98%の収率で生成したのを確認した。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるチオール類又は下記一般式(2)で表されるジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化して下記一般式(3)で表されるスルホニルブロマイド化合物類を製造するスルホニルブロマイド化合物類の製造方法であり、
    1−SH ……(1)
    1−S−S−R2……(2)
    1−SO2Br及び/又はR2−SO2Br ……(3)
    〔但し、一般式(1)〜(3)において、R1及びR2アルキル基、アリール基、及びアラルキル基から選ばれた有機基であって、互いに同じであっても異なっていてもよい。〕
    前記酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いると共に、前記酸化反応の反応系を臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、及び臭化カルシウム(CaBr 2 )から選ばれた臭素無機塩の存在下にpH7以下の中性又は酸性にpH調整して反応させることを特徴とするスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
  2. 前記酸化剤が、次亜塩素酸ソーダ5水和物である請求項1に記載のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
  3. 反応系のpH調整は、反応系に酸を添加して行う請求項1又は2に記載のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
  4. 反応系のpH調整に使用する酸が有機酸である請求項3に記載のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
  5. 反応系のpH調整は、反応溶媒として酸性溶剤を用いて行う請求項1又は2に記載のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
  6. 反応系のpH調整に使用する酸性溶剤が有機酸性溶剤である請求項5に記載のスルホニルブロマイド化合物類の製造方法。
JP2015178765A 2015-09-10 2015-09-10 スルホニルブロマイド化合物類の製造方法 Active JP6520588B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178765A JP6520588B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 スルホニルブロマイド化合物類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015178765A JP6520588B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 スルホニルブロマイド化合物類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017052728A JP2017052728A (ja) 2017-03-16
JP6520588B2 true JP6520588B2 (ja) 2019-05-29

Family

ID=58320174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015178765A Active JP6520588B2 (ja) 2015-09-10 2015-09-10 スルホニルブロマイド化合物類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6520588B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3309202B2 (ja) * 1996-03-27 2002-07-29 住友精化株式会社 ニトロベンゼンスルホニルハライド類の製造方法
JP4894122B2 (ja) * 2001-09-28 2012-03-14 Dic株式会社 ペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法
EP1794130A1 (en) * 2004-09-20 2007-06-13 Biolipox AB Pyrazole compounds useful in the treatment of inflammation
JP6149667B2 (ja) * 2013-10-07 2017-06-21 日本軽金属株式会社 スルホニルクロライド化合物類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017052728A (ja) 2017-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Adimurthy et al. An alternative method for the regio-and stereoselective bromination of alkenes, alkynes, toluene derivatives and ketones using a bromide/bromate couple
JP5761583B2 (ja) ポリ(ペンタフルオロスルファニル)芳香族化合物の製造方法
TW201642742A (zh) 製備硝磺草酮之方法
Chang et al. Direct nucleophilic fluorination of carbonyl groups of benzophenones and benzils with Deoxofluor
Okada et al. An efficient method for the preparation of sulfonyl chlorides: Reaction of disulfides or thiols with sodium hypochlorite pentahydrate (NaOCl· 5H 2 O) crystals
CN108409616A (zh) 一种3-溴甲基-2-卤代-4-烷基磺酰基苯甲酸酯的制备方法
WO2015064712A1 (ja) メチレンジスルホン酸化合物の製造方法
WO2018123301A1 (ja) 四フッ化硫黄の製造方法
JP6149667B2 (ja) スルホニルクロライド化合物類の製造方法
US20210070700A1 (en) Process for the preparation of haloalkanesulfonic acids from sulfur trioxide and a haloalkane
US8759578B2 (en) Method for manufacturing fluorine-containing imide compound
JP6520588B2 (ja) スルホニルブロマイド化合物類の製造方法
JP2015063504A (ja) アルコール類の酸化方法
Prakash et al. Efficient synthesis of α-(fluoro/chloro/methoxy) disulfonylmethane derivatives as tunable substituted methyl synthons via a new C–S bond forming strategy
WO2018186331A1 (ja) トリフルオロスルファニル芳香族化合物を含む混合物の変性方法および分析方法
Hirschberg et al. Selective elemental fluorination in ionic liquids
CN108164434A (zh) 一种低成本4′-溴甲基-2-氰基联苯的制备方法
KR20090101234A (ko) 트리스(퍼플루오로알칸설포닐)메티드산염의 제조방법
JP2018076289A (ja) ハロゲン化ベンゼン誘導体の製造方法
RU2159764C1 (ru) Способ получения 4,4'-дихлордифенилсульфоксида
JP2961457B2 (ja) フッ素化有機第四級アンモニウム塩の製造方法
JP2022090710A (ja) クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造方法
JP2018070601A (ja) ハロゲン化合物の製造方法
JP2003104951A (ja) ペルフルオロアルキルスルホニルハライドの製造法
JP4030321B2 (ja) ハロゲン化アダマンタン類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6520588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250