JP6520563B2 - 冷媒蒸発器 - Google Patents

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Description

本発明は、被冷却流体が流れる方向において互いに対向するように配置された第1蒸発部と第2蒸発部とを有し、被冷却流体と冷媒との間で熱交換を行う冷媒蒸発器に関する。
冷媒蒸発器は、内部を流れる液相冷媒が蒸発する際の蒸発潜熱によって、外部を流れる被冷却流体から熱を奪い、被冷却流体の冷却を行う。
例えば、下記特許文献1には、内部に液相冷媒及び気相冷媒(以下、両者を単に「冷媒」ともいう)を流す複数のチューブを積層して構成されたコア部を有する冷媒蒸発器が記載されている。当該コア部は、被冷却流体である空気が流れる方向の寸法と比べて、積層方向の寸法が大きい幅広形状となっている。
下記特許文献1の冷媒蒸発器は、コア部の上方に配置される第1のヘッダータンクから、コア部に冷媒を流入させるように構成されている。つまり、第1のヘッダータンクは、その内部を流れる冷媒を分配し、コア部を構成する一方の列の複数のチューブに流入させる。冷媒は各チューブ内を下方に向かって流れ、各チューブの下端部から流出する。当該冷媒は、コア部の下方に配置された第2のヘッダータンク内で折り返すと、次にコア部を構成する他方の列の複数のチューブに流入する。この冷媒は、各チューブ内を上方に向かって流れる。
ところで、第1のヘッダータンクには外部から冷媒を流入させる流入口が設けられているが、この流入口から第1のヘッダータンク内に流入した冷媒は、特に冷媒の流量が小さい場合、当該流入口近傍に位置するチューブに流入し易い傾向がある。このため、幅広形状のコア部において、流入口近傍の部位と、流入口から大きく離れた部位との間で、チューブに流入する冷媒の流量に差異が生じ、冷媒の分布が不均一となるおそれがある。このように、コア部において冷媒の分布が不均一になると、被冷却流体と冷媒との熱交換が有効に行われない領域がコア部に生じ、冷媒蒸発器の冷却性能が低下するという問題が発生する。また、このように熱交換が有効に行われない領域を流れた空気は十分に冷却されないため、快適性を損なうという問題も発生させてしまう。
また、第1のヘッダータンクから各チューブに冷媒を均一に流入させるように工夫した場合でも、各チューブにおける冷媒の蒸発のため、第2のヘッダータンクから上記他方の列の複数のチューブに流入する冷媒の分布が不均一となってしまうおそれがある。詳述すると、まず、同一の質量流量の冷媒を流す場合では、気相冷媒がチューブの壁面から受ける抵抗は、液相冷媒がチューブの壁面から受ける抵抗よりも大きくなる。また、チューブの下流側では、多くの液相冷媒が蒸発して気相冷媒となっているが、この蒸発し易さも、チューブ間で差異が生じることがある。このため、仮に第2のヘッダータンク内が単一の空間となっている場合、第2のヘッダータンク内の冷媒は、他のチューブと比べて液相冷媒が蒸発し難いチューブを指向することになる。この結果、第2のヘッダータンクから上記他方の列の複数のチューブに流入する冷媒の分布が不均一となってしまう。
これに対し、下記特許文献1記載の冷媒蒸発器では、第2のヘッダータンク内に複数の隔壁が配置されることによって、ヘッダータンク内が複数の隔室に区画されている。当該隔壁は、隣り合う隔室において冷媒の移動を生じさせないように形成されている。これにより、チューブ間で冷媒の蒸発し易さに差異が生じた場合にも、それに伴って冷媒の分布が不均一となることを抑制し、冷媒蒸発器の冷却性能を向上させることができる。
特表2014−518370号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の冷媒蒸発器では、供給される冷媒の流量が比較的小さい場合に、冷媒分布が不均一になることを十分に抑制できないという課題があった。すなわち、上記特許文献1記載の冷媒蒸発器では、供給される冷媒の流量が比較的小さい場合は、第1のヘッダータンクの流入口近傍に位置するチューブに冷媒が指向する傾向が顕著になる。このように、チューブへの流入時に冷媒の分布が不均一になると、第2のヘッダータンク内が隔壁によって仕切られていることから、第2のヘッダータンク内ではその不均一が解消されることなく更に下流まで影響を及ぼす。その結果、冷媒蒸発器を流れても冷却されない空気が発生し、当該空気供給される車室等の快適性が低下するという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、供給される冷媒の流量によらず、冷媒の分布が不均一となることを抑制し、流れる空気を均一に冷却できる冷媒蒸発器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る冷媒蒸発器は、被冷却流体が流れる方向において互いに対向するように配置された第1蒸発部(20,20C)と第2蒸発部(10,10C)とを有し、被冷却流体と冷媒との間で熱交換を行う冷媒蒸発器(1,1A,1B,1C)であって、第1蒸発部は、冷媒を下方に向けて流す複数の第1チューブ(22a,22Ca)を第1方向に積層することで構成された第1コア部(22,22C)と、第1コア部の上方に配置され、第1方向に沿って冷媒を流すとともに、該冷媒を複数の第1チューブの上端部から流入させるように分配する第1分配部(21,21C)と、第1コア部の下方に配置され、複数の第1チューブの下端部から流出した冷媒を集める第1集合部(23,23B,23C)と、有する。第2蒸発部は、冷媒を上方に向けて流す複数の第2チューブ(12a,12Ca)を第1方向に積層することで構成された第2コア部(12,12C)と、第2コア部の下方に配置され、第1集合部から冷媒の供給を受けるとともに、該冷媒を複数の第2チューブの下端部から流入させるように分配する第2分配部(13,13C)と、第2コア部の上方に配置され、複数の第2チューブの上端部から流出した冷媒を集める第2集合部(11,11C)と、有する。第1集合部は、第1方向に沿って並ぶように互いに所定間隔を空けて配置された複数の第1隔壁(231,231A,231B,231C)と、該複数の第1隔壁によって区画形成された複数の第1隔室(232,232B,232C)とを有する。第2分配部は、第1方向に沿って並ぶように互いに所定間隔を空けて配置された複数の第2隔壁(131,131C)と、該複数の第2隔壁によって区画形成され、且つ互いに独立した空間として形成される複数の第2隔室(132,132C)とを有する。第1隔壁は、一の第1隔室の冷媒の水位が所定水位を超えた場合に、該冷媒を該一の第1隔室と隣り合う他の第1隔室に移動させる逸水部(234,234A,234B,234C)を有している。
この構成によれば、第1集合部の各第1隔室に至る冷媒の流量が比較的大きい場合は、冷媒は各第1隔室で滞留することなく、第2分配部に供給される。このため、隣り合う第1隔室間の冷媒の移動は第1隔壁によって妨げられる。
一方、第1集合部の各第1隔室に至る冷媒の流量が比較的小さい場合は、冷媒は各第1隔室で滞留するとともに、その水位が上昇する。一の第1隔室の冷媒の水位が所定水位を超えると、当該冷媒は一の第1隔室と隣り合う他の第1隔室に移動する。すなわち、冷媒の水位が高い第1隔室から、冷媒の水位が低い第1隔室に冷媒を移動させ、第1集合部の各第1隔室に滞留する冷媒の水位を均一化することができる。水位が均一化されたこの冷媒が第2分配部へ供給されるため、第2蒸発部における冷媒の分配を均一化できる。
したがって、この構成によれば、供給される冷媒の流量によらず、第1コア部及び第2コア部において冷媒の分布が不均一となることを抑制できる。
本発明によれば、供給される冷媒の流量によらず、冷媒の分布が不均一となることを抑制し、流れる空気を均一に冷却できる冷媒蒸発器を提供することができる。
第1実施形態に係る冷媒蒸発器を模式的に示す斜視図である。 図1の冷媒蒸発器における冷媒の流れを模式的に示す分解斜視図である。 供給される冷媒の流量が比較的大きい場合の図1の冷媒蒸発器のIII−III断面を示す断面図である。 供給される冷媒の流量が比較的小さい場合の図1の冷媒蒸発器のIII−III断面を示す断面図である。 供給される冷媒の流量が比較的小さい場合の図2の冷媒蒸発器のV−V断面を示す断面図である。 第1変形例に係る冷媒蒸発器を示す断面図である。 第1変形例に係る冷媒蒸発器を示す断面図である。 第2実施形態に係る冷媒蒸発器を模式的に示す斜視図である。 図9の冷媒蒸発器のIX−IX断面を示す断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る冷媒蒸発器1の構成について説明する。図2は、後述する風上側集合タンク11、風上側分配タンク13、風下側分配タンク21及び風下側集合タンク23の内部を破線で図示している。
冷媒蒸発器1は、車室内の温度を調整する車両用空調装置に搭載され、冷凍サイクルに用いられる。具体的には、冷媒蒸発器1は、車室内に吹き出される空気から熱を奪うとともに、その熱を液相の冷媒に与えて蒸発させることで空気を冷却する冷却用熱交換器である。冷凍サイクルは、周知のように、冷媒蒸発器1の他に、図示しない圧縮機、放熱器及び膨張弁等から構成される。
冷媒蒸発器1は、2つの蒸発部10,20を備えている。蒸発部10,20は、矢印X1で示される空気の流れ方向において対向するように、上流側と下流側に配置されている。以下、矢印X1方向における上流側に配置される蒸発部10を「風上側蒸発部10」(第2蒸発部)と称する。また、矢印X1方向における下流側に配置される蒸発部20を「風下側蒸発部20」(第1蒸発部)と称する。
尚、理解を容易にするため、被冷却流体である空気が流れる方向(水平方向)をX方向とし、X方向に直交する水平方向をY方向とし、鉛直方向上方をZ方向とする直交座標を用いて説明する。当該直交座標は、図3以降においても対応するものを用いる。
風上側蒸発部10は、風上側集合タンク11(第2集合部)と、風上側コア部12(第2コア部)と、風上側分配タンク13(第2分配部)とを有している。風上側集合タンク11、風上側コア部12及び風上側分配タンク13は、この順序で、−Z方向に並べて配置されている。
風上側コア部12は、全体として、X方向を厚さ方向とする扁平な直方体形状を呈している。風上側コア部12の下端部12dには、風上側分配タンク13が接続されている。風上側コア部12の上端部12eには、風上側集合タンク11が接続されている。風上側コア部12は、複数の風上側チューブ12a(第2チューブ)と、複数の風上側フィン12bとがY方向に交互に積層された構造からなる。
風上側チューブ12aは、その断面が扁平状で、Z方向に延びるように配置されている。風上側チューブ12aの内部には、冷媒が流れる流路が形成されている。
風上側フィン12bは、金属製の薄板を屈曲させることで形成される、いわゆるコルゲートフィンである。風上側フィン12bは、Y方向に隣り合う風上側チューブ12a,12a間に配置されており、風上側チューブ12aの外側面に接続されている。
また、風上側コア部12は、積層された風上側チューブ12a及び風上側フィン12bのY方向の両端に、板形状のサイドプレート12cを有している。サイドプレート12cは、風上側コア部12を補強するための部材である。
風上側分配タンク13は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風上側分配タンク13の軸方向(Y方向)の両端部は閉塞されている。図2に示されるように、風上側分配タンク13は、その内部に5つの風上側隔壁131(第2隔壁)を有している。風上側隔壁131は、Y方向に対して略垂直な平面を有する板形状を呈し、風上側分配タンク13内でY方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。これにより、風上側分配タンク13内には、Y方向に沿って並ぶ6つの風上側隔室132(第2隔室)が区画形成されている。
また、風上側分配タンク13の上部の外側面には、風上側チューブ12aの下端部12a1が挿入される複数の貫通孔(不図示)が形成されている。風上側チューブ12aの下端部12a1(図2参照)がこの貫通孔に挿入されることにより、各風上側隔室132は複数の風上側チューブ12aに連通している。すなわち、各風上側隔室132は、連通している複数の風上側チューブ12aの下端部12a1から冷媒を流入させて、各風上側チューブ12aに冷媒を分配する空間となる。
図2に示されるように、風上側分配タンク13の外側面には、各風上側隔室132に連通する導入口133が6つ形成されている。導入口133は、冷媒を各風上側隔室132内に導くための開口であり、各風上側隔室132の側面に1つずつ形成されている。
図1及び図2に示されるように、風上側集合タンク11は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風上側集合タンク11のY方向側の端部は閉塞されている。風上側集合タンク11の−Y方向側の端部には排出口11aが形成されている。排出口11aは、図示しない圧縮機の吸入側に接続されている。
また、風上側集合タンク11の下部の外側面には、風上側チューブ12aの上端部12a2(図2参照)が挿入される複数の貫通孔(不図示)が形成されている。風上側チューブ12aの上端部12a1がこの貫通孔に挿入されることにより、風上側集合タンク11の内部流路は風上側チューブ12aに連通している。すなわち、各風上側チューブ12aを流れ、その上端部12a1から流出した冷媒は、風上側集合タンク11に集められる。この風上側集合タンク11に集められた冷媒は排出口11aを介して圧縮機に導かれる。
風下側蒸発部20は、風下側分配タンク21(第1分配部)と、風下側コア部22(第1コア部)と、風下側集合タンク23(第1集合部)とを有している。風下側分配タンク21、風下側コア部22及び風下側集合タンク23は、この順序で、−Z方向に並べて配置されている。
風下側コア部22は風上側コア部12と略同一の構造を有している。すなわち、風下側コア部22は、全体として、X方向を厚さ方向とする扁平な直方体形状を呈している。また、図2に示されるように、風下側コア部22は、複数の風下側チューブ22a(第1チューブ)と、複数の風下側フィン22bとがY方向に交互に積層された構造からなり、積層された風下側チューブ22a及び風下側フィン22bのY方向の両端に、板形状のサイドプレート22cを有している。風下側コア部22の上端部22eには、風下側分配タンク21が接続されている。風下側コア部22の下端部22dには、風下側集合タンク23が接続されている。
風下側分配タンク21は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風下側分配タンク21のY方向側の端部は閉塞されている。風下側分配タンク21の−Y方向側の端部には流入口21aが形成されている。流入口21aには、図示しない膨張弁により減圧された低圧冷媒が流入する。
また、風下側分配タンク21の下部の外側面には、風下側チューブ22aの上端部22a2(図2参照)が挿入される複数の貫通孔(不図示)が形成されている。風下側チューブ22aの上端部22a2がこの貫通孔に挿入されることにより、風下側分配タンク21の内部流路は風下側チューブ22aに連通している。すなわち、流入口21aから風下側分配タンク21内に流入した冷媒は、各風下側チューブ22aに分配される。
風下側集合タンク23は、内部に冷媒の流路を有する筒状の部材からなる。風下側集合タンク23は、その容積が風上側分配タンク13と同程度であり、その底面232aの高さ位置(Z方向位置)は風上側分配タンク13の底面132aと略同一となっている。風下側集合タンク23のY方向の両端部は閉塞されている。図2に示されるように、風下側集合タンク23は、2つの風下側隔壁231(第1隔壁)を有している。風下側隔壁231は、Y方向に対して略垂直な平面を有する板形状を呈し、風上側分配タンク13内でY方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。これにより、風下側集合タンク23の内部には、Y方向に沿って並ぶ3つの風下側隔室232(第1隔室)が区画形成されている。
また、各風下側隔壁231は、Y方向において風上側隔壁131と対応する位置に配置されている。すなわち、各風下側隔壁231をX方向に沿って見ると、各風下側隔壁231は風上側隔壁131と重合する位置に配置されている。
風下側隔壁231は、その一部に、貫通孔234(逸水部)が形成されている。貫通孔234は、断面が円形状で、風下側隔壁231をY方向に貫通している。これにより、隣り合う風下側隔壁231,231は、貫通孔234において連通する状態となっている。
また、風下側集合タンク23の上部の外側面には、風下側チューブ22aの下端部22a1(図2参照)が挿入される複数の貫通孔(不図示)が形成されている。風下側チューブ22aの下端部22a1がこの貫通孔に挿入されることにより、風下側集合タンク23の内部流路は風下側チューブ22aに連通している。すなわち、各風下側チューブ22aを流れ、その下端部22a1から流出した冷媒は、風下側集合タンク23の各風下側隔室232に集められる。
図2に示されるように、風下側集合タンク23の外側面には、各風下側隔室232に連通する排出口233が6つ形成されている。排出口233は、各風下側隔室232の冷媒を外部に排出するための開口であり、各風下側隔室232の側面に2つずつ形成されている。図1に示される冷媒蒸発器1の状態では、風下側集合タンク23の1つの排出口233と、風上側分配タンク13の1つの導入口133とが一対となって連通している。
続いて、冷媒蒸発器1に供給される冷媒の流れと、空気の冷却方法について説明する。図示されない膨張弁により減圧された冷媒は、図2に矢印Aで示されるように、流入口21aから風下側分配タンク21内に供給される。この冷媒は、風下側分配タンク21内で分配され、矢印B,C,Dで示されるように、風下側コア部22の各風下側チューブ22aに流入する。
各風下側チューブ22aに流入した冷媒は、その内部を−Z方向に向かって流れる。このとき、各風下側チューブ22a内を流れる冷媒は、各風下側チューブ22aの外部を矢印X1方向に向かって流れる空気と、各風下側チューブ22aの壁面を介して熱交換を行う。これにより、冷媒の一部が蒸発して空気から熱を奪い、空気の冷却が行われる。
風下側コア部22の各風下側チューブ22a内を流れ、各風下側チューブ22aの下端部22a1から流出した冷媒は、矢印E,F,Gで示されるように、風下側集合タンク23の各風下側隔室232に流入する。各風下側隔室232内の冷媒は、排出口233を介して外部に排出される。各風下側隔室232内の冷媒は、矢印H〜Mで示されるように、各排出口233を介して排出される際に各々2つの風上側隔室132に分流する。
各風下側隔室232内から排出された冷媒は、風上側分配タンク13の各導入口133を介して各風上側隔室132内に流入する。各風上側隔室132は1つの導入口133と連通しているため、1つの風下側隔室232から排出された冷媒は、2つの風上側隔室132に分配されることになる。
各風上側隔室132内に流入した冷媒は、各風上側隔室132内をZ方向に向かって流れ、上部の貫通孔から排出される。各風上側隔室132の貫通孔から排出された冷媒は、矢印N〜Sで示されるように、風上側コア部12に供給される。冷媒は、各風上側チューブ12aの下端部12a1から流入し、各風上側チューブ12a内をZ方向に向かって流れる。
各風上側チューブ12a内を流れ、その上端部12a2から流出した冷媒は、矢印T,U,Vで示されるように、風上側集合タンク11に集められる。風上側集合タンク11に集められた冷媒は、矢印Wで示されるように、風上側集合タンク11の排出口11aから、図示されない圧縮機の吸入側に供給される。
続いて、図3から図5を参照しながら、風上側分配タンク13内や風下側集合タンク23内における冷媒の流れについて説明する。
図3は、冷媒蒸発器1に供給される冷媒の流量が比較的大きい場合の冷媒の流れを示している。このように冷媒の流量が比較的大きい場合、風下側分配タンク21から分配されて各風下側チューブ22a内を流れる冷媒の流量が略均一となるように、風下側分配タンク21の形状等が設定されている。
図3に示されるように、風下側チューブ22aの下端部22a1から流出した冷媒は、風下側集合タンク23の風下側隔室232に流入する。流量が比較的大きいため、この冷媒は、風下側隔室232の底面232aに大きな水勢で上方から衝突する。風下側隔室232の内部は冷媒で満たされる。
底面232aに衝突した冷却水は、底面232aに沿って、貫通孔234の周囲を旋回するように流れ、底面232aよりも上方に配置された排出口233に導かれる。また、風下側チューブ22aの下端部22a1のうち、排出口233近傍の部位から流出して風下側隔室232に流入した冷媒は、この旋回する冷媒の流れに引き込まれ、排出口233に導かれる。
排出口233に導かれた冷媒は、風下側集合タンク23から排出される。風下側集合タンク23内から排出された冷媒は、導入口133を介して風上側分配タンク13の風上側隔室132内に流入する。
風上側隔室132に流入した冷媒は上方に向かって流れ、風上側チューブ12aの下端部12a1に流入する。この冷媒は風上側チューブ12a内を上方に向かって流れ、前述したように風上側集合タンク11に集められる。
このように、冷媒蒸発器1に供給される冷媒の流量が比較的大きい場合は、風下側隔室232内に流入する冷媒はスムーズに排出口233に導かれる。したがって、風下側隔室232内の冷媒の大半は、風下側隔壁231の貫通孔234を通過することなく、排出口233に導かれて風下側集合タンク23内から排出される。すなわち、供給される冷媒の流量が比較的大きい場合は、隣り合う風下側隔室232,232間における冷媒の移動は比較的少なくなる。
図4及び図5は、冷媒蒸発器1に供給される冷媒の流量が比較的小さい場合の冷媒の流れを示している。このように冷媒の流量が比較的小さい場合、風下側分配タンク21から各風下側チューブ22aに分配される冷媒の流量が不均一となる傾向がある。詳述すると、まず、流入口21aから風下側分配タンク21内に流入する冷媒の流量が比較的小さい場合、風下側分配タンク21内の奥側まで冷媒が供給され難い。この結果、風下側コア部22の複数の風下側チューブ22aのうち、流入口21a近傍の風下側チューブ22aに流入する冷媒の流量に比べて、流入口21aから大きく離れた風下側チューブ22aに流入する冷媒の流量が小さなものとなる。
この場合、風下側チューブ22aの下端部22a1から流出して風下側集合タンク23の各風下側隔室232内に流入する冷媒の流量も、比較的小さなものとなる。したがって、この冷媒は、風下側集合タンク23内からスムーズに排出されることなく、風下側隔室232において滞留する。
このように滞留する冷媒の水位は、風下側隔室232ごとに差異が生じる。すなわち、図5に示されるように、流入口21a(図1,2参照)近傍の風下側チューブ22aから冷媒が流入する風下側隔室232ほど冷媒の水位が高く、流入口21aから大きく離れた風下側チューブ22aから冷媒が流入する風下側隔室232ほど冷媒の水位が低くなる。
隣り合う風下側隔室232,232間で冷媒の水位に差が生じるとともに、当該冷媒の水位が風下側隔壁231の貫通孔234の下端235を超えると、貫通孔234を介した冷媒の移動が生じる。すなわち、図5に示されるように、冷媒の水位が高い風下側隔室232から、冷媒の水位が低い風下側隔室232に冷媒が移動する。この結果、風下側集合タンク23の各風下側隔室232に滞留する冷媒の水位が均一化される。
風下側集合タンク23内の冷媒は、排出口233及び導入口133を介して風上側分配タンク13の各風上側隔室132に流入する。風下側集合タンク23内で冷媒の水位が均一化されたことから、各風上側隔室132に流入する冷媒の量も均一化されており、更に、各風上側隔室132内の冷媒は各風上側チューブ12aに分配される。すなわち、各風上側チューブ12aを流れる冷媒の分布は略均一なものとなる。
以上説明したように、この冷媒蒸発器1の構成によれば、風下側集合タンク23の各風下側隔室232内に至る冷媒の流量が比較的大きい場合は、冷媒は各風下側隔室232内で滞留することなく、風上側分配タンク13に供給される。このため、隣り合う風下側隔室232,232間の冷媒の移動は風下側隔壁231によって妨げられ、冷媒の分配が不均一となることを抑制することができる。
一方、風下側集合タンク23の各風下側隔室232内に至る冷媒の流量が比較的小さい場合は、冷媒は各風下側隔室232内で滞留するとともに、その水位が上昇する。一の風下側隔室232内の冷媒の水位が貫通孔234の下端235を超えると、当該冷媒は、一の風下側隔室232と隣り合う他の風下側隔室232内に移動し、冷媒が均一に分配される。
したがって、この構成によれば、供給される冷媒の流量によらず、風上側コア部12において冷媒の分布が不均一となることを抑制できる。
また、この冷媒蒸発器1では、風下側隔壁231は、Y方向に貫通する貫通孔234が形成されている
この構成によれば、供給される冷媒の流量が比較的大きい場合に、各風下側チューブ22aの下端部22a1から一の風下側隔室232に流入する冷媒を、貫通孔234の周囲を旋回するように流すことができる。これにより、一の風下側隔室232内の冷媒を、隣り合う他の風下側隔室232に移動することを抑制しながら、風上側分配タンク13に向けて排出することができる。
一方、供給される冷媒の流量が比較的小さい場合は、一の風下側隔室232内に滞留する冷媒を、貫通孔234を介して他の風下側隔室232内に移動させ、各風下側隔室232で滞留する冷媒の水位を更に均一化することができる。すなわち、この構成によれば、風上側コア部12において冷媒の分布が不均一となることを更に確実に抑制できる。
また、この冷媒蒸発器1では、風下側隔壁231と風上側隔壁131とは、Y方向において対応する位置に配置されている。
この構成によれば、風下側隔壁231によって区画形成される各風下側隔室232から、風上側隔壁131によって区画形成される各風上側隔室132に冷媒を供給する際に、冷媒のY方向の流速成分を大きく変更させることなく、冷媒を流すことが可能となる。したがって、各風下側隔室232内において、冷媒がY方向に流れて無為に各風上側隔室132,132間を移動してしまうことを抑制し、冷媒の分布が不均一となることを更に確実に抑制できる。
また、この冷媒蒸発器1では、風上側隔室132の数(6つ)は風下側隔室232の数(3つ)よりも多く、一の風下側隔室232は、複数(2つ)の風上側隔室132に冷媒を供給する。
この構成によれば、例えば風上側隔室132の数が風下側隔室232と同数の3つである場合に比べて、1つの風上側隔室132と連通する風上側チューブ12aの数が少なくなる。したがって、風上側隔室132から複数の風上側チューブ12aに冷媒を分配する際に、冷媒の分布が不均一となることを更に確実に抑制できる。
続いて、第1変形例に係る冷媒蒸発器1Aについて、図6を参照しながら説明する。図6は冷媒蒸発器1Aの断面を示しており、冷媒蒸発器1Aのうち、図1のIII−III断面と対応する断面を示している。この冷媒蒸発器1Aは、第1実施形態と同様に、車室内の温度を調整する車両用空調装置に搭載され、冷凍サイクルに用いられる。冷媒蒸発器1Aのうち、冷媒蒸発器1と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
まず、冷媒蒸発器1Aは、その配置の点で冷媒蒸発器1と異なる。すなわち、冷媒蒸発器1Aは、冷媒蒸発器1(図6では不図示)をY軸周りに所定角度回転させて傾斜させた状態で配置されている。このような傾斜配置により、排出口233は風下側集合タンク23の上端部寄りに位置している。
また、冷媒蒸発器1Aの構成は、その風上側隔壁231Aの貫通孔234Aの点で冷媒蒸発器1と異なる。すなわち、貫通孔234Aは、その断面が完全な円形状ではなく、円形の下部を欠損させた形状を呈している。これにより、貫通孔234Aの下端235Aは、略水平で直線状となっている。
このように、冷媒蒸発器1Aは、排出口233が風下側集合タンク23の上端部寄りに位置するように、風下側蒸発部20及び風上側蒸発部10がY軸の周りに所定角度回転して傾斜配置されている。これにより、風下側チューブ22aの下端部22a1から流出した冷媒を、優先的に風下側集合タンク23に集合させることができる。この結果、供給される冷媒の流量が比較的小さい場合に、風下側隔壁231Aの貫通孔234Aによって冷媒を移動させ、風下側集合タンク23内の各風下側隔室232に滞留する冷媒の水位をさらに均一化することが可能となる。
また、貫通孔234Aの下端235Aは、略水平に形成されている。これにより、風下側集合タンク23内の各風下側隔室232に滞留する冷媒の水位が下端235Aを超えた場合に、隣り合う風下側隔室232,232間における冷媒の移動を迅速に行わせることが可能となる。
続いて、第2変形例に係る冷媒蒸発器1Bについて、図7を参照しながら説明する。図7は冷媒蒸発器1Bの断面を示しており、冷媒蒸発器1Bのうち、図1のIII−III断面と対応する断面を示している。この冷媒蒸発器1Bは、前述した実施形態と同様に、車室内の温度を調整する車両用空調装置に搭載され、冷凍サイクルに用いられる。冷媒蒸発器1Bのうち、冷媒蒸発器1と同一の構成については適宜同一の符号を付して、説明を省略する。
まず、冷媒蒸発器1Bの構成は、その風下側集合タンク23Bの点で冷媒蒸発器1と異なる。すなわち、冷媒蒸発器1(図6では不図示)は、風下側集合タンク23内の容積は風上側分配タンク13内の容積と同程度であったのに対し、冷媒蒸発器1Bは、風下側集合タンク23B内の容積は風上側分配タンク13内の容積よりも大きくなるよう構成されている。詳細には、風下側集合タンク23Bの底面232Baを、風上側分配タンク13の底面132aよりも−Z方向に配置することで、風下側集合タンク23B内の容積を大きくしている。
このような冷媒蒸発器1Bによれば、風下側チューブ22aの下端部22a1から流出した冷媒を、優先的に風下側集合タンク23Bに集合させることができる。この結果、供給される冷媒の流量が比較的小さく、隣り合う風下側隔室232B,232B間で冷媒の水位に差が生じるとともに、当該冷媒の水位が風下側隔壁231Bの貫通孔234Bの下端235Bを超えた場合に、貫通孔234Bを介して冷媒を移動させることができる。この結果、風下側集合タンク23Bの各風下側隔室232B内に滞留する冷媒の水位を更に均一化することが可能となる。
続いて、第2実施形態に係る冷媒蒸発器1Cについて、図8及び図9を参照しながら説明する。この冷媒蒸発器1Cは、前述した実施形態と同様に、車室内の温度を調整する車両用空調装置に搭載され、冷凍サイクルに用いられる。冷媒蒸発器1Cのうち、冷媒蒸発器1と対応する構成については、適宜説明を省略する。
冷媒蒸発器1Cは、所謂ドロンカップ構造の熱交換器であり、複数のプレート60と、複数のフィン70と、をY方向に交互に積層することで構成されている。冷媒蒸発器1Cは、矢印X2で示される空気の流れ方向において対向する風上側蒸発部10C及び風下側蒸発部20Cを備えている。
図8に示されるように、各プレート60は、1つの第1プレート61と1つの第2プレート62とをY方向に重合させることで構成されている。第1プレート61及び第2プレート62は、いずれも凹凸が形成された金属板である。第1プレート61の形状は第2プレート62の形状とY方向に対称である。したがって、以下では、第2プレート62の形状について説明し、第1プレート61の形状については説明を省略する。
図9に示されるように、第2プレート62は、風上側チューブ12Ca及び風下側チューブ22Caを有している。風上側チューブ12Ca及び風下側チューブ22Caは、いずれも1枚の金属板をY方向に突出させることで形成されている。また、風上側チューブ12Ca及び風下側チューブ22Caは、その大部分が分離壁63によってX方向に互いに分離されているが、その下端部の近傍において排出口233C及び導入口133Cを介して互いに連通している。
また、第2プレート62の上部には、連通孔11Cb,21Cbが形成されている。連通孔11Cb,21Cbは、いずれも金属板をY方向に貫通する孔であり、分離壁63を挟んでX方向に互いに対向している。連通孔11Cbは風上側チューブ12Caと連通しており、連通孔21Caは風下側チューブ22Caと連通している。
また、第2プレート62の下部には、貫通孔234C(逸水部)が形成されている。貫通孔234Cは、金属板をY方向に貫通する孔であり、風下側チューブ22Caのうち底面232Ca寄りの部位に形成されている。
以上のように形成された第2プレート62と、当該第2プレート62と対称に形成された第1プレートとがY方向に重合されることで、各プレート60内には、Z方向に冷媒を流す流路として、風上側チューブ12Ca及び風下側チューブ22Caが形成される。風上側チューブ12Caは、複数のプレート60がフィン70を挟んでY方向に積層されることによって風上側コア部12Cを構成する。また、風下側チューブ22Caは、複数のプレート60がフィン70を挟んでY方向に積層されることによって風下側コア部22Cを構成する。
また、プレート60がY方向に積層されて隣り合うことによって、それらの連通孔11Cb,11Cbが互いに連通して風上側集合部11Cが形成され、それらの連通孔21Cb,21Cbが互いに連通して風下側分配部21Cが形成される。図8に示されるように、風上側集合部11Cの−Y方向側の端部には排出口11Caが形成されている排出口11Caは、図示しない圧縮機の吸入側に接続されている。また、風下側分配部21Cの−Y方向側の端部に流入口21Caが形成されている。流入口21Caには、図示しない膨張弁により減圧された低圧冷媒が流入する。
また、プレート60がY方向に積層されて隣り合うことによって、それらの下部には、風上側隔壁131Cによって区画形成される複数の風上側隔室132Cが形成される。風上側隔壁131Cは、突出形成された金属板の一部である。このような複数の風上側隔室132CがY方向に沿って配置されることで、風上側分配部13Cが形成される。
また、プレート60がY方向に積層されて隣り合うことによって、それらの貫通孔234C,234Cが互いに連通する。これにより、プレート60の下部には、風下側隔壁231Cによって区画されるとともに貫通孔234Cにおいて互いに連通する複数の風下側隔室232Cが形成される。風下側隔壁231Cは、突出形成された金属板の一部である。このような複数の風下側隔室232CがY方向に沿って配置されることで、風下側集合部23Cが形成される。
前述した風上側蒸発部10Cは、風上側集合部11C、風上側コア部12C及び風上側分配部13Cによって構成される。また、風下側蒸発部20Cは、風下側分配部21C、風下側コア部22C及び風下側分配部23Cによって構成される。
続いて、冷媒蒸発器1Cにおける冷媒の流れと、空気の冷却方法について説明する。図示されない膨張弁により減圧された冷媒は、図8に矢印ACで示されるように、流入口21Caから風下側分配部21C内に供給される。この冷媒は、風下側分配部21C内で分配され、各プレート60の風下側コア部22Cの風下側チューブ22Caに流入する。
各風下側チューブ22Caに流入した冷媒は、その内部を−Z方向に向かって流れる。このとき、各風下側チューブ22Ca内を流れる冷媒は、各風下側チューブ22Caの外部を矢印X2方向に流れる空気と、プレート60の壁面を介して熱交換を行う。これにより、冷媒の一部が蒸発して空気から熱を奪い、空気の冷却が行われる。
風下側コア部22Cの各風下側チューブ22Caを流れた冷媒は、風下側集合部23Cの各風下側隔室232C内に流入する。各風下側隔室232C内の冷媒は、排出口233Cを介して外部に排出される。
各排出口233Cから排出された冷媒は、風上側分配部13Cの各導入口133Cを介して各風上側隔室132C内に流入する。各風上側隔室132Cは1つの導入口133Cと連通しているため、1つの風下側隔室232Cから排出された冷媒は、1つの風上側隔室132Cに供給されることになる。
各風上側隔室132C内に流入した冷媒は、各風上側隔室132内をZ方向に向かって流れ、風上側コア部12Cに供給される。この冷媒は、風上側コア部12Cの各風上側チューブ12CaをZ方向に向かって流れる。
各風上側チューブ12Ca内を流れた冷媒は、風上側集合部11Cに集められる。風上側集合部11Cに集められた冷媒は、連通孔11Cbを介して排出口11aから排出され、図示されない圧縮機の吸入側に供給される。
このように構成された冷媒蒸発器1Cでは、供給される冷媒の流量が比較的少ない場合に、風下側隔室232C内において冷媒が滞留する。このように滞留する冷媒の水位は、風下側集合部23Cの各風下側隔室232Cごとに差異が生じ、流入口21Ca近傍の風下側チューブ22Caから冷媒が流入する風下側隔室232Cほど冷媒の水位が高く、流入口21Caから大きく離れた風下側チューブ22Caから冷媒が流入する風下側隔室232Cほど冷媒の水位が低くなる。
隣り合う風下側隔室232C,232C間で冷媒の水位に差が生じるとともに、当該冷媒の水位が風下側隔壁231Cの貫通孔234Cの下端235Cを超えると、貫通孔234Cを介した冷媒の移動が生じる。すなわち、冷媒の水位が高い風下側隔室232Cから、冷媒の水位が低い風下側隔室232Cに冷媒が移動する。この結果、風下側集合部23Cの各風下側隔室232C内に滞留する冷媒の水位が均一化される。この結果、風下側コア部22C及び風上側コア部12Cにおいて冷媒の分布が不均一となることを抑制できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
前述した第2変形例に係る冷媒蒸発器1Bでは、風下側集合タンク23B内の容積を風上側分配タンク13内の容積よりも大きくするために、風下側集合タンク23Bの底面232Baを、風上側分配タンク13の底面132aよりも−Z方向に配置しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1実施形態に係る冷媒蒸発器1の風下側集合タンク23に、風下側集合タンク23と連通するタンクを別途接続することで、風下側集合タンク23内の容量を実質的に大きくすることも可能である。
1,1A,1B,1C:冷媒蒸発器
10,10C:風上蒸発部(第2蒸発部)
11:風上側集合タンク(第2集合部)
11C:風上側集合部(第2集合部)
12,12C:風上側コア部(第2コア部)
12a,12Ca:風上側チューブ(第2チューブ)
13:風上側分配タンク(第2分配部)
13C:風上側分配部(第2分配部)
131,131C:風上側隔壁(第2隔壁)
132,132C:風上側隔室(第2隔室)
20,20C:風下側蒸発部(第1蒸発部)
21:風下側分配タンク(第1分配部)
21C:風下側分配部(第1分配部)
22,22C:風下側コア部(第1コア部)
22a,22Ca:風下側チューブ(第1チューブ)
23,23B:風下側集合タンク(第1集合部)
23C:風下側集合部(第1集合部)
231,231A,231B,231C:風下側隔壁(第1隔壁)
232,232B,232C:風下側隔室(第1隔室)
234,234A,234B,234C:貫通孔(逸水部)

Claims (8)

  1. 被冷却流体が流れる方向において互いに対向するように配置された第1蒸発部(20,20C)と第2蒸発部(10,10C)とを有し、被冷却流体と冷媒との間で熱交換を行う冷媒蒸発器(1,1A,1B,1C)であって、
    前記第1蒸発部は、
    冷媒を下方に向けて流す複数の第1チューブ(22a,22Ca)を第1方向に積層することで構成された第1コア部(22,22C)と、
    前記第1コア部の上方に配置され、前記第1方向に沿って冷媒を流すとともに、該冷媒を前記複数の第1チューブの上端部から流入させるように分配する第1分配部(21,21C)と、
    前記第1コア部の下方に配置され、前記複数の第1チューブの下端部から流出した冷媒を集める第1集合部(23,23B,23C)と、有し、
    前記第2蒸発部は、
    冷媒を上方に向けて流す複数の第2チューブ(12a,12Ca)を前記第1方向に積層することで構成された第2コア部(12,12C)と、
    前記第2コア部の下方に配置され、前記第1集合部から冷媒の供給を受けるとともに、該冷媒を前記複数の第2チューブの下端部から流入させるように分配する第2分配部(13,13C)と、
    前記第2コア部の上方に配置され、前記複数の第2チューブの上端部から流出した冷媒を集める第2集合部(11,11C)と、有し、
    前記第1集合部は、前記第1方向に沿って並ぶように互いに所定間隔を空けて配置された複数の第1隔壁(231,231A,231B,231C)と、該複数の第1隔壁によって区画形成された複数の第1隔室(232,232B,232C)とを有し、
    前記第2分配部は、前記第1方向に沿って並ぶように互いに所定間隔を空けて配置された複数の第2隔壁(131,131C)と、該複数の第2隔壁によって区画形成され、且つ互いに独立した空間として形成される複数の第2隔室(132,132C)とを有し、
    前記第1隔壁は、一の前記第1隔室の冷媒の水位が所定水位を超えた場合に、該冷媒を該一の前記第1隔室と隣り合う他の前記第1隔室に移動させる逸水部(234,234A,234B,234C)を有していることを特徴とする冷媒蒸発器。
  2. 前記第1隔壁は、前記第1方向に貫通する貫通孔(234,234A,234B,234C)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  3. 前記第1隔壁と前記第2隔壁とは、前記第1方向において対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  4. 前記第2隔室の数は前記第1隔室の数よりも多く、
    一の前記第1隔室は、複数の前記第2隔室に冷媒を供給することを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  5. 前記第1集合部は、冷媒を排出する排出口(233)を有し、
    前記排出口が前記第1集合部の上端部寄りに位置するように、前記第1蒸発部及び前記第2蒸発部が前記第1方向に延びる軸の周りに所定角度回転して傾斜配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  6. 前記第1隔壁(231A)は、前記第1方向に貫通する貫通孔(234A)が形成され、
    当該貫通孔の下端(235A)は、略水平に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の冷媒蒸発器。
  7. 前記第1集合部(23B)の容積は、前記第2分配部(13)の容積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
  8. 前記第1集合部の底面(232a,232Ba)は、前記第2分配部(132a)の底面よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の冷媒蒸発器。
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