JP6518631B2 - 非ガウス性振動制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、目標とする非ガウス性振動が供試体に与えられるように加振機を制御する振動制御装置に関するものである。
輸送中稼働中に被る振動による影響をシミュレートするため、供試体に所望の振動を与える振動試験が行われている。振動試験において、所望の振動となるように加振機を制御するのが振動制御装置である。
現実に加えられる振動を記録しておき、この振動を供試体に与えることができれば、正確な振動試験を行うことが可能である。しかし、実際の振動波形自体を記録し再現するためには、膨大な記録容量が必要であるため、一般的にはあまり用いられていない。
一方で、正弦波による振動を与える試験も行われている。この場合、正弦波を出力するだけであるから制御は容易であるが、現実に加えられる振動との乖離が大きすぎるという問題がある。
そこで、現実に加えられる振動の周波数特性(パワースペクトル密度)を算出し、当該目的とするパワースペクトル密度を有する振動を供試体に加えるランダム振動試験が行われている。
図25に、特許文献1に開示された従来のランダム振動試験のための振動制御装置を示す。加振機2自体も周波数特性を有するので、目標とするスペクトルを有する振動を与えたとしても、そのとおりの振動が供試体4には与えられない。したがって、振動制御装置により、供試体4の振動波形のスペクトル(応答スペクトル)が、目標スペクトルに等しくなるようにフィードバック制御を行っている。
加振機2に固定された供試体4は、加振機2によって振動させられる。供試体4の振動は、加速度センサ6によって検出され、A/D変換器8によってディジタル信号である応答信号とされる。PSD算出手段11は、応答信号をフーリエ変換し、応答PSDを算出する。
制御用PSD算出手段13は、目標PSDと応答PSDとを比較し、両者が等しくなるように制御用PSDを算出する。ドライブ信号生成手段15は、制御用PSDの各周波数成分にランダムな位相を与えて逆フーリエ変換を行い、ドライブ信号を生成する。D/A変換器10は、生成されたドライブ信号をアナログ信号に変換し、加振機2に与える。
以上のようにして、目標スペクトルを有する振動を供試体4に与えるよう制御することができる。
しかしながら、特許文献1の振動制御装置では、目標とするスペクトルを有する振動を供試体4に与えることはできるものの、その振動の確率密度分布は、図26Aの実線に示すようにガウス分布(正規分布)となる。つまり、図26Bに示すような振動波形となる。
しかし、現実の振動は、図26Cに示すように、ガウス分布と比べて大きな加速度や、下から上へ突き上げるような加速度が発生することが多い(トラックの振動の場合)。つまり、図26Aの破線で示すように、非ガウス分布となることが多い。にもかかわらず、特許文献1の振動制御装置では、非ガウス特性を有する振動を供試体に与えることはできなかった。
そこで、発明者らは、上記の問題を解決するため、既に特許文献2に記載の発明を行っている。なお、非ガウス振動は、クルトシス/尖度(図26Aの山の急峻さ)、スキューネス/歪度(図26Aの山の対称性)によって特徴付けられる。
図27に、特許文献2に開示された振動制御装置の構成を示す。センサ6によって検出された振動は、A/D変換器8によってディジタルデータとしての応答信号とされる。応答PSD算出手段20は、応答信号をフーリエ変換し応答PSDを算出する。
制御用PSD算出手段22は、目標PSDと応答PSDを比較し、両者が合致するように、制御用PSDを修正する。ガウス性波形生成手段26は、制御用PSDの各周波数成分に一様なランダム位相を与えて、ガウス性波形を生成する。変換手段28は、ZMNL関数(Zero-memory nonliner system関数)を用いて、ガウス性波形を、所望のクルトシス・スキューネスを持つ非ガウス性波形に変換する。
ドライブ信号生成手段40は、非ガウス性波形にて供試体6が振動するように、加振機2、供試体4を含む系の伝達特性を考慮して、ドライブ信号を生成する。すなわち、ドライブ信号生成手段40の波形制御手段32は、系の伝達関数の逆特性を制御特性として用い、生成された非ガウス性波形に基づいて、ドライブ信号を生成する。このドライブ信号は、D/A変換器16によってアナログのドライブ信号とされ、加振機2に与えられる。ドライブ信号生成手段40の制御特性更新手段34は、ドライブ信号と応答信号に基づいて、系の伝達特性を算出し、上記の制御特性を更新する。
以上のようにして、目標とするPSDを有し、目標とする非ガウス特性を有する振動を供試体4に与えることができる。
特開平8−068718 特許5420621
しかしながら、特許文献2の装置においては、ZMNL関数による変換によって、目標とする非ガウス特性を有する振動を得ることができるものの、ZMNL変換の際に、PSDが変動してしまうという問題があった。また、一般的に、クルトシスを3以下とした非ガウス性波形の生成は難しかった。
図28に、ZMNL変換によるPSDの変動を示す。特許文献2の装置では、応答信号をFFTして得た応答PSDが、目標PSDと等しくなるように、制御用PSDを算出している。この制御用PSDを逆FFTしてガウス性波形を生成し、さらに、このガウス性波形をZMNL変換して、非ガウス性波形としている。この非ガウス性波形にて供試体4を振動させるようにドライブ信号を生成している。
ここで、制御用PSDを逆FFTして得たガウス性波形は、当然のことであるが制御用PSDに示す周波数特性を持つ。このことにより、応答PSDが目標PSDと等しくなるようにフィードバック制御が上手く機能するのである。しかし、ガウス性波形をZMNL変換して得た非ガウス性波形のPSDは、図28に示すように、制御用PSDとは異なったものとなってしまう。
このように、フィードバックループの中にZMNL変換という非線形要素が入るため、フィードバック制御が適切に機能せず、図29に示すように、最終的に得られた応答PSDと目標PSDとの合致性が低いという問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決して、目標とする非ガウス特性を有しつつ、目標とするPSDを持った振動を与えることのできる振動制御装置を提供することを目的とする。
この発明の独立して適用可能ないくつかの特徴を以下に列挙する。
(1)この発明に係る振動制御装置は、供試体の振動を検出するセンサからの応答信号を周波数変換し、応答PSDを得る応答スペクトル算出手段と、応答PSDを目標PSDと比較し、応答PSDが目標PSDに等しくなるように制御用PSDを修正する制御用PSD算出手段と、制御用PSDにランダム位相を与えて逆周波数変換し、ガウス性波形を得るガウス性波形生成手段と、前記ガウス性波形を変換特性に基づいて変換し、第1非ガウス性波形に変換する変換手段と、前記第1非ガウス性波形を周波数変換し、各周波数成分の位相を非ガウス位相として算出する位相算出手段と、前記制御PSDに前記非ガウス位相を与えて逆周波数変換し、第2非ガウス性波形を得て、ドライブ信号を生成するドライブ信号生成手段とを備えている。
したがって、非線形要素があったとしても、目標PSDに合致し、しかも、所望の非ガウス特性を有する波形にて、供試体を振動させることができる。
(2)この発明に係る振動制御装置は、ドライブ信号生成手段が、前記制御PSDに前記非ガウス位相を与えて逆周波数変換し、第2非ガウス性波形を得る第2非ガウス性波形生成手段と、第2非ガウス性波形と応答信号とが等しくなるように、振動試験機および供試体を含む系の伝達特性の逆特性を制御特性として、第2非ガウス性波形を変形してドライブ信号を得るドライブ信号制御手段と、前記ドライブ信号と前記応答信号とに基づいて、前記伝達特性を算出し、前記制御特性を更新する制御特性更新手段とを備えている。
したがって、供試体の振動が第2非ガウス性波形に合致するように、より正確にドライブ信号を制御することができる。
(3)この発明に係る振動制御装置は、応答信号の非ガウス特性を応答非ガウス特性として算出する非ガウス特性算出手段と、応答非ガウス特性を目標非ガウス特性と比較し、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性と合致するように、前記変換特性を修正する変換特性修正手段とをさらに備えている。
したがって、より正確に、目標非ガウス特性を有する振動を供試体に与えるように制御することができる。
(4)この発明に係る振動制御装置は、供試体の振動を検出するセンサからの応答信号を周波数変換し、応答PSDを得る応答スペクトル算出手段と、応答PSDを目標PSDと比較し、応答PSDが目標PSDに等しくなるように制御用PSDを修正する制御用PSD算出手段と、制御用PSDにランダム位相を与えて逆周波数変換し、ガウス性波形を得るガウス性波形生成手段と、前記ガウス性波形を所定レベルでクリッピングするクリッピング手段と、前記クリッピング波形を周波数変換し、各周波数成分の位相をクリッピング位相として算出する位相算出手段と、前記制御PSDに前記クリッピング位相を与えて逆周波数変換し、修正クリッピング波形を得て、ドライブ信号を生成するドライブ信号生成手段とを備えている。
したがって、クリッピングした波形の非ガウス特性を維持しつつ、その周波数特性を変えることなく制御を行うことができる。
(5)この発明に係る振動制御装置は、ドライブ信号生成手段は、前記制御PSDに前記クリッピング位相を与えて逆周波数変換し、修正クリッピング波形を得る修正クリッピング波形生成手段と、修正クリッピング波形と応答信号とが等しくなるように、振動試験機および供試体を含む系の伝達特性の逆特性を制御特性として、修正クリッピング波形を変形してドライブ信号を得るドライブ信号制御手段と、前記ドライブ信号と前記応答信号とに基づいて、前記伝達特性を算出し、前記制御特性を更新する制御特性更新手段とを備えている。
したがって、供試体の振動が修正クリッピング波形に合致するように、より正確にドライブ信号を制御することができる。
(6)この発明に係る振動制御装置は、応答信号の非ガウス特性を応答非ガウス特性として算出する非ガウス特性算出手段と、応答非ガウス特性を目標非ガウス特性と比較し、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性と合致するように、前記クリッピングの所定レベルを修正するクリッピングレベル修正手段と備えている。
したがって、より正確に、クリッピングした波形と同等の目標非ガウス特性を有する振動を供試体に与えるように制御することができる。
「応答スペクトル算出手段」は、実施形態においては、ステップS2がこれに対応する。
「制御用PSD算出手段」は、実施形態においては、ステップS3がこれに対応する。
「ガウス性波形生成手段」は、実施形態においては、ステップS5がこれに対応する。
「変換手段」は、実施形態においては、ステップS6がこれに対応する。
「位相算出手段」は、実施形態においては、ステップS7がこれに対応する。
「ドライブ信号生成手段」は、実施形態においては、ステップS8〜S13がこれに対応する。
「第2非ガウス性波形生成手段」は、実施形態においては、ステップS9がこれに対応する。
「ドライブ信号制御手段」は、実施形態においては、ステップS13がこれに対応する。
「制御特性更新手段」は、実施形態においては、ステップS18がこれに対応する。
「非ガウス特性算出手段」は、実施形態においては、ステップS19やステップS53がこれに対応する。
「変換特性修正手段」は、実施形態においては、ステップS20がこれに対応する。
「クリッピング手段」は、実施形態においては、ステップS51がこれに対応する。
「修正クリッピング波形生成手段」は、実施形態においては、ステップS59がこれに対応する。
「クリッピングレベル修正手段」は、実施形態においては、ステップS54がこれに対応する。
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
この発明の一実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 振動制御装置のハードウエア構成である。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 目標PSD、応答PSD、制御用PSD、修正制御用PSDの関係を示す図である。 ZMNL関数の一例である。 位相抽出によって生成した波形と元の波形との、クルトシス、スキューネスの変化を表す図である。 1フレーム分の非ガウス性波形、窓関数、窓関数を乗じた後の非ガウス性波形を示す図である。 窓関数を乗じた非ガウス性波形をずらしながら重畳させる処理を説明するための図である。 非ガウス性波形からの1フレーム分の波形の取り出しを示す図である。 第2の実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 制御プログラム66のフローチャートである。 第3の実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 第4の実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 制御プログラム66のフローチャートである。 他の実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 他の実施形態による振動制御装置の機能ブロック図である。 従来の振動制御装置を示す図である。 従来のクリッピング処理を行う振動制御装置を示す図である。 ガウス性波形と非ガウス性波形を示す図である。 従来の非ガウス性振動を制御する振動制御装置を示す図である。 ガウス性振動を非ガウス性振動に変換した際に生じるPSDの変化を示す図である。 図27の装置における、目標PSDと応答PSDを示す図である。
1.第1の実施形態
1.1全体構成
図1に、この発明の一実施形態による振動制御装置の全体構成を示す。加振機2は、D/A変換されたドライブ信号を受けて、供試体4を振動させる。加速度センサ6は、供試体の振動を検出し、応答信号として出力する。A/D変換器8は、応答信号をディジタルに変換する。応答PSD算出手段20は、応答信号をフーリエ変換(FFT)し、その周波数特性として応答PSD(パワースペクトル密度)を算出する。
制御用PSD算出手段22は、応答PSDが目標PSDと合致するかどうかを判断し、両者が合致するように、制御用PSDを修正する。つまり、フィードバック制御を行う。
ガウス性波形生成手段26は、制御用PSDにランダムな位相を与えて、逆フーリエ変換(逆FFT)し、ガウス性波形を生成する。変換手段28は、ZMNL関数などを用いて、ガウス性波形を所望の特性を有する非ガウス性波形に変換する。
位相算出手段36は、生成された非ガウス性波形をフーリエ変換し、各周波数の位相を抽出する。第2非ガウス性波形生成手段38は、制御用PSDに、抽出した位相を与えて、逆フーリエ変換し、第2非ガウス性波形を生成する。
波形制御手段32は、加振機2、供試体4を含む系の伝達関数を考慮した制御特性にしたがい、供試体4が第2非ガウス性波形にて振動するように、ドライブ信号を算出し出力する。
D/A変換器16は、ディジタルデータのドライブ信号を、アナログ信号に変換する。このドライブ信号は、増幅器(図示せず)を介して、加振機2に与えられる。
なお、制御特性更新手段34は、ドライブ信号と応答信号の周波数特性を比較し、系の伝達関数を算出し、制御特性を更新する。波形制御手段32は、更新された制御特性にしたがって、第2非ガウス性波形をドライブ信号に変換する。
なお、この実施形態では、第2非ガウス性波形生成手段38、波形制御手段32、制御特性更新手段34によって、ドライブ信号生成手段40が構成されている。
以上のようにして、所望の非ガウス特性を有する振動を、供試体4に与えることができる。
1.2ハードウエア構成
図2に、ハードウエア構成を示す。加振機2は、供試体4を載置して固定するためのステージ(図示せず)を有している。加振機2は、このステージを振動させる。また、この振動を検出するための加速度センサ6が設けられている。
CPU50には、メモリ52、タッチスクリーン・ディスプレイ54、不揮発性メモリ56、D/A変換器58、A/D変換器62が設けられている。なお、加振機2に対する出力は、D/A変換器58、アンプ60を介して、アナログ信号として加振機2に与えられる。また、加速度センサ6からの入力は、A/D変換器62を介して、ディジタルデータとして取り込まれる。
不揮発性メモリ56には、オペレーティングシステム64、制御プログラム66が記録されている。制御プログラム66は、オペレーティングシステム64と協働してその機能を発揮するものである。
1.3振動制御処理
図3〜5に、制御プログラム52のフローチャートを示す。以下では、図6Aに示すような目標PSDを有する振動であって、非ガウス特性として所定の尖度K(たとえば5.0)、歪度S(たとえば0.5)を有する振動を、供試体4に与える場合の制御について説明する。なお、ここで、尖度Kとは、図26Aに示す、振幅の統計的な分布における突出度である。歪度Sとは、正側と負側のいずれに偏った振動であるかを示す指標である。これらの設定値は、ユーザによってタッチスクリーン・ディスプレイ54などから入力され、不揮発性メモリ56に記録されている。
CPU50は、A/D変換器62を介して、加速度センサ6からの応答信号を所定時間分(1フレームと呼ぶ)取得する(ステップS1)。さらに、CPU50は、この応答信号をフーリエ変換(FFT)し、応答PSDを算出する(ステップS2)。算出された応答PSDの例を、図6Bに示す。なお、この実施形態では、1フレーム分の応答波形について応答PSDを算出したが、過去の所定フレーム分の応答波形について応答PSDを算出するようにしてもよい。
続いて、CPU50は、応答PSDと目標PSDを比較し、両者が合致するように制御用PSDを修正する(ステップS3)。たとえば、現在の制御用PSDが、図6Cに示すようであったとする。つまり、この制御用PSDに基づいて生成した振動にて加振機2を動作させた時の、応答PSDが図6Bのようになったということである。
図6Bに示す応答PSDは、目標PSDと合致していない部分がある。CPU50は、各周波数成分(ラインという)ごとに、その大小を比較する。各周波数成分ごとに、応答PSDが目標PSDを下回っていれば、制御用PSDを大きくし、応答PSDが目標PSDを上回っていれば、制御用PSDを小さくする。CPU50は、このような修正を施して、図6Dに示すように、新たな制御用PSDを得る。
次に、CPU50は、生成した制御用PSDの各周波数成分にランダムな位相を与え(ステップS4)、逆フーリエ変換(逆FFT)を行う(ステップS5)。これにより、当該制御用PSDを有する1フレーム分のガウス性波形を得ることができる。ガウス性波形は、図26Aに示すような確率分布を持ち、尖度(クルトシス)Kが3.0、スキューネス(歪度)Sが0である。
目標として設定されている尖度Kは5.0、歪度Sは0.5であり、非ガウス性波形である。そこで、CPU50は、図7に示すようなZMNL(Zero-memory nonliner system関数)を用いて、得られたガウス性波形を変換し、所望の非ガウス特性を有する波形に変換する(ステップS6)。
図7において、横軸は与えられた信号であり、縦軸は出力信号である。ガウス性波形x(t)を、このZMNL関数によって変換すると、非ガウス性ランダム信号y(t)が得られる。
ZMNL関数には、さまざまな手法があるが、ここでは一例を示す。ZMNL関数を数式で表すと、数1のとおりである。
Figure 0006518631
xがガウス性信号、yが得られる非ガウス性信号である。各係数の詳細は、数2に示すとおりである。
Figure 0006518631
上式におけるスキューネスS、クルトシスKに目標スキューネス、目標クルトシスの値を代入することにより、変換によって所望の非ガウス性ランダム波形を生成することのできるZMNL関数を得ることができる。
なお、上式では、2.8より小さい目標クルトシスを設定することができない。そこで、数3のような関数を用いるようにしてもよい。
Figure 0006518631
係数Cnは、数4に示す誤差変数εを最小にする最適化問題を解くことにより決定することができる。
Figure 0006518631
以上のようにして得られた非ガウス性波形は、メモリ52に記録される。なお、前述のように、このようにして得られた非ガウス性波形は、目標スキューネス、目標クルトシスを有するものとなっているが、変換により、本来の制御用PSDとは異なったPSDとなってしまっている。
そこで、この実施形態では、次のような処理を行うことで、制御用PSDを維持しつつ、目標とする非ガウス特性に近い特性の波形を得るようにしている。
CPU50は、この非ガウス性波形をFFTし、位相の周波数特性(非ガウス位相)を算出する(ステップS7)。したがって、周波数f1〜fnごとの位相φ1〜φnが以下のように算出されることになる。
f1:φ1
f2:φ2
f3:φ3
・ ・
fn:φn。
次に、CPU50は、ステップS3において算出した制御用PSDの各周波数成分P1〜pnに、算出した非ガウス位相φ1〜φnを与え(ステップS8)、逆FFTを行う(ステップS9)。このようにして、第2非ガウス性波形を生成する。この第2非ガウス性波形の周波数特性は、当然のことであるが、制御用PSDに合致する。なお、クルトシス(尖度)K、スキューネス(歪度)Sは、目標値からずれるが、非ガウス特性は失われない。
図8Aに、シミュレーションによって算出した、クルトシスKの変化を示す。横軸が、ステップS6によって生成した非ガウス性波形のクルトシス、つまり目標クルトシスである。縦軸が、上記のステップS7〜S9の処理によって生成した第2非ガウス性波形のクルトシスである。
図8Bに、シミュレーションによって算出した、スキューネスSの変化を示す。横軸が、ステップS6によって生成した非ガウス性波形のスキューネス、つまり目標スキューネスである。縦軸が、上記のステップS7〜S9の処理によって生成した第2非ガウス性波形のスキューネスである。
このように、クルトシス、スキューネス共に、その変化には規則性(一次関数)が見られる。したがって、この変化を見越して、ZMNL関数による変換によって生成する非ガウス性波形のクルトシス、スキューネスを設定し、第2非ガウス性波形のクルトシス、スキューネスが目標値となるようにすればよい。
たとえば、目標クルトシスを10、目標スキューネスを0.8とするのであれば、クルトシスが32、スキューネスが2.0となるように、ZMNL変換を行うとよい。この実施形態では、図8A、図8Bに示す関係をテーブルまたは数式として不揮発性メモリ56に記録している。
以上のようにして、制御用PSDにランダム位相を与え、逆FFTを行って得たガウス性波形をZMNL変換し、非ガウス性波形を得て、非ガウス性波形の位相と制御用PSDに基づいて、1フレーム分の第2非ガウス性波形を得ることができる。
ここで、制御ループが遅かったり、窓関数による重ね合わせ処理をする場合には、制御用PSDから1フレーム分の第2非ガウス性波形を生成しただけでは、制御が間に合わなくなる。そこで、この実施形態では、1つの制御用PSDから複数フレーム分(この実施形態では2フレーム分)の第2非ガウス性波形を生成するようにしている。つまり、ステップS4〜S9をもう一度繰り返して実行するようにしている。なお、ステップS4において与える位相はランダムであって、毎回異なる位相であるので、異なった波形となる。
CPU50は、このようにして生成した複数フレームの第2非ガウス性波形に、窓関数を乗じる(ステップS10)。この処理を、図9A〜Cに示す。図9Aは、1フレーム分の第2非ガウス性波形である。図9Bは、窓関数の例である。1フレームの中央部分が「1(−1)」、両端が「0」となる関数である。しかも、フレームの半分だけずらしてこの窓関数を重ねると、いずれの時点でも合計値が「1」になるような関数となっている。このような関数としては、たとえば、ハニング・ウインドウなどが知られている。
図9Cは、窓関数を乗じた後の第2非ガウス性波形である。両端部が「0」になっていることがわかる。これにより、接続部分において余分な周波数成分をもたらさないようにしている。
次に、CPU50は、図10A、10B、10Cに示すように、窓関数を乗じた第2非ガウス性波形を、1/2フレームずつずらしながら重ね合わせる(ステップS11)。これにより、図10Dに示すように、連続した第2非ガウス性波形を得る。
続いて、CPU50は、この連続した第2非ガウス性波形の1フレーム分を取り出す(ステップS12)。ただし、取り出す位置は、1フレームではなく、1/2フレームだけずらす。したがって、取り出された波形は、図11B、図11C、図11Dに示すように、前回取り出した波形と1/2フレーム分だけ重畳した状態となっている。
CPU50は、取り出した1フレーム分の第2非ガウス性波形に、制御特性を乗じてドライブ信号を生成する(ステップS13)。この実施形態では、制御特性として、加振機2、供試体4を含む系の伝達関数の逆特性を用いている。つまり、第2非ガウス性波形にて供試体4を振動させるためには、第2非ガウス性波形に伝達関数の逆特性を乗じた波形をドライブ信号として与えることで、これを実現できるからである。
CPU50は、このようにして得たドライブ信号に、前記の窓関数を乗じて、1/2フレームずらした状態で重ね合わせる(ステップS15)。このようにして連続したドライブ信号を得て、これを出力する(ステップS16)。
次に、CPU50は、加速度センサ6からの応答波形を取得する(ステップS17)。与えたドライブ信号と応答波形に基づいて、系の伝達関数を算出し、制御特性を更新する(ステップS18)。この制御特性は、次のドライブ信号生成の際に用いられることになる。
CPU50は、以上の処理を繰り返し、所望の非ガウス特性、PSDを有する振動を、供試体4に与えることができる。
1.4その他
(1)上記実施形態においてはZMNL変換を用いたが、他の変換方式を用いるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ステップS11、S15において、1/2フレームずらして重ね合わせるようにしている。しかし、1/nフレームずらして重ね合わせるようにしてもよい(nは任意の整数)。
(3)上記実施形態では、非ガウス特性としてクルトシス、スキューネスを制御するようにしている。しかし、いずれか一方のみを制御するようにしてもよい。また、他の特性を制御するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、系の伝達関数の逆特性を制御特性として用いている。しかし、その他の特性、たとえばインパルス応答などを制御特性として用いるようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、ドライブ信号生成時の制御特性を更新してフィードバックするようにしている。しかし、予め定めた制御特性を更新せずにそのまま用いるようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、加振機2によって一方向に加振するための振動制御装置について説明した。しかし、複数方向に加振する多軸振動制御装置についても同様に適用することができる。
(6)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態と組み合わせて実施可能である。
2.第2の実施形態
2.1全体構成
図12に、第2の実施形態による振動制御装置の全体構成を示す。第1の実施形態では、第2非ガウス性波形生成手段38によって生成される第2非ガウス性波形の非ガウス特性の変化を、予め算出しておき、これに基づいて変換手段28によるZMNL変換を行うようにしていた。
第2の実施形態では、応答信号の非ガウス特性を解析し、これが目標非ガウス特性と等しくなるように、変換手段28において用いる変換特性を修正するようにしている。
図12において、基本的な構成は図1と同様である。非ガウス特性算出手段42は、応答信号の非ガウス特性(応答非ガウス特性)を算出する。変換特性修正手段44は、目標非ガウス特性と応答非ガウス特性を比較し、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性に近づくように、変換特性を修正する。変換手段28は、修正された変換特性により、ガウス性波形を非ガウス性波形に変換する。
したがって、フィードバック制御により、目標非ガウス特性に合致する特性を有する振動にて、供試体4を振動させることができる。
2.2ハードウエア構成
ハードウエア構成は、図2と同様である。
2.3振動制御処理
制御プログラム52のフローチャートは、図3〜5と基本的に同様である。ただし、ステップS18の後に、図13に示すように、ZMNL変換の変換特性を修正するための処理を行うようにしている。
ステップS18において制御特性を更新した後、CPU50は、応答信号のクルトシス(応答クルトシス)Kr、スキューネス(応答スキューネス)Srを算出する(ステップS19)。次に、CPU50は、目標クルトシスKtと応答クルトシスKrを比較し、両者が合致するように、ステップS6における制御特性を修正する。
具体的には、目標クルトシスKtよりも応答クルトシスKrが小さければ(大きければ)、ステップS6において生成する非ガウス性波形のクルトシス(制御クルトシス)を大きく(小さく)する。
また、絶対値において、目標スキューネスStよりも応答スキューネスSrが小さければ(大きければ)、ステップS6において生成する非ガウス性波形のスキューネス(制御スキューネス)を大きく(小さく)する。
上記のようなフィードバック制御により、目標クルトシスKt、目標スキューネスStを持つ振動にて、供試体4を振動させることができる。
2.4その他
上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態と組み合わせて実施可能である。
3.第3の実施形態
3.1全体構成
図14に、第3の実施形態による振動制御装置の全体構成を示す。この実施形態では、非ガウス特性の制御を、波形のクリッピングに応用している。
波形のクリッピングは、所定値以上の振幅が供試体4に与えられないように振幅を制限する制御である。これにより、加振機2や供試体4に限界以上の振動が加えられることなく、加振機2や供試体4を保護することができる。
しかし、その一方で、波形をクリッピングするとそのPSDが変化してしまい、フィードバック制御がうまく機能しないこととなる。
この実施形態では、クリッピングしたガウス性波形をそのまま用いるのではなく、その位相の周波数特性を抽出し、これを制御用PSDに与えて逆FFTを行い、修正クリッピング波形として用いるようにしている。これにより、制御用PSDに合致し、クリッピングした波形と同じ非ガウス特性を有する波形を制御に用いることができる。クリッピングした波形と同じ非ガウス特性を有する波形は、完全にクリッピングされているわけではないが、非ガウス特性が同じであることから、実質的にクリッピングされた波形と同等であるということができる。
加振機2は、D/A変換されたドライブ信号を受けて、供試体4を振動させる。加速度センサ6は、供試体の振動を検出し、応答信号として出力する。A/D変換器8は、応答信号をディジタルに変換する。応答PSD算出手段20は、応答信号をフーリエ変換(FFT)し、その周波数特性として応答PSD(パワースペクトル密度)を算出する。
制御用PSD算出手段22は、応答PSDが目標PSDと合致するかどうかを判断し、両者が合致するように、制御用PSDを修正する。つまり、フィードバック制御を行う。
ガウス性波形生成手段26は、制御用PSDにランダムな位相を与えて、逆フーリエ変換(逆FFT)し、ガウス性波形を生成する。クリッピング手段28は、ガウス性波形を所定レベルでクリッピングし、クリッピング波形を生成する。このクリッピング波形は、非ガウス特性を有することになる。
位相算出手段36は、生成されたクリッピング波形をフーリエ変換し、各周波数の位相を抽出する。修正クリッピング波形生成手段38は、制御用PSDに、抽出した位相を与えて、逆フーリエ変換し、修正クリッピング波形を生成する。
波形制御手段32は、加振機2、供試体4を含む系の伝達関数を考慮した制御特性にしたがい、供試体4が修正クリッピング波形にて振動するように、ドライブ信号を算出し出力する。
D/A変換器16は、ディジタルデータのドライブ信号を、アナログ信号に変換する。このドライブ信号は、増幅器(図示せず)を介して、加振機2に与えられる。
なお、制御特性更新手段34は、ドライブ信号と応答信号の周波数特性(ドライブPSD、応答PSD)を比較し、系の伝達関数を算出し、制御特性を更新する。波形制御手段32は、更新された制御特性にしたがって、修正クリッピング波形をドライブ信号に変換する。
非ガウス特性算出手段42は、応答信号の非ガウス特性(応答非ガウス特性)を算出する。変換特性修正手段44は、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性に近づくように、クリッピングのレベルなどを修正する。
以上のようにして、所望のクリッピング波形と同じ非ガウス特性を有する振動を、供試体4に与えることができる。
3.2ハードウエア構成
ハードウエア構成は、図2と同様である。
3.3振動制御処理
図15〜18に、制御プログラム52のフローチャートを示す。ステップS1〜S5までは、図3と同様の処理を行う。CPU50は、ステップS51において、制御用PSDから生成したガウス性波形を、与えられた所定レベルでクリッピングする。クリッピングされた波形は、非ガウス特性を持つことになる。CPU50は、クリッピング波形のクルトシスを算出し、目標クルトシスKtとする(ステップS52)。なお、目標クルトシスKtは、最初に1回だけ算出して記録し、2回目以降の繰り返し時には更新しない。
次に、CPU50は、FFTにより、クリッピング波形の位相の周波数特性を算出する(ステップS7)。さらに、制御用PSDに位相を与えて、逆FFTを行い、修正クリッピング波形を生成する(ステップS59)。
以上のようにして、複数フレームの修正クリッピング波形を得る。CPU50は、修正クリッピング波形に窓関数を乗じて、ずらしながら重畳し、連続した修正クリッピング波形を得る(ステップS10、S11)。
以下、図17(図5と同様である)に示すように、修正クリッピング波形にて供試体4を振動させる(ステップS12〜S18)。
さらに、CPU50は、応答信号のクルトシス(応答クルトシス)Krを算出する(ステップS53)。この応答クルトシスKrが、目標クルトシスKtよりも小さければ(大きければ)、クリッピングレベルを上げる(下げる)(ステップS54)。したがって、次のクリッピングからは、修正されたレベルにしたがってクリッピングを行う。
このようにして、クリッピングされた波形の非ガウス特性と同じ非ガウス特性を持つ振動を供試体4に与えるように制御することができる。
3.4その他
(1)上記実施形態では、クリッピング波形の制御に適用した例を示した。しかし、クリッピングを行うことにより、クルトシスを3以下とすることができる。したがって、このような性質を利用して、積極的にクルトシスが3以下となるような非ガウス性波形の制御を行うこともできる。
(2)上記実施形態では、応答信号のクルトシスが目標クルトシスに合致するようにクリッピングレベルを修正してフィードバック制御を行っている。しかし、クリッピングレベル以外の要素を修正してフィードバック制御を行うようにしてもよい。
たとえば、クリッピングを行った波形の非ガウス特性を目標非ガウス特性として算出した後は、この目標非ガウス特性になるように、第1の実施形態、第2の実施形態の制御を行うようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、応答信号のクルトシスが目標クルトシスに合致するようにクリッピングレベルを修正してフィードバック制御を行っている。しかし、クリッピングレベルとクルトシスとの関係を予め算出しておき、この関係に基づいて、所望のクルトシスとなるようなクリッピングレベルを決定するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、修正クリッピング波形を得た後は、当該修正クリッピング波形にて供試体4が振動するように、制御特性を考慮してドライブ信号を生成している。しかし、制御特性更新手段34、ドライブ信号制御手段32を設けずに、修正クリッピング波形を、連続化(窓関数を乗じてずらしながら重ね合わせる)してドライブ信号を得るようにしてもよい。この場合であっても、フードバック制御により、応答PSDが目標PSDに合致するように制御が行われる。
(5)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態と組み合わせて実施可能である。
4.第4の実施形態
4.1全体構成
第3の実施形態では、応答信号の非ガウス特性が、目標非ガウス特性に合致するように、クリッピングレベルを制御するようにしていた。したがって、主として、供試体4を保護するために、振動を制限するものであった。
これに対し、第4の実施形態では、ドライブ信号の非ガウス特性を、目標非ガウス特性に合致するように、クリッピングレベルを制御するものである。したがって、第4の実施形態は、主として、加振機2を保護するために、振動を制限するものである。
ここで、図25に示す従来の振動制御装置について、そのドライブ信号をクリッピングする方式を、図25aに示す。生成されたドライブ信号について、クリッピング手段28により、クリッピングが行われている。したがって、実際に、加振機2に与えられる信号は、クリッピングされたものとなる。
ただし、図25aにしめすようなクリッピング方式では、加振機2に与えられる信号が、制御用PSDとは異なったものとなってしまい、応答PSDが目標PSDに合致しなくなるという問題があった。第4の実施形態は、この問題を解決するものである。
図19に、第4の実施形態の振動制御装置の全体構成を示す。加振機2は、D/A変換されたドライブ信号を受けて、供試体4を振動させる。加速度センサ6は、供試体の振動を検出し、応答信号として出力する。A/D変換器8は、応答信号をディジタルに変換する。応答PSD算出手段20は、応答信号をフーリエ変換(FFT)し、その周波数特性として応答PSD(パワースペクトル密度)を算出する。
制御用PSD算出手段22は、応答PSDが目標PSDと合致するかどうかを判断し、両者が合致するように、制御用PSDを修正する。つまり、フィードバック制御を行う。
ドライブ信号生成手段15は、制御用PSDにランダムな位相を与えて、逆フーリエ変換(逆FFT)し、ドライブ信号を生成する。仮に、このドライブ信号を、連続化して加振機2に与えれば、図25に示す従来の装置と同様の動作となる。
この実施形態では、このドライブ信号をクリッピングするようにしている。クリッピング手段28は、ドライブ信号を所定レベルでクリッピングし、クリッピング波形を生成する。このクリッピング波形は、非ガウス特性を有することになる。
位相算出手段36は、生成されたクリッピング波形をフーリエ変換し、各周波数の位相を抽出する。修正クリッピング波形生成手段38は、制御用PSDに、抽出した位相を与えて、逆フーリエ変換し、修正クリッピング波形を生成する。
連続化手段52は、複数フレーム分の修正クリッピング波形に、窓関数を乗じ、ずらしながら重ね合わせて、連続化する。
D/A変換器16は、ディジタルデータのドライブ信号を、アナログ信号に変換する。このドライブ信号は、増幅器(図示せず)を介して、加振機2に与えられる。
非ガウス特性算出手段42は、応答信号の非ガウス特性(応答非ガウス特性)を算出する。変換特性修正手段44は、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性に近づくように、クリッピングのレベルなどを修正する。
以上のようにして、所望のクリッピング波形と同じ非ガウス特性を有するドライブ信号を、加振機2に与えることができる。
4.2ハードウエア構成
ハードウエア構成は、図2と同様である。
4.3振動制御処理
図20〜22に、制御プログラム52のフローチャートを示す。ステップS1〜S11までは、実質的に、図15、図16のステップS1〜S11と同じ処理である。ただし、図15のステップS5と、図20のステップS5において行われる処理は同様のものであるが、図20のステップS5においては、ドライブ信号として使うことを想定されたものであるので、ドライブ信号と呼んでいる。
CPU50は、ステップS51において、制御用PSDから生成したドライブ信号を、与えられた所定レベルでクリッピングする。クリッピングされた波形は、非ガウス特性を持つことになる。CPU50は、クリッピング波形のクルトシスを算出し、目標クルトシスKtとする(ステップS52)。なお、目標クルトシスKtは、最初に1回だけ算出して記録し、2回目以降の繰り返し時には更新しない。
次に、CPU50は、FFTにより、クリッピング波形の位相の周波数特性を算出する(ステップS7)。さらに、制御用PSDに位相を与えて、逆FFTを行い、修正クリッピング波形を生成する(ステップS59)。
以上のようにして、複数フレームの修正クリッピング波形を得る。CPU50は、修正クリッピング波形に窓関数を乗じて、ずらしながら重畳し、連続したクリッピングドライブ信号を得る(ステップS10、S11)。
CPU50は、このクリッピングドライブ信号をD/A変換器16に出力する(ステップS16)。これにより、ドライブ信号にて加振機2が駆動される。
さらに、CPU50は、ドライブ信号のクルトシス(応答クルトシス)Kdを算出する(ステップS55)。このドライブクルトシスKdが、目標クルトシスKtよりも小さければ(大きければ)、クリッピングレベルを上げる(下げる)(ステップS54)。したがって、次のクリッピングからは、修正されたレベルにしたがってクリッピングを行う。
このようにして、クリッピングされたドライブ信号の非ガウス特性と同じ非ガウス特性を持つドライブ信号を加振機2に与えることができる。
4.4その他
(1)上記実施形態では、ドライブ信号のクリッピング処理に適用した例を示した。クリッピングを行うことにより、クルトシスを3以下とすることができる。したがって、このような性質を利用して、積極的にクルトシスが3以下となるような非ガウス性波形の制御を行うこともできる。
(2)上記実施形態では、ドライブ信号のクルトシスが目標クルトシスに合致するようにクリッピングレベルを修正してフィードバック制御を行っている。しかし、クリッピングレベル以外の要素を修正してフィードバック制御を行うようにしてもよい。
たとえば、クリッピングを行った波形の非ガウス特性を目標非ガウス特性として算出した後は、この目標非ガウス特性になるように、第1の実施形態、第2の実施形態の制御を行うようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、ドライブ信号のクルトシスが目標クルトシスに合致するようにクリッピングレベルを修正してフィードバック制御を行っている。しかし、クリッピングレベルとクルトシスとの関係を予め算出しておき、この関係に基づいて、所望のクルトシスとなるようなクリッピングレベルを決定するようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、制御用PSDから複数フレームのドライブ信号を生成し、各フレームのドライブ信号をクリッピングした後に、連続化を行っている。所定レベルによるクリッピングを行う場合には、これでよいが、RMS値を基準として定めたレベル(たとえば、RMS値の60%など)によりクリッピングを行う場合には、1フレームのRMS値ではなく複数フレーム分のRMS値を用いた方が好ましい。
この場合には、ドライブ信号生成手段15において、複数フレームのドライブ信号を連続化し、これに対してクリッピング処理を行うようにすればよい。この場合、連続化したドライブ信号から、一部重畳するように1フレーム分のドライブ信号を取り出し、クリッピング処理を行った後、連続化を行うようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、加振機2や供試体4を含む系の伝達特性を考慮せずに、制御用PSDを生成してフィードバック制御を行うようにしている。しかし、図23に示すように、系の制御特性を考慮してフィードバック制御を行う場合にも、この実施形態によるクリッピング処理を適用することができる。
図23において、ドライブ信号生成手段15は、制御用PSDを系の伝達特性を考慮した制御特性によって修正し、修正した制御用PSDに基づいてドライブ信号(連続したドライブ信号)を生成している。系の伝達特性は、信号の大きさなどによって一定ではないため、伝達特性を考慮したフィードバックを行うことにより、安定した処理を行うことができる。
このようにフィードバック制御において系の伝達関数を考慮した制御を行う場合には、ドライブ信号のPSDは制御PSDと異なったものとなる。したがって、修正クリッピング波形生成手段38においては、制御用PSDを用いるのではなく、ドライブ信号PSD算出手段50によって、ドライブ信号のPSD(ドライブPSD)を算出し、これを用いるようにする。
さらに、上記伝達特性を用いて、ガウス性波形どおりの振動を供試体4に与えるために、波形制御を行ってドライブ信号を生成する場合にも、上記のクリッピング処理を適用することができる。この場合の、全体構成図を図24に示す。
ガウス性波形生成手段26は、系の伝達特性を考慮せずに、ガウス性波形(非ガウス性波形でもよい)を生成する。ドライブ信号生成手段40は、このガウス性波形にて供試体4が振動するように、系の伝達特性を考慮した制御特性を用いてドライブ信号(連続したドライブ信号)を生成する。このドライブ信号に対する処理は、図23と同じである。
以上のように、どのようなドライブ信号を用いるかに関係なく、この実施形態によるクリッピング処理を用いることができる。
(6)上記実施形態および変形例は、その本質に反しない限り、他の実施形態と組み合わせて実施可能である。

Claims (8)

  1. 供試体の振動を検出するセンサからの応答信号を周波数変換し、応答PSDを得る応答スペクトル算出手段と、
    応答PSDを目標PSDと比較し、応答PSDが目標PSDに等しくなるように制御用PSDを修正する制御用PSD算出手段と、
    制御用PSDにランダム位相を与えて逆周波数変換し、ガウス性波形を得るガウス性波形生成手段と、
    前記ガウス性波形を変換特性に基づいて変換し、第1非ガウス性波形に変換する変換手段と、
    前記第1非ガウス性波形を周波数変換し、各周波数成分の位相を非ガウス位相として算出する位相算出手段と、
    前記制御PSDに前記非ガウス位相を与えて逆周波数変換し、第2非ガウス性波形を得て、ドライブ信号を生成するドライブ信号生成手段と、
    を備えた振動制御装置。
  2. 請求項1の振動制御装置において、
    前記ドライブ信号生成手段は、
    第2非ガウス性波形と応答信号とが等しくなるように、振動試験機および供試体を含む系の伝達特性の逆特性を制御特性として、第2非ガウス性波形を変形してドライブ信号を得るドライブ信号制御手段と、
    前記ドライブ信号と前記応答信号とに基づいて、前記伝達特性を算出し、前記制御特性を更新する制御特性更新手段と、
    を備えていることを特徴とする振動制御装置。
  3. 請求項1または2の振動制御装置において、
    前記応答信号の非ガウス特性を応答非ガウス特性として算出する非ガウス特性算出手段と、
    応答非ガウス特性を目標非ガウス特性と比較し、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性と合致するように、前記変換特性を修正する変換特性修正手段と、
    をさらに備えた振動制御装置。
  4. 供試体の振動を検出するセンサからの応答信号を周波数変換し、応答PSDを得る応答スペクトル算出手段と、
    応答PSDを目標PSDと比較し、応答PSDが目標PSDに等しくなるように制御用PSDを修正する制御用PSD算出手段と、
    制御用PSDにランダム位相を与えて逆周波数変換し、ガウス性波形を得るガウス性波形生成手段と、
    前記ガウス性波形を所定の基準でクリッピングしてクリッピング波形を得るクリッピング手段と、
    前記クリッピング波形を周波数変換し、各周波数成分の位相をクリッピング位相として算出する位相算出手段と、
    前記制御用PSDに前記クリッピング位相を与えて逆周波数変換し、修正クリッピング波形を得て、ドライブ信号を生成するドライブ信号生成手段と、
    を備えた振動制御装置。
  5. 請求項4の振動制御装置において、
    前記ドライブ信号生成手段は、
    前記制御用PSDに前記クリッピング位相を与えて逆周波数変換し、修正クリッピング波形を得る修正クリッピング波形生成手段と、
    修正クリッピング波形と応答信号とが等しくなるように、振動試験機および供試体を含む系の伝達特性の逆特性を制御特性として、修正クリッピング波形を変形してドライブ信号を得るドライブ信号制御手段と、
    前記ドライブ信号と前記応答信号とに基づいて、前記伝達特性を算出し、前記制御特性を更新する制御特性更新手段と、
    を備えていることを特徴とする振動制御装置。
  6. 請求項4または5の振動制御装置において、
    前記応答信号の非ガウス特性を応答非ガウス特性として算出する非ガウス特性算出手段と、
    応答非ガウス特性を目標非ガウス特性と比較し、応答非ガウス特性が目標非ガウス特性と合致するように、前記クリッピングの所定レベルを修正するクリッピング基準修正手段と、
    をさらに備えた振動制御装置。
  7. 供試体に対して、目標とする特性を有する振動を与えるように加振機を制御する振動制御装置であって、
    供試体の振動を検出するセンサからの応答信号を周波数変換し、応答PSDを得る応答スペクトル算出手段と、
    応答PSDを目標PSDと比較し、応答PSDが目標PSDに等しくなるように制御用PSDを修正する制御用PSD算出手段と、
    制御用PSDにランダム位相を与えて逆周波数変換し、ドライブ信号を生成するドライブ信号生成手段と、
    前記ドライブ信号を所定の基準でクリッピングしてクリッピング波形を得るクリッピング手段と、
    前記クリッピング波形を周波数変換し、各周波数成分の位相をクリッピング位相として算出する位相算出手段と、
    前記ドライブ信号のPSDに前記クリッピング位相を与えて逆周波数変換し、修正クリッピング波形を得て、クリッピングドライブ信号を生成するクリッピングドライブ信号生成手段と、
    を備えた振動制御装置。
  8. 請求項7の振動制御装置において、
    前記クリッピングドライブ信号の非ガウス特性をドライブ非ガウス特性として算出する非ガウス特性算出手段と、
    ドライブ非ガウス特性を目標非ガウス特性と比較し、ドライブ非ガウス特性が目標非ガウス特性と合致するように、前記クリッピングの所定基準を修正するクリッピング基準修正手段と、
    をさらに備えた振動制御装置。


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