以下、本発明の実施の形態によるダンプトラックについて、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図9は本発明の第1の参考例を示している。図中、ダンプトラック1は、鉱山で採掘した砕石物等を運搬する大型の運搬車両である。ダンプトラック1は、自走可能な車体2と、砕石物等の運搬物を積載するため車体2上に傾転(起伏)可能に搭載された後述の荷台(ベッセル)7とにより構成されている。車体2は、後述する車体フレーム13、左,右の前輪3L,3Rおよび左,右の後輪4L,4R等を含んで構成されている。
左前輪3Lおよび右前輪3Rは、車体2の前側に回転可能に設けられ、ダンプトラック1の操舵輪を構成している。左後輪4Lおよび右後輪4Rは、車体2の後側に設けられ、リアアクスル5によって回転駆動される。左,右の後輪4L,4Rは、ダンプトラック1の駆動輪を構成している。
リアアクスル5は、走行モータ、減速装置等(いずれも図示せず)を収容し左,右方向に延びた円筒状のアクスルハウジング5Aと、該アクスルハウジング5Aから前方に突出したブラケット5Bとを有している。ブラケット5Bの突出端は、後述する車体フレーム13のリアアクスルジョイント25に回動可能に取付けられている。リアアクスル5のアクスルハウジング5Aと車体フレーム13の後部との間には、リアサスペンションシリンダ6が設けられている。リアサスペンションシリンダ6は、車体フレーム13に対してリアアクスル5を懸架支持するものである。
荷台7は、車体フレーム13上に傾転可能(起伏可能)に取付けられている。荷台7は、例えば油圧ショベル(図示せず)によって採掘された大量の鉱物等を積載するため、有底な大型の容器として形成されている。荷台7の後底部は、車体フレーム13に連結ピン8を介して傾動可能に連結されている。荷台7の前側には、その上部から前方に向けて水平に延びる庇部7Aが一体に設けられ、この庇部7Aは、後述するキャブ12を上側から覆っている。
荷台7と車体フレーム13との間には、左,右方向で対をなす2本のホイストシリンダ(左側のみ図示)9が設けられている。荷台7は、ホイストシリンダ9を伸長または縮小させることにより、前側(庇部7A側)が連結ピン8を支点として上,下方向に回動(昇降)される。これにより、荷台7に積載された運搬物を排出することができる。
建屋10は、車体2の前側に配置され、内部に機械室を画成するものである。建屋10の内部には、エンジン等(図示せず)が収容されている。建屋10の上側にはフロア11が設けられ、フロア11上には、運転室を画成するキャブ12等が設置されている。
次に、本参考例に用いられる車体フレーム13について説明する。
車体フレーム13は、車体2のベースとなるもので、前,後方向に延びる強固な支持構造体を構成している。図2および図3に示すように、車体フレーム13は、後述する左フレーム14、右フレーム15、前フレーム16、後フレーム17等を含んで構成されている。
左フレーム14は、車体フレーム13の左側に配置され、右フレーム15と左,右方向で対向しつつ前,後方向に延在している。左フレーム14は、車体フレーム13の内側に位置する内側板14Aと、車体フレーム13の外側に位置し内側板14Aと間隔をもって対面する外側板14Bと、内側板14Aと外側板14Bの上端を閉塞する上板14Cと、内側板14Aと外側板14Bの下端を接続する下板14Dとを含んで構成されている。これにより、左フレーム14は、断面四角形の閉断面構造をなしている(図8参照)。
右フレーム15は、車体フレーム13の右側に配置され、左フレーム14と左,右方向で対面しつつ前,後方向に延在している。右フレーム15は、車体フレーム13の内側に位置する内側板15Aと、車体フレーム13の外側に位置し内側板15Aと間隔をもって対面する外側板15Bと、内側板15Aと外側板15Bの上端を閉塞する上板15Cと、内側板15Aと外側板15Bの下端を接続する下板15Dとを含んで構成されている。これにより、右フレーム15は、断面四角形の閉断面構造をなしている(図8参照)。
ここで、左フレーム14の上板14Cと右フレーム15の上板15Cは、その後部側において一体化されている。これと同様に、左フレーム14の下板14Dと右フレーム15の下板15Dも、その後部側において一体化されている。一方、左フレーム14の後端には、左後ブラケット14Eが設けられ、右フレーム15の後端には、右後ブラケット15Eが設けられている。これら左,右の後ブラケット14E,15Eは、厚肉な鋼板材を用いて形成され、左,右方向で対面した状態で左,右のフレーム14,15の後端から後向きに突出している。そして、左,右の後ブラケット14E,15Eは、連結ピン8介して荷台7の底面を回動可能に支持すると共に、リアサスペンションシリンダ6の上端が取付けられるものである。
前フレーム16は、左フレーム14の前端と右フレーム15の前端との間を接続している。前フレーム16は、例えば閉断面構造を有する枠状に形成され、左,右方向に延在している。前フレーム16の左端部は、左フレーム14の前端に溶接等の手段を用いて接合され、前フレーム16の右端部は、右フレーム15の前端に溶接等の手段を用いて接合されている。これにより、左フレーム14および右フレーム15の前端は、前フレーム16を介して一体的に接続されている。
後フレーム17は、左フレーム14の後端と右フレーム15の後端との間を接続している。後フレーム17は、例えば閉断面構造を有する枠状に形成され、左,右方向に延在している。後フレーム17の左端部は、左フレーム14の後端に溶接等の手段を用いて接合され、後フレーム17の右端部は、右フレーム15の後端に溶接等の手段を用いて接合されている。これにより、左フレーム14および右フレーム15の後端は、後フレーム17を介して一体的に接続されている。
車体フレーム13は、全体として左フレーム14、右フレーム15、前フレーム16および後フレーム17によって囲まれた矩形の枠体として形成され、左フレーム14と右フレーム15との間は、前,後方向に延びる開口部18となっている。開口部18の後側(後フレーム17側)には、左フレーム14と右フレーム15との間を接続する補強部材19が設けられている。左フレーム14と右フレーム15の左,右方向の間隔は、車体フレーム13の後端から前端に向けて徐々に増大している。従って、車体フレーム13の左,右方向の幅寸法は、後側に比較して前側が大きくなるように設定されている。
左支柱20および右支柱21は、車体フレーム13の前側(前フレーム16側)寄りの位置に設けられ、左,右方向で対面している。これら左,右の支柱20,21は、山形状をなした中空な製缶構造体からなっている。左支柱20は、左フレーム14の上板14Cから上向きに突設され、右支柱21は、右フレーム15の上板15Cから上向きに突設されている。左支柱20および右支柱21の上端には、左,右方向に延在する上部横梁22(図4参照)が取付けられ、この上部横梁22を介してフロア11、キャブ12等が下側から支持されている。
左,右のシリンダブラケット23は、車体フレーム13の後側(後フレーム17側)寄りに位置し、車体フレーム13から下方に突出して設けられている。これら左,右のシリンダブラケット23は、左フレーム14の下板14Dおよび右フレーム15の下板15Dに溶接されて下向きに突出している。左,右のシリンダブラケット23の下端側(突出端側)には、左,右方向に延びるシリンダ支持軸24が挿通されている。シリンダ支持軸24の左,右方向の両端側は、左,右のシリンダブラケット23の外側に突出している。シリンダ支持軸24の左,右方向の両端には、左,右のホイストシリンダ9(左側のみ図示)の下端が取付けられている。
リアアクスルジョイント25は、左,右のシリンダブラケット23間に位置して車体フレーム13の下面側に設けられている。このリアアクスルジョイント25には、リアアクスル5のブラケット5Bが球面継手を介して揺動可能に取付けられている。従って、左,右の後輪4L,4Rを駆動するリアアクスル5は、リアアクスルジョイント25とブラケット5Bとの連結部を中心として上,下方向および左,右方向に揺動可能に支持されている。そして、リアアクスル5のアクスルハウジング5Aと車体フレーム13との間には、リアサスペンションシリンダ6が設けられ、このリアサスペンションシリンダ6によってアクスルハウジング5Aの上,下方向の移動量が規制されている。また、リアアクスル5のアクスルハウジング5Aと車体フレーム13との間には、ラテラルリンク(図示せず)が設けられ、このラテラルリンクによってリアアクスル5の左,右方向の移動量が規制されている。
フロントサスペンション26は、車体フレーム13の前側に設けられ、左,右の前輪3L,3Rを懸架支持している。フロントサスペンション26は、後述するトルクチューブ27、左,右のトルクチューブマウント28,29、左,右のサスペンションロアアーム31,33、左,右のフロントサスペンションシリンダ38,39等を含んで構成されている。
トルクチューブ27は、車体フレーム13の前部下側に配置され、前フレーム16と平行となる状態で左,右方向に延在している。トルクチューブ27は、例えば厚肉な円筒状のパイプを用いて形成され、左,右のトルクチューブマウント28,29を介して車体フレーム13の下面側に取付けられている。即ち、トルクチューブ27の左端は、左トルクチューブマウント28を介して左フレーム14の下板14Dに取付けられている。トルクチューブ27の右端は、右トルクチューブマウント29を介して右フレーム15の下板15Dに取付けられている。これにより、トルクチューブ27は、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間を連結している。ここで、トルクチューブ27の左端面27A、右端面27Bには、後述する複数の雌ねじ穴42がそれぞれ設けられている。
左トルクチューブマウント28は、車体フレーム13を構成する左フレーム14の前側に設けられ、トルクチューブ27の左端側を左フレーム14に固定するものである。図7ないし図9に示すように、左トルクチューブマウント28は、左フレーム14の下板14Dに溶接等の手段を用いて固定されたマウント本体28Aと、トルクチューブ27を挟んでマウント本体28Aに組付けられるマウントキャップ28Bとにより構成されている。
マウント本体28Aは、左フレーム14の下板14Dに沿って前,後方向に延びる略台形状の厚肉な板体からなり、前,後方向の長さ寸法が、上方から下方に向けて徐々に小さくなっている。マウント本体28Aの下面は、水平方向に延びる長方形状の本体側当接面28A1となっている。本体側当接面28A1の前,後方向の中央部には、左,右方向に延びる上チューブ嵌合部28A2が設けられている。この上チューブ嵌合部28A2は、トルクチューブ27の外周面とほぼ等しい曲率を有する半円状の凹陥溝からなり、トルクチューブ27の上半分が嵌合する。
本体側当接面28A1のうち上チューブ嵌合部28A2を挟む2箇所には、それぞれ2個(合計4個)の雌ねじ穴28A3が上向きに螺設されている。本体側当接面28A1の前,後方向の両端には、本体側当接面28A1から下向きに突出する嵌合凸部28A4がそれぞれ設けられている。
マウントキャップ28Bは、全体として前,後方向に延びる直方体のブロック状に形成され、マウント本体28Aの本体側当接面28A1とほぼ等しい前,後方向の長さ寸法および左,右方向の幅寸法を有している。マウントキャップ28Bの上面は、水平方向に延びる長方形状のキャップ側当接面28B1となり、このキャップ側当接面28B1は、マウント本体28Aの本体側当接面28A1に当接する。キャップ側当接面28B1の前,後方向の中央部には、左,右方向に延びる下チューブ嵌合部28B2が設けられている。この下チューブ嵌合部28B2は、トルクチューブ27の外周面とほぼ等しい曲率を有する半円状の凹陥溝からなり、トルクチューブ27の下半分が嵌合する。
キャップ側当接面28B1のうち下チューブ嵌合部28B2を挟む2箇所には、マウント本体28Aの各雌ねじ穴28A3に対応する位置に、それぞれ2個(合計4個)のボルト挿通孔28B3が上,下方向に貫通して穿設されている。さらに、キャップ側当接面28B1の前,後方向の両端には、キャップ側当接面28B1から下向きに凹陥した嵌合凹部28B4がそれぞれ設けられている。これら各嵌合凹部28B4は、マウント本体28Aの各嵌合凸部28A4が印ろう嵌合することにより、マウント本体28Aに対するマウントキャップ28Bの位置決めを行うものである。
左トルクチューブマウント28は、マウント本体28Aの上チューブ嵌合部28A2とマウントキャップ28Bの下チューブ嵌合部28B2との間にトルクチューブ27の左端側を挟込む。そして、マウント本体28Aの嵌合凸部28A4とマウントキャップ28Bの嵌合凹部28B4とを印ろう嵌合させた状態で、マウントキャップ28Bの各ボルト挿通孔28B3に挿通したボルト30を、マウント本体28Aの雌ねじ穴28A3に螺着する。これにより、マウント本体28Aの本体側当接面28A1とマウントキャップ28Bのキャップ側当接面28B1とが当接し、マウント本体28Aとマウントキャップ28Bとの間でトルクチューブ27の左端側が強固に固定される。
右トルクチューブマウント29は、車体フレーム13を構成する右フレーム15の前側に設けられ、トルクチューブ27の右端側を右フレーム15に固定するものである。右トルクチューブマウント29は、左トルクチューブマウント28と同一形状を有し、マウント本体29Aと、マウントキャップ29Bとにより構成されている。マウント本体29Aは、左トルクチューブマウント28のマウント本体28Aと同様に、上チューブ嵌合部29A1、本体側当接面、複数の雌ねじ穴、嵌合凸部(いずれも図示せず)を有している。マウントキャップ29Bは、左トルクチューブマウント28のマウントキャップ28Bと同様に、下チューブ嵌合部29B1、キャップ側当接面、複数のボルト挿通孔、嵌合凹部(いずれも図示せず)を有している。
そして、マウント本体29Aとマウントキャップ29Bの間にトルクチューブ27を挟込んだ状態で、ボルト30を用いてマウントキャップ29Bをマウント本体29Aに組付けることにより、マウント本体29Aとマウントキャップ29Bとの間でトルクチューブ27の右端側が強固に固定される。
そして、左トルクチューブマウント28と右トルクチューブマウント29とによってトルクチューブ27の左,右両端が固定されることにより、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15とは、トルクチューブ27を介して左,右方向で連結されている。トルクチューブ27の外周側には、図4および図5に示すように、左,右のサスペンションロアアーム31,33が揺動可能に取付けられている。
左サスペンションロアアーム31は、トルクチューブ27の左半分の領域に取付けられ、左前輪3Lを支持するものである。左サスペンションロアアーム31は、トルクチューブ27の外周側に回動可能に挿嵌された筒状の取付部31Aと、取付部31Aの後側から左側(車体フレーム13の外側)へと斜め上向きに突出した車輪支持部31Bとを含んで構成されている。車輪支持部31Bの突出端には、スピンドル32が左,右方向に回動可能に支持されている。スピンドル32には、軸受等を介して左前輪3Lが回転可能に支持されている。
右サスペンションロアアーム33は、トルクチューブ27の右半分の領域に取付けられ、右前輪3Rを支持するものである。右サスペンションロアアーム33は、トルクチューブ27の外周側に回動可能に挿嵌された筒状の取付部33Aと、取付部33Aの後側から右側(車体フレーム13の外側)へと斜め上向きに突出した車輪支持部33Bとを含んで構成されている。車輪支持部33Bの突出端には、スピンドル34が左,右方向に回動可能に支持され、スピンドル34には、軸受等を介して右前輪3Rが回転可能に支持されている。
左サスペンションロアアーム31の車輪支持部31Bと右サスペンションロアアーム33の車輪支持部33Bとは、リンク機構35を介して連結されている。図5に示すように、リンク機構35は、左,右のナックルアーム35A,35Bおよびタイロッド35C等により構成されたアッカーマン式リンク機構となっている。左サスペンションロアアーム31と左ナックルアーム35Aとの間には、左ステアリングシリンダ36が設けられている。右サスペンションロアアーム33と右ナックルアーム35Bとの間には、右ステアリングシリンダ37が設けられている。従って、左,右のステアリングシリンダ36,37を伸縮させることにより、左,右のスピンドル32,34が左,右方向に回動(揺動)し、左,右の前輪3L,3Rを操舵することができる構成となっている。
図4に示すように、左フロントサスペンションシリンダ38は、車体フレーム13に設けられた左支柱20の上側と左サスペンションロアアーム31との間を連結している。左フロントサスペンションシリンダ38は、左サスペンションロアアーム31の車輪支持部31B側を懸架支持し、トルクチューブ27を中心とした左サスペンションロアアーム31の上,下方向の移動量を規制している。
右フロントサスペンションシリンダ39は、車体フレーム13に設けられた右支柱21の上側と右サスペンションロアアーム33との間を連結している。右フロントサスペンションシリンダ39は、右サスペンションロアアーム33の車輪支持部33B側を懸架支持し、トルクチューブ27を中心とした右サスペンションロアアーム33の上,下方向の移動量を規制している。
ここで、図4に示すように、左フロントサスペンションシリンダ38は、左前輪3Lとの干渉を避けるために上,下方向に対して垂直ではなく、上端から下端に向けて斜め左側に傾斜した状態で配置されている。このため、例えばダンプトラック1の走行時に左前輪3Lが段差に乗上げた場合には、左フロントサスペンションシリンダ38から左サスペンションロアアーム31に対し、斜め下向きの荷重Fが作用する。これにより、荷重Fの水平成分がスラスト方向荷重Fsとなって左トルクチューブマウント28に作用する。この結果、左トルクチューブマウント28が、右トルクチューブマウント29から離間する方向に押圧されるようになる。
一方、右フロントサスペンションシリンダ39は、上端から下端に向けて斜め右側に傾斜した状態で配置されている。このため、右フロントサスペンションシリンダ39から右サスペンションロアアーム33に対し、斜め下向きの荷重Fが作用すると、この荷重Fの水平成分がスラスト方向荷重Fsとなって右トルクチューブマウント29に作用する。この結果、右トルクチューブマウント29が、左トルクチューブマウント28から離間する方向に押圧されるようになる。この結果、車体フレーム13は、左フレーム14と右フレーム15との間の開口部18が広がるように変形し、車体フレーム13の耐久性が低下してしまう。
これに対し、第1の参考例では、左トルクチューブマウント28と右トルクチューブマウント29とが互いに離間する方向に移動するのを規制するため、左,右の移動規制機構41L,41Rが設けられており、以下、左,右の移動規制機構41L,41Rについて説明する。
ここで、左側の移動規制機構41Lは、トルクチューブ27の左端面27A側に設けられ、右側の移動規制機構41Rは、トルクチューブ27の右端面27B側に設けられているが、これら左,右の移動規制機構41L,41Rは互いに同一の構成を有している。そこで、左側の移動規制機構41Lについて説明し、右側の移動規制機構41Rについての説明は省略する。
図7ないし図9に示すように、左側の移動規制機構41Lは、トルクチューブ27の左端面27Aに形成(螺設)された複数の雌ねじ穴42と、後述する抜止め板43と、複数のボルト44を含んで構成されている。各雌ねじ穴42は、トルクチューブ27の周方向に均等な角度間隔をもって配置され、トルクチューブ27の左端面27Aからトルクチューブ27の軸方向に延びている。
抜止め板43は、トルクチューブ27の左端面27Aの外径寸法よりも大きな外径寸法を有する厚肉な環状の板体により形成されている。抜止め板43には、周方向に均等な角度間隔をもって複数のボルト挿通孔43Aが形成されている。これら各ボルト挿通孔43Aは、トルクチューブ27の左端面27Aに形成された各雌ねじ穴42に対応している。
複数のボルト44は、抜止め板43の各ボルト挿通孔43Aに挿通された状態で、トルクチューブ27の左端面27Aに形成された各雌ねじ穴42に螺着されている。従って、各ボルト44が各雌ねじ穴42に締込まれることにより、抜止め板43は、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに当接した状態で安定する(図8参照)。
シム45は、トルクチューブ27の左端面27Aと抜止め板43との間に設けられている。シム45は、トルクチューブ27の左端面27Aの外径寸法よりも僅かに小さな外径寸法を有する薄肉な環状の板体により形成されている。シム45には、抜止め板43の各ボルト挿通孔43Aに対応する複数のボルト挿通孔45Aが、周方向に均等な間隔をもって穿設されている。
抜止め板43の各ボルト挿通孔43Aに挿通されたボルト44は、シム45のボルト挿通孔45Aを通じてトルクチューブ27の左端面27Aの雌ねじ穴42に螺着される。これにより、トルクチューブ27の左端面27Aに、シム45を挟んで抜止め板43が固定され、抜止め板43は左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに当接する。
ここで、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cと右トルクチューブマウント29の外側端面29Cとの間の距離A1は、トルクチューブ27の左端面27Aから右端面27Bまでの長さ寸法と等しく設定されている事が望ましい。しかし、図8に示すように、例えば車体フレーム13の溶接変形等により、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cと右トルクチューブマウント29の外側端面29Cとの間の距離A1が、トルクチューブ27の長さ寸法よりも大きくなる場合がある。この場合には、トルクチューブ27の左端面27Aと左トルクチューブマウント28の外側端面28Cとの間に段差(隙間)が生じる。このため、シム45は、トルクチューブ27の左端面27Aと左トルクチューブマウント28の外側端面28Cとの間に適度な枚数をもって配置され、両者間に生じた段差を調整する。従って、トルクチューブ27の左端面27Aと左トルクチューブマウント28の外側端面28Cとの間に段差がない場合には、シム45を設ける必要はない。
一方、トルクチューブ27の右端面27B側に設けられた右側の移動規制機構41Rも、左側の移動規制機構41Lと同様に、複数の雌ねじ穴42、抜止め板43、複数のボルト44等を含んで構成され、右端面27Bと抜止め板43との間には、適宜にシム45が配置されている。トルクチューブ27の右端面27Bには、複数のボルト44を用いて抜止め板43が固定され、抜止め板43は右トルクチューブマウント29の外側端面29Cに当接する。
このように、トルクチューブ27の左端面27Aに固定された抜止め板43は、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに当接し、トルクチューブ27の右端面27Bに固定された抜止め板43は、右トルクチューブマウント29の外側端面29Cに当接する。これにより、左トルクチューブマウント28と右トルクチューブマウント29とが、トルクチューブ27に沿って互いに離間する方向に移動するのを規制することができる構成となっている。
第1の参考例によるダンプトラック1は、上述の如き左,右の移動規制機構41L,41Rを有するもので、以下、車体フレーム13にトルクチューブ27を取付ける作業について説明する。
まず、トルクチューブ27の外周面に、左サスペンションロアアーム31の取付部31Aと右サスペンションロアアーム33の取付部33Aをそれぞれ挿嵌する。そして、トルクチューブ27の左端側を、左トルクチューブマウント28のマウント本体28Aに下方から嵌合させる。この状態で、マウントキャップ28Bを、ボルト30を用いて下方からマウント本体28Aに組付ける。これにより、トルクチューブ27の左端側を、左トルクチューブマウント28のマウント本体28Aとマウントキャップ28Bとの間で挟持することができる。
次に、トルクチューブ27の左端面27Aに左側の移動規制機構41Lを取付ける。即ち、抜止め板43の各ボルト挿通孔43Aに挿通したボルト44を、シム45の各ボルト挿通孔45Aを通じてトルクチューブ27の各雌ねじ穴42に螺着する。これにより、抜止め板43が、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに当接する。
一方、トルクチューブ27の右端側は、左端側と同様に、右トルクチューブマウント29のマウント本体29Aとマウントキャップ29Bとの間で挟持することができる。そして、トルクチューブ27の右端面27Bに右側の移動規制機構41Rを取付け、抜止め板43を、右トルクチューブマウント29の外側端面29Cに当接させる。これにより、左トルクチューブマウント28と右トルクチューブマウント29とが、トルクチューブ27に沿って互いに離間する方向に移動するのを規制することができる。
ここで、ダンプトラック1の走行時には、左,右のフロントサスペンションシリンダ38,39から左,右のサスペンションロアアーム31,33に対し、斜め下向きの荷重Fが作用する。これにより、斜め下向きの荷重Fの水平成分が、スラスト方向荷重Fsとなって左,右のトルクチューブマウント28,29に作用し、左,右のトルクチューブマウント28,29は互いに離間する方向に押圧される。これに対し、第1の参考例によるダンプトラック1は、左,右の移動規制機構41L,41Rによって、左,右のトルクチューブマウント28,29が、互いに離間する方向に移動するのを抑制することができる。この結果、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間の開口部18の変形を抑え、車体フレーム13の強度を高めることができるので、車体フレーム13の耐久性を高めてその寿命を延ばすことができる。
次に、図10ないし図12は本発明の第2の参考例を示している。第2の参考例の特徴は、移動規制機構を、トルクチューブの外周面に設けられた環状切欠き溝と、左,右のトルクチューブマウントに設けられた環状凸部とにより構成したことにある。なお、第2の参考例では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の参考例に用いられるトルクチューブ51は、第1の参考例によるものとほぼ同様に、左,右方向に延びる厚肉な円筒状のパイプを用いて形成されている。トルクチューブ51は、後述する左,右のトルクチューブマウント52,53を介して車体フレーム13の下面側に取付けられ、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間を連結している。ここで、トルクチューブ51の左端面51Aおよび右端面51Bの近傍部位には、それぞれ後述の環状切欠き溝55が形成されている。
左トルクチューブマウント52は、トルクチューブ51の左端側を左フレーム14に固定するものである。左トルクチューブマウント52は、第1の参考例によるものと同様に、左フレーム14の下板14Dに固定されたマウント本体52Aと、トルクチューブ51を挟んでマウント本体52Aに組付けられるマウントキャップ52Bとにより構成されている。
マウント本体52Aの下面は、本体側当接面52A1となり、本体側当接面52A1の前,後方向の中央部には、上チューブ嵌合部52A2が設けられている。上チューブ嵌合部52A2は、トルクチューブ51の上半分が嵌合するものである。本体側当接面52A1のうち上チューブ嵌合部52A2を挟む2箇所には、それぞれ2個の雌ねじ穴52A3が上向きに螺設されている。本体側当接面52A1の前,後方向の両端には、下向きに突出する嵌合凸部52A4がそれぞれ設けられている。
マウントキャップ52Bの上面は、キャップ側当接面52B1となり、このキャップ側当接面52B1は、マウント本体52Aの本体側当接面52A1に当接する。キャップ側当接面52B1の前,後方向の中央部には、下チューブ嵌合部52B2が設けられ、下チューブ嵌合部52B2は、トルクチューブ51の下半分が嵌合するものである。そして、トルクチューブ51は、マウント本体52Aの上チューブ嵌合部52A2とマウントキャップ52Bの下チューブ嵌合部52B2とに嵌合される。この状態で、ボルト30を用いてマウントキャップ52Bがマウント本体52Aに固定される。これにより、マウント本体52Aとマウントキャップ52Bとの間でトルクチューブ51の左端側が強固に固定される。
右トルクチューブマウント53は、車体フレーム13を構成する右フレーム15の前側に設けられ、トルクチューブ51の右端側を右フレーム15に固定するものである。右トルクチューブマウント53は、左トルクチューブマウント52と同一形状を有し、マウント本体53Aと、マウントキャップ53Bとにより構成されている。マウント本体53Aは、左トルクチューブマウント52のマウント本体52Aと同様に、上チューブ嵌合部53A1、本体側当接面、複数の雌ねじ穴、嵌合凸部(いずれも図示せず)を有している。マウントキャップ53Bは、左トルクチューブマウント52のマウントキャップ52Bと同様に、下チューブ嵌合部53B1、キャップ側当接面、複数のボルト挿通孔、嵌合凹部(いずれも図示せず)を有している。
そして、トルクチューブ51は、マウント本体53Aの上チューブ嵌合部53A1とマウントキャップ53Bの下チューブ嵌合部53B1とに嵌合される。この状態で、ボルト30を用いてマウントキャップ53Bをマウント本体53Aに組付けることにより、マウント本体53Aとマウントキャップ53Bとの間でトルクチューブ51の右端側が強固に固定される。
次に、第2の参考例に適用される左,右の移動規制機構54L,54Rについて説明する。
左側の移動規制機構54Lは、トルクチューブ51の左端側と左トルクチューブマウント52との間に設けられ、右側の移動規制機構54Rは、トルクチューブ51の右端側と右トルクチューブマウント53との間に設けられている。左,右の移動規制機構54L,54Rは、互いに同一の構成を有しているので、以下、左側の移動規制機構54Lについて説明し、右側の移動規制機構54Rについての説明は省略する。
左側の移動規制機構54Lは、トルクチューブ51の左端面51Aの近傍に設けられた環状切欠き溝55と、左トルクチューブマウント52の外側端面52C側に設けられた環状凸部56とを含んで構成されている。ここで、環状切欠き溝55は、トルクチューブ51の外周面を全周に亘って環状に切欠くことにより形成されている。
環状凸部56は、マウント本体52Aの上チューブ嵌合部52A2に設けられた上側凸部56Aと、マウントキャップ52Bの下チューブ嵌合部52B2に設けられた下側凸部56Bとにより構成されている。上側凸部56Aは、マウント本体52Aの上チューブ嵌合部52A2から径方向内側に張出す半円弧状の板体からなり、トルクチューブ51の環状切欠き溝55の上半分に嵌合するものである。一方、下側凸部56Bは、マウントキャップ52Bの下チューブ嵌合部52B2から径方向内側に張出す半円弧状の板体からなり、トルクチューブ51の環状切欠き溝55の下半分に嵌合するものである。
一方、右側の移動規制機構54Rは、左側の移動規制機構54Lと同様に、トルクチューブ51の右端面51Bの近傍に設けられた環状切欠き溝55と、右トルクチューブマウント53の外側端面53C側に設けられた環状凸部56とを含んで構成されている。環状凸部56は、右トルクチューブマウント53のマウント本体53Aに形成された上側凸部56Aと、マウントキャップ53Bに形成された下側凸部56Bとによって構成されている。
第2の参考例によるダンプトラック1は、上述の如き左,右の移動規制機構54L,54Rを有するもので、トルクチューブ51の左端側は、左トルクチューブマウント52のマウント本体52Aとマウントキャップ52Bとの間に挟持される。このとき、マウント本体52A側の上側凸部56Aとマウントキャップ52B側の下側凸部56Bとからなる環状凸部56を、トルクチューブ51の環状切欠き溝55に嵌合させることができる。一方、トルクチューブ51の右端側は、右トルクチューブマウント53のマウント本体53Aとマウントキャップ53Bとの間に挟持される。このとき、マウント本体53A側の上側凸部56Aとマウントキャップ53B側の下側凸部56Bとからなる環状凸部56を、トルクチューブ51の環状切欠き溝55に嵌合させることができる。
これにより、左トルクチューブマウント52は、移動規制機構54Lによって左,右方向への移動が規制され、右トルクチューブマウント53は、移動規制機構54Rによって左,右方向への移動が規制される。従って、左,右のサスペンションロアアーム31,33に作用する荷重によって、左,右のトルクチューブマウント52,53にスラスト方向の荷重が作用したとしても、左,右のトルクチューブマウント52,53が、互いに離間する方向に移動するのを抑制することができる。この結果、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間の開口部18が変形するのを抑え、車体フレーム13の耐久性を高めることができる。
しかも、第2の参考例による左,右の移動規制機構54L,54Rは、トルクチューブ51の外周面に形成された左,右の環状切欠き溝55と、左,右のトルクチューブマウント52,53にそれぞれ形成された環状凸部56とにより構成されている。このため、左,右の移動規制機構54L,54Rは、第1の参考例による左,右の移動規制機構41L,41Rのような抜止め板43、複数のボルト44等を不要にすることができ、軽量化を図ることができる。しかも、左,右の移動規制機構54L,54Rは、その構成が可及的に簡素化され、部品点数の増加を抑えることができる。この結果、左,右の移動規制機構54L,54Rを組付ける作業の作業性を高めることができる上に、ダンプトラック1の製造コストを削減することができる。
次に、図13は本発明の第3の参考例を示している。第3の参考例の特徴は、移動規制機構を、トルクチューブの左,右方向の一側に設けられた一側移動規制機構と、トルクチューブの左,右方向の他側に設けられた他側移動規制機構とにより構成したことにある。なお、第3の参考例では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3の参考例に用いられるトルクチューブ61は、第1の参考例によるものとほぼ同様に、左,右方向に延びる厚肉な円筒状のパイプを用いて形成されている。トルクチューブ61は、左トルクチューブマウント28と後述の右トルクチューブマウント62を介して車体フレーム13の下面側に取付けられている。ここで、トルクチューブ61の左端面61Aには、後述する複数の雌ねじ穴64が形成され、トルクチューブ61の右端面61Bの近傍部位には、後述する環状切欠き溝68が形成されている。
右トルクチューブマウント62は、トルクチューブ61の右端側を右フレーム15に固定するものである。右トルクチューブマウント62は、第2の参考例による右トルクチューブマウント53と同一形状を有し、右フレーム15の下板15Dに固定されたマウント本体62Aと、トルクチューブ61を挟んでマウント本体62Aに組付けられるマウントキャップ62Bとにより構成されている。
マウント本体62Aには、トルクチューブ61の外周面の上半分が嵌合する上チューブ嵌合部62A1が設けられている。マウントキャップ62Bには、トルクチューブ61の外周面の下半分が嵌合する下チューブ嵌合部62B1が設けられている。そして、マウント本体62Aにマウントキャップ62Bを組付けることにより、マウント本体62Aとマウントキャップ62Bとの間でトルクチューブ61の右端側が挟持されている。
第3の参考例に用いられる移動規制機構は、トルクチューブ61の左,右方向一側の端面となる左端面61A側に設けられた一側移動規制機構63と、トルクチューブ61の左,右方向他側となる右端面61Bの近傍部位と右トルクチューブマウント62との間に設けられた後述の他側移動規制機構67とにより構成されている。
一側移動規制機構63は、第1の参考例による左側の移動規制機構41Lと同様に、トルクチューブ61の左端面61Aに形成された複数の雌ねじ穴64と、各雌ねじ穴64に対応する複数のボルト挿通孔が設けられた抜止め板65と、抜止め板65の各ボルト挿通孔を通じてトルクチューブ61の各雌ねじ穴64に螺着される複数のボルト44とを含んで構成されている。また、トルクチューブ61の左端面61Aと抜止め板65との間には、両者間に生じる段差(隙間)を調整するシム66が配置される。
他側移動規制機構67は、第2の参考例による右側の移動規制機構54Rと同様に、トルクチューブ61の右端面61Bの近傍の外周面に設けられた環状切欠き溝68と、右トルクチューブマウント62に設けられた環状凸部69とを含んで構成されている。ここで、環状切欠き溝68は、トルクチューブ61の外周面を全周に亘って環状に切欠くことにより形成されている。
環状凸部69は、右トルクチューブマウント62を構成するマウント本体62Aの上チューブ嵌合部62A1に設けられた上側凸部69Aと、マウントキャップ62Bの下チューブ嵌合部62B1に設けられた下側凸部69Bとにより構成されている。上側凸部69Aは半円弧状の板体からなり、環状切欠き溝68の上半分に嵌合するものである。一方、下側凸部69Bは半円弧状の板体からなり、環状切欠き溝68の下半分に嵌合するものである。
第3の参考例によるダンプトラック1は、上述の如き一側移動規制機構63および他側移動規制機構67を有するもので、トルクチューブ61の左端側は、左トルクチューブマウント28のマウント本体28Aとマウントキャップ28Bとの間で挟持される。この状態で、一側移動規制機構63を構成する抜止め板65に複数のボルト44を挿通し、各ボルト44を、シム66を通じてトルクチューブ61の各雌ねじ穴64に螺着する。これにより、抜止め板65が、シム66を挟んでトルクチューブ61の左端面61Aに固定され、抜止め板65は、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに当接する。
一方、トルクチューブ61の右端側は、右トルクチューブマウント62のマウント本体62Aとマウントキャップ62Bとの間で挟持される。このときに、マウント本体62A側の上側凸部69Aとマウントキャップ62B側の下側凸部69Bとからなる環状凸部69を、トルクチューブ61の右端面61B側に形成された環状切欠き溝68に嵌合させることができる。
このようにして、トルクチューブ61の左端面61A側に設けられた一側移動規制機構63と、トルクチューブ61の右端面61B側に設けられた他側移動規制機構67とにより、左トルクチューブマウント28と右トルクチューブマウント62とが、トルクチューブ61に沿って互いに離間する方向に移動するのを規制することができる。従って、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間の開口部18の変形を抑えることができ、車体フレーム13の耐久性を高めることができる。
しかも、第3の参考例では、トルクチューブ61の左端面61A側に、複数の雌ねじ穴64、抜止め板65、複数のボルト44等からなる一側移動規制機構63を設け、トルクチューブ61の左端面61Aと抜止め板65との間にはシム66を配置している。このため、例えば車体フレーム13の溶接変形等によって、トルクチューブ61の左端面61Aと抜止め板65との間に段差(隙間)が生じたとしても、この段差をシム66によって調整することができる。この結果、抜止め板65の変形を抑えることができ、抜止め板65を、左トルクチューブマウント28の外側端面28Cに確実に当接させることができる。
さらに、第3の参考例では、トルクチューブ61の右端面61B側に、環状切欠き溝68および環状凸部69からなる他側移動規制機構67を設けている。これにより、他側移動規制機構67は、一側移動規制機構63のような抜止め板65、複数のボルト44等を不要にすることができ、その軽量化を図ることができる。
次に、図14ないし図16は本発明の第1の実施の形態を示している。第1の実施の形態の特徴は、左,右のトルクチューブマウントに対するトルクチューブの回転を規制する廻止め機構を設けたことにある。なお、第1の実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第1の実施の形態に用いられるトルクチューブ71は、第1の参考例によるものとほぼ同様に、左,右方向に延びる厚肉な円筒状のパイプを用いて形成されている。トルクチューブ71は、後述する左,右のトルクチューブマウント72,73を介して車体フレーム13の下面側に取付けられている。ここで、トルクチューブ71の左端面71Aと右端面71Bには、それぞれ後述する複数の雌ねじ穴75が形成されている。また、トルクチューブ71の左,右両端側の外周面には、それぞれ後述するチューブ側平坦面79が形成されている。
左トルクチューブマウント72は、トルクチューブ71の左端側を左フレーム14に固定するものである。左トルクチューブマウント72は、第1の参考例による左トルクチューブマウント28とほぼ同様に、左フレーム14の下板14Dに固定されたマウント本体72Aと、トルクチューブ71を挟んでマウント本体72Aに組付けられるマウントキャップ72Bとにより構成されている。
マウント本体72Aの下面は、本体側当接面72A1となり、本体側当接面72A1の前,後方向の中央部には、上チューブ嵌合部72A2が設けられている。本体側当接面72A1のうち上チューブ嵌合部72A2を挟む2箇所には、それぞれ2個の雌ねじ穴72A3が上向きに螺設されている。本体側当接面72A1の前,後方向の両端には、本体側当接面72A1から下向きに突出する嵌合凸部72A4が設けられている。
マウントキャップ72Bの上面は、キャップ側当接面72B1となり、キャップ側当接面72B1の前,後方向の中央部には、下チューブ嵌合部72B2が設けられている。キャップ側当接面72B1のうち下チューブ嵌合部72B2を挟む2箇所には、ボルト挿通孔72B3が穿設されている。キャップ側当接面72B1の前,後方向の両端には、嵌合凹部72B4がそれぞれ設けられ、これら嵌合凹部72B4は、マウント本体72Aの嵌合凸部72A4が印ろう嵌合するものである。
右トルクチューブマウント73は、トルクチューブ71の右端側を右フレーム15に固定するものである。右トルクチューブマウント73は、左トルクチューブマウント72と同一形状を有し、マウント本体73Aと、マウントキャップ73Bとにより構成されている。マウント本体73Aは、左トルクチューブマウント72のマウント本体72Aと同様に、上チューブ嵌合部73A1、本体側当接面、複数の雌ねじ穴、嵌合凸部(いずれも図示せず)を有している。マウントキャップ73Bは、左トルクチューブマウント72のマウントキャップ72Bと同様に、下チューブ嵌合部73B1、キャップ側当接面、複数のボルト挿通孔、嵌合凹部(いずれも図示せず)を有している。
左,右の移動規制機構74L,74Rは、トルクチューブ71の左端面71Aと右端面71Bとにそれぞれ設けられ、左,右のトルクチューブマウント72,73が互いに離間する方向に移動するのを規制している。ここで、左,右の移動規制機構74L,74Rは互いに同一の構成を有しているため、以下、左側の移動規制機構74Lについて説明し、右側の移動規制機構74Rについての説明は省略する。
左側の移動規制機構74Lは、トルクチューブ71の左端面71Aに形成された複数の雌ねじ穴75と、左トルクチューブマウント72の外側端面72Cに当接する抜止め板76と、抜止め板76を介して各雌ねじ穴75に螺着される複数のボルト44とを含んで構成されている。抜止め板76は、厚肉な環状の板体により形成され、各雌ねじ穴75に対応する複数のボルト挿通孔76Aが形成されている。各ボルト44は、抜止め板76の各ボルト挿通孔76Aに挿通された状態で、トルクチューブ71の各雌ねじ穴75に螺着される。シム77は、トルクチューブ71の左端面71Aと抜止め板76との間に設けられ、左端面71Aと抜止め板76との間に生じた段差を調整するものである。シム77は、薄肉な環状の板体により形成され、抜止め板76の各ボルト挿通孔76Aに対応する複数のボルト挿通孔77Aが穿設されている。
抜止め板76の各ボルト挿通孔76Aに挿通されたボルト44は、シム77のボルト挿通孔77Aを通じてトルクチューブ71の左端面71Aの雌ねじ穴75に螺着される。これにより、トルクチューブ71の左端面71Aに、シム77を挟んで抜止め板76が固定され、抜止め板76は左トルクチューブマウント72の外側端面72Cに当接する。
一方、トルクチューブ71の右端面71B側に設けられた右側の移動規制機構74Rも、左側の移動規制機構74Lと同様に、複数の雌ねじ穴75、抜止め板76、複数のボルト44等を含んで構成され、右端面71Bと抜止め板76との間には、適宜にシム77が配置されている。トルクチューブ71の右端面71Bには、複数のボルト44を用いて抜止め板76が固定され、抜止め板76は右トルクチューブマウント73の外側端面73Cに当接する。
次に、第1の実施の形態では、左,右のトルクチューブマウント72,73に対するトルクチューブ71の回転を規制するため、左,右の廻止め機構78L,78Rを備えており、以下、これら左,右の廻止め機構78L,78Rについて説明する。ここで、左,右の廻止め機構78L,78Rは互いに同一の構成を有しているので、以下、左側の廻止め機構78Lについて説明し、右側の廻止め機構78Rについての説明は省略する。
左側の廻止め機構78Lは、トルクチューブ71の左端面71A側の外周面に設けられたチューブ側平坦面79と、トルクチューブ71の左端側が嵌合する左トルクチューブマウント72に設けられたマウント側平坦面80とにより構成されている。ここで、チューブ側平坦面79は、トルクチューブ71の上面側を平面状に切削して形成されたチューブ上側平坦面79Aと、トルクチューブ71の下面側を平面状に切削して形成されたチューブ下側平坦面79Bとにより構成されている。
マウント側平坦面80は、左トルクチューブマウント72を構成するマウント本体72Aの上チューブ嵌合部72A2に形成された本体側平坦面80Aと、マウントキャップ72Bの下チューブ嵌合部72B2に設けられたキャップ側平坦面80Bとにより構成されている。そして、トルクチューブ71のチューブ上側平坦面79Aとマウント本体72Aの本体側平坦面80Aとが当接すると共に、チューブ下側平坦面79Bと本体側平坦面80Bとが当接する。
この場合、チューブ側平坦面79とマウント側平坦面80とは、左トルクチューブマウント72のマウント本体72Aに対するマウントキャップ72Bの組付方向、即ち、図15中の矢印Sで示す方向(垂直方向)に対して直交する方向(水平方向)に延びるように配置されている。
一方、右側の廻止め機構78Rも、左側の廻止め機構78Lと同様に、トルクチューブ71の右端側に設けられたチューブ上側平坦面79Aおよびチューブ下側平坦面79Bからなるチューブ側平坦面79と、右トルクチューブマウント73に設けられた本体側平坦面80Aおよびキャップ側平坦面80Bからなるマウント側平坦面80とにより構成されている。
第1の実施の形態によるダンプトラック1は、上述の如き構成を有するもので、本実施の形態においても、左,右の移動規制機構74L,74Rによって、左,右のトルクチューブマウント72,73が互いに離間する方向に移動するのを抑えることができる。この結果、車体フレーム13の変形を抑えることができ、車体フレーム13の耐久性を高めることができる。
しかも、第1の実施の形態では、ダンプトラック1の走行時にトルクチューブ71にねじりトルクが発生した場合でも、左,右の廻止め機構78L,78Rによって、左,右のトルクチューブマウント72,73に対するトルクチューブ71の回転を規制することができる。この結果、例えば左,右のトルクチューブマウント72,73に対するトルクチューブ71の回転に起因して車体フレーム13がねじり変形するのを抑えることができ、車体フレーム13の耐久性をさらに高めることができ、その寿命を延ばすことができる。
ここで、チューブ側平坦面79とマウント側平坦面80とを、マウント本体72Aに対するマウントキャップ72Bの組付方向に対して直交する方向に延びるように配置した理由について説明する。
この場合、図15中の矢印Sは、マウント本体72Aに対するボルト44を用いたマウントキャップ72Bの組付方向(ボルト44を螺着する方向)を示し、この組付方向Sは鉛直方向(上,下方向)となっている。ここで、トルクチューブ71に対して矢示Px方向にトルクが作用した場合には、互いに当接するチューブ上側平坦面79Aと本体側平坦面80Aの後端部に鉛直上向きの荷重Pyが作用する。また、互いに当接するチューブ下側平坦面79Bとキャップ側平坦面80Bの前端部に鉛直下向きの荷重Pzが作用する。
これら荷重Pyと荷重Pzは、ボルト44に対して引張力、圧縮力として作用するので、ボルト44に対して剪断力を抑制できる。この結果、ボルト44の耐久性を高めることができ、ボルト44を用いて固定されたマウント本体72Aとマウントキャップ72Bからなる左トルクチューブマウント72によって、トルクチューブ71の左端側を長期に亘って安定して支持することができる。
しかも、トルクチューブ71のチューブ上側平坦面79Aからマウント本体72Aの本体側平坦面80Aに作用する荷重Py、およびトルクチューブ71のチューブ下側平坦面79Bからマウントキャップ72Bのキャップ側平坦面80Bに作用する荷重Pzは、それぞれ鉛直方向に作用する。従って、マウント本体72Aの上チューブ嵌合部72A2、およびマウントキャップ72Bの下チューブ嵌合部72B2に対し、これらを前,後方向に広げようとする荷重が作用することがない。この結果、マウント本体72Aおよびマウントキャップ72Bの変形を抑えることができ、左トルクチューブマウント72の耐久性を高め、その寿命を延ばすことができる。
一方、チューブ側平坦面79とマウント側平坦面80とを、マウント本体72Aに対するマウントキャップ72Bの組付方向に対して直交する方向に延びるように配置することにより、マウント本体72Aに設けられた上チューブ嵌合部72A2の開口部分の前,後方向の長さ寸法が、トルクチューブ71の外径寸法とほぼ等しくなる。この結果、マウント本体72Aの上チューブ嵌合部72A2にトルクチューブ71を嵌合させるときの入口を大きく確保することができ、トルクチューブ71を挟んでマウント本体72Aにマウントキャップ72Bを組付けるときの作業性を高めることができる。
次に、図17ないし図19は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、廻止め機構を、トルクチューブの外周面に形成された段付き凸部と、トルクチューブマウントのチューブ嵌合部に形成された段付き凹部とにより構成したことにある。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の参考例と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第2の実施の形態に用いられるトルクチューブ81は、第1の参考例によるものとほぼ同様に、左,右方向に延びる厚肉な円筒状のパイプを用いて形成されている。トルクチューブ81は、後述する左,右のトルクチューブマウント82,83を介して車体フレーム13の下面側に取付けられている。ここで、トルクチューブ81の左端面81Aと右端面81Bには、それぞれ後述する複数の雌ねじ穴85が形成されている。また、トルクチューブ81の左,右両端側の外周面には、それぞれ後述する段付き凸部89が形成されている。
左トルクチューブマウント82は、第1の参考例による左トルクチューブマウント28とほぼ同様に、マウント本体82Aと、マウントキャップ82Bとにより構成されている。マウント本体82Aには、本体側当接面82A1、上チューブ嵌合部82A2、雌ねじ穴82A3、嵌合凸部72A4が設けられている。マウントキャップ82Bには、キャップ側当接面82B1、下チューブ嵌合部82B2、ボルト挿通孔82B3、嵌合凹部82B4が設けられている。
右トルクチューブマウント83は、左トルクチューブマウント82と同一形状を有し、マウント本体83Aと、マウントキャップ83Bとにより構成されている。マウント本体83Aは、上チューブ嵌合部83A1、本体側当接面、複数の雌ねじ穴、嵌合凸部(いずれも図示せず)を有している。マウントキャップ83Bは、下チューブ嵌合部83B1、キャップ側当接面、複数のボルト挿通孔、嵌合凹部(いずれも図示せず)を有している。
左,右の移動規制機構84L,84Rは、トルクチューブ81の左端面81Aと右端面81Bとにそれぞれ設けられ、左,右のトルクチューブマウント82,83が互いに離間する方向に移動するのを規制している。ここで、左,右の移動規制機構84L,84Rは互いに同一の構成を有しているため、以下、左側の移動規制機構84Lについて説明し、右側の移動規制機構84Rについての説明は省略する。
左側の移動規制機構84Lは、トルクチューブ81の左端面81Aに形成された複数の雌ねじ穴85と、左トルクチューブマウント82の外側端面82Cに当接する抜止め板86と、抜止め板86を介して各雌ねじ穴85に螺着される複数のボルト44とを含んで構成されている。抜止め板86は、厚肉な環状の板体により形成され、各雌ねじ穴85に対応する複数のボルト挿通孔86Aが形成されている。シム87は、トルクチューブ81の左端面81Aと抜止め板86との間に設けられ、左端面81Aと抜止め板86との間に生じた段差を調整するものである。シム87は、薄肉な環状の板体により形成され、複数のボルト挿通孔87Aが穿設されている。
抜止め板86の各ボルト挿通孔86Aに挿通されたボルト44は、シム87のボルト挿通孔87Aを通じてトルクチューブ81の雌ねじ穴85に螺着される。これにより、トルクチューブ81の左端面81Aに、シム87を挟んで抜止め板86が固定され、抜止め板86は左トルクチューブマウント82の外側端面82Cに当接する。
一方、トルクチューブ81の右端面81B側に設けられた右側の移動規制機構84Rも、左側の移動規制機構84Lと同様に、複数の雌ねじ穴85、抜止め板86、複数のボルト44等を含んで構成され、右端面81Bと抜止め板86との間には、適宜にシム87が配置されている。トルクチューブ81の右端面81Bには、複数のボルト44を用いて抜止め板86が固定され、抜止め板86は右トルクチューブマウント83の外側端面83Cに当接する。
次に、第2の実施の形態に適用される左,右の廻止め機構88L,88Rについて説明する。ここで、左,右の廻止め機構88L,88Rは互いに同一の構成を有しているので、以下、左側の廻止め機構88Lについて説明し、右側の廻止め機構88Rについての説明は省略する。
左側の廻止め機構88Lは、トルクチューブ81の左端面81A側の外周面に設けられた段付き凸部89と、トルクチューブ81の左端側が嵌合する左トルクチューブマウント82に設けられ、段付き凸部89に嵌合する段付き凹部90とにより構成されている。
ここで、図18中の矢印Sは、左トルクチューブマウント82のマウント本体82Aに、ボルト44を用いてマウントキャップ82Bを組付けるときの組付方向(ボルト44を螺着する方向)を示し、この組付方向Sは鉛直方向(上,下方向)となっている。
段付き凸部89は、トルクチューブ81の外周面を組付方向Sに対して平行に切削して形成された複数のチューブ側平行面89Aと、組付方向Sに対して直角に切削して形成された複数のチューブ側直角面89Bとにより構成されている。これら各チューブ側平行面89Aと各チューブ側直角面89Bとは、トルクチューブ81の外周面に全周に亘って階段状に連続している。
段付き凹部90は、左トルクチューブマウント82を構成するマウント本体82Aの上チューブ嵌合部82A2、およびマウントキャップ82Bの下チューブ嵌合部82B2を、組付方向Sに対して平行および直角に切削することにより形成されている。即ち、段付き凹部90は、上チューブ嵌合部82A2および下チューブ嵌合部82B2の内周面を組付方向Sに対して平行に切削して形成された複数のマウント側平行面90Aと、組付方向Sに対して直角に切削して形成された複数のマウント側直角面90Bとにより階段状に連続して構成されている。
そして、マウント本体82Aとマウントキャップ82Bとの間でトルクチューブ81の左端側を挟持するときに、トルクチューブ81に形成された段付き凸部89と、左トルクチューブマウント82に形成された段付き凹部90とが嵌合する。これにより、左トルクチューブマウント82に対するトルクチューブ81の回転を規制することができる構成となっている。
この場合、段付き凸部89を構成する各チューブ側平行面89Aと、段付き凹部90を構成する各マウント側平行面90Aとは、マウント本体82Aに対するマウントキャップ82Bの組付方向Sに対して平行に形成されている。これにより、トルクチューブ81の左端側を挟んでマウント本体82Aにマウントキャップ82Bを組付けるときに、トルクチューブ81の段付き凸部89に対し、左トルクチューブマウント82の段付き凹部90を円滑に嵌合させることができる。
第2の実施の形態によるダンプトラック1は、上述の如き構成を有するもので、本実施の形態においても、左,右の移動規制機構84L,84Rによって、左,右のトルクチューブマウント82,83が互いに離間する方向に移動するのを抑えることができる。従って、車体フレーム13の左フレーム14と右フレーム15との間の開口部18の変形を抑えることができ、車体フレーム13の寿命を延ばすことができる。
しかも、第2の実施の形態では、ダンプトラック1の走行時にトルクチューブ71にねじりトルクが発生した場合でも、左,右の廻止め機構88L,88Rによって、左,右のトルクチューブマウント82,83に対するトルクチューブ81の回転を規制することができる。この結果、トルクチューブ81の回転に伴って車体フレーム13がねじり変形するのを抑えることができ、車体フレーム13の強度を高めることができるので、車体フレーム13の寿命をさらに延ばすことができる。
また、トルクチューブ81の段付き凸部89は、複数のチューブ側平行面89Aと複数のチューブ側直角面89Bとが、トルクチューブ81の外周面に沿って階段状に連続するように構成されている。これにより、段付き凸部89を形成するためにトルクチューブ81の外周面を切削するときの切削深さを小さく(浅く)することができる。この結果、例えば第3の参考例に用いたトルクチューブ71に比較して、トルクチューブ81の肉厚を小さく設定することができ、トルクチューブ81の軽量化を図ることができる。
なお、第1の実施の形態では、トルクチューブ71のチューブ側平坦面79を、チューブ上側平坦面79Aおよびチューブ下側平坦面79Bとの2面によって構成し、左トルクチューブマウント28のマウント側平坦面80を、本体側平坦面80Aおよびキャップ側平坦面80Bの2面によって構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、チューブ上側平坦面79Aおよびチューブ下側平坦面79Bのうちいずれか一方の平坦面と、本体側平坦面80Aおよびキャップ側平坦面80Bのうちいずれか一方の平坦面とによって廻止め機構を構成してもよい。
また、第1の実施の形態では、雌ねじ穴75、抜止め板76、ボルト44等を含んで構成された左,右の移動規制機構74L,74Rに、チューブ側平坦面79およびマウント側平坦面80により構成された左,右の廻止め機構78L,78Rを追加した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第2の参考例に示される環状切欠き溝55および環状凸部56によって構成される左,右の移動規制機構54L,54Rに、廻止め機構を追加する構成としてもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。