JP6518066B2 - 医療用高密度織物 - Google Patents
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Description
[1]太径部と分岐部を有するシームレスで筒状の医療用高密度織物であって、該織物から取り出した経糸と緯糸は共に、総繊度60dtex以下のマルチフィラメント合成繊維から成り、該太径部と該分岐部の境界部における織物組織の一部は、該筒状織物の上側の織物と下側の織物を結合する一重組織で構成されており、かつ、該織物は、下記(1)〜(4):
(1)カバーファクターが1600〜2400、
(2)厚みが90μm以下、
(3)破裂強度が100N以上、及び
(4)透水率が300ml/cm2/min以下、
を満たす前記医療用高密度織物。
[2]前記一重組織を構成する経糸の本数が2〜32本である、前記[1]に記載の医療用高密度織物。
[3]単糸繊度0.5dtex以下のポリエステルマルチフィラメント合成繊維を経糸及び/又は緯糸の一部に用いた、前記[1]又は[2]に記載の医療用高密度織物。
[4]緯糸が管に巻かれたシャトルを用いるタイプの織機で製織された、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の医療用高密度織物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の医療用高密度織物をグラフトとして用いたステントグラフト。
[6]前記[5]に記載のステントグラフトを圧縮内挿した医療用デリバリーカテーテル。
本実施形態の織物に使用するマルチフィラメント合成繊維の総繊度は、ステントグラフト用織物の薄地化と強度の観点から、7dtex以上60dtex以下である必要がある。使用する繊維の総繊度が7dtex未満であると織物の厚みは薄くなり、ステントグラフトの細径化ニーズに適うが、強度面から実用に耐えない。また、総繊度が60dtexを超えると織物の厚みが90μmを超えてしまい、細径化に適さないものとなる。これは、例えば、内径50mmの筒状の織物とした時に直径6mmの孔(内径6mmのカテーテルを想定)を通過することができない。織物の薄地化と実用性能を両立するという観点から、総繊度は10dtex以上50dtex以下が好ましく、より好ましくは15dtex以上、40dtex以下である。
尚、カバーファクター(CF)は下記式で計算される:
CF=(√dw)×Mw+(√df)×Wf
{式中、dwは織物より抜き出した経糸の総繊度(dtex)であり、Mwは経糸の織密度(本/2.54cm)であり、dfは織物より抜き出した緯糸の総繊度(dtex)であり、そしてMfは緯糸の織密度(本/2.54cm)である。}。
Z(%)=(Zav−Zi)/Zav×100
{式中、Zavは10点測定値の平均値、そしてZiは各点の測定値であり、iは、1〜10の整数である。}で表す各測定ポイントにおける厚みバラツキZが全て±15%以内であることが好ましい。
厚みバラツキが−15%を超えてマイナス側に大きいと、折り畳んだときの織物の厚み平均値が90μm以下であっても、例えば、直径6mmの孔といった所望のカテーテルに収納できなくなる恐れがある。また、厚みバラツキが15%を超える部分は厚みが薄く、破裂強力や透水防止性能が損なわれる。厚みバラツキZは、より好ましくは±12%以内、更に好ましくは±10%以内である。
一重組織は、上側と下側の織物を結合する構造であればよく、例えば、織構造上に無理のない組織としては、2/2斜子組織や2/2綾組織、3/3斜子組織や3/3織組織などを使用すればよく、1/2畝や2/1畝、平といった織組織でもよく、製織上又は取扱上の問題がない範囲で選択すればよい。
また、一重組織を構成する緯糸の本数は、経糸と同数の糸で構成することができるが、特に限定されるものではない。
本実施形態の織物は、前記した厚みや外径等の要件を逸脱しない範囲内でコラーゲンやゼラチン等でコーティングされていてもよい。
製織後は、油剤等の除去を目的とした精練処理、形態安定性を目的とした熱セットを行うが、精練温度・処理時間、熱セット温度・処理時間、また、これらの工程における張力は特に限定されるものではない。
総繊度(dtex)は、繊維束を一定長切出し、その糸条の重量(g)を計測し、それを1000mあたりの重量(g)に換算した値である。単糸繊度(dtex)は、前記方法で求めた総繊度を単糸数で除した値である。
引張強度及び引張伸度は、JIS−L−1013に準じて測定した。
ANSI/AAMI/ISO 7198:1998/2001に準拠して織物の破裂強度試験をn=5で実施し、その時の最大試験力の平均値である。
ANSI/AAMI/ISO 7198:1998/2001に準拠して織物の透水率測定を行う。透水率試験は、測定をn=5で行い、その平均値をとる。
ANSI/AAMI/ISO 7198:1998/2001を参考にして透水率測定を行う。分岐部を有した筒状の医療用織物について、全長100mmで、太径部は50mm、分岐部は50mmの長さのものを準備する。この織物の太径部を、周囲をゴム被覆した金属管にかぶせ、その周状を金属バンドでしっかり固定して液漏れの無いように締める。このとき、金属バンド先端と境界部(太径部と分岐部の境界)までの長さを30mmとする。ただし、金属管は水が通るに十分な中空構造となっている。
同様に、分岐部の先端も周囲をゴム被覆した金属管にかぶせ、その周状を金属バンドでしっかり固定して液漏れの無いように締める。金属バンド先端と境界部までの長さを30mmとする。測定はn=5で行い、その平均値をとる。
織物の厚みを荷重1Nのシックネスゲージを用いてn=5で測定し、その平均値で示す。
織物から抜き出した経糸及び緯糸について、JIS L1096 8.7b法に準じて実施した。20本の糸について測定し、その平均値で示した。
織物をTechnovit(Kulzer Co.Germany)等の樹脂で包埋しガラスナイフで3μmの厚みの切片を作製し、400倍の光学顕微鏡で写真を撮影する。写真上で繊維部分と繊維間隙部分の面積測定から下記式にて空隙率を算出する。
空隙率(%)=(極細繊維束が占有する面積−個々の極細繊維の占有する面積)/(極細繊維束が占有する面積)×100
尚、画像面積測定は、一般的な画像処理コンピューターソフト、例えばNIH image等を用いる。
ステントを縫合した織物を適切に折り畳み、円筒内径が6mmのカテーテルに挿入できるか否かを評価した。無理なく挿入できる場合を〇とし、手こずる場合を△、不可能な場合を×とした。各々5本ずつ作製して評価する。
経糸として、織物から抜き出した糸が総繊度36dtex/単糸繊度1.5dtexとなるポリエステル繊維を用い、緯糸として、織物から抜き出した糸が総繊度26dtex/単糸繊度0.17dtexとなる極細ポリエステル繊維を用い、電子式ジャガード方式の開口装置を備えたシャトル織機において、3つのシャトルを用いて分岐型の筒状のシームレス織物を作製した。経糸本数は670本、経糸の筬への通し幅は50.0mm、筬密度16.8羽/cm、8本/羽として太径部を製織した。次いで、分岐部については経糸を中央で分けて各々335本を左側と右側の分岐部用として、境界部の織物組織は図2に従い、分岐の前後において一重組織が形成されるようにし、一重組織に供する経糸本数は24本として製織した(実施例1)。同様に、分岐部の織物組織を図3として、太径部のみで一重組織が形成されるようにし、一重組織に供する経糸本数は20本として製織をおこない(実施例2)、また、分岐部のみで一重組織を形成する図4の織物組織でも製織をおこなった(実施例3)。なお、端数の経糸は適当な本数で筬入れして製織している(以下も同様)。
経糸と緯糸として、織物から抜き出した糸が総繊度36dtex/単糸繊度1.5dtexとなるポリエステル繊維を用い、実施例1〜3と同様に、電子式ジャガード方式の開口装置を備えたシャトル織機において、3つのシャトルを用いて分岐型の筒状のシームレス織物を作製した。経糸本数は562本、経糸の筬への通し幅は49.2mm、筬密度19.1羽/cm、6本/羽として太径部を製織した。次いで、分岐部については経糸を中央で分けて各々281本を左側と右側の分岐部用として、境界部の織物組織は図2に従い、一重組織に供する経糸本数は24本とし、分岐の前後において一重組織が形成されるようにして製織した(実施例4)。同様に、太径部と分岐部の織物組織は一重組織を成さない図1に従い製織した(比較例1)。さらに、一重組織に供する経糸本数は4本(実施例5)と44本(実施例6)として、一重組織は図2を縮小及び拡大させた織物組織を一重組織として製織をおこなった。
続いて、実施例4において、緯糸の打込み密度をかえて、仕上げ反で緯糸密度が、80本/2.54cm(比較例2)、121本/2.54cm(実施例7)、180本/2.54cm(実施例8)とした織物を作製した。
実施例1において、緯糸として、織物から抜き出した糸が総繊度36dtex/単糸繊度1.5dtexとなるポリエステル繊維を用い、仕上げ反の緯糸密度が、190本/2.54cm(比較例3)とした織物を作製した。
緯糸として、織物から抜き出した糸の総繊度が48tex/単糸繊度0.46dtexとなるポリエステル繊維として製織し(実施例9)、また、織物から抜き出した緯糸が総繊度90dtex/単糸繊度2.5dtexとなるポリエステルの仮撚り加工糸にかえて製織した(比較例4)。
経糸として、織物から抜き出した糸が総繊度27dtex/単糸繊度0.18dtexとなる極細ポリエステル繊維を用い、緯糸として織物から抜き出した糸が総繊度30dtex/単糸繊度0.2dtexとなる極細ポリエステル繊維を用い、実施例1と同様に電子式ジャガード方式の開口装置を備えたシャトル織機において、3つのシャトルを用いて分岐型の筒状のシームレス織物を作製した。経糸本数は650本、経糸の筬への通し幅は49.7mm、筬密度32.8羽/cm、4本/羽として太径部を製織した。次いで、分岐部については経糸を中央で分けて各々325本を左側と右側の分岐部用として、境界部の織物組織は図2に従い、一重組織に供する経糸本数は24本とし、分岐の前後において一重組織が形成されるようにして製織した(実施例10)。
熱セット時に型固定用として太径部の筒状織物内に挿入するステンレス棒は直径25mmの円柱状を有し、その先端は少し扁平になっており、分岐部は直径12mmの円柱状となった構造である。熱セットでは、図5に示すような形状のステンレス棒を用いたが、境界部の織組織の形状や目的の密度に応じて、適宜太径部や分岐部の先端の形状や太さをかえることがシワのない筒状の織物をつくる上で好ましい。特に、分岐部では一重組織等によって、筒状の織物の径が小さくなることを考慮したステンレス棒の作製が必要である。
・98℃の炭酸ナトリウム水溶液(濃度:5g/l)中で1時間撹拌洗浄。
・98℃の超純水で30分の撹拌洗浄を3回繰り返す。
・室温で2軸方向に定長乾燥する。
(熱セット条件)
・予め恒温槽内で180℃に加温しておいたφ50mm×200mm長のステンレス製の芯棒に精練、乾燥後の織物を通し、200mm長さの織物の両端を、ホースバンドを用いて皺にならないよう、かつ、弛みの無いようにセット固定する。
・織物を固定したステンレス製芯棒を180℃の恒温槽に投入し、恒温槽内の温度が180℃にコントロールされた時点から20分間熱セットを行う。
(滅菌処理条件)
・185℃の恒温槽内で30分間熱処理する。
Claims (6)
- 太径部と分岐部を有するシームレスで筒状の医療用高密度織物であって、該織物から取り出した経糸と緯糸は共に、総繊度60dtex以下のマルチフィラメント合成繊維からなり、該太径部と該分岐部の境界部における織物組織の一部は、該筒状織物の上側の織物と下側の織物を結合する一重組織で構成されており、該織物は、下記(1)〜(4):
(1)カバーファクターが1600〜2400、
(2)厚みが90μm以下、
(3)破裂強度が100N以上、及び
(4)透水率が300ml/cm2/min以下、
を満たす前記医療用高密度織物。 - 前記一重組織を構成する経糸の本数が2〜32本である、請求項1に記載の医療用高密度織物。
- 単糸繊度0.5dtex以下のポリエステルマルチフィラメント合成繊維を経糸及び/又は緯糸の一部に用いた、請求項1又は2に記載の医療用高密度織物。
- 緯糸が管に巻かれたシャトルを用いるタイプの織機で製織された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用高密度織物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用高密度織物をグラフトとして用いたステントグラフト。
- 請求項5に記載のステントグラフトを圧縮内挿した医療用デリバリーカテーテル。
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