JP6517501B2 - ストライク銅めっき液およびストライク銅めっき方法 - Google Patents

ストライク銅めっき液およびストライク銅めっき方法 Download PDF

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Description

本発明はストライク銅めっき液およびストライク銅めっき方法に関する。さらに詳細には、鉄や亜鉛等へのめっきに使用される、シアンイオン(CN-)を含まないストライク銅めっき液と、このめっき液を用いるストライク銅めっき方法に関する。
ストライク銅めっきは、鉄や亜鉛のように卑な金属材料に銅めっきを施すに際して、めっき皮膜の密着性を付与するための下地めっきとして、工業的に広く利用されている。現在実用化されている銅めっき液としてはシアン化銅めっき液、ピロリン酸銅めっき液、硫酸銅めっき液などがあるが、例えばめっきが施される物体(被めっき体)が亜鉛である場合、硫酸銅めっき液のように酸性の液では、亜鉛は銅とのイオン化傾向の差が大きいことから亜鉛への銅の置換反応が生じる。その結果、密着性の良い皮膜を形成することができない。
これに対して、シアン化銅めっき液は、亜鉛の溶解や置換反応が生じ難く、密着性の良い銅皮膜を形成することができる。また、シアン化銅めっき液は、めっきのつき周りも良好であるところから、特に亜鉛ダイカスト製品等へのストライク銅めっきは、従来、シアン化銅めっき液が多用されている。
しかし、シアン化銅めっき液は、周知の通り毒性が高く、人体や環境に対して多大な悪影響があるため、シアンイオン(CN-)を含まない新たなストライク銅めっき液(ノーシアンストライク銅めっき液)の開発が望まれている。
ノーシアンストライク銅めっき液としては、一般的な下地保護を目的として上記のピロリン酸銅めっき液(特許文献1,2)や、希土類磁石用のストライク銅めっき液としてEDTAめっき液(特許文献3)などが知られているものの、これらのストライク銅めっき液であっても亜鉛への銅の置換の抑制が十分でないため、密着性に優れた銅めっき皮膜は得られていない。
また、亜鉛ダイカスト用のストライク銅めっき液として、オキシカルボン酸は不安定で、EDTAは密着しないとされている(特許文献4)。
一方、特許文献5にはノーシアンストライク銅めっき液として、銅(II)イオン源、ヒダントイン及び/又はヒダントイン誘導体からなる第1の錯化剤、多価カルボン酸からなる第2の錯化剤、及びモリブデン等の金属酸塩からなる電解質組成物、及び該電解質組成物を用いた基板表面に銅含有層を堆積する方法が提案されている。
しかし、特許文献5に開示の電解質組成物からなるめっき液を使用して、例えば亜鉛ダイカスト製品へのストライク銅めっきを行った場合、銅めっき皮膜の密着性は従来のシアン化銅めっき液を使用した場合に比べて必ずしも十分とはいえない。
このようなことから、鉄や亜鉛のような卑な金属材料からなる被めっき体に対して、より密着性の向上した下地銅めっき層を形成することができるノーシアンストライク銅めっき液の開発が望まれている。
特開平9−291391号公報 特開平1−286407号公報 特開2002−332592号公報 特表2010−168626号公報 特開2011−528406号公報
本発明は上記のような状況に基づき、鉄や亜鉛等の被めっき体に対して、シアン化銅めっき液を用いた場合と同様に密着性の良好なストライク銅皮膜を安定して形成することができ、しかも毒性がなく、人体や環境に対する悪影響が極めて少ない安全性の高いストライク銅めっき液と、このめっき液を用いるストライク銅めっき方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために検討した結果、次のような知見を得た。
(a)亜鉛ダイカスト製品は、前記のように、もともと亜鉛が溶解・置換反応が進行し易いため、難めっき素材とされている。
(b)一方、バレルめっきは、めっき物がひと固まりで動くために、表層部のめっきがつき易い部分(高電流密度部)と中心部のめっきがつき難い部分(低電流密度部)が生じ易く、めっき液のつき周りが悪い場合、高電流部には銅めっきがつくが、低電流部にはめっきがつかず、めっきのつかない部分は置換反応が起こり、密着不良になる。
(c)上記(a)、(b)から、亜鉛ダイカスト製品を、バレルめっきする際には、溶解・置換し難く、つき周りの良いシアン化銅めっき液以外では、密着性の良い皮膜を形成することが難しいとされている。
(d)特に、ダイカスト製品の場合、全めっき面を均一にめっきするのは極めて困難である。
(e)シアン浴と同様にめっき液中に一価銅を存在させ、亜鉛ダイカスト表面に均一な銅の析出を素早く生じさせることで置換を抑制させ、その上に二価銅でめっきを行うことのできるめっき液の設計を行った結果、密着性の良い皮膜を得ることができることを見出した。
(f)更には、陽極としては、可溶性の無酸素銅陽極を単独で使用するか、可溶性の無酸素銅陽極と不溶性陽極とを併用するが、上記(e)で設計しためっき液の場合、併用すると、めっき液中の銅濃度の維持が容易であり、実用に際して優れた効果を得ることができることをも見出している。
本発明のめっき液は、上記の知見に基づいてなされたもので、(1)二価銅の塩、オキシモノカルボン酸塩、ヒダントイン化合物、及び電導性塩を含有し、pHが10〜12であって、シアンイオン(CN-)を含まないことを特徴とする。
また、(2)本発明のストライク銅めっき方法は、上記のめっき液により、陽極として無酸素銅陽極の単独使用、又は無酸素銅陽極と不溶性陽極との併用下においてめっきすることを特徴とす
なお、(3)上記のめっき液は、二価銅の塩の濃度が二価銅イオン(Cu2+)に換算して0.03〜0.3mol/L、オキシモノカルボン酸塩の濃度が0.2〜1.0mol/L、ヒダントイン化合物の濃度が0.05〜0.5mol/Lであることが好ましく、(3)オキシモノカルボン酸塩がグルコン酸塩、ヒダントイン化合物がヒダントインあるいは5,5-ジメチルヒダントインであることが好ましい。
しかも、本発明のめっき液は、電導性塩が、0.1〜0.4mol/Lであることが好ましい。
本発明における不溶性陽極は、従来から一般的に陽極として用いられている不溶性の白金、SUS、カーボン、酸化イリジウム、その他各種のものであってよく(以下、不溶性陽極と記す)、これらの中の少なくとも1種が、無酸素銅陽極と併用される。
無酸素銅陽極と不溶性陽極との併用において、不溶性陽極を1種使用する場合でも、2種以上使用する場合でも、電流分配比が無酸素銅陽極:不溶性陽極=8:2〜6:4となるようにすることが好ましい。
前記構成を有する本発明のストライク銅めっき液によれば、バレルめっき、ラックめっき等一般的なめっき手法において、特に亜鉛ダイカスト製品等の被めっき体に対して、極めて密着性に優れ、かつめっき性状の良好なストライク皮膜を、形成することができる。
しかも、本発明のストライク銅めっき液は、シアン化銅めっき液等のような毒性はなく、高い安全性を有しており、人体や環境に対する悪影響が少なく、その有用性は大きい。
本発明のめっき液において、陽極として無酸素銅陽極を単独で使用した場合と、無酸素銅陽極と不溶性陽極とを併用した場合のそれぞれについて、電解量とめっき液中の銅イオン濃度との相関を示すグラフである。
本発明において、オキシモノカルボン酸とヒダントイン化合物は、錯化剤として使用するものであり、オキシモノカルボン酸が二価銅と生成する錯体は液中で不安定であり、放置すると銅が還元され、金属銅として沈殿を生じる(Cu2+→Cu+→Cu)。これに対し、ヒダントイン化合物は、一価銅と安定な錯体を形成するため、還元途中の一価銅を捕捉し、沈殿を防ぐことができる。
上記の生成された一価銅は、めっきの密着性、めっき効率の向上とつき周りのよさを生じるが、一価銅は二価銅に比べて置換し易いので、一価銅の濃度は、置換せず、かつ電気を流して二価銅よりも素早くめっきがつくと共に、その後は二価銅によるめっきが始まる程度の極く少量(例えば、総銅濃度中10%未満)でよい。一価銅濃度が多すぎると、置換反応が進行してしまい、密着不良が生じる。
本めっき液は陰極効率が低いため、無酸素銅陽極単独使用の場合は、めっき液中の銅濃度が上昇する傾向があるが、無酸素銅陽極と不溶性陽極を併用する場合は、銅濃度を一定に維持する。併用の場合、上記したように電流分配比を無酸素銅陽極:不溶性陽極=8:2〜6:4となるようにすることが、銅濃度を一定にする上で特に好ましい。
一方、めっき(バレルめっきやラックめっき等一般的なめっき)を行う場合、上記した陽極を使用し、電流密度は、0.2〜0.7A/dm2、好ましくは0.2〜0.5A/dm2とすることが適しており、温度は15〜50℃、好ましくは20〜40℃が適している。
本発明において、銅イオン(Cu2+)源である前記二価銅の塩としては、硫酸銅又はその水和物、硝酸銅又はその水和物、塩化銅又はその水和物、水酸化銅、臭化銅等、水溶液中で二価の銅イオン(Cu2+)を生成する、シアンイオン(CN-)を含まない、水溶性の銅化合物が用いられる。
また、オキシモノカルボン酸塩としては、グルコン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ヘプトン酸塩等が第一の錯化剤として使用される。
ヒダントイン系化合物としては、ヒダントインや、5,5−ジメチルヒダントインが第二の錯化剤として使用される。
さらに、電導性塩としては、硫酸、硝酸、塩酸、りん酸、あるいはアルカリ金属の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、りん酸塩等めっき液の電導性の促進と安定性を付与し得る化合物が使用される。
なお、本発明のめっき液には上記各化合物の外に、さらに、必要に応じて本発明の前記効果を損なわない範囲で光沢剤、酸化防止剤、潤滑剤等を添加してもよい。
本発明のめっき液において、二価銅塩の濃度は、二価銅イオン(Cu2+)に換算して0.03〜0.3mol/L、好ましくは0.05〜0.2mol/Lとするのが適している。二価銅塩の濃度がこれよりも上昇すると、銅濃度が高い方が置換し易い傾向にあるため密着不良が生じ易い。
また、オキシモノカルボン酸塩の濃度は0.2〜1.0mol/L、ヒダントイン系化合物の濃度は0.05〜0.5mol/Lとするのが適しており、いずれの錯化剤も濃度がこれより多いと、上記濃度の二価銅に対して錯体生成に関与しない錯化剤が生じてしまい、これ未満では、上記濃度で含む二価銅や、該二価銅由来の一価銅との錯体の生成量が少なくなり過ぎて、所望のめっきの密着性やつき周りのよさ、あるいはめっき効率の向上効果を得ることができなくなる。
本発明におけるめっき液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等により、pH10〜12に調整する。このpH範囲は亜鉛の溶解がし難い範囲であると周知されており、その範囲を外れると亜鉛の溶解が進行し、結果置換し易くなる。また、pHがこれより低いと錯化剤の錯化力も弱まり置換し易くなり、pHがこれより高いと銅の水酸化物が生成し、沈殿が生じてしまい、液として成立しなくなる。
本発明のめっき液は、陽極として、無酸素銅陽極の単独使用か、もしくは無酸素銅陽極と不溶性陽極との併用下でのめっき処理に用いられる。
特に無酸素銅陽極と不溶性陽極とを併用する場合、無酸素銅陽極を単独使用する場合に比べ、めっき液中の銅濃度の上昇を抑制し、液中の銅濃度を一定に維持することができる。銅濃度を一定に維持させるには、無酸素銅陽極と不溶性陽極とは、電流分配比(無酸素銅:不溶性陽極)が8:2〜6:4とすることが好ましい。
本発明のめっき液は、上記の陽極を使用し、15〜50℃、好ましくは20〜40℃、電流密度0.2〜0.7A/dm2、好ましくは0.2〜0.5A/dm2の条件でのめっき処理に使用することが適している。
また、本発明のストライク銅めっき液を用いる場合においても、脱脂(浸漬脱脂または電解脱脂)、活性化等の後、アルカリ性前処理液による前処理等の従来のめっき液を用いる場合と同様の前処理を行う。
〔実施例1〕
1.めっき液の調製:
下記化合物を脱イオン水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH11に調整して実施例1のめっき液を調製した。
硫酸銅・5水和物(二価銅塩):
40g/L(0.16mol/L)
グルコン酸ナトリウム(オキシモノカルボン酸塩):
100g/L(0.46mol/L)
ヒダントイン(ヒダントイン化合物):
10g/L(0.10mol/L)
硫酸カリウム(電導性塩):
30g/L(0.17mol/L)
2.めっき工程:
被めっき体としての亜鉛ダイカスト(ZDC−2)製品を、アルカリ性電解脱脂液で5分間処理した後、酸で活性処理し、水で洗浄した。
次に、速やかに、実施例1のめっき液に浸漬し、電流を通し、下記条件のめっきを行った。
(1)陽極:
a)無酸素銅陽極単独使用
b)無酸素銅陽極と不溶性(IrO2)陽極の併用:
無酸素銅とIrO2の電流分配比≒8:2
(2)めっき液温度:25℃
(3)平均電流密度:0.3A/dm2
(4)めっき膜厚:1μm
3.密着性試験と目視観察:
密着性試験は、JISH8504に規定されるテープによる剥離の有無の試験とした。この結果、a),b)いずれの電極を使用した場合も、実用上十分な密着性を有していることが確認された。
また、目視による観察の結果は、a),b)いずれの陽極を使用した場合も、めっき面全面に、良好な光沢が確認された
4.厚付けめっき:
上記3の密着性試験で、実用上十分な密着性を有することを確認した後、このめっき後の亜鉛ダイカスト製品に対し、ピロリン酸銅85g/L、ピロリン酸カリウム325g/L、pH8.8の浴を調製し、アンモニア、光沢剤(日本化学産業社製商品名“ピロニッカES”)を添加しためっき液を用い、上記2のめっき工程と同様にして膜厚8μmの厚付けめっきを行った。
厚付けめっき後の亜鉛ダイカスト製品に対し、折り曲げ試験を行い、破断面の剥離の有無を目視観察した。この結果、a)、b)いずれの電極を使用した場合も、剥離は全く無く、厚付けめっきにおいても極めて優れた密着性を有することが確認できた。
〔比較例1〕
1.めっき液の調製:
下記化合物を脱イオン水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH11に調整して比較例1のめっき液を調製した。
硫酸銅・5水和物(二価銅塩):
40g/L(0.16mol/L)
クエン酸三ナトリウム(トリカルボン酸塩):
75g/L(0.26mol/L)
5,5-ジメチルヒダントイン(ヒダントイン化合物):
100g/L(0.78mol/L)
モリブデン酸アンモニウム:
5g/L(0.004mol/L)
2.めっき工程:
比較例1のめっき液を用いる以外は、実施例1と同様にしてめっきした。
3.密着性試験と目視観察:
実施例1と同様の密着性試験と目視観察を行った。その結果は、a),b)いずれの電極を使用した場合も、密着性が無いばかりか、光沢のないボソボソしためっき皮膜であった。
この理由は、トリカルボン酸塩と二価銅との錯体は液中で安定であり、放置しても金属銅としての沈殿を殆ど生じないため、密着性を付与する一価銅が得られず、密着性が得られないと考えられる。
〔比較例2〕
1.めっき液の調製:
下記化合物を脱イオン水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH11に調整して比較例2のめっき液を調製した。
硫酸銅・5水和物(二価銅塩):
20g/L(0.08mol/L)
酒石酸ナトリウム(ジカルボン酸塩):
90g/L(0.46mol/L)
ヒダントイン(ヒダントイン化合物):
10g/L(0.10mol/L)
硫酸カリウム(電導性塩):
30g/L(0.17mol/L)
2.めっき工程:
比較例2のめっき液を用いる以外は、実施例1と同様にしてめっきした。
3.密着性試験と目視観察:
実施例1と同様の密着性試験と目視による観察を行った。その結果は、a),b)いずれの電極を使用した場合も、比較例1の場合と同様、密着性が無いばかりか、光沢のないボソボソしためっき皮膜であった。
この理由は、ジカルボン酸塩と二価銅との錯体は液中で安定であり、放置しても金属銅としての沈殿を殆ど生じないため、密着性を付与する一価銅が得られず、密着性が得られないと考えられる。
〔実施例2〕
1.めっき液の調製:
下記化合物を脱イオン水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH11に調整して実施例2のめっき液を調製した。
硫酸銅・5水和物(二価銅塩):
40g/L(0.16mol/L)
ヘプトン酸ナトリウム(オキシモノカルボン酸塩):
100g/L(0.40mol/L)
5,5-ジメチルヒダントイン(ヒダントイン化合物):
25g/L(0.20mol/L)
硫酸カリウム(電導性塩):
30g/L(0.17mol/L)
2.めっき工程:
被めっき体としての亜鉛ダイカスト(ZDC−2)製品を、実施例1と同様に処理した後、速やかに、実施例2のめっき液に浸漬し、電流を通し、下記条件のめっきを行った。
(1)陽極:
a)無酸素銅陽極単独使用
b)無酸素銅陽極と不溶性(SUS304)陽極の併用:
無酸素銅とSUS304の電流分配比≒8:2
(2)めっき液温度:25℃
(3)平均電流密度:0.3A/dm2
(4)めっき膜厚:1μm
3.密着性試験と目視観察:
密着性試験は、実施例1と同様にして行った結果、a),b)いずれの電極を使用した場合も、実用上十分な密着性を有していることが確認された。
また、目視による観察の結果も実施例1と同様、a),b)いずれの陽極を使用した場合も、めっき面全面に、良好な光沢が確認された
4.厚付けめっき:
上記3の密着性試験で、実用上十分な密着性を有することを確認した後、実施例1と同様に、上記めっき後の亜鉛ダイカスト製品に対し、ピロリン酸銅85g/L、ピロリン酸カリウム325g/L、pH8.8の浴を調製し、アンモニア、光沢剤(日本化学産業社製商品名“ピロニッカES”)を添加しためっき液を用い、上記2のめっき工程と同様にして膜厚8μmの厚付けめっきを行った。
厚付けめっき後の亜鉛ダイカスト製品につき、実施例1と同様に、折り曲げ試験を行い、破断面の剥離の有無を目視観察した。この結果、a)、b)いずれの電極を使用した場合も、剥離は全く無く、厚付けめっきにおいても極めて優れた密着性を有することが確認できた。
〔実施例3〕
1.めっき液の調製:
下記化合物を脱イオン水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH11に調整して実施例3のめっき液を調製した。
硫酸銅・5水和物(二価銅塩):
40g/L(0.16mol/L)
乳酸ナトリウム(オキシモノカルボン酸塩):
100g/L(0.89mol/L)
ヒダントイン(ヒダントイン化合物):
20g/L(0.20mol/L)
硫酸カリウム(電導性塩):
30g/L(0.17mol/L)
2.めっき工程:
被めっき体としての亜鉛ダイカスト(ZDC−2)製品を、実施例1と同様に処理した後、速やかに、実施例3のめっき液に浸漬し、電流を通し、下記条件のめっきを行った。
(1)陽極:
a)無酸素銅陽極単独使用
b)無酸素銅陽極と不溶性(カーボン)陽極の併用:
無酸素銅とカーボンの電流分配比≒8:2
(2)めっき液温度:25℃
(3)平均電流密度:0.3A/dm2
(4)めっき膜厚:1μm
3.密着性試験と目視観察:
密着性試験は、実施例1と同様にして行った結果、a),b)いずれの電極を使用した場合も、実用上十分な密着性を有していることが確認された。
また、目視による観察の結果も実施例1,2と同様、a),b)いずれの陽極を使用した場合も、めっき面全面に、良好な光沢が確認された
4.厚付けめっき:
上記3の密着性試験で、実用上十分な密着性を有することを確認した後、実施例1と同様に、上記めっき後の亜鉛ダイカスト製品に対し、ピロリン酸銅85g/L、ピロリン酸カリウム325g/L、pH8.8の浴を調製し、アンモニア、光沢剤(日本化学産業社製商品名“ピロニッカES”)を添加しためっき液を用い、上記2のめっき工程と同様にして膜厚8μmの厚付けめっきを行った。
厚付けめっき後の亜鉛ダイカスト製品につき、実施例1と同様に、折り曲げ試験を行い、破断面の剥離の有無を目視観察した。この結果、a)、b)いずれの電極を使用した場合も、剥離は全く無く、厚付けめっきにおいても極めて優れた密着性を有することが確認できた。
〔実施例4〕
被めっき体を鉄(SPCC)製品とする以外は、実施例1,2,3と同様のめっき試験を行った。これらの結果、いずれのめっき液を用いた場合も、実施例1〜3と同様の密着性に優れためっき製品を得ることができた。
〔実施例5〕
無酸素銅陽極と不溶性(IrO2)陽極併用の場合の電流分配比率を、無酸素銅:IrO2=6:4とする以外は、実施例1,2,3,4と同様のめっき試験を行った。これらの結果、いずれの場合も、実施例1〜4と同様の密着性に優れためっき製品を得ることができた。
〔参考例〕
硫酸銅・5水和物濃度を20g/L(0.08mol/L)とする以外は、実施例1の条件を設定し、このままめっきを繰り返し行い、めっき液中の電解量に対する銅濃度の関係を測定した。結果は図1に示す通りであり、無酸素銅陽極と不溶性(IrO2)陽極を併用した場合、銅濃度が一定に保持されることが分かる。従って、無酸素銅陽極単独使用の場合は、銅濃度が一定となる制御を、めっき中持続させ、銅濃度を一定に維持することが、密着性、光沢性により優れためっきを得る上で好ましい。
本発明のストライク銅めっき液は、安全性が高く、人体や環境に対する悪影響が少ない点でその有用性が高い。
また、本発明のめっき液を用いれば、特に鉄や亜鉛ダイカスト等の卑な金属材料に対してきわめて密着性が良好で、かつ均一で優れた外観を呈するストライク皮膜を形成することができる。

Claims (2)

  1. 二価銅の塩、オキシモノカルボン酸塩、ヒダントイン化合物、及び電導性塩を含有し、pH10〜12であって、シアンイオンを含まないことを特徴とするストライク銅めっき液。
  2. 請求項1記載のストライク銅めっき液により、陽極として、無酸素銅単独使用、又は無酸素銅と他の不溶性陽極との併用下においてめっきすることを特徴とするストライク銅めっき方法
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