JP6516456B2 - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音材等の物体を必要に応じて取り付けるための面ファスナーをタイヤ内面に備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することを可能にし、かつタイヤ成形工程における面ファスナーの脱落を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
従来、吸音材等の物体の取り付けを容易にするために、タイヤ内面に面ファスナーを備え付けた空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。空気入りタイヤにおいては、空洞部内で生じる共鳴音を低減するために、空洞部内に吸音材を設置することが行われているが、上記面ファスナー付き空気入りタイヤによれば、吸音材等の付属物を必要に応じて簡単に着脱することができる。
このような面ファスナーを採用するにあたって、加硫後の空気入りタイヤの内面に面ファスナーを取り付けることが可能であるが、その場合、タイヤの生産効率が極めて悪いという欠点がある。そこで、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。より具体的には、互いに分離された状態又は互いに分離可能な状態にある複数の面ファスナーをゴムシートと共に成形ドラムに巻き付け、これら面ファスナーを円筒状のカーカス成形体の内面に配置し、該カーカス成形体をトロイダル形状に膨らませてトレッドリングの内周面に圧着することでグリーンタイヤを成形し、しかる後、グリーンタイヤを加硫することが提案されている。面ファスナーはカーカス成形体がトロイダル形状に変形する際にそれ自体が伸長することはできないものの、複数の面ファスナーをタイヤ周方向に沿って点在させることにより、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することが可能になる。
しかしながら、上述のような手法では、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することが可能になるものの、タイヤ周方向に沿って点在する各面ファスナーの寸法が必然的に小さくなるため、カーカス成形体の膨張からグリーンタイヤの加硫に至る過程において面ファスナーがタイヤ内面から浮き上がった場合、それがそのまま脱落してしまうという問題がある。
特開2006−44503号公報 特開2009−154320号公報
本発明の目的は、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することを可能にし、かつタイヤ成形工程における面ファスナーの脱落を効果的に防止することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ内面にタイヤ周方向に延在する帯状の面ファスナーを装着し、該面ファスナーに該面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込みの群からなるカット加工部をタイヤ周方向に沿って反復的に形成し、前記切り込みにより前記面ファスナーを複数の構成要素に区分し、前記面ファスナーを前記構成要素がタイヤ周方向に連なるようにして前記カット加工部が引き伸ばされた状態でタイヤ内面に配置した空気入りタイヤであって、
前記面ファスナーと前記タイヤ内面との間に接着ゴム層を配置し、前記面ファスナーに前記カット加工部を設ける一方で前記接着ゴム層は前記カット加工部にて切断されることなくタイヤ周方向に連続的に延在することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、帯状の面ファスナーに該面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込みの群からなるカット加工部をその長手方向に沿って反復的に形成し、前記切り込みにより前記面ファスナーを複数の構成要素に区分し、前記面ファスナーをその長手方向がタイヤ周方向に延在するようにして円筒状のカーカス成形体の内面に配置し、該カーカス成形体をトロイダル形状に膨らませてトレッドリングの内周面に圧着することでグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤの成形工程において前記面ファスナーを前記構成要素がタイヤ周方向に連なるようにして前記カット加工部が引き伸ばされた状態とし、しかる後、前記グリーンタイヤを加硫する空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カット加工部を持たない面ファスナーと接着ゴム層とを積層し、該接着ゴム層に積層された面ファスナーのみに対してカット加工を施して前記カット加工部を形成し、該カット加工部が形成された面ファスナーを前記接着ゴム層と共に前記カーカス成形体の内面に配置することを特徴とするものである。
本発明では、面ファスナーに複数本の切り込みの群からなるカット加工部をタイヤ周方向に沿って反復的に形成し、これら切り込みにより面ファスナーを複数の構成要素に区分し、面ファスナーを構成要素がタイヤ周方向に連なるようにしてカット加工部が引き伸ばされた状態でタイヤ内面に配置した構造を採用しているので、上述のような製造方法に基づいてタイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することができる。従って、面ファスナーを備えた空気入りタイヤを効率良く製造することができる。
しかも、面ファスナーに形成される切り込みは面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びており、面ファスナーは複数の構成要素がタイヤ周方向に連なった状態でタイヤ内面に配置されるので、仮に一部の構成要素がタイヤ内面から剥離したとしても、その構成要素が他の構成要素によってタイヤ内面に保持される。従って、タイヤ成形工程における面ファスナーの脱落を効果的に防止することができる。
本発明において、カット加工部が引き伸ばされた状態での切り込みの長さは面ファスナーの幅の20%以上であることが好ましい。切り込みの長さを十分に確保することにより、タイヤ成形工程における面ファスナーの引き伸ばしを許容することができる。特に、各カット加工部に含まれる少なくとも1本の切り込みの長さは面ファスナーの幅の50%以上であることが好ましい。この場合、タイヤ成形工程において面ファスナーが伸長する際に各構成部材に生じる歪みを抑制し、面ファスナーの接着不良を防止することができる。また、面ファスナーの引き伸ばしを円滑に許容するために、各カット加工部に含まれる少なくとも1本の切り込みが面ファスナーの幅方向の一方の端部に連通すると共に他の少なくとも1本の切り込みが面ファスナーの幅方向の他方の端部に連通することが好ましい。
カット加工部が引き伸ばされた状態での該カット加工部のタイヤ周方向の周期は面ファスナーの幅の15%〜150%であることが好ましい。これにより、タイヤ成形工程において面ファスナーに起因してカーカスコード等の配列がタイヤ周上で不均一になるのを防止することができる。
カット加工部が引き伸ばされた状態において面ファスナーの外形輪郭線で囲まれる領域の面積は面ファスナーの実面積の105%〜190%であることが好ましい。また、カット加工部が引き伸ばされた状態での面ファスナーのタイヤ周方向の長さは面ファスナーの構成要素のタイヤ周方向の合計長さの105%〜190%であることが好ましい。これにより、タイヤ成形工程における面ファスナーの伸長率を適正化し、面ファスナーに接着不良が生じるのを防止することができる。
また、面ファスナーの各構成要素の幅は面ファスナーの幅の3%〜25%であることが好ましい。これにより、タイヤ成形工程において面ファスナーが伸長する際に各構成部材に生じる歪みを抑制し、面ファスナーの接着不良を防止することができる。
面ファスナーの構成要素はカット加工部の伸長時に変形せずに主要な係止部分を構成する複数の第1構成要素とカット加工部の伸長時に変形して第1構成要素を互いに連結する複数の第2構成要素とを含むことが好ましい。この場合、第1構成要素が主要な係止部分を担持し、第2構成要素が伸長時の変形部分として機能する。特に、第1構成要素の幅を第2構成要素の幅よりも大きくした場合、第1構成要素の係合能力を高める一方で、第2構成要素に生じる歪みを低減することができる。これら第1構成要素と第2構成要素を形成するために、隣り合う一対のカット加工部において互いに最も近接する切り込みが面ファスナーの幅方向の同じ側の端部に連通することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいて、面ファスナーとタイヤ内面との間に接着ゴム層を配置し、面ファスナーがシート状の基材と該基材の一方の面に形成された複数本の係合素子と該基材の他方の面に形成された複数本のアンカー素子を備え、アンカー素子を接着ゴム層に食い込ませることが好ましい。そのような構成を実現するために、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、面ファスナーとカーカス成形体の内面との間に接着ゴム層を配置し、面ファスナーがシート状の基材と該基材の一方の面に形成された複数本の係合素子と該基材の他方の面に形成された複数本のアンカー素子を備え、アンカー素子を接着ゴム層に食い込ませることが好ましい。この場合、面ファスナーをタイヤ内面に対してしっかりと固定することができる。
本発明の空気入りタイヤにおいて、面ファスナーとタイヤ内面との間には接着ゴム層を配置し、面ファスナーにカット加工部を設ける一方で接着ゴム層はカット加工部にて切断されることなくタイヤ周方向に連続的に延在することが好ましい。そのような構成を実現するために、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、カット加工部を持たない面ファスナーと接着ゴム層とを積層し、該接着ゴム層に積層された面ファスナーのみに対してカット加工を施してカット加工部を形成し、該カット加工部が形成された面ファスナーを接着ゴム層と共にカーカス成形体の内面に配置することが好ましい。これにより、接着ゴム層の一体性を確保し、成形ドラムに巻き付ける前の部材としての形状安定性を確保することができる。
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法において、カット加工部を持たない面ファスナーと素子保護部材とを互いに係合させ、カット加工部を持たない面ファスナー及び素子保護部材に対して同時にカット加工を施してカット加工部を形成し、該カット加工部が形成された面ファスナーを素子保護部材と共にカーカス成形体の内面に配置してグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫した後で素子保護部材を面ファスナーから引き剥がすことが好ましい。この場合、加硫工程において素子保護部材により面ファスナーを保護することができ、しかも素子保護部材は面ファスナーと同様に連続的に繋がった構造を有することになるので、素子保護部材の引き剥がし作業を簡単に行うことができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明で使用される面ファスナーの立体的構造を示す斜視図である。 本発明で使用される他の面ファスナーの立体的構造を示す斜視図である。 図3の面ファスナーをタイヤ内面に装着した状態を示す断面図である。 本発明で使用される面ファスナーの平面視構造を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法を示し、(a)はカーカス成形体の成形工程を概略的に示す断面図であり、(b)はグリーンタイヤの成形工程を概略的に示す断面図であり、(c)得られたグリーンタイヤを概略的に示す断面図である。 本発明で使用される他の面ファスナーの平面視構造を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図である。 本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図である。 本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図である。 本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法における面ファスナーと接着ゴム層を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図であり、(c)加硫後の状態の平面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法における面ファスナーと素子保護部材と接着ゴム層を示し、(a)は伸長前の状態の平面図であり、(b)は伸長後の状態の平面図であり、(c)加硫後の状態の平面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図2は本発明で使用される面ファスナーの立体的構造を示すものである。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。また、カーカス層4よりもタイヤ内腔側の部位にはインナーライナー層6が配置されている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。
上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面Sのトレッド部1に対応する領域には接着ゴム層8を介して面ファスナー10が設置されている。面ファスナー10は、図2に示すように、シート状をなす基材11と該基材11の一方の面に形成された複数本の係合素子12を備えている。係合素子12はタイヤ周方向Cに沿って列をなし、複数の列がタイヤ幅方向Wに沿って並ぶように配置されている。係合素子12の形状は特に限定されるものではないが、例えば、図示のように先端部が枝分かれして面ファスナー10の面方向に向かって延びるT字形状や鏃形状(2段鏃形状を含む)であると良い。このように構成される面ファスナー10は係合素子12がタイヤ内腔側に位置するようにして基材11がタイヤ内面Sに対して加硫接着される。
一方、面ファスナー10には、必要に応じて吸音材20等の付属物が取り付けられる。例えば、ポリウレタンフォームからなる吸音材20の場合、そのポリウレタンフォームの網目構造を利用することで吸音材20をそのまま面ファスナー10に対して係合させることができる。勿論、付属物には面ファスナー10に対して係合可能な他の面ファスナーを取り付けるようにしても良い。付属物としては、吸音材20の他に、温度センサやトランスポンダ等を挙げることができる。また、面ファスナー10のタイヤ内面Sにおける設置場所は付属物の種類に応じて任意に選択することができる。
図3は本発明で使用される他の面ファスナーの立体的構造を示すものである。図3において、面ファスナー10は、シート状をなす基材11と該基材11の一方の面に形成された複数本の係合素子12と該基材11の他方の面に形成された複数本のアンカー素子13を備えている。アンカー素子13はタイヤ周方向Cに沿って列をなし、複数の列がタイヤ幅方向Wに沿って並ぶように配置されている。アンカー素子13の形状は特に限定されるものではないが、例えば、図示のように先端部が枝分かれして面ファスナー10の面方向に向かって延びるT字形状であると良い。これらアンカー素子13は、図4に示すように、インナーライナー層6に積層された接着ゴム層8に埋設されるため、面ファスナー10のタイヤ内面Sに対する接着力を向上することができる。
なお、図2や図3に示す面ファスナー10は、例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂から一体的に成形することができる。特に、ポリアミド又はポリエステルを主原料とする樹脂製であることが好ましい。
図5(a),(b)は本発明で使用される面ファスナーの平面視構造を示すものである。図5(a)に示すように、帯状の面ファスナー10には、複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15が面ファスナー10の長手方向に沿って反復的に形成されている。各切り込み14は面ファスナー10を横断することなく面ファスナー10の幅方向に延在している。また、複数本の切り込み14は各カット加工部15において面ファスナー10の幅方向の全域に切れ目なく存在するように配置されている。特に、各カット加工部15に含まれる少なくとも1本の切り込み14が面ファスナー10の幅方向の一方の端部に連通すると共に他の少なくとも1本の切り込み14が面ファスナー10の幅方向の他方の端部に連通するようになっている。これにより、面ファスナー10は切り込み14によって短冊状をなす複数の構成要素16に区分されている。但し、複数の構成要素16は互いに連結されているため、面ファスナー10は全体としての一体性を保持している。このような複数のカット加工部15を有する面ファスナー10はその長手方向がタイヤ周方向Cに延在するようにして使用され、図5(b)に示すように、その構成要素16がタイヤ周方向Cに連なるようにしてカット加工部15が引き伸ばされた状態でタイヤ内面Sに配置される。
図6(a)〜(c)は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法を概略的に示すものである。上述のような空気入りタイヤを製造する場合、先ず、図6(a)に示すように、成形ドラムD上で円筒状のカーカス成形体T1を成型するにあたって、上述したカット加工部15を有する面ファスナー10をその長手方向がタイヤ周方向Cに延在するようにして円筒状のカーカス成形体T1の内面に配置する。その際、面ファスナー10はカット加工部15が閉じた状態にある。なお、タイヤ周上には単一の面ファスナー10を配置しても良く、或いは、複数の面ファスナー10をタイヤ周上に並べて配置しても良い。
次に、図6(b)に示すように、カーカス成形体T1を円環状のトレッドリングT2の内周側に配置し、カーカス成形体T1をトロイダル形状に膨らませてトレッドリングT2の内周面に圧着する。これにより、図6(c)に示すように、タイヤ内面Sに面ファスナー10を備えたグリーンタイヤTを成形する。グリーンタイヤTにおいて、面ファスナー10は構成要素16がタイヤ周方向Cに連なるようにしてカット加工部15が引き伸ばされた状態になっている。しかる後、グリーンタイヤTは金型内で加硫される。
上述した実施形態では、面ファスナー10に複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15をタイヤ周方向に沿って反復的に形成し、これら切り込み14により面ファスナー10を複数の構成要素16に区分し、面ファスナー10を構成要素16がタイヤ周方向Cに連なるようにしてカット加工部15が引き伸ばされた状態でタイヤ内面Sに配置した構造を採用しているので、上述のような製造方法に基づいてタイヤ成形工程において面ファスナー10をタイヤ内面Sに装着することができる。従って、面ファスナー10を備えた空気入りタイヤを効率良く製造することができる。
しかも、面ファスナー10に形成される切り込み14は面ファスナー10を横断することなくその幅方向に延びており、面ファスナー10は複数の構成要素16がタイヤ周方向Cに連なった状態でタイヤ内面Sに配置されるので、仮に一部の構成要素16がタイヤ内面Sから剥離したとしても、その構成要素16が他の構成要素16によってタイヤ内面Sに保持される。従って、タイヤ成形工程における面ファスナー10の脱落を効果的に防止することができる。
ここで、カット加工部15が引き伸ばされた状態での切り込み14の長さL14は面ファスナー10の幅Wの20%以上、好ましくは35%以上、更に好ましくは45%以上とし、その上限値は98%とするのが良い。切り込み14の長さL14を十分に確保することにより、タイヤ成形工程における面ファスナー10の伸長率を十分に確保することができる。切り込み14の長さL14が下限値よりも小さいと面ファスナー10の伸長が不十分になり、逆に上限値よりも大きいとタイヤ成形工程において面ファスナー10がタイヤ周方向に分断される恐れがある。
特に、各カット加工部15に含まれる少なくとも1本の切り込み14の長さL14は面ファスナー10の幅Wの50%以上、より好ましくは、70%以上であると良い。つまり、カット加工部15の引き伸ばしによって生じる構成要素16,16間の隙間Dは、構成要素16,16同士の開口角度をθとしたとき、D=L14×tanθの関係を満足する。そのため、切り込み14の長さL14を相対的に大きくした場合、構成要素16,16同士の開口角度θを小さくしながら構成要素16,16間の隙間Dを大きくすることができる。これにより、タイヤ成形工程において面ファスナー10が伸長する際に各構成部材16に生じる歪みを抑制し、面ファスナー10の接着不良を防止することができる。
カット加工部15が引き伸ばされた状態での該カット加工部15のタイヤ周方向の周期Pは面ファスナー10の幅Wの15%〜150%であると良い。これにより、タイヤ成形工程において剛直な面ファスナー10に起因してカーカスコード等の配列がタイヤ周上で不均一になるのを防止することができる。カット加工部15の周期Pが下限値よりも小さいとカット加工部15の形成が煩雑になると共に面ファスナー10の係合機能が損なわれる恐れがあり、逆に上限値よりも大きいとタイヤ周上で均一性が低下する。なお、カット加工部15の周期Pはタイヤ周上で一定であることが望ましいが、若干の変動があっても差し支えない。
カット加工部15が引き伸ばされた状態において面ファスナー10の外形輪郭線で囲まれる領域の面積は面ファスナー10の実面積の105%〜190%、好ましくは120%〜170%であると良い。これにより、タイヤ成形工程における面ファスナー10の伸長率を適正化し、面ファスナー10に接着不良が生じるのを防止することができる。面ファスナー10の外形輪郭線で囲まれる領域の面積が下限値よりも小さいと面ファスナー10の材料効率が悪くなり、逆に上限値よりも大きいと面ファスナー10の構成要素16に面外変形が生じ易くなり、その面外変形が接着不良の要因となる。なお、カット加工部15が引き伸ばされた状態において面ファスナー10の外形輪郭線で囲まれる領域の面積とは、カット加工部15が引き伸ばされた状態での面ファスナー10の幅Wとカット加工部15が引き伸ばされた状態での面ファスナー10のタイヤ周方向の長さLとの積である。
また、カット加工部15が引き伸ばされた状態での面ファスナー10のタイヤ周方向の長さLは面ファスナー10の構成要素16のタイヤ周方向の合計長さLtの105%〜190%、好ましくは120%〜170%であると良い。これにより、タイヤ成形工程における面ファスナー10の伸長率を適正化し、面ファスナー10に接着不良が生じるのを防止することができる。面ファスナー10のタイヤ周方向の長さLが下限値よりも小さいと面ファスナー10の材料効率が悪くなり、逆に上限値よりも大きいと面ファスナー10の構成要素16に面外変形が生じ易くなり、その面外変形が接着不良の要因となる。なお、面ファスナー10の構成要素16のタイヤ周方向の合計長さLtとは、図5(b)に示すように、面ファスナー10の分断された各部分のタイヤ周方向の長さL1,L2,L3,L4,L5の総和(L=L1+L2+L3+L4+L5)であり、即ち、伸長前の面ファスナー10のタイヤ周方向の長さに相当する。
また、面ファスナー10の各構成要素16の幅W16は面ファスナー10の幅Wの3%〜25%、好ましくは3.5%〜20%であると良い。これにより、タイヤ成形工程において面ファスナー10が伸長する際に各構成部材16に生じる歪みを抑制し、面ファスナー10の接着不良を防止することができる。各構成要素16の幅W16が下限値よりも小さいと面ファスナー10の係合機能が損なわれる恐れがあり、逆に上限値よりも大きいと面ファスナー10の構成要素16に面外変形が生じ易くなり、その面外変形が接着不良の要因となる。例えば、面ファスナー10の幅Wは45mm〜50mmの範囲に設定し、各構成要素16の幅W16は2mm〜15mmの範囲に設定すると良い。
図5(b)に示すように、面ファスナー10の構成要素16は、カット加工部15の伸長時に変形せずに主要な係止部分を構成する複数の第1構成要素16Aと、カット加工部15の伸長時に変形して第1構成要素16Aを互いに連結する複数の第2構成要素16Bとを含むことが好ましい。より具体的には、第1構成要素16Aは一端がそれに隣接する第2構成要素16Bと連結され、他端が自由端になっている。一方、第2構成要素16Bは両端がそれに隣接する第1構成要素16A又は第2構成要素16Bと連結されている。第1構成要素16Aと第2構成要素16Bを形成するにあたって、隣り合う一対のカット加工部15、15において互いに最も近接する切り込み14,14が面ファスナー10の幅方向の同じ側の端部に連通するように構成すれば良い。特に、隣り合う一対のカット加工部15、15において互いに最も近接する切り込み14,14の長さL14は同一にすると良い。このように第1構成要素16Aと第2構成要素16Bを混在させた場合、第1構成要素16Aが主要な係止部分を担持し、第2構成要素16Bが伸長時の変形部分として機能する。特に、第1構成要素16Aの幅W16を第2構成要素16Bの幅W16よりも大きくした場合、第1構成要素16Aの係合能力を高める一方で、第2構成要素16Bに生じる歪みを低減することができる。面ファスナー10がタイヤ周方向に伸長した際に、第1構成要素16Aでは係合素子12の向きが変化しないので、係合素子12に基づく係合力を最大限に発揮することが可能になる。
図7(a),(b)は本発明で使用される他の面ファスナーの平面視構造を示すものである。図7(a)に示すように、帯状の面ファスナー10には、面ファスナー10を横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15が面ファスナー10の長手方向に沿って反復的に形成されている。この例では、各カット加工部15において、切り込み14は面ファスナー10の幅方向両側から延びる一対の切り込み14Aとこれら一対の切り込み14Aの両側に配置されていて両端が閉じた一対の切り込み14Bとを含んでいる。そして、一対の切り込み14B、14B同士を連結するように面ファスナーの長手方向に延びる切り込み17が形成されている。この場合、図7(b)に示すように、面ファスナー10が引き伸ばされた状態では切り込み17で分断された構成要素16Bがその変形に伴って面ファスナー10の幅方向外側へ移動する。
図8(a),(b)は本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示すものである。図8(a)に示すように、帯状の面ファスナー10には、面ファスナー10を横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15が面ファスナー10の長手方向に沿って反復的に形成されている。この例では、各カット加工部15において、切り込み14は面ファスナー10の幅方向両側から延びる一対の切り込み14Aとこれら一対の切り込み14Aの片側に配置されていて両端が閉じた一対の切り込み14Bとを含んでいる。そして、一対の切り込み14B、14B同士を連結するように面ファスナー10の長手方向に延びる切り欠き(スリット)18が形成されている。この場合、図8(b)に示すように、面ファスナー10が引き伸ばされた状態では切り欠き18で分断された構成要素16Aが構成要素16Bの変形に伴って面ファスナー10の幅方向内側へ移動する。
図9(a),(b)は本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示すものである。図9(a)に示すように、帯状の面ファスナー10には、面ファスナー10を横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15が面ファスナー10の長手方向に沿って反復的に形成されている。この例では、各カット加工部15において、切り込み14は面ファスナー10の幅方向両側から延びる一対の切り込み14Aのみを含んでいる。
図10(a),(b)は本発明で使用される更に他の面ファスナーの平面視構造を示すものである。図10(a)に示すように、帯状の面ファスナー10には、面ファスナー10を横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込み14の群からなるカット加工部15が面ファスナー10の長手方向に沿って反復的に形成されている。この例では、各カット加工部15において、切り込み14は面ファスナー10の幅方向両側から延びる一対の切り込み14Aと一対の切り込み14Aの間に配置されていて両端が閉じた1本の切り込み14Bと一対の切り込み14Aの片側に配置されていて両端が閉じた2本の切り込み14Bとを含んでいる。
上述した空気入りタイヤにおいては、面ファスナー10とタイヤ内面Sとの間に接着ゴム層8を配置し、面ファスナー10がシート状の基材11と該基材11の一方の面に形成された複数本の係合素子12と該基材11の他方の面に形成された複数本のアンカー素子13を備え、アンカー素子13を接着ゴム層8に食い込ませた構造を採用することが望ましい。そのような構成を実現するには、面ファスナー10とカーカス成形体T1の内面との間に接着ゴム層8を配置し、面ファスナー10のアンカー素子13を接着ゴム層8に食い込ませるようにすれば良い。この場合、面ファスナー10をタイヤ内面Sに対してしっかりと固定することができる。
図11(a)〜(c)は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の一部を示すものである。上記空気入りタイヤにおいて、面ファスナー10とタイヤ内面Sとの間に接着ゴム層8を配置するにあたって、面ファスナー10にカット加工部15を設ける一方で接着ゴム層8はカット加工部15にて切断されることなくタイヤ周方向に連続的に延在することが好ましい。そのような構成を実現するために、本発明の空気入りタイヤの製造方法では、カット加工部15を持たない面ファスナー10と接着ゴム層8とを積層し、図11(a)に示すように、接着ゴム層8に積層された面ファスナー10のみに対してカット加工を施してカット加工部15を形成し、カット加工部15が形成された面ファスナー10を接着ゴム層8と共にカーカス成形体T1の内面に配置すると良い。この場合、接着ゴム層8の一体性を確保し、成形ドラムDに巻き付ける前の部材としての形状安定性を確保することができる。図11(b)に示すように、面ファスナー10が伸長したとき接着ゴム層8はカット加工部15にて切断されることなくタイヤ周方向に連続的に延在した状態になる。そして、図11(c)に示すように、接着ゴム層8は加硫後においてもタイヤ周方向に連続した状態を維持する。
図12(a)〜(c)は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法の一部を示すものである。本発明の空気入りタイヤの製造方法において、カット加工部15を持たない面ファスナー10と素子保護部材19とを互いに係合させ、必要に応じて面ファスナー10と接着ゴム層8とを積層し、図12(a)に示すように、カット加工部15を持たない面ファスナー10及び素子保護部材19に対して同時にカット加工を施してカット加工部15を形成し、カット加工部15が形成された面ファスナー10を素子保護部材19と共にカーカス成形体T1の内面に配置すると良い。素子保護部材19としては、例えば、面ファスナー10と対をなす他の面ファスナーを使用することができる。
このような面ファスナー10及び素子保護部材19を備えたカーカス成形体T1を用いてグリーンタイヤTを成形すると、図12(b)に示すように、面ファスナー10が伸長したとき素子保護部材19もタイヤ周方向に伸長することになる。そして、図12(c)に示すように、グリーンタイヤTを加硫した後で素子保護部材19を面ファスナー10から引き剥がす。この場合、加硫工程において素子保護部材19により面ファスナー10を保護することができる。つまり、加硫工程において面ファスナー10の係合素子12が潰れるのを防止することができる。しかも、素子保護部材19は面ファスナー10と同様に連続的に繋がった構造を有することになるので、素子保護部材19の引き剥がし作業を簡単に行うことができる。
タイヤサイズ215/60R16で、タイヤ内面におけるトレッド部に対応する領域に面ファスナーを設置し、この面ファスナーをタイヤ内面に対して加硫接着した空気入りタイヤを製造するにあたって、面ファスナーの構造を種々異ならせた実施例1〜5のタイヤを製作した。
より具体的には、帯状の面ファスナーに該面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込みの群からなるカット加工部をその長手方向に沿って反復的に形成し、これら切り込みにより面ファスナーを複数の構成要素に区分し、面ファスナーをその長手方向がタイヤ周方向に延在するようにして円筒状のカーカス成形体の内面に配置し、該カーカス成形体をトロイダル形状に膨らませてトレッドリングの内周面に圧着することでグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤの成形工程において面ファスナーをその構成要素がタイヤ周方向に連なるようにしてカット加工部が引き伸ばされた状態とし、しかる後、グリーンタイヤを加硫した。その際、面ファスナーの構造として、図5(実施例1)、図7(実施例2)、図8(実施例3)、図9(実施例4)及び図10(実施例5)を採用した。
また、比較のため、円筒状のカーカス成形体の内面に多数の面ファスナーをタイヤ周方向に沿って間隔をおいて配置したこと以外は実施例1〜5と同じ方法により従来例のタイヤを製作した。
その結果、実施例1〜5では、タイヤ成形工程において面ファスナーをタイヤ内面に装着することが可能であり、しかも面ファスナーの脱落を生じることはなかった。一方、従来例では、カーカス成形体の膨張からグリーンタイヤの加硫に至る過程において面ファスナーの一部がタイヤ内面から浮き上がり、その浮き上がった面ファスナーがタイヤ内面から脱落した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 インナーライナー層
7 ベルト層
8 接着ゴム層
10 面ファスナー
11 基材
12 係合素子
13 アンカー素子
14 切り込み
15 カット加工部
16 構成要素
S タイヤ内面

Claims (19)

  1. タイヤ内面にタイヤ周方向に延在する帯状の面ファスナーを装着し、該面ファスナーに該面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込みの群からなるカット加工部をタイヤ周方向に沿って反復的に形成し、前記切り込みにより前記面ファスナーを複数の構成要素に区分し、前記面ファスナーを前記構成要素がタイヤ周方向に連なるようにして前記カット加工部が引き伸ばされた状態でタイヤ内面に配置した空気入りタイヤであって、
    前記面ファスナーと前記タイヤ内面との間に接着ゴム層を配置し、前記面ファスナーに前記カット加工部を設ける一方で前記接着ゴム層は前記カット加工部にて切断されることなくタイヤ周方向に連続的に延在することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での前記切り込みの長さが前記面ファスナーの幅の20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での該カット加工部のタイヤ周方向の周期が前記面ファスナーの幅の15%〜150%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態において前記面ファスナーの外形輪郭線で囲まれる領域の面積が前記面ファスナーの実面積の105%〜190%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での前記面ファスナーのタイヤ周方向の長さが前記面ファスナーの構成要素のタイヤ周方向の合計長さの105%〜190%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記面ファスナーの各構成要素の幅が前記面ファスナーの幅の3%〜25%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記面ファスナーの構成要素が前記カット加工部の伸長時に変形せずに主要な係止部分を構成する複数の第1構成要素と前記カット加工部の伸長時に変形して前記第1構成要素を互いに連結する複数の第2構成要素とを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記第1構成要素の幅が前記第2構成要素の幅よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記面ファスナーと前記タイヤ内面との間に接着ゴム層を配置し、前記面ファスナーがシート状の基材と該基材の一方の面に形成された複数本の係合素子と該基材の他方の面に形成された複数本のアンカー素子を備え、前記アンカー素子を前記接着ゴム層に食い込ませたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 帯状の面ファスナーに該面ファスナーを横断することなくその幅方向に延びる複数本の切り込みの群からなるカット加工部をその長手方向に沿って反復的に形成し、前記切り込みにより前記面ファスナーを複数の構成要素に区分し、前記面ファスナーをその長手方向がタイヤ周方向に延在するようにして円筒状のカーカス成形体の内面に配置し、該カーカス成形体をトロイダル形状に膨らませてトレッドリングの内周面に圧着することでグリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤの成形工程において前記面ファスナーを前記構成要素がタイヤ周方向に連なるようにして前記カット加工部が引き伸ばされた状態とし、しかる後、前記グリーンタイヤを加硫する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カット加工部を持たない面ファスナーと接着ゴム層とを積層し、該接着ゴム層に積層された面ファスナーのみに対してカット加工を施して前記カット加工部を形成し、該カット加工部が形成された面ファスナーを前記接着ゴム層と共に前記カーカス成形体の内面に配置することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での前記切り込みの長さが前記面ファスナーの幅の20%以上であることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での該カット加工部のタイヤ周方向の周期が前記面ファスナーの幅の15%〜150%であることを特徴とする請求項10又は11に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  13. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態において前記面ファスナーの外形輪郭線で囲まれる領域の面積が前記面ファスナーの実面積の105%〜190%であることを特徴とする請求項1012のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  14. 前記カット加工部が引き伸ばされた状態での前記面ファスナーのタイヤ周方向の長さが前記面ファスナーの構成要素のタイヤ周方向の合計長さの105%〜190%であることを特徴とする請求項1013のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  15. 前記面ファスナーの各構成要素の幅が前記面ファスナーの幅の3%〜25%であることを特徴とする請求項1014のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  16. 前記面ファスナーの構成要素が前記カット加工部の伸長時に変形せずに主要な係止部分を構成する複数の第1構成要素と前記カット加工部の伸長時に変形して前記第1構成要素を互いに連結する複数の第2構成要素とを含むことを特徴とする請求項1015のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  17. 前記第1構成要素の幅が前記第2構成要素の幅よりも大きいことを特徴とする請求項16に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  18. 前記面ファスナーと前記カーカス成形体の内面との間に接着ゴム層を配置し、前記面ファスナーがシート状の基材と該基材の一方の面に形成された複数本の係合素子と該基材の他方の面に形成された複数本のアンカー素子を備え、前記アンカー素子を前記接着ゴム層に食い込ませることを特徴とする請求項1017のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  19. 前記カット加工部を持たない面ファスナーと素子保護部材とを互いに係合させ、前記カット加工部を持たない面ファスナー及び前記素子保護部材に対して同時にカット加工を施して前記カット加工部を形成し、該カット加工部が形成された面ファスナーを前記素子保護部材と共に前記カーカス成形体の内面に配置して前記グリーンタイヤを成形し、該グリーンタイヤを加硫した後で前記素子保護部材を前記面ファスナーから引き剥がすことを特徴とする請求項1018のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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