従来、空気や水等の流体の流量を検出するための検出器としてフラッパ式流量検出器が知られている。フラッパ式流量検出器は、測定対象の流体の流路を閉塞可能、且つ、流体の流動によって基端を中心に回転可能であるように設置されたフラッパと、フラッパを閉位置の側に付勢するばね等の付勢手段とを備えている。流体の流量に応じてフラッパがばね等の付勢力に抗して閉位置から所定の角度回転するので、フラッパの回転角に基づいて流体の流量を測定することができる。フラッパの回転角を検出する手法としては、フラッパの回転軸に直接指針を取付けて指針の回転を読み取る手法や、フラッパと指針にそれぞれマグネットを取付け、磁力によりフラッパに連動して回転する指針の回転を読み取る手法が知られている。また、フラッパにマグネットを取付け、マグネットの位置をポテンショメータ等で電気的に検出する手法も知られている。また、透視窓を介してフラッパを直接視認してフラッパの回転角を読み取る手法も知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1には、フラッパ、回転軸、軸受板、後面板、上面板、底面板及び流路ガイドなどからなるフラッパ機構部が前面パネルとともに一体で筐体に着脱できるように構成されたフラッパ式流量計が開示されている。回転軸はフラッパと一体で回転するようにフラッパに取付けられ、回転軸を支持する軸受は前面側の軸受板と後面板に設置されている。また、回転軸には指針あるいは磁石が結合される。
特許文献2には、フラッパとフラッパを回動自在に支持する支持部が、ボディ部の外周面の箱状の突出部に装着されたフラッパ式フロースイッチが開示されている。支持部はボディ部の外周面の突出部に組付けられた後、突出部の開口部と蓋体により挟持されて突出部に固定される。フラッパの基端の軸方向の両側には一対の取付片が設けられており、これら一対の取付片が支持部を挟むように支持部にフラッパが組付けられている。フラッパを軸着するシャフトは、一対の取付片及び支持部に挿通されている。なお、特許文献2のフラッパ式フロースイッチは、フラッパの材料として樹脂を採用したり、マグネットをフラッパの回転軸に同軸的な位置に設置することによりフラッパやマグネットの重力の影響が抑制されている。3つの磁石が一対の取付片及び支持部に設置されており、これらの磁石にも貫通孔が形成され、この貫通孔にシャフトが挿通されている。
特許文献3には、測定体(フラッパ)と緩衝体がウェブで結合され、緩衝体の基端のボスが支承軸に不動に固定され、支承軸が測定体と一体で回転するように構成された流量測定装置が開示されている。緩衝体は、ケーシングの側方に突出して形成された緩衝室に収容されている。特許文献3には、測定体または支承軸の角度位置を検出する手段の例としてポテンショメータが記載されている。また、特許文献3には、支承軸の軸受として玉軸受を用いることで摩擦抵抗を低減することが記載されている。
特許文献4には、フラッパーの基端の軸方向の両側にヒンジ部が設けられ、ケーシングの内側に突出する一対の突堤に支軸受け部が設けられ、これらヒンジ部及び支軸受け部に支軸が挿通されたフラッパー式検流器が開示されている。
このようなフラッパ式流量検出器は様々な設備や機械の配管に設置されて使用されるが、設備や機械によってはフラッパ式流量検出器を設置するための充分なスペースがない場合がある。また、フラッパ式流量検出器を設置するだけのスペースはあっても、フラッパ式流量検出器の設置作業やメンテナンス作業のための充分なスペースがない場合もある。このため、コンパクトなフラッパ式流量検出器に対するニーズがある。また、メンテナンス作業等の容易化のため、フラッパや軸受等の内部機構の組立てや分解が容易なフラッパ式流量検出器に対するニーズがある。特許文献1のフラッパ式流量計は、フラッパ及びその軸受機構を前面パネルとともに一体で筐体に着脱できるので、メンテナンス作業は容易である。また、特許文献2のフラッパ式フロースイッチも、フラッパ及びその軸受機構を一体でボディ部の突出部に着脱できるので、メンテナンス作業は容易である。
しかしながら、特許文献1のフラッパ式流量計や特許文献2のフラッパ式フロースイッチは、フラッパ及びその軸受機構等で構成されるサブアッセンブリをケーシングに着脱する構成であるため、部品点数が多く構造が複雑であるという問題がある。具体的には、特許文献1のフラッパ式流量計は、筐体とは別に筐体の中に後面板、上面板、底面板で構成される枠体を備える構成であるため、部品点数が多く構造が複雑である。また、特許文献2のフラッパ式フロースイッチも、3つのマグネットを備えるため部品点数が多く、また、3つのマグネットに貫通孔が形成されてシャフトが挿通されるため構造が複雑である。
さらに、特許文献2のフラッパ式フロースイッチは、フラッパ及びその軸受機構を一体で着脱するために、ボディ部の外周面に箱状の突出部が設けられた構成であるため小型化しにくいという問題がある。また、特許文献3の流量測定装置も、緩衝体を収容する緩衝室が、ケーシングの側方に突出して形成される構成であるため小型化しにくいという問題がある。また、特許文献4のフラッパー式検流器は、フラッパーをケーシングに組み付ける際に、フラッパーのヒンジ部とケーシングの内側の一対の支軸受け部との干渉を避けるため、まず本来の回転中心から径方向にヒンジ部をずらしてフラッパーをケーシング内に挿入してから、ヒンジ部の位置が本来の回転中心に一致するようにフラッパーを径方向に移動させる必要がある。このためケーシング内にフラッパーの径方向の移動のためのスペースを確保する必要があり、やはり小型化しにくいという問題がある。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであって、構造が簡単で組立て作業等が容易であり小型化しやすいフラッパ式流量検出器を提供することをその課題とする。
本発明は、測定対象の流体の流量に応じて回転角が変化するように設置されたフラッパと、フラッパの回転中心側の基端部を径方向内側から摺動可能に支持する中心軸部と、フラッパと一体で回転するようにフラッパの回転中心に同軸的な位置に設置されたマグネットと、マグネットの回転角を検出するためのセンサと、を備え、中心軸部、マグネット及びセンサは、この順で軸方向に並んで、且つ、軸方向に相互に離間して設置されたフラッパ式流量検出器により上記課題を解決したものである。
このフラッパ式流量検出器は、中心軸部、マグネット及びセンサが、この順で軸方向に並んで設置されるので、回転中心の径方向に小型化しやすい。また、中心軸部、マグネット及びセンサは、軸方向に相互に離間して設置されるので、マグネットやセンサに孔を形成して中心軸部を挿通する必要がない。したがって、構造が簡単で組立て作業が容易である。
また、上記のフラッパ式流量検出器において、フラッパの基端部における軸方向の一方側の第1端部及び他方側の第2端部のうち、第2端部の外周面に接触または近接して第2端部を径方向外側から回転可能に保持する第2端部外側保持部をさらに備え、中心軸部は、第1端部及び第2端部のうち少なくとも第1端部を径方向内側から摺動可能に支持し、且つ、第1端部の近傍において片持ち状態で実質的にケーシングに支持され、マグネットは、前記第2端部に設置された構成とするとよい。
このようにフラッパの基端部を径方向内側から摺動可能に支持する中心軸部が片持ち状態で実質的にケーシングに支持される構成とすることで、フラッパをケーシングに組み付ける際、フラッパ、中心軸部を軸方向のみに移動させればよく、フラッパを径方向に移動させる必要がないので、さらに径方向に小型化しやすく、また組立て作業が容易である。また、第2端部を径方向外側から回転可能に保持する第2端部外側保持部をさらに備えるので、中心軸部が第1端部の近傍において片持ち状態で支持される構成であっても、フラッパの径方向の振れを抑制できる。
さらに、上記のフラッパ式流量検出器において、中心軸部は、第2端部も径方向内側から摺動可能に支持し、中心軸部における第2端部との摺動面及び第2端部における中心軸部との摺動面の一方は、回転中心を含む断面における形状が他方に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成としてもよい。
このように中心軸部が第2端部も径方向内側から摺動可能に支持する構成とすることで、フラッパの径方向の振れを抑制する効果を高めることができる。また、中心軸部における第2端部との摺動面及び第2端部における中心軸部との摺動面の一方が、他方に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成とすることで、中心軸部と第2端部との摺動部の接触面積が小さくなるので摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパや中心軸部が径方向に振れた場合でも、中心軸部と第2端部との摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
また、上記のフラッパ式流量検出器において、中心軸部は、第2端部も径方向内側から摺動可能に支持し、第2端部は、中心軸部の軸方向の先端面と接触または近接する軸方向規制面を備え、中心軸部の先端面及び第2端部の軸方向規制面の一方は、他方に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成としてもよい。
このように第2端部が中心軸部の軸方向の先端面と接触または近接する軸方向規制面を備える構成とすることで、フラッパの第1端部側への移動を中心軸部によって規制することができる。また、中心軸部の先端面及び第2端部の軸方向規制面の一方が、他方に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成とすることで、中心軸部の先端面と第2端部の軸方向規制面との接触面積が小さくなるので摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパや中心軸部が径方向に振れた場合でも、中心軸部の先端面と第2端部の軸方向規制面との摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
また、フラッパは基端部の軸方向の両側の端面において他の部材と接触または近接して軸方向の移動が規制され、基端部の軸方向の少なくとも一方側の端面は回転中心に同軸的な環状であり、且つ、回転中心を含む断面における形状が接触または近接する他の部材に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成としてもよい。
このようにフラッパは基端部の軸方向の端面が回転中心に同軸的な環状であり、且つ、回転中心を含む断面における形状が、接触または近接する他の部材に向かって凸である丸みを帯びた形状である構成とすることで、フラッパの基端部と他の部材との接触面積が小さくなるので摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパが径方向に振れた場合でも、フラッパの端面と他の部材との摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
本発明によれば、構造が簡単で組立て作業等が容易であり小型化しやすいフラッパ式流量検出器を実現できる。
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るフラッパ式流量検出器10は、測定対象の流体の流量に応じて回転角が変化するように設置されたフラッパ12と、フラッパ12の回転中心14側の基端部12Aを径方向内側から摺動可能に支持する中心軸部16と、フラッパ12と一体で回転するようにフラッパ12の回転中心14に同軸的な位置に設置されたマグネット18と、マグネット18の回転角を検出するためのセンサ20と、を備え、中心軸部16、マグネット18及びセンサ20は、この順で軸方向に並んで、且つ、軸方向に相互に離間して設置されている。
図2に示されるように、フラッパ12は基端部12Aと板状体部12Bとが一体で形成された構成である。なお、フラッパ12の材料は例えば合成樹脂である。基端部12Aにおける軸方向の一方側の第1端部22は、中心軸部16が挿通する貫通孔が形成された円板状体である。図3に拡大して示されるように、第1端部22におけるマグネット18から離れる側の側面22A(基端部12Aの軸方向の端面)は、回転中心14に同軸的な環状であり、且つ、回転中心14を含む断面における形状が後述する押え板28(接触または近接する他の部材)に向かって凸である丸みを帯びた形状である。なお、板状体部12Bは一部が第1端部22よりも押え板28の側に突出している。言い換えれば、第1端部22の側面22Aは板状体部12Bの端面よりも押え板28から離れる側に配置されており、このスペースに入り込むように押え板28が配置されている。
一方、基端部12Aにおける他方側の第2端部24は略円筒形状であり、一部が板状体部12Bよりも第1端部22から離れる側に突出している。第2端部24の内側は軸方向の中間付近において隔壁24Aにより隔てられている。隔壁24Aの第1端部22に近い側には中心軸部16と遊嵌する凹部24Bが形成されている。また、隔壁24Aの第1端部22から離れる側にはマグネット18が嵌合する凹部24Cが形成されている。凹部24B及び凹部24Cの内周面は円筒面である。なお、第1端部22及び第2端部24の外径は等しく、図2に示されるように、これらと同じ外径のハーフパイプ状の中間部26により連結されるように、第1端部22、第2端部24、中間部26は板状体部12Bと一体で形成されている。
図4に示されるように、中心軸部16は、半月状の押え板28の中央付近から突出するように押え板28と一体で形成されている。なお、中心軸部16及び押え板28の材料も例えば合成樹脂である。ケーシング30には押え板28が嵌合する凹部30Aが形成されている。この凹部30Aに嵌合した押え板28の上に透視窓32が設置されており、ケーシング30と透視窓32に挟まれて押え板28はケーシング30に固定されている。これにより、中心軸部16は、第1端部22の近傍において押え板28を介して片持ち状態で実質的にケーシング30に支持されている。なお、透視窓32は、透明な基材に目盛りが設置された構成であり、目盛りによって観察者がフラッパ12の回転角(流量)を読み取ることができるようになっている。
中心軸部16は、フラッパ12の基端部12Aの第1端部22及び第2端部24を径方向内側から摺動可能に支持している。より詳細には、中心軸部16は、第1端部22の内周面と遊嵌している。なお、押え板28は、環状で先端が丸みを帯びた形状の第1端部22の側面22Aと接触または近接している。図5に拡大して示されるように、中心軸部16の先端の近傍には他の部分よりも括れた首部が形成されている。この首部よりも先端側の先端部において、中心軸部16は第2端部24の凹部24Bに遊嵌している。先端部の外周面16A(第2端部24との摺動面)は、第2端部24の凹部24Bの内周面(中心軸部16との摺動面)に向かって凸である丸みを帯びた形状である。また、第2端部24の隔壁24Aの第1端部22の側の面である軸方向規制面24Dは、中心軸部16の先端部の軸方向の先端面16Bと接触または近接している。中心軸部16の先端面16Bも軸方向規制面24Dに向かって凸である丸みを帯びた形状である。また、第2端部24における第1端部22から離れる側の側面24E(基端部12Aの軸方向の端面)は、回転中心14に同軸的な環状であり、且つ、回転中心14を含む断面における形状がケーシング30(接触または近接する他の部材)の内周面に向かって凸である丸みを帯びた形状である。なお、中心軸部16は、図5に示される押え板28を除く部分の断面形状が回転中心14の回りに回転した回転体形状である。
マグネット18は円板状体であり、第2端部24の凹部24Cに嵌合し、フラッパ12と一体で回転するように第2端部24に固定されている。マグネット18は、回転中心14を含む面に対して対称的にN極とS極とに分極されている。なお、凹部24Cは側面24Eの近傍の部分が他の部分よりも内径が大きい段付き形状である。この内径が大きい部分には樹脂等が充填され、これによりマグネット18が第2端部24に固定されている。
図4に示されるように、ケーシング30は略箱状体であり、押え板28が取付けられる表側壁部が開口し、この開口部は透視窓32で閉塞されている。一方、裏側壁部には開口部はなく、その内側には、フラッパ12の基端部12Aの第2端部24の外周面に接触または近接して第2端部24を径方向外側から回転可能に保持する第2端部外側保持部34が形成されている(図1参照)。第2端部外側保持部34は、ケーシング30の内側の面に形成された円形の凹部である。なお、第2端部24は、板状体部12Bよりも第1端部22から離れる側に突出する部分において第2端部外側保持部34と係合している。また、第2端部24の側面24Eは、第2端部外側保持部34の底面と接触または近接している。
センサ20は、ケーシング30の裏側壁部の外側(裏側)に設置されている。センサ20は、ホール素子、磁気抵抗効果素子、コイル等を備え、マグネット18の回転角に伴う磁場の変化を検出して電気信号として出力するように構成されている。なお、センサ20は、マグネット18の回転角の変化をリニアに検出することができる。
ケーシング30における表側壁部及び裏側壁部とは別の他の対向する2つの壁部には管状の入口部と出口部が形成されている。フラッパ式流量検出器10は、これら入口部と出口部において、測定対象である流体が流れる配管に接続され、フラッパ12が設置されたケーシング30の内側の流路を流体が流れるように構成されている。なお、フラッパ12はねじりコイルばね等の付勢手段(図示省略)により、ケーシング30の内側の流路を閉塞する側に付勢されている。
次に、フラッパ式流量検出器10の作用効果について説明する。フラッパ式流量検出器10は、中心軸部16、マグネット18及びセンサ20が、この順で軸方向に並んで設置されるので、回転中心14の径方向に小型化しやすい。また、中心軸部16、マグネット18及びセンサ20は、軸方向に相互に離間して設置されているので、マグネット18やセンサ20に孔を形成して中心軸部16を挿通する必要がない。したがって、構造が簡単で組立て作業が容易である
また、フラッパ12の基端部12Aを径方向内側から摺動可能に支持する中心軸部16が片持ち状態で実質的にケーシング30に支持される構成であるので、フラッパ12をケーシング30に組み付ける際、フラッパ12、中心軸部16を軸方向のみに移動させればよく、フラッパ12を径方向に移動させる必要がないので、この点でも径方向に小型化しやすく、また、組立て作業が容易である。さらに、第2端部24を径方向外側から回転可能に保持する第2端部外側保持部34が備えられているので、中心軸部16が第1端部22の近傍において片持ち状態で支持される構成であっても、フラッパ12の径方向の振れを抑制できる。
また、中心軸部16が第2端部24も径方向内側から摺動可能に支持する構成であるので、フラッパ12の径方向の振れを抑制する効果がさらに高められている。また、中心軸部16における先端部の外周面16A(第2端部24との摺動面)が、第2端部24の凹部24Bの内周面(中心軸部16との摺動面)に向かって凸である丸みを帯びた形状であるので、中心軸部16と第2端部24との摺動部の接触面積が小さく、摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパ12や中心軸部16が径方向に振れた場合でも、中心軸部16と第2端部24との摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
また、第2端部24が中心軸部16の軸方向の先端面16Bと接触または近接する軸方向規制面24Dを備えるので、フラッパ12の第1端部22側への移動を中心軸部16によって規制することができる。また、中心軸部16の先端面16Bが、軸方向規制面24Dに向かって凸である丸みを帯びた形状であるので、中心軸部16の先端面16Bと第2端部24の軸方向規制面24Dとの接触面積が小さく、摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパ12や中心軸部16が径方向に振れた場合でも、中心軸部16の先端面16Bと第2端部24の軸方向規制面24Dとの摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
また、フラッパ12は第1端部22の側面22A及び第2端部24の側面24E(基端部12Aの軸方向の端面)が回転中心14に同軸的な環状であり、且つ、回転中心14を含む断面における形状が、押え板28またはケーシング30(接触または近接する他の部材)に向かって凸である丸みを帯びた形状であるので、フラッパ12の基端部12Aと押え板28またはケーシング30との接触面積が小さく、摺動抵抗を低減できる。さらに、フラッパ12が径方向に振れた場合でも、第1端部22の側面22A及び第2端部24の側面24Eと押え板28またはケーシング30との摺動抵抗の増大を防止または抑制できる。
なお、本実施形態において、フラッパ12は第1端部22の側面22A及び第2端部24の側面24E(基端部12Aの軸方向の端面)の両方が、押え板28またはケーシング30(接触または近接する他の部材)に向かって凸である丸みを帯びた形状であるが、いずれか一方のみが、接触または近接する他の部材に向かって凸である丸みを帯びた形状であってもよい。例えば、フラッパ12が第1端部22側に移動する際に第1端部22の側面22Aが押え板28に接触する前に第2端部24の軸方向規制面24Dが中心軸部16の軸方向の先端面16Bと接触する場合、第1端部22の側面22Aは、押え板28に向かって凸である丸みを帯びた形状でなくてもよい。
また、本実施形態において、中心軸部16の先端面16Bは第2端部24の軸方向規制面24Dに向かって凸である丸みを帯びた形状であるが、先端面16Bは平坦で、軸方向規制面24Dが先端面16Bに向かって凸である丸みを帯びた形状であってもよい。また、先端面16B及び軸方向規制面24Dの両方が相手側に向かって凸である丸みを帯びた形状であってもよい。また、例えば、フラッパ12が第1端部22側に移動する際に軸方向規制面24Dが先端面16Bに接触する前に第1端部22の側面22Aが押え板28に接触する場合、先端面16B及び軸方向規制面24Dの両方が平坦であってもよい。また例えば、フラッパ12の第1端部22及び第2端部24と、押え板28、ケーシング30または中心軸部16との軸方向の接触による摺動抵抗が問題とならない場合には、中心軸部16の先端面16B、第2端部24の軸方向規制面24D、第1端部22の側面22A及び第2端部24の側面24Eの全部または一部が丸みを帯びた形状でなくてもよい。
また、本実施形態において、中心軸部16の先端部の外周面16A(第2端部24との摺動面)は、第2端部24の凹部24Bの内周面(中心軸部16との摺動面)に向かって凸である丸みを帯びた形状であるが、第2端部24の凹部24Bの内周面が中心軸部16の先端部の外周面16Aに向かって凸である丸みを帯びた形状であり、中心軸部16の先端部の外周面16Aは円筒面であってもよい。また、第2端部24の凹部24Bの内周面及び中心軸部16の先端部の外周面16Aの両方が相手に向かって凸である丸みを帯びた形状であってもよい。また例えば、第2端部24の凹部24Bの内周面と中心軸部16の先端部の外周面16Aとの摺動抵抗が問題とならない場合には、第2端部24の凹部24Bの内周面及び中心軸部16の先端部の外周面16Aの両方が円筒面であってもよい。
また、本実施形態において、中心軸部16が第2端部24も径方向内側から摺動可能に支持する構成であるが、フラッパ12の径方向の振れを抑制できれば、中心軸部16は第1端部22のみを径方向内側から摺動可能に支持する構成であってもよい。
また、本実施形態において、第2端部24を径方向外側から回転可能に保持する第2端部外側保持部34が備えられているが、フラッパ12の径方向の振れを抑制できれば、第2端部外側保持部34を備えない構成としてもよい。
また、本実施形態において、中心軸部16は押え板28と一体で形成され、押え板28を介して片持ち状態で実質的にケーシング30に支持されているが、中心軸部は押え板と別体で形成されて押え板に結合され、押え板を介して片持ち状態で実質的にケーシングに支持される構成でもよい。また、中心軸部は押え板とは別の部材と一体または別体で形成され、この部材を介して片持ち状態で実質的にケーシングに支持される構成でもよい。また、中心軸部は、片持ち状態でケーシングに直接支持される構成でもよい。
また、本実施形態において、センサ20は、マグネット18の回転角の変化をリニアに検出することができるが、センサ20は、マグネット18の回転角が所定の閾値に達したことを検出するスイッチタイプのものであってもよい。