JP6511339B2 - 杭の先端シュー及び杭構造 - Google Patents

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Description

本発明は、中空の杭本体の下端や上端の開口を塞ぐ杭の先端シュー、及びそれが杭本体の下端に取り付けられた杭構造に関するものである。
特許文献1−3に開示されているように、円筒状の杭の下端にある開口が、先端シューによって塞がれる構造が知られている。このように杭の先端を塞ぐことによって、開口状態と比べて杭の先端支持力を増加させることができる。
特許文献1には、円筒状の鋼管の下端に、円錐状やドーム状の先端シューを溶接で固定させた構造が開示されている。例えば第3図及び第4図(ハ)には、伏せたお椀状の先端シューを、鋼管の下端に溶接で接合させた構造が図示されている。
一方、特許文献2には、円筒状のコンクリートパイルの下端を、シート状金属製の先端シューによって覆った構造が開示されている。この先端シューとコンクリートパイルとの間には、コンクリートが充填される。
さらに、特許文献3には、中空コンクリート杭の下端を円形鋼板製の先端シューで塞ぐとともに、鋼板製の補強バンドを杭体の下端外周に巻き付けた構造が開示されている。
特開昭50−144216号公報 特公昭50−13561号公報 実公昭51−20171号公報
しかしながら、鋼管杭の下端と先端シューとを溶接で接合させる場合は、現場での溶接作業が必要となり、手間がかかり施工性に劣る。また、特許文献1の第4図(ハ)に開示されているように、先端シューの上方に突出された円筒状のジョイント部を鋼管杭に挿し込むためには、高い精度でジョイント部を製作しないと、ジョイント部と鋼管杭の内周面との間に隙間が空いたり、ジョイント部が挿し込めなくなったりするおそれがある。
そこで、本発明は、杭本体への取り付けが容易で施工性に優れた杭の先端シュー、及びそれが杭本体に取り付けられた杭構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の杭の先端シューは、中空の杭本体の開口を塞ぐ杭の先端シューであって、前記開口を塞ぐために前記杭本体の内空断面よりも広い平面に形成される蓋板部と、前記蓋板部の内面に端部が接合されるとともに、前記杭本体の内周面に接触可能となるような屈曲形状に成形された複数のバネ部とを備え、前記複数のバネ部を前記杭本体の内部に挿し込む際には前記バネ部が撓み、前記複数のバネ部の復元力によって前記蓋板部が保持されることを特徴とする。
ここで、前記バネ部は、側面視略L字形に成形されており、屈曲部が杭の外側に向けて突出するように前記蓋板部に接合される構成とすることができる。
また、前記杭本体の内空断面及び前記蓋板部の平面は、正方形に形成されるとともに、前記複数のバネ部は、前記蓋板部の隅角部の内角側に配置される構成とすることもできる。
さらに、本発明の杭構造は、上記いずれかの杭の先端シューが、前記杭本体の上端及び下端の少なくとも一方に取り付けられたことを特徴とする。
また、上記いずれかの杭の先端シューが杭本体の下端に取り付けられた杭構造であって、前記蓋板部が、前記杭本体の断面外形内に収まる形状に形成される構成とすることができる。
さらに、上記いずれかの杭の先端シューが杭本体の下端に取り付けられた杭構造であって、前記杭本体と前記蓋板部との境界は、セメント系固化材によって外側から覆われる構成とすることができる。
このように構成された本発明の杭の先端シューは、杭本体の内空断面よりも広い平面に形成される蓋板部と、杭本体の内周面に接触可能となるような屈曲形状に成形された複数のバネ部とを備えている。
この複数のバネ部は、杭本体の内部に挿し込む際には撓んで弾性変形し、複数のバネ部の復元力によって蓋板部は簡単に杭本体から外れないように保持される。
このようにバネ部を杭本体の内部に挿し込むだけで、杭本体に蓋板部を容易に取り付けることができるので、施工性に優れている。また、バネ部の復元力で保持させる構成であるため、杭本体やバネ部に多少の製作誤差があったとしても吸収させることができる。
例えば側面視略L字形に成形されたバネ部を、屈曲部が杭の外側に向けて突出するように蓋板部に接合させておくことで、容易に先端シューを製作することができる。
また、内空断面が正方形に形成された杭本体に適用する場合は、それに合わせて蓋板部の隅角部の内角側にバネ部をそれぞれ配置しておくことで、バネ部を杭本体の内周面に当てて蓋板部の回転を防ぐことができる。
さらに、本発明の杭構造は、杭の先端シューが杭本体の上端及び下端の少なくとも一方に取り付けられる。杭本体の下端を先端シューによって塞ぐことで、杭の先端支持力を増加させることができる。また、杭本体の上端を先端シューによって塞ぐことで、杭頭の保護及び補強を行うことができる。
さらに、杭本体の下端に取り付けられる先端シューの蓋板部が、杭本体の断面外形内に収まる形状に形成されていれば、杭本体の周面を地盤に確実に密着させることができるので、周面摩擦抵抗による杭の支持力を増加させることができる。
また、杭の先端シューを杭本体の下端に取り付けるに際して、杭本体と蓋板部との境界をセメント系固化材によって外側から覆うようにしておくことで、杭本体の下端部の腐食が抑えられて、耐久性の高い杭構造にすることができる。
本発明の実施の形態の先端シューが取り付けられた杭構造の構成を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態の先端シューの構成を説明する図であって、(a)は(b)のB−B矢視方向で見た側面図、(b)は平面図である。 先端シューによって杭本体の上端及び下端の開口が塞がれた杭構造の構成を説明するための断面図である。 実施例1の先端シューによって杭本体の上端及び下端の開口が塞がれた杭構造の構成を説明するための断面図である。 実施例2の先端シューによって杭本体の下端の開口が塞がれ、杭周にはグラウトが充填された杭構造の構成を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の杭の先端シュー3が取り付けられた鋼管杭1の構成を示した断面図である。
本実施の形態で説明する杭としての鋼管杭1は、四角筒状の鋼管によって杭本体2が構成される。例えば、杭本体2として、断面が正方形となる角形鋼管が使用できる。
角形鋼管である杭本体2の断面形状としては、例えば正方形断面の1辺が50 mmから550 mm程度、好ましくは50 mmから200 mmのサイズのものが使用できる。また、鋼管の肉厚は、1.2 mmから50 mm程度、好ましくは1.6 mmから3.2 mmのサイズのものが使用できる。
角形鋼管は、同じ耐力の材料を使用する場合に丸形鋼管(円筒状の鋼管)と比べて肉厚を薄くすることができる。一方、同一断面積の角形鋼管と丸形鋼管とを比較した場合、閉塞断面積及び周面積が角形鋼管の方が1.5倍程度と大きくなり、断面係数は角形鋼管の方が2倍程度と大きくなる。
鋼管杭1は、地盤に対して圧入又は打ち込み(打撃)によって設置される。鋼管杭1の先端支持力は、支持地盤に接する下端の面積に比例して増加するため、中空の杭本体2のままよりも、下端の開口を塞いで面積を増加させた方が大きくすることができる。
そこで、杭本体2の下端の開口を先端シュー3によって塞ぐこととする。この先端シュー3は、図1に示すように、開口を塞ぐ蓋板部4と、蓋板部4の上面となる内面4aに端部が接合された複数のバネ部5,・・・とを主に備えている。
この蓋板部4は、図2(b)に示すように、杭本体2の内空断面よりも広い平面となる正方形の板状に形成される。蓋板部4には、取り付ける杭本体2の断面(1辺の長さ)に応じて、2 mmから50 mm程度の板厚の鋼板が使用できる。
本実施の形態の蓋板部4は、図1及び図2(b)に示すように、内面4a上に断面外縁が正方形になる杭本体2を載せた際に、周縁が側方に少し張り出される程度の大きさに成形される。
一方、バネ部5は、図1,3及び図2(a)に示すように、杭本体2の内周面2bに接触可能となるような屈曲形状に成形される。ここで、図1は、図2(b)のA−A矢視方向で見た断面図、図2(a)は、図2(b)のB−B矢視方向で見た側面図、図3は、図2(b)のC−C矢視方向で見た断面図を示している。
そして、図2(a)に示したバネ部5は、変形前の状態を表しており、図1に示したバネ部5は、弾性変形後の状態を表している。このバネ部5は、図2(a)に示したように、側面視略L字形に成形されている。
バネ部5は、屈曲部5aが杭軸11の反対方向(杭の外側方向)に向けて突出するように蓋板部4の上面(内面4a)に取り付けられる。ここで、バネ部5の先端(上端)は、杭本体2の内空に収容しやすいように内空断面内に配置される。
これに対して屈曲部5aは、杭本体2の内周面2bに接触可能となるように、杭本体2の内空断面外に配置される。また、バネ部5の下端は、溶接部51によって蓋板部4の内面4aに接合させる。
このバネ部5は、例えば直径5 mmから6 mm程度の丸鋼又は異形鉄筋などによって形成することができる。そして、図2(b)に示すように、正方形の4つの隅角部に、それぞれバネ部5,・・・が取り付けられる。
詳細には、各バネ部5は、蓋板部4の各隅角部の内角側にそれぞれ配置される。また、バネ部5は、正方形の蓋板部4の対角線上に載るような向きにして取り付けられる。
このような構成となる先端シュー3は、杭本体2の隅角部2a,・・・に対して蓋板部4の隅角部4b,・・・の位置を合せて取り付けられる。この結果、バネ部5,・・・は、それぞれ杭本体2の隅角部2a,・・・の内角側に収容される。
この杭本体2の内部に挿し込まれたバネ部5,・・・は、図1に示すように、弾性変形をして杭軸11に向けて撓んで収容される。
そして、杭本体2の内部に収容されたバネ部5は、復元力によって屈曲部5aが杭本体2の内周面2bに接触される。この複数のバネ部5,・・・の接触は、屈曲部5a,・・・を内周面2bに押し付ける密着となる。
このため、空中に吊り上げれた杭本体2の下端の開口に対して先端シュー3を取り付けたときにも、蓋板部4は落下することなく杭本体2の端面に接触した状態で保持される。
また、杭本体2の隅角部2a,・・・の内角側にそれぞれバネ部5,・・・が収容されるので、杭軸11を中心とした先端シュー3を回転させる力が作用しても、バネ部5が内周面2bに当たって回転は阻止される。
一方、本実施の形態の鋼管杭1は、図3に示すように、杭頭側の開口も先端シュー3Aで塞ぐことができる。杭頭の開口を先端シュー3Aで塞ぐことによって、中空の杭本体2の変形が上端で拘束されることになるので、杭頭を補強した効果が得られることになる。
また、杭本体2の上端の開口を先端シュー3Aで塞いでおくことで、先端シュー3Aを介して杭頭に外力を作用させることができる。例えば、杭本体2を圧入又は打ち込む際には、先端シュー3Aを押し下げたり、先端シュー3Aをハンマで打撃したり、先端シュー3Aに重錘を落下させたりすることで、鋼管杭1を地盤に設置することができる。
このように鋼管杭1を地盤に設置する際に先端シュー3Aが取り付けられていれば、杭本体2の上端が先端シュー3Aによって保護されるので、加圧や打撃による損傷を防ぐことができる。
この杭本体2の上端に取り付けられた先端シュー3Aは、鋼管杭1の打ち込み等による設置が終了した後に、上方に引き上げるだけで簡単に取り外して撤去することもできる。
例えば、鋼管杭1の杭頭と建物の底部との接続に先端シュー3Aが不要な場合は撤去すればよい。また、圧入や打撃によって先端シュー3Aが変形や損傷した場合は、一旦取り外して、別のものに付け替えることも容易にできる。
このような鋼管杭1は、様々な方法(工法)で地盤に設置することができる。例えば、鋼管杭1を地盤に直接、圧入又は打ち込む方法(工法)では、杭本体2より側方に張り出された蓋板部4によって地盤が削られる。
3 mmから20 mm程度、蓋板部4が側方に突出していれば、圧入又は打ち込み時の杭本体2の周面と地盤との周面摩擦抵抗が低減されて、鋼管杭1の圧入等がし易くなる。
この際、孔壁Hと杭本体2の周面との間に一時的に隙間が発生することになるが、蓋板部4の側方への突出量が3 mmから20 mm程度であれば、鋼管杭1の設置後に地盤が復元して隙間が埋まるため、地盤との周面摩擦抵抗による杭の支持力を確保することができる。
図3は、上述したように図2(b)のC−C矢視方向で見た図であり、杭本体2の4つの側面の内の1つの側面を切り取って内部が見える状態にした図である。
この図3に示すように、圧入時に蓋板部4に削られて一時的に発生した隙間は、復元して地盤と杭本体2の周面とが密着した状態になるので、周面摩擦抵抗を杭の支持力として加算することができる。
次に、本実施の形態の鋼管杭1の先端シュー3,3A、及び杭本体2に先端シュー3,3Aが取り付けられた杭構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の鋼管杭1の先端シュー3,3Aは、杭本体2の内空断面よりも広い平面に形成される蓋板部4と、杭本体2の内周面2bに接触可能となるような屈曲形状に成形された複数のバネ部5,・・・とを備えている。
この複数のバネ部5,・・・は、杭本体2の内部に挿し込む際には杭軸11に向けて撓み、弾性変形した複数のバネ部5,・・・の復元力によって、蓋板部4は簡単に杭本体2から外れないように保持される。
このようにバネ部5,・・・を杭本体2の内部に挿し込むだけで、杭本体2に蓋板部4を容易に取り付けることができるので、施工性に優れている。すなわち従来であれば、杭本体2の先端を塞ぐために、杭の施工現場で溶接作業を行わなければならなかった。
これに対して本実施の形態の先端シュー3であれば、バネ部5,・・・を上に向けた先端シュー3を、杭本体2の下端の開口に向けて下から押し込むだけで取り付けることができる。このため、短時間で素早く取り付けることができる。
また、バネ部5,・・・の復元力で保持させる構成であるため、杭本体2やバネ部5,・・・に多少の製作誤差があったとしても吸収させることができる。すなわち、筒状部材の内側に筒状部材を密着させる構成であれば、2つの筒状部材が正確な形状で製作されていることが求められる。
これに対してバネ部5,・・・であれば、バネ部5が弾性変形する範囲内の寸法に収まっていれば、杭本体2の内周面2bにバネ部5,・・・を密着させて、保持機能を発揮させることができる。
また、このような先端シュー3,3Aは、側面視略L字形に成形されたバネ部5,・・・を、屈曲部5a,・・・が杭軸11の反対方向(杭の外側方向)に向けて突出するように蓋板部4に接合させるだけで、容易に製作することができる。
さらに、蓋板部4の隅角部4b,・・・の内角側にバネ部5,・・・を配置して、内空断面が正方形に形成された杭本体2に対して、バネ部5,・・・が隅角部2a,・・・の内角側に収容されるようにすることで、バネ部5,・・・を杭本体2の内周面2bに当てて蓋板部4の回転を防ぐことができる。
詳細には、断面外形が正方形となる杭本体2に対して一回り大きい正方形の蓋板部4を取り付けて地盤に打ち込む際に、蓋板部4が自由に回転してしまうと、蓋板部4の対角線の長さを直径とする円柱形の孔が杭本体2の周囲に形成されるおそれがある。
このような円柱形の孔では、四角筒状の杭本体2の側面との間に大きな離隔が生じることになるので、周面摩擦抵抗による杭の支持力が期待できなくなるおそれがある。
これに対して蓋板部4の回転が制限されていれば、杭本体2の周囲に円柱形の孔が形成されることがなく、地盤を杭本体2の外周面に密着させて周面摩擦抵抗を発揮させることができる。
また、本実施の形態の杭構造では、先端シュー3,3Aが杭本体2の下端及び上端の両方に取り付けられる。杭本体2の下端を先端シュー3によって塞ぐことで、鋼管杭1の先端支持力を増加させることができる。
さらに、杭本体2の上端を先端シュー3Aによって塞ぐことで、杭頭の保護及び補強を行うことができる。すなわち、先端シュー3Aで覆われることによって杭本体2の上端が保護されるうえに、先端シュー3Aで開口を塞ぐことによって鋼管杭1の上部の剛性が高められて変形を抑えることができる。
以下、前記した実施の形態の先端シュー3,3Aとは別の形態の実施例1の先端シュー7,7Aについて、図4を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、杭本体2の断面外形より一回り大きな正方形の蓋板部4を有する先端シュー3,3Aについて説明したが、本実施例1では、蓋板部71が杭本体2の断面外形内に収まる形状に形成される場合について説明する。
本実施例1の鋼管杭1Aの下端と上端に取り付けられる先端シュー7,7Aは、図4に示すように、杭本体2の周面よりも側方に突出する箇所が存在しない。すなわち、先端シュー7,7Aの蓋板部71は、杭本体2の内空断面よりも広く、かつ杭本体2の断面外形内に収まる平面に形成される。
図4には、杭本体2の断面外形と同じ大きさの正方形の蓋板部71を使用する場合を図示した。なお、蓋板部71の内面71aに接合されるバネ部5,・・・の構成は、前記実施の形態と同じであるため説明を省略する。
鋼管杭1Aを地盤に圧入又は打ち込むと、先端シュー7の蓋板部71によって地盤が削られることになるが、蓋板部71が杭本体2の断面外形と同じ大きさの正方形であれば、孔壁Hと杭本体2の周面とが密着して隙間が発生しない。
このように杭本体2の周面を地盤に密着させることができれば、周面摩擦抵抗による杭の支持力を確実に増加させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1の先端シュー3,3A,7,7Aとは別の形態の実施例2の先端シュー8について、図5を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
前記実施の形態及び実施例1では、鋼管杭1,1Aを直接地盤に圧入又は打ち込む場合について説明したが、本実施例2では、予め掘削された孔に杭としての鋼管杭1Bを設置する場合について説明する。
すなわち本実施例2の鋼管杭1Bは、セメント系固化材としてのグラウト6やセメントミルクが注入された孔に設置される。このグラウト6等の注入は、少なくとも杭の根固めとなる孔の下部付近では行い、必要に応じて孔の上部まで充填が行われる。
鋼管杭1Bは、四角筒状の鋼管によって杭本体2が構成される。例えば、杭本体2として、断面が正方形となる角形鋼管が使用できる。また、角形鋼管である杭本体2の断面形状としては、例えば正方形断面の1辺が50 mmから550 mm程度、好ましくは50 mmから300 mmのサイズのものが使用できる。また、鋼管の肉厚は、1.2 mmから50 mm程度、好ましくは1.6 mmから9 mmのサイズのものが使用できる。
そして、この鋼管杭1Bに取り付けられる先端シュー8は、図5に示すように、杭本体2の下端の開口を塞ぐ蓋板部81と、蓋板部81の上面となる内面81aに端部が接合された複数のバネ部5,・・・とを主に備えている。
本実施例2の蓋板部81は、内面81a上に断面外縁が正方形になる杭本体2を載せた際に、周縁が側方に張り出されるように成形される。例えば、蓋板部81を側方に100 mmから300 mm程度と大きく突出させることができる。
また、蓋板部81には、取り付ける杭本体2の断面(1辺の長さ)及び杭本体2から側方に突出させる量に応じて、2 mmから50 mm程度の板厚の鋼板が使用できる。
このように蓋板部81の底面積が広くなると、それに比例して杭の先端支持力を増加させることができる。要するに、杭本体2の断面外形よりも広い平面の蓋板部81を備えた先端シュー8を取り付けることによって、拡底杭と同様の効果を鋼管杭1Bで得ることができる。
こうした側方への張出し量が大きい蓋板部81を有する先端シュー8が取り付けられた鋼管杭1Bを地盤に設置するには、まず、オーガで地盤を削孔して、その孔に鋼管杭1Bを設置することになる。
この孔には、削孔中又は削孔後に、グラウト6が注入される。そして、グラウト6が充填された孔に、先端シュー8が下端に取り付けられた鋼管杭1Bを挿入する。
この際、鋼管杭1Bの下端の開口は先端シュー8で塞がれているので、杭本体2の内部にまでグラウト6は侵入してこない。この図5に示すように、孔内に注入されたグラウト6は、孔壁Hと杭本体2の周面との間の隙間に充填される。
こうして孔壁Hと杭本体2の周面との間にグラウト6が充填されると、杭本体2と蓋板部81との境界がグラウト6によって外側から覆われることになる。このように、グラウト6が注入された削孔に先端シュー8が取り付けられた鋼管杭1Bを挿入するだけで、杭本体2の下端部を被覆させることができる。
杭本体2の下端の外周面がグラウト6によって覆われていると、土壌や地下水と鋼材である杭本体2との直接的な接触がなくなるので、杭本体2の下端部の腐食が抑えられるようになる。
鋼管杭1Bの下端には、軸力に加えて曲げ応力が作用することになるが、杭本体2の腐食が防止できれば、長期間にわたって初期の性能を発揮させ続けることが可能な耐久性の高い杭構造とすることができる。
また、鋼管杭1Bの下端に、杭本体2の断面外形の面積より広い面積の蓋板部81が配置されていると、拡底杭のように杭の先端支持力を増加させることができる。
さらに、杭本体2の周面と孔壁Hとの間がグラウト6を介して密着されていれば、杭本体2の周囲と地盤との間の周面摩擦抵抗によって杭の支持力を増加させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、正方形断面の四角筒状の杭本体2を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、円筒状の鋼管杭や正方形を除く長方形断面の四角筒状の鋼管杭や中空コンクリート杭などにも、本発明を適用することができる。
また、前記実施の形態及び実施例では、側面視略L字形のバネ部5について説明したが、これに限定されるものではなく、フック状や弓状などのバネとして機能する形状であれば、いずれの屈曲形状のバネ部であっても使用することができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、先端シュー3,3A,7,7A,8が杭本体2の下端及び上端の両方に取り付けられた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、杭本体2の下端又は上端の一方にだけ先端シューを取り付けることもできる。
1 鋼管杭(杭)
2 杭本体
2a 隅角部
2b 内周面
3,3A 先端シュー
4 蓋板部
4a 内面
4b 隅角部
5 バネ部
5a 屈曲部
6 グラウト(セメント系固化材)
1A 鋼管杭(杭)
7,7A 先端シュー
71 蓋板部
71a 内面
8 先端シュー
81 蓋板部
81a 内面

Claims (5)

  1. 中空の杭本体の開口を塞ぐ杭の先端シューであって、
    前記開口を塞ぐために前記杭本体の内空断面よりも広い平面に形成される蓋板部と、
    前記蓋板部の内面に端部が接合されるとともに、前記杭本体の内周面に接触可能となるような屈曲形状に成形された複数のバネ部とを備え、
    前記バネ部は、丸鋼又は異形鉄筋によって全体の側面視が略L字形に成形されるとともに、屈曲部が杭の外側に向けて突出するように前記蓋板部に接合されており、
    前記複数のバネ部を前記杭本体の内部に挿し込む際には前記バネ部が撓み、前記複数のバネ部の復元力によって前記蓋板部が保持されることを特徴とする杭の先端シュー。
  2. 前記杭本体の内空断面及び前記蓋板部の平面は、正方形に形成されるとともに、
    前記複数のバネ部は、前記蓋板部の隅角部の内角側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の杭の先端シュー。
  3. 請求項1又は2に記載の杭の先端シューが、前記杭本体の上端及び下端の少なくとも一方に取り付けられたことを特徴とする杭構造。
  4. 請求項1又は2に記載の杭の先端シューが杭本体の下端に取り付けられた杭構造であって、
    前記蓋板部が、前記杭本体の断面外形内に収まる形状に形成されることを特徴とする杭構造。
  5. 請求項1又は2に記載の杭の先端シューが杭本体の下端に取り付けられた杭構造であって、
    前記杭本体と前記蓋板部との境界は、セメント系固化材によって外側から覆われることを特徴とする杭構造。
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