以下に添付図面を参照して、この発明にかかる時計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<実施の形態1>
(電波修正時計の構成)
まず、この発明にかかる時計を実現する実施の形態1の電波修正時計の構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計の外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100は、電波修正時計100の外装をなすケース(外装ケース)101を備えている。ケース101は、たとえば、金属材料を用いて形成され、両端が開口した略円筒形状をなす。
略円筒形状をなすケース101の一端側(表側)には、当該表側の開口を閉塞する風防ガラス102と、当該風防ガラス102の周縁を支持するベゼル103と、が設けられている。風防ガラス102は、たとえば、透明なガラス材料を用いて形成され、略円板形状をなす。ベゼル103は、たとえば、金属材料を用いて形成され、風防ガラス102の直径と略同一の内径の環形状をなす。
ケース101の他端側(裏側)には、当該裏側の開口を閉塞する裏蓋部材が設けられている。裏蓋部材は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、裏蓋部材は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。裏蓋部材は、スクリューバック方式、はめ込み方式、ネジ蓋方式など、公知の各種の技術を用いることによってケース101に取り付けることができる。ケース101に対する裏蓋部材の取り付け方法については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
ケース101の形状は、上記に限るものではない。ケース101は、少なくとも軸心方向における表側に開口を備えていればよい。この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100においては、ケース101と裏蓋部材とが一体とされた、いわゆるワンピース構造によってケース101の裏側を閉塞する構成であってもよい。
ケース101には、操作部104が設けられている。操作部104は、たとえば、リューズや操作ボタンなどによって実現することができる。操作部104は、使用者による操作を受け付けた場合、操作内容に応じた信号を制御回路に対して出力する。制御回路は、操作部104が受け付けた操作入力の内容に応じて、衛星信号の受信処理などの処理を実行する。
ケース101の内側には、文字盤105が設けられている。文字盤105には、時刻指示針106の位置すなわち時刻を示すインデックス(指標)107が設けられている。時刻指示針106は、具体的には、たとえば、時針106a、分針106b、秒針106cなどによって実現することができる。時刻指示針106は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。時刻指示針106は、金属材料を用いて形成されるものに限らず、たとえば、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成してもよい。
インデックス107は、時刻指示針106の軸心を中心とする円周上に配置されている。インデックス107は、たとえば、文字、数字、記号などによって実現することができる。インデックス107は、文字、数字、記号に限るものではなく、たとえば、文字盤105に設けられた突起によって実現してもよい。この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100において、インデックス107は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。インデックス107は、文字盤105にプリントされたものであってもよいし、金属などの別部材を設けることによって実現されるものであってもよい。
この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100において、インデックス107は、時刻指示針106の回転中心を中心とする同一円周上に配置することができる。この場合、たとえば、各インデックス107は、時刻指示針106の回転範囲、すなわち、時刻指示針106が回転することによる当該時刻指示針106の先端の軌跡がなす円よりも、少なくとも一部が外周側に位置するように配置することができる。
インデックス107は、すべてのインデックス107が、時刻指示針106の回転中心を中心とする同一円周上に配置されるものに限らない。この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100において、インデックス107は、たとえば、少なくとも一部のインデックス107が時刻指示針106の回転範囲内に配置され、別の一部のインデックス107が時刻指示針106の回転範囲よりも外周側に配置されるものであってもよい。
また、文字盤105には、アンテナによる衛星信号の受信制御に関する情報を表示するためのマーカー108が配置されている。マーカー108は、たとえば、衛星信号の受信中であることを示す「RX」や、アンテナによる衛星信号の受信処理の成否を示す「NO」や「OK」などの文字列によって実現することができる。
(電波修正時計100のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100のハードウエア構成を示す説明図である。
図2において、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100は、アンテナ201と、受信回路202と、制御回路203と、電源204と、昇圧部205と、ソーラーセル206と、駆動機構209と、時刻表示部109と、光センサ214と、光センサ215と、光センサ216と、を備えている。アンテナ201、受信回路202、制御回路203、電源204、昇圧部205、ソーラーセル206、駆動機構209、時刻表示部109、光センサ214、光センサ215、光センサ216は、ケース101と裏蓋部材と文字盤105とによって囲まれる空間内に設けられている。
アンテナ201は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される衛星信号を受信する。具体的には、アンテナ201は、たとえば、GPS衛星から送信される、周波数約1.6GHzの電波を受信するパッチアンテナによって実現することができる。GPS衛星は、それぞれ、地球の周回軌道を周回しており、高精度の原子時計を搭載し、当該原子時計によって計時された時刻情報を含んだ衛星信号を周期的に送信する。アンテナ201は、複数のGPS衛星から送信される衛星信号を受信する。
また、アンテナ201は、所定の送信局から送信される標準電波を受信してもよい。標準電波は、標準時と周波数の国家標準または国際標準として政府や国際機関が送信している電波であって、たとえば、JJYなどの標準周波数報時局から送信され、タイムコードが重畳されている。
受信回路202は、アンテナ201によって受信された衛星信号(あるいは標準電波)を復号して、復号の結果得られる衛星信号の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。具体的に、受信回路202は、高周波回路(RF回路)202aとデコード回路202bとを含んで構成されている。高周波回路202aは、高周波数で動作する集積回路であって、アンテナ201が受信したアナログ信号に対して増幅、検波をおこなって、ベースバンド信号に変換する。デコード回路202bは、ベースバンド処理をおこなう集積回路であって、高周波回路が出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成し、制御回路203に対して出力する。
制御回路203は、演算部203aと、ROM(Read Only Memory)203bと、RAM(Random Access Memory)203cと、RTC(Real Time Clock)203dと、モータ駆動回路203eと、を含んで構成されるマイクロコンピュータによって実現することができる。
演算部203aは、ROM203bに格納された各種の制御プログラムにしたがって各種の情報処理をおこなう。RAM203cは、演算部203aのワークメモリとして機能し、演算部203aの処理対象となるデータが書き込まれる。RTC203dは、演算部203aに対して、電波修正時計100内部での計時に使用されるクロック信号を出力する。
演算部203aは、RTC203dが出力したクロック信号に基づいて内部時刻を計時する。また、演算部203aは、計時した内部時刻を、受信回路202によって受信された衛星信号に基づいて修正し、時刻指示針106が時刻表示部109に表示すべき時刻(表示時刻)を決定する。
また、演算部203aは、基準位置設定機構による基準位置の設定対象となる、時刻指示針106(時針106a、分針106b、秒針106c)を指示する指針車の基準位置を設定し、設定した指針車の基準位置に基づいて、モータ駆動回路203eに対して駆動信号を出力し、表示時刻を修正する。基準位置は、光センサ214〜216によって明状態を検出する位置であり、電波修正時計100ごとに設定される。電波修正時計100においては、明状態を検出する基準位置に加えて、暗状態を検出するステアリング位置も設定する。基準位置およびステアリング位置の設定方法については後述する。
駆動機構(ムーブメント)209は、モータ駆動回路203eから出力される駆動信号に応じて動作するモータと、輪列と、を含んで構成することができる。モータは、具体的にはたとえばステップモータによって実現することができ、モータ駆動回路203eから出力される駆動パルスに応じた正回転(右回り)または逆回転(左回り)の回転動作をおこなう。駆動機構209は、モータ(ステップモータ)の回転を、輪列を介して時刻指示針106に伝達することによって、当該時刻指示針106を回転させる。
駆動機構209において、モータは、1つであっても複数であってもよい。複数のモータを備える電波修正時計100においては、たとえば、時刻指示針106を実現する時針106a、分針106b、秒針106cなどを、それぞれ独立したモータによって独立して駆動することができる。この場合、モータおよび輪列は、時刻指示針106の数と同数設けられる。複数のモータを備える電波修正時計100においては、モータの数と時刻指示針106の数とが一致していなくてもよい。
具体的には、たとえば、時刻指示針106のうち分針106bおよび秒針106cを1つめのモータによって駆動し、2つめのモータによって時刻指示針106のうち時針106aを駆動するようにしてもよい。この場合、モータおよび輪列は、時刻指示針106の数よりも少ない。
この実施の形態1の電波修正時計100は、時刻指示針106のうちの秒針106cを駆動する秒単独モータと、時刻指示針106のうちの分針106bを駆動する分単独モータと、時刻指示針106のうちの時針106aを駆動する時単独モータと、を備えている。電波修正時計100においては、時刻指示針106として、時針106a、分針106b、秒針106cに加えて、日板を備えていてもよい。
電波修正時計100においては、演算部203aが決定した表示時刻に応じた駆動信号を駆動機構209に対して出力すると、モータが駆動され、当該モータに連結された輪列を介して時刻指示針106が回動する。これにより、時刻表示部109において、制御回路203によって生成された表示時刻を表示することができる。
電源204は、たとえば、リチウムイオン電池などの二次電池によって実現することができる。電源204は、ソーラーセル206(太陽電池)によって発電された電力を蓄積(蓄電)する。ソーラーセル206は、文字盤105の裏蓋側に配置されており、風防ガラス102を介して文字盤105に入射する太陽光などの光によって発電し、発電した電力を昇圧部205に出力する。
昇圧部205は、制御回路203によって駆動制御され、ソーラーセル206が発電した電力における電圧を昇圧して電源204に出力する。昇圧部205は、たとえば、DC/DCコンバータによって構成することができる。電源204は、二次電池に限るものではなく、一次電池によって実現してもよい。
スイッチ210は、電源204から受信回路202への電力供給路の途中に設けられており、制御回路203から出力される制御信号にしたがってオン/オフが切り替えられる。電波修正時計100においては、制御回路203によりスイッチ210のオン/オフを切り替えることにより、受信回路202の動作タイミングを制御することができる。受信回路202は、たとえば、スイッチ210を介して電源204から電力が供給されている間だけ動作して、アンテナ201が受信した衛星信号の復号をおこなう。
光センサ214〜216は、いずれも、発光素子と、当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(図3、図4を参照)と、によって構成される。光センサ214〜216は、それぞれの受光素子における受光量に応じた検出信号を制御回路203に対して出力する。光センサ214〜216は、それぞれ、時針106a、分針106b、秒針106cの指針車の回転に連動して軸心周りに回転可能な各検出車に対応して設けられている。
各光センサ214〜216においては、それぞれ、異なる複数の感度を設定することができる。制御回路203は、さらに、感度調整用回路203fを備えている。感度調整用回路203fは、光センサ214〜216から出力される検出信号に基づいて、光センサ214〜216の感度をそれぞれ調整する。
電波修正時計100は、LED(Light Emitting Diode)、LED駆動回路、アラーム、アラーム駆動回路(いずれも図示を省略する)などを備えていてもよい。LED駆動回路は、LEDを駆動してバックライトとして表示画面を照明したり、警告光を出力したりする。LEDの代わりに、EL(Electroluminescence)、ランプなどを用いてもよい。アラーム駆動回路は、アラームが搭載する図示を省略する圧電素子を駆動して、アラーム(ブザー)を出力する。アラーム駆動回路は、告知の種類によって、音の種類、高さ、音量などを変えて出力してもよい。
また、電波修正時計100は、図示を省略する日車を備えていてもよい。日車は、円板形状あるいは環形状をなし、周縁部に「1」〜「31」の日付を示す数字が設けられている。日車は、図示を省略する日送り車に連結されており、日送り車の回転に連動して回転する。日送り車は、日送り中間車(図示を省略する)などを介して指針車に連結されており、指針車の回転に連動して軸心周りに回転する。日送り車は、24時間で1回転し、日車は、日送り車が1回転するごとに1日分日付を進める方向に回転(回動)する。
(基準位置設定機構の構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100が備える基準位置設定機構の構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100が備える基準位置設定機構の構成を示す説明図である。
図3においては、時針106aにかかる基準位置設定機構の構成を示しているが、分針106b、秒針106cにかかる基準位置設定機構の構成についても、時針106aにかかる基準位置設定機構の構成と同様の構成によって実現することができる。時針106a、分針106bおよび秒針106cの、独立する3本の時刻指示針106を検出するためには、図3に示した基準位置設定機構を3系統設ける。
図3において、電波修正時計100は、軸心周りに回転可能な指針車301を備えている。指針車301は、時刻指示針106(時針106a、分針106b、秒針106cの少なくとも1つ)を支持する。指針車301には、1または複数の歯車302によって構成される輪列303を介してモータ304が連結されている。具体的には、輪列303は、指針車301およびモータ304が備えるロータ304aに噛み合わされている。時針106a、分針106b、秒針106cをそれぞれ独立して駆動する場合、指針車301、輪列303およびモータ304は、時針106a、分針106b、秒針106cにそれぞれ対応して設けられる(図3においては、1系統のみ示す)。
指針車301には、当該指針車301の回転に連動して軸心周りに回転可能な検出車305が連結されている。検出車305は、検出対象とする指針車301に連結されている。検出車305は、指針車301に直接連結されていてもよく、指針車301とは別の中間車(歯車302)を介して指針車301に連結されていてもよい。また、モータ304が備えるロータ304aの回転を減速する減速輪列である2つの歯車に検出孔を空け、検出する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、検出車305を連結させる必要をなくし、検出車305のない構成とすることができる。そして、このような構成とすることにより、検出車305を連結させる場合と比較して、部品点数を削減し、組み立てにかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
検出車305は、時針106aを支持する指針車、分針106bを支持する指針車、秒針106cを支持する指針車のすべてに対応してそれぞれ設けられ、それぞれが各指針車に連結されていてもよい。検出車305は、時針106aの回転軸が指針車301の回転軸と平行になるように設けられている。検出車305には、当該検出車305を軸心方向に貫通する検出孔305aが設けられている。検出孔305aは、検出車305の回転にともなって軸心周りに移動する。
上記の輪列303を構成する歯車302のうち、回転の軸心方向において検出車305と一部重複する歯車302には、当該歯車302の軸心方向に当該歯車302を貫通する検出孔302aが設けられている。輪列303を構成する歯車302に設けられた検出孔302aは、指針車301の回転にともなって軸心周りに回転し、指針車301が1回転する間に1回、検出車305に設けられた検出孔305aと重なり合う(図5を参照)。
光センサ214は、光を発する発光素子214aと、受光素子214bとを備えている。発光素子214aは、たとえばLEDなどによって実現することができる。受光素子214bは、受光量に応じて出力が変化し、たとえばフォトトランジスタ(Phototransistor)などによって実現することができる。
発光素子214aは、検出車305の回転にともなう検出孔305aの移動軌跡上の検出位置に対して光を発するように設けられている。具体的には、発光素子214aは、輪列303を構成する歯車302に設けられた検出孔302aと検出車305に設けられた検出孔305aとが重なり合う位置に対して光を発するように設けられている。この実施の形態1においては、検出孔302aと検出孔305aとが重なり合う位置を、適宜「検出位置」として説明する。
受光素子214bは、検出車305を間にして発光素子214aに対して対向配置されている。発光素子214aが発した光は、検出車305の回転にともなって移動する検出孔302a、305aが発光素子214aの発光位置において重なり合う際に、検出孔302a、305aを通過して、受光素子214bに受光される。すなわち、受光素子214bは、発光素子214aが発した光を検出位置において受光する。
上記の制御回路203は、モータ304を駆動制御する。また、制御回路203は、感度調整用回路203fを制御することで光センサの感度を調整し、光センサ214における受光素子214bの受光量に基づいて、指針車301が支持する時刻指示針106(時針106a、分針106b、秒針106c)の位置を特定する(図4を参照)。
(電波修正時計100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100の機能的構成について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100の機能的構成を示すブロック図である。図4において、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100の機能は、モータ304、検出孔305aが設けられた検出車305、発光素子214aおよび受光素子214bを備えた光センサ214(215、216)、制御部401によって実現することができる。電波修正時計100の機能は、さらに、図示を省略する日送り車および日車によって実現してもよい。
制御部401の機能は、たとえば、制御回路203によって実現することができる。制御部401は、たとえば、操作部104に対する所定の入力操作を受け付けた場合に、基準位置設定動作をおこなう。基準位置設定動作は、所定の入力操作を受け付けてから、設定対象とする時刻指示針106の基準位置の設定が完了するまでの間の動作によって実現される。複数の指針について調整を必要とする場合は同時に調整してもよいし、順次調整してもよい。また、すでに調整済みであり調整の必要がないと判断した指針については調整を実施しなくてもよい。
基準位置設定動作にかかる制御は、たとえば、制御回路203を実現するマイクロコンピュータを構成するROM203bに記憶されたプログラムを実行することによりおこなうことができる。あるいは、基準位置設定動作にかかる制御は、所定の検査装置などを用いて、電波修正時計100(駆動機構(ムーブメント)209)の外部からの制御によっておこなってもよい。
基準位置設定動作は、電波修正時計100の組み立てが完成した状態にかかわらず、電波修正時計100の組み立ての完成前であって駆動機構(ムーブメント)209が組み立てられた状態でおこなうことができる。具体的には、基準位置設定動作は、たとえば、指針車301に時刻指示針106が取り付けられていない状態でおこなってもよい。
制御部401は、基準位置設定動作に際して、受光素子214bの受光量に基づいてモータ304を駆動制御する。具体的には、制御部401は、基準位置設定動作に際して、モータ304を駆動し、モータ304が所定ステップ数分駆動するごとに明状態か暗状態かを判定する。より具体的には、制御部401は、モータ304が、たとえば、1ステップ駆動するごとに明状態か暗状態かを判定する状態判定をおこなう。
そして、制御部401は、光センサ214の検出感度を通常の運針時における感度よりも高い第1の感度に設定し、第1の感度に設定した状態における状態判定の結果に基づいて、暗状態と明状態とが切り替わる切替位置Xを特定する。第1の感度は、たとえば、光センサ214において設定しうる最高の検出感度としてあらかじめ設定された検出感度とすることができる。具体的に、切替位置Xの特定に際して、制御部401は、たとえば、モータ304を1ステップずつ駆動させ、明状態か暗状態かの判定結果に基づいて、複数回(たとえば2回)連続して暗状態と判定した後に明状態となる位置を、切替位置Xとして検出する。
つぎに、制御部401は、切替位置Xを検出した場合、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定した状態で、切替位置Xのつぎの位置(切替位置Xからモータ304を1ステップ駆動した位置)X+1が暗状態であるか明状態であるかを判定する。そして、切替位置Xのつぎの位置X+1が明状態である場合に、当該つぎの位置X+1を基準位置X+1に特定する。
光センサ214の検出感度は、たとえば、制御部401によって発光素子214aの出力を高くすることにより、第1の感度に設定することができる。発光素子214aの出力は、具体的には、たとえば、感度調整用回路203fにおいて、発光素子214aを実現するLEDに対する通電量を大きくすることによって高めることができる。
また、光センサ214の検出感度は、たとえば、受光素子214bの受光感度を高くすることによって高めることができる。具体的には、受光素子214bの受光感度は、感度調整用回路203fにおいて受光素子214bが受光した光の明暗に応じた電気信号の増幅率を高めることにより受光素子214bの受光感度を高くすることができる。
このように、光センサ214の検出感度は、発光素子214aの発光強度および受光素子214bの受光感度の少なくとも一方を調整することによって調整することができる。発光素子214aの発光強度および受光素子214bの受光感度の両方を調整することによって、光センサ214の検出感度を調整してもよい。光センサ215、216の検出感度も、光センサ214の検出感度の調整と同様にしておこなうことができる。
その後、制御部401は、特定した基準位置X+1に関する情報を記憶する。制御部401は、基準位置X+1に関する情報などを記憶する記憶部401aを備えている。記憶部401aは、たとえば、ROM203bによって実現することができる。基準位置X+1に関する情報は、2回連続して暗状態と判定した後に明状態と判定した時点における指針車301の位置を特定可能な情報によって実現することができる。
制御部401は、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定した状態で、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出した場合、さらに、1周分の状態判定をおこない、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出した後の1周以内に、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出する位置がないことを確認してもよい。これにより、指針車301が1周する間に、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出する位置が2箇所以上存在しないことが確認でき、基準位置を正確に特定することができる。
つぎに、制御部401は、切替位置Xや基準位置X+1を特定した後、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、切替位置Xの1ステップ前の位置X−1において暗状態であるか否かを判定する。第2の感度は、たとえば、通常の運針時における感度よりも低い感度とすることができる。また、第2の感度は、たとえば、光センサ214において設定しうる最低の検出感度としてあらかじめ設定された検出感度とすることができる。
光センサ214の検出感度は、上記のように、発光素子214aの発光強度および受光素子214bの受光感度の少なくとも一方を調整することによって調整することができる。具体的には、感度調整用回路203fにおいて、光センサ214の検出感度は、たとえば発光素子214aの出力を低くしたり、感度調整用回路203fにおいて、受光素子214bが受光した光の明暗に応じた電気信号の増幅率を低くすることによって小さくすることができる。光センサ215、216の検出感度も、光センサ214の検出感度の調整と同様にしておこなうことができる。
制御部401は、たとえば、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置X−1に位置付ける。あるいは、制御部401は、たとえば、モータ304を逆回転させ、指針車301を通常の運針時とは逆方向に回転させることによって、当該指針車301を位置X−1に位置付けてもよい。モータ304を逆回転させ、指針車301を通常の運針時とは逆方向に回転させる場合、バックラッシュを考慮し、位置X−1よりも余分(たとえば、X−5の位置)に逆回転させた後、位置X−1まで正回転させる。
つぎに、制御部401は、たとえば、指針車301を位置X−1に位置付けた状態において暗状態であるか否かを判定した後、モータ304を回転させて指針車301を切替位置Xに位置付け、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値、すなわちピーク値(感度MAX値)であるか否かを判定する。このときモータ304は、通常の運針時よりも早い速度(早送り)で回転させても、通常の速度で回転させてもよい。また、このときモータ304は、正回転させても逆回転させてもよい。
光センサ214の検出値が極大値であるか否かは、指針車301を切替位置Xに位置付けた状態における光センサ214の検出値が、位置X−1および基準位置X+1よりも大きいか否かによって判定することができる。光センサ214の受光素子214bは、発光素子214aが発した光を、指針車301が1回転する間の特定の範囲においてのみ受光する。このため、この受光範囲における光センサ214の検出値の極大値は、光センサ214の検出値(受光量)の最大値となる。
制御部401は、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値である場合、すなわち、光センサ214が切替位置Xにおいてピーク値を検出した場合、当該切替位置Xを、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)する。また、制御部401は、光センサ214が切替位置Xにおいてピーク値を検出した場合、切替位置Xより所定ステップ数(たとえば2ステップ)前の位置X−2を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定する。
また、制御部401は、設定した基準位置Xおよびステアリング位置X−2に関する情報を、記憶部401aに記憶する。先に、位置X+1に関する情報が基準位置に関する情報として記憶部401aに記憶されている場合、制御部401は、当該情報に代えて、基準位置Xに関する情報を記憶部401aに記憶する。
一方、制御部401は、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値ではない場合、モータ304を回転させて指針車301を基準位置X+1に位置付け、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、基準位置X+1が明状態であるか否かを判定する。光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、基準位置X+1が明状態である場合、当該基準位置X+1を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)する。
また、制御部401は、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値ではなく、かつ、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、基準位置X+1が明状態である場合、基準位置X+1より所定ステップ数(たとえば2ステップ)前の位置X−1を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定する。制御部401は、設定した基準位置X+1およびステアリング位置X−1に関する情報を、記憶部401aに記憶する。
(検出孔の開口率と検出レベルとの関係)
つぎに、検出車305に設けられた検出孔305aの開口率と光センサ214における検出レベルとの関係について説明する。図5は、検出車305に設けられた検出孔305aの開口率と光センサ214における検出レベルとの関係を示す説明図である。
駆動機構(ムーブメント)209においては、検出孔305aと検出孔302aとが重なり合うことによって、光センサ214の光軸方向に貫通する孔(以下、適宜「開口」という)が形成される。この開口の検出孔305aに対する割合は、検出孔305aと検出孔302aとの重なり具合によって変動する。
図5に示すように、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置における光センサ214の検出レベルを開口率100%とすると、検出孔305aと検出孔302aとが重なり合っていない状態(図5における(1)図を参照)での開口率は、0(ゼロ)となる(図5におけるAを参照)。モータ304を駆動することによる指針車301の回転にともなって、検出車305および歯車302が回転すると、検出孔305aと検出孔302aとが重なり合う面積は、徐々に大きくなる(図5における(2)図を参照)。
発光素子214aが発した光は開口を通過して受光素子214bに受光されるため、受光素子214bにおける受光量(光センサ214の検出レベル)すなわち開口率は、開口の大きさに応じて変動する。具体的に、開口が徐々に大きくなると開口率も徐々に大きくなる(図5におけるB、C、Dを参照)。開口は、最大になった(図5における(3)図、(4)図を参照)後、徐々に小さくなり(図5における(5)図を参照)、再び重なり合っていない状態になるように相対的に変位する。これにともない、開口率も徐々に小さくなる(図5におけるEを参照)。
駆動機構(ムーブメント)209が設計通りに組み立てられた状態においては、光センサ214における検出位置は、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置と一致する。しかし、駆動機構(ムーブメント)209においては、発光素子214aや受光素子214bが実装される基板に対する各素子214a、214bの位置のばらつきや、これらの基板の実装位置のばらつきや、輪列303を構成する歯車302の位置のばらつきなど(以下、「組み込みばらつき」という)に起因して、光センサ214における検出位置と、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置とが一致せず、これらの位置がずれてしまう場合がある。
光センサ214における検出位置と、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置と、がずれていると、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合った状態でも開口率は100%には達しない。このような場合、実際の開口率の最大値は、駆動機構(ムーブメント)209が設計通りに組み立てられた状態における開口率100%に達しないが、光センサ214の検出値はピーク状に変化し、検出孔305aと検出孔302aとが重なり合っていない状態から完全に重なり合う状態に変化し、再び重なり合っていない状態になるまでの間に極大値(ピーク値)を示す。
(検出感度および検出レベルと位相との関係)
つぎに、実施の形態1の電波修正時計100における、光センサ214の検出感度および検出レベルとモータ304の位相との関係について説明する。図6A、図6Bおよび図6Cは、実施の形態1の電波修正時計100における、光センサ214の検出感度および検出レベルとモータ304の位相との関係を示す説明図である。
図6Aにおいては、光センサ214における検出位置と、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置と、が一致している場合における、光センサ214の検出感度および検出レベルとモータ304の位相との関係を示している。図6A、図6Bおよび図6Cに示すように、通常の運針時における光センサ214の検出感度(運針時設定閾値)は、第1の感度より低く、第2の感度よりも高い第3の感度に設定されている。
第1の感度は、たとえば、光センサ214の検出感度において設定しうる検出感度のうちもっとも高い検出感度とすることができる。第2の感度は、たとえば、光センサ214の検出感度において設定しうる検出感度のうちもっとも低い検出感度とすることができる。運針時設定閾値である第3の感度は、第1の感度と第2の感度との中間の検出感度とすることができる。
電波修正時計100においては、通常の運針時の他に、操作部104に対する所定の入力操作に応じて強制的に指針106の位置を補正する強制指針位置補正に際しても、第3の感度に設定した状態で基準位置を検出する。強制指針位置補正に際しては、たとえば、特定の2箇所において状態判定をおこなって基準位置を検出する。この場合、特定の2箇所は、たとえば、既に設定されている基準位置およびステアリング位置とすることができる。あるいは、強制指針位置補正に際しては、たとえば、状態判定の対象となる位置の直前(たとえば、20ステップ数前)の位置まで指針車301を早送りし、当該直前の位置以降、1ステップずつ状態判定をおこなって、基準位置を検出するようにしてもよい。
図6Aに示すように、光センサ214における検出位置と、検出孔305aと検出孔302aとが完全に重なり合う位置と、が一致している状態においては、複数ステップ数(たとえば2ステップ)暗状態を検出した後、複数ステップ数(たとえば2ステップ)明状態を検出することができる。このため、暗状態と明状態とが切り替わる切替位置Xを間にして、暗状態を検出するためのステアリング位置X−1と、明状態を検出するための基準位置X+1と、を設定することができる。
これに対し、上記のようなずれを生じている場合、暗状態から明状態になった後に明状態から再び暗状態になるまでの開口率の変化の状態が、明状態において開口率がもっとも高くなる位置を中心とする山型(図6Aにおける符号610で示す山型)にならずに偏った状態となる。実施の形態1においては、山型610が示す範囲610aのうち、開口率100%の位置から徐々に下がる山型611の範囲611aにおける開口率に基づいて切替位置Xを特定する。
このような場合、切替位置Xにおける暗状態の検出レベルと明状態の検出レベルとの差が著しく、また、検出レベルの最大値が低いため、たとえば、図6Bおよび図6Cに示すように、切替位置Xを基準としてステアリング位置X−1と基準位置X+1とを設定すると、第2の感度に設定した状態では基準位置X+1において明状態を検出することができない。
第2の感度に設定した状態で基準位置X+1において明状態を検出することができないと、基準位置を設定することができないため、このような駆動機構(ムーブメント)209は規格外品として製造ラインから除外され、歩留まりが低下してしまう。
そこで、この実施の形態1の電波修正時計100は、上記のように、暗状態から明状態に切り替わる切替位置Xを特定し、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値、すなわちピーク値であるか否かを判定することにより、実際の開口率の最大値が駆動機構(ムーブメント)209が設計通りに組み立てられた状態における開口率100%に達しない場合にも、確実に検出ができるステアリング位置および基準位置を設定することができる。
ピーク値であるか否かの判定は、光センサ214の検出感度を、第2の感度よりも低いピーク検出感度(感度ピーク検出閾値)に設定する。ピーク検出感度(感度ピーク検出閾値)は、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値すなわちピーク値であるか否かを判定するため、もっとも高い検出レベルのみを検出する感度に設定される。
具体的に、この実施の形態1の電波修正時計100は、基準位置設定動作に際して、暗状態から明状態に切り替わる切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値である場合は、切替位置Xを基準位置に設定する。そして、基準位置Xよりも2ステップ前の位置X−2を、暗状態を検出するためのステアリング位置に設定する(図6Cにおける☆印を参照)。これにより、ステアリング位置および基準位置を確実に検出することができる。
また、この実施の形態1の電波修正時計100は、切替位置Xにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値ではない場合は、切替位置Xに基づいてステアリング位置X−1と基準位置X+1とを設定する。これにより、組み込みばらつきに左右されることなくステアリング位置および基準位置を確実に検出することができる。
(基準位置設定動作の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の電波修正時計100がおこなう基準位置設定動作の処理手順について説明する。図7Aおよび図7Bは、実施の形態1の電波修正時計100がおこなう基準位置設定動作の処理手順を示すフローチャートである。図7Aおよび図7Bのフローチャートに示した処理は、操作部104に対する所定の入力操作を受け付けた場合に実行される。
図7Aおよび図7Bにおいては、光センサ214に対応する時針106aに対応する指針車301についての基準位置設定動作の処理手順について説明するが、光センサ215に対応する分針106b、光センサ216に対応する秒針106cについても、時針106aと同様の処理をおこなうことによって基準位置を設定することができる。
図7Aおよび図7Bのフローチャートにおいて、まず、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定し(ステップS701)、モータ304を1ステップ運針する(ステップS702)。ステップS702においてモータ304を1ステップ分駆動することにより、指針車301が1ステップ分回転(回動)する。
つぎに、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定した状態で、指針車301を1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、暗状態を検出したか否かを判断する(ステップS703)。ステップS703において、暗状態を検出していない場合(ステップS703:No)、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周したか否かを判断する(ステップS704)。
ステップS704において、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周していない場合(ステップS704:No)、ステップS702へ戻り、さらにモータ304を1ステップ分駆動して、指針車301を1ステップ分回転(回動)する。ステップS704:Noの場合に、再度ステップS702からステップS704までの処理をおこなった結果、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周した場合(ステップS704:Yes)、ステップS724へ移行する。ステップS704においては、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が2周以上しているか否かを判断してもよい。
一方、ステップS703において、暗状態を検出した場合(ステップS703:Yes)、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周したか否かを判断する(ステップS705)。ステップS705においては、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が2周以上しているか否かを判断してもよい。ステップS705において、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周した場合(ステップS705:Yes)、ステップS724へ移行する。
ステップS705において、基準位置の設定対象とする時刻指示針106が1周していない場合(ステップS705:No)、モータ304を1ステップ分駆動する(ステップS706)。ステップS706においてモータ304を1ステップ分駆動することにより、指針車301が1ステップ分回転(回動)する。そして、指針車301を1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、暗状態を検出したか否かを判定する(ステップS707)。
ステップS707において、暗状態を検出していない場合(ステップS707:No)、ステップS710へ移行する。一方、ステップS707において、暗状態を検出した場合(ステップS707:Yes)、モータ304を1ステップ分駆動する(ステップS708)。そして、指針車301を1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、明状態を検出したか否かを判定する(ステップS709)。ステップS709において、明状態を検出していない場合(ステップS709:No)、ステップS724へ移行する。
ステップS709において、明状態を検出した場合(ステップS709:Yes)、当該明状態を検出した位置を切替位置Xとして、当該切替位置Xに関する情報をROM203bなどに記憶する(ステップS710)。そして、モータ304を1ステップ分駆動し(ステップS711)、指針車301が1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて明状態を検出したか否かを判定する(ステップS712)。ステップS712において、明状態を検出していない場合(ステップS712:No)、ステップS724へ移行する。一方、ステップS712において、明状態を検出した場合(ステップS712:Yes)、当該明状態を検出した位置を基準位置X+1として、当該基準位置X+1に関する情報をROM203bなどに記憶する(ステップS713)。
つぎに、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定し(ステップS714)、指針車301が位置X−1に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS715)。ステップS715においては、たとえば、上記のように、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置X−1に位置付ける。あるいは、ステップS715においては、たとえば、モータ304を3ステップ以上逆回転させた後、モータ304を正回転させることによって、当該指針車301を位置X−1に位置付けてもよい。モータ304を正回転させる度に暗状態であることを検出しながら、当該指針車301を位置X−1に位置付けてもよい。
そして、指針車301を位置X−1に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、暗状態を検出したか否かを判定する(ステップS716)。ステップS716において、暗状態を検出していない場合(ステップS716:No)、ステップS724へ移行する。
一方、ステップS716において、暗状態を検出した場合(ステップS716:Yes)、指針車301が切替位置Xに位置するまでモータ304を駆動する(ステップS717)。ステップS717においては、たとえば、上記のように、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を2ステップ正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を切替位置Xに位置付ける。あるいは、ステップS717においては、たとえば、通常の運針時と同じ速度でモータ304を2ステップ正回転させ、指針車301を切替位置Xに位置付けてもよい。
つぎに、指針車301を切替位置Xに位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、当該切替位置Xが極大値であるか否かを判定する(ステップS718)。ステップS718においては、指針車301を位置X−1、切替位置Xおよび基準位置X+1にそれぞれ位置付け、各位置に位置付けた状態における光センサ214の検出値に基づいて、切替位置Xにおける光センサ214の検出値が、位置X−1および基準位置X+1における光センサ214の検出値よりも大きいか否かによって、切替位置Xが極大値であるか否かを判定することができる。
ステップS718において、切替位置Xが極大値である場合(ステップS718:Yes)、当該切替位置Xを、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)するとともに、切替位置Xより2ステップ前の位置X−2を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定し(ステップS719)、ステップS725へ移行する。ステップS719においては、たとえば、基準位置Xおよびステアリング位置X−2に関する情報をROM203bなどに記憶することにより設定することができる。
一方ステップS718において、切替位置Xが極大値ではない場合(ステップS718:No)、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定し(ステップS720)、指針車301が位置X+1に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS721)。そして、指針車301を位置X+1に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、明状態を検出したか否かを判定する(ステップS722)。ステップS722において、位置X+1において明状態を検出していない場合(ステップS722:No)、ステップS724へ移行する。
一方、ステップS722において、位置X+1において明状態を検出した場合(ステップS722:Yes)、当該位置X+1を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)するとともに、位置X+1より2ステップ前の位置X−1を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定し(ステップS723)、ステップS725へ移行する。ステップS723においては、たとえば、位置X+1およびステアリング位置X−1に関する情報をROM203bなどに記憶することにより設定することができる。
ステップS724においては、「NG処理」をおこなう(ステップS724)。ステップS724においては、たとえば、日車が示す日付を、基準位置設定動作の開始時の日付よりも遡った日付に変更するように、モータ304を駆動して日車を回転(回動)することにより、「NG処理」をおこなう。
ステップS725においては、「OK処理」をおこなう(ステップS725)。ステップS725においては、たとえば、日車が示す日付を、基準位置設定動作の開始時の日付よりも進めた日付に変更するように、モータ304を駆動して日車を回転(回動)することにより、「OK処理」をおこなう。
具体的には、たとえば、基準位置設定動作の開始時の日付が「31」日である場合、「NG処理」および「OK処理」においては、基準位置の設定が成功した場合は「1」日を示す位置に日車を位置付け、基準位置の設定が失敗した場合は、「30」日を示す位置に日車を位置付ける。こうすることで、基準位置の設定が成功した場合は、日車の基準位置設定が不要となる。
あるいは、ステップS725においては、たとえば、モータ304を駆動して、基準位置の設定対象とする指針車301を、基準位置の設定が成功したことを示す位置としてあらかじめ定められた所定の位置に位置付けることにより「OK処理」をおこなってもよい。あらかじめ定められた所定の位置とは具体的に0時0分0秒であり、補正量が事前に設定されている場合は基準位置X+1より補正量分、モータ304を駆動させることで、あらかじめ定められた所定の位置へ時刻指示針106を移動させることができる。このように「OK処理」が終了した時点で、1日の0時0分0秒に設定することで、その後に時刻合わせが不要であり、調整が成功している時計を直ちに通常状態として使うことができる。
上述した実施の形態1においては、基準位置設定動作を開始してから1ステップ分ずつ状態判定をおこなって、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出する位置を検出するようにしたが、この方法に限るものではない。たとえば、組み込みの条件などによって、基準位置設定動作を開始する前に、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出するおおよその位置があらかじめ把握できる場合は、当該おおよその位置の直前(たとえば、20ステップ数前)の位置まで指針車301を早送りし、当該直前の位置以降、1ステップずつ状態判定をおこなって、暗状態を2回連続して検出した後に明状態を2回連続して検出する位置を検出するようにしてもよい。
<実施の形態2>
つぎに、この発明にかかる時計を実現する実施の形態2の電波修正時計の構成について説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
上述した実施の形態1においては、暗状態から明状態に切り替わる切替位置Xを特定し、当該切替位置Xに基づいて、通常の運針時において暗状態を検出するステアリング位置と、通常の運針時において明状態を検出する基準位置と、を設定するようにした。これに対し、この発明にかかる実施の形態2の時計を実現する電波修正時計は、明状態から暗状態に切り替わる切替位置Yを特定し、当該切替位置Yに基づいて、通常の運針時において暗状態を検出するステアリング位置と、通常の運針時において明状態を検出する基準位置と、を設定する。
(検出感度および検出レベルと位相との関係)
図8A、図8Bおよび図8Cは、実施の形態2の電波修正時計100における、光センサ214の検出感度および検出レベルとモータ304の位相との関係を示す説明図である。実施の形態2においては、山型810が示す範囲810aのうち、開口率100%の位置から徐々に下がる範囲811aにおける開口率に基づいて切替位置Yを特定する。
このような場合、切替位置Yにおける暗状態の検出レベルと明状態の検出レベルとの差が著しく、また、検出レベルの最大値が低いため、たとえば、図8Bおよび図8Cに示すように、切替位置Yを基準としてステアリング位置Y+1と基準位置Y−1とを設定すると、第2の感度に設定した状態ではステアリング位置Y+1において明状態を検出することができない。
そこで、この実施の形態2の電波修正時計100は、基準位置設定動作に際して、明状態から暗状態に切り替わる切替位置Yを特定し、切替位置Yにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値、すなわちピーク値であるか否かを判定することにより、実際の開口率の最大値が駆動機構(ムーブメント)209が設計通りに組み立てられた状態における開口率100%に達しない場合にも、確実に検出ができるステアリング位置および基準位置を設定することができる。
具体的に、この実施の形態2の電波修正時計100は、基準位置設定動作に際して、受光素子214bの受光量に基づいてモータ304を駆動制御し、モータ304が、たとえば、1ステップ駆動するごとに明状態か暗状態かを判定する状態判定をおこなう。そして、制御部401は、光センサ214の検出感度を通常の運針時における感度よりも高い第1の感度に設定し、第1の感度に設定した状態における状態判定の結果に基づいて、明状態から暗状態に切り替わる切替位置Yを特定する。
つぎに、制御部401は、切替位置Yを検出した場合、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定した状態で、切替位置Yより1ステップ前の位置Y−1が暗状態であるか明状態であるかを判定する。このとき、制御部401は、たとえば、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置Y−1に位置付ける。
あるいは、制御部401は、たとえば、モータ304を逆回転させ、指針車301を通常の運針時とは逆方向に回転させることによって、当該指針車301を位置Y−1に位置付けてもよい。モータ304を逆回転させ、指針車301を通常の運針時とは逆方向に回転させる場合、バックラッシュを考慮し、位置Y−1よりも余分(たとえば、Y−5の位置)に逆回転させた後、位置Y−1まで正回転させる。
そして、位置Y−1が明状態である場合に、当該位置Y−1を基準位置に特定する。その後、制御部401は、特定した基準位置Y−1に関する情報を、記憶部401aに記憶する。基準位置Y−1に関する情報は、明状態と判定した後に暗状態と判定した時点における指針車301の位置を特定可能な情報に基づいて生成することができる。その後、制御部401は、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、指針車301を切替位置Yの1ステップ後の位置Y+1に位置付け、位置Y+1において暗状態であるか否かを判定する。
つぎに、制御部401は、指針車301を位置Y+1に位置付けた状態において暗状態であるか否かを判定した後、モータ304を回転させて指針車301を基準位置Y−1に位置付け、基準位置Y−1における光センサ214の検出値(受光量)が極大値、すなわちピーク値であるか否かを判定する。このときモータ304は、通常の運針時よりも早い速度(早送り)で回転させても、通常の速度で回転させてもよい。また、このときモータ304は、正回転させても逆回転させてもよい。
光センサ214の検出値が極大値であるか否かは、指針車301を基準位置Y−1に位置付けた状態における光センサ214の検出値が、位置Y−2および切替位置Yよりも大きいか否かによって判定することができる。光センサ214の受光素子214bは、発光素子214aが発した光を、指針車301が1回転する間の特定の範囲においてのみ受光する。このため、この受光範囲における光センサ214の検出値の極大値は、光センサ214の検出値(受光量)の最大値となる。
制御部401は、基準位置Y−1における光センサ214の検出値(受光量)が極大値である場合、すなわち、光センサ214が基準位置Y−1においてピーク値を検出した場合、当該基準位置Y−1を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)する。また、制御部401は、光センサ214が基準位置Y−1においてピーク値を検出した場合、基準位置Y−1より所定ステップ数(たとえば2ステップ)後の位置Y+1を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定する。制御部401は、設定した基準位置Y−1およびステアリング位置Y+1に関する情報を、記憶部401aに記憶する。
一方、制御部401は、基準位置Y−1における光センサ214の検出値(受光量)が極大値ではない場合、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定し、モータ304を回転させて指針車301を位置Y−2に位置付ける。そして、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、位置Y−2が明状態であるか否かを判定する。光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、位置Y−2が明状態である場合、当該位置Y−2を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)する。また、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定した状態で、位置Y−2が明状態である場合、当該位置Y−2から所定ステップ数(たとえば2ステップ)後の位置Yを、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定する。その後、制御部401は、設定した基準位置Y−2およびステアリング位置Yに関する情報を、記憶部401aに記憶する。
このように、実施の形態2の電波修正時計100は、明状態から暗状態に切り替わる切替位置Yにおける光センサ214の検出値(受光量)が極大値である場合は、切替位置Yより1ステップ前の位置Y−1を基準位置に設定し、当該基準位置Y−1よりも2ステップ後の位置Y+1を暗状態を検出するためのステアリング位置に設定する(図8Cにおける☆印を参照)。これにより、ステアリング位置および基準位置を確実に検出することができる。
また、この実施の形態2の電波修正時計100は、切替位置Yより1ステップ前の位置Y−1における光センサ214の検出値(受光量)が極大値ではない場合は、位置Y−1に基づいてステアリング位置Yと基準位置Y−2とを設定することにより、組み込みばらつきに左右されることなくステアリング位置および基準位置を確実に検出することができる。
(基準位置設定動作の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の電波修正時計100がおこなう基準位置設定動作の処理手順について説明する。図9Aおよび図9Bは、実施の形態2の電波修正時計100がおこなう基準位置設定動作の処理手順を示すフローチャートである。図9Aおよび図9Bのフローチャートに示した処理は、操作部104に対する所定の入力操作を受け付けた場合に実行される。
図9Aおよび図9Bにおいては、光センサ214に対応する時針106aに対応する指針車301についての基準位置設定動作の処理手順について説明するが、光センサ215に対応する分針106b、光センサ216に対応する秒針106cについても、時針106aと同様の処理をおこなうことによって基準位置を設定することができる。
図9Aおよび図9Bのフローチャートにおいて、まず、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定し(ステップS901)、モータ304を1ステップ運針する(ステップS902)。ステップS902においてモータ304を1ステップ分駆動することにより、指針車301が1ステップ分回転(回動)する。
つぎに、光センサ214の検出感度を第1の感度に設定した状態で、指針車301を1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、明状態を検出したか否かを判断する(ステップS903)。ステップS903において、明状態を検出していない場合(ステップS903:No)、ステップS902へ移行して、さらにモータ304を1ステップ運針する。
一方、ステップS903において、明状態を検出した場合(ステップS903:Yes)、モータ304を1ステップ分駆動する(ステップS904)。ステップS904においてモータ304を1ステップ分駆動することにより、指針車301が1ステップ分回転(回動)する。そして、指針車301を1ステップ分回転(回動)した位置における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、暗状態を検出したか否かを判定する(ステップS905)。ステップS905において、暗状態を検出していない場合(ステップS905:No)、ステップS904へ移行し、さらにモータ304を1ステップ分駆動する。
ステップS905において、暗状態を検出した場合(ステップS905:Yes)、当該暗状態を検出した位置、すなわち、明状態から暗状態に切り替わる位置を切替位置Yとして、当該切替位置Yに関する情報をROM203bなどに記憶する(ステップS906)。そして、指針車301が位置Y−1に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS907)。ステップS907においては、たとえば、上記のように、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置Yに位置付ける。あるいは、ステップS907においては、たとえば、モータ304を3ステップ以上逆回転させた後、モータ304を正回転させることによって、当該指針車301を位置Yに位置付けてもよい。
つぎに、指針車301を位置Y−1に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、明状態を検出したか否かを判定する(ステップS908)。ステップS908において、明状態を検出していない場合(ステップS908:No)、ステップS920へ移行する。一方、ステップS908において、明状態を検出した場合(ステップS908:Yes)、当該明状態を検出した位置を基準位置Y−1として、当該基準位置Y−1に関する情報をROM203bなどに記憶する(ステップS909)。
つぎに、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定し(ステップS910)、指針車301が、切替位置Yより1ステップ後の位置Y+1に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS911)。ステップS911においては、たとえば、上記のように、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置Y−1に位置付ける。あるいは、ステップS911においては、たとえば、モータ304を3ステップ以上逆回転させた後、モータ304を正回転させることによって、当該指針車301を位置Y+1に位置付けてもよい。
そして、指針車301を位置Y+1に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、暗状態を検出したか否かを判定する(ステップS912)。ステップS912において、暗状態を検出していない場合(ステップS912:No)、ステップS920へ移行する。
一方、ステップS912において、暗状態を検出した場合(ステップS912:Yes)、指針車301が位置Y−1に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS913)。ステップS913においては、たとえば、上記のように、通常の運針時よりも早い速度でモータ304を2ステップ正回転させ、指針車301を早送りすることによって、当該指針車301を位置Y−1に位置付ける。あるいは、ステップS913においては、たとえば、通常の運針時と同じ速度でモータ304を2ステップ正回転させ、指針車301を位置Y−1に位置付けてもよい。
そして、指針車301を位置Y−1に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、当該位置Y−1が極大値であるか否かを判定する(ステップS914)。ステップS914においては、指針車301を位置Y−2、位置Y−1および位置Yにそれぞれ位置付け、各位置に位置付けた状態における光センサ214の検出値に基づいて、位置Y−1における光センサ214の検出値が、位置Y−2および位置Yにおける光センサ214の検出値よりも大きいか否かによって、位置Y−1が極大値であるか否かを判定することができる。
ステップS914において、位置Y−1が極大値である場合(ステップS914:Yes)、当該位置Y−1を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)するとともに、位置Y−1より2ステップ後の位置Y+1を、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定し(ステップS915)、ステップS921へ移行する。ステップS915においては、たとえば、基準位置Y−1およびステアリング位置Y+1に関する情報をROM203bなどに記憶することにより設定することができる。
一方ステップS914において、位置Y−1が極大値ではない場合(ステップS914:No)、光センサ214の検出感度を第2の感度に設定し(ステップS916)、指針車301が位置Y−2に位置するまでモータ304を駆動する(ステップS917)。そして、指針車301を位置Y−2に位置付けた状態における光センサ214(受光素子214b)の出力値に基づいて、明状態を検出したか否かを判定する(ステップS918)。ステップS918において、位置Y−2において明状態を検出していない場合(ステップS918:No)、ステップS920へ移行する。
一方、ステップS918において、位置Y−2において明状態を検出した場合(ステップS918:Yes)、当該位置Y−2を、明状態を判定するための基準位置に設定(確定)するとともに、位置Y−2より2ステップ後の位置Yを、暗状態を判定するためのステアリング位置に設定し(ステップS919)、ステップS921へ移行する。ステップS919においては、たとえば、基準位置Y−2およびステアリング位置Yに関する情報をROM203bなどに記憶することにより設定することができる。
ステップS920においては、上述した図7BにおけるステップS724と同様に、「NG処理」をおこなう(ステップS920)。ステップS921においては、上述した図7BにおけるステップS725と同様に、「OK処理」をおこなう(ステップS921)。
以上説明したように、この実施の形態の電波修正時計100は、軸心周りに回転可能な指針車301と、指針車301に連結されて当該指針車301を回転させるモータ304と、指針車301の回転に連動して軸心周りに回転可能な検出車305と、検出車305を軸心方向に貫通する検出孔305aと、検出車305の回転にともなう検出孔305aの移動軌跡上の検出位置に対して光を発する発光素子214aと、発光素子214aに対して検出車305を間にして対向配置された受光素子214bと、を備えた光センサ214(215、216)と、受光素子214bの受光量に基づいてモータ304を駆動制御する制御部401と、を備える。制御部401が、モータ304が1ステップ駆動するごとに状態判定をおこない、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態における状態判定の結果に基づいて切替位置を特定する。
たとえば、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、制御部401が、モータ304が1ステップ駆動するごとに状態判定をおこない、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態における状態判定の結果に基づいて、暗状態から明状態に切り替わる切替位置を特定する。この場合、制御部401は、特定した切替位置より1ステップ後の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態で明状態となり、かつ、当該切替位置より1ステップ前の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第2の感度に設定した状態で暗状態となり、さらに、当該切替位置における受光量が極大値である場合、通常の運針時において、当該切替位置より所定ステップ数(たとえば2ステップ)前の位置が暗状態であって、かつ、当該切替位置が明状態であるか否かを判断することにより指針車301の位置を検出することを特徴としている。
あるいは、たとえば、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、制御部401が1ステップ駆動するごとに状態判定をおこない、当該受光量が当該所定量未満となる暗状態を前記第1の状態であると判断し、当該受光量が所定量以上となる明状態を前記第2の状態であると判断する状態判定をおこない、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態における状態判定の結果に基づいて、明状態から暗状態に切り替わる切替位置を特定する。この場合、制御部401は、特定した切替位置より1ステップ後の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態で暗状態となり、かつ、当該切替位置より1ステップ前の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第2の感度に設定した状態で明状態となり、さらに、当該切替位置よりも1ステップ前の位置における受光量が極大値である場合、通常の運針時において、当該切替位置より所定ステップ数(たとえば2ステップ)後の位置が暗状態であり、かつ、当該切替位置よりも1ステップ前の位置が明状態であるか否かを判断することにより指針車301の位置を検出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、指針車301や輪列303を構成する歯車302の位置関係、モータ304(モータコイル)の配置方向、電子回路部からモータ304(モータコイル)に出力されるパルス信号の初期位相など、駆動機構(ムーブメント)209を構成する各部品の組み込みばらつきによって、開口率が設計時の想定値よりも小さくなった場合にも、明状態を精度よく検出できる基準位置や暗状態を精度よく検出できるステアリング位置を設定することができる。これにより、電波修正時計100ごとの組み込みばらつきに左右されることなく、各電波修正時計100における指針車301の位置を精度よく検出することができる。
そして、これにより、指針車301や輪列303を構成する歯車302の位置関係、モータ304(モータコイル)の配置方向、電子回路部からモータ304(モータコイル)に出力されるパルス信号の初期位相など、駆動機構(ムーブメント)209を構成する各部品の組み込みにかかる制限を受けることなく、駆動機構(ムーブメント)209を組み立てることができ、電波修正時計100の製造に際しての作業者の負担軽減を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、特定した切替位置より1ステップ後の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態で明状態となり、かつ、当該切替位置より1ステップ前の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第2の感度に設定した状態で暗状態となっても、切替位置における受光量が極大値ではない場合は、通常の運針時において、当該切替位置より所定ステップ数(たとえば2ステップ)前の位置が暗状態であり、かつ、当該切替位置より所定ステップ数(たとえば1ステップ)後の位置が明状態であるか否かを判断することにより指針車301の位置を検出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、切替位置における受光量が極大値ではない場合は、切替位置より所定ステップ数前の位置および切替位置より所定ステップ数後の位置において明状態や暗状態であるか否かの判定をおこなうことができる。これにより、開口率が設計時の想定通りである場合のように、基準位置の設定範囲に余裕がある場合には、明状態と暗状態との境界となるぎりぎりの位置を基準位置に設定することを回避し、確実に明状態となる位置を基準位置に設定することができる。
同様に、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、特定した切替位置より1ステップ後の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第1の感度に設定した状態で暗状態となり、かつ、当該切替位置より1ステップ前の位置が、光センサ214(215、216)の検出感度を第2の感度に設定した状態で明状態となっても、切替位置における受光量が極大値ではない場合は、通常の運針時において、当該切替位置よりも1ステップ前の位置よりさらに所定ステップ数(たとえば切替位置よりも2ステップ)前が明状態であり、かつ、当該切替位置より所定ステップ数(たとえば1ステップ)後の位置が暗状態であるか否かを判断することにより指針車301の位置を検出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、切替位置における受光量が極大値ではない場合は、切替位置よりも1ステップ前の位置よりさらに所定ステップ数前の位置および切替位置より所定ステップ数後の位置において明状態や暗状態であるか否かの判定をおこなうことができる。これにより、開口率が設計時の想定通りである場合のように、基準位置の設定範囲に余裕がある場合には、明状態と暗状態との境界となるぎりぎりの位置を基準位置に設定することを回避し、確実に明状態となる位置を基準位置に設定することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、制御部401が、基準位置設定動作に際して、発光素子214aの発光強度および受光素子214bの受光感度の少なくとも一方を調整し、光センサ214(215、216)の検出感度を設定することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、電波修正時計100ごとの光センサ214(215、216)の検出感度のばらつきなどに左右されることなく、光センサ214(215、216)の検出感度を電波修正時計100ごとに設定し、切替位置Xを電波修正時計100ごとに高精度に特定することができる。これにより、確実に明状態となる位置を基準位置に設定することができる。そして、これにより、正確な時刻を示す電波修正時計100を提供することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、光センサ214(215、216)に対する入力電流がばらついたり、経時変化に起因して光センサ214(215、216)の検出感度が低下したりしても、光センサ214(215、216)の検出感度を電波修正時計100ごとに設定し、切替位置Xを電波修正時計100ごとに高精度に特定することができる。これにより、常に、正確な時刻を示す電波修正時計100を提供することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、時刻を計時する計時機能(計時手段)を備え、制御部401が、通常の運針時において、第1の感度より低く、かつ、第2の感度と同じもしくは当該第2の感度より高い第3の感度を用いて、指針車301の位置を検出することを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、時刻指示針106(時針106a、分針106bまたは秒針106c)を支持する指針車301の位置を、高精度に設定された基準位置X+1に基づいて制御することができる。これにより、正確な時刻を示す電波修正時計100を提供することができる。時針106a、分針106bおよび秒針106cの基準位置を設定する場合、時針106a、分針106bおよび秒針106cごとにそれぞれ異なる感度を使ってもよいし、同じ感度でもよい。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、指針車301に連結されて当該指針車301の回転に連動して軸心周りに回転可能な日送り車と、日送り車に連結されて日付を示す日車と、を備えていてもよい。そして、このような電波修正時計100においては、制御部401は、基準位置設定動作をおこなった結果、基準位置が設定された場合は、モータ304を駆動制御して日送り車を回転させることにより当該日車が示す日付を基準位置設定動作の開始時点の日付よりも進めた日付に変更し、基準位置設定動作が失敗して基準位置が設定されなかった場合は、モータ304を駆動制御して日送り車を回転させることにより当該日送り車が示す日付を基準位置設定動作の開始時点の日付よりも遡った日付に変更することができる。
このような電波修正時計100によれば、時計の製造工程において指針車301に指針が取り付けられていない状態であっても、基準位置の設定に成功したか失敗したかを案内することができる。これにより、電波修正時計100の製造者は、指針車301に指針を取り付ける前に基準位置の設定が成功したか否かを判断することができる。
そして、これにより、基準位置の設定が失敗している場合は、電波修正時計100の組み立てが完成する前に組み立てをやり直すなどの対応をとることができ、電波修正時計100の組み立てが完成した後に基準位置の設定の成否を確認する場合と比較して、電波修正時計100の製造に際しての作業者の負担軽減を図ることができる。