JP6506868B1 - 食品加工処理装置および食品加工処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サイズを小型化しつつ連続処理で食品投入のインターバルを短くしかつ加工処理室の内部の滞留時間を長く確保する食品加工処理装置を提供する。
【解決手段】 コンベア本体111とコンベア本体111を駆動する伝導チェーン112とを備えたコンベア搬送体110と、コンベア搬送体110を走行軌道に沿って摺動可能に支持する走行フレーム120と、伝導チェーン112に対して駆動力を印加する駆動スプロケット131を備えたコンベア駆動装置130と、食品に加工処理を施す加工処理室160を備えている。走行フレーム120がスパイラルタワー部122を備え、スパイラル上昇部1221とスパイラル下降部1222を備え加工処理室160に収納されている。スパイラルタワー部122の各段の搬送体ベルトを駆動する駆動スプロケット131が上下方向に並べて配置されたスプロケットタワー部134をスパイラルタワー部122に対向して設けている。
【選択図】 図1
Description
冷気流方式は、冷媒となる空気を送風または吸引して冷却器内を通過させ、冷気を生成し、その冷気を導く冷却空間を設け、当該冷却空間を通過するようにベルトコンベアの搬送系を設置して循環させるものである。ベルトコンベア上に冷凍対象となる食品を載置し、冷凍対象となる食品を冷却空間の中を通過させ、急速に冷凍する方法である。
冷気流式、蒸気流式いずれであっても、搬送路を走行する食品などの被加工処理物に当てることにより加工処理を進めてゆくため、ある程度の時間が必要である。連続投入する処理速度を上げるためには搬送路の走行スピードもある程度の速度が求められる。そのため、搬送路の長さが長くなる傾向にある。
ここで、食品加工処理装置のサイズをコンパクトにする工夫として、加工処理室内に螺旋状無端コンベアを配置し、食品等を螺旋状無端コンベアで搬送しながら加工処理する構造が知られている。螺旋状無端コンベアを用いることにより、コンベア設置面積の省スペース化を達成できる利点がある。
螺旋状無端コンベア装置60は、複数本の支柱51、52で囲まれた領域に、螺旋状無端コンベアベルト21、30が上下方向に配置され、螺旋状無端コンベアベルト30の入口付近に電動機40が設けられ、螺旋状無端コンベアベルト30の内側領域に補助伝動装置50が設けられている。補助伝動装置50は、電動機40によってギア41を介して回転駆動される。補助伝動装置50を構成する複数の支柱51、52は、回転して螺旋状無端コンベアベルト30に移動する力を付与する構成となっている。
しかし、螺旋状無端コンベアベルト30を用いた食品加工処理装置の解決すべき問題は、装置の駆動機構が複雑でありかつ密に配置しなければならないという点である。
特に、螺旋状上昇路と螺旋状下降路とは上下で交互に並んでいるが、両者が密に上下に重なっており、かつ、その走行方向は図11中の矢印に示したように互いに逆方向となっており、複雑な駆動制御が必要となる。螺旋状無端コンベアベルト30の駆動系を螺旋状上昇路と螺旋状下降路の間に配置し、それらの回転方向も不揃いに制御することは難しく、螺旋状上昇路と螺旋状下降路の周囲に多少のスペースを確保して螺旋状無端コンベアベルト30の駆動系を配置せざるを得ず、その分、装置サイズが大きくなってしまう。また、コンベアと駆動機構に複雑な設計と製作を必要とするためコストアップの要因となる。
このようにドライブチェーンを用いてその張り巡らせ方を工夫することにより各段の駆動スプロケットの回転方向を交互に逆にしている。
その工夫として、スパイラルタワー部の走行フレームの少なくとも一部において、走行フレーム内を走行するコンベア搬送体の走行フレームからの浮き上がりを防止する浮き上がり防止体をコンベア搬送体の上方に対向して設けるというものがある。
上記構成により、スパイラル軌道を描いて上昇したり下降したりするコンベア搬送体は曲がりながら移動するため、そのストレスのために走行フレームの中から上方へ浮いてしまうおそれがある。そこで、適宜、走行フレームの一部にコンベア搬送体の上方に対向するように浮き上がり防止体を取り付けておき、コンベア搬送体の浮き上がりを防止する。ここで、浮き上がり防止体の形状などは特に限定されないが、コンベア搬送体の上面に対向するような平面的な板状の部材でも良い。
上記構成により、浮き上がり防止体と噛み合い調整体により上下からコンベア搬送体の走行姿勢を整えることができ、その伝導チェーンの高さが精密に調整され、駆動スプロケットとの噛合において良好な状態を維持できる。
スパイラルタワー内において、内側から走行フレームおよびコンベア搬送体に向けて消毒液および洗浄液を噴射する噴射ノズルと、消毒液および洗浄液を貯蔵するタンクと、タンクから噴射ノズルに対して消毒液および洗浄液を圧送する圧送ポンプと、圧送ポンプから噴射ノズルまで消毒液および洗浄液を供給する供給パイプを設ける。洗浄モードにおいて圧送ポンプを駆動して洗浄液を噴射ノズルに供給して洗浄液を内側から噴射することにより、作業員が外部からアクセスしにくいスパイラルタワーの内部から消毒処理や洗浄処理を自動的に行うことができる。
なお、消毒洗浄効果を向上するため、噴射ノズルを回転させることも可能である。噴射ノズルをスパイラルタワー内で旋回させる回動軸体を設け、その回動軸体に噴射ノズルを取り付けてスパイラルタワー内部で旋回するものとする。なお、回動軸に対しては旋回駆動装置により回転駆動力を与える。ここで、装置をコンパクトに収めるため、上記した消毒液および洗浄液を供給する供給パイプの一部が回動軸体を兼ねている構成も可能である。
コンベア搬送体の伝導チェーンは、くさび状、V字状、またはコの字型で閉鎖部から開放部に向けて拡径した形状で厚みのある部材であり、当段の開放部に前段の閉鎖部がやや入り込んだ状態で接続されて連綿と連結された構造であり、前段と当段の前記伝導チェーンの連結が接続方向に伸縮する可動域と相対角度を可変とする可動域を備えた構造を備えたものであることが好ましい。このように、立体的に可動域を備えたものであれば伝導チェーンが立体的に屈曲または伸縮可能な構造となる。
コンベア搬送体の伝導チェーンの部材同士の連結箇所において可動域を持たせる構造としては、例えば、その径が伝導チェーンの高さ方向の厚みより小さく前段の閉鎖底部を貫通して当段の開放部を橋梁する軸体により連結されたものであり、前段の閉鎖底部の貫通孔が垂直方向の高さが軸体径と略等しく、水平方向の長さが軸体径より大きな長径孔とする構造がある。当該構造により橋梁する軸体に垂直方向および水平方向に可動域を備えることができる。
コンベア搬送体は中央のコンベア本体と両端の伝導チェーンで構成されているが、そのコンベア本体が、両端の伝導チェーンに橋梁している横橋梁体と、それら隣接する横橋梁体を縦方向に橋梁する縦橋梁体を備えた構造であり、かつ、縦橋梁体がその上面の少なくとも一部が平面である扁平のリング体とした構造を備えたものである。上記構成により、当該リング体が横橋梁体と縦橋梁体が相対的に可動できる可動域を提供する構造となる。
コンベア駆動機構の駆動スプロケットの歯の形状としては、伝導チェーンの連結部分に入り込む断面形状が伝導チェーンの連結部分に形成されるくさび状、V字状、またはコの字型で閉鎖部から開放部に向けて拡径した形状に対応したものであり、かつ、伝導チェーンの連結部分への押し込み方向にも歯の先端に向けてやや縮径したものであり、駆動スプロケットの伝導チェーンへの噛合が、断面方向にもテーパー篏合で噛合し、押し込み方向にも周回方向にもテーパー篏合で噛合する構造とする工夫がある。
このような形状とすることにより、コンベア駆動機構の駆動スプロケットの歯も伝導チェーンも両者とも、くさび形などの連結開口部に向けて拡径した形状を持ち合い両者で噛み合うことができる。つまり、駆動スプロケットの伝導チェーンへの噛合が、垂直方向にもテーパー篏合で噛合し、水平方向にもテーパー篏合で噛合する構造となっており、立体的に確実な噛合と効率的な駆動力の伝導が可能となる。
コンベア搬送体の周回軌道については、スパイラル上昇部の旋回径および中心軸と、前記スパイラル下降部の旋回径および中心軸がそれぞれ一致しており、前記スパイラル上昇部の上昇旋回の周回方向と前記スパイラル下降部の下降旋回の周回方向が逆方向であり、前記スパイラル上昇部の段と段の間に、前記スパイラル下降部の段が間挿され、前記スパイラル上昇部の段と、前記スパイラル下降部の段が段違いに構成されている。つまり立体的に段違いになって1つの空間を共用している関係にある。
このように走行フレームは始端付近の水平部分から終端付近の水平部分まで一つながりになっており、走行フレームの終端から抜け出たコンベア搬送体が、走行フレームの始端に向けて帰還する帰還経路が形成され、コンベア搬送体が周回している。
上記構成により、冷却、冷凍、加熱などの加工処理空間において、コンベア本体の走行軌道が、いわゆる螺旋状のスパイラル軌道となっている部分が含まれており、加工処理空間の移動時間を長く確保しつつ、軌道の長さに比べて設置に必要な面積は小型化することができる。
コンベア駆動機構による駆動については、無停止の連続駆動、間歇駆動のいずれも選択することができる。
つまり、加工処理デバイスが加熱処理機能を備えれば、食品の加熱処理装置とすることもでき、加工処理デバイスが冷却処理機能または冷凍処理機能を備えれば、食品の冷却処理装置または冷凍処理装置とすることもできる。
食品加工処理装置を直列に複数台並べて配置して構成したり、加熱食品加工処理装置と冷却冷凍用食品加工処理装置を直列に複数台並べて配置して構成したりすることで食品加工処理装置群とすることもできる。
また、スプロケットタワーの各段に並べられた駆動スプロケットに連結された回転力伝導用スプロケットに対して回転駆動力を与えるドライブチェーンを、それら回転力伝導用スプロケットの間を紆曲しながら張り巡らすことにより、簡単な構造にて、スプロケットタワーの各段の駆動スプロケットに与えられる回転方向が交互に逆になる機構を実現している。
実施例1は単一構成に係る本発明の食品加工処理装置100の構成例を説明するものであり、実施例2は消毒洗浄モードを設ける工夫に関するものである。
図1は、実施例1にかかる食品加工処理装置100の構成例を簡単に示した図である。図1(a)は側面において構成を簡単に示した図、図1(b)は平面において構成を簡単に示した図である。なお、図1において加工処理室160の内部に収納されている走行フレーム120のスパイラルタワー部122などが見えるように図示されている。
なお、全体の構成が分かりやすいように、図1ではスプロケットタワー部134以外に走行フレーム120上に配置されているコンベア駆動装置130や駆動スプロケット131の図示は省略しているが、図3および図5において構造が分かる図を図示している。後述するように駆動スプロケット131は、摺動して移動するコンベア搬送体110および走行フレーム120に沿って適宜配置され、走行フレーム120の上からコンベア搬送体110を駆動させるものである。
浮き上がり防止体については、図1では図示を省略しているが図6に示したものが適宜各所に配置されているものとする。
また、加工処理室160の内部に搭載されている加工処理デバイスとして設けられる構成要素、例えば、加工処理室160内に設けられる加熱器、冷気噴出デバイス、電気系統設備などについても図示を省略している。
以下、各構成要素を説明する。
図2に示すように、コンベア搬送体110は、コンベア本体111、伝導チェーンベルト112を備えた構成であり、伝導チェーン112を介して後述するコンベア駆動装置130の駆動スプロケット131から駆動力を受けてコンベア本体111を駆動する構造となっている。
本発明に用いられるコンベア搬送体110は、図2に示すようにコンベア本体111、伝導チェーンベルト112とも走行方向に対して上下方向および左右方向にも可動域を備えた可曲構造または伸縮構造を備えたものとなっている。
図3(b)はコンベア搬送体110の伝導チェーン112と前後の連結構造を拡大して示した図である。
図3(b)に示した構造例では、端部にある伝導チェーン112は厚みのある凹状体が連綿と連結されたものであり、伝導チェーン112の部材同士の連結部分が相互に可動域を備えたものとなっており、その可動域の範囲で伝導チェーン112同士が伸縮したり曲がったりすることができる構造となっている。
図3に示した構造例では、例えば、伝導チェーン112の部材が、くさび状、V字状、またはコの字型で、閉鎖部から開放部に向けて拡径した形状で厚みのある部材であり、連結された2つのみを取り出して図示されている。下側に図示した伝導チェーン112の部材の開放部の両端に孔があり、その孔に軸体が貫通するように連結されている。また、上側に図示した伝導チェーン112の部材の閉鎖部の壁面にも可動域となる長孔が設けられている。この下側に図示した伝導チェーン112の部材の開放部の孔、上側に図示した伝導チェーン112の部材の閉鎖部の長孔を貫通するように軸体が連結している。この構造であれば長孔の長さ分が可動域となり、過度に動かないが適度に相対的に可動する構造となり、進行方向に可動域が確保される。
走行フレーム120は、コンベア搬送体110を走行軌道に沿って摺動可能に支持するフレームであり、コンベア搬送体110のガイドとなるものである。この構成例では、後述する加工処理室160内での加工処理の効率が上がるように、走行フレーム120はコンベア搬送体110の幅方向の両端にある伝導チェーン112を支持するフレームがあるが、中央部分にはフレームがなく、走行フレーム120は上方から見れば中央が大きく開口したものとなっている。この底面の開口から加熱蒸気や冷却冷気などが通過できる構造となっている。また、走行フレーム120がスパイラル状に多段に重なっても中央部分を通じて加熱蒸気や冷却冷気がコンベア搬送体110を通過しやすいようになっている。
このように、本実施例の加工処理装置100は、走行フレーム120が直線部分だけでなく、走行軌道に応じて立体的な軌道を描いている。この例は、始端付近の水平部分121と、この水平部分121に続きスパイラル軌道で上昇するスパイラル上昇部1221と、このスパイラル上昇部1221に続くつなぎ部分を提供するつなぎ部123と、このつなぎ部123に続きスパイラル軌道で下降するスパイラル下降部1222と、このスパイラル下降部1222に続き終端付近の水平部分124を備えたものとなっている。
これらのうちスパイラル上昇部1221およびスパイラル下降部1222の全部または一部が加工処理室160に収納されている。
図4(a)は、走行フレーム120のスパイラルタワー部122のうち、スパイラル上昇部1221についてハッチングを施して図示している。
図4(b)は、走行フレーム120のスパイラルタワー部122のうち、スパイラル下降部1222についてハッチングを施して図示している。
なお、走行フレーム120の走行軌道は以上であるが、コンベア搬送体110としては、走行フレームの終端124から抜け出た後、走行フレーム120の始端の水平部分121に向けて帰還する帰還経路が形成されており、コンベア搬送体110が周回して循環している。
図3(a)は、コンベア駆動装置130の構成を示す図である。コンベア駆動装置130は、図3(a)に示すように、駆動スプロケット131と、その背面側に連結された回転力伝導用スプロケット132と、ドライブチェーン133を備えた構成となっている。
コンベア駆動装置130は、走行フレーム120に沿って適宜配置されたものであり、駆動スプロケット131の歯がコンベア搬送体110の伝導チェーン112と噛み合って伝導チェーン112を介してコンベア搬送体110に駆動力を与えるものとなっている。
なお、伝導チェーンの連結開口部の断面形状は、図3(b)に示すように、先端に向けてやや縮径したテーパー形となっている。駆動スプロケット131の歯も、図3(a)の右側に示す図のように、先端に向けてやや縮径したテーパー形となっている。このような立体的な構造を備えることにより、図3(b)に示した伝導チェーン112の連結開口部に対して、断面方向にもテーパー篏合で噛合し、押し込み方向にもテーパー篏合で確実に噛合する構造と言える。
図1、図4の例では、スパイラルタワー部122の左側にスプロケットタワー部134が設けられているが、図5(a)は、スプロケットタワー部134の駆動スプロケット131が多数設けられ、スパイラルタワー部122に対向している側(表側)の様子を簡単に示した図である。図5(b)は、スパイラルタワー部122に対向している面の背面であり、スプロケットタワー部134の駆動スプロケット131を駆動するための回転力伝導用スプロケット132が配されている側(裏側)の様子を簡単に示した図である。なお、スパイラル上昇部1221の構成、スパイラル下降部1222の構成は、ごく簡単に示しており、コンベア搬送体110などは図示を省略しているが、スプロケットタワー部134の駆動スプロケット131の歯は、走行フレーム120内のコンベア搬送体110の伝導チェーン112の開口を捉えて駆動力を与えている。
スプロケットタワー部134では、対向するスパイラルタワーの各段の走行フレームに対応した駆動スプロケットが上下方向に並べられている。
各々の駆動スプロケット131の背面側には、駆動スプロケット131に対して回転モーメントを伝導する回転力伝導用スプロケット132があり、その回転力伝導用スプロケット132に対して掛けられたドライブチェーン133が図示されている。回転力伝導用スプロケット132はスプロケットタワー134の各段に並べられたスプロケット131に対して回転駆動力を与えるものである。
図5(b)の例では、ドライブチェーン133が回転力伝導用スプロケット132の歯車の間をジグザグに紆曲しながら張り巡らされており、一本のドライブチェーン133でありながら、ドライブチェーン133が下方から上方へ移動するだけで、スプロケットタワー134の各段の駆動スプロケット131に与えられる回転方向が交互に逆転になるように張られている。このように、簡単な構造でありながら、背面側の各段の回転力伝導用スプロケット132を介して表面側の各段の駆動スプロケット131に与えられる回転方向を交互に逆になるように制御することができる。
走行フレーム120内を走行するコンベア搬送体110は走行フレーム120に対して摺動可能に固定されていないため、走行フレーム120の支持部分にコンベア搬送体110を載置している状態であれば、コンベア搬送体110に前後左右からストレスが掛かるとその力を逃がすようにコンベア搬送体110が走行フレーム120から浮き上がることも想定できる。特に、スパイラルタワー部122内のスパイラル上昇部1221、スパイラル下降部1222を走行するコンベア搬送体110には立体的に上下左右にストレスが掛かり、変形しながら走行するため、コンベア搬送体110が走行フレーム120から浮き上がるおそれがある。
そこで、スパイラルタワー部122の走行フレーム120の少なくとも一部において、走行フレームからの浮き上がりを防止する浮き上がり防止体150をコンベア搬送体110の上方に対向して設ける。
図6(a)は浮き上がり防止体150が取り付けられた箇所付近の走行フレーム120を平面方向から示した図である。図6(b)は、図6(a)におけるB−B線断面図であり、浮き上がり防止体150が取り付けられた箇所付近の走行フレーム120を断面方向から示した図である。
図6の例では、スパイラルタワー部122の走行フレーム120の外周側に浮き上がり防止体150を取り付けた例となっているが、内周側にも設けても良く、また、走行ルートに沿って外周側、内周側と交互に設ける構成であっても良い。
浮き上がり防止体150のサイズ、形状は限定されないが、コンベア搬送体110との間では走行方向には摩擦が小さい方が良いので、少なくとも下面は平面である樹脂プレートまたは金属プレートなどでも良い。また、下面にローラーのような回転体が設けられている構成も好ましい。回転体が転がりつつコンベア搬送体110に上から当接することにより、コンベア搬送体110の浮き上がりを防止しつつ、コンベア搬送体110の走行を邪魔しないからである。
浮き上がり防止体150の設置個所、設置個数も限定されないが、スパイラルタワー部122に設置するものは、各段に対応して設置する。
浮き上がり防止体150を設けることにより、走行フレーム120内においてコンベア搬送体110が安定して走行することができる。
スライドガイド136は、走行フレーム120内において伝導チェーン112の下側に設けられる滑らかな板体であり、伝導チェーン112の下面側を直接指示するものである。
噛み合い調整体135は、走行フレーム120内においてコンベア搬送体110の伝導チェーン112の走行高さを調整する部材である。駆動スプロケット131に対向するように配置され、ここでは、スライドガイド136を下方から押し上げてスライドガイド136を介して伝導チェーン112を支持するものとなっており、伝導チェーンの高さを調整するものとなっている。この例では、噛み合い調整体135は柱状のものなので、直接伝導チェーン112に当接すると引っ掛かってしまうおそれがあるので、スライドガイド136を挟み込んで伝導チェーン112を押し上げてその高さを調整するものとなっている。
図6(b)は噛み合い調整体135およびスライドガイド136の構成を簡単に示した図となっている。
図6(b)は、図6(a)のB−B線断面図となっている。
図6(b)に示すように、伝導チェーン112は下方からスライドガイド136を介して噛み合い調整体135により支持されており、上方からは駆動スプロケット131のテーパー歯が噛合しており、安定した状態で駆動される。
なお、その近くには浮き上がり防止体150によって伝導チェーン112が走行フレーム120から浮き上がらないように押圧されている。その結果、伝導チェーン112が浮き上がり防止体150と、スライドガイド136および噛み合い調整体135との間に挟み込まれる形となり、伝導チェーン112の高さや走行姿勢が安定する。伝導チェーン112の高さや走行姿勢を正確に制御できれば、テーパー形状となっている歯を持ったスプロケット131は図6(b)に示すように正しい姿勢でしっかりと伝導チェーン112を噛合できる。
このように噛み合い調整体135を用いることにより駆動スプロケット131が伝導チェーン112に対して噛み合う状態を制御することができる。
加工処理室160は、加工処理デバイスによる加工処理を受けている走行フレーム120およびコンベア搬送体110の周囲を囲み、加熱処理または冷却処理を行う空間を提供する部屋である。加工処理室160は、加工処理空間の断熱性を高めるため、断熱性のある壁面により筐体を形成しており、密閉性が重視された設計となっている。
加工処理室160内には様々な加工処理に供する加工処理デバイスを備えている。その温度設定は自由に行うことができる。加工処理デバイスの温度設定により、走行フレーム120に沿って摺動しているコンベア搬送体110に載置された食品に対して所定の加工処理を施すことができる。
例えば、加工処理デバイスが加熱処理機能を備えたデバイスであれば、食品への加熱処理の加工処理が可能となる。
また、例えば、加工処理デバイスが冷却処理機能または冷凍処理機能を備えたデバイスであれば、食品への冷却処理または冷凍処理の加工処理が可能となる。
この例では、冷却冷凍処理用に蒸発器が設けられている例とする。例えばここでは−20度の冷気が供給されているものとする。
図1に示すように、走行フレーム120の周回軌道の始端付近に食品の投入箇所が設けられており、その投入箇所に食品を投入できる食品投入機構180が設けられている。
また、走行フレーム120の周回軌道の終端付近に食品の排出箇所が設けられており、その排出箇所から食品を取り出すことができる食品排出機構190が設けられている。食品投入機構180、食品排出機構190の構造、稼働方式などは特に限定されない。
なお、食品投入作業や食品排出作業を人手で行う場合には、食品排出機構190、食品投入機構180は、必須の構成ではない。
以上説明した本実施例の加工処理装置100の各構成により食品の加工処理が実行される。
加工処理装置100はスパイラルタワー部122を備えており、そのままではスパイラルタワー部122内の走行フレーム120やコンベア搬送体110の洗浄、消毒、殺菌、脱臭等作業が簡単ではない。一般に、連続食品加工設備における自動洗浄装置はCIP技術、SIP技術として広く知られたものがあるが、本発明の加工処理装置100はドラムレススパイラル食品加工装置であり、スパイラルタワー部122内の内部から自動消毒洗浄を行うことができる可能性がある。
そこで、実施例2では、スパイラルタワー部122内の内部から自動消毒洗浄を行うことができる自動消毒洗浄装置170を備えたものである。
図7は、上記した実施例1で説明した図1の構成において、さらに自動消毒洗浄装置170を装備した構成を簡単に示した図である。
図7の構成例では、加工処理室160の上部に自動消毒洗浄装置170を装備している。図7(a)は加工処理装置100に組み込んだ全体の様子、図7(b)は自動消毒洗浄装置170のみを取り出して示した図である。
図7(b)に示すように、自動消毒洗浄装置170は、タンク171、圧送ポンプ172、スィーベルジョイント173、回転ギア174、噴射ノズル旋回駆動装置175、Tジョイント176、供給配管177、回転軸兼務配管178、噴射ノズル179を備えた構成となっている。
圧送ポンプ172は、タンク171から噴射ノズル179まで消毒液および洗浄液を圧送するポンプである。ポンプ圧は調整できるものとする。
スィーベルジョイント173は、90度の角度で取り付けた部材が360度回転できる回転継手であり、圧送ポンプ172から受けた消毒液および洗浄液をスムーズに90度の角度で取り付けられている下方の回転軸兼務配管178に受け渡す。この回転軸兼務配管178は、回転継手であるスィーベルジョイント173を経て下方に接続された配管であり、回転ギア174の駆動力により回転する回転軸の役割と、スィーベルジョイント173を経て下方に導かれた消毒液および洗浄液を下方へ流す配管としての役割を兼務している。
回転ギア174は、スィーベルジョイント173から下方へ延びる供給配管176の周囲に取り付けられ、回転モーメントを与えるギアである。
噴射ノズル旋回駆動装置175は、モーターを内蔵し、回転ギア174に回転力を与える装置である。
Tジョイント176の出路のもう一方は、供給配管177となっている。この供給配管177は消毒液および洗浄液を供給する供給路である。この構成例では、図7(b)に示すように、供給配管177に対して上方からはTジョイント176から導かれた消毒液および洗浄液が供給され、下方からは回転軸兼務配管178から導かれた消毒液および洗浄液が供給される構成となっており、内部の圧力が均一に調整され、多数あるノズル179から均一に消毒液および洗浄液が噴射される。
なお、この図7の構成例では、供給配管177がいわゆるコの字型に折り曲げられた部分を有しており、コの字型に外側に向けて屈曲していることにより、供給配管177が回転軸178に対して、より外側の位置を公転するように回転するため、スパイラルタワー部122内において、噴射ノズル179が走行フレーム120やコンベア搬送体110に対してより近く接近して回転することができる。
図7に示した構成例では、噴射ノズル179が供給配管177に対して複数設けられており、スパイラルタワー122内の各段の走行フレーム120に対して消毒液や洗浄液を噴き付けられる構造となっている。また、さらに、噴射ノズル179が上側に向く位置にも取り付けられており、スパイラルタワー122の上方の部材や加工処理室160の内面側にも消毒処理、洗浄処理が実施できるものとなっている。
なお、消毒液の内容、洗浄液の内容、噴射ノズル179の回転速度、噴射ノズル179からの噴射量、噴射速度などは適宜調整して最適なものを選択すればよい。
110 コンベア搬送体
111 コンベア本体
112 伝導チェーン
120 走行フレーム
121 始端付近の水平部分
122 スパイラルタワー部
123 つなぎ部
124 終端付近の水平部分
130 コンベア駆動機構
131 駆動スプロケット
132 回転力伝導用スプロケット
133 ドライブチェーン
134 スプロケットタワー
150 浮き上がり防止体
160 加工処理室
170 自動消毒洗浄装置
180 食品排出機構
190 食品投入機構
Claims (7)
- 上面が被加工物である食品の載置面を提供するコンベア本体と、駆動力を受けて前記コンベア本体を駆動する伝導チェーンとを備えたコンベア搬送体と、
前記コンベア搬送体を走行軌道に沿って摺動可能に支持する走行フレームであって、走行路中にスパイラル軌道を描いて複数回周回する走行路が形成されているスパイラルタワー部を含む走行フレームと、
前記スパイラルタワー部の周囲を囲み、前記コンベア搬送体に載置された前記食品に対して所定の加工処理を施す加工処理デバイスを含む加工処理室と、
前記スパイラルタワーに対向して立設され、前記スパイラルタワーの各段の前記走行フレームに対応した各段の前記駆動スプロケットが並べられたスプロケットタワーを含み、駆動スプロケットを介して前記伝導チェーンに駆動力を印加するコンベア駆動機構を備え、
前記スパイラルタワー部が、スパイラル軌道で上昇するスパイラル上昇部と、スパイラル軌道で下降するスパイラル下降部を備え、前記スパイラル上昇部と前記スパイラル下降部が交互に設けられた構成であり、
前記スプロケットタワーの各段の前記駆動スプロケットの回転方向が交互に逆転しており、
前記スプロケットタワーが、各段に並べられた前記駆動スプロケットの背面側に連結した回転力伝導用スプロケットに対して回転駆動力を与えるドライブチェーンを用いて前記回転力伝導用スプロケットを駆動することを特徴とする食品加工処理装置。 - 前記スプロケットタワーの前記ドライブチェーンがそれら前記回転力伝導用スプロケットの間を紆曲しながら張り巡らされており、前記スプロケットタワーの各段の前記駆動スプロケットに与えられる回転方向が交互に逆転になるように張られていることを特徴とする請求項1に記載の食品加工処理装置。
- 上面が被加工物である食品の載置面を提供するコンベア本体と、駆動力を受けて前記コンベア本体を駆動する伝導チェーンとを備えたコンベア搬送体と、
前記コンベア搬送体を走行軌道に沿って摺動可能に支持する走行フレームであって、走行路中にスパイラル軌道を描いて複数回周回する走行路が形成されているスパイラルタワー部を含む走行フレームと、
前記スパイラルタワー部の周囲を囲み、前記コンベア搬送体に載置された前記食品に対して所定の加工処理を施す加工処理デバイスを含む加工処理室と、
前記スパイラルタワーに対向して立設され、前記スパイラルタワーの各段の前記走行フレームに対応した各段の前記駆動スプロケットが並べられたスプロケットタワーを含み、駆動スプロケットを介して前記伝導チェーンに駆動力を印加するコンベア駆動機構を備え、
前記スパイラルタワー部の前記走行フレームの少なくとも一部において、前記走行フレーム内を走行する前記コンベア搬送体の前記走行フレームからの浮き上がりを防止する浮き上がり防止体を前記コンベア搬送体の上方に対向して設けるとともに、前記駆動スプロケットに対向するように配置され、前記コンベア搬送体の前記伝導チェーンの走行高さを調整する噛み合い調整体を設け、
前記伝導チェーンを前記浮き上がり防止体と前記噛み合い調整体との間に挟み込み、前記駆動スプロケットが前記伝導チェーンに対して噛み合う状態を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の食品加工処理装置。 - 消毒処理と洗浄処理を行う消毒洗浄モードを備え、
前記スパイラルタワー内に前記走行フレームおよび前記コンベア搬送体に向けて消毒液および洗浄液を噴射する噴射ノズルと、前記消毒液および前記洗浄液を貯蔵するタンクと、前記タンクから前記噴射ノズルに対して前記消毒液および前記洗浄液を圧送する圧送ポンプと、前記圧送ポンプから前記噴射ノズルまで前記消毒液および前記洗浄液を供給する供給パイプを備え、前記消毒洗浄モードにおいて前記スパイラルタワー内部の消毒処理と洗浄処理を可能としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の食品加工処理装置。 - 前記噴射ノズルを前記スパイラルタワー内で旋回させる回動軸体と、前記回動軸に対して回転駆動力を与える旋回駆動装置を備え、前記供給パイプの一部が前記回動軸体を兼務していることを特徴とする請求項4に記載の食品加工処理装置。
- 前記加工処理デバイスが加熱処理機能を備え、前記食品への前記加工処理が加熱処理であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の食品加工処理装置。
- 前記加工処理デバイスが冷却処理機能または冷凍処理機能を備え、前記食品への前記加工処理が冷却処理または冷凍処理であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の食品加工処理装置。
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