JP6505797B2 - 溶射材料 - Google Patents

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Description

本発明は、工業窯炉の炉壁の補修材料に関し、特に、金属粉末の酸化反応熱を利用して耐火性粉末を溶融し補修面(部位)に溶着させる溶射材料に関するものである。
工業窯炉や溶融金属容器等においては、その使用に伴って、耐火物からなる内張り等に損傷が発生する。このような損傷に対しては、適宜、補修が実施される。例えば、製鉄所のコークス炉は、建設してから20年以上のものが多く、特に、炭化室の壁は補修を繰り返しながら操業を継続している。
操業を継続しながら補修を実施する技術として溶射補修法がある。この溶射補修法には、例えば、プラズマ溶射法、レーザ溶射法、火炎溶射法がある。しかしながら、これらの溶射法には大掛かりな装置が必要であることから、近年、比較的簡易な装置で実現可能な、金属の酸化発熱反応を利用した溶射法が利用されている。
例えば、特許文献1〜4では、この溶射方法では、金属粉末(燃焼剤)と耐火性粉末の混合物を酸素で搬送し、高温の補修面に吹き付ける溶射材料についての記載がある。吹き付けられた混合物は、補修面からの受熱により起こる金属粉末の酸化発熱反応により耐火性組成物を形成するとともに溶融し、補修面に付着する。
一般に、耐火物ライニングを補修する場合、補修によって形成された施工体と補修された耐火物の熱膨張は近いほど好ましい。特にコークス炉や熱風炉など、建設後はれんがの積替え修理が実施されないまま数十年にわたって稼働し続ける窯炉においては、補修材が数ヵ月から数年にわたって施工部に残存し補修部を保護する効果が要求され、従って、施工体の熱膨張が被施工部と一致し、かつ緻密で高強度な施工体が要求される。ほとんどの場合、このような長期間にわたって操業する窯炉には700℃以上における熱膨張係数がほぼゼロの珪石れんがが使用されており、従って、熱膨張が珪石れんがと一致する、あるいはそれに近い溶射材料が好ましい。
加えて、溶射材料は溶射補修時に良好な作業性を示す必要がある。作業性が悪いと補修に要する時間が長時間におよび、施工コストが上昇するのみならず施工作業者は長時間、高温で粉塵の多い環境に曝されることになる。溶射材料の作業性には、例えば点火の容易性、燃焼の継続性、付着率の高さ、発塵の少なさなどが求められる。さらに、自ら燃焼して補修する特性上、施工中の予期せぬ爆発的燃焼(発火)や燃焼先端が燃焼源に向って逆流伝播する逆火現象は作業者を危険に曝す上、現象が生じた後の装置の整備や復旧に多くの時間を費やすことになる。
これらの要求事項をより高いレベルで満足させるために多くの発明が開示されている。例えば、特許文献1は、混合物として溶射する粒体の粒子径を、耐火性粒体(シリマナイト、ムライト、ジルコン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど)の80%および20%粒径の平均が酸化性粒体(シリコン、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウムなど)の80%および20%粒径の平均よりも大きく、耐火性粒体の粒径分布範囲率が1.2以上になるようにした溶射材料を開示している。この溶射材料によれば、信頼性および堅牢性を向上させることができ、高い耐久性を有する耐火性溶着層が実現できるとされている。また、耐火性材料の少なくともいくつかを、ケルビン温度において、温度がその融点の0.7倍を越える前に着火させることで耐火性材料の結晶構造を改善し高品質の溶射耐火性溶着層が形成できるとされている。
特許文献2は、耐火原料粉(マグネシア質粉3〜30質量%、シリカ質粉50〜90質量%)と金属Si粉5〜30質量%を含み、化学成分値で組成全体に占めるMgO成分を1〜25質量%とした溶射材料を開示している。また、特許文献3は、耐火原料粉(CaO含有量75質量%超のカルシア質粉2〜25質量%、シリカ質粉50〜90質量%)と金属Si粉5〜30質量%を含む溶射材料を開示している。これらの技術では、マグネシア質粉やカルシア質粉との反応によってシリカ質粉の溶融が促進され、付着性および接着性が向上するとされている。
また、特許文献4は、耐火性粉末(珪石れんがの2000μm以下の粉砕粉が主成分)と酸化性粉体である金属粉末(金属シリコン)とを含有する溶射材料を開示している。また、特許文献4は、結晶化促進剤としてナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩の1種または複数を溶射材料に対して外掛けで0.3〜5重量%添加すること、および、着火促進剤として、発火点が300〜800℃の炭素系粉末(コークス粉、木炭粉、コーンスターチ粉など)または金属粉末(鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉など)を溶射材料に対して外掛けで0.3〜5重量%添加することを開示している。この溶射材料によれば、コークス炉の炭化室に使用されている珪石れんがと補修材の熱膨張率を近似させることが出来るため、長期間使用時のれんが面からの剥離損耗を抑制できるとされている。また、結晶化促進剤の添加により溶射と同時に結晶化させることができるため、溶射施工完了後の使用中に材料が膨張を伴って結晶化することを防止でき、れんがと補修材の接着強度低下を防止できるとされている。
特許文献5は、結晶化促進剤としてリチウム塩を、溶射材料に対して外掛けで、酸化物換算で0.3〜1.0質量%添加すること、着火促進剤として金属粉末(鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉等)を溶射材料に対して外掛けで1.5質量%未満添加すること、及び燃焼補助剤として金属酸化物(酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)を溶射材料に対して外掛けで0.3〜2.0質量%添加することを開示している。この溶射材料によれば、分解時に吸熱して燃焼効率を低下させる硫酸リチウムのようなアルカリ金属塩を結晶化促進剤として添加していても、多量の着火促進剤を添加することなく点火性と燃焼継続性を安全に確保できるとされている。
ところで、上述の溶射材料による補修対象の1つであるコークス炉炭化室は、コークスを押出す際に扉を開閉するため、その扉近くでは、例えば、900℃〜1300℃の間で炉内温度が変動する。また、炭化室を補修する際には扉を長時間開放するため、炉内温度が400℃近くまで低下することもある。このような大きな温度変動に曝される部位では、被施工体である炉壁の熱膨張率と補修に使用される溶射施工体の熱膨張率が大きく異なると、温度変動によって溶射施工体が炉壁から剥離損耗してしまう。そのため、被施工体である炉壁の熱膨張率と同等の熱膨張率を有する溶射施工体を使用することにより耐用性を確保する必要がある。
また、金属の酸化発熱反応を利用した溶射材料は、金属粉末の酸化により生成される酸化物(結合相)や一部溶融した耐火性粉末がガラス質になっている。このような施工体に含まれるガラス質は、補修施工後の使用中に徐々に結晶化が進行する。この結晶化は膨張を伴うため、施工体が被施工体の補修面から剥離損耗してしまう。そのため、結晶化促進剤を添加し、溶射後速やかに結晶化させることが必要になる。
結晶化を促進するために、溶射材料にアルカリ金属イオン源が添加される。このようなアルカリ金属イオン源には、特許文献5が開示するように、爆発等の危険性のない安全な化合物であり、工業的にも入手が容易なアルカリ金属塩が利用されている。しかしながら、アルカリ金属塩は分解時に吸熱するため、400℃程度に温度が低下した扉付近の補修では、着火が困難であったり、着火した場合でも燃焼の継続が困難であったりする。
これに対し、特許文献5は、受熱した際に金属シリコンへの酸素供給源となる燃焼補助剤(金属酸化物)を使用することで、耐用性を維持しつつ、着火促進剤を無添加又は少量の添加で、着火性及び燃焼継続性を確保する構成を開示している。
特許文献6は、溶射材料として、耐火性添加材粒子と、金属粒子と、金属過酸化物含有粒子とから成る耐火性組成物生成用化学物質の粉状混合物において、金属過酸化物含有粒子は、この金属過酸化物の生成に用いた塩基の酸化物と、該金属過酸化物の該金属の水酸化物及び炭酸塩のような分解生成物とを含有しており、しかも、金属過酸化物含有粒子は過酸化カルシウム含有量が0重量%より多くて、多くとも75重量%及び又は過酸化マグネシウム含有量が0重量%より多くて多くとも30重量%であることを特徴とする粉状混合物を開示しており、これらの技術によって溶射補修中の反応を段階的に制御し、発火や逆火を抑制している。
特開昭61−275170号公報 特開2006−098029号公報 特開2006−151771号公報 特開2009−120406号公報 特開2012-188345号公報 特許第3946247号
上記、従来の溶射材料は、溶射材料に求められる上記の各種の特性のすべてを十分に満足できるものではない。すなわち、特許文献1が開示する溶射材料は、酸化性粒体として金属シリコンを使用する場合、当該金属シリコンのみが燃焼材として機能するため、上述のような400℃程度に温度が低下した箇所の補修では着火し難く、また燃焼継続性も不足する可能性がある。
また、特許文献2および特許文献3が開示する溶射材料は、溶射層間の一体性の向上が期待できるが、1000℃以上での熱膨張が大きい。そのため、MgOやCaOの添加により溶射層間の一体性を向上させようとしても、添加量が多量になると十分な耐用性を確保することができなくなる。
また、特許文献4が開示する溶射材料は、アルカリ金属塩が分解時に吸熱するため、上述のような400℃程度に温度が低下した箇所の補修では、アルカリ金属塩を含む溶射材料では、点火が困難であったり、点火した場合でも燃焼の継続が困難であったりする。その結果、被施工体への溶射材料の付着率が低下し、施工効率が低下するという問題が発生する。また、被施工体表面において溶射材料の燃焼が継続し、結合相が十分に溶融した状態を実現できなければ、溶射層間の一体性が乏しくなるという問題も発生する。
特許文献5が開示する溶射材料は、燃焼補助剤(金属酸化物)を使用することで、耐用性を維持しつつ、着火促進剤を無添加又は少量の添加で、着火性及び燃焼継続性を確保するとしているが、目地損傷部など、肉盛を多くは必要としない部位の補修では、肉盛を抑制する必要があるためランス走査速度を速くするが、その場合に失火しそうになることがある。失火しそうになった場合は、ランス走査速度を遅くせざるを得なくなり、肉盛り過ぎることで凸凹な仕上がりになるという問題が発生する。
特許文献6が開示する溶射材料は、金属過酸化物含有粒子を含んでいる。当該金属過酸化物含有粒子は、過酸化カルシウムが多くとも75重量%で、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの分解生成物を含有することにより安全性が著しく高いとしている。過酸化カルシウムは受熱により、280℃以上で分解し、酸素を放出するため燃焼の補助効果を狙っていると考えられる。しかし過酸化カルシウムは危険物に該当する恐れがあるため、過酸化カルシウム60重量%と水酸化カルシウム20重量%と炭酸カルシウム20重量%から成る粉末について、危険物確認試験実施マニュアルに準じて、消防法第2条第7項に定める危険物に該当するか否かの確認をしたところ、危険物第1類第1種酸化性固体に該当した。このことから、文献6の実施例1のように過酸化カルシウム62重量%を含有する複合粒子は危険物第1類第1種酸化性固体に該当すると考えられる。危険物第1類第1種酸化性固体は製造時の取扱が煩雑になることに加え、製品に混合された場合の安全性が確保できているとは言い難く問題である。
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、膨張が珪石れんがと一致する緻密な施工体を形成することができ、かつ、作業性、安全性に優れる溶射材料を提供することを目的とする。
本発明は、珪石系の耐火性粉末と金属シリコン粉末の混合物を主原料とし、酸素とともに吹き付けて被補修面を補修する溶射法に使用する溶射材料を前提とする。
本発明に掛かる溶射材料は、過酸化カルシウムを含み、さらに水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる1種類以上が含まれる混合粉を、前記主原料の全量に対して外掛けで0.4〜2.6質量%含有させた溶射材料である。
前記過酸化カルシウム混合粉中の、過酸化カルシウムは、25質量%以上かつ44質量%以下、水酸化カルシウムは0%以上かつ11%以下、硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物は45質量%以上かつ73質量%以下含有する。
上記主原料において耐火性粉末は、主原料の全量に対して75〜90質量%、金属シリコン粉末は、主原料の全量に対して10〜25質量%とすることができる。
また、結晶化促進剤として、リチウムを含有する珪酸塩又はリチウムを含有する珪酸塩鉱物を、さらに添加することもできる。この場合、添加量は、主原料の全量に対して外掛けで、LiO換算で0.2〜0.7質量%とすることが好ましい。リチウム含有珪酸塩としては、例えば、珪酸リチウムを使用することができる。また、リチウム含有珪酸塩鉱物としては、例えば、スポジュメン(LiAlSi)、ペタライト(LiAlSi10)、ユークリプタイト(LiAlSiO)、レピドライト(LiKAlSi)等を使用することができる。これらのリチウム含有珪酸塩、リチウム含有珪酸塩鉱物は単体で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、点火促進剤として、金属シリコン粉末の酸化反応に必要な初期の熱量を補助する機能を有する易酸化性金属粉末を、主原料の全量に対して外掛けで0.1〜1.5質量%、さらに配合することができる。このような易酸化性金属粉末としては、例えば、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末等を好適に使用することができる。これらの金属粉末は、単体で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、燃焼補助剤として、溶射材料の燃焼中に酸素を供給して被施工体上で、燃焼剤である金属シリコン粉末を酸化させる機能を有する金属酸化物を、主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%、さらに配合することができる。このような金属酸化物としては、例えば、遷移金属酸化物、特に、第一遷移金属酸化物(酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)好適に使用することができる。なお、これらの金属酸化物は、単体で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明によれば、溶射材料に含有する過酸化カルシウムは、受熱による分解により酸素を放出することで金属粉と反応し燃焼継続性を向上させ、分解後のCaOは焼結促進効果を発揮する。過酸化カルシウムは消防法第2条第7項に定める危険物に該当するが、硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物との混合物とすることにより、危険物から除外されるため、製造時の取扱や溶射材料に含有された場合に安全性が確保されることに加えて、焼結促進効果も発揮する。
<確認試験>
前記引用文献6に開示する溶射材料は、当該溶射材料に添加された金属を酸化させるために、過酸化カルシウム等の金属過酸化物を添加している。しかしながら、上記の過酸化カルシウム等の金属過酸化物は危険物第1類第1種酸化性固体に該当する。そこで、結晶水を持つ化合物を混合することで、当該結晶水からの脱水時の吸熱を利用して非危険物にすることを試みた。当該、結晶水を持つ化合物には比較的低温の1000℃で分解しCaOとの固溶体を形成し焼結促進効果が期待できる硫酸カルシウムを選択した。
水酸化カルシウムを含有する過酸化カルシウムもしくは過酸化カルシウムに、硫酸カルシウムの無水物、半水和物、一水和物、二水和物を混合して試験したところ、危険物から除外される配合割合が確認された。表1に各混合粉が危険物第1類に該当するか否かの評価した結果を示す。表1に示す危険物第1類から除外された混合物(サンプル番号10〜13、15〜20)を、以下の実施例に示すように実際に溶射材に添加して溶射すると、過酸化カルシウムによる燃焼性を向上させる効果と、過酸化カルシウムや硫酸カルシウム分解時に生成されるCaO成分による焼結促進効果が得られた。
Figure 0006505797
<実施の形態>
(原理)
本発明に係る溶射材料は、燃焼剤としての金属シリコン粉末と、耐火性粉末との混合物(以下、耐火性粉末と金属粉末の混合物を主原料という。)に過酸化カルシウムを含み、さらに水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる1種類以上が含まれる混合粉(以下過酸化カルシウム混合粉という)を含有しており、さらに、特性を制御するために各種微量の添加物が加えられたものである。前記したように、過酸化カルシウムは水酸化カルシウムと硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物との所定の割合の混合物とすることで危険物から除外され、溶射材料に含有させると燃焼継続性の向上および、焼結促進効果が得られる。
過酸化カルシウムは一般には水酸化カルシウムと過酸化水素を反応させることで得られる。この反応生成物は未反応の過酸化カルシウムと水酸化カルシウムの混合物になっているが、これに炭酸カルシウムを添加して過酸化カルシウム濃度を60%に低減しても危険物第1類第1種酸化性固体に該当し、取扱が煩雑になり、溶射材料に含有させるには安全とは言い難い。これに対し、硫酸カルシウムもしくは結晶水を持つ硫酸カルシウム水和物を混合させた場合に危険物から除外され、これを溶射材料に添加するとき、燃焼継続性の向上効果と焼結促進効果が得られることが分かった。
硫酸カルシウム水和物の結晶水は、120℃から190℃で加熱すると脱水し、その際の吸熱の効果により前記過酸化カルシウムは危険物第1類第1種酸化性固体から除外される物質になると考えられ、硫酸カルシウムのみの添加で前記過酸化カルシウムが危険物第1類第1種酸化性固体から除外されたのは過酸化カルシウムの希釈効果と考えられる。また、過酸化カルシウムは燃焼時に分解し酸素を放出することで未反応の金属シリコン粉末を酸化し、燃焼継続性を向上させると考えられる。また硫酸カルシウム二水和物は結晶水が抜けた後には硫酸カルシウムとなるが、硫酸カルシウムは1000℃以上で分解が始まり、CaOとの固溶体を形成することで焼結を促進していると考えられる。
硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物の添加量は過酸化カルシウム混合粉の全体に対して内掛けで45質量%以上、73質量%以下である。44質量%より少なくなると危険物に該当するため好ましくない。73質量%より多くなると燃焼継続性の低下と付着率の低下が起こるため好ましくない。より好ましくは、50質量%以上、60質量%以下である。
過酸化カルシウム混合粉の含有量は、主原料の全量に対して外掛けで、0.4質量%以上かつ2.6質量%以下である。より好ましくは0.7質量%以上かつ1.5質量%以下である。
過酸化カルシウム混合粉の含有量が0.4質量%より少ないと、十分な燃焼継続性の向上効果が得られないことに加え、CaO成分が少なくなるため焼結の効果が十分に発揮されない。一方、2.6質量%より多いと、施工体が流動することで狙いの施工形状を得にくくなるとともに、施工体組成変化の影響が強くなり珪石れんがとの熱膨張の乖離が許容範囲を超え、さらに施工時の反応が激しく眩しくなるため視認性が低下するため好ましくない。
使用する過酸化カルシウム混合粉の粒子成分は、過酸化カルシウムが25質量%以上かつ44質量%以下、水酸化カルシウムが0質量%以上かつ11質量%以下、硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物が45質量%以上かつ73質量%以下のものが好ましい。また、粒径は200μm以下であることが好ましい。粒径が200μmより大きいと反応性が乏しくなり、燃焼継続性の向上効果が低下する傾向にあるからである。
以下、過酸化カルシウム混合粉以外の成分について詳述する。
(耐火性粉末)
上述のように、本発明に係る溶射材料は、耐火性粉末と金属シリコン粉末の混合物を主原料とする。当該耐火性粉末には、珪石、珪石れんが粉、溶融シリカ、シャモット、コージエライト等を用途に応じて用いることができる。
耐火性粉末は、主原料の全量に対して75〜90質量%(75質量%以上かつ90質量%以下)であり、好ましくは83〜87質量%(83質量%以上かつ87質量%以下)である。
特に限定されないが、耐火性粉末の最大粒子径は2.0mm以下であることが好ましい。最大粒子径が2.0mmより大きいと、施工時に大きい粒子が跳ね返るため被施工体への付着が困難となり、溶射効率が低下するからである。
(金属粉末)
本発明に係る溶射材料では、燃焼剤としての金属シリコン粉末が配合される。燃焼剤は、燃焼後に上述の耐火性粉体を結合する結合相を形成する酸化物となる。例えば、補修対象である被施工体がシリカ主体である珪石れんがからなる場合、当該燃焼剤として金属シリコン粉末を使用することができる。
主原料の全量に対して、金属シリコン粉末の添加量は10〜25質量%(10質量%以上かつ25質量%以下)であり、好ましくは13〜17質量%(13質量%以上かつ17質量%以下)である。
添加量が10質量%より少ないと、燃焼反応が弱くなり燃焼の継続性と被施工体への付着が著しく悪化するため、溶射材料として成立しない。また、添加量が25質量%を超えると、燃焼による発熱量が多く高温になりすぎる。その結果、溶射した材料の粘性が低下して溶射した材料が被施工体から流れ落ちてしまい良好な施工体を得ることができなくなるため、溶射材料として成立しない。金属シリコン粉末に含まれる金属Si成分の質量割合(Si純度)は90%以上であることが好ましい。Si純度が低い場合、シリカの結晶化を阻害するアルミニウム等の元素が多く含まれることになるため好ましくない。なお、主原料の金属シリコン粉末及以外の残部は耐火性粉末である。
金属シリコン粉末の粒子径は、溶射材料全体において、75μm以上が5質量%以下、20μm以下が3〜14質量%、残部を20〜75μmとすることが好ましい。より好ましくは、75μm以上が3.0質量%以下、20μm以下が5〜12質量%である。粒子径が75μm以上の金属粉末は、燃焼反応が弱く、配合量が多くなると燃焼継続性が低下するため、5質量%以下とすることが好ましい。20μm以下の金属粉末が3質量%未満である場合も、燃焼反応が弱くなり燃焼継続性が低下するため好ましくない。20μm以下の金属粉末が14質量%を超えると、粉体流動性が低下して脈動を引き起こして逆火の危険性が大きくなるため好ましくない。
(結晶化促進剤)
本発明に係る溶射材料では、リチウムを含有する珪酸塩(以下、Li含有珪酸塩という。)又はリチウムを含有する珪酸塩鉱物(以下、Li含有珪酸塩鉱物という。)の結晶化促進剤を必要に応じて配合できる。結晶化促進剤を適当量添加することで、溶射後速やか(補修施工後の被施工体の冷却中)に結晶化させ、被施工体との膨張乖離に起因した施工体の被施工体から剥離を回避することができる。
Li含有珪酸塩としては、例えば、珪酸リチウムを使用することができる。また、Li含有珪酸塩鉱物としては、例えば、スポジュメン(LiAlSi)、ペタライト(LiAlSi10)、ユークリプタイト(LiAlSiO)、レピドライト(LiKAlSi)等を使用することができる。これらの中でも、スポジュメン、ペタライトは工業的に比較的安価に入手可能であり、経済的である。なお、これらの、Li含有珪酸塩、Li含有珪酸塩鉱物は単体で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結晶化促進剤を添加する場合の添加量は、酸化物(LiO)換算で、主原料の全量に対して外掛けで、0.2〜0.7質量%である。添加量がLiO換算で0.2質量%未満であると、十分な結晶化促進効果が得られない。一方、添加量がLiO換算で0.7質量%を超えると、融液中のアルカリ濃度が高くなることで粘性が低下して溶射体が流下するため好ましくない。Liを含有する結晶化促進剤の粒径は特には限定されないが、溶射時に速やかに融解して結合相と混ざるためには最大粒子径が1.0mm以下とすることが望ましい。
(点火促進剤)
本発明に係る溶射材料では、金属シリコン粉末の酸化反応に必要な初期の熱量を補助する機能を有する易酸化性金属粉末の点火促進剤を必要に応じて配合できる。点火促進剤を配合することにより、被施工体温度が800℃以下の比較的低温である場合でも、溶射開始時の点火を促進することができる。
このような易酸化性金属粉末としては、例えば、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末等を好適に使用することができる。これらの金属粉末は、単体で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。点火促進剤は発火点が300〜800℃であれば使用できるが、発火点が400℃以下である鉄粉が最も好ましく使用できる。
点火促進剤を添加する場合の添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.1〜1.5質量%であることが好ましい。添加量が0.1質量%未満であると、点火促進剤の添加効果(点火促進効果)が十分得られなくなる。一方、添加量が1.5質量%より多いと、シリカの結晶化を阻害する上、爆発や逆火等の作業上の危険性が高まるため好ましくない。また、点火促進剤として易酸化性金属粉末の粒子径は100μm以下であることが好ましい。粒子径が100μmより大きいと反応性が乏しくなり、点火促進の効果が得られなくなるからである。
(燃焼補助剤)
本発明に係る溶射材料では、溶射材料の燃焼中に酸素を供給して、被施工体上で、燃焼剤である金属シリコン粉末を酸化させる機能を有する燃焼補助剤を必要に応じて配合することができる。燃焼補助剤は、金属シリコンに付着していると、被施工体に付着した際の受熱により酸素供給源となる金属酸化物の粉末からなる。
このような金属酸化物としては、例えば、遷移金属酸化物、特に、第一遷移金属酸化物(酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)を好適に使用することができる。これらの金属酸化物は、金属シリコンに付着していると、被施工体上における燃焼中に自身の酸化数を低下させることで金属シリコンを酸化する。燃焼剤である金属シリコン粉末が酸化されるため、被施工体上での燃焼が継続されることになる。なお、これらの金属酸化物は、単体で添加されてもよく、2種以上が組み合わされて添加されてもよい。金属シリコン粉末を効率よく酸化させる観点からは、酸化鉄(Fe2O)が、金属シリコン粉末が酸化されて生成したシリカガラスに固溶した場合に酸素透過速度を上昇させる効果もあるため特に好適に使用できる。
燃焼補助剤を添加する場合の添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%である。添加量が0.3質量%より少ないと燃焼剤の燃焼継続効果が少なくなる。また、添加量が2.0質量%より多いと、不純物が多くなり、組成が変化し過ぎて熱膨張特性等の設計特性が発揮できなくなるため好ましくない。また、金属酸化物粉末の粒子径は100μm以下であることが好ましい。粒子径が100μmより大きいと反応性が乏しくなり、燃焼の継続性を向上する効果が得られなくなる。
(その他の添加物)
上述の各成分に加えて、流動性改善や鉱物組成の調整を目的として、ヒュームドシリカや、マグネシウム、カルシウム、鉄から選択された元素の酸化物、炭化物、窒化物などを添加することもできる。
以下に実施例及び比較例を提示して、本発明の溶射材料を説明する。
表2、表3に示す配合割合で溶射材料を作成し、各溶射材料を使用した溶射施工により形成した施工体を評価した。各溶射材料で使用した耐火性粉末は珪石である。各溶射材料で使用した金属シリコン粉末のSi純度は97%である。各溶射材料で使用した過酸化カルシウム混合粉の組成は表2、表3に示しており、粒子径は125μm以下である。なお、耐火性粉末の粒子径及び金属シリコン粉末の粒子径は、表2、表3中に示している。
溶射施工は、各溶射材料4kgを、エジェクタ式の溶射装置を用いて、被溶射体に吹き付けることで実施した。搬送ガスは純度100%の酸素とし、流量は32Nm3/hとした。材料供給速度は95〜105kg/hである。ランスは2mのものを使用し、先端ノズル径はφ14とした。被溶射体として、230×230×30mmのシャモットれんが(耐火度SK36)を炉の中に配置し、炉の中の雰囲気温度を約1000℃に加熱した後、炉を開放し、れんがの表面温度が約700℃に冷却されたときに、かまぼこ状に溶射施工を行った。
評価は、各溶射材料による施工体に関する溶射作業性として、点火性、燃焼継続性、溶融度合い、付着率について行った。また、施工体物性として施工体の熱膨張率を測定し、珪石れんがの熱膨張率との一致に関して評価した。各評価の結果は、表2、表3中に記載している。
点火性は、溶射施工開始時の点火性を、点火するまでの時間と燃焼状態を目視観察することで評価した。「◎」は3秒以内に点火し材料が付着し始めたことを示し、「○」は6秒以内に点火し材料が付着し始めたことを示し、「△」は10秒以内に点火し材料が付着し始めたことを示している。
燃焼継続性は、溶射施工時の燃焼継続性を、目視観察により評価した。「◎」はランス走査速度を早くしても失火の気配がなく燃焼時の光が強いまま燃焼が継続したことを示し、「○」は失火の気配がなく燃焼時の光が強いまま燃焼が継続したがランス走査速度を早くすると失火しそうになったことを示し、「△」は失火の気配がなく燃焼時の光が強いまま燃焼が継続したがランス走査速度をやや落とさないと失火しそうになったことを示し「●」はランス走査速度を早くしても失火の気配がなく燃焼時の光が強いまま燃焼が継続していたが反応が激しすぎて眩しくなり視認が困難になったことを示している。
溶融度合いは、施工中の様子と切断面観察より評価した。「○」は施工中に垂れずに施工体中の溶射層間が緻密となって一体化し層間の判別が不明になっていたことを示し、「△」は施工体中に垂れなかったが施工体中の溶射層間が一体化していたものの層間の判別がついたことを示し、「×」は焼結促進不足に起因して溶射層間が一体化していなかったことを示し、「××」は溶融過多のため施工中に垂れてしまったことを示している。
付着率は、溶射試験後に被施工体に付着した材料を採取して重量を測定し、先端ノズルから吐出した溶射材料の重量に対する当該付着質量の割合を算出している。
珪石れんがとの熱膨張の一致は、施工体が冷えた状態で、施工体から円柱状の試料を切出して当該試料の熱間線膨張率を測定し、当該熱間線膨張率と珪石れんがの熱間線膨張率とを400〜1300℃の範囲で比較し、その乖離具合をもって評価した。「○」は乖離が0.05%未満で実用上全く問題がないことを示し、「△」は乖離が0.05%以上0.10%未満で実用上問題のない程に一致することを示し、「×」は、0.10%以上乖離し実用上問題が懸念されることを示している。
表2に示す各実施例は、珪石からなる耐火性粉末と金属シリコン粉末からなる主原料100質量%において、金属シリコン粉末の含有量が10〜20質量%であり、過酸化カルシウム混合粉の含有量が、外掛けで0.4〜2.6質量%である配合であり、当該過酸化カルシウム混合粉の組成中の硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物の含有量が、45〜73質量%である。また、添加剤として、結晶化促進剤である粒子径が1.0mm以下のスポジュメン、点火促進剤である粒子径が100μm以下の鉄粉、燃焼補助剤である粒子径が100μm以下の酸化第二鉄(酸化鉄(III))粉末を、適宜、添加している。なお、スポジュメン、鉄粉、酸化第二鉄粉末の添加量は、主原料全量に対する外掛けで規定している。また、スポジュメンの配合量は、酸化物(LiO)換算で記載している。以下、各配合について簡単に説明する。
実施例1〜実施例4及び実施例18〜実施例19は、過酸化カルシウム混合粉の配合量をそれぞれ変更している。実施例5〜実施例17は、実施例3の配合において、スポジュメンの配合量、酸化第二鉄粉末の配合量、鉄粉の配合量、珪石の粒度配合、過酸化カルシウム混合粉の組成をそれぞれ変更している。実施例20〜実施例21は、実施例3の配合において、耐火性粉末と金属シリコン粉末との配合割合をそれぞれ変更している。実施例22〜実施例23は、実施例19の配合において、耐火性粉末と金属シリコン粉末との配合割合をそれぞれ変更している。
表2に示すように、いずれも点火性、燃焼継続性、溶融度合い、付着率、珪石れんがとの熱膨張の一致の各評価項目において、良好な結果が得られていることが理解できる。
続いて、表3に示す比較例について説明する。比較例1は、実施例1〜実施例4及び実施例18〜実施例19の配合との対比において、過酸化カルシウム混合粉を含有していない(配合量ゼロ)配合である。この配合では、溶融不足になり緻密性が低下した。
比較例2〜比較例5は、実施例3との対比において、過酸化カルシウム混合粉の配合量を変更している。比較例2及び比較例3は過酸化カルシウム混合粉の配合量が適正量より少ない場合であり、溶融不足になって緻密性が低下した。また、比較例4及び比較例5は過酸化カルシウム混合粉の配合量が適正量より多い場合であり、施工時に眩しくて視認しにくく、溶融過多となり垂れたような施工体になり、珪石れんがとの膨張も乖離傾向になった。
以上のように、溶射材料を、耐火性粉末と、燃焼剤としての金属シリコン粉末と、過酸化カルシウム混合粉で構成することにより、熱膨張が珪石れんがと一致する緻密な施工体を形成することができる。また、過酸化カルシウムを水酸化カルシウムと硫酸カルシウム二水和物との混合粉もしくは過酸化カルシウムと硫酸カルシウム二水和物との混合粉として含有することにより、危険物第1類第1種酸化性固体の使用を回避しながら、過酸化カルシウムの酸素供給効果を利用することで、燃焼継続性のさらなる向上によりランス走査速度を早くしても失火しない効果を発揮する。これにより、目地部など肉盛を多く必要としない部位の補修にてランス走査速度を上げることができ作業性や施工品質が向上する。その結果、作業時間が不要に長時間になることを抑制でき、施工コストの上昇を防止することができる。また、施工作業者が高温で粉塵の多い環境に曝される時間が不要に長時間になることもない。
Figure 0006505797
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以上説明したように、本発明に係る溶射材料は、点火性および燃焼継続性に優れるとともに、耐用性、付着性に優れるため、コークス炉炭化室の補修などに使用する溶射部材として有用である。

Claims (7)

  1. 珪石系の耐火性粉末と燃焼剤である金属シリコン粉末とよりなる主原料を含み、酸素とともに吹き付けて被補修面を補修する溶射法に使用する溶射材料であって、
    前記主原料の全量に対して、過酸化カルシウムを含み、さらに水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる1種類以上が含まれる混合粉を0.4〜2.6質量%含有することを特徴とする溶射材料。
  2. 過酸化カルシウムを含み、さらに水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる1種類以上が含まれる混合粉中の、過酸化カルシウムが25質量%以上かつ44質量%以下、水酸化カルシウムが0%以上かつ11%以下、硫酸カルシウムもしくは硫酸カルシウム水和物が45質量%以上かつ73質量%以下含有する請求項1に記載の溶射材料。
  3. 前記耐火性粉末を、前記主原料の全量に対して75〜90質量%、
    金属シリコン粉末を、前記主原料の全量に対して10〜25質量%含有する、請求項1又は請求項2に記載の溶射材料。
  4. 結晶化促進剤として、珪酸リチウム、スポジュメン(LiAlSi2O6)、ペタライト(LiAlSi4O10)、ユークリプタイト(LiAlSiO3)、レピドライト(
    LiKAl2F2Si3O9)から選ばれる1種又は2種以上を、前記主原料の全量に対
    して外掛けで0.2〜0.7質量%、さらに添加した、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の溶射材料。
  5. 点火促進剤として、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末から選ばれる1種又は2種以上を、前記主原料の全量に対して外掛けで主原料の0.1〜1.5質量%、さらに添加した、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の溶射材料。
  6. 燃焼補助剤として、遷移金属酸化物を、前記主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%、さらに添加した、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の溶射材料。
  7. 前記燃焼補助が酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅から選ばれる1種又は2種以上である、請求項6に記載の溶射材料。
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