JP6505240B2 - 切断型プルラナーゼの製造および使用方法 - Google Patents

切断型プルラナーゼの製造および使用方法 Download PDF

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Description

トウモロコシ、キャッサバ、米、ジャガイモおよび小麦から抽出されたデンプンは、デンプン産業において、糖および誘導体を大量生産するための原材料の主要な供給源として役立っている。一般的なデンプンは、通常、アミロースとアミロペクチンの2種類の巨大分子で構成されており、それぞれの相対量は主に種によって異なる。アミロースは、α−1,4−グルコシド結合のみによって連結されたグルコース残基からなる線状多糖類であるのに対して、アミロペクチンでは、α−1,4−グルコシド結合の他に、グルコース残基はα−1,6−グルコシド結合によっても連結して、分岐点を形成する。デンプンを分解して単糖を得るために、デンプンは最初α−1,4−グルコシド結合を部分的に加水分解する熱安定性α−アミラーゼにより解重合され、続く糖化工程ではさらに、より小さい分岐型のおよび直線状の単位にグルコアミラーゼまたはβ−アミラーゼが添加されて、グルコースまたはマルトースに変換される(ノーマン(Norman)、1982)。
デンプンの糖化工程中にα−1,6−グルコシド結合を加水分解することができる脱分枝酵素を添加することにより、より高純度のグルコースおよびマルトースシロップが得られることが提案されている。同時に、脱分枝酵素によって、糖化時間を短縮し、使用する基質の濃度を高めることができる(バクシ(Bakshi)ら、1992)。今日、デンプンの転換、ビールの醸造、およびアミロースの製造などの業界で、このような用途が広まっている。
プルラナーゼ(プルラン6−グルカノヒドロラーゼ、EC3.2.1.41)は、デンプン、プルランおよび関連する分枝状多糖類に含まれているα−1,6−グルコシド結合を特異的に加水分解する脱分枝酵素として分類されるものである。デンプンを糖化する間の酵素技術の改善と生産コストの低減に対する需要が高まるにつれて、デンプン転換においてより効率的である改善されたプルラナーゼの探索は、産学官にとって重要な領域となっている。
植物および細菌から多くの微生物プルラナーゼが見出されており、それらには、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumonia)(ダンフェール(d Enfert)、リター(Ryter)ら、1987)、フェルビドバクテリウム・ペンナボランス(Fervidobacterium pennavorans)(コッホ(Koch)、カンガネラ(Canganella)ら、1997)、サーモアクチノミセス・サルポフィルス(Thermoactinomyces thalpophilus)(オジボ(Odibo)ら、1988)などが挙げられる(ナカムラ(Nakamura)、ワタナベ(Watanabe)ら、1975)。細菌プルラナーゼ由来の改変型プルラナーゼ酵素も報告されている(例えば、米国特許第7,906,306号、米国特許第7,449,320号、および米国特許第7,968,691号)。例えば、米国特許第7,449,320号では、成熟プルラナーゼを組換え宿主細胞の細胞外プロテアーゼで切断して得られる、天然のプルラナーゼ(配列番号25)に由来し、N末端の98アミノ酸残基が欠失している切断型と102アミノ酸残基が欠失している切断型プルラナーゼの混合物が報告されている。この混合物は、pH4.5で最も安定であると報告されている。しかし、切断型は単離されておらず、混合物の活性は、切断されていない成熟型の活性と比較されてもいない。
米国特許第7,968,691号では、N末端の104個のアミノ酸が欠失している、天然の細菌プルラナーゼに由来する切断型プルラナーゼが開示されている。切断型プルラナーゼをコードするプラスミドを枯草菌(B.subtilis)に形質転換し、プルラン過剰アッセイ(100mM NaAc pH5.0,1%中で0.1%)でのハロー形成についてスクリーニングすることによって、プルラナーゼ活性を試験した。
商業的に最も価値の高いプルラナーゼは、バチルス種、特にバチルス・アシドプルリティクス(Bacillus acidopullulyticus)由来のプルラナーゼ(ラパライネン(Lappalainen)ら、1991;クサノ(Kusano)ら、1988)およびバチルス・デラミフィカンス(Bacillus deramificans)由来のプルラナーゼ(デウィア(Deweer)ら、米国特許第6,074,854号、2000年)である。これらのプルラナーゼは、他の供給源から得られるプルラナーゼと同様に、分子量が約100kDで、60℃、酸性pHの範囲でα−1,6−グルコシド結合を加水分解する能力を有する。バチルス・アシドプルリティクスおよびバチルス・デラミフィカンス由来のプルラナーゼは、デンプン産業における高純度のグルコースおよびマルトースの製造に適しているが、高温および低pH、特に、工業プロセスを制御するために用いられることが多い条件である、60℃を超える温度および4.5未満のpH値で、糖化速度が遅く、酵素活性が低下する。
したがって、当技術分野において、温度60℃超、pH値4.5未満の酸性pHにおいて、糖化率が高く、かつ、酵素活性の改善された改良型プルラナーゼ酵素が必要とされている
本発明は、対応する親プルラナーゼ酵素と比較して、α−1,6−グルコシド結合の糖化を触媒する点で、改善された能力を有する切断型プルラナーゼ酵素を提供することによって、このニーズを満たすものである。特に、本発明の切断型プルラナーゼ酵素は、対応する親プルラナーゼ酵素の酵素活性と比較して、60℃を超える温度および4.5未満の酸性pH値で、改善された酵素活性を示す。
1つの一般的な側面において、本発明は、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む親プルラナーゼの、アミノ末端から94〜115番目のアミノ酸残基が欠失している、単離または精製された切断型プルラナーゼに関する。
本発明の特定の態様によれば、切断型プルラナーゼは、親プルラナーゼのアミノ末端から94アミノ酸、102アミノ酸、または104アミノ酸を欠失している。他の特定の態様では、切断型プルラナーゼは、配列番号6,8または9のアミノ酸配列からなる。
別の一般的な側面において、本発明は、炭水化物に含まれるα−1,6−グルコシド結合を加水分解する方法に関し、この方法は、1,6−グルコシド結合を加水分解するのに適した条件で、炭水化物を本発明の単離されたまたは精製された切断型プルラナーゼと接触させることを含む。
別の一般的な側面において、本発明は、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒する方法に関し、この方法は、炭水化物を、親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115番目のアミノ酸残基が欠失している単離または精製された切断型プルラナーゼと、糖化に適した条件で接触させることを含み、ここでこの条件には、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれ、ならびに、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
別の一般的な側面において、本発明は、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒する方法に関し、この方法は、炭水化物を、グルコアミラーゼおよび親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115番目のアミノ酸残基が欠失している単離または精製された切断型プルラナーゼと、糖化に適した条件で接触させることを含み、ここでこの条件には、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれ、ならびに、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
さらに別の一般的な側面において、本発明は、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒するシステムに関し、このシステムは、炭水化物とグルコアミラーゼと親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115番目のアミノ酸残基が欠失している単離または精製された切断型プルラナーゼを、糖化に適した条件下で含み、ここでこの条件には、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれ、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
本発明の特定の態様において、切断型プルラナーゼは、配列番号6、配列番号8、および配列番号9からなる群より選択されるアミノ酸からなる。
さらに別の一般的な側面において、本発明は、グルコアミラーゼと、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を有する親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115番目のアミノ酸残基が欠失している単離または精製された切断型プルラナーゼを含む組成物に関する。
さらに別の一般的な側面において、本発明は、本発明の切断型プルラナーゼを製造する方法に関し、この方法は、
(a)切断型プルラナーゼをコードしている合成ポリヌクレオチドを含んでいる組換え宿主細胞を、切断型プルラナーゼの発現に適した条件下で生育させること;および、
(b)組換え宿主細胞またはその上清から切断型プルラナーゼを得ること、
を含む。
本発明の態様はまた、本発明の切断型プルラナーゼをコードするポリヌクレオチド、本発明の切断型プルラナーゼをコードしている合成ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、およびその発現ベクターを含む組換え宿主細胞に関する。
図1は、pYF−tsDEベクターの模式図である。このベクターは、30℃で活性のある温度感受性複製起点と、大腸菌では300μg/mLのエリスロマイシンに、そして枯草菌では5μg/mLのエリスロマイシンに耐性をもつエリスロマイシン決定遺伝子(ErmC)を含み、本発明の態様による切断型プルラナーゼをコードする合成核酸を含む組換え宿主細胞を構築するために使用することができる。 図2は、pUC57−KS−ermベクターの模式図である。本発明の一態様では、このpUC57−KS−ermベクターからpYF−tsDEベクターを得ることができる。 図3は、親プルラナーゼ(配列番号4)(レーン1)と対応する切断型プルラナーゼ(配列番号8)(レーン2)とのサイズ比較を示すSDS−PAGEゲルの画像である。切断型プルラナーゼは、親プルラナーゼのN末端の1〜104アミノ酸残基を欠失している。
特段の規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本出願では特定の用語が使用されるが、これらは、明細書中で示される意味を有する。本明細書および添付の請求項で使用する場合、単数形の「1つ」「1種」および「この」は、そうでないことが明示されていない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
本明細書で使用する場合「プルラナーゼ」および「プルラナーゼ酵素」という用語は、多糖類に含まれるα−1,6−グルコシド結合を加水分解することができる酵素を指す。プルラナーゼ酵素は、デンプンのような分岐した多糖類中のα−1,6−グルコシド結合を加水分解して、直鎖多糖類、二糖類、または単糖成分を生じることができるため、脱分岐酵素としても知られている。例えば、プルラナーゼ酵素は、デンプンを分解して、α−1,4−結合グルコース糖の一次ポリマーである直鎖アミロースポリマーを生じることができる。
本明細書で使用する場合「親プルラナーゼ」および「親プルラナーゼ酵素」という用語は、天然のプルラナーゼを指す。この天然のプルラナーゼには、好ましくは、バチルス・スブチリス、クレブシエラ・ニューモニエ、フェルビドバクテリウム・ペンナバンス(Fervidobacterium pennavans)、サーモアクチノミセス・サルポフィルス、バチルス・アシドプルリティクス、バチルス・デラミフィカンスおよびバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の細菌プルラナーゼが含まれるが、これらには限定されない。
本発明の好ましい態様によれば、天然のプルラナーゼは、バチルス菌株、好ましくはバチルス・アシドプルリティクスまたはバチルス・デラミフィカンス由来のプルラナーゼである。バチルス・アシドプルリティクスおよびバチルス・デラミフィカンスから得られるプルラナーゼの完全長コード配列を、それぞれ、配列番号1および3に示す。これらのプルラナーゼに対応するアミノ酸配列をそれぞれ配列番号2および4に示す。
本明細書で使用する場合「切断型プルラナーゼ」という用語は、対応する親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115アミノ酸残基のN末端欠失を有し、かつ、α−1,6−グルコシド結合の加水分解を触媒する能力を保持している、親プルラナーゼの天然に存在しない変異体を指す。本発明の態様によれば、N末端欠失は、親プルラナーゼのアミノ酸配列の最初のアミノ酸残基、すなわち1番目のアミノ酸残から始まるものである。
本明細書で使用する場合「糖化」という用語は、炭水化物を、単糖類、二糖類および多糖類を含むより小さな成分に分解するプロセスを総称するものとする。プルラナーゼ酵素または切断型プルラナーゼに関して使用される場合、「糖化」という用語は、具体的には、炭水化物に含まれるα−1,6−グルコシド結合、特に分岐した炭水化物中のα−1,6−グルコシド結合の加水分解を指す。
本明細書で使用する場合「α−1,6−グルコシド結合」という用語は、1つ目のグルコース糖のC6炭素と、2つ目のグルコース糖のアノマー炭素(C1炭素)に結合した酸素との間に形成される結合を指し、2つ目のグルコース糖はαアノマーである。
本発明は、親プルラナーゼ由来の切断型プルラナーゼに関する。親プルラナーゼは天然のプルラナーゼであり、好ましくは天然の細菌プルラナーゼである。本発明の態様によれば、切断型プルラナーゼは、親プルラナーゼ酵素のアミノ酸配列のN末端から94〜115アミノ酸残基を欠失しており、欠失は親プルラナーゼ酵素の1番目のアミノ酸残基から始まる。
本発明は、切断型プルラナーゼの変異体も包含する。本発明の態様によれば、切断型プルラナーゼの変異体は、切断型プルラナーゼ酵素のアミノ酸配列と少なくとも95%同一なアミノ酸配列、例えば95%、96%、97%、98%99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。切断型プルラナーゼは、例えば、1つ以上のアミノ酸残基を介して小分子との共有結合させることによって修飾することもできる。
本発明の態様によれば、親プルラナーゼのアミノ末端からの欠失は、94個から115個までのアミノ酸残基の欠失であり得る。例えば、N末端欠失は、または親プルラナーゼのアミノ末端から始まる、アミノ酸残基1〜115の欠失;アミノ酸残基1〜111の欠失;アミノ酸残基1〜110の欠失;アミノ酸残基1〜104の欠失;アミノ酸残基1〜102の欠失;アミノ酸残基1〜100の欠失;アミノ酸残基1〜94の欠失であり得る。
本発明の好ましい態様によれば、切断型プルラナーゼは、親プルラナーゼのアミノ末端からの94,102または104個のアミノ酸を欠失している。
本発明の態様によれば、親プルラナーゼ酵素は、好ましくは、天然の細菌プルラナーゼである。細菌プルラナーゼとしては、バチルス・スブチリス、クレブシエラ・ニューモニエ、フェルビドバクテリウム・ペンナボランス、サーモアクチノミセス・サルポフィルス、バチルス・アシドプルリティクス、バチルス・デラミフィカンスおよびバチルス・セレウス由来の細菌プルラナーゼが含まれるが、これらには限定されない。
本発明の態様によれば、親プルラナーゼは、バチルス属の細菌、好ましくはバチルス・アシドプルリティクスまたはバチルス・デラミフィカンスから得られるプルラナーゼ、より好ましくはバチルス・デラミフィカンスから得られるプルラナーゼである。特定の態様において、親プルラナーゼは、配列番号2のアミノ酸配列を有するバチルス・アシドプルリティクスのプルラナーゼ、または配列番号4のアミノ酸配列を有するバチルス・デラミフィカンスのプルラナーゼである。
本発明の好ましい態様によれば、切断型プルラナーゼは、配列番号4を有する天然のバチルス・デラミフィカンス由来のプルラナーゼを親プルラナーゼとするものである。好ましい一態様では、配列番号4を有する親プルラナーゼのN末端から1〜94のアミノ酸残基を欠失させて、配列番号6を含む短縮型プルラナーゼを提供する。別の好ましい態様では、配列番号4を有する親プルラナーゼのN末端から1〜104のアミノ酸残基を欠失させて、配列番号8を含む短縮型プルラナーゼを提供する。本発明によるこれらの切断型プルラナーゼ酵素は、それぞれ、配列番号5および配列番号7に示したポリヌクレオチド配列によってコードすることができる。さらに別の好ましい態様では、配列番号4を有する親プルラナーゼのN末端から1〜102のアミノ酸残基を欠失させて、配列番号9を含む切断プルラナーゼを提供する。
本発明の特定の態様では、切断型プルラナーゼは、配列番号6、配列番号8、または配列番号9のアミノ酸配列からなる。
本発明による切断型プルラナーゼは、α−1,6−グルコシド結合の加水分解を触媒する能力を保持している。さらに、これらの切断型プルラナーゼは、早い糖化速度、酸性pHで(特にpH値4.5未満で)のより高い触媒活性、および、反応温度が高ければ高いほど触媒活性が高くなるなど、親プルラナーゼよりも優れた特性を有する。
本発明の態様によれば、切断型プルラナーゼは対応する親プルラナーゼの触媒活性と比較して、酸性のpH値、特にpH4.5未満でより高い触媒活性を有し、かつ、60℃以上の温度、特に60℃〜64℃の温度でより高い触媒活性を有する。これらの優れた特性から、本発明の切断型プルラナーゼはデンプン産業において用いられる調製法およびプロセスにとって、特に望ましいものと言える。これは、少なくとも、そのようなプロセスが、4.5未満のpH値および60℃を超える温度で実施されることが多いという点によってである。
従って、別の一般的な側面において、本発明は、炭水化物中のα−1,6−グルコシド結合を加水分解する方法であって、加水分解反応に適した条件で、炭水化物と本発明の単離または精製された切断型プルラナーゼとを接触させることを含む方法を提供する。本明細書に記載の切断型プルラナーゼはいずれも、本発明によるα−1,6−グルコシド結合を加水分解する方法において使用することができる。
本発明によるα−1,6−グルコシド結合を加水分解する方法では、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を有する任意の炭水化物を使用することができる。1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を有する炭水化物の非限定的な例には、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、マルトデキストリン、プルラン、グリコーゲンなどが挙げられる。
本発明はまた、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を有する炭水化物の糖化を触媒する方法を提供する。本発明の態様によれば、この方法は、糖化に適した条件で、炭水化物と、親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115個のアミノ酸が欠失した単離または精製された切断型プルラナーゼとを接触させることを含み、ここで、前記条件とは、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つであり、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
α−1,6−グルコシド結合を有する炭水化物の多くは、さらに、α−1,4−グルコシド結合を含み、そのような例としては、例えば、アミロペクチンが挙げられる。「α−1,4−グルコシド結合」とは、1つ目のグルコース糖のC4炭素と、2つ目のグルコース糖のアノマー炭素に結合した酸素との間に形成される結合を指し、2つ目のグルコース糖はαアノマーである。
したがって、さらに別の一般的な側面において、本発明は、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を有する炭水化物の糖化を触媒する方法を提供し、この方法は、炭水化物を、グルコアミラーゼと、親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115個のアミノ酸が欠失した単離または精製された切断型プルラナーゼとを接触させることを含み、ここで、前記条件とは、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つであり、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載の切断型プルラナーゼはいずれも、本発明による糖化方法に使用することができる。好ましい態様において、切断型プルラナーゼは、細菌性親プルラナーゼに由来するものであり、より好ましくは、バチルス・デラミフィカンス由来のプルラナーゼを親プルラナーゼとする。特に好ましい態様において、本発明の方法で使用される切断型プルラナーゼは、配列番号6、配列番号8、または配列番号9のアミノ酸配列からなる。
本発明の態様による糖化方法は、親プルラナーゼを用いて実施される方法と比較して、早い糖化速度、pH4.5未満の酸性pHでのより高い触媒活性、および、64℃までの温度でのより高い触媒活性のうちの少なくとも1つを示す。
本開示の観点から見ると、いずれのアミラーゼも糖化の方法で使用することができる。本明細書で使用する場合「アミラーゼ」および「アミラーゼ酵素」は、α−1,4−グルコシド結合を加水分解するグリコシド加水分解酵素を指す。アミラーゼの例としては、これらには限定されないが、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、およびβ−アミラーゼが挙げられる。アミラーゼはグルコアミラーゼであることが好ましい。
糖化反応において、本発明の切断型プルラナーゼをグルコアミラーゼと組み合わせて使用することには、デンプンからより高純度のグルコースおよびマルトースシロップを提供できるという利点がある。さらに、このような糖化反応では、基質濃度を低めることや高い転化効率が可能になり、さらに、デンプンを分解する産業プロセスにおいて用いられることが多い、高温かつ酸性pH値でのより高い触媒活性も実現可能となる。
糖化方法および/またはα−1,6−グルコシド結合を加水分解する方法は、本発明の切断型プルラナーゼによるα−1,6−グルコシド結合の加水分解に適した任意の温度およびpHで行うことができる。例えば、糖化反応は、60℃から61℃、62℃、63℃または64℃などの60℃から64℃の高温で実施することができる。糖化および加水分解反応は、例えば、pH4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、5.0または5.5などの4.0〜5.5の範囲の酸性pH値で行うこともできる。
特定の一態様において、糖化のための条件には、pHが4.0であることが含まれる。
別の特定の態様において、糖化のための条件には、温度が60℃であることが含まれる。
さらに別の特定の態様において、糖化のための条件には、pHが4.5以下であることおよび温度が60〜64℃であることが含まれる。
本発明の態様によれば、本発明の切断型プルラナーゼで行われる糖化反応は、親プルラナーゼを用いて実施される方法と比較して、早い糖化速度、酸性pHでのより高い触媒活性、および60℃より高い温度でのより高い触媒活性のうちの少なくとも1つを示す。好ましくは、この糖化反応は、4.5未満のpHおよび/または60℃〜64℃の温度で、α−1,6−グルコシド結合の加水分解を、より早く触媒する。
本発明はまた、グルコアミラーゼと、親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115アミノ酸が欠失した単離または精製された切断プルラナーゼを含む組成物に関し、ここで、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
本発明の態様によれば、組成物は、本明細書に記載の通り、本発明の切断型プルラナーゼのいずれかを含み得る。好ましい態様では、組成物は、親プルラナーゼのアミノ末端から1〜94,1〜102または1〜104のアミノ酸残基が欠失した切断型プルラナーゼを含み、ここで、親プルラナーゼは配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。特に好ましい態様では、組成物は、配列番号6、配列番号8、または配列番号9からなる切断型プルラナーゼを含む。
本発明の態様によれば、本発明の切断型プルラナーゼおよびグルコアミラーゼを含む組成物は、本明細書に記載の糖化方法のいずれにおいても使用することができる。
さらに別の一般的な態様において、本発明は、1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を有する炭水化物の糖化を触媒するためのシステムに関し、このシステムには、炭水化物、グルコアミラーゼ、および親プルラナーゼのアミノ末端から94〜115番目までのアミノ酸を欠失している単離または精製された切断型プルラナーゼを、糖化に適した条件下に含み、ここでこの条件には、pH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれ、親プルラナーゼは、配列番号2または配列番号4のアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載されている切断型プルラナーゼはいずれも、本発明のシステムと共に使用することができる。糖化に適した条件はいずれも、本発明のシステムと共に使用することができる。
このシステムの特定の態様において、切断型プルラナーゼは、配列番号6、配列番号8、および配列番号9のアミノ酸配列からなる。
別の特定の態様において、糖化に好適な条件には、pHが4.0であることが含まれる。
別の特定の態様において、糖化に好適な条件には、温度が60℃であることが含まれる。
さらに別の特定の態様において、糖化に好適な条件には、pHが4.5以下であることおよび温度が60〜64℃であることが含まれる。
さらに別の一般的な側面において、本発明は、本発明の切断型プルラナーゼをコードしている合成ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、およびそのような発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。本発明による発現ベクターは、本明細書に記載の切断型プルラナーゼのいずれかをコードする合成ポリヌクレオチドを含んでいる可能性がある。発現ベクターはまた、宿主細胞の染色体に組み込まれる能力を有する場合がある。本発明の特定の態様によれば、発現ベクターは、配列番号5または配列番号7の合成ポリヌクレオチドを含む。
本発明による発現ベクターは、天然または合成のプロモーター配列、天然または合成のリボソーム結合部位、および天然または合成の終結配列をさらに含む場合がある。これらの遺伝的要素はまた、本発明による切断型プルラナーゼ酵素をコードしている合成ポリヌクレオチド配列と共に、発現カセットの一部を形成している場合もあり、そのような発現カセットは発現ベクターの一部を成している。例えば、発現ベクターは、プロモーター配列、合成のリボソーム結合部位、本発明の切断型プルラナーゼをコードしている合成ポリヌクレオチド、および合成の終結配列などの要素を有する発現カセットを含んでいる場合がある。発現された切断型プルラナーゼの分泌を誘導するシグナル配列も発現ベクターまたは発現カセットに含めることができ、シグナル配列は、好ましくは、切断型プルラナーゼをコードしているポリヌクレオチドの開始コドンの上流に挿入される。好ましくは、発現ベクターは、切断型プルラナーゼの分泌を促すシグナル配列を含む。
本発明の好ましい態様によれば、発現ベクターは、細菌性宿主細胞、好ましくはバチルス株、より好ましくはバチルス・スブチリスにおいて発現させるのに適している。特に好ましい態様では、発現ベクターはバチルス株の染色体、より好ましくはバチルス・スブチリスの染色体に組み込むことができる。ポリヌクレオチド配列を宿主細胞の染色体に組み込むために使用され得る発現ベクターおよびそのような発現ベクターを構築する方法は、本開示を踏まえて、当業者にはよく知られている。
本発明の態様によれば、組換え宿主細胞を遺伝的に操作して、本発明の切断型プルラナーゼをコードする1つ以上の合成ポリヌクレオチド配列を含めることができる。当技術分野でよく知られている方法のいずれかを用いて、例えば染色体組込みによって、宿主細胞を遺伝子操作して、本発明による切断型プルラナーゼ酵素をコードする1つ以上の合成ポリヌクレオチド配列を含めることができる。組込み工程で使用することができるベクターは、当技術分野でよく知られており(スエハル(Sueharu)ら、1992)、好ましくは温度感受性起点および選択マーカーを含む。そのようなベクターでは、キャンベル(Campbell)型の機構によって、指定された座位で宿主細胞の染色体に選択的に組み込まれ、その後のインキュベーション期間中に、プラスミドの選択マーカーは、相同組換えによって除去される。
本発明の態様によれば、組換え宿主細胞は、内在性タンパク質を不活性化するように遺伝子操作された改変組換え宿主細胞であり得る。修飾された宿主細胞において不活性化され得る内在性タンパク質には、胞子形成細菌における胞子形成に影響する細胞外プロテアーゼおよびタンパク質が含まれるが、これらには限定されない。組換え宿主細胞は、本発明の切断型プルラナーゼをコードする1つ以上の合成ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する前に、または本発明の切断型プルラナーゼをコードする1つ以上の合成ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入した後に、内在性タンパク質を不活性化するように改変することができる。本発明の切断型プルラナーゼをコードする1つ以上の合成ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する前に、組換え宿主細胞を、内在性タンパク質を不活性化するように改変することが好ましい。
好ましい態様において、組換え宿主細胞は、いくつかの内在性タンパク質を不活性化するように既に操作されているバチルス・スブチリス細胞である。特に、バチルス・スブチリス株は、スブチリシン(AprE)および中性メタロプロテアーゼE(NprE)のような細胞外プロテアーゼを不活性化するように操作することができる。バチルス・スブチリス株は、spoIIAC遺伝子によってコードされる胞子形成特異的シグマ−F因子のような、胞子形成において役割を果たすタンパク質を不活性化するように操作することもできる。そのような遺伝子操作されたバチルス・スブチリス株は、発現されたプルラナーゼ酵素の発現および分泌の点で改良されているという利点を有する。
さらに別の一般的な側面において、本発明は、本発明による切断型プルラナーゼを産生する方法を提供する。本発明の態様によれば、この方法は、本発明の切断型プルラナーゼをコードしているポリヌクレオチド配列を含んでいる組換え宿主細胞を、切断型プルラナーゼの発現に適した条件下で生育させること、および組換え宿主細胞またはその上清から切断型プルラナーゼを得ること、を含む。
本明細書中に記載される組換え宿主細胞はいずれも、本発明による切断型プルラナーゼを産生する方法において使用することができる。本発明の切断型プルラナーゼをコードしている少なくとも1つの合成ポリヌクレオチド配列を含む組換え宿主細胞を、切断型プルラナーゼの発現に適した任意の培養条件下で発現・培養することができる。組換え宿主細胞から分泌された切断型プルラナーゼは、組換え宿主細胞またはその上清からのものを含む細胞培養物から、ろ過、遠心分離などを含むがこれに限定されない当技術分野でよく知られている任意の方法によって回収することができる。
本発明の態様によれば、切断型プルラナーゼをコードしている合成ポリヌクレオチドを含む遺伝子構築物を組み込んだ改変型バチルス・スブチリスの発酵によって、本発明の切断型プルラナーゼを高収率で産生することができる。使用されるバチルス・スブチリス株は抗生物質耐性遺伝子を欠くことが好ましく、したがって、環境にやさしく、食品工業用のグルコースまたはマルトースの商業的製造に使用できる切断型プルラナーゼの生産に適している。
いかなる理論にも拘束されることは望まないが、結晶構造の分析から、バチルス・アシドプルリティクス由来の成熟プルラナーゼのN末端の最初の111アミノ酸は不規則であると考えられている(ツルケンブルグ(Turkenburg)、ブルゾゾウスキ(Brzozowski)ら、2009)。まだよく分かっていない成熟プルラナーゼタンパク質のN末端の構造に関するこの知見から、この酵素からは天然の三次元構造を損なうことなくN末端残基を除去することができ、そうすることで、より良好な構造安定性およびより高い酵素活性をもたらす可能性があると示唆される。ここでもいかなる理論にも拘束されることは望まないが、末端を切断することによる構造変化は、高温での選抜を行うことなく、タンパク質の熱安定性および酵素触媒活性の改善方を探索するための、迅速で効率的かつ非常に有効な方法であると考えられている。このような切断形態の酵素はまた、微生物中で行われるデンプンの糖化から得られる、またはそこから産生される天然のプルラナーゼよりも、分子量が小さいこと、および触媒活性が高く、特異的だという点で利点があり、これによってデンプン産業でも有用であり得る。したがって、バチルス・アシドプルリティクス由来の成熟プルラナーゼの結晶構造からの示唆に基づいて、この酵素は前述の理由により、N末端アミノ酸残基の除去を潜在的に許容すると考えられる。
本発明の以下の実施例は、本発明の性質をさらに説明するためのものである。以下の実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定されると理解されたい。
実施例1:プラスミドpYF−tsDEの構築
温度感受性プラスミドであるpYF−tsDE(図1参照)は、大腸菌(E.coli)/枯草菌(B.subtilis)に使えるシャトルプラスミドである。pYF−tsDEプラスミドは、30℃で活性を示す温度感受性複製起点と、大腸菌では300μg/mLのエリスロマイシンに、そして枯草菌では5μg/mLのエリスロマイシンに耐性をもつエリスロマイシン決定遺伝子(ErmC)(スエハルら、1992)を含む。非許容温度である37℃で複製起点は脱活性化され、プラスミドは、ErmC遺伝子選択のために指定された遺伝子座で宿主細胞の染色体に組み込まれる。
以下のように、pYF−tsDEプラスミドを構築した。pUC57−KS−erm(ジーンスクリプト(GenScript)より入手、図2)をBglIIで二重消化した。酵素消化により生じた3.8kbp断片を精製し、T4リガーゼ(ニューイングランドバイオラボ(New England Biolabs))を用いて再連結した。クローニングしたプラスミドをpYF−tsDEとした。大腸菌TOP10細胞中で増殖させ、以下し示す全遺伝子操作に骨格として用いた。
実施例2:プロテアーゼ欠損枯草菌(B.Subtilis)株の構築
遺伝子操作された桿菌を組換え酵素生産のための宿主細胞として使用する方法は十分に確立されている(ウィドナー(Widner)ら、2000)。これらの組換え宿主細胞は、一般に、発現させたい標的酵素配列をコードしている核酸構築物を、1つ以上含んでいる。本発明では、枯草菌を遺伝子操作のための受容株として選択した。バチルス株の核酸構築物による形質転換は、コンピテント細胞、エレクトロポレーションまたはプロトプラスト形質転換(ヤング(Young)およびスピジゼン(Spizizen)、1961;シゲカワ(Shigekawa)およびドワー(Dower)1988;チャン(Chang)およびコーエン(Cohen)1979)など、当技術分野でよく知られている方法によって達成することができる。
本発明では、単一のプルラナーゼ酵素発現カセットを設計し、これは通常、天然または合成のプロモーター配列、輸送を効率的にするために桿菌から選択したシグナル配列、合成リボソーム結合部位、バチルス・デラミフィカンス由来のプルラナーゼコード遺伝子および合成の転写終結因子を含めた。この配置は、宿主株における遺伝子の発現レベルおよびプルラナーゼの分泌を実質的に増強する。プルラナーゼ酵素をコードする遺伝子を、バチルス細胞の染色体上の指定された遺伝子座での遺伝子交換するのは、プラスミド媒介性でシングルのクロスオーバー型相同組換えによって行うことができる。
細胞外プロテアーゼ活性は、桿菌における不均一な酵素分泌に有害な場合がある。2つの主要な細胞外プロテアーゼ、スブチリシンE(AprE)と中性メタロプロテアーゼE(NprE)は、桿菌における細胞外プロテアーゼ活性の85%以上に寄与することが示されている。さらに、胞子形成桿菌は、発酵中に、生産効率を指数関数的に低下させる休眠細胞を形成する可能性がある。胞子形成特異的シグマ−F因子をコードしているspoIIAC遺伝子は、RNAポリメラーゼ転写の特異性を導くのに極めて重要な役割を果たし、spoIIACの遺伝子発現産物は胞子形成に必要である。
したがって、本発明では、プルラナーゼ遺伝子の発現が、構造的に完全なものになるように、前述した3つの遺伝子を、キャンベル型のシングルクロスオーバー機構によって連続的に不活性化した。簡単に説明すると、pYF−tsDE(実施例1に記載したようにして得た)をBglIIで消化し、仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)で処理して再連結を阻害した。それぞれの遺伝子を欠失させるために、欠失させたい遺伝子に隣接する約500塩基対の相同領域をゲノムDNAからPCRにより増幅した。単離したバチルス・スブチリスのコロニーを98℃で5分間加熱し、これを直接、PCR反応のゲノムDNA鋳型として用いた。ジーンスクリプトにより、以下に示すプライマー(配列番号13〜24)を合成し、PCRに使用して、バチルス・スブチリスのApr、Npr及びSpoIIAC遺伝子の隣接配列をそれぞれ増幅した。
pksb−apr_czF1
GGTATCGATAAGCTTCCTGCAGATCTCTCAGGAGCATTTAACCT
pksb−apr_R1
GCACCTACTGCAATAGTAAGGAACAGATTGCGCAT
pksb−apr_F2
ATGCGCAATCTGTTCCTTACTATTGCAGTAGGTGC
pksb−apr_czR2
AATATGGCGGCCGCGAATTCAGATCTCTAATGCTGTCTCGCGTT
pksb−npr_czF1
GGTATCGATAAGCTTCCTGCAGATCTCATCTTCCCCTTGAT
pksb−npr_R1
CAGTCTTCTGTATCGTTACGCTTTTAATTCGGCT
pksb−npr_F2
AGCCGAATTAAAAGCGTAACGATACAGAAGACTG
pksb−npr_czR2
TATGGCGGCCGCGAATTCAGATCTCCTGGCCAGGAGAATCT
pksb−spo_czF1
GGTATCGATAAGCTTCCTGCAGGAACAATCTGAACAGCAGGCACTC
pksb−spo_R1
TTGTCAAACCATTTTTCTTCGCCCGATGCAGCCGATCTG
pksb−spo_F2
CAGATCGGCTGCATCGGGCGAAGAAAAATGGTTTGACAA
pksb−spo_czR2
ATATGGCGGCCGCGAATTCAGATCTGTTCATGATGGCAAGACAC
増幅反応は、典型的には、全容積を50μLとし、98℃で8分間初期変性を行い、続いて、96℃で15秒間、58℃で15秒間、72℃で30秒間のサイクルを25〜30サイクル、最後に72℃で2分間反応させて反応を終了させた。0.8%アガロースゲルで増幅産物を同定し、精製した。
内部に欠失を含む変異型を、スプライスオーバーラップエクステンションPCR(SOE)により、以下のように構築した。別々のPCR反応から精製した各遺伝子の上流と下流の配列を1:1のモル比で一緒に混合して、増幅鋳型とした。XX−CZ−F1およびXX−CZ−R2と標識したプライマーを用いて、各遺伝子のスプライシングされた断片を作製した。続いて、このフラグメントを、ジーンスクリプト社のクローンイージー(Clone−EZ)クローニングキットを使い、BglII部位で直線化したpYF−tsDEベクターにクローニングした。構築された温度感受性プラスミドは、典型的には、対応する完全な遺伝子と比較して、400〜500塩基対の内部欠失を含有していた。これらの組換えプラスミドは、それぞれpYF−tsDE−Apr、pYF−tsDE−NprおよびpYF−tsDE−SpoIIと表示した。
シングルクロスオーバー相同組換えによって、元の染色体遺伝子を有する完全な遺伝子の異なる対立遺伝子での交換を行った。ヤング(ヤングおよびスピジゼン、1961)に記載されている改変型の方法により、桿菌のコンピテント細胞に、対応する欠失プラスミドを形質転換した。30℃の許容温度でエリスロマイシンを添加したプレートから、1個の形質転換体を選抜し、別のエリスロマイシン含有プレートに画線し、温度感受性プラスミドが宿主の染色体に組み込まれた形質転換体を選抜するために、37℃の非許容温度でインキュベートした。指定された遺伝子座で遺伝子が置換された形質転換体を得るために、プレートから複数のコロニーを選抜して2YT培地に移し、30℃で5〜7日間インキュベートした(新鮮な2YT培地を2日ごとに交換した)。エリスロマイシン感受性バチルス細胞を、プラスミドの切断および対立遺伝子置換(配列番号9,10および11参照)のためのPCRによってスクリーニングした。さらに、1.0%脱脂粉乳を添加したLBプレート上で生育させた時に認められるハローの収縮によって、プロテアーゼ欠損の表現型を確認した。
実施例3:プルラナーゼ産生バチルス株の構築
組込みプラスミドは、pYF−tsDEを使用して基本的には前述したのと同様の方法で構築した。発現カセットを染色体の指定されたAmyE座に組み込むために、プルラナーゼ発現カセットに、染色体のAmyE座の上流および下流配列の800塩基対相同領域を隣接させた。選択した、いくつかの天然の細菌染色体DNA断片の全体と、プルラナーゼ遺伝子の発現を制御するために必要な機能を有する合成配列を構築した。
典型的なプルラナーゼ発現カセットには、天然または合成のプロモーター配列、合成のリボソーム結合部位、バチルス・デラミフィカンス由来の切断プルラナーゼコード遺伝子、および合成の終結配列を含めた。これらの配列を合成し、ジーンスクリプトで、一緒に作動可能に構築した。下流にあるコード領域から発現された酵素を効率的に分泌させる、バチルス・スブチリスから選択された強力な天然のシグナル配列を、プルラナーゼコード遺伝子の開始コドンの上流に挿入した。プルラナーゼ発現カセット全体を、ジーンスクリプトのクローンイージー・クローニングキットにより、BglII部位で直線化したpYF−tsDEに挿入した。得られた温度感受性組み込みプラスミドをpYF−tsINT−puIとし、プロテアーゼを欠損しており、かつ、胞子形成不能なバチルス・スブチリスのコンピテント株に導入した。
マーカーを使わない、AmyEのプルラナーゼ発現カセットによる遺伝子置換は、実質的に、前述したのと同様の方法で行った。赤色のプルランプレート上でのハロー形成によって、プルラナーゼコード遺伝子がバチルス・スブチリスの染色体に上手く組込まれたことを確認した。さらにPCR反応によって、発現カセットが実際に受容株のAmyE座に存在することを確認した。
改変したプルラナーゼ産生株を−80℃で保存した。
実施例4:振盪フラスコ法におけるプルラナーゼの産生
プルラナーゼ発現カセットを含有する単一の新鮮なバチルス・スブチリスのコロニーを、4.0%のマルトースシロップ、2.0%のペプトン、0.1%の酵母抽出物、および0.6%のKH2PO4を含有する培地20mL中で対数期中期まで16時間増殖させた。次に、1.2mLの培養した培養物を、12.0%のマルトースシロップ、1.0%のペプトン、1.0%の酵母抽出物、0.2%のKH2PO4および0.003%のMnCl2を含有する培地30mLに播種し、往復式(reciprocal)シェーカーを使い、1分間当たり120ストロークで、3日インキュベートした。24時間後、48時間後および72時間後に試料(1mL)を採取し、10000gで1分間遠心分離した。上清をSDS−PAGE分析のために保存し、親プルラナーゼおよび切断型プルラナーゼ酵素を、図3に示すように、それぞれ、8〜16%SDS−PAGEのレーン1および2で泳動させた。切断型プルラナーゼ酵素(配列番号8)は、親プルラナーゼ酵素のN末端から1〜104番目のアミノ酸残基を欠失しており(配列番号4)、その欠失は、親プルラナーゼのアミノ末端から始まるものである。SDS−PAGE分析から、いずれのタンパク質も高純度で得られたことが分かった。予想通り、親プルラナーゼの見かけの分子量は約100kDであり、切断型の分子量は約86kDであった。
以下の実施例6に記載の方法を用いて、プルラナーゼ活性を試験するためのアッセイを行った。
実施例5:流加発酵プロセスにおけるプルラナーゼの生産
実施例3に記載したようにして得た、遺伝子改変し、−80℃で凍結保存しておいたバチルス菌株を寒天斜面に画線し、37℃で一晩インキュベートした。斜面寒天培地は、1.0% トリプトン、0.5% 酵母エキス、1.0% NaClおよび2.0%バクトアガー(Bacto−agar)(ディフコ(Difco))になるように調製した。
4.0%のマルトースシロップ、2.0%のペプトン、0.1%の酵母エキス、および0.6%のKH2PO4を入れた50mLの種フラスコに、複数の新鮮なコロニーを懸濁した。37℃で16時間インキュベートした後、この全量を、6.0%のマルトースシロップ、1.0%のペプトン、1.0%の酵母エキス、0.2%のKH2PO4および0.003%のMnCl2を組成とする培地を入れた7Lのステンレス鋼パイロット発酵槽に移した。培養は、攪拌機の速度を140gに設定して37℃で行った。6時間の連続発酵の後、通気速度を650L/Hに調整した。次いで、5.0%のリン酸で、培養物のpHを5.7±0.2に調整した。最初の18時間は、0.5L/18時間の速度で滅菌した合成培地(48%マルトースシロップ、6.0%ペプトン、8.0%酵母抽出物)を培養物に連続的に供給し、その後は1L/18時間の速度で供給した。発酵は約29時間の供給後に終了させた。発酵槽から全ブロスを回収し、4℃、8000gで30分間遠心分離し、上清のプルラナーゼ活性を測定した。
実施例6:プルラナーゼ活性の測定
プルラナーゼ活性は、ベストザイム・プルラナーゼ単位(Bestzyme Pullulanase Unit、BPU)で測定される。1BPUは、60℃およびpH4.5の条件で1分間にプルランから還元糖(グルコースとして計算)360μgを生成する酵素の量として定義される。
簡単に説明すると、適切に希釈したプルラナーゼ酵素の試料1mLを、0.5%のプルラン1mLと混合し、60℃で30分間インキュベートした。次に、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)溶液3mLを加え、試料を7分間沸騰させた。試料を冷却した後、水(10mL)を加えて混合した。生成された還元糖を、ソモギー・ネルソン法(Somogyi−Nelson法、ソモギー(Somogyi)ら、1944)によって決定した。
実施例7:切断型プルラナーゼ酵素の製剤および用途
以下に示される結果は、配列番号6および配列番号8に示される切断型プルラナーゼに基づくもので、これら切断型プルラナーゼはこれ以降、それぞれ、「Td−A」および「Td−D」と言う。これらの切断型プルラナーゼは、配列番号4に示される親プルラナーゼのアミノ末端から1〜94番目のアミノ酸残基か、または1〜104番目のアミノ酸残基のいずれかを欠失している。
特段の規定のない限り、使用される単位は以下の定義に従うものとする。
BGU:グルコアミラーゼの活性は、ベストザイム・グルコアミラーゼ単位で測定する。1BGUは、40℃およびpH4.6の条件で、1時間当たり、可溶性デンプンから200mgのグルコースを産生する酵素の量として定義される。
BPU:プルラナーゼの活性は、ベストザイム・プルラナーゼ単位で測定する。1BPUは、60℃およびpH4.5の条件で、1分間当たり、プルランから360μgのグルコース相当還元糖を放出する酵素の量として定義される。
gDS:乾燥固体の重量、グラム。
バチルス・スブチリス細胞で発現させ、単離したプルラナーゼ酵素を、最初に、乾燥重量(DS)31%に調整し、良く混合したトウモロコシマルトデキストリン溶液を用いて、糖化について試験した。次いで、HClを用いてpHをpH4.3に調整した。反応は200mLの反応容量で行った。プルラナーゼは、水道水で希釈したストック溶液からグルコアミラーゼ溶液(0.225BGU/gDSで固定濃度)に、それぞれ0.300,0.250および0.150BPU/gDSの用量で添加した。親プルラナーゼ(0.300BPU/gDS)を対照としての別のフラスコに加えた。反応は60℃で24時間、40時間、48時間保持した。次いで、試料を回収し、0.22μm膜を通して濾過し、HPLC分析のために100℃まで加熱することによって酵素を不活性化した。結果を表1にまとめた。
結果から、0.300BPU/gDSの用量を使用し、24時間反応させた親酵素のグルコースの収率(94.5%)は、グルコアミラーゼ単独での方法(90.9%)から得られたグルコース収率よりも高いことが見て取れ、糖化プロセスにプルラナーゼ酵素を含めることの積極的な意義が確認された。切断型酵素を使用した場合、同じ酵素用量(0.300BPU/gDS)では、親酵素のグルコース収率(94.5%〜96.4%)と比較して、グルコース収率(95.6%〜96.5%)は維持または増加されるという結果になり、このことから、プルラナーゼの酵素活性を損なうことなくN末端残基を除去できることが分かった。重要なことに、反応の最初の24時間では、切断型プルラナーゼは少ない用量でも(0.150BPU/gDSに減らした)、同様のグルコース収率を維持することができ、この活性は最長48時間まで維持された。さらに、反応の最初の24時間では、切断型プルラナーゼ酵素によって触媒される糖化の速度は、親酵素の糖化速度よりも速かった(データは示さない)。まとめると、これらの知見から、プルラナーゼのN末端残基を、N末端の最初のアミノ酸残基から始まる欠失で除去することにより、構造がより安定し、より高い酵素活性をもたらすことが示唆される。
次に、より低いpHで糖化プロセスを実施することによって、切断型プルラナーゼ酵素のpH耐性を試験した。具体的には、糖化反応は、pHを4.0にした以外は、前述したのと同じように実施した。結果を以下の表2に示す。
表2に示した結果から分かるように、pH4.0では、切断型プルラナーゼ酵素で触媒した糖化反応のグルコース収率(95.8%および95.6%)は、最初の24時間では、親酵素の収率(92.8%)よりも高く、そして最長48時間持続した。注目すべきことに、親プルラナーゼは、反応時間を48時間まで延長しても、デンプン産業に必要とされる最小グルコース収率(96%)に達しなかった。対照的に、切断されたプルラナーゼ酵素は、pH4.0の酸性条件で、より高い触媒活性を示した。切断型プルラナーゼ酵素で得られた96.5%および96.4%の最終グルコース収率は、反応時間を40時間としたときに達成された(表2)。複数の実験から同様の結果が得られた(データは示さない)。
さらに、切断型プルラナーゼ酵素の熱安定性および熱活性を試験した。糖化反応は、デンプン産業でよく使用される温度である60℃、62℃および64℃でそれぞれ実施した。結果を以下の表3に示す。
予想通り親プルラナーゼは、反応の最初の24時間の間に、64℃という高い温度で糖化反応を触媒する能力が低下した(表3)。対照的に切断型プルラナーゼは、64℃までの温度でも有意に高い触媒能を保持し、親プルラナーゼ酵素のN末端を切断することが、熱安定性および熱活性に対してポジティブな影響を与えることが示された(表3)。
第3の切断型プルラナーゼを枯草菌細胞で発現・離し、この第3の切断型プルラナーゼの活性を、より厳しい試験条件で、前段で特徴づけた2種の切断型プルラナーゼ酵素の活性と比較した。この第3切断プルラナーゼは「Td−C」と呼ばれ、配列番号9に示すもので、配列番号4に示した親プルラナーゼ酵素のアミノ末端から1〜102番目のアミノ酸残基を欠失している。
より厳しい試験条件を次のように適用した:乾燥固形分(DS)32%のトウモロコシマルトデキストリン溶液をよく混合し、HClを用いてpHを4.0に調整した。反応は200mLの反応容量で行った。水道水で希釈したストック溶液から0.270BPU/gDS用量のグルコアミラーゼ溶液に切断型プルラナーゼ(Td−C、Td−AおよびTd−D)を添加した。溶液中のグルコアミラーゼ濃度は0.225BGU/gDSに固定した。反応は60℃でそれぞれ24時間、40時間および48時間保持した。次いで、試料を回収し、0.22μmメンブレンを通して濾過し、HPLC分析用に、100℃まで加熱することで酵素を不活性化した。結果を以下の表4にまとめた。
表4に示した結果から分かるように、より厳しい条件では、40時間の反応時間終了時に、各切断型プルラナーゼによって触媒される糖化反応と同様のグルコース収率が達成された。反応の最初の24時間には、切断型プルラナーゼTd−AおよびTd−Dは(95.4%および95.1%)、切断型プルラナーゼTd−C(94.9%)よりわずかに速い糖化速度とわずかに良好なグルコース収率を示した。しかし、試験した3種の切断型プルラナーゼ酵素のグルコース収率は同等である。
まとめると、以上の結果から、本発明の切断型プルラナーゼ酵素が、グルコース収率を犠牲にすることなく、反応時間をより短くし(例えば、36時間以下)、糖化反応をより低いpHで行うか、またはより高い温度条件で行いたいと考えているグルコース製造者にとって望ましい有利な特性を有することが示された。特に、これらの結果は、本発明の切断型プルラナーゼのpH4.5未満のpH値(pHを4.0まで下げることを含む)での安定性と、60℃〜64℃という高い温度での安定性が、同じ温度およびpH条件での親プルラナーゼの安定性と比較して、高いということを示している。
さらに、分子量が小さい切断型プルラナーゼは、比活性(活性/単位重量)がより高いという利点を有する。したがって、これらの切断型プルラナーゼ酵素は、活性を犠牲にすることなく、より少ない量で糖化プロセスに使用することができる。言い換えれば、本発明は、α−1,4−グルコシド結合の加水分解の触媒作用において同等の活性(例え改善されていないにしても)を有する低分子量型プルラナーゼを提供し、これにより、本発明の切断型プルラナーゼは、デンプン産業における使用に特に有利になる。
最後に、大麦β−アミラーゼ(Genencor、1230DP/gDS)を含有する酵素組成物との糖化反応における切断型プルラナーゼ酵素の性能も試験した。この反応は、マルトース生産産業におけるプルラナーゼの重要な用途である。簡単に説明すると、乾燥固体(DS)31%として調製したマルトデキストリン溶液をよく混合し、次にHClを用いてpHを5.2に調整した。プルラナーゼおよびβ−アミラーゼ酵素をマルトデキストリン溶液(200mL)にそれぞれ1.000BPU/gDSおよび1.23DDP/gDSの用量で添加した。対照としてマルトデキストリン(31%DS、200mL)を含有する別のフラスコにβ−アミラーゼ(1.23DP/gDS)を単独で添加した。反応容量を200mLとし、60℃で24時間保持した。次いで、試料を回収し、0.22μmメンブレンを通して濾過し、100℃まで15分間加熱して酵素を不活性化し、続いてHPLCで分析した。結果を以下の表5に示す。
表5に示した結果から分かるように、親プルラナーゼと比較して、切断型プルラナーゼは、同じ反応条件でより良好な性能を示した。予想通り、親酵素を用いたプロセスからのマルトース収率(73.3%)は、β−アミラーゼ単独のプロセス(61.9%)よりも高かった。切断型プルラナーゼを使用すると、マルトース収率(75.9%)は親プルラナーゼを使用した場合よりも著しく高くなり、切断型が高い触媒活性を有することが示された。
総合すると、これまでの実験の結果から、本発明による切断型プルラナーゼが親酵素と比較して、よりpH耐性の向上、高い熱安定性、および高い熱活性を有することが示された。したがって、本発明の切断型プルラナーゼ酵素は、炭水化物の糖化プロセス、特にデンプン産業で使用できる可能性を有する。
当業者であれば、本発明の広い概念から逸脱することなく、上述した態様に変更を加えることができることが理解されよう。したがって、本発明は、開示された特定の態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内での変更も包含することが意図されていることが理解される。
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Claims (12)

  1. 1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒する方法であって、前記炭水化物を、配列番号6のアミノ酸配列からなる単離または精製された切断型プルラナーゼと、糖化に適した条件で接触させることを含み、前記条件にはpH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれる、方法。
  2. 前記糖化のための条件が、pH4.0であることを含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記糖化のための条件が、温度が60℃であることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記糖化のための条件が、pHが4.5以下であり、かつ、温度が60℃〜64℃であることを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記炭水化物が、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、マルトデキストリン、プルラン、およびグリコーゲンからなる群から選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記方法が、配列番号4のアミノ酸配列からなる親プルラナーゼを用いて実施した方法と比較したときに、糖化速度増加、pH4.5未満の酸性pHでのより高い触媒活性、および64℃までの温度でのより高い触媒活性のうちの少なくとも1つを示す、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒する方法であって、前記炭水化物を、グルコアミラーゼと、配列番号6のアミノ酸配列からなる単離または精製された切断型プルラナーゼと、糖化に適した条件で接触させることを含み、前記条件にはpH4.5以下および温度60℃以上のうちの少なくとも1つが含まれる、方法。
  8. 前記糖化のための条件がpH4.0であることを含む、請求項に記載の方法。
  9. 前記糖化のための条件がpH4.5以下であり、かつ温度60℃〜64℃であることを含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記炭水化物が、デンプン、アミロペクチン、デキストラン、マルトデキストリン、プルラン、およびグリコーゲンからなる群から選択される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記方法が、配列番号4のアミノ酸配列からなる親プルラナーゼを用いて実施した方法と比較したときに、糖化速度増加、pH4.5未満の酸性pHでのより高い触媒活性、および64℃までの温度でのより高い触媒活性のうちの少なくとも1つを示す、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 1つ以上のα−1,6−グルコシド結合を含む炭水化物の糖化を触媒するシステムであって、前記炭水化物とグルコアミラーゼと配列番号6のアミノ酸配列からなる単離または精製された切断型プルラナーゼを含む、システム。
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