JP6504424B1 - 医療機器および医療システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第一の態様に係る医療機器は、先端側から第一シースと、湾曲可能な湾曲部と、第二シースとが長手方向に順番に連結され、前記第一シースと前記第二シースとは前記湾曲部より剛性が高い長尺部材であるシースの、長手方向に貫通する挿通孔に挿入して使用する医療機器であって、処置部と、前記処置部に先端が取り付けられた第一伝達部と、湾曲可能な処置具湾曲部と、第二伝達部と、第三伝達部と、が長手方向に順番に連結された長尺部材である伝達部材と、前記処置部を先頭に前記挿通孔に挿入した際に、前記第三伝達部が前記シースに挿入されることを防止するストッパと、を備え、前記第一伝達部と前記第二伝達部とは、前記処置具湾曲部より剛性が高く、前記第二伝達部の長手方向の長さが、前記湾曲部と前記第二シースとの長手方向の長さの和よりも短い第一条件および、前記第一伝達部の長手方向の長さが、前記第一シースと前記湾曲部との長手方向の長さの和よりも短い第二条件の二つの条件のうち、少なくとも一方の条件を満たす。
本発明の第一実施形態について、図1および図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る医療システム100の全体構成を示す図である。
医療システム100は、図1に示すように、ガイドシース1と、処置具2と、を備えている。
ここで、図1に示すように、第一シース11と湾曲部12と第二シース13の長手方向の長さを、それぞれ「m」、「n」、「p」と定義する。また、第一シース11と湾曲部12と第二シース13とを含むガイドシース1全体の長手方向の長さを、「F」と定義する。
また、湾曲部12は、剛性の高い素材で形成された湾曲駒を組み合わせて構成され、隣接する湾曲駒同士が相対移動可能となるように連結して形成されていてもよい。すなわち、湾曲部12は、全体として可撓性を有していればよい。
なお、第一シース11および第二シース13は、湾曲部12と比較して剛性が高ければ、可撓性を有する素材で形成されていてもよい。
また、ガイドシース1は、先端が第一シース11に取り付けられ、ガイドシース1の内部を挿通するガイドワイヤを有してもよい。この場合、術者はガイドワイヤを基端側から操作することで、ガイドシース1の湾曲部12を湾曲させることができる。
ここで、図1に示すように、第一伝達部41と、湾曲部42と、第二伝達部43の長手方向の長さを、それぞれ「b」、「c」、「d」と定義する。
なお、第一伝達部41と、第二伝達部43と、第三伝達部44とは、湾曲部42と比較して剛性が高ければ、可撓性を有する素材で形成されていてもよい。
術者は、操作部7の全体を進退させることで、伝達部材4および処置部3を、伝達部材4の長手方向に沿って進退させることができる。また、術者は、操作部7の全体を伝達部材4の長手方向の軸を中心に回転させることで、伝達部材4および処置部3を、伝達部材4の長手方向の軸を中心に回転させることができる。術者は、操作部7を回転させて、処置部3が処置に適切な方向を向くように調整することができる。
図2に示すように、第二伝達部43の長手方向の長さdは、ガイドシース1の湾曲部12と第二シース13との長手方向の長さの和(n+p)よりも短い(式1)。この条件を以降、「第一条件」という。
図3に示すように、第一伝達部41の長手方向の長さbは、ガイドシース1の第一シース11と湾曲部12との長手方向の長さの和(m+n)よりも短い(式2)。この条件を以降、「第二条件」という。
処置具2が、第一条件と第二条件を同時に満たす場合、処置具2の最小突出位置から最大突出位置までの範囲、すなわち、処置を行う場合における可動範囲(以降、「有効可動範囲」と称す)において、処置具2をいずれの位置に移動させる場合であっても、屈曲ポイントBが常に存在する。そのため、処置具2が有効可動範囲にある場合、医療システム100を常に湾曲させることができる。第一条件と第二条件を満たさない場合は、屈曲ポイントBが存在ない状態が生じ、その状態においては処置具2とガイドシース1とをともに湾曲されることは難しい。
(変形例1)
例えば、上記実施形態では、処置具2は、第一条件および第二条件を満たしていたが、処置具の態様はこれに限定されない。処置具は、第一条件および第二条件の二つの条件のうち、少なくとも一方の条件を満たすように構成してもよい。満たす条件が多いほど、処置具は、挿入するガイドシースの寸法に合わせて、湾曲させやすく、かつ、レスポンスよく操作しやすくなる。
例えば、上記実施形態では、ストッパ5は処置具2の基端側に設けられた凸状部材であったが、ストッパの態様はこれに限定されない。ストッパは、処置部3を先頭に処置具2をルーメン1aに挿入した際に、第三伝達部44がルーメン1aに挿入されることを防止するものであればよい。ストッパは、例えば、処置具2の先端側に設けられた凸状部材で、先端開口部11aと係合するものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、処置具2の第三伝達部44はストッパ5によってルーメン1aに挿入されないように制限されていたが、処置具2の態様はこれに限定されない。図5は処置具2の変形例である処置具2Aの断面図である。処置具2Aは、図5に示すように、処置部3と、伝達部材4Aと、保護部材6と、操作部7Aと、を備えている。伝達部材4Aは、第一伝達部41と、湾曲可能な湾曲部42と、第二伝達部材43とから構成される。操作部7Aが第三伝達部材とストッパの役割を果たしていても良い。具体的には、操作部7Aは、第二伝達部材43が取り付けられた先端が、ルーメン1aに挿入されない程度の径寸法を有している。そのため、操作部7Aは、上記実施形態のストッパ5と同様の機能を発揮する。
本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態に係る医療システム100Bは、ガイドシース1と、処置具2Bと、を備えている。
処置具(医療機器)2Bは、図6に示すように、処置を行う処置部3と、伝達部材4Bと、ストッパ5と、保護部材6と、操作部7と、を備えている。
伝達部材4Bは、第一実施形態に係る処置具2の伝達部材4と同様の構成であり、第一条件および第二条件を満たしている。伝達部材4Bは、第一実施形態の伝達部材4と比較して、さらに後述する条件(第三条件)を湾曲部42および第二伝達部43が満たしている点のみが異なる。
図6に示すように第一伝達部41の長さbは、最大突出長Kよりも長い(式3)。そのため、処置具2Bが最大突出位置に配置されている場合であっても、第一伝達部41の少なくとも一部はルーメン1a内部に位置する。その結果、湾曲部42はルーメン1aから突出しない。
処置具2Bが第三条件を満たす場合、ルーメン1aの先端開口部11aから突出した湾曲部42の一部が湾曲することにより、第一伝達部41および処置部3が術者の意図しない位置に移動してしまうことを防止することができる。
例えば、上記実施形態では、伝達部材4Bは、第一伝達部41と湾曲部42と第二伝達部43と第三伝達部44により構成されていたが、伝達部材の構成はこれに限定されない。伝達部材は、第一伝達部41と湾曲部42により構成されていてもよい。この場合、第三条件「c+d<F」における「d」がゼロであるため、第三条件は「c<F」となる。この条件を満たせば、湾曲部42はルーメン1aから突出せず、処置部3を術者の意図する位置に容易に配置することが可能である。
例えば、上記実施形態では、第三条件は処置具2Bに対して適用されていたが、第三条件の適用は処置具2Bに限定されない。第三条件はガイドシース1に挿通される湾曲部を有する他の医療機器にも適用でき、例えば内視鏡に対しても適用することができる。
例えば、上記実施形態では、処置具2Bは、第一条件、第二条件および第三条件を全て満たしていたが、処置具の態様はこれに限定されない。処置具は、第一条件、第二条件および第三条件から選んだ任意の組み合わせの条件を満たすように構成してもよい。満たす条件が多いほど、処置具は、挿入するガイドシースの寸法に合わせて、湾曲させやすく、かつ、レスポンスよく操作しやすくなる。
本発明の第三実施形態について、図7を参照して説明する。第三実施形態の医療システムは、ガイドシースに処置具が2本挿入される点が、他の実施形態と異なる。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
医療システム100Cは、図7に示すように、ガイドシース1Cと、2本の処置具2Cと、を備えている。
図7に示すように、第一伝達部41と第二伝達部43の長手方向の長さの和(b+d)は、ガイドシース1Cの長手方向の長さFよりも短い(式6)。この条件を以降、「第四条件」という。
処置具2Cは、第一条件および第二条件を満たしているため、第二実施形態の処置具2Bと同様、処置具2Cが有効可動範囲にある場合、屈曲ポイントBが常に存在する。
すなわち、処置具2Cが、第一条件と第二条件に加えて第四条件を満たす場合、有効可動範囲において二本の処置具2Cをいずれの位置に移動させる場合であっても、二本の処置具2Cの屈曲ポイントBが長手方向において重なる位置が常に存在する。そのため、二本の処置具2Cが有効可動範囲にある場合、医療システム100Cを常に湾曲させることができる。
例えば、上記実施形態では、ガイドシース1Cには、処置具2Cを二本挿入することができたが、ガイドシースの態様はこれに限定されない。ガイドシースは、三本以上の処置具を挿入することができるものであってもよい。処置具が、第一条件と第二条件に加えて第四条件を満たす場合、三本以上の処置具をガイドシース1に挿入した場合であっても、処置具が有効可動範囲にある場合、医療システム100Cを常に湾曲させることができる。
例えば、上記実施形態では、処置具2Cは、第一条件、第二条件、第三条件および第四条件を全て満たしていたが、処置具の態様はこれに限定されない。処置具は、第一条件、第二条件、第三条件および第四条件から選んだ任意の組み合わせの条件を満たすように構成してもよい。満たす条件が多いほど、処置具は、挿入するガイドシースの寸法に合わせて、湾曲させやすく、かつ、レスポンスよく操作しやすくなる。
1,1C ガイドシース(シース)
1a ルーメン(挿通孔)
11 第一シース
11a 先端開口部
12 湾曲部
13 第二シース
13a 基端開口部
2,2B,2C 処置具(医療機器)
3 処置部
4,4B,4C 伝達部材
41 第一伝達部
42 湾曲部(処置具湾曲部)
43 第二伝達部
44 第三伝達部
5 ストッパ
6 保護部材
7 操作部
Claims (10)
- 先端側から第一シースと、湾曲可能な湾曲部と、第二シースとが長手方向に順番に連結され、前記第一シースと前記第二シースとは前記湾曲部より剛性が高い長尺部材であるシースの、長手方向に貫通する挿通孔に挿入して使用する医療機器であって、
処置部と、
前記処置部に先端が取り付けられた第一伝達部と、湾曲可能な処置具湾曲部と、第二伝達部と、第三伝達部と、が長手方向に順番に連結された長尺部材である伝達部材と、
前記処置部を先頭に前記挿通孔に挿入した際に、前記第三伝達部が前記シースに挿入されることを防止するストッパと、を備え、
前記第一伝達部と前記第二伝達部とは、前記処置具湾曲部より剛性が高く、
前記第二伝達部の長手方向の長さが、前記湾曲部と前記第二シースとの長手方向の長さの和よりも短い第一条件および、
前記第一伝達部の長手方向の長さが、前記第一シースと前記湾曲部との長手方向の長さの和よりも短い第二条件の二つの条件のうち、少なくとも一方の条件を満たす、
医療機器。 - 前記第一条件および前記第二条件をともに満たす、
請求項1に記載の医療機器。 - 前記湾曲部と前記第二伝達部との長手方向の長さの和は、前記シースの長手方向の長さよりも短い、
請求項1に記載の医療機器。 - 前記第一伝達部と前記第二伝達部の長手方向の長さの和は、前記シースの長手方向の長さよりも短い、
請求項1に記載の医療機器。 - 前記第一伝達部と前記第二伝達部とは、可撓性を有さない金属棒で形成されている、
請求項1に記載の医療機器。 - 先端側から第一シースと、湾曲可能な湾曲部と、第二シースとが長手方向に順番に連結され、前記第一シースと前記第二シースとは前記湾曲部より剛性が高い長尺部材であり、長手方向に貫通する挿通孔を有するシースと、
前記シースの前記挿通孔に挿入して使用する医療機器と、を備える医療システムであって、
前記医療機器は、
処置部と、
前記処置部に先端が取り付けられた第一伝達部と、湾曲可能な処置具湾曲部と、第二伝達部と、第三伝達部と、が長手方向に順番に連結された長尺部材である伝達部材と、
前記処置部を先頭に前記医療機器を前記挿通孔に挿入した際に、前記第三伝達部が前記シースに挿入されることを防止するストッパと、を備え、
前記第一伝達部と前記第二伝達部とは、前記処置具湾曲部より剛性が高く、
前記第二伝達部の長手方向の長さが、前記湾曲部と前記第二シースとの長手方向の長さの和よりも短い第一条件および、
前記第一伝達部の長手方向の長さが、前記第一シースと前記湾曲部との長手方向の長さの和よりも短い第二条件の二つの条件のうち、少なくとも一方の条件を満たす、
医療システム。 - 前記第一条件および前記第二条件をともに満たす、
請求項6に記載の医療システム。 - 前記湾曲部と前記第二伝達部との長手方向の長さの和は、前記シースの長手方向の長さよりも短い、
請求項6に記載の医療システム。 - 前記第一伝達部と前記第二伝達部の長手方向の長さの和は、前記シースの長手方向の長さよりも短い、
請求項6に記載の医療システム。 - 前記第一伝達部と前記第二伝達部とは、可撓性を有さない金属棒で形成されている、
請求項6に記載の医療システム。
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