JP6504095B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されて、略円柱状のインフレーターからの膨張用ガスを流入させて膨らむエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
従来、略円柱状のインフレーターを接続させるエアバッグとしては、エアバッグ本体と、エアバッグ本体内に配設される可撓性を有した整流シートとしてのインナチューブと、を備えたものがあった(例えば、特許文献1参照)。エアバッグ本体は、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、インフレーターからの膨張用ガスを本体膨張部へ流入させるように、インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備えていた。
一方、インナチューブは、可撓性を有したシート材を重ねた状態で外周縁を相互に縫合して、インフレーターの先端側を挿入させてインフレーターと接続される接続筒部と、接続筒部からエアバッグ本体の本体膨張部側に延びて、接続筒部を経て流入したインフレーターからの膨張用ガスを本体膨張部に向けて流出させる流出口を有した流出口部と、が形成されており、このインナチューブはエアバッグ本体の接続口部内に配設されていた。
特開2003−146174号公報
上記のように構成されたエアバッグ装置にあっては、インナチューブの接続筒部と流出口部とが交差する部分に屈曲部が形成される場合がある。このような屈曲部では、エアバッグ装置の作動時、即ちガス発生時に、膨張用ガスの圧力により球状に膨らもうとして部分的に高い応力が発生する。この時、特に屈曲部における外周縁縫合部、詳しくはインナチューブを構成するシート材を重ねた状態でそれらの外周縁を相互に縫合する外周縁縫合部において、応力集中が生じ易い。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、整流シートの接続筒部から流出口部に向かって屈曲する屈曲部における応力集中する箇所を好適に補強できる構造のエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、先端側から吐出する膨張用ガスを前記エアバッグに供給する略円柱状のインフレーターとを備えて構成されるとともに、
前記エアバッグが、エアバッグ本体と、該エアバッグ本体の内部に配設された整流シートと、を備え、
前記エアバッグ本体が、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部へ流入させるように、前記インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備え、
前記整流シートが、前記接続口部内に配設されるとともに、前記インフレーターの先端側を挿入させて前記インフレーターと接続される接続筒部と、該接続筒部を経て流入した前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部側に流出させる流出口を有した流出口部と、を備えたエアバッグ装置であって、
前記整流シートは、可撓性を有したシート材の正面側部と背面側部とを重ねた状態で、前記接続筒部と前記流出口部とを繋ぐ前記シート材の外周縁が、外周縁縫合部にて相互に縫合され、前記接続筒部及び該接続筒部から前記流出口部に向かって屈曲する屈曲部が形成されるとともに、
前記整流シートにおける前記屈曲部の内周側には、前記整流シートの前記外周縁縫合部にまで延びる当て布が配設されていて、
該当て布が、前記屈曲部よりも前記流出口部側の位置から前記接続筒部の上縁にまで延びる補強用縫合部により、前記整流シートと一体化されていることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグ装置では、作動時、インフレーターの先端側から吐出される膨張用ガスが、エアバッグ本体の接続口部の内部を経て、本体膨張部側に流れる。その際、整流シートの内部を流れる膨張用ガスにより、接続筒部から流出口部に向かって屈曲する屈曲部も膨張するが、本発明では屈曲部において当て布が整流シートと一体化されており、屈曲部の強度を向上させることができる。特に応力集中する屈曲部における外周縁の縫合部においても、当て布を縫合させて、厚さを増すように、一体化される状態に補強されているため、膨張用ガスの圧力によるダメージを受け難く、円滑に、流出口から、膨張用ガスを流出させることができる。
更に、本発明は、補強用縫合部を屈曲部よりも流出口部側の位置から、接続筒部の上縁にまで延ばしたことを特徴としている。本発明では、接続筒部の上縁にまで延びる補強用縫合部により、詳しくはその上端部により、接続筒部の周壁の部位においても整流シートへの当て布の一体化による補強がなされる。かかる上端部による一体化によっても、屈曲部の外周縁縫合部が受ける膨張時のダメージを抑制することができる。
ところで、接続筒部の上縁に到るまでの途中の位置に補強用縫合部の末端が存在すると、その部分には膨張用ガスによる応力集中が生じ易くなる。しかしながら本発明によれば、補強用縫合部を接続筒部の上縁にまで延ばしているため、接続筒部の上縁に到るまでの途中の位置に補強用縫合部の末端が存在せず補強用縫合部の末端に応力集中が生じるのを良好に防止することができる。
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、整流シートの屈曲部における応力集中する箇所を好適に補強することができる。
そして、本発明に係るエアバッグ装置では、前記補強用縫合部が、前記屈曲部の曲率の大きい側のコーナ部に接近して設けられ、且つ前記補強用縫合部の流出口部側が、前記コーナ部の前記外周縁縫製部に沿って延びていることが望ましい。
エアバッグ装置の作動時、屈曲部では、特に曲率の大きい側のコーナ部においてより大きな応力集中が生じやすい。一方、当て布による補強効果は、特に補強用縫合部の近傍領域で高くなることから、本発明では整流シートと当て布とを一体化するための補強用縫合部を、屈曲部の曲率の大きい側のコーナ部に接近して設け、且つ補強用縫合部の流出口部側を、コーナ部近傍の外周縁縫製部に沿って延すことで、応力集中が生じやすい曲率の大きい側のコーナ部を好適に補強することができる。
また、本発明では、前記当て布を一体のシート材で形成することができる。このような構成とすれば、整流シートに対して、1枚の当て布を配設するだけでよく、当て布の取り扱いや管理が容易となる。
一方、本発明では、当て布を別体で複数のシート材で形成することも可能である。整流シートを広げた展開状態で、補強対象となる屈曲部に該当するエリアが離間している場合には、当て布を別体のシート材で形成し、補強対象となるエリアにのみ当て布用のシート材を配設すれば、当て布用のシート材の材料コストを低減することができる。
また、本発明では、前記整流シートが、一枚の可撓性を有したシート材から形成されるとともに、前記流出口部側に折目を設けて二つ折りされて、重ねた外周縁相互を縫合されて、形成されていることが望ましい。
膨張用ガスは、整流シートの接続筒部を経て、整流シートの流出口部に流れ、そして流出口から流出する。その際、膨張用ガスは流出口部の折目の部位に当る。その部位は、上記のような構成とした場合、整流シートの正面側部と背面側部とを縫合して形成した部位ではなく、整流シートの正面側部と背面側部とが連続的に連なって形成された折目の部位となることから、屈曲部に加えて流出口部における整流シートの強度を向上させることができる。
尚、場合によっては前記整流シートを、別体で複数のシート材で形成することも可能である。
本発明に係る一実施形態の頭部保護エアバッグ装置を搭載した車両の車内側から見た正面図である。 図1に示すエアバッグの接続口部付近の拡大正面図である。 インフレーターを接続させた状態のエアバッグの概略縦断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 インフレーターを接続させた状態のエアバッグの概略横断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 同実施形態のエアバッグ装置に使用するエアバッグの正面図である。 同実施形態のエアバッグの構成部材を示す正面図である。 図5のエアバッグに使用する補強シートの第2カバー部を形成する工程を説明する図である。 図5のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図である。 図5のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図であり、図8の後の工程を示す。 図5のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図であり、図9の後の工程を示す。 図5のエアバッグに使用するインナチューブを形成する工程を説明する図である。 図5のエアバッグのインナチューブと補強シートとを組み付ける工程を説明する図である。 図5のエアバッグのインナチューブと補強シートとを組み付ける工程を説明する図であり、図12の後の工程を示す。 図5のエアバッグを製造する工程を説明する図である。 図5のエアバッグを製造する工程を説明する図であり、図14の後の工程を示す。 Aはエアバッグの本体側筒部が膨らんだ状態を示す概略横断面図であり、図2のXVI−XVI部位に対応する。Bはインナチューブの外周縁縫合部を示した図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のエアバッグ装置は、図1に示すように、頭部保護エアバッグ装置Sであり、頭部保護エアバッグ(カーテンエアバッグともいう、以下、単にエアバッグとする)30と、膨張用ガスを吐出するインフレーター20と、エアバッグカバー11と、取付ブラケット13と、を備えて構成されている。エアバッグ30は、車両Vの車内側における前席や後席の側方で前後に並設される窓(サイドウインド)W1,W2の上縁WU側において、フロントピラー部FPの下縁側から、中間ピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方まで、の範囲に、折り畳まれて収納されている。
インフレーター20は、図2〜4に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ30における膨張用ガスGを流入させるための後述する接続口部33に挿入されて、エアバッグ30と連結される。インフレーター20は、燃焼して膨張用ガスGを発生させる薬剤や点火装置等を内蔵して構成され、円柱状の本体部21と、本体部21の先端に設けられた小径の円柱状のガス吐出部22と、を備えて構成されている。ガス吐出部22には、複数のガス吐出口22aが配設されており、インフレーター20は、作動時、これらのガス吐出口22aから膨張用ガスGを吐出することとなる。
このインフレーター20は、本体部21の外周面21aの元部側に、本体部21を挟持するように取付ブラケット24(図1)が取り付けられ、取付ブラケット24がボルト26止めされることにより、中間ピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に対し、ルーフヘッドライニング5の下縁5aに覆われて、取付固定される(図1参照)。また、インフレーター20は、ガス吐出部22を含めた先端側20aから接続口部33の後述する挿入側筒部35内に挿入されて、挿入側筒部35を、接続手段としてのクランプ28により、インフレーター20側に挟持させるように押圧して、挿入側筒部35に接続される。
また、このインフレーター20は、車両Vの側面衝突や、オフセット衝突を含む斜め衝突を検知した所定の制御装置により、作動される。
各取付ブラケット13は、図1に示すように、取付ボルト14によって、エアバッグ30の後述する取付部60をインナパネル2に取付固定している。なお、各取付ボルト14は、インナパネル2におけるナット等を設けたねじ孔に、締結されている。
エアバッグカバー11は、図1に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4の下縁4a側と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5の下縁5a側と、から構成されている。
エアバッグ30は、図1,5に示すように、窓W1,W2を覆うように膨張するエアバッグ本体31と、エアバッグ本体31内に配設される可撓性を有した整流シートとしてのインナチューブ63と、耐熱性を向上させる可撓性を有した補強シート70と、を備えて構成される。
エアバッグ本体31は、インフレーター20からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆うように展開膨張する。このエアバッグ本体31は、図2〜5に示すように、膨張用ガスGを流入させて対向する正面側壁部としての車内側壁部32aと背面側壁部としての車外側壁部32bとを離すように膨張するガス流入部32と、車内側壁部32aと車外側壁部32bとを結合させたような状態として膨張用ガスGを流入させない非流入部45と、を備えて構成される。
ガス流入部32は、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆う本体膨張部37と、インフレーター20からの膨張用ガスGを本体膨張部37へ流入させるように、インフレーター20と接続される筒状の接続口部33と、を備えて構成される。
接続口部33は、本体膨張部37の前後方向の中央付近から上方に突出するように配設されている。そして、接続口部33は、本体膨張部37側から略直交して上方へ突出するようにして本体膨張部37と接続される本体側筒部34と、本体側筒部34の上端で、本体側筒部34から略直交して後方へ突出するように本体側筒部34に連なるとともに、後端の開口35cからインフレーター20を挿入させてインフレーター20と接続される挿入側筒部35と、を有するL字状として構成され、その屈曲された状態として、車両Vに搭載される。
また、本体膨張部37は、膨張完了時、窓W1の車内側を覆うように配設される前側膨張部39と、窓W2の車内側を覆うように配設される後側膨張部40と、エアバッグ本体31の上縁31a側で前後方向に沿って筒状に配設される供給路部38と、を備えて構成されている。供給路部38は、前後方向の中間部位で、接続口部33と接続されて、接続口部33からの膨張用ガスGを、インナチューブ63を利用しつつ、前側膨張部39と後側膨張部40とに供給する部位となる。
尚、このエアバッグ本体31では供給路部38の下縁側に、インナチューブ63の中間流出口65cから流出する膨張用ガスGを通過させる開口38aを備えている。そして、エアバッグ本体31の本体膨張部37は、前側膨張部39が、開口38aに連通する調圧室39bと、調圧室39bの前方の主室39aを備えて構成されている。このエアバッグ本体31では、前側膨張部39が、調圧室39bに膨張用ガスGを流入させることにより、膨張初期の主室39aの過度の圧力上昇を抑制できる。
更に、本実施形態の場合、エアバッグ本体31は、構成部材として、非流入部45の後述する取付部60と、接続口部33の車内側壁部32aや車外側壁部32bを構成する接続口部用布材52(図3,4,6,13参照)と、本体膨張部37の部位を構成して袋織りで形成される袋織り部47と、の三種類の部材から構成されている。袋織り部47は、ポリアミドやポリエステル等の糸から袋織りにより形成され、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部32aと車外側壁部32bとを分離させるように膨らむガス流入部32を構成する袋本体部48と、ガス流入部32の周囲に配置される閉じ部49と、を備えて構成されている。接続口部用布材52(52I,52O)や取付部60、さらに、補強シート70を形成するための補強用シート材90、インナチューブ63を形成するためのチューブ用シート材68は、可撓性を有したシート材、例えば、ポリアミド等の糸を平織りした布材等から形成されている。
非流入部45は、周縁部46と取付部60とから構成されている。周縁部46は、ガス流入部32の周囲を囲むように形成されて、エアバッグ本体31の上縁31a側に位置する上縁46aが、袋織りで形成される袋織り部47の閉じ部49と、接続口部用布材52等と一体的な縫合により形成されるバッグ形成用縫合部55と、から構成されている。
尚、閉じ部49は、エアバッグ本体31の上縁31a側に、上前閉じ部49aと上後閉じ部49bとを備え、両者の間に、開口部としての分断部位50を配設させている。分断部位50の周縁の車内側壁部32aと車外側壁部32bとには、図3,5,14に示すように、接続口部用布材52(52I,52O)の下縁側の延設部位52cが、それぞれ、連結縫合部57により、縫合されている。
接続口部用布材52I,52Oは、図3〜6,14に示すように、接続口部33の車内側壁部32aと車外側壁部32bとを形成するものであり、それぞれ、本体側筒部34を形成する本体側部52aと、挿入側筒部35を形成する挿入側部52bと、本体膨張部37側、換言すれば、分断部位50側に縫合される延設部位52cと、を備えている。
そして、分断部位50と接続口部33とにおける車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互は、バッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aと後縁側縫合部55bとにより、縫合されている。前縁側縫合部55aは、上前閉じ部49aから後方へ延び、分断部位50を経て、接続口部33の本体側筒部34の前縁34aから挿入側筒部35の上縁35aにおける車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互を縫合している(図5,15参照)。後縁側縫合部55bは、上後閉じ部49bから前方に延び、分断部位50を経て、接続口部33の本体側筒部34の後縁34bから挿入側筒部35の下縁35bの車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互を縫合している(図5,15参照)。
尚、本実施形態の場合、バッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aは、車内側壁部32aと車外側壁部32bと共にインナチューブ63と補強シート70も共縫い(同じ場所で縫合すること)し、後縁側縫合部55bは、同様に、車内側壁部32aと車外側壁部32bと共にインナチューブ63と補強シート70も縫合し、インナチューブ63と補強シート70の後述する縫合部75,85も共縫いしている。
取付部60は、図5に示すように、エアバッグ本体31の上縁31a側における周縁部46の上縁46aから上方へ突出するように、複数(本実施形態では6個)形成されている。各取付部60には、取付ボルト14を挿通させる取付孔60aが、形成されている。各取付部60には、既述したように、ボディ1側のインナパネル2に取り付けるための取付ブラケット13が固着され、そして、各取付孔60aを挿通する取付ボルト14がインナパネル2の各ねじ孔に締結されることにより、各取付部60が、インナパネル2に固定される。
前端の取付部60Fは、ポリアミド等の織布から形成された別体の布材からなり、エアバッグ本体31の袋織りで形成された周縁部46の前縁46cに対して、縫合されて形成されている。また、この取付部60Fは、フロントピラー部FPの下部付近に固定されて、エアバッグ30の膨張完了時、エアバッグ30の下縁31b側、具体的には、取付部60Fとフロントピラー部FPから離れた取付部60(60B、図1参照)とを結ぶライン上に、強い張力を発揮させ、エアバッグ30における乗員の室内側への拘束性を良好にするように、構成されている。なお、前方から二番目の取付部60Sは、取付部60Fの布材に縫合して配設されている。
整流シートとしてのインナチューブ63は、図2〜5に示すように、エアバッグ本体31の接続口部33内から接続口部33の近傍の供給路部38内に延びるように配設されている。すなわち、インナチューブ63は、接続口部33内に配設されるとともにインフレーター20の先端側20aを挿入させてインフレーター20と接続される接続筒部64と、接続筒部64からエアバッグ本体31の本体膨張部37側の供給路部38に延びて、端部側でインフレーター20からの膨張用ガスGを両側の流出口65a,65bから分岐させて流出させる流出口部65と、を備えている。接続筒部64の後端には、インフレーター20を挿入させる挿入口64aが開口され、流出口部65は、インナチューブ63の下縁63c側の前後両端に、前後方向で対向させるように、流出口65a,65bを開口させている。更にインナチューブ63は、流出口部65に、前後の流出口65a,65bの他に、エアバッグ本体31に対応して、折目68a側となる下縁63c側における前後の流出口65a,65b間の部位に、中間流出口65cを備えて構成されている。
このインナチューブ63は、図6,11に示すように、一枚の可撓性を有したチューブ用シート材68から形成されている。チューブ用シート材68は、既述したように、ポリアミド等の織布から形成されて、中央に前後方向に沿う折目68aを付けて折り重ね、挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除き、折り重ねた外周縁を縫合することにより、形成されている。即ち、インナチューブ63は、折目68aから、正面側部としての車内側部63aと背面側部としての車外側部63bとが上方に延び、挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除く車内側部63aと車外側部63bとの外周縁相互が縫合されることにより、形成されている。この際、図13で示すようにインナチューブ63は、接続筒部64と流出口部65とを繋ぐチューブ用シート材68の外周縁が、外周縁縫合部66a,66bにて相互に縫合され、接続筒部64及び接続筒部64から流出口部65に向かって屈曲する屈曲部67が形成される。
更にまた、インナチューブ63は、図3,4,11に示すように、内周側に、ポリアミド等の織布から成る当て布69が縫合され、耐熱性を高めるとともに、更に、膨張時の応力集中によるダメージを抑制できるように構成されている。即ち、当て布69が、インナチューブ63を形成するチューブ用シート材68におけるインナチューブ63の内周面側に、縫合糸95を利用した補強用縫合部69a,69b,69cにより、縫合されている。補強用縫合部69cは、中間流出口65cの周縁の縫合部位であり、補強用縫合部69a,69bは、チューブ用シート材68を折目68aで二つ折りして重ねた外周縁相互の縫合部66bに沿って、配設されている。即ち、縫合部66bは、インナチューブ63の接続筒部64から流出口部65に向かって屈曲する屈曲部67における曲率の大きい側のコーナ部67bの縫合部であり(図13参照)、補強用縫合部69a,69bは、コーナ部67bの縫合部66bの近傍で、コーナ部67bに沿って、即ち縫合部66bに沿って、チューブ用シート材68における二つ折りされた折目68aの両側の部位である車内側部63aと車外側部63bとに対して、当て布69を縫合している。なお、後述するように補強用縫合部69a,69bは、折目68aと直交するように直線状に延びる上端部69at,69btを有しており、その末端は接続筒部64の上縁64cに位置している。
このエアバッグ30では、図6に示すように、構成部材としての接続口部用布材52、チューブ用シート材68、当て布69、第1カバー部71を形成する第1カバー構成材91C、及び、第2カバー部81を形成する第2カバー構成材92Cは、それぞれ、可撓性を有したシート材、例えば、ポリアミド等の糸を平織りした布材等に、シリコーン樹脂等の耐熱性を高めるコーティング剤を塗布したコーティング層CLを設けて構成され、そして、コーティング層CL側の面を、膨張用ガスGに曝されたり、膨張用ガスG側に接近させて、配設される。尚、接続口部用布材52、チューブ用シート材68、当て布69、第1カバー部71を形成する第1カバー構成材91C、及び、第2カバー部81を形成する第2カバー構成材92Cには、縫合時の位置決め用の位置決め孔(図符号省略)が、周縁に、開口されている。
このエアバッグ30の製造について説明する。まず、補強シート70の製造工程を説明すると、図7のA,Bに示すように、第2カバー構成材92Cに折目92cを付けて、本体部92aの外周側に、積層用補強部92bを折り重ねて、ポリアミド等からなる縫合糸95を使用して、縫合部92dを設けて、補強部86を形成する。
その後、図8のA,Bに示すように、第2カバー構成材92Cを、第1カバー構成材91Cの内周側に配置し、縫合部78を設けて、第1カバー構成材91Cに縫合する。尚、この縫合部78は、第1カバー部71と第2カバー部81の車内側部73,83相互を縫合するように、略長方形の環状に形成され、極力、第2カバー部81の前縁81h側における軸方向側折目82の近傍から下縁81d側へ延びるように、配設されている。但し、第1カバー部71と第2カバー部81の車外側部74,84相互も、縫合部79(図10参照)により、縫合することから、補強シート70の厚さ寸法を小さくするように、縫合部78は、縫合部79と重ならないように、軸方向側折目82の近傍におけるガス流路部81bの上側半分のエリアに配設されている。
その後さらに、図8のB,図9のAに示すように、軸方向側折目82を付けて、第2カバー構成材92Cを二つ折りして第2カバー部81を形成し、さらに、図9のA,Bに示すように、交差方向側折目72を付けて、第1カバー構成材91Cを二つ折りして、第2カバー部81を内側に配置させた状態で、第1カバー部71を形成する。
なお、この第1カバー部71の交差方向側折目72は、インフレーター20の軸直交方向VDから開口部71c側に向かって拡開するような傾斜角度θ(図例では約30°)を設けて、傾斜するように、配設させている(図10参照)。
さらに、図9のB,図10のAに示すように、第1カバー部71と第2カバー部81との車内側部73,83を捲り、第1カバー部71と第2カバー部81の車外側部74,84相互を、縫合部79により、縫合する。この縫合部79は、略長方形の環状に形成され、極力、第2カバー部81の前縁81h側として、縫合部78と車内外方向で重ならないように、下縁81d側に配設されている。そして、図10のBに示すように、第1カバー部71と第2カバー部81とのずれを防止し、さらに、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74とのずれを防止するように、縫合糸95を使用して、縫合部75,85を縫合すれば、補強シート70が形成される。そして、この補強シート70は、交差方向側折目72と軸方向側折目82とが連なるように、重ねて配設されている。
なお、本実施形態では、縫合部75,85は、第1カバー部71と第2カバー部81との車内側部73,83と車外側部74,84とを共縫いして形成されており、異なる符号を付しているものの、同じ縫合部位である。
このように形成した補強シート70は、図10のBに示すように、後端側にインフレーター20の先端側20aを前方側に向けて挿入可能な挿入口70eを配設させた筒状の挿入部70dと、前縁70a側の下縁側に、膨張用ガスGを流出させる放出口70gを配設させた放出部70fが形成されることとなる(図2〜4参照)。放出部70fは、インフレーター20のガス吐出部22のガス吐出口22aから吐出される膨張用ガスGを受け止めて、放出口70g、換言すれば、第1カバー部71と第2カバー部81との開口部71c,81cから放出することとなる。そして、放出部70fの部位が、第1カバー部71と第2カバー部81とのガス流路部71b,81bにより構成されている。
このように形成した補強シート70は、図12,13に示すように、折り畳む前のチューブ用シート材68の上に載せ、折目68aで折り、重ねた車内側部63aと車外側部63bとの挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除く所定の外周縁相互を、縫合糸95を使用して縫合する。すなわち、インナチューブ63の前縁側の流出口65aと挿入口64aとの間の外周縁の縫合部66aと、後縁側の挿入口64aと流出口65bとの間の外周縁の縫合部66bとを形成すれば、インナチューブ63が形成される。これにより接続筒部64と流出口部65との間には接続筒部64から流出口部65に向かって屈曲する屈曲部67が形成される。この実施形態では曲率の小さいコーナ部67aに縫合部66aが配設され、屈曲部67における曲率の大きいコーナ部67bに縫合部66bが配設されている。そして縫合部66bでは、接続筒部64の挿入口64a側の後縁64bと、流出口部65の接続筒部64より後方側の上縁65dと、を略L字状に縫合する。
なお、エアバッグ30の場合、縫合部66aは、補強シート70と共縫いしていないが、縫合部66bは、部分的に、補強シート70を共縫いしている。そのため、縫合部66a,66bにより、インナチューブ63の形状が形成されるとともに、縫合部66bにより、補強シート70もインナチューブ63に締結されて、補強シート70を設けたインナチューブ63、換言すれば、補強シート組付体97、が形成されることとなる。
また、折目68aで二つ折りする前のチューブ用シート材68には、図11のA,Bに示すように、内周側に、当て布69が縫合されている。当て布69は、インナチューブ63の接続筒部64の前側と、流出口部65における流出口65a,65bの周縁を除いた中央部位とに配設され、且つ屈曲部67における外周縁の縫合部66a,66bの位置にまで延びている(図12参照)。そして、縫合糸95による補強用縫合部69a,69b,69cによって、当て布69は、チューブ用シート材68の内周側に縫合される。
補強用縫合部69aは、図11,13に示すように、インナチューブ63のコーナ部67bの縫合部66bの近傍において、その下端部69abが縫合部66bに沿うように、インナチューブ63の車内側部63aに、当て布69を縫合する部位である。補強用縫合部69bは、インナチューブ63のコーナ部67bの縫合部66bの近傍において、その下端部69bbが縫合部66bに沿うように、インナチューブ63の車外側部63bに、当て布69を縫合する部位である。なお、補強用縫合部69a,69bにおける相互に離れる端部(上端)69at,69bt側は、図11のBに示すように、折目68aと直交するように直線状に延びている。
また、補強用縫合部69cは、中間流出口65cの周縁で、当て布69をチューブ用シート材68に縫合する部位としている。
その後、エアバッグ本体31に、インナチューブ63に補強シート70を設けた補強シート組付体97を組み付ける際には、エアバッグ本体31では図14のA,Bに示すように、予め、袋織り部47の分断部位50の車内側壁部32aと車外側壁部32bとに、接続口部用布材52I,52Oとを、縫合糸95を使用する連結縫合部57を設けて、縫合しておく。ついで、図15のA,Bに示すように、開いた接続口部用布材52I,52Oの間に、補強シート組付体97を配置する。そして、縫合糸95を使用するバッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aと後縁側縫合部55bとを設けて、接続口部用布材52I,52O、補強シート70、及び、インナチューブ63、を共縫いすれば、接続口部33を形成できるとともに、接続口部33内に、インナチューブ63に補強シート70を設けた補強シート組付体97を、配設固定することができる。前縁側縫合部55aにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、インナチューブ63の補強シート70における軸方向側折目82より上方側の上縁70bの部位である(図2参照)。尚、補強用縫合部69a、69bの上端部69at、69btの末端は前縁側縫合部55aを超えて、前縁側縫合部55aよりも接続筒部64の上縁64c側に位置している。
後縁側縫合部55bにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、補強シート70の縫合部75,85の後方側に配設されて、インナチューブ63と補強シート70との挿入側筒部35の下縁側の部位である。換言すれば、前縁側縫合部55aは、交差方向側折目72や軸方向側折目82の部位を縫合していない。
なお、接続口部33では、補強シート70の挿入口70eから車内外方向で対向するように突出するベロ部88(88I,88O)の先端88a側を、折り返して、第2カバー部81の周囲に配置される第1カバー部71、インナチューブ63、及び、接続口部用布材52に設けられた貫通孔87を貫通して、インフレーター20の外周面21bに接触する第2カバー部81の部位に溶着させて、開口35cの周縁における接続口部33の挿入側筒部35の外周面側に取り付けておく(図2,4参照)。
ついで、取付部60を所定部位に縫合すれば、エアバッグ30を形成することができる。
その後、下縁31b側を上縁31a側に接近させるようにエアバッグ30を折り畳んで、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないテープを巻き付けるとともに、取付部60に取付ブラケット13(図1参照)を取り付け、接続口部33の挿入側筒部35の開口35c側から、インナチューブ63の接続筒部64内の補強シート70の挿入部70d内に、挿入口70eを経て、インフレーター20の先端側20aを挿入し、クランプ28を挿入側筒部35の外周側からインフレーター20側に押圧するように締結して、インフレーター20を挿入側筒部35に接続させれば、エアバッグ組付体99を組み立てることができる。
そして、このように組み立てたエアバッグ組付体99は、図1に示すように、取付ブラケット13を組み付けた各取付部60を、ボディ1側のインナパネル2の対応する取付部位に配置させ、各取付孔60aに挿通させる等して、取付ボルト14をねじ孔に締結し、さらに、取付ブラケット24をボルト26止めし、インフレーター20をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体99をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター20に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、中間ピラーガーニッシュ7やリヤピラーガーニッシュ8をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Sを、車両Vに搭載することができる。
このようなエアバッグ30を使用したエアバッグ装置Sでは、つぎのような作用・効果を得ることができる。
すなわち、このエアバッグ30では、図11〜13に示すようにインナチューブ63が、可撓性を有したチューブ用シート材68の正面側部としての車内側部63aと背面側部としての車外側部63bとを重ねた状態で、少なくとも接続筒部64と流出口部65とを繋ぐシート材68の外周縁が縫合部66a,66bにて相互に縫合され、接続筒部64及び接続筒部64から流出口部65に向かって屈曲する屈曲部67が形成されている。
そしてインナチューブ63における屈曲部67の内周側には、インナチューブ63の外周縁の縫合部66a,66bにまで延びる当て布69が配設されて構成されている。そして、このエアバッグ30では、当て布69が、屈曲部67よりも流出口部65側の位置から接続筒部64の上縁64cにまで延びる補強用縫合部69a,69bにより、インナチューブ63と一体化され、インナチューブ63の屈曲部67が補強されている。
エアバッグ30では、作動時、インフレーター20の先端側20aから吐出される膨張用ガスGは、エアバッグ本体31の接続口部33の内部を経て、本体膨張部37側に流れる。その際、図16のAに示すように、エアバッグ本体31の接続口部33内周側で、かつ、補強シート70の外周側において、インナチューブ63の内部を流れる膨張用ガスGにより、屈曲部67は球状になろうと膨張する。この際、膨張用ガスGの圧力による生じる引張り力Tにより、外周縁縫合部66a,66bで応力集中が生じる。特に外周縁縫合部66a,66bの中でも、図16のBで示すように、インナチューブ63が球状になろうと膨張した際の、その球面と接する外周縁縫合部66a,66bの特定部位66az,66bzで応力集中が生じ易い。
しかしながら本実施形態によれば、屈曲部67の内周側に配設された当て布69が補強用縫合部69a,69bによってインナチューブ63と一体化されており、外周縁縫合部66a,66bのそれぞれにおいても当て布69を縫合させて、厚さを増すように、一体化されて補強されているため、縫合部66a及び66bは、共に膨張用ガスGの圧力によるダメージを受け難く、円滑に、流出口65a,65b,65cから、膨張用ガスを流出させることができる。
また、エアバッグ30では、屈曲部67よりも流出口部65側の位置から、接続筒部64の上縁64cにまで延びる補強用縫合部69a,69bにて、当て布69がインナチューブ63と一体化されている。即ち、エアバッグ30では、接続筒部64の上縁64c側まで延びる上端部69at,69btを備えている。そのためエアバッグ30では、補強用縫合部の上端部69at,69btによる接続筒部64の周壁の部位におけるシート材68への当て布69の一体化によりインナチューブ63が補強される。かかる上端部69at,69btによる一体化によっても、屈曲部67における縫合部66a,66bが受ける膨張時のダメージを抑制することができる。
また、接続筒部64の上縁64cに到るまでの途中の位置に補強用縫合部69a,69bの末端が存在する場合には、その部分に膨張用ガスGによる応力集中が生じ易くなるが、このエアバッグ30では、補強用縫合部69a,69bを接続筒部64の上縁64cにまで延ばしているため、接続筒部64の上縁64cに到るまでの途中の位置に補強用縫合部69a,69bの末端が存在せず、補強用縫合部69a,69bの末端に応力集中が生じるのを良好に防止することができる。
なお、本実施形態では図11のB等で示すように補強用縫合部69a,69bにおける上端部69at,69btを、折目68aと直交する方向の上下方向に向けて延ばしているが、これに限定するものではなく、例えば上端部69at,69btの末端が本実施形態のものよりも図中左側(本体側筒部34の前縁34a側)に位置するように上端部69at,69btを斜め上方向に延ばすことも可能である。
更に、このエアバッグ30では、補強用縫合部69a,69bが、屈曲部67の曲率の大きい側のコーナ部67bに接近して設けられ、且つ補強用縫合部69a,69bの流出口部65側の下端部69ab,69bbが、コーナ部67bの外周縁縫合部66bに沿って延びている。
エアバッグ装置の作動時、屈曲部67では、特に曲率の大きい側のコーナ部67bにおいてより大きな応力集中が生じやすい。一方、当て布69による補強効果は、特に補強用縫合部69a,69bの近傍領域で高くなることから、このエアバッグ30のようにインナチューブ63と当て布69とを一体化するための補強用縫合部69a,69bを、屈曲部67の曲率の大きい側のコーナ部67bに接近して設け、且つ補強用縫合部69a,69bの流出口部65側を、コーナ部67bに配設された縫合部66bに沿って延すことで、応力集中が生じやすい曲率の大きい側のコーナ部67bの外周縁縫合部66bを好適に補強することができる。
なお、本例の場合、補強用縫合部69a,69bは、接続筒部64から流出口部65におけるインナチューブ63の外周縁縫合部66a,66bの内、曲率の大きなコーナ部67b側の外周縁縫合部66bの近傍に配設されているが、他方の外周縁縫合部66a側で膨張時のダメージが生じやすい場合には、外周縁縫合部66aの近傍に、補強用縫合部を設けてもよい。
また、このエアバッグ30では、当て布69が、インナチューブ63の内周側で連なった一枚のシートから形成されている。即ち、チューブ用シート材68に対して一枚の当て布69を配設するだけでよく、当て布69の取り扱いや管理を容易なものとすることができる。
さらにこのエアバッグ30では、インナチューブ63を、一枚の可撓性を有したチューブ用シート材68から形成するとともに、流出口部65側に折目を設けて二つ折りして、重ねた外周縁を相互に縫合して、形成している。
このような構成によれば、膨張用ガスGが、インナチューブ63の接続筒部64を経て、インナチューブ63の流出口部65に流れ、そして流出口65a,65bから流出する際、流出口部65の折目の部位に当るが、その部位は、インナチューブ63の正面側部63aと背面側部63bとが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、インナチューブ63の正面側部63aと背面側部63bとを縫合して形成した部位ではないことから、屈曲部67に加えて流出口部65における強度を向上させることができる。但し、場合によってはインナチューブ63の正面側部63aと背面側部63bとを別体のシート材で構成し、折目68a側になる下端63c部分で正面側部63aと背面側部63bとを縫合してインナチューブを形成することも可能である。
図17は本発明の他の実施形態を示した図である。上記実施形態は当て布として一体のシート材を用いた例であったが、図17に示すように当て布を別体のシート材で構成することも可能である。図17のAで示すようにインナチューブ63を広げた展開状態で、補強対象の屈曲部67に該当するエリアは図中上方向と下方向とに離間しており、本例では当て布69Bとして別体のシート材69−1と69−2と69−3とを用いている。
そして図17のBに示すように、シート材69−1は車外側部63b側の屈曲部に該当するエリアに配設し、補強用縫合部69bでインナチューブ63と一体化する。またシート材69−2は車内側部63a側の屈曲部に該当するエリアに配設し、補強用縫合部69aでインナチューブ63と一体化する。更にシート材69−3は中間流出部65c周りに配設し補強用縫合部69cでインナチューブ63と一体化する。
本例のように当て布69Bを別体のシート材で構成し補強対象となるエリアにのみ当て布用のシート材を配設すれば、補強対象部位の補強を行ったうえで当て布用のシート材の材料コストを低減することができる。
図18は本発明の更に他の実施形態を示した図である。この例では、車内側部63aにてインナチューブ63と当て布69を一体に補強する補強用縫合部と、車外側部63bにてインナチューブ63と当て布69を一体に補強する補強用縫合部とを直線的に連続させて、補強用縫合部69hとしている。なお、中間流出部65c周りにおいて補強用縫合部69cでインナチューブ63と当て布69を一体に補強する点は他の実施形態と同じである。
本例の場合、コーナ部67bの外周縁縫合部66bの流出口部側において、補強用縫合部69hと縫合部66bとが離間することから、他の実施形態と比べコーナ部67b側での補強効果が小さくなるものの、補強用縫合部の加工工数の低減を図ることができる。
なお、実施形態では、頭部保護エアバッグ装置Sを例示したが、エアバッグの本体膨張部から接続口部が突出し、接続口部の内部に、屈曲部を備えた形態で整流シートが配設される構成であれば、本発明を実施することができ、例えば、カーテンエアバッグでなくとも、歩行者保護エアバッグ等に本発明を適用してもよい。
20…インフレーター、30…(カーテン)エアバッグ、31…エアバッグ本体、32a…(正面側壁部)車内側壁部、32b…(背面側壁部)車外側壁部、33…接続口部、34…本体側筒部、35…挿入側筒部、37,…本体膨張部、
63…(整流シート)インナチューブ、64…接続筒部、65…流出口部、65a,65b…流出口、65c…中間流出口、66a,66b…(屈曲部の)縫合部(外周縁縫合部)、67…屈曲部、67a,67b…コーナ部、68…チューブ用シート材、68a…折目、69,69B…当て布、69a,69b,69c,69h…補強用縫合部、
90,90A…補強用シート材、91,91A,91B…第1カバー構成部、
V…車両、G…膨張用ガス、S…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (6)

  1. 膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、先端側から吐出する膨張用ガスを前記エアバッグに供給する略円柱状のインフレーターとを備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグが、エアバッグ本体と、該エアバッグ本体の内部に配設された整流シートと、を備え、
    前記エアバッグ本体が、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部へ流入させるように、前記インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備え、
    前記整流シートが、前記接続口部内に配設されるとともに、前記インフレーターの先端側を挿入させて前記インフレーターと接続される接続筒部と、該接続筒部を経て流入した前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部側に流出させる流出口を有した流出口部と、を備えたエアバッグ装置であって、
    前記整流シートは、可撓性を有したシート材の正面側部と背面側部とを重ねた状態で、前記接続筒部と前記流出口部とを繋ぐ前記シート材の外周縁が、外周縁縫合部にて相互に縫合され、前記接続筒部及び該接続筒部から前記流出口部に向かって屈曲する屈曲部が形成されるとともに、
    前記整流シートにおける前記屈曲部の内周側には、前記整流シートの前記外周縁縫合部にまで延びる当て布が配設されていて、
    該当て布が、前記屈曲部よりも前記流出口部側の位置から前記接続筒部の上縁にまで延びる補強用縫合部により、前記整流シートと一体化されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記補強用縫合部が、前記屈曲部の曲率の大きい側のコーナ部に接近して設けられ、且つ前記補強用縫合部の流出口部側が、前記コーナ部の前記外周縁縫製部に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記当て布が、一枚のシート材から形成されていることを特徴とする請求項1,2の何れかに記載のエアバッグ装置。
  4. 前記当て布が、別体で複数のシート材から形成されていることを特徴とする請求項1,2の何れかに記載のエアバッグ装置。
  5. 前記整流シートが、一枚のシート材から形成されるとともに、前記流出口部側に折目を設けて二つ折りされて、重ねた外周縁相互を縫合されて、形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアバッグ装置。
  6. 前記整流シートが、別体で複数のシート材から形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアバッグ装置。
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