JP6503655B2 - 被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 - Google Patents

被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法に関する。
従来のインクジェット記録装置では、ヘッドが紙やフィルムに代表される記録媒体の幅方向に往復するシャトル方式が中心であるため、高速印刷によるスループットの向上が困難であった。そこで近年では、高速印刷に対応するために、記録媒体の幅全体を網羅するように複数のヘッドを並べて、一度に記録する1パス方式が提案されている。
しかし、1パス方式は高速化には有利ではあるが、隣接ドットを打滴する時間的間隔が短く、先に打滴されたインクが記録媒体に浸透する前に隣接ドットが打滴されるため、隣接ドットの合一(以下、打滴干渉と呼ぶ)が起こり、画質が低下してしまうという、ビーディングやブリードなどの問題が存在した。
また、インクジェット方式の印刷装置にて、フィルムやコート紙などの非浸透メディア・緩浸透メディアに印刷する場合、隣接するインクドットが流動・合一し、ビーディングやブリードという画像不良をもたらすという問題も存在する。これを解決する従来技術としては、上記メディアに予め先塗り剤を塗布し、インクの凝集性と定着性を高めることで対策する方法や、UV硬化型インクを使用する方法が既に知られている。
しかしながら、上述した印刷メディアに予め先塗り剤を塗布する方法では、インクの水分以外に先塗り剤の水分も蒸発・乾燥させる必要があり、より多くの乾燥時間や大型の乾燥装置が必要になる。また、サプライ品である先塗り剤や比較的高価なUV硬化型インクを使用する方法では、印刷コストを引き上げるという問題が存在した。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、コスト上昇を抑えつつ高画質な印刷物を製造することが可能な被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる被処理物改質装置は、被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷装置は、少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を有する印刷装置であって、前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷システムは、少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理装置と、前記プラズマ処理装置によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録装置と、を有する印刷システムであって、前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷物の製造方法は、少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を有する印刷装置であって、前記プラズマ処理手段は、前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極、および、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源を含む放電部とを含む印刷装置を用いた印刷物の製造方法であって、前記プラズマ処理手段で前記被処理物にプラズマ処理を実施する処理工程と、前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する調節工程と、前記記録手段で前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、コスト上昇を抑えつつ高画質な印刷物を製造することが可能な被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を実現することができる。
図1は、実施形態におけるインクのpH値とインクの粘度との関係の一例を示す図である。 図2は、実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例を示す概略図である。 図3は、実施形態にかかるプラズマ処理を施していない被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図4は、図3に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図5は、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図6は、図5に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図7は、実施形態にかかるプラズマエネルギー量と被処理物表面の濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。 図8は、メディアごとのプラズマエネルギー量と被処理物表面のpH値との関係の例を示す図である。 図9は、実施形態にかかる印刷装置(システム)の概略構成を示す模式図である。 図10は、実施形態にかかる印刷装置(システム)におけるプラズマ処理装置からインクジェット記録装置までの構成を抜粋して示す模式図である。 図11は、実施形態にかかるプラズマ処理装置の概略構成例を示す模式図である。 図12は、実施形態にかかる高周波高圧電源に対する電圧パルスの入力波形と出力波形との一例を示す図である。 図13は、プラズマ処理によって処理ムラが生じる場合の典型的な例を説明するための図である。 図14は、プラズマ処理によって生じる処理ムラを低減させる場合の典型的な例を説明するための図である。 図15は、実施形態の第1例にかかるプラズマ処理装置における放電部の概略構成を示す模式図である。 図16は、図15に示した第1例にかかる放電部の変形例を示す模式図である。 図17は、実施形態の第2例にかかるプラズマ処理装置における放電部の概略構成を示す模式図である。 図18は、2つの放電電極およびの電極間距離を変化させることで処理ムラを低減させる場合の典型的な例を説明するための図である。 図19は、先塗り処理を施した被処理物とプラズマ処理を施した被処理物とのインク付着量に対する画像(ドット)濃度の測定結果を示すグラフである。 図20は、プラズマ処理と先塗り処理とを併用したときの浸透し難い被処理物の粒状度を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
以下の実施形態では、被処理物(記録媒体または印刷メディアともいう)にインクが着弾した直後にインク顔料の分散を防止しつつ顔料を凝集させるために、被処理物表面を酸性化させる。酸性化する手段としては、プラズマ処理を例示する。
また、以下の実施形態では、プラズマ処理された被処理物表面の濡れ性、pH値の低下によるインク顔料の凝集性や浸透性をコントロールすることで、インクドット(以下、単にドットという)の真円度を向上させるとともに、ドットの合一を防止してドットの鮮鋭度や色域を拡げる。これにより、ビーディングやブリードといった画像不良を解決して、高品質な画像が形成された印刷物を得ることができる。また、被処理物上の顔料の凝集厚みを薄く均一にすることにより、インク液滴量を削減して、インク乾燥エネルギーの低減および印刷コストの低減を図ることも可能にする。
酸性化処理手段(工程)としてのプラズマ処理では、被処理物に大気中のプラズマ照射を行うことによって、被処理物表面の高分子を反応させ、親水性の官能基を形成する。詳細には、放電電極から放出された電子eが電界中で加速されて、大気中の原子や分子を励起・イオン化する。イオン化された原子や分子からも電子が放出され、高エネルギーの電子が増加し、その結果、ストリーマ放電(プラズマ)が発生する。このストリーマ放電による高エネルギーの電子によって、被処理物20(たとえばコート紙)表面の高分子結合(コート紙のコート層21は炭酸カルシウムとバインダとして澱粉で固められているが、その澱粉が高分子構造を有している)が切断され、気相中の酸素ラジカルOや水酸ラジカル(−OH)、オゾンOと再結合する。これらの処理をプラズマ処理と呼ぶ。これにより、被処理物の表面に水酸基やカルボキシル基等の極性官能基が形成される。その結果、印刷媒体の表面に親水性や酸性が付与される。なお、カルボキシル基の増加により、印刷媒体表面が酸性化(pH値の低下)する。
被処理物上で隣接したドットが、親水性が上がることにより濡れ拡がって合一することで、ドット間の混色が発生するのを防ぐためには、着色剤(例えば顔料や染料)をドット内で凝集させることや、ビヒクルが濡れ拡がるよりも早くビヒクルを乾燥させたり被処理物内へ浸透させたりすることが重要であることも分かった。そこで、実施形態では、インクジェット記録処理の前処理として、被処理物表面を酸性化する酸性化処理を実行する。
本説明における酸性化とは、インクに含まれる顔料が凝集するpH値まで印刷媒体表面のpH値を下げることを意味する。pH値を下げるとは、物体中の水素イオンH濃度を上昇させることである。被処理物表面に触れる前のインク中の顔料はマイナスに帯電し、ビヒクル中で顔料が分散している。図1に、インクのpH値とインクの粘度との関係の一例を示す。図1に示すように、インクは、そのpH値が低いほど、その粘度が上昇する。これは、インクの酸性度が高くなるほど、インクのビヒクル中でマイナスに帯電している顔料が電気的に中和され、その結果、顔料同士が凝集するためである。したがって、たとえば図1に示すグラフにおいてインクのpH値が必要な粘度と対応する値となるように印刷媒体表面のpH値を下げることで、インクの粘度を上昇させることが可能である。これは、インクが酸性である印刷媒体表面に付着した際、顔料が印刷媒体表面の水素イオンH+によって電気的に中和された結果、顔料同士が凝集するためである。それにより、隣接したドット間の混色を防止するとともに、顔料が印刷媒体の奥深く(さらには裏面まで)浸透するのを防止することが可能となる。ただし、必要な粘度と対応するpH値となるようにインクのpH値を下げるためには、印刷媒体表面のpH値を必要な粘度と対応するインクのpH値よりも低くしておく必要がある。
また、インクを必要な粘度とするためのpH値は、インクの特性によって異なる。すなわち、図1のインクAに示すように、比較的中性に近いpH値で顔料が凝集して粘度が上がるインクもあれば、インクAとは異なる特性を持つインクBに示すように、顔料を凝集させるためにインクAよりも低いpH値が必要なインクも存在する。
着色剤がドット内で凝集する挙動や、ビヒクルの乾燥速度や被処理物内への浸透速度は、ドットの大きさ(小滴、中滴、大滴)によって変わる液滴量や、被処理物の種類などによって異なる。そこで以下の実施形態では、プラズマ処理におけるプラズマエネルギー量を、被処理物の種類や印刷モード(液滴量)などに応じて最適な値に制御してもよい。
図2は、実施形態で採用される酸性化処理の概略を説明するための模式図である。図2に示すように、実施形態で採用される酸性化処理には、放電電極11と、カウンター電極14と、誘電体12と、高周波高圧電源15とを備えたプラズマ処理装置10が用いられる。プラズマ処理装置10において、誘電体12は、放電電極11とカウンター電極14との間に配置される。放電電極11およびカウンター電極14は、金属部分が露出した電極であってもよいし、絶縁ゴムやセラミックなどの誘電体または絶縁体で被覆された電極であってもよい。また、放電電極11とカウンター電極14との間に配置される誘電体12は、ポリイミド、シリコン、セラミック等の絶縁体であってよい。なお、プラズマ処理として、コロナ放電を採用した場合、誘電体12は省略されてもよい。ただし、たとえば誘電体バリア放電を採用した場合など、誘電体12を設けた方が好ましい場合もある。その場合、誘電体12の位置は、放電電極11側に近接または接触するように配置するよりも、カウンター電極14側に近接または接触するように配置した方が、沿面放電の領域が広がるため、よりプラズマ処理の効果を高めることが可能である。また、放電電極11およびカウンター電極14(もしくは誘電体12が設けられている側の電極はその誘電体12)は、2つの電極間を通過する被処理物20と接触する位置に配置されてもよいし、接触しない位置に配置されてもよい。
高周波高圧電源15は、放電電極11とカウンター電極14との間に高周波・高電圧のパルス電圧を印加する。このパルス電圧の電圧値は、たとえば約10kV(キロボルト)p−p程度である。また、その周波数は、たとえば約20kHz(キロヘルツ)とすることができる。このような高周波・高電圧のパルス電圧を2つの電極間に供給することで、放電電極11と誘電体12との間に大気圧非平衡プラズマ13が発生する。被処理物20は、大気圧非平衡プラズマ13の発生中に放電電極11と誘電体12との間を通過する。これにより、被処理物20の放電電極11側の表面がプラズマ処理される。
なお、図2に例示したプラズマ処理装置10では、回転型の放電電極11とベルトコンベア型の誘電体12とが採用されている。被処理物20は、回転する放電電極11と誘電体12との間で挟持搬送されることで、大気圧非平衡プラズマ13中を通過する。これにより、被処理物20の表面が大気圧非平衡プラズマ13に接触し、これに一様なプラズマ処理が施される。ただし、実施形態において採用されるプラズマ処理装置は、図2に示される構成に限られるものではない。たとえば、放電電極11が被処理物20と接触せずに近接している構成や、放電電極11がインクジェットヘッドと同じキャリッジに搭載された構成など、種々変形可能である。また、ベルトコンベア型の誘電体12に限らず、平板型の誘電体12を採用することも可能である。
ここで、図3〜図6を用いて、実施形態にかかるプラズマ処理を施した場合と施していない場合との印刷物の違いを説明する。図3は、実施形態にかかるプラズマ処理を施していない被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図4は、図3に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。図5は、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図6は、図5に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。なお、図3および図5に示す印刷物を得るにあたり、デスクトップ型のインクジェット記録装置を用いた。また、被処理物20には、コート層を備える一般的なコート紙を用いた。
実施形態にかかるプラズマ処理を施していないコート紙は、コート紙表面にあるコート層の濡れ性が悪い。そのため、プラズマ処理を施していないコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図3および図4に示すように、ドットの着弾時にコート紙の表面に付着したドットの形状(ビヒクルCT1の形状)が歪になる。また、ドットの乾燥が十分でない状態で近接ドットを形成すると、図3および図4に示すように、コート紙への近接ドットの着弾時にビヒクルCT1およびCT2同士が合一し、これによりドット間で顔料P1およびP2の移動(混色)が起き、その結果、ビーディング等による濃度ムラが生じてしまう場合がある。
一方、実施形態にかかるプラズマ処理を施したコート紙は、コート紙表面にあるコート層21の濡れ性が改善されている。そのため、プラズマ処理を施したコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図5に示すように、ビヒクルCT1がコート紙の表面に比較的平坦な真円状に広がる。これにより、図6のようにドットが平坦な形状となる。また、プラズマ処理で形成された極性官能基によってコート紙表面が酸性になるため、インク顔料が電気的に中和され、顔料P1が凝集してインクの粘性が上がる。これにより、図6のようにビヒクルCT1及びCT2が合一した場合にも、ドット間の顔料P1およびP2の移動(混色)が抑制される。さらに、コート層21内部にも極性官能基が生成されるため、ビヒクルCT1の浸透性が上がる。これにより比較的短時間で乾燥することが出来る。濡れ性向上により真円状に広がったドットが、浸透しながら凝集することにより、顔料P1が高さ方向に均等に凝集され、ビーディング等による濃度ムラの発生を抑えることが可能となる。なお、図4および図6は模式図であり、実際には図6の場合にも顔料は層になって凝集している。
このように、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物20では、プラズマ処理によって被処理物20の表面に親水性の官能基が生成されて濡れ性が改善される。また、プラズマ処理によって極性官能基が形成された結果、被処理物20表面が酸性になる。それらにより、着弾したインクが被処理物20表面で均一に拡がりつつ、マイナスに帯電した顔料が被処理物20表面で中和されることで凝集して粘性が上がり、結果的にドットが合一したとしても顔料の移動を抑制することが可能となる。また、被処理物20表面に形成されたコート層内部にも極性官能基が生成されることで、ビヒクルが速やかに被処理物20内部に浸透し、これにより乾燥時間を短縮することが出来る。つまり、濡れ性が上がることで真円状に広がったドットは、凝集によって顔料の移動が抑えられた状態で浸透することで、真円に近い形状を保つことが可能となる。
図7は、実施形態にかかるプラズマエネルギー量と被処理物表面の濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。図7では、被処理物20としてコート紙へ印刷した場合の表面特性(濡れ性、ビーディング、pH値、浸透性(吸液特性))がプラズマエネルギー量に依存してどのように変化するかが示されている。なお、図7に示す評価を得るにあたり、インクには、顔料が酸により凝集する特性の水性顔料インク(マイナスに帯電した顔料が分散されているアルカリ性インク)を使用した。
図7に示すように、コート紙表面の濡れ性は、プラズマエネルギー量が低い値(たとえば0.2J/cm程度以下)で急激に良くなり、それ以上エネルギーを増加させてもあまり改善はしない。一方、コート紙表面のpH値は、ある程度まではプラズマエネルギー量を高めることにより低下していく。ただし、プラズマエネルギー量がある値(たとえば4J/cm程度)を超えたところで飽和状態になる。また、浸透性(吸液特性)は、pHの低下が飽和したあたり(たとえば4J/cm程度)から急激に良くなっている。ただし、この現象は、インクに含まれている高分子成分に依存して異なる。
この結果として、浸透性(吸液特性)がよくなり始めて(例えば4J/cm2程度)からビーディング(粒状度)の値が非常に良い状態となっている。ここでのビーディング(粒状度)とは、画像のざらつき感を数値で表したものであり、濃度のばらつきを平均濃度の標準偏差で表したものである。図7では、2色以上のドットからなる色のベタ画像の濃度を複数サンプリングし、その濃度の標準偏差をビーディング(粒状度)として表している。このように実施形態にかかるプラズマ処理を施したコート紙に吐出されたインクが真円上に広がりかつ凝集しながら浸透するため、画像のビーディング(粒状度)が改善される。
上述したように、被処理物20表面の特性と画像品質との関係では、表面の濡れ性が向上することにより、ドットの真円度が向上している。この理由としては、プラズマ処理による表面粗さの増加および生成された親水性の極性官能基によって被処理物20表面の濡れ性が向上するとともにこれが均一化したことが考えられる。また、被処理物20表面のゴミや油分や炭酸カルシウムなどの撥水要因がプラズマ処理によって除外されることも1つの要因と考えられる。すなわち、被処理物20表面の濡れ性が向上しつつ被処理物20表面の不安定要因が取り除かれた結果、液滴が円周方向に均等に拡がり、ドットの真円度が向上すると考えられる。
また、被処理物20表面を酸性化(pHの低下)させることにより、インク顔料の凝集、浸透性の向上、ビヒクルのコート層内部への浸透などが生じる。これらにより、被処理物20表面の顔料濃度が上昇するため、ドットが合一したとしても、顔料の移動を抑えることが可能となり、その結果、顔料の混濁が抑制し、顔料を均一に被処理物20表面に沈降凝集させることが可能となる。ただし、顔料混濁の抑制効果は、インクの成分やインクの滴量に依存して異なる。たとえばインクの滴量が小滴の場合、大滴の場合に比べて、ドットの合一による顔料の混濁は発生し難い。それは、ビヒクル量が小滴の場合の方が、ビヒクルがより早く乾燥・浸透するためであり、少しのpH反応で顔料を凝集することができるためである。なお、プラズマ処理の効果は、被処理物20の種類や環境(湿度など)によって変動する。そこで、プラズマ処理におけるプラズマエネルギー量を、液滴の量や被処理物20の種類、環境などに応じて最適な値に制御してもよい。その結果、被処理物20の表面改質効率が向上し、さらなる省エネを達成することが可能な場合が存在する。
また、図8は、実施形態にかかるプラズマエネルギー量とpHとの関係を示すグラフである。通常、pHは溶液中で測定するのが一般的であるが、近年では、固体表面のpHの測定が可能である。その測定器としては、たとえば堀場製作所製のpHメーターB−211等が存在する。
図8において、実線はコート紙のpH値のプラズマエネルギー依存性を示し、点線はPETフィルムのpH値のプラズマエネルギー依存性を示す。図8に示すように、コート紙と比べてPETフィルムは、少ないプラズマエネルギー量で酸性化する。ただし、コート紙においても、酸性化する際のプラズマエネルギー量は3J/cm程度以下であった。そして、pH値が5以下となった被処理物20にアルカリ性の水性顔料インクを吐出するインクジェット処理装置で画像記録した場合、形成された画像のドットは真円に近い形状となった。また、ドットの合一による顔料の混濁もなく、にじみのない良好な画像が得られた(図5参照)。
つぎに、本発明の実施形態にかかる被処理物改質装置、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の吐出ヘッド(記録ヘッド、インクヘッド)を有する画像形成装置を説明するが、これらの吐出ヘッドに限定されない。すなわち、グリーン(G)、レッド(R)及びその他の色に対応する吐出ヘッドを更に有してもよいし、ブラック(K)のみの吐出ヘッドを有していてもよい。ここで、以後の説明において、K、C、M及びYは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの夫々に対応するものとする。
また、本実施形態では、被処理物として、ロール状に巻かれた連続紙(以下、ロール紙という)を用いるが、これに限定されものではなく、たとえばカット紙など、画像を形成できる記録媒体であればよい。そして、紙の場合その種類としては例えば、普通紙、上質紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙等を用いることができる。また、OHPシート、合成樹脂フィルム、金属薄膜及びその他表面にインク等で画像を形成することができるものも被処理物として用いることができる。紙がコート紙のような非浸透、緩浸透紙の場合、本発明はより効果を発する。ここで、ロール紙は、切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連続紙(連帳紙、連続帳票)であってよい。その場合、ロール紙におけるページ(頁)とは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域とする。
図9は、本実施形態にかかる印刷装置(システム)の概略構成を示す模式図である。図9に示すように、印刷装置(システム1)は、被処理物20(ロール紙)を搬送経路D1に沿って搬入(搬送)する搬入部30と、搬入された被処理物20に対して前処理としてのプラズマ処理を施すプラズマ処理装置100と、プラズマ処理された被処理物20の表面に画像を形成する画像形成装置40とを有する。これらの装置は、別の筐体で存在し全体でシステムを構成しても良いし、同じ筐体内に納められた印刷装置であっても良い。また、印刷システムとして構成される場合には、システムの全体または一部を制御する制御部は、何れかの装置に含まれていてもよいし、独立した別筐体に設けられてもよい。
プラズマ処理装置100とインクジェット記録装置170との間には、プラズマ処理などの前処理済の被処理物20のインクジェット記録装置170への送り量を調節するためのバッファ部80が設けられている。また、画像形成装置40は、プラズマ処理された被処理物20にインクジェット処理により画像を形成するインクジェット記録装置170を含む。画像形成装置40は、画像が形成された被処理物20を後処理する後処理部70をさらに含んでもよい。
なお、印刷装置(システム1)は、後処理された被処理物20を乾燥する乾燥部50と、画像形成された(場合によってはさらに後処理された)被処理物20を搬出する搬出部60とを有してもよい。また、印刷装置(システム1)は、被処理物20に対して前処理を施す前処理部として、プラズマ処理装置100の他に、被処理物20表面に高分子材料を含む先塗り剤と呼ばれる処理液を塗布する先塗り処理部(不図示)をさらに備えてもよい。さらに、プラズマ処理装置100と画像形成装置40との間には、プラズマ処理装置100による前処理後の被処理物20表面のpH値を検出するためのpH検出部180が設けられてもよい。
さらにまた、印刷装置(システム1)は、各部の動作を制御する制御部(不図示)を有する。この制御部は、たとえば印刷対象の画像データからラスタデータを生成する印刷制御装置に接続されてもよい。印刷制御装置は、印刷装置(システム)1の内部に設けられても、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した外部に設けられてもよい。
実施形態では、図9に示す印刷装置(システム)1において、上述したように、インクジェット記録処理の前に、被処理物の表面を酸性化する酸性化処理が実行される。この酸性化処理には、たとえば誘電体バリア放電を利用した大気圧非平衡プラズマ処理を採用することができる。大気圧非平衡プラズマによる酸性化処理は、電子温度が極めて高く、ガス温度が常温付近であるため、記録媒体などの被処理物に対するプラズマ処理方法として好ましい方法の1つである。
大気圧非平衡プラズマを広範囲に安定して発生させるには、ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電を採用した大気圧非平衡プラズマ処理を実行するとよい。ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電は、たとえば誘電体で被覆された電極間に交番する高電圧が印加することで得ることが可能である。
なお、大気圧非平衡プラズマを発生させる方法としては、上述したストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電以外にも、種々の方法を用いることができる。たとえば、電極間に誘電体等の絶縁物を挿入する誘電体バリア放電、細い金属ワイヤ等に著しい不平等電界を形成するコロナ放電、短パルス電圧を印加するパルス放電などを適用することが可能である。また、これらの方法を2つ以上組み合わせることも可能である。
つづいて、図9に示す印刷装置(システム)1におけるプラズマ処理装置100からインクジェット記録装置170までの構成を、図10に抜粋して示す。図10に示すように、印刷装置(システム)1は、被処理物20の表面をプラズマ処理するプラズマ処理装置100と、被処理物20表面のpH値を測定するpH検出部180と、被処理物20にインクジェット記録にて画像を形成するインクジェット記録装置170と、印刷装置(システム)1全体を制御する制御部160とを含む。また、印刷装置(システム)1は、被処理物20を搬送経路D1に沿って搬送するための搬送ローラ190を備える。搬送ローラ190は、たとえば制御部160からの制御にしたがって回転駆動することで、被処理物20を搬送経路D1に沿って搬送する。
プラズマ処理装置100は、図2に示す大気圧非平衡プラズマ処理装置10と同様に、放電電極110と、カウンター電極141と、高周波高圧電源150と、電極間に挟まれた誘電体ベルト121とを備える。ただし、図10では、放電電極110が5つの放電電極111〜115で構成され、これらの放電電極111〜115と誘電体ベルト121を挟んで対向する範囲全体にカウンター電極141が設けられている。また、高周波高圧電源150は、放電電極111〜115の数に応じて5つの高周波高圧電源151〜155より構成されている。
誘電体ベルト121には、被処理物20を搬送する用途を兼ねるために、無端のベルトが用いられるとよい。そこで、プラズマ処理装置100は、誘電体ベルト121を巡回させて被処理物20を搬送するための回転ローラ122をさらに備える。回転ローラ122は、制御部160からの指示に基づいて回転駆動することで、誘電体ベルト121を巡回させる。これにより、被処理物20が搬送経路D1にそって搬送される。
制御部160は、高周波高圧電源151〜155を個別にオン/オフすることが可能である。また、制御部160は、各高周波高圧電源151〜155が各放電電極111〜115へ供給する高周波・高電圧パルスのパルス強度を調整することもできる。
pH検出部180は、プラズマ処理装置100および先塗り装置(不図示)よりも下流に配置され、プラズマ処理装置100および/または先塗り装置による前処理(酸性化処理)が施された被処理物20表面のpH値を検出して制御部160に入力してもよい。これに対し、制御部160は、pH検出部180から入力されたpH値に基づいてプラズマ処理装置100および/または先塗り装置(不図示)をフィードバック制御することで、前処理後の被処理物20表面のpH値を調整してもよい。
なお、プラズマ処理に要したプラズマエネルギー量は、たとえば各高周波高圧電源151〜155から各放電電極111〜115へ供給した高周波・高電圧パルスの電圧値および印加時間と、その際に被処理物20に流れた電流とから求めることができる。なお、プラズマ処理に要したプラズマエネルギー量は、放電電極111〜115ごとではなく、放電電極110全体でのエネルギー量として制御されてよい。
被処理物20は、プラズマ処理装置100においてプラズマが発生している最中に放電電極110と誘電体ベルト121との間を通過することでプラズマ処理が施される。それにより、被処理物20表面のバインダ樹脂の鎖が破壊され、さらに気相中の酸素ラジカルやオゾンが高分子と再結合することで、被処理物20表面に極性官能基が生成される。その結果、被処理物20表面に親水性および酸性化が付与される。なお、本例ではプラズマ処理を大気中で行っているが、窒素や希ガス等のガス雰囲気中で実施してもよい。
また、複数の放電電極111〜115を備えることは、被処理物20の表面を均一に酸性化する点においても有効である。すなわち、たとえば同じ搬送速度(または印刷速度)とした場合、1つの放電電極で酸性化処理を行う場合よりも複数の放電電極で酸性化処理を行う場合の方が被処理物20がプラズマの空間を通過する時間を長くすることが可能となる。その結果、より均一に被処理物20の表面に酸性化処理を施すことが可能となる。
インクジェット記録装置170は、インクジェットヘッドを備える。インクジェットヘッドは、たとえば印刷速度の高速化のために、複数の同色ヘッド(たとえば4色×4ヘッド)を備えている。また、高速で高解像度(たとえば1200dpi)の画像形成を達成するために、各色のヘッドのインク吐出ノズルは、間隔を補正するようにずらして固定されている。さらに、インクジェットヘッドは、各ノズルから吐出されるインクのドット(液滴)が大/中/小滴と呼ばれる3種類の容量に対応するように、複数の駆動周波数で駆動可能となっている。
インクジェットヘッド171は、被処理物20の搬送経路上においてプラズマ処理装置100よりも下流に配置される。インクジェット記録装置170は、制御部160からの制御のもと、プラズマ処理装置100による前処理(酸性化処理)が施された被処理物20に対してインクを吐出することで画像形成を行う。
図10に示すように、インクジェット記録装置170のインクジェットヘッドとしては、複数の同色ヘッド(4色×4ヘッド)を備えてもよい。これにより、インクジェット記録処理の高速化が可能になる。その際、たとえば高速で1200dpiの解像度を達成するためには、インクジェットヘッドにおける各色のヘッドは、インクを吐出するノズルとノズルとの間隔を補正するようにずらして固定されている。さらに、各色のヘッドには、そのノズルから吐出されるインクのドットが大/中/小滴と呼ばれる3種類の容量に対応するように、いくつかのバリエーションを持った駆動周波数の駆動パルスが入力される。
また、複数の放電電極111〜115を備えることは、被処理物20の表面を均一にプラズマ処理する点においても有効である。すなわち、たとえば同じ搬送速度(または印刷速度)とした場合、1つの放電電極でプラズマ処理を行う場合よりも複数の放電電極でプラズマ処理を行う場合の方が被処理物20がプラズマの空間を通過する時間を長くすることが可能となる。その結果、より均一に被処理物20の表面にプラズマ処理を施すことが可能となる。
つづいて、図10におけるプラズマ処理装置100の放電動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、簡略化のため、放電電極110の本数を2本とする。また、各放電電極111および112は、共通の高周波高圧電源150を使用するものとする。
図11は、本説明に用いるプラズマ処理装置の概略構成例を示す模式図である。図11に示すように、放電電極111および112は、金属部分が露出した電極であってもよいし、金属部分が絶縁ゴムやセラミックなどの誘電体や絶縁体等で被覆されていてもよい。なお、本説明では、放電電極111および112は、ローラ状の断面形状を有し、被処理物20に対して接触することで被処理物20の搬送に合わせて回転する構成を有している。しかしながら、このような構成に限られるものではない。たとえば放電電極111および112が被処理物20から数ミリ程度離間した構成であってもよい。その場合、放電電極111および112の断面形状は、ワイヤーのような細長な形状であってもよいし、カウンター電極141に向かって先細りするような略三角形のブレード状の断面形状であってもよい。
高周波高圧電源150は、交流電源から入力された交流電圧(入力波形)を昇圧・整流することで、各放電電極111および112に印加する高周波・高電圧のパルス(出力波形AおよびB)を生成する。図12は、高周波高圧電源に対する電圧パルスの入力波形と出力波形との一例を示す図である。図12(a)に示すように、高周波高圧電源150には、正弦波の交流波形であるAC電圧波形が入力波形として入力される。高周波高圧電源150は、図12(b)に示すように、入力された入力波形をトランス等で昇圧し、整流回路等により正の電圧波形に変換した後、出力波形として出力する。たとえば、入力波形の周波数が50Hzの場合、出力波形の周期は1/(50×2)=0.01sとなる。この出力波形の周期は、プラズマ処理において処理ムラを発生させる要因となり得る。そこで本実施形態では、この処理ムラの発生を低減するように、各放電電極110に与える出力波形の位相を制御する。なお、以下の説明では、各放電電極111および112に入力する出力波形AおよびBを、それぞれ印加電圧波形AおよびBという。また、プラズマ処理による処理ムラとは、被処理物20の表面に対して与えられたプラズマエネルギー量が位置に応じて異なることによって生じたムラである。したがって、本実施形態では、処理ムラが、たとえば被処理物20表面におけるpH値のムラとして現れる。また、この処理ムラは、たとえば印加電圧波形の周期と一致する周期を持っている。
図13は、プラズマ処理によって処理ムラが生じる場合の典型的な例を説明するための図である。なお、図13では、被処理物20表面上の位置を基準とし、(a)〜(c)においてその位置を合わせている。また、図13(a)〜(c)では、横軸は、被処理物表面上の位置を示す。また、図13(a)および(b)では、縦軸が被処理物表面に対して与えられたプラズマエネルギー量(PE)を示し、図13(c)では、横軸が被処理物表面に対して与えられたトータルのプラズマエネルギー量(トータルPE)を示す。
図13に示すように、被処理物20は、搬送経路D1に沿って図面中右側から左側へ搬送される。そこで、まず、搬送中の被処理物20に対して、放電電極111を用いてプラズマ処理が施される。それにより、被処理物20表面には、図13(a)に示すように、印加電圧波形A(図11参照)に応じたプラズマエネルギー量が与えられる。
つぎに、同じく搬送中の被処理物20に対して、放電電極112を用いてプラズマ処理が施される。それにより、被処理物20表面には、図13(b)に示すように、印加電圧波形B(図11参照)に応じたプラズマエネルギー量が与えられる。したがって、被処理物20表面には、図13(a)に示すプラズマエネルギー量と図13(b)に示すプラズマエネルギー量とを合算したトータルのプラズマエネルギー量が与えられる。
その際、たとえば被処理物20表面に対して、印加電圧波形Aの位相と印加電圧波形Bの位相とが一致している場合、図13(c)に示すように、印加電圧波形Aのピークと印加電圧波形Bのピークとが一致する。その結果、放電電極111および112の両方でプラズマ処理された範囲では、被処理物20表面に与えられたトータルのプラズマエネルギー量に印加電圧波形の周期と一致する周期のムラが発生する。このような処理ムラは、親水性の良好な部分と不良な部分とを発生させるため、形成される画像の品質を低下させる要因となる。
一方、図14は、プラズマ処理によって生じる処理ムラを低減させる場合の典型的な例を説明するための図である。なお、図14では、図13と同様に、被処理物20表面上の位置を基準とし、(a)〜(c)においてその位置を合わせている。また、図14(a)〜(c)では横軸が被処理物表面上の位置を示し、図14(a)および(b)では縦軸が被処理物表面に対して与えられたプラズマエネルギー量(PE)を示し、図14(c)では横軸が被処理物表面に対して与えられたトータルのプラズマエネルギー量(トータルPE)を示す。
図14に示すように、まず、搬送経路D1に沿って図面中右側から左側へ搬送されている被処理物20の表面に対し、図14(a)に示すように、印加電圧波形A(図11参照)に応じたプラズマエネルギー量が与えられる。つづいて、同じく搬送中の被処理物20表面に対して、図14(b)に示すように、印加電圧波形B(図11参照)に応じたプラズマエネルギー量が与えられる。その際、たとえば印加電圧波形Aの位相と印加電圧波形Bの位相とが半周期ずれた位相である場合、図14(c)に示すように、印加電圧波形Aと印加電圧波形Bとを合算した波形は、一定出力の波形となる。これにより、被処理物20表面に対して一定のプラズマエネルギー量を与えられることが可能となるため、処理ムラを低減し、親水性の良好な部分と不良な部分との発生を低減することができる。その結果、形成される画像の品質を向上することが可能となる。
以下の表1は、使用電極本数を2本とした場合の処理ムラの周期と処理ムラ低減のためにずらす波形周期(以下、位相調整量という)とを示す表である。表1に示すように、AC入力周波数fが50Hzの場合、入力波形の周期1/fは0.02秒となる。このとき、出力波形の周期1/(f×2)は0.01秒となり、これが発生する処理のムラの周期になる。
放電電極110間の距離d(図11参照)を考慮しない場合、位相調整量は1/Nで表されることから、使用電極本数Nが2のとき、ずらす波形周期は0.5になる。すなわち、2本の放電電極110に印加する印加電圧波形の周期を0.5周期ずらすことで、処理ムラを低減することができる。なお、使用電極本数Nは、当然ながら2本に限られるものではない。使用電極本数をより多くすることで、被処理物20に対して実施するプラズマ処理の回数が増えて処理効果が増加するため、処理ムラをより低減できるなどの効果を得られる。
また、以下の表2は、プラズマ処理の処理条件を変化させた場合の位相調整量を示す表である。表2に示すように、処理条件には、被処理物20の搬送速度[mm/s]、上流側の放電電極111によって発生する処理ムラのピッチ[mm]、および、2つの放電電極111および112の電極間距離[mm]などが含まれる。これらの条件から、表2に示すように、被処理物20の同一点が放電電極111から放電電極112まで移動するために必要な電極間移動時間[s]、上流側の放電電極111から下流側の放電電極112までに被処理物20表面に形成された処理ムラの周期数[周期]、被処理物20の同一点が通過する際に各放電電極111および112に入力される印加電圧波形AおよびBのずれ(ずれている波形周期)[周期]、および、処理ムラを最も低減するために必要な位相調整量の程度が求まり、最終的に、処理ムラを最も低減するために必要な位相調整量[周期]が求まる。
入力波形のAC入力周波数をf[Hz]、被処理物20の搬送速度をV[mm/s]、2つの放電電極111および112の電極間距離をB[mm]としたとき、電極間に入る処理ムラの周期数X[周期]は、以下の式(1)で表される。
X=(B×f×2)/V[周期] …(1)
たとえば、表1および表2中の条件(01)のように、AC入力周波数を50[Hz]、搬送速度を200[mm/s]、電極間距離を6[mm]とした場合、電極間に入る処理ムラの周期数X[周期]は、上記式(1)から3.0周期と求まる。
この場合、Xは整数であり、小数部Xsが0.0であることから、放電電極111と放電電極112とに波形周期のずれがない。そのため、図13で例示したように、被処理物20表面に処理ムラが発生する。そこで、図14で例示したように処理ムラを低減するためには、一方の放電電極111または112に入力する印加電圧波形AまたはBの位相を0.5周期(=1/N−Xs)ずらす必要がある。すなわち、条件(01)での位相調整量Y[周期]は、0.5周期となる。表2には、条件(02)〜(06)に対して同様の方法で求まる位相調整量Y[周期]についても例示されている。
なお、表2において、条件(01)、(02)および(05)は、2つの放電電極111および112に入力される印加電圧波形AおよびBにずれがないため、発生する処理ムラが大きい。一方、条件(04)および(06)は印加電圧波形AまたはBのずれが若干あることから、発生する処理ムラが小さく、また、条件(03)は印加電圧波形AまたはBのずれがちょうど0.5周期であることから、処理ムラが発生しない。
つづいて、各放電電極111および112に入力する印加電圧波形の位相をずらすための構成について、図面を用いて詳細に説明する。各放電電極111および112に入力する印加電圧波形の位相をずらすための構成としては、たとえばそれぞれの放電電極111および112に対する電圧波形の印加タイミングをずらす方法や、2つの放電電極111および112の電極間距離を変化させる方法など、種々の方法が考えられる。以下では、それぞれの放電電極111および112に対する電圧波形の印加タイミングをずらす方法を第1例とし、2つの放電電極111および112の電極間距離を変化させる方法を第2例として説明する。
(第1例)
図15は、第1例にかかるプラズマ処理装置における放電部の概略構成を示す模式図である。なお、図15では、放電電極110を2本とし、説明に必要な構成を抜粋して示す。
図15に示すように、第1例にかかる放電部の高周波高圧電源150では、放電電極111および112それぞれに対して1つずつ、高周波高圧電源(副放電電源)151および152が設けられている。制御部160は、各副放電電源151および152が出力波形AまたはBを出力するタイミングをずらすことで、発生する処理ムラを低減させる。なお、位相調整量Yは、上述において表1および表2を用いて説明した方法で算出されてよい。
また、図16は、図15に示した第1例にかかる放電部の変形例を示す模式図である。図16に示すように、各放電電極111および112に印加電圧波形が入力するタイミングをずらす構成としては、1つの高周波高圧電源151から出力された出力波形を配電部252を介して各放電電極111および112へ入力する構成であってもよい。その場合、制御部160は、一方の放電電極111または112に入力する出力波形AまたはBを遅延させるように配電部252を制御することで、発生する処理ムラを低減させる。なお、位相調整量Yは、上述において表1および表2を用いて説明した方法で算出されてよい。
(第2例)
図17は、第2例にかかるプラズマ処理装置における放電部の概略構成を示す模式図である。なお、図17では、放電電極110を2本とし、説明に必要な構成を抜粋して示す。
図17に示すように、第2例にかかる放電部は、放電電極111を搬送経路D1に沿って移動させる移動機構として、搬送経路D1に沿って延在するガイドアーム311と、ガイドアーム311に沿って移動可能な保持アーム321と、ガイドアーム311を駆動することで保持アーム321を搬送経路D1に沿って移動させる駆動部301とを有する。また、放電部は、放電電極112を搬送経路D1に沿って移動させる移動機構として、搬送経路D1に沿ってガイドアーム311と平行な方向に延在するガイドアーム312と、ガイドアーム312に沿って移動可能な保持アーム322と、ガイドアーム312を駆動することで保持アーム322を搬送経路D1に沿って移動させる駆動部302とを有する。
ガイドアーム311および312は、たとえば螺旋状の溝が形成されたネジ部材であってもよい。その場合、先端に放電電極111または112が取り付けられた保持アーム321または322は、ガイドアーム311または312の回転に応じて姿勢を維持しつつ搬送経路D1に沿って移動するように、ガイドアーム311または312に取り付けられる。制御部160は、駆動部301または302を駆動してガイドアーム311または312を回転させることで、放電電極111および112の電極間距離を調節する。
図18は、2つの放電電極111および112の電極間距離を変化させることで処理ムラを低減させる場合の典型的な例を説明するための図である。なお、図18では、被処理物20表面上の位置を基準とし、(a)〜(c)においてその位置を合わせている。また、図18(a)〜(c)では横軸が被処理物表面上の位置を示し、図18(a)および(b)では縦軸が被処理物表面に対して与えられたプラズマエネルギー量(PE)を示し、図18(c)では横軸が被処理物表面に対して与えられたトータルのプラズマエネルギー量(トータルPE)を示す。
図18(a)および(b)に示すように、たとえば印加電圧波形Aの位相と印加電圧波形Bの位相が一致し板状態から放電電極111の位置を搬送経路D1に沿って半周期分移動させることで、印加電圧波形Aの位相と印加電圧波形Bの位相を半周期ずらすことができる。その結果、図18(c)に示すように、印加電圧波形Aと印加電圧波形Bとを合算した波形が一定出力の波形となり、これにより、被処理物20表面に対して一定のプラズマエネルギー量を与えられることが可能となる。なお、移動させる放電電極は、放電電極111に限られず、放電電極111および112のうち少なくとも一方の位置を搬送経路D1に沿って移動すればよい。
また、表3は、電極間距離を変化させる場合のプラズマ処理の処理条件と位相調整量との対応を示す表である。なお、表3では、入力波形のAC入力周波数およびタイミングと、被処理物20の搬送速度とを一定としている。
表1および表3に示す条件(11)〜(16)から分かるように、AC入力周波数を50[Hz]、搬送速度を200[mm/s]とし、各放電電極111および112に入力する印加電圧波形AおよびBの位相を合わせた場合、処理ムラを最も低減させるためには、条件(16)に示すように、電極間距離を7.0[mm]にする必要がある。そこで第2例では、制御部160が駆動部301および/または302を駆動することで、2つの放電電極111および112の電極間距離を7.0[mm]にする。これにより、プラズマ処理によって発生する処理ムラを低減し、インクジェット記録装置170によって形成される画像の品質を向上することが可能となる。
また、表4は、被処理物の搬送速度に応じた最適な電極間距離の一例を示す表である。表4の条件(21)〜(26)に示すように、最適な電極間距離は、被処理物20の搬送速度の増加に応じて増加するのではない。すなわち、最適な電極間距離は、処理ムラの低減以外にも、放電電極110同士の影響やプラズマ処理装置100の大型化の回避などを考慮して決定されることが望ましい。
また、図19に、先塗り処理を施した被処理物とプラズマ処理を施した被処理物とのインク付着量に対する画像(ドット)濃度の測定結果を示す。なお、図19では、被処理物20として普通紙を用い、インクとして黒色のインクを用いた。図19に示すように、被処理物20として普通紙を用いた場合、プラズマ処理が施された普通紙のドット濃度は、前処理が何も施されていない普通紙(以下、未処理の普通紙という)に比べて全体的に高めであるものの、先塗り処理が施された普通紙と比較すると、その飽和濃度が低かった。
また、濃度平衡状態になる前のドット濃度(中間調濃度)は、プラズマ処理の方が先塗り処理よりも効率的に上昇している。これは、中間調のドットを形成する場合、同じドット濃度を得るためのインク付着量は、先塗り処理が施された普通紙よりもプラズマ処理が施された普通紙の方が少なくて済むことを示している。具体的には、プラズマ処理が施された普通紙では、未処理の普通紙と比較してインク付着量を1%〜18%低減でき、また、先塗り処理が施された普通紙と比較して15%〜29%低減できた。
プラズマ処理が施された普通紙での飽和濃度が先塗り処理が施された普通紙の飽和濃度よりも低くなる理由としては、先塗り処理が施された普通紙では、セット効果によってドット濃度が高くなるためであると考えられる。すなわち、プラズマ処理を施した普通紙では着弾したドットが広がるため、同じ付着量でも広がった分顔料が分散してピーク濃度が落ちるが、先塗り処理を施した普通紙ではドットが広がり難いため、その分飽和濃度が高くなると考えられる。
以上の結果から、浸透し難い被処理物と浸透し易い被処理物とでは、プラズマ処理と先塗り処理とでそれぞれ異なった効果が得られた。このことから、印刷システムとしてプラズマ処理と先塗り処理とを併用することで、被処理物20の画像形成に対する対応能力を向上させることが可能であることがわかる。また、プラズマ処理と先塗り処理との併用は、たとえば、プラズマエネルギー量をプラズマ処理単体の1/20程度、塗布量を先塗り処理単体の約3/5程度に減らすことを可能にする。このことは、低消費エネルギーおよび低塗布量で高画質の印刷物を得られることを意味する。さらに、高いドット濃度を得ることが可能であるため、付着させるインク量を減らすことが可能となる。その結果、印刷コストの更なる削減が可能となる。
さらにまた、図19に示す結果からは、浸透し難い被処理物にはプラズマ処理が効果的に作用し、浸透し易い被処理物には先塗り処理が効果的に作用していることが判る。これは、被処理物の性状に応じてプラズマ処理と先塗り処理との実施条件を適宜調整することで、被処理物に対して最適な前処理を実現することが可能であることを示している。
図20は、プラズマ処理と先塗り処理とを併用したときの浸透し難い被処理物の粒状度を示すグラフである。図20に示すグラフでは、粒状度が低い値ほど良好な画像であることを示している。なお、図20において、破線は、プラズマエネルギー量を0J/cmとした場合(すなわち、プラズマ処理を施さなかった場合)の先塗り処理における処理液の塗布量に対する結果を示し、実線は、プラズマエネルギー量を0.14J/cmとした場合(すなわち、プラズマ処理と先塗り処理とを併用した場合)の先塗り処理における処理液の塗布量に対する結果を示している。図20に示すように、たとえば粒状度0.5以下を達成するためには、先塗り処理のみでは約0.2mg/cmの塗布量が必要であるのに対し、プラズマ処理との併用では約0.1mg/cmと、およそ半分の塗布量で済むことがわかる。
なお、図20から導き出した上記最適化制御は、被処理物に対するものである。画像の最適化を考えると、実際に印刷して得られた印刷物に基づき最適化制御を行うことがより好ましい。たとえば印刷装置(システム)1に反射濃度計を組み込み、被処理物に対してプラズマ処理のエネルギーや先塗り処理の塗布量を連続的に変化させ、基準となる印刷パターンをインクジェット記録装置170で印刷し、得られた印刷物の印刷濃度を反射濃度計で測定する。そして、最も高い印刷濃度を得た処理条件を最適条件としてこれを維持するように最適化制御を実行しつつ、インクジェット記録を行う。これにより、短時間で測定や処理条件の変更等が行えるため、印刷処理のスループットを向上することが可能となる。また、反射濃度計から取り込んだ濃度情報に基づき特定された最適条件をデータベースとして蓄積することも可能となる。
ただし、インクの成分や種類、被処理物の種類が変更された場合、最適条件も変化する可能性がある。その場合、最適条件をインクの成分や種類や被処理物の種類に対応づけて蓄積および管理しておくことで、様々な条件に応じた最適化制御を実現することが可能となる。
さらに、プラズマ処理前に例えば被処理物の電気抵抗を測定して被処理物の厚さや性状をある程度特定しておいた上で、上記の検討を行って最適条件を導き出すことも容易に考えられる。
さらにまた、被処理物がカット紙である場合、プラズマ処理装置100の排出部と先塗り処理装置の排出部とにそれぞれセンサを設けて各処理の状態を把握し、必要に応じて別の搬送経路を経て再処理を行うように構成してもよい。その場合、制御部160は、センサからの情報に基づきプラズマ処理装置100および先塗り処理装置の処理条件をそれぞれフィードバック制御またはフィードフォワード制御してもよい。
以上のように、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理は、プラズマ処理にかかるエネルギーを減らしつつ印刷装置(システム1)の小型化が可能になるとともに、先塗り処理による塗布量を減らしつつ処理液やビヒクルの乾燥時間および乾燥エネルギーを減らすことが可能になる。また、インクの使用量を減らすことも可能になる。さらに、プラズマ処理と先塗り処理との併用処理を実施してインクジェット記録した場合、ドットを真円に近い形状とすることができるとともに、ドットが合一しても顔料が混ざることを防止できるため、にじみの発生の少ない、良好な画像を得ることが可能となる。ただし、上記したようにプラズマ処理のみでビーディングやブリードの少ない良好な画像を作成することも出来るため、条件によっては先塗り処理との併用は行わなくても問題はない。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 印刷装置(システム)
10 大気圧非平衡プラズマ処理装置
11、110、111〜115 放電電極
12、121 誘電体ベルト
13 大気圧非平衡プラズマ
14、141 接地電極
15、150、151〜155 高周波高圧電源
20 被処理物
30 搬入部
40 画像形成装置
50 乾燥部
60 搬出部
70 後処理部
80 バッファ部
100 プラズマ処理装置
122 回転ローラ
160 制御部
170 インクジェット記録部
171 インクジェットヘッド
180 pH検出部
190 搬送ローラ
D1 搬送経路
252 配電部
301、302 駆動部
311、312 ガイドアーム
321、322 保持アーム
特開2008−132446号公報 特開2003−311940号公報

Claims (8)

  1. 被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、
    前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする被処理物改質装置。
  2. 前記電源は、前記複数の放電電極に対して同一周期の前記電圧波形を印加し、
    前記制御部は、前記電圧波形の1周期を前記複数の放電電極の数で除算した周期分、前記1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相が前記他の1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相に対してずれるように前記放電部を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の被処理物改質装置。
  3. 前記制御部は、前記1つの放電電極に印加する前記電圧波形の位相と、前記他の1つの放電電極に印加する前記電圧波形の位相とのうち少なくとも1つを制御することで、前記1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相が前記他の1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相に対してずれるように前記放電部を制御することを特徴とする請求項1に記載の被処理物改質装置。
  4. 前記放電部は、前記複数の放電電極の電極間距離を調節する移動機構をさらに備え、
    前記制御部は、前記移動機構を駆動して前記1つの放電電極と前記他の1つの放電電極との電極間距離を調節することで、前記1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相が前記他の1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相に対してずれるように前記放電部を制御することを特徴とする請求項1に記載の被処理物改質装置。
  5. 前記制御部は、前記1つの放電電極と前記他の1つの放電電極との電極間距離と、前記搬送部による前記被処理物の搬送速度とに基づいて、前記1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相が前記他の1つの放電電極に印加する前記電圧波形の前記位相に対してずれるように前記放電部を制御することを特徴とする請求項1に記載の被処理物改質装置。
  6. 少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を有する印刷装置であって、
    前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、
    前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、
    を含むことを特徴とする印刷装置。
  7. 少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理装置と、前記プラズマ処理装置によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録装置と、を有する印刷システムであって、
    前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極と、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極と、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源とを含む放電部と、
    前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  8. 少なくとも被処理物にプラズマ処理を実施するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によりプラズマ処理された前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を有する印刷装置であって、前記プラズマ処理手段は、前記被処理物を搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路に沿って配列する複数の放電電極、前記複数の放電電極と前記搬送経路を挟んで対向配置されたカウンター電極、および、前記複数の放電電極それぞれに電圧波形を印加する電源を含む放電部とを含む印刷装置を用いた印刷物の製造方法であって、
    前記プラズマ処理手段で前記被処理物にプラズマ処理を実施する処理工程と、
    前記被処理物が、前記複数の放電電極のうちの1つと前記カウンター電極との間に、搬送されているタイミングで1つの放電電極で印加する第1の電圧波形および他の1つの放電電極に印加する第2の電圧波形において、前記1つの放電電極から前記複数の放電電極のうちの他の1つの放電電極に前記被処理物が移動する時間が経過した際の前記第1の電圧波形の位相と、前記第2の電圧波形の位相とがずれ、前記第1の電圧波形と前記第2の電圧波形とを合算することで、前記1つの放電電極および前記他の1つの放電電極の両方でプラズマ処理された範囲では、当該合算した波形が一定出力の波形となるように前記放電部を制御する調節工程と、
    前記記録手段で前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、
    を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
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