JP6503250B2 - 列車制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、地上装置と車上装置が無線ネットワークを介して接続された列車制御システムに関する。
特許文献1には、無線ネットワークによる無線式列車制御(CBTC:Communications-Based Train Control)システムが開示されている。このシステムは、地上装置、列車の走行路に沿って配置された沿線無線機、列車に搭載された車上装置、列車の前部に搭載された前部車上無線機、及び列車の後部に搭載された後部車上無線機を備える。そして、沿線無線機と車上無線機間、及び沿線無線機と後部車上無線機間の送受信によって得られた測距結果を、沿線無線機から地上装置に送信し、列車位置を判断する。
また、例えば特許文献2に記載されているように、隣接する沿線無線機同士が無線通信を行って情報を中継して伝達する伝搬(バケツリレー)型の無線ネットワークを構成するものも知られている。
特開2008−162548号公報 特開2007−124507号公報
ところで、伝搬(バケツリレー)型の無線ネットワークによるCBTCシステムは、同期型通信のため伝送遅延を正確に制御及び把握でき、定周期で列車を制御できる利点があるが、通信そのものは低速であり、地上装置と車上装置間の伝送に大きな遅延が生じる。しかも、専用の無線機が必要であり、地上装置や車上装置をそのシステム専用に論理構成するため、電波法の改正や海外用への仕様変更等には柔軟に対応できない。このため、例えば無線周波数の帯域変更を行うためにはシステム全体の見直しが必要になる。
そこで、鉄道の信号システムに比べて進化が著しいWi−FiやLTE(Long Term Evolution)等の汎用通信システムをCBTCに適用して高速化と柔軟性を向上することが考えられている。これらの通信システムを上記の伝搬(バケツリレー)型の無線ネットワークに適用することで、地上装置と車上装置間の伝送遅延が小さくなることが期待できる。また、沿線無線機を地上装置と有線接続した非伝搬型の無線ネットワークでは、伝送遅延をさらに小さくすることが期待できる。
しかしながら、例えばWi−Fiで使用されている規格の無線機は、全ての無線機が非同期で動き、且つベストエフォート型であるため、伝送遅延を正確に制御したり把握したりするのが難しい。また、複数の無線機から出力される電波が衝突してもう一度送信し直す際に、ランダムな待ち時間で再送信するため、伝送遅延にばらつきが生じる。このように、列車制御システムにおいて汎用の無線ネットワークを利用すると、定周期のデータの伝送や伝送時間(伝送遅延)を一定にする制御するのが難しく、信頼性や安全性が低下する虞がある。この課題は、伝搬(バケツリレー)型、非伝搬型両方の無線ネットワークに共通のものである。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、汎用の無線機器によるネットワークを利用することで柔軟性を持たせつつ、信頼性と安全性の低下を抑制できる列車制御システムを提供することにある。
本発明は、地上装置と車上装置が無線ネットワークを介して接続された列車制御システムであって、前記地上装置は、列車を制御する列車制御部と、前記地上装置と前記車上装置との間の前記無線ネットワークを介した通信を制御する通信制御部と、前記車上装置から送信され、前記無線ネットワークを介して前記地上装置へ伝送された列車の状態情報の、前記列車制御部への送信タイミングを制御する調停部とを備える、ことを特徴とする。
本発明の列車制御システムによれば、車上装置から無線ネットワークを介して伝送されたデータの列車制御部への送信タイミングを調停部で制御するので、無線ネットワークが非同期のベストエフォート型であっても伝送遅延を正確に制御及び把握できる。これによって、伝送遅延のばらつきを抑制、もしくは制御して同期型と同様な伝送ができ、信頼性と安全性の低下を抑制できる。また、汎用の無線ネットワークを利用することで低コスト化も図れる。更に、汎用の非同期型無線ネットワークを利用できることで、柔軟性のあるシステムを構築できる。しかも、地上装置は無線ネットワークの変更を意識することなく列車制御の処理を行うことができるので、電波法の改正や海外用への仕様変更等にも容易に対応できる。
本発明の実施形態に係る列車制御システムを示す概略構成図である。 図1における非同期型無線ネットワークの構成例を示す模式図である。 図1及び図2の地上装置における調停部の構成例を示すブロック図である。 CBTCシステムにおける列車のデータとデータ処理との関係を示す模式図である。 図1乃至図3に示した列車制御システムにおける、列車のデータ、地上装置の調停部の動作、及びデータ処理の関係を示す模式図である。 図3の制御情報通信処理部における地上装置からアクセスポイント方向の通信処理動作を示すフローチャートである。 図3の状態情報通信処理部におけるアクセスポイントから地上装置方向の通信処理動作を示すフローチャートである。 図3の制御情報通信処理部における地上装置からアクセスポイント方向の別の通信処理動作を示すフローチャートである。 図3の状態情報通信処理部におけるアクセスポイントから地上装置方向の別の通信処理動作を示すフローチャートである。 図7及び図9に示した列車制御動作において、データが衝突した場合のデータ伝送の制御動作について説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、列車制御システム1は、地上装置2と車上装置3とが非同期型の無線ネットワーク(Wi−Fi、LTE(Long Term Evolution)等)4を介して接続されて構成されている。地上装置2は列車制御部5、通信制御部6及び通信タイミング調停部(調停部)7を備え、車上装置3は論理部8を備えている。
地上装置2の列車制御部5は、例えば停止位置や制限速度等の列車制御情報を含むデータを列車に送信して制御するものである。この列車制御部5は、定周期でデータの伝送を行っており、各々のデータに伝送の時間軸上での処理周期を示すサイクル番号を付けている。通信制御部6は、地上装置2と車上装置3との間で無線ネットワーク4を介して通信するための制御を行う。
調停部7は、車上装置3から無線ネットワーク4を介して通信制御部6へ伝送されたデータの、列車制御部5への送信タイミングを制御する。すなわち、車上装置3から無線ネットワーク4を介して地上装置2に伝送された列車の状態情報を受信し、この状態情報を受信したタイミングを計測し、受信した状態情報を蓄積し、計測した受信タイミングと地上装置の列車制御部で指示されたタイミングとに基づいて、蓄積した状態情報の送信タイミングを制御し、通信制御部6を介して列車制御部5に伝送する。
この調停部7は、更に無線ネットワーク4から地上装置2へ伝送された無線ネットワーク4の状態情報の、列車制御部5への送信タイミングを制御する。
一方、車上装置3の論理部8は、地上装置2から無線ネットワーク4を介して受信した停止位置や制限速度等の列車制御情報に基づき列車の走行を制御し、また列車位置や速度等の状態情報を作成して無線ネットワーク4を介して地上装置2に送信する。
図2に示すように、非同期型の無線ネットワーク4は、線路11の沿線に配置され、ハブ(HUB)12を介して地上装置2と有線、例えばイーサネット(登録商標)で接続された複数のアクセスポイントAP1〜APnと、列車T1,T2の前方と後方の車両にそれぞれ搭載されるステーションSTA1,STA2,STA3,STA4とを含んでいる。そして、各アクセスポイントAP1〜APnと各々のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4のうち最も近いもの同士で無線による通信が行われる。
アクセスポイントAP1〜APnは、列車T1,T2の走行路に沿って配置され、ハブ12を介して地上装置2と有線で接続される親機(沿線無線機)である。ステーションSTA1,STA2,STA3,STA4は列車T1,T2に搭載される子機である。ここでは、ステーションSTA1,STA2は列車T1の前部と後部にそれぞれ搭載される車上無線機と後部車上無線機であり、ステーションSTA3,STA4は列車T2の前部と後部にそれぞれ搭載される前部車上無線機と後部車上無線機である。
調停部7は、図3に示すように列車制御部5からアクセスポイントAP1〜APnへの列車制御情報を処理する通信処理部(制御情報通信処理部)21と、アクセスポイントAP1〜APnから列車制御部5への列車状態情報を処理する通信処理部(状態情報通信処理部)22とを備えている。通信処理部21は、列車制御部5から送信された列車制御情報を含むデータを、通信制御部6を介して受信し、無線ネットワーク4を介して車上装置3に送信する。通信処理部22は、車上装置3から送信された列車T1,T2の状態情報(例えば列車位置や速度等)を含むデータを、無線ネットワーク4を介して受信し、列車制御部5が指示したタイミングで当該列車制御部5に送信する。
通信処理部21は、列車制御部5が送信する列車制御情報を含むデータを通信制御部6から受信する受信部(制御情報受信部)23と、この受信部23で受信した列車制御情報を含むデータを、無線ネットワーク4を介して車上装置3に送信する送信部(制御情報送信部)24とを備える。列車制御情報を含むデータは、ハブ12を介してアクセスポイントAP1〜APnから無線で送信され、列車T1,T2のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4で受信される。
通信処理部22は、受信部(状態情報受信部)25、バッファ部26、受信タイミング計測部27、送信部(状態情報送信部)28、及び送信タイミング制御部29等を備えている。受信部25は、車上装置3の論理部8が送信する列車T1,T2の状態情報を含むデータ、例えば線路上での自列車の位置を示す情報を、無線ネットワーク4を介して受信する。すなわち、列車T1,T2の状態情報を含むデータをステーションSTA1,STA2,STA3,STA4から無線で送信し、これを付近のアクセスポイントAP1〜APnで受信し、ハブ12を介して地上装置2に伝送する。
バッファ部26は、この受信部25で受信した列車の状態情報を含むデータを蓄積する。受信タイミング計測部27は、受信部23で受信した列車制御情報を含むデータの受信タイミングと、受信部25で受信した列車の状態情報を含むデータの受信タイミングをそれぞれ計測する。送信部28は、バッファ部26に蓄積された列車の状態情報を含むデータを通信制御部6に送信する。
送信タイミング制御部29は、この送信部28を制御し、受信タイミング計測部27で計測した受信タイミングと列車制御部5とで指示されたタイミングとに基づいて、バッファ部26に蓄積された列車の状態情報を含むデータを通信制御部6に送信させる。送信部28から送信された列車の状態情報を含むデータは、通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される。
次に、上述した列車制御システムの概略的な動作について説明する。従来の伝搬(バケツリレー)型の無線ネットワークによるCBTCシステムは同期型通信であるので、上り方向と下り方向とで別々に定周期で伝送を行っている。全ての無線機の上り方向と下り方向、及び送信と受信の動作スケジューリングは厳密に定義されている。従って、伝送にかかる時間を正確に制御することができ、図4に示すように、列車T1,T2,T3,…のデータが無線ネットワーク4により送信されると、地上装置2の通信制御部6に所定の伝送遅延を持ってそのまま順次伝送され、列車制御部5で列車T1,T2,T3,…の順にデータ処理が行われる。
これに対し、本実施形態の列車制御システムは非同期型通信であり、汎用無線、例えばIEEE802.11準拠の無線機を使用した無線ネットワーク4である。図5に示すように、列車T1,T2,T3,…のデータは、この順番とは限らず、ランダムに無線ネットワーク4により送信される。そこで、無線ネットワーク4と地上装置2の通信制御部6との間に介在された調停部7により、列車T1,T2,T3,…から伝送されたデータの列車制御部5への送信タイミングを制御して調整する。
これによって、汎用無線ネットワークにおける伝送時間のばらつきを抑制し、地上装置2が定周期で列車制御処理を実行できる。例えば破線20で囲んで示すように、無線ネットワークにデータが列車T3、列車T2の順に伝送されても、調停部7で送信タイミングを制御して列車T2、列車T3の順に送信する。これによって、通信制御部6に列車T1,T2,T3,…の順にデータが伝送され、列車制御部5で列車T1,T2,T3,…の順にデータ処理が行われる。
上述した列車制御システムにおける列車制御方法は、概略次のようなものである。すなわち、列車の地上装置と車上装置とを無線ネットワークで接続して列車を制御する方法であって、車上装置から無線ネットワークを介して地上装置に伝送された列車の状態情報を含むデータを受信し、データを受信したタイミングを計測し、データを蓄積し、計測したタイミングと前記地上装置の列車制御部で指示されたタイミングとに基づいて、蓄積したデータの送信タイミングを制御して該列車制御部に伝送する、ことを特徴とする。
この列車制御方法では、データを受信したタイミングと地上装置の列車制御部で指示されたタイミングとに基づいて、蓄積したデータの送信タイミングを制御して列車制御部に伝送するので、無線ネットワークが非同期のベストエフォート型であっても伝送遅延を正確に制御及び把握できる。従って、汎用の無線ネットワークを利用しても信頼性と安全性の低下を抑制でき、且つ仕様変更等に対して柔軟性を持たせることができる。
次に、図6及び図7のフローチャートにより、この列車制御方法について詳しく説明する。図6は、地上装置2からアクセスポイントAP1〜APn方向(下り方向)への通信処理手順を示している。まず、列車制御部5から送信されたデータ(列車制御情報)を、受信部23で受信したか否かを判定し(ステップS1)、受信したと判定するとデータの受信を行う(ステップS2)。受信していない場合には、受信するまで待機する。
受信部23でデータを受信すると、このデータを送信部24に伝送する(ステップS3)。また、列車T1,T2,T3,…からアクセスポイントAP1〜APnを経由して地上装置2の方向(上り方向)に各列車T1,T2,T3,…の状態情報を返送するための、列車制御部5が指示するサイクル番号を受信部23で読み取って送信タイミング制御部29に渡す(ステップS4)。更に、受信タイミング計測部27のタイマをスタートさせて受信タイミングの計測を開始する(ステップS5)。更に、受信したデータ内で指示される返送タイミングを送信部24に記憶する(ステップS6)。
送信部24は、指示された返送タイミングになると、ハブ12を介してアクセスポイントAP1〜APnにデータ(列車制御情報)を送信する(ステップS7)。そして、列車T1,T2のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4の直ぐ近くのアクセスポイントAP1〜APnとの間で無線通信が行われる。受信したステーションSTA1,STA2,STA3,STA4の車上装置3に列車制御情報が伝送され、列車の停止位置や制限速度等が制御される。
図7は、アクセスポイントAP1〜APnから地上装置2方向(上り方向)への通信処理手順を示している。まず、アクセスポイントAP1〜APnのいずれかからハブ12を介して受信部25でデータ(列車の状態情報等)を受信したか否かを判定し(ステップS11)、受信したと判定するとデータの受信を行う(ステップS12)。受信していない場合には、受信するまで待機する。
次に、受信タイミング計測部27が、列車制御部5からアクセスポイントAP1〜APnへのデータを受信したタイミング、及びそのデータに対応するアクセスポイントAP1〜APnから列車制御部5への返送データを受信したタイミングを計測し(タイマウォッチ)、列車制御部5からアクセスポイントAP1〜APnへの通信を受信してからアクセスポイントAP1〜APnから列車制御部5への通信を受信するまでの遅延を算出する(ステップS13)。
次に、指示されたサイクル番号でデータを返送するタイミングを過ぎているか否か判定し(ステップS14)、過ぎていないと判定された場合には、受信部25で受信したデータをバッファ部26に引き渡し、このバッファ部26でデータを一時蓄積する(ステップS15)。そして、指示された返送タイミングになったか否かを送信部28で判定し(ステップS16)、返送タイミングになるとバッファ部26に蓄積しておいたデータを、通信制御部6を介して列車制御部5へ送信する(ステップS17)。ステップS17で返送タイミングになっていないと判定されると、返送タイミングになるまで待機する。
一方、ステップS14でデータを返送するタイミングを過ぎていると判定された場合には、受信部25で受信したデータをバッファ部26に引き渡し、送信部28から通信制御部6を介して列車制御部5へデータを送信する。この際、今回の伝送遅延を列車制御部5に通知する(ステップS18)。以降は、列車制御部5は、通知された伝送遅延を考慮して返送タイミングを指示する。
列車制御部5では、受信した列車の状態情報、例えば列車位置や速度等に基づいて、列車制御情報を生成し、次のサイクルで通信処理部21から無線ネットワーク4を介して車上装置3に送信する。
このように、受信したデータをバッファリングし、一定周期で地上装置2の通信制御部6に送信することで、伝送遅延を正確に制御及び把握でき、伝送遅延のばらつきを抑制できる。
通常であれば、地上装置2からアクセスポイントAP1〜APn方向への通信で、返送サイクル番号を指示されてから、実際に返送するまでには、列車T1,T2,T3,…との間で通信を行うために必要な時間が確保される。しかし、汎用無線ネットワークの特徴により、列車T1,T2,T3,…との通信の伝送遅延が大きくなり、指示された返送サイクルに間に合わない可能性がある。そのような場合のために、受信タイミング計測部27で計測した受信タイミングから伝送遅延を算出しておき、返送サイクルに間に合わないような大きな遅延が発生した場合は、地上装置2(列車制御部5)に最大遅延を通知する。
以降、地上装置2は、最大遅延を想定した返送サイクル番号を指示することで、処理周期中にデータが輻輳することなく、定周期の列車制御処理を行うことができる。
なお、別の通信処理方法として、地上装置2からの返送指示にはよらず、調停部7が測定した遅延を考慮してアクセスポイントAP1〜APnから地上装置2への送信タイミングを決定することも可能である。図8及び図9のフローチャートはそれぞれ、本発明の実施形態に係る別の列車制御方法を示している。図8は、地上装置2からアクセスポイントAP1〜APn方向(下り方向)への通信処理手順を示している。まず、列車制御部5から送信されたデータ(列車制御情報)を、受信部23で受信したか否かを判定し(ステップS21)、受信したと判定するとデータの受信を行う(ステップS22)。受信していない場合には、受信するまで待機する。
受信部23でデータを受信すると、このデータを送信部24に伝送する(ステップS23)。また、列車T1,T2,T3,…からアクセスポイントAP1〜APnを経由して地上装置2の方向(上り方向)に各列車T1,T2,T3,…の状態情報を返送するための、列車制御部5が指示するサイクル番号を受信部23で読み取って送信タイミング制御部29に渡す(ステップS24)。更に、受信タイミング計測部27のタイマをスタートさせて受信タイミングの計測を開始する(ステップS25)。
送信部24は、指示された返送タイミングになると、ハブ12を介してアクセスポイントAP1〜APnにデータ(列車制御情報)を送信する(ステップS26)。そして、列車のステーションSTA1,STA2,STA3,STA4の直ぐ近くのアクセスポイントAP1〜APnとの間で無線通信が行われる。受信したステーションSTA1,STA2,STA3,STA4の車上装置3に列車制御情報が伝送され、列車の停止位置や制限速度等が制御される。
図9は、アクセスポイントAP1〜APnから地上装置2方向(上り方向)への通信処理手順を示している。まず、アクセスポイントAP1〜APnのいずれかからハブ12を介して受信部25でデータ(列車の状態情報等)を受信したか否かを判定し(ステップS31)、受信したと判定するとデータの受信を行う(ステップS32)。受信していない場合には、受信するまで待機する。
次に、受信タイミング計測部27が、列車制御部5からアクセスポイントAP1〜APnへのデータを受信したタイミング、及びそのデータに対応するアクセスポイントAP1〜APnから列車制御部5への返送データを受信したタイミングを計測し(タイマウォッチ)、列車制御部5からアクセスポイントAP1〜APnへの通信を受信してからアクセスポイントAP1〜APnから列車制御部5への通信を受信するまでの遅延を算出する(ステップS33)。
次に、今回の遅延が過去の遅延最大値よりも大きいか否か判定し(ステップS34)、大きくないと判定された場合には、受信部25で受信したデータをバッファ部26に引き渡し、このバッファ部26でデータを一時蓄積する(ステップS35)。そして、指示された返送タイミングになったか否か、すなわちタイマカウントが過去の遅延最大値に達したか否かを送信部28で判定し(ステップS36)、返送タイミングになるとバッファ部26に蓄積しておいたデータを、通信制御部6を介して列車制御部5へ送信する(ステップS37)。ステップS37で返送タイミングになっていないと判定されると、返送タイミングになるまで待機する。
一方、ステップS34で今回の遅延が過去の遅延最大値よりも大きいと判定された場合には、受信部25で受信したデータをバッファ部26に引き渡し、送信部28から通信制御部6を介して列車制御部5へデータを送信する(ステップS38)。次に、今回の伝送遅延を最大値として受信タイミング計測部27に記憶する(ステップS39)。そして、列車制御部5へデータを送信し、今回の伝送遅延を通知する(ステップS40)。
上述したように、受信タイミング計測部27で遅延を算出して最大値を記憶しておき、その最大値に従ってアクセスポイントAP1〜APnから地上装置2へのデータを送信する。この方法でも地上装置2からアクセスポイントAP1〜APnへの通信が定周期であれば、アクセスポイントAP1〜APnから地上装置2への通信も定周期性を保つことができるため、地上装置2は定周期で列車制御処理を行うことができる。
図10は、図7及び図9に示した列車制御動作において、データが衝突した場合のデータ伝送の制御動作を示している。図10では図2に示したように、アクセスポイントAP1〜APnの近くにステーションSTA1,STA2を搭載した列車T1とステーションSTA3,STA4を搭載した列車T2が隣接している状態を例に取っている。ここでは、左端の矢印で示すように上から下に向かって時間が経過するものとし、地上装置2の処理周期をΔt1,Δt2,Δt3,…で表している。また、ステーションから地上装置へのデータ転送周期ΔTは一定になっている。実線の矢印はアクセスポイントとステーション間の無線通信を表し、二点鎖線の矢印はアクセスポイントと調停部間の有線通信を表し、破線の矢印は調停部から列車制御部への有線または地上装置内の通信を表している。
ステーションSTA2からアクセスポイントAP3への通信(実線の矢印SA23a)と、ステーションSTA3からアクセスポイントAP3への通信(実線の矢印SA33a)が同時に行われ、×印で示すようにデータが衝突したものと仮定する。この場合、両方とも通信は失敗し、ランダムな待ち時間の経過後にステーションSTA2からアクセスポイントAP3およびステーションSTA3からアクセスポイントAP3への通信が再度行われる。本例では、ステーションSTA2からアクセスポイントAP3への通信(実線の矢印SA23a’)の方が待ち時間が短く、その後にステーションSTA3からアクセスポイントAP3への通信(実線の矢印SA33a’)が実行されるものとする。アクセスポイントAP3はステーションから受信した列車位置や速度等の列車の状態情報を、ハブ12を介して調停部7へ伝送する(本例ではステーションSTA2から受信した情報を二点鎖線の矢印SA23b、ステーションSTA3から受信した情報を二点鎖線の矢印SA33bで示す)。
列車T1の状態情報は、ステーションSTA2からアクセスポイントAP3に無線で送信され、ハブ12を介して地上装置2の調停部7に伝送される。この状態情報は、調停部7の制御により、破線の矢印SA23cで示すように、処理周期Δt3のタイミングで通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される。
一方、列車T2の状態情報は、列車T1より遅い待ち時間の経過後に、ステーションSTA3からアクセスポイントAP3に無線で送信され、ハブ12を介して地上装置2の調停部7に伝送される。この状態情報は、調停部7の制御により、破線の矢印SA33cで示すように、処理周期Δt4のタイミングで通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される。
再び、ステーションSTA2からアクセスポイントAP3への無線通信(実線の矢印SA23d)が行われると、列車T1の状態情報は、ステーションSTA2からアクセスポイントAP3に無線で送信され(二点鎖線の矢印SA23e)、ハブ12を介して地上装置2の調停部7に伝送される。この状態情報は、調停部7の制御により、処理周期Δt6のタイミングで通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される(破線の矢印SA23f)。
続いて、ステーションSTA3からアクセスポイントAP3の無線通信(実線の矢印SA33d)及び地上装置2への有線によるデータ伝送(二点鎖線の矢印SA33e)と、ステーションSTA4からアクセスポイントAP4の無線通信(実線の矢印SA44a)及び地上装置2への有線によるデータ伝送(二点鎖線の矢印SA44b)とがハブ12で衝突した場合には、ハブにより順番に伝送される。本例ではSTA3からAP3を介して受信した列車T2の状態情報の通信を先行させるものとする。列車T2の状態情報は、ハブ12から地上装置2の調停部7に伝送される。この状態情報は、調停部7の制御により、破線の矢印SA33fで示すように、処理周期Δt7のタイミングで通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される。
ランダムな待ち時間の経過後に、列車T2の状態情報は、ハブ12から地上装置2の調停部7に伝送される。調停部7では処理周期Δt7のタイミングで伝送すると処理しきれないので、ハッチングを付けた領域30に示すように、処理周期Δt8のタイミングで周期を分けて伝送することにより輻輳を回避する。
次に、ステーションSTA2からアクセスポイントAP3への無線通信が行われると(実線の矢印SA23g)、列車T1の状態情報は、ハブ12を介して地上装置2の調停部7に伝送される(二点鎖線の矢印SA23h)。この状態情報は、調停部7の制御により、処理周期Δt9のタイミングで通信制御部6を介して列車制御部5に伝送される(破線の矢印SA23i)。ステーションSTA2からアクセスポイントAP3への無線通信は、ステーションSTA4からアクセスポイントAP4への無線通信よりも先に調停部7に入力されるが、調停部7の制御により送信タイミングが変更される。
なお、上記のような制御方法では、通常であれば地上装置2からアクセスポイントAP1〜APn方向の通信で返送サイクル番号を指示されてから、実際に返送されるまでには、列車との間で通信を行うために必要な時間が確保される。
しかし、汎用無線ネットワークの特徴により列車との通信の伝送遅延が大きくなり、指示された返送サイクルに間に合わない可能性がある。そのような場合のために、受信タイミング計測部27で計測した受信タイミングから伝送遅延を算出しておき、返送サイクルに間に合わないような大きな遅延が発生した場合は、地上装置2に最大遅延を通知する。
以降、地上装置2は、最大遅延を想定した返送サイクル番号を指示することで、処理周期中にデータが輻輳することなく、定周期の列車制御処理を行うことができる。しかも、汎用方式の無線ネットワークの適用も容易になり、伝送速度の向上が望める。
汎用の無線ネットワークでは、無線機同士の通信の規格で決まってしまうので、地上装置側からデータ伝送を制御するのは難しいが、通信タイミング調停部を設けてデータの列車制御部への送信タイミングを制御することで、汎用の無線機を活用して定周期でデータの伝送を行うことができる。
従って、上記のような構成によれば、汎用の無線機器によるネットワークを利用することで柔軟性を持たせつつ、信頼性と安全性の低下を抑制できる。
以上の実施形態で説明された回路構成や動作手順等については、本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものに過ぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1…列車制御システム、2…地上装置、3…車上装置、4…無線ネットワーク、5…列車制御部、6…通信制御部、7…通信タイミング調停部(調停部)、8…論理部、11…線路、12…ハブ、21…通信処理部(制御情報通信処理部)、22…通信処理部(状態情報通信処理部)、23…受信部(制御情報受信部)、24…送信部(制御情報送信部)、25…受信部(状態情報受信部)、26…バッファ部、27…受信タイミング計測部、28…送信部(状態情報送信部)、29…送信タイミング制御部、T1,T2,T3…列車、AP1〜APn…アクセスポイント、STA1,STA2,STA3,STA4…ステーション

Claims (7)

  1. 地上装置と車上装置が無線ネットワークを介して接続された列車制御システムであって、
    前記地上装置は、列車を制御する列車制御部と、前記地上装置と前記車上装置との間の前記無線ネットワークを介した通信を制御する通信制御部と、前記車上装置から送信され、前記無線ネットワークを介して前記地上装置へ伝送された列車の状態情報の、前記列車制御部への送信タイミングを制御する調停部とを備える、列車制御システム。
  2. 前記調停部は、更に前記無線ネットワークから前記地上装置へ伝送された無線ネットワークの状態情報の、前記列車制御部への送信タイミングを制御する、請求項1に記載の列車制御システム。
  3. 前記調停部は、前記通信制御部の制御により、前記列車制御部から送信された列車制御情報を受信し、前記無線ネットワークを介して前記車上装置に送信する制御情報通信処理部と、前記通信制御部の制御により、前記車上装置から送信された列車の状態情報を、前記無線ネットワークを介して受信し、前記列車制御部に送信する状態情報通信処理部とを含む、請求項1または2に記載の列車制御システム。
  4. 前記制御情報通信処理部は、前記列車制御部から送信された列車制御情報を受信する制御情報受信部と、この制御情報受信部で受信した列車制御情報を、前記無線ネットワークを介して前記車上装置に送信する制御情報送信部とを備え、
    前記状態情報通信処理部は、前記車上装置から送信された列車の状態情報を、前記無線ネットワークを介して受信する状態情報受信部と、この状態情報受信部で受信した状態情報を蓄積するバッファ部と、前記状態情報受信部で受信した状態情報の受信タイミングを計測する受信タイミング計測部と、前記バッファ部に蓄積された状態情報を前記列車制御部に送信する状態情報送信部と、前記受信タイミング計測部で計測した受信タイミングと、前記制御情報受信部で受信した前記列車制御部で指示されたタイミングとに基づいて前記状態情報送信部を制御し、前記バッファ部に蓄積された状態情報を送信させる送信タイミング制御部とを備える、請求項3に記載の列車制御システム。
  5. 前記無線ネットワークは、非同期型である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の列車制御システム。
  6. 前記無線ネットワークは、列車の線路沿線に配置され、前記地上装置と有線で接続された複数の地上無線機と、前記列車の前方と後方の車両にそれぞれ搭載された車上無線機とを含む、請求項1乃至5いずれか1項に記載の列車制御システム。
  7. 前記無線ネットワークは、Wi−FiまたはLTE(Long Term Evolution)を含む、請求項1乃至6いずれか1項に記載の列車制御システム。
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