JP6503008B2 - 透明油性固形化粧料 - Google Patents

Description

本発明は、油性固形化粧料に関する。

油性固形化粧料は、従来、それぞれの用途目的に応じて様々な物性のものが研究開発されている。

特許文献１には、アミノ酸系ゲル化剤としてジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）およびジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）、ならびにポリアミド樹脂を含む化粧料が開示されており、アミノ酸ゲル化剤単品を用いた化粧品の脆性をポリアミド樹脂との併用により改善することができること、またそれにより使用感、保存安定性に優れた化粧品を提供できることが記載されている。

また、特許文献２には、ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）およびジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）を混合したゲル化剤が開示されており、このゲル化剤が優れたゲル強度と透明性を有するゲル状組成物を製造できるゲル化剤であることが記載されている。

また、特許文献３には、トリシクロ［５．２．１．０^２，６］デカンのエステル化合物が開示され、優れた発汗抑制力および使用感を有する化合物であることが記載されている。

また、特許文献４には、ポリアミド系ゲル化剤、アミノ酸系ゲル化剤および有機日焼け止めとオイルを含有する透明スティック型紫外線遮断用化粧料組成物が開示されており、具体的にはポリアミドゲル化剤としてビスアルキル（Ｃ１４−１８）アミド（エチレンジアミン／水添ダイマージリノール酸）コポリマー、アミノ酸系ゲル化剤としてジブチルエチルヘキサノイルグルタミドおよびジブチルラウロイルグルタミドが用いられている。

また、特許文献５には、ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）やジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）などのＮ−アシルアミノ酸誘導体、ポリアミド樹脂ならびに液状油分を含む固化されて***用の棒状製剤となる油性組成物が開示されている。
しかし油性固形化粧料として、透明性に優れ、経時変化による発汗がなく、保存安定性に優れるという各点において十分に満足できる油性固形化粧料はこれまでのところ存在しない。

特許第５７５９７２１号 特許第４１７４９９４号 特許第５６６３１１１号 韓国特許公報１０２０１４００３１５０３号 国際公開第２０１０／１２８６３９号

したがって、本発明の課題は、透明性に優れ、かつ発汗性のない透明油性固形化粧料を提供することにある。さらに、本発明の別の課題は、使用感に優れた油性固形化粧料を提供することにある。

本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行う中で、優れた透明性と低い発汗性を両立できる油性固形化粧料を製造することは、従来の素材を適宜選択するだけでは困難であるという問題に直面した。かかる問題を解決すべくさらに検討を重ねたところ、透明ゲル化剤に対し、屈折率が高い油剤と体積膨張率が低い油剤とを組み合わせることにより、透明性が高く、かつ発汗性が低い油性固形化粧料を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は以下に関する。
[１]透明ゲル化剤、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、および体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤を含む、透明油性固形化粧料。
[２]透明ゲル化剤が、ジブチルラウロイルグルタミドおよび／またはジブチルエチルヘキサノイルグルタミドを含む、[１]に記載の透明油性固形化粧料。
[３]ジブチルラウロイルグルタミドの含有量が、２．０〜７．０重量％である、[２]に記載の透明油性固形化粧料。
[４]ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドの含有量が、０．５〜５．０重量％である、[２]または[３]に記載の透明油性固形化粧料。
[５]さらにイソステアリン酸を含む、[１]〜[４]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[６]２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤の含有量が、２０〜８０重量％である、[１]〜[５]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[７]体積膨張率が０．０６５以下である油剤の含有量が、１０〜５０重量％である、[１]〜[６]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[８]さらに１２−ヒドロキシステアリン酸を含む、[１]〜[７]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[９]１２−ヒドロキシステアリン酸の含有量が、２．０〜１０．０重量％である、[８]に記載の透明油性固形化粧料。
[１０]２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤が、イソノナン酸トリシクロデカンメチルである、[１]〜[９]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[１１]体積膨張率が０．０６５以下である油剤が、イソノナン酸イソトリデシルまたはネオペンタン酸イソデシルである、[１]〜[１０]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。
[１２]２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤と体積膨張率が０．０６５以下である油剤の重量％における成分比が１０：１〜１：１である、[１]〜[１１]のいずれかに記載の透明油性固形化粧料。

本発明は、透明ゲル化剤と、屈折率が高い油剤と体積膨張率が低い油剤との組み合わせ油剤により、例えばリップスティック、ヘアチック、サンケア製品などの油性固形化粧料において、透明性に優れ、且つ発汗性がなく保存安定性が高い、さらには塗り伸ばしやすくべたつきの少ない、使用感の良い新たな透明油性固形化粧料を提供することができる。屈折率が高い油剤と体積膨張率が低い油剤との組み合わせ油剤による高い透明性と低い発汗性の効果についてのメカニズムは必ずしも明らかではないが、体積膨張率の低い油剤が有する温度の影響を受けにくい性質が低い発汗性に関係していると推測される。
本発明は、油性固形化粧料として必要とされる量の当該油剤が含まれる限り所期の効果を奏する保存安定性の高い、透明な油性固形化粧料を製造することができる。

特に、本発明の２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、および体積膨張率が０．０６５以下である油剤を選択しこれらを組み合わせて用いることにより、透明で且つ発汗性が低い高品質な化粧料を提供する。なお、かかる屈折率と体積膨張率の条件を同時に満たす油剤であれば単一の油剤であってもよいことは言うまでもない。

以下、本発明について、本発明の好適な実施態様に基づき、詳細に説明する。
本発明の透明油性固形化粧料は、ボディ、フェイス、ヘア等のために用いられる化粧料である。

本発明において、「固形化粧料」とは、常温（２５℃）において固形形状を保持し得る化粧料である。
本発明において「化粧料」とは、特に、限定されないが、ボディケア製品、スキンケア製品、メーキャップ製品、ヘアケア製品、フレグランス製品などの製造に用いることができる材料である。
ボディケア製品としては、ＵＶケア製品、デオドラント製品、ボディ用スキンケア製品、ボディ用フレグランス製品、ボディ用クレンジング製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
スキンケア製品としては、クレンジング製品、洗顔料、美白化粧品、ＵＶケア化粧品、アンチエイジング製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
メーキャップ製品としては、ファンデーション、リップカラー、リップスティック、リップクリーム、アイライナーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ヘアケア製品としては、ヘアスタイリングワックス、ヘアチック、ヘアトリートメント剤、ワンデーヘアカラー剤、ヘアグロスなどが挙げられるがこれらに限定されない。
フレグランス製品としては、香水、オードトワレ、オーデコロン、オードパルファム、ロールオンタイプのフレグランス、スティックタイプの練り香水などが挙げられるがこれらに限定されない。

本発明において「透明」とは、固形化粧料が完全に不透明ではないことを意味し、後に示す透過率６０％以上の場合を良好な透明性とした。

以下の表１に、化粧品業界で用いられる油剤の体積膨張率を示す。

上記のとおり、化粧品業界で用いられる多くの油剤の体積膨張率が通常０．０７〜０．０８％／℃程度であるのに対し、本発明では体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤に着目し、これらを用いることによりその発汗性を抑えることができることを見出した。これは体積膨張率が低い油剤は温度の影響を受けにくいことに由来し、発汗を抑制できたものと考えられる。また、体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤を用いたのみでは透明性を維持できないというさらなる課題の解決のため、さらに研究を進めた結果、上記油剤と共に高屈折率、具体的には２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、好ましくは１．４６０を超える油剤、さらに好ましくは１．４６５以上である油剤、最も好ましくは１．４７０以上の油剤を用いることにより、高い透明性を維持し、且つ発汗性が低く保存安定性の良い固形化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。また、さらに１２−ヒドロキシステアリン酸を加えることにより、より発汗性を抑えた透明固形化粧料を得るに至った。

本発明における２０℃における屈折率は、Ａｎｔｏｎ Ｐａａｒ社製ＲＸＡ−１７０を用いて測定した。
以下の表２に、化粧品業界で用いられる油剤の２０℃における屈折率を示す。
本発明における２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤としては、限定されないが、イソステアリン酸ポリグリセリル−２、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−３、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、（ジグリセリン／ジリノール酸／ヒドロキシステアリンサン）コポリマー、（イソステアリン酸ポリグリセリル−２／ダイマージリノール酸）コポリマー、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、水添トリイソブテン、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、オレイルアルコール、ミネラルオイル、トリイソステアリン、ジリノール酸ジイソプロピル、ホホバ種子油、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−２、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソステアリン酸水添ヒマシ油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−２、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルを用いることができ、好ましくはイソステアリン酸ポリグリセリル−２、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−３、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、（ジグリセリン／ジリノール酸／ヒドロキシステアリンサン）コポリマー、（イソステアリン酸ポリグリセリル−２／ダイマージリノール酸）コポリマー、イソノナン酸トリシクロデカンメチル、水添トリイソブテンを用いることができ、最も好ましくはイソノナン酸トリシクロデカンメチルを用いることができる。

２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤の含有量は、好ましくは２０〜８０重量％、より好ましくは、２５〜８０重量％、最も好ましくは３０〜８０重量％である。
また、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤の２０℃における屈折率は、１．４６０を超えるのが好ましく、１．４６５以上がより好ましく、１．４７０以上がさらに好ましい。

本発明における体積膨張率は、液の温度が１０〜５０℃における比体積（ｍ^３／ｋｇ）を振動式密度計Ａｎｔｏｎ Ｐａａｒ社製 ＤＭＡ−４５００Ｍを用いて各々測定し、１℃あたりの体積膨張率を％／℃の単位を用いて示した。
本発明における体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤としては、限定されないが、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニルまたはネオペンタン酸イソデシルを用いることができ、好ましくはイソノナン酸イソトリデシルを用いることができる。

体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤の含有量は、好ましくは１０〜５０重量％、より好ましくは１０〜４０重量％、最も好ましくは１０〜３０重量％である。
また、体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤の体積膨張率は、０．０６０％／℃以下であることが好ましく、０．０５５％／℃以下がさらに好ましい。

本発明において、油剤としては、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤および体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤が含まれるが、その他の油剤もまた含むことができる。
その他の油剤としては、限定されないが、イソステアリン酸イソステアリル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリルアルコール、デシルテトラデカノール、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、オクチルドデカノール、スクワラン、ミリスチン酸イソセチル、イソステアリルアルコール、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチルプロパン、ヘキシルデカノール、イソステアリン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、イソステアリン酸イソブチル、ネオペンタン酸イソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリエチルヘキサノイン、イソステアリン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸ヘキシルデシル、コハク酸ジエチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、ミスチリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、ネオペンタン酸イソデシル、ジメチコンを用いることができる。

本発明における透明ゲル化剤としては、限定されないが、ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）および／またはジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）等を含むアミノ酸系ゲル化剤、ポリアミド樹脂を用いることができ、好ましくはジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）および／またはジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）等を含むアミノ酸系ゲル化剤、さらに好ましくはジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）および／またはジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）を用いることができる。

ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）やジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）を含む場合においても、油性固形化粧料として必要とされる量の当該油剤が含まれる限り所期の効果を奏する保存安定性の高い、透明な油性固形化粧料を製造することができる。
ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）を含む場合において、その含有量は化粧料全体に対して、好ましくは１．０〜１０．０重量％、より好ましくは２．０〜８．０重量％、最も好ましくは２．０〜７．０重量％である。

ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）を含む場合において、その含有量は化粧料全体に対して、好ましくは０．５〜１０．０重量％、より好ましくは０．５〜７．０重量％、最も好ましくは０．５〜５．０重量％である。

ジブチルラウロイルグルタミド（ＧＰ−１）およびジブチルエチルヘキサノイルグルタミド（ＥＢ−２１）を含む場合において、その配合比は透過率の観点から定められるところ、その配合比（ＧＰ−１：ＥＢ−２１）は、好ましくは７５：２５〜２５：７５であり、より好ましくは７５：２５〜５０：５０である。この範囲の配合比率で用いることにより透明性の高い化粧料を製造することができる。

本発明において、溶解剤を用いることによりゲル化剤の調製を温和な条件で行うことができる。溶解剤としては、限定されないが、オクチルドデカノール、セタノール、イソステアリン酸などの高級脂肪酸等を用いることができ、好ましくは、イソステアリン酸などの高級脂肪酸またはオクチルドデカノール、特に好ましくはイソステアリン酸を用いることができる。透明性および利便性の観点から、イソステアリン酸を含む高級脂肪酸を用いるのが特に好ましい。
溶解剤の含有率は、好ましくは５．０〜３０．０重量％、より好ましくは５．０〜２０．０重量％、最も好ましくは５．０〜１７．０重量％である。

本発明において、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤と体積膨張率が０．０６５以下である油剤の重量％における成分比は、好ましくは１０：１〜１：１である。

本発明における化粧料には、限定されないが、さらに各種添加剤を含むことができる。
各種添加剤とは、防腐剤、抗炎症剤、抗菌剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、制汗剤、ビタミン、香料、着色剤、パール化剤などの装飾剤、美白薬剤、抗老化薬剤、その他油溶性薬剤、その他油溶性成分などを含む、一般的に化粧料に汎用されている公知のあらゆる物質を意味する。

以上、本発明について好適な実施態様に基づき詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されず、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換でき、または任意の構成を付加することもできる。

以下の処方で実施例１〜１２、比較例１〜７、および実施例１３〜１５のスティック型のサンケア化粧料を調製し、透過率、発汗性試験および使用感を評価した。なお、成分（Ａ）はジブチルラウロイルグルタミド、成分（Ｂ）はジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、成分（Ｃ）はイソステアリン酸、成分（Ｄ）は２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、成分（Ｅ）は体積膨張率が０．０６５以下である油剤とした。

透過率は、 ＪＡＳＣＯ社製 ｓｐｅｃｔｒｏｍｅｔｅｒ Ｖ−６５０を用いて、吸収波長３５０ｎｍ〜８００ｎｍの範囲で測定し、３８０ｎｍ〜７５０ｎｍにおける値の平均値を固形化粧料の透過率（％）とした。また透過率６０％以上の場合、目視において良好な透明性を示した。発汗性試験は、プラスティック製のセルに直径１ｍｍ、深さ１０ｍｍのホールを形成させ、そのサンプルを４５℃の恒温槽に１か月間放置し、常温（２５℃）にて２４時間後にその外観を目視で評価した。また、使用感は、塗り伸ばしやすさ、べたつき感のなさについて専門パネラー１０名（各５名）による４段階の官能評価を用いて評価した。なお、評価は以下の基準で行った。
肌または髪への塗り伸ばすさ
◎：肌または髪への塗り伸ばしやすさが良好と認めた人数が５名全員
○：肌または髪への塗り伸ばしやすさが良好と認めた人数が４名
△：肌または髪への塗り伸ばしやすさが良好と認めた人数が２〜３名
×：肌または髪への塗り伸ばしやすさが良好と認めた人数が１名以下
肌または髪へのべたつき感のなさ
◎：肌または髪へのべたつき感がないと認めた人数が５名全員
○：肌または髪へのべたつき感がないと認めた人数が４名
△：肌または髪へのべたつき感がないと認めた人数が２〜３名
×：肌または髪へのべたつき感がないと認めた人数が１名以下

実施例１〜１２
成分（Ａ）〜（Ｅ）を含み、成分（Ｄ）と成分（Ｅ）の重量％における成分比が１０：１〜１：１の間である化粧料について透過率、発汗性試験および使用感を評価した。

比較例１〜７
以下の比較例１〜７の処方でスティック型のサンケア化粧料を調製し、透過率、発汗性試験および使用感を評価した。

２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤［成分（Ｄ）］を含まない場合、体積膨張率が０．０６５以下である油剤［成分（Ｅ）］を含む比較例１および成分（Ｅ）を含まない比較例２のいずれの場合も発汗性は示さなかったが、透明性は悪かった。また、成分（Ｄ）を含み、成分（Ｅ）を含まない比較例３〜５および７の場合、透明性が良好であっても発汗性を示した。

実施例１３〜１５では、成分（Ｄ）と成分（Ｅ）との比率が１より大きい化粧料を調製し、透過率、発汗性試験および使用感を評価した。

実施例１３〜１５の化粧料は、透過率、発汗性試験および使用感の全てにおいて良好な結果を示した。

本発明の透明ゲル化剤、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、および体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤を組み合わせて利用することにより、透明で発汗性のない固形化粧料を提供することが可能になる。

Claims (10)

1. ジブチルラウロイルグルタミドおよびジブチルエチルヘキサノイルグルタミドを含む透明ゲル化剤、２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤、体積膨張率が０．０６５％／℃以下である油剤、およびイソステアリン酸を含み、イソステアリン酸の含有率が５．０〜３０．０重量％である、透明油性固形化粧料。
2. ジブチルラウロイルグルタミドの含有量が、２．０〜７．０重量％である、請求項１に記載の透明油性固形化粧料。
3. ジブチルエチルヘキサノイルグルタミドの含有量が、０．５〜５．０重量％である、請求項１または２に記載の透明油性固形化粧料。
4. ２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤の含有量が、２０〜８０重量％である、請求項１〜３のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。
5. 体積膨張率が０．０６５以下である油剤の含有量が、１０〜５０重量％である、請求項１〜４のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。
6. さらに１２−ヒドロキシステアリン酸を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。
7. １２−ヒドロキシステアリン酸の含有量が、２．０〜１０．０重量％である、請求項６に記載の透明油性固形化粧料。
8. ２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤が、イソノナン酸トリシクロデカンメチルである、請求項１〜７のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。
9. 体積膨張率が０．０６５以下である油剤が、イソノナン酸イソトリデシルまたはネオペンタン酸イソデシルである、請求項１〜８のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。
10. ２０℃における屈折率が１．４６０以上である油剤と体積膨張率が０．０６５以下である油剤の重量％における成分比が１０：１〜１：１である、請求項１〜９のいずれか一項に記載の透明油性固形化粧料。