JP6502778B2 - Ts分割送信装置及びts合成受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、符号化された映像・音声信号を中継伝送する技術に関し、特に、映像信号や音声信号を多重化したMPEG−2 トランスポートストリーム(TS)のTSパケットを、複数のMPEG−2 TS伝送路を用いて伝送するTS分割送信装置及びTS合成受信装置に関する。
放送局では、中継車で制作した映像・音声信号を、マイクロ波などの無線伝送路を用いて、野外から放送局へと伝送している。一般に、映像信号や音声信号のビットレートは無線伝送路の伝送容量よりはるかに大きいため、信号をそのまま伝送することはできない。そこで、コーデックと呼ばれる映像・音声符号化装置を用いて、映像信号や音声信号の情報を符号化し無線伝送路の伝送容量より小さな情報に圧縮し、MPEG2TS形式のビットストリームに変換する。無線伝送装置により圧縮されたMPEG2TS形式の信号を伝送し、受信側のコーデックにて元の信号に復号することにより、映像・音声信号を送ることを可能としている。
一般に、符号化による映像音声信号の圧縮率を高くするにしたがって、映像・音声信号の品質が劣化する。このため、高い品質を保ったまま情報量が大きい超高精細映像を伝送するには高いビットレートが必要であり、伝送容量の不足が発生する。
(バルク伝送)
そこで、2つの無線伝送路を同時に利用し、伝送容量の大きな無線伝送装置を作成するバルク伝送技法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の無線伝送装置は、水平偏波もしくは垂直偏波どちらか一つの偏波だけを用いていたが、偏波MIMO技術により水平偏波と垂直偏波の2つの偏波を同時に使用することで伝送量を拡大することが可能になった。特許文献1に開示される技法では、入力信号からキャリアシンボルのデータを作成した後、これらを水平偏波・垂直偏波に基づく2つの無線伝送路に分散配置する偏波間インターリーブを行うことにより、2つの無線伝送路を同時に利用して伝送容量を拡大するようにしている。
(規則的分割・合成)
このように2つの無線伝送路を同時に利用する無線伝送装置を用いるのではなく、従来の無線伝送装置を2対向用いて、各無線伝送装置にMPEG2TSパケットを規則的に振り分けることで、伝送容量を拡大する技法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示される技法では、送信側ではコーデックから出力されたビットストリームを、パケットの伝送順序に従って規則的に2つの無線伝送路に振り分けて送信し、受信側では各無線伝送路からパケットを受信すると、無線伝送路毎の遅延時間の差を調整した後に、振り分けた時の規則に従って、受信したパケットを取り出すことで、元のビットストリームを再構成する。
(映像分割符号化)
前述の2つの手法では映像全体を符号化し、圧縮されたビットストリームを2つの無線伝送路に分割して伝送しているが、映像を予めいくつかの部分画像に分割し、部分画像毎に符号化と無線伝送を行う映像分割符号化技法が行われている。この技法では、各部分画像のビットストリームは2つの無線伝送路のいずれか1つを用いて伝送する。部分画像の圧縮後のビットレートは、各無線伝送路の伝送容量を超えることはできないが、部分画像のビットレートの合計値は、2つの無線伝送容量まで増加することができる。例えば4つの部分画像に分割する場合には、各無線伝送路では2つの部分画像のビットストリームを伝送する。各無線伝送路の伝送容量が200Mbpsとすると、部分画像あたり100Mbpsまで、合計で400Mbpsまで伝送することができる。
国際公開第2013/073195号 特開2005−217654号公報
1つのMPEG−2 TS伝送路(以下、「TS伝送路」と称する)の伝送容量より大きいビットレートの信号を効率よく伝送するために、前述したような「バルク伝送」、「規則的分割・合成」及び「映像分割符号化」などの技法により、送信側でビットストリームやパケット、映像を分割して伝送し、受信側でこれらを合成し復元することが行われている。
しかしながら、「バルク伝送」による技法では、2つの伝送路に分散させたデータを、元の順序に再構成するため、同時に使用する伝送路の伝送遅延を精密に一致させる必要がある。共通クロックで動作する同期式の伝送路、例えば、偏波MIMOを使った無線伝送路ではこの要件を用意に満たすことができる。しかし、クロックが共通でない同期式の伝送路では、2つの伝送路の伝送遅延は精密には一致せず、非同期式の伝送路はヌル(NULL)パケットの挿入などにより伝送遅延時間が変動する。このため、このような伝送路を組み合わせて一つの伝送装置を構成することは困難であった。
また、「規則的分割・合成」による技法では、パケットを規則的に伝送路に振り分け、振り分け規則に従って受信したパケットを合成する。しかしながら、番組素材の無線伝送装置では、速度変換やタイミング調整のため伝送路の途中で新たにパケットが挿入されることや何等かのパケットが削除されることがある。この技法では、このような場合には正しい順序で元のビットストリームに再構成できないという問題がある。例えば、伝送路Aと伝送路Bに2対1の割合で規則的に振り分けるシステムを想定し、パケット1、パケット2、パケット4及びパケット5が伝送路Aで、パケット3及びパケット6が伝送路Bで送られ、受信側では伝送路Aから2個、伝送路Bから1個を規則的に取り出して再構成するとする。このとき、伝送路Aの途中でパケット1とパケット2の間にヌルパケットが挿入されると、パケット1、ヌルパケット、パケット3、パケット2、パケット4、パケット6の順に再構成され、順序が反転してしまう問題がある。
また、「映像分割符号化」による技法では、映像を分割して符号化すると符号化効率が低下するとともに、部分映像毎に独立して符号化処理が行われることから、部分映像の分割境界付近で、画質差が現れやすくなる。このため、必ずしも高画質化の観点から分割符号化を必要とせずに、複数の伝送路でMPEG−2 TSパケットのビットストリームを伝送できる手段が必要である。
従って、複数のTS伝送路を用いてTSパケットを伝送でき、ヌルパケットの挿入・削除に対して耐性が強い技法が望まれる。
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、TS伝送路における伝送遅延の変動やヌルパケットの挿入・削除に対しても耐性が強く、複数のTS伝送路を用いてMPEG−2 TSパケットを伝送するTS分割送信装置及びTS合成受信装置を提供することにある。
本発明のTS分割送信装置は、所定のTSにおける連続するTSパケットを分割して2つのTS伝送路に所定の割合で交互に出力するTS分割送信装置であって、所定のTSをTSパケット単位で入力し一時的に保持するTS入力バッファと、前記TS入力バッファからTSパケットを順次取り出し、所定の割合で2系統に分割するとともに、固有に識別可能なパケット識別子を有し、且つ巡回カウントされる巡回カウンターとして同一の値となるTSパケット構造の予め定めた2つのマーカーパケットを所定頻度で前記2系統に挿入するTS分割手段と、当該2系統に分割したTSパケットをそれぞれ2つのTS伝送路に出力するTS出力手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のTS分割送信装置において、前記TS分割手段は、前記2つのマーカーパケットを所定頻度で同時に前記2系統に挿入することを特徴とする。
また、本発明のTS分割送信装置において、前記TS分割手段は、前記TS入力バッファから順次取り出したTSパケットを均等割合で2系統に分割することを特徴とする。
また、本発明のTS分割送信装置において、前記TS分割手段は、前記所定のTSに含まれるPATパケット又はPCRパケットを複製して生成し当該2つのマーカーパケットとして挿入するか、又は専用のマーカーパケットを生成し、当該2つのマーカーパケットとして挿入することを特徴とする。
更に、本発明のTS合成受信装置は、2つのTS伝送路に交互に伝送されているTSパケットを連続的に受信して連結合成することにより、所定のTSを再構成するTS合成受信装置であって、固有に識別可能なパケット識別子を有し、且つ巡回カウントされる巡回カウンターとして同一の値となるTSパケット構造の予め定めた2つのマーカーパケットが当該2つのTS伝送路により分割伝送される所定のTSに所定頻度で挿入されており、2つのTS伝送路のうち、一方のTS伝送路で伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第1の先入先出メモリと、2つのTS伝送路のうち、他方のTS伝送路で伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第2の先入先出メモリと、当該2つのTS伝送路により所定の遅延時間差を許容して得られる2つのマーカーパケットを基準に、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリを制御しながら当該所定のTSの元の順序となるようTSパケットを取り出し連結合成することにより当該所定のTSを再構成するTS合成手段と、前記TS合成手段で再構成した当該所定のTSを一時的に保持し、外部に出力するTS出力手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のTS合成受信装置において、前記TS合成手段は、アンロック状態として制御する際、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリのいずれかの先入れ先出メモリにおける先頭パケットが当該マーカーパケットでなければ、当該マーカーパケットでない先頭パケットを廃棄する手段と、ロック状態として制御する際、主として交互に先頭パケットを取り出す制御を行うとともに、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリの双方の先頭パケットが当該マーカーパケットであるときに、当該2つのマーカーパケットの巡回カウンターが同一の値を有するか否かを逐次検査し、当該巡回カウンターが同一の値を有する場合には当該ロック状態の制御を継続し、同一の値を有しない場合には、以後アンロック状態として制御する手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明のTS合成受信装置において、前記TS合成手段は、前記ロック状態の制御中、前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリの双方における先頭パケットがいずれもマーカーパケットでない間には交互に先頭パケットを取り出し前記TS出力手段に出力して外部に出力させる手段と、前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリの双方における先頭パケットがいずれもマーカーパケットであるときには、巡回カウンターの値が一致するか否かを判定し、巡回カウンターの値が一致する際には両方の当該先頭パケットを取り出し、その一方を前記TS出力手段に出力して外部に出力させ、巡回カウンターの値が異なる際には該巡回カウンターの値が小さい当該先頭パケットを廃棄し、以後前記アンロック状態として制御して前記TS出力手段への出力を待機する手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明のTS合成受信装置において、前記TS合成手段は、前記ロック状態の制御中、前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリのいずれか一方の先頭パケットがマーカーパケットであり、他方の先頭パケットがヌルパケットである際に、該ヌルパケットを廃棄することを特徴とする。
また、本発明のTS合成受信装置において、前記TS合成手段は、前記ロック状態の制御中、前記所定のTSに含まれるPATパケット又はPCRパケットを複製して生成し当該2つのマーカーパケットとして挿入されているときはいずれか一方を除去し、専用のマーカーパケットが生成されて当該2つのマーカーパケットとして挿入されているときは双方とも除去する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数のTS伝送路における伝送遅延の変動やパケット順序の不規性に対しても耐性が強い態様で、MPEG−2 TSパケットを伝送することができる。特に、クロックの異なるFPU(Field Pickup Unit;無線中継伝送装置)によるマイクロ波回線やTSL(Transmitter to Studio Link;FPUからの信号を中継伝送する回線)などの無線回線であっても、これらの2回線を組み合わせて、1回線分の高速なMPEG−2 TS伝送路を構築することが可能になる。この結果、映像を分割して複数の部分映像にして符号化しなくとも2つのTS伝送路を使った伝送が可能となり、そのような分割による画質劣化や符号化効率の低下を防いで、複数のTS伝送路を用いて伝送するための伝送処理に起因する信号劣化を生じさせない態様で高画質な映像・音声信号の伝送が可能となる。
本発明による一実施例のTS分割送信装置及びTS合成受信装置からなる伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 MPEG−2 TSのTSパケット構造を示す図である。 本発明による一実施例のTS分割送信装置におけるTS分割処理のフローチャートである。 本発明に係るマーカーパケットの挿入例を示す図である。 本発明による一実施例のTS合成受信装置におけるTS合成受信処理の概略を示すフローチャートである。 本発明による一実施例のTS合成受信装置におけるTS合成処理のフローチャートである。 本発明による一実施例のTS合成受信装置におけるTS合成処理の概略的な説明図である。
〔伝送システム〕
図1は、本発明による一実施例のTS分割送信装置1及びTS合成受信装置2からなる伝送システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す伝送システムは、映像・音声信号のTSを中継伝送するよう構成されている。尚、TS分割送信装置1及びTS合成受信装置2は、TS伝送路A及びTS伝送路Bの2つのTSパケットの伝送路で接続する場合を例として示している。
〔TS分割送信装置〕
TS分割送信装置1は、包括的には、映像・音声信号のTSをTSパケット単位で入力し一時的に保持するTS入力バッファ11と、TS入力バッファ11からTSパケットを取り出し、所定の割合で2系統に分割し、第1のTS出力部13a(TS出力部A)及び第2のTS出力部13b(TS出力部B)に交互に出力するTS分割部12と、TS分割部12から入力されたTSパケットを蓄積し、第1のTS伝送路(TS伝送路A)及び第2のTS伝送路(TS伝送路B)に対してそれぞれ出力するTS出力部A及びTS出力部Bと、を備えるように構成される。
本例では、TS伝送路AとTS伝送路Bに均等割合でTSパケットを同時出力する例を説明するが、その分配割合は送受間で予め定めておけばよいことから、必ずしも2つの伝送路に対して均等割合でTSパケットを出力する例に限定する必要は無い。また、以下に説明する例では、その理解を高めるために、TS分割送信装置1がTSパケットを同時出力する例を説明するが、予め定めた分配割合でTS出力部AとTS伝送路Bに交互にTSパケットを出力するものであればよい。
TS分割部12は、TS入力バッファ11からTSパケットを取り出し、TS出力部A及びTS出力部Bに交互に出力するよう構成されるが、特に、マーカー挿入部121を備えるよう構成されている。
マーカー挿入部121は、映像・音声信号のTSパケットとは区別して識別可能なパケット識別子(PID:packet identifier)を有し、且つ巡回カウントされる巡回カウンター(CC:continuity counter)として同一の値となる予め定めた2つのマーカーパケットを所定頻度でTS出力部A及びTS出力部Bに同時に出力して、TS伝送路A及びTS伝送路Bの双方にて伝送する。
図2には、MPEG−2 TSのTSパケット構造を示しており、各TSパケットは、PID及び巡回カウンターを有しており、TSヘッダの基本ビット数はその先頭に位置する同期ワードから巡回カウンターまでの32ビットであるが、必要に応じてアダプテーションフィールドを付加して拡張ヘッダを構成することができる。このアダプテーションフィールドは、送受間の時刻同期を行う際の基準となるPCR(Program Clock Reference)やスタッフィング、その他のプライベートデータなどを格納することができ、MPEG−2 TS中に100ms間隔(最大100ms)で出現することが推奨されている。このときのTSパケットのペイロードは、Xバイトとなる(0≦X<184)。また、巡回カウンター(CC)は4ビットであり、0〜15の値が連続するTSパケットに対して巡回的にインクリメントされる値を持つ。アダプテーションフィールドにPCRが挿入される場合、そのPCRの有無を示すフラグ等の情報も含まれる。
(マーカーパケット)
そこで、予め送受間でマーカーパケット以外のTSパケット(映像・音声信号等のTSパケット)とは区別して識別可能な特定種類のTSパケットをマーカーパケットとして定めることができる。マーカーパケットとして、所定頻度で周期的に挿入されるTSパケットを選定することができる。
より具体的には、マーカー挿入部121は、マーカーパケットの挿入頻度として、巡回カウンター値が一巡する16個のマーカーパケットの間隔が、予め想定されるTS伝送路AとTS伝送路Bとの間の遅延時間差の2倍以下とはならないようにする。これは、16の整数倍個だけ前もしくは後で送信されたマーカーパケットの巡回カウンター値は同一の値となるため、これらを同時に受信することを防ぐ効果がある。
このため、PAT(Program association table)パケット、若しくはPCRパケットをマーカーパケットとして用いるのが好適である。TS分割部12は、TS入力バッファ11からTSに含まれるPATパケット(又はPCRパケット)を取り出すと、マーカー挿入部121は、その複製パケットを生成し、TS出力部A及びTS出力部Bに同時に出力して、TS伝送路A及びTS伝送路Bの双方にて伝送する。
PATは、MPEG−2 TS内にどのような映像・音声等の信号が含まれているのかを記述したTSパケットであり、PMT(Program MAP Table)のPIDが列挙されており、PMTは1つの番組(program)に含まれる映像や音声等のデータのPIDを記述したものである。PATパケットはPIDが0であることから、その識別が容易であり、MPEG−2 TSには必ず含まれ、且つ周期的に挿入されることからマーカーパケットとして用いるのに有効である。
また、PCRパケットも、映像や音声等の信号を送る場合には必ず必要であり、最大100msの間隔で間欠的に挿入されることからマーカーパケットとして用いることができる。ただし、PCRパケットをマーカーパケットとして用いるには、そのTSパケットの識別を先ず行う必要が生じることから、PATパケットをマーカーパケットとして用いる方が本発明に係る分割送信・合成受信の目的を達成するのに適している。
一方、予め想定されるTS伝送路AとTS伝送路Bとの間の遅延時間差が大きく、例えばPATや、PCRパケットの挿入間隔の8倍を超えることが想定されているときには、マーカー挿入部121は、用いるマーカーパケットとして専用のマーカーパケットを生成し、その挿入頻度を広げるよう構成することができる。
この専用のマーカーパケットは、図2に示すMPEG−2 TSのTSパケット構造で形成し、マーカー挿入部121は、伝送する映像や音声等のTSとは区別して固有に識別可能なPIDの値を割り当て、且つ巡回カウントされる巡回カウンター(CC)として同一の値となる予め定めた2つのマーカーパケットを所定頻度でTS伝送路A及びTS伝送路Bの双方に挿入する。
専用のマーカーパケットの挿入は、マーカー挿入部121により一定のタイミングでマーカーパケットを生成して、TS分割部12によるTS入力バッファ11からTSパケットを取り出す直前にTS出力部A及びTS出力部Bの両方に同時に挿入し出力するか、又は、TS分割部12によるTS入力バッファ11からTSパケットを取り出し、これをTS出力部A及びTS出力部Bの両方に同時に挿入し出力する。
図3は、本発明による一実施例のTS分割送信装置1におけるTS分割部12のTS分割処理のフローチャートである。ここでは、マーカーパケットをPATパケットとして定めた例を説明する。まず、TS分割部12は、TS入力バッファ11からTSパケットを取り出す前に、初期化する(ステップS1)。例えば、最初の出力チャンネルとしてTS出力部A(チャンネルA)を出力先とするフラグを設定する。
そして、TS分割部12は、TSパケットの入力待ちの状態で(ステップS2)、TS入力バッファ11からTSパケットを取り出し、この取り出したTSパケット(入力パケット)が、マーカーパケットであるか否かを判定する(ステップS3)。
この判定処理で、TS分割部12は、その入力パケットがマーカーパケットであると判定した際にはマーカー挿入部121により、その複製パケットを生成し、TS出力部AとTS出力部Bの両方に出力し(ステップS5)、ステップS2におけるTSパケットの入力待ちの状態に移行する。
一方、当該判定処理で、TS分割部12は、その入力パケットがマーカーパケットでないと判定した際には、現在設定されている出力チャンネルのフラグを判定し(ステップS4,S6)、出力チャンネルとしてチャンネルAを示すフラグが設定されているときは、ステップS7に移行し、出力チャンネルとしてチャンネルBを示すフラグが設定されているときは、ステップS8に移行する。
ステップS4,S6の出力チャンネルのフラグの判定結果から、出力チャンネルとしてチャンネルAを示すフラグが設定されていると判定したとき、TS分割部12は、入力パケットをTS出力部Aに出力し、次の出力チャンネルをチャンネルBとするフラグに設定する(ステップS7)。
一方、ステップS4,S6の出力チャンネルのフラグの判定結果から、出力チャンネルとしてチャンネルBを示すフラグが設定されていると判定したとき、TS分割部12は、入力パケットをTS出力部Bに出力し、次の出力チャンネルをチャンネルAとするフラグに設定する(ステップS8)。
TS分割部12は、入力パケットをTS出力部A(又はTS出力部B)に出力した後、ステップS2におけるTSパケットの入力待ちの状態に移行する。
このようにして、TS分割部12は、TS入力バッファ11からTSパケットを取り出し、TS出力部A及びTS出力部Bに交互に出力するとともに、マーカー挿入部121により、マーカーパケットを所定頻度でTS出力部A及びTS出力部Bに同時に出力する。
TS出力部A及びTS出力部Bは、TS分割部12から入力されたTSパケットを、一時的に蓄積し、入力された順序を維持したまま、それぞれのTS伝送路A及びTS伝送路Bに出力する。
尚、TSパケットを一定のビットレートでTS伝送路A,Bに出力する場合は、TSパケットを出力可能なTSパケットが蓄積されていれば、その蓄積されていたTSパケットを出力し、蓄積されていなければヌルパケットを出力する。ヌルパケットは、データを内包しないダミーパケットであり、PIDはこれを識別可能な値で定めることができるため、受信側では容易に除去することができる。
図4は、一定のビットレートでTSパケットを伝送する際に、本発明に係るマーカーパケットの挿入例を示す図である。TS分割送信装置1は、TS出力部A及びTS出力部Bにより、TS分割部12から交互に入力されたTSパケットを、それぞれのTS伝送路A及びTS伝送路Bに出力する。また、マーカーパケットは周期的に、TS出力部AとTS出力部Bの両方に同時に入力される。従って、同一のCCの値をもつマーカーパケット(図示する例ではCC=3やCC=4)は、ほぼ同じタイミングでTS出力部AとTS出力部Bから出力される。
このとき、受信側では、それぞれのTS伝送路A及びTS伝送路B間による遅延時間差Δtが生じて、同値のCCを有するマーカーパケットも遅延時間差Δtが生じ、TS合成受信装置2の各FIFO_A,FIFO_Bに順次入力されることになるが、TS合成受信装置2では、同値のCCを有するマーカーパケットの存在から、その時間差を吸収してタイミング調整して合成することができるようになっている。以下、TS合成受信装置2について説明する。
〔TS合成受信装置〕
図1に示すように、TS合成受信装置2は、包括的には、TS伝送路Aで伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第1の先入先出メモリ21a(FIFO_A)と、TS伝送路Bで伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第1の先入先出メモリ21b(FIFO_B)と、出力クロックに応じて当該2つのTS伝送路A,Bにより所定の遅延時間差を許容して得られる2つのマーカーパケットを基準に、FIFO_A及びFIFO_Bを制御しながらTSの元の順序となるようTSパケットを取り出し、元のTSを再構成するTS合成部22と、TS合成部22で再構成したTSを一時的に保持し、外部に出力するTS出力部23と、を備えるように構成される。
FIFO_A及びFIFO_Bは、受信したTSパケットを一時的に保持し、入力された順序に従って、TSパケットを取り出すバッファである。FIFO_A及びFIFO_Bにて保持しているTSパケットのうち、最も先に入力されたTSパケットを先頭パケットとする。
FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットは、TS合成部22の制御下で、いつでもFIFO_A又はFIFO_Bから取り出すことなく、そのTSヘッダ内の情報を読み出して検査することができるようになっている。
TS合成部22は、その詳細は後述するが、FIFO_A及びFIFO_Bに蓄積された先頭パケットのヘッダ情報を比較・検査して、マーカーパケットを基準にFIFO_A及びFIFO_Bを制御しながらTSの元の順序となるようTSパケットを取り出し、元のTSを再構成し、TS出力部23に出力する。これにより、TS出力部23は、再構成した元のTSを外部に出力可能となる。
尚、TS合成部22は、マーカー除去部221を備えるよう構成されている。マーカー除去部221は、後述するように、マーカーパケットを基準にFIFO_A及びFIFO_Bを制御し同期を確保した後は、FIFO_A及びFIFO_Bを経て得られる同値のCCを有するマーカーパケットのいずれか一方(上述した専用のマーカーパケットであれば、その双方)を除去してTS出力部23に出力する。
より具体的には、TS合成部22は、FIFO_Aの先頭パケットの伝送遅延、FIFO_Bの先頭パケットの伝送遅延の大小関係を推定し、次に示す「アンロック」、「ロック」のいずれかの制御状態で制御を行う。尚、TS伝送路Aを経由してFIFO_Aに伝送される一連のTSパケットのチャンネルをCH_Aとし、TS伝送路Bを経由してFIFO_Bに伝送される一連のTSパケットのチャンネルをCH_Bとする。
「アンロック」状態とは、FIFO_A、FIFO_Bのどちらの先頭パケットの遅延が大きいか判別できていない制御状態を云う。
「ロック」状態とは、FIFO_A、FIFO_Bそれぞれの先頭パケットの遅延が一致していると想定して動作する制御状態を云う。
図5に、本発明による一実施例のTS合成受信装置2におけるそのTS合成受信処理の概略を表すフローチャートを示す。
TS合成受信装置2は、TS合成部22により、FIFO_A及びFIFO_Bを検査し、FIFO_A及びFIFO_Bの双方にTSパケットが蓄積されていれば次のステップに進む(ステップS11)。
TS合成受信装置2は、FIFO_A及びFIFO_Bのそれぞれの先頭パケットがマーカーパケットであるか否かを検査する(ステップS12)。双方の先頭パケットがマーカーパケットであれば(ステップS12:No)、ステップS13に進み、いずれかの先頭パケットがマーカーパケットでないならば(ステップS12:Yes)、マーカーパケットでない先頭パケットを廃棄するようFIFO_A及びFIFO_Bを制御しステップS11に戻る(ステップS16)。
続いて、TS合成部22は、FIFO_A及びFIFO_Bにおける双方の先頭パケットが同値のCCを有するか否かを検査する(ステップS13)。同値のCCを有するときは(ステップS13:一致)、ステップS14に進む。同値のCCを有しないときは(ステップS13:不一致)、そのCCの値の大小比較に応じて小さい値を持つ方のFIFOの先頭パケットを廃棄してステップS11に戻る(ステップS17)。
ステップS14に移行すると、TS合成部22は「ロック」状態として動作制御し、マーカーパケットを監視しながら、FIFO_AおよびFIFO_Bの両方の先頭パケットを交互に取り出し、最新出力としてTS出力部23に出力する(ステップS14:No,S15)。ただし、両方の先頭パケットが同値のCCを有するマーカーパケットである場合には(ステップS14:Yes,S18:一致)、両方の先頭パケットを取り出し、一方をTS出力部23に出力し、他方は廃棄する(ステップS19)。「ロック」状態ではステップS14を経たいずれの場合もTS出力部23は、連結合成により再構成した元のTSを外部に出力しステップS14を繰り返す。ただし、両方の先頭パケットが値の異なるCCを有するマーカーパケットである場合は(ステップS14:Yes,S18:不一致)、「アンロック」状態として制御し、そのCCの値の大小比較に応じて小さい値を持つ方のFIFOの先頭パケットを廃棄してステップS11に戻る(ステップS20)。
以下、より詳細に、TS合成受信装置2におけるそのTS合成処理について説明する。
図6は、本発明による一実施例のTS合成受信装置2におけるTS合成部22のTS合成処理のフローチャートである。ここでは、一定のビットレートでTSパケットを出力する場合のTS合成処理の例を示している。尚、初期状態は、CH_A及びCH_Bともに「廃棄」、TS合成部22は「アンロック」の状態として説明する。また、TS出力部23への最新出力を示す最新出力フラグは、「アンロック」の状態から開始する説明とするためCH_A及びCH_Bのいずれかの値を設定する。
まず、TS合成部22は、TSパケットをTS出力部23へ出力する出力クロックのタイミングを待って(ステップS21)、FIFO_A及びFIFO_BにTSパケットが蓄積されているか否かの蓄積状態を検査し(ステップS22,S23)、FIFO_A及びFIFO_Bの双方にTSパケットが蓄積されていない場合、TS出力部23へヌルパケットを出力し(ステップS24)、FIFO_A及びFIFO_Bの双方にTSパケットが蓄積されるまで待機する。
続いて、TS合成部22は、FIFO_A及びFIFO_Bの双方にTSパケットが蓄積されると、TS合成部22の状態が「ロック」状態か、「アンロック」状態かを判定する(ステップS25)。ロック状態である場合にはステップ33へ移行し、「アンロック」状態である場合はステップ26へ移行する。ここでは、「アンロック」の状態から開始する説明とするため、ステップ26へ移行する。
続いて、TS合成部22は、FIFO_A及びFIFO_Bの双方の先頭パケットがマーカーパケットであるか否かを検査する(ステップS26,S27)。
ステップS26,S27の検査により、FIFO_A及びFIFO_Bの双方の先頭パケットがマーカーパケットでない場合、ステップS28に移行し、「アンロック」の状態を維持する。TS出力部23へヌルパケットを出力し(TS出力部23によるヌルパケットの外部出力は必須ではない)、各FIFOの先頭パケットを取り出し廃棄する(ステップS28)。
ステップS26,S27の検査により、FIFO_Aの先頭パケットだけがマーカーパケットである場合、ステップS32に移行し、「アンロック」の状態とする。TS出力部23へヌルパケットを出力し(TS出力部23によるヌルパケットの外部出力は必須ではない)、FIFO_Bの先頭パケットを取り出し廃棄する(ステップS32)。このとき、CH_Aのマーカーパケットが先に到着しているため、FIFO_Bの先頭パケットにマーカーパケットが現れ、そのCCの値がFIFO_Aの先頭パケットのマーカーパケットのCCの値と一致するまで、後着したCH_BにおけるFIFO_Bの先頭パケットを廃棄することになる。
ステップS26,S27の検査により、FIFO_Bの先頭パケットだけがマーカーパケットである場合、ステップS30に移行し、「アンロック」の状態とする。TS出力部23へヌルパケットを出力し(TS出力部23によるヌルパケットの外部出力は必須ではない)、FIFO_Aの先頭パケットを取り出し廃棄する(ステップS30)。このとき、CH_Bのマーカーパケットが先に到着しているため、FIFO_Aの先頭パケットにマーカーパケットが現れ、そのCCの値がFIFO_Bの先頭パケットのマーカーパケットのCCの値と一致するまで、後着したCH_AにおけるFIFO_Bの先頭パケットを廃棄することになる。
ステップS26,S27の検査により、FIFO_A及びFIFO_Bの双方の先頭パケットがマーカーパケットである場合、ステップS29に移行する。
ステップS29では、FIFO_A及びFIFO_Bの双方の先頭パケット(マーカーパケット)のCCの値の大小を比較する。以下、FIFO_Aの先頭パケットのCCの値をCC(A)、FIFO_Bの先頭パケットのCCの値をCC(B)とする。
ここで、ステップS29のCC(A)とCC(B)の大小比較は、巡回カウンター(CC)は4ビットの値であり15の次は0に戻るため、巡回を考慮して大小を比較する。
例えば、CC(A)からCC(B)を引いた値の絶対値が巡回カウンターの最大値の半値(即ち、“8”)以上であれば、CC(A)とCC(B)の数値の大小関係が逆転していると判定し、具体的には、CC(A)が2、CC(B)が15である場合は、CC(A)がCC(B)より大きいと判定する。同様に、CC(A)が14、CC(B)が4である場合は、CC(A)がCC(B)より小さいと判定する。これにより、異なるCC値を持つ各マーカーパケットのいずれが先行して到着したかを判定することができる。尚、その先行到着の判別をこの時点で確実に判別するよう構成したいときには、CC(A)とCC(B)の差の絶対値が一定値以上一定値以下の場合、例えば6以上10以下の場合に比較不能と判定し、エラー処理として、ステップ28に進むようにしてもよい。
ステップS29による比較により、CC(A)がCC(B)よりも大きいならばステップ32に、逆にCC(A)がCC(B)よりも小さいならばステップ30に移行する。このため、先にマーカーパケットが到着している一方のチャンネル(例えばCH_B)を待機させ、CCの値が一致する他方のチャンネル(例えばCH_A)のマーカーパケットが到着するまで、当該他方のチャンネル(例えばCH_A)の先頭パケットを廃棄することになる。
ステップS29による比較により、CC(A)とCC(B)が一致すればステップ31に移行する。ステップ31では、「ロック」の状態として制御する。各FIFOの先頭パケット(マーカーパケット)を取り出し、いずれか片方のマーカーパケットをTS出力部23へ出力して、TS出力部23により外部出力させ、他方のパケットは廃棄する。
ステップ31を経て「ロック」の状態として制御すると、ステップS21〜S25を経て、ステップS33,S34に移行する。ステップS33,S34では、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットがマーカーパケットであるか否かを検査する。
ステップS33,S34による検査で、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットがいずれもマーカーパケットでない場合はステップS35に、FIFO_Aのパケットだけがマーカーパケットである場合はステップS39に、FIFO_Bのパケットだけがマーカーパケットである場合はステップS40に移行し、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットが両方ともマーカーパケットである場合はステップS29に移行する。
ここで、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットが両方ともマーカーパケットである場合はステップS29に移行させ、ロック状態後にも逐次マーカーパケットのCC比較を行うことで、各TS伝送路における遅延変動やヌルパケットの挿入・削除に対する耐性が強くなる。
ステップS33,S34による検査により、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットが両方ともマーカーパケットでない場合、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットのPIDが一致するか否かを検査し(ステップS35)、一致する場合はステップS36に、一致しない場合はステップS43に移行する。これにより、映像や音声のTSパケットの識別が可能となる。
ステップS36では、FIFO_Aの先頭パケットのCCの値、即ちCC(A)と、FIFO_Bの先頭パケットのCCの値、即ちCC(B)との大小を、ステップS29と同様に巡回を考慮して比較する。巡回を考慮して比較した結果CC(A)がCC(B)よりも大きいならばステップS41に、逆にCC(A)がCC(B)よりも小さいならばステップS42に、CC(A)とCC(A)が一致すればステップS37,S38に移行する。
ステップS37,S38では、FIFO_A及びFIFO_Bの先頭パケットがペイロードを持っているか否かを判定する。この判定には、TSパケットがペイロードを持つ場合に必ずアダプテーションフィールドコントロールの値が‘01’又は‘11’となることを利用する(図2参照)。
ステップS37,S38のペイロード有無検査により、CH_Aの出力(FIFO_Aの先頭パケット)だけがペイロードを持たない場合はステップS41に、CH_Bの出力(FIFO_Bの先頭パケット)だけがペイロードを持たない場合はステップS42に、それ以外の場合は、ステップS43に移行する。
ステップS33,S34による検査で、FIFO_Aのパケットだけがマーカーパケットである場合、FIFO_Bの先頭パケットがヌルパケットであるか否かを検査し、ヌルパケットである場合はステップS41に、ヌルパケットでなければステップS43に移行する(ステップS39)。
ステップS33,S34による検査で、FIFO_Bのパケットだけがマーカーパケットである場合、FIFO_Aの先頭パケットがヌルパケットであるか否かを検査し、ヌルパケットである場合はステップS42に、ヌルパケットでなければステップS43に移行する(ステップS40)。
ステップS41では、FIFO_Bの先頭パケットを取り出しTS出力部23に出力し、TS出力部23により外部出力させ、最新出力フラグをCH_Bとして設定し、ステップS21に移行する。
ステップS42では、FIFO_Aの先頭パケットを取り出しTS出力部23に出力し、TS出力部23により外部出力させ、最新出力フラグをCH_Aとして設定し、ステップS21に移行する。
ステップS43では、最新出力フラグがCH_Aであれば、FIFO_Bの先頭パケットを取り出しTS出力部23に出力し、TS出力部23により外部出力させ、その最新出力フラグをCH_Bに更新する。逆に、最新出力フラグがCH_Bであれば、FIFO_Aの先頭パケットを取り出しTS出力部23に出力し、TS出力部23により外部出力させ、その最新出力フラグをCH_Aに更新する。
このようにして、TS合成受信装置2は、TS合成部22が「アンロック」、「ロック」の2つの状態を用いてTSの合成を行う。
図7は、TS合成処理の概略的な説明図であり、TS合成部22が「アンロック」状態で処理を開始し、ステップS27からステップS28を経由する処理、ステップS27からステップS32を経由する処理を経て、ステップS27からステップS31を経て「ロック」の状態として制御し、以後ステップS34からステップS43を経る処理を繰り返すことにより、元のTSを再構成する際の動作例を示している。
図7に示す例では、FIFO制御は出力クロックのタイミングで動作し、「アンロック」の状態で動作開始しており、時刻t1では、FIFO_Aの先頭パケットはCC=15の映像信号のTSパケットで、FIFO_Bの先頭パケットはCC=12の映像信号のTSパケットとすると、TS合成部22は「アンロック」の状態のままと判定し、ステップS27からステップS28(図示“S27→S28”)に移行して、各FIFOの先頭パケットを取り出して廃棄する。
時刻t2では、FIFO_Aの先頭パケットはCC=3のマーカーパケットで、FIFO_Bの先頭パケットはCC=14の映像信号のTSパケットとすると、ステップS27からステップS32(図示“S27→S32”)に移行して、先着したFIFO_Aの先頭パケットはそのままとし、FIFO_Bの先頭パケットを取り出して廃棄する。
時刻t3では、FIFO_Aの先頭パケットはCC=3のマーカーパケットで留保され、FIFO_Bの先頭パケットはCC=0の映像信号のTSパケットとすると、ステップS27からステップS32(図示“S27→S32”)に移行して、先着したFIFO_Aの先頭パケットはそのままとし、FIFO_Bの先頭パケットを取り出して廃棄する。
時刻t4では、FIFO_Aの先頭パケットはCC=3のマーカーパケットで留保され、FIFO_Bの先頭パケットはCC=3のマーカーパケットとすると、ステップS27からステップS31(図示“S27→S31”)に移行して、「ロック」の状態に移行し、両方の先頭パケットを取り出し、いずれか一方のマーカーパケットを外部出力するとともに、他方のパケット(マーカーパケット)を廃棄する。
時刻t5,t6では、「ロック」の状態に維持されて、次のマーカーパケットの到着・検査が行われるまで、ステップS34からステップS43(図示“S34→S43”)に移行して、交互にFIFOの先頭パケットを取り出し外部出力する。
以上のように構成したTS分割送信装置1及びTS合成受信装置2によれば、送信側ではMPEG−2 TSにおけるTSパケットのビットストリームを分割して、2つのTS伝送路で伝送する際に、マーカーパケットを共通に送信し、受信側ではマーカーパケットの巡回カウンターの値が一致するまで遅延調整することで、伝送遅延を精密に一致させることが可能になる。
更に、受信側では2つのTS伝送路を経由して受信したTSパケットのPIDの値、巡回カウンターの値及びアダプテーションフィールドコントロールの値を比較することで、PIDを同じくするTSパケットを、順序を反転させることなく連結合成することが可能となる。
更に、遅延調整後のマーカーパケットに対しても、再度の巡回カウンターの値の検査を行うことで、2つのTS伝送路間の遅延時間に変動が生じても精度よく同期回復させることができる。
このため、クロックの異なるFPUによるマイクロ波回線やTSLなどの無線回線であっても、これらの2回線を組み合わせて、1回線分の高速なMPEG−2 TS伝送路を構築することが可能になる。この結果、映像を分割して複数の部分映像にして符号化しなくても、2つの伝送路を使った伝送が可能となり、分割による画質劣化や符号化効率の低下を防いで、高画質な映像伝送が可能となる。
以上、特定の実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、TS合成部22がTS出力部23に対して、ロック状態になるまでに出力するヌルパケットは、TS出力部23により外部出力させずともよい。
また、TS分割送信装置1及びTS合成受信装置2におけるそれぞれのTS分割部12及びTS合成部22は、それぞれコンピュータとして機能させることができ、当該コンピュータに、本発明に係る各処理を実行させるためのプログラムは、当該コンピュータの内部又は外部に備えられるメモリに記憶される。コンピュータに備えられる中央演算処理装置(CPU)などの制御で、各処理を実行させるための処理内容が記述されたプログラムを、適宜、メモリから読み込んで、TS分割部12及びTS合成部22の各処理をコンピュータに実現させることができる。
本発明によれば、高いビットレートが必要なTSパケット伝送の用途に有用である。例えば、本発明によるTS分割送信装置及びTS合成受信装置からなる伝送システムは、MPEG−2 TS伝送路を2回線組み合わせ、伝送容量を合計して利用することが可能であり、高いビットレートが必要な4Kや8K映像素材などの高品質映像素材の伝送において回線容量が不足する既存の回線でも高画質の伝送が可能となり、その実用性も高い。
1 TS分割送信装置
2 TS合成受信装置
11 TS入力バッファ
12 TS分割部
13a 第1のTS出力部(TS出力部A)
13b 第2のTS出力部(TS出力部B)
21a 第1の先入先出メモリ(FIFO_A)
21b 第2の先入先出メモリ(FIFO_B)
22 TS合成部
23 TS出力部
121 マーカー挿入部
221 マーカー除去部

Claims (9)

  1. 所定のTSにおける連続するTSパケットを分割して2つのTS伝送路に所定の割合で交互に出力するTS分割送信装置であって、
    所定のTSをTSパケット単位で入力し一時的に保持するTS入力バッファと、
    前記TS入力バッファからTSパケットを順次取り出し、所定の割合で2系統に分割するとともに、固有に識別可能なパケット識別子を有し、且つ巡回カウントされる巡回カウンターとして同一の値となるTSパケット構造の予め定めた2つのマーカーパケットを所定頻度で前記2系統に挿入するTS分割手段と、
    当該2系統に分割したTSパケットをそれぞれ2つのTS伝送路に出力するTS出力手段と、
    を備えることを特徴とするTS分割送信装置。
  2. 前記TS分割手段は、前記2つのマーカーパケットを所定頻度で同時に前記2系統に挿入することを特徴とする、請求項1に記載のTS分割送信装置。
  3. 前記TS分割手段は、前記TS入力バッファから順次取り出したTSパケットを均等割合で2系統に分割することを特徴とする、請求項1又は2に記載のTS分割送信装置。
  4. 前記TS分割手段は、前記所定のTSに含まれるPATパケット又はPCRパケットを複製して生成し当該2つのマーカーパケットとして挿入するか、又は専用のマーカーパケットを生成し、当該2つのマーカーパケットとして挿入することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のTS分割送信装置。
  5. 2つのTS伝送路に交互に伝送されているTSパケットを連続的に受信して連結合成することにより、所定のTSを再構成するTS合成受信装置であって、
    固有に識別可能なパケット識別子を有し、且つ巡回カウントされる巡回カウンターとして同一の値となるTSパケット構造の予め定めた2つのマーカーパケットが当該2つのTS伝送路により分割伝送される所定のTSに所定頻度で挿入されており、
    2つのTS伝送路のうち、一方のTS伝送路で伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第1の先入先出メモリと、
    2つのTS伝送路のうち、他方のTS伝送路で伝送されたTSパケットを受信し一時的に保持する第2の先入先出メモリと、
    当該2つのTS伝送路により所定の遅延時間差を許容して得られる2つのマーカーパケットを基準に、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリを制御しながら当該所定のTSの元の順序となるようTSパケットを取り出し連結合成することにより当該所定のTSを再構成するTS合成手段と、
    前記TS合成手段で再構成した当該所定のTSを一時的に保持し、外部に出力するTS出力手段と、
    を備えることを特徴とするTS合成受信装置。
  6. 前記TS合成手段は、
    アンロック状態として制御する際、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリのいずれかの先入れ先出メモリにおける先頭パケットが当該マーカーパケットでなければ、当該マーカーパケットでない先頭パケットを廃棄する手段と、
    ロック状態として制御する際、主として交互に先頭パケットを取り出す制御を行うとともに、前記第1の先入先出メモリ及び前記第2の先入先出メモリの双方の先頭パケットが当該マーカーパケットであるときに、当該2つのマーカーパケットの巡回カウンターが同一の値を有するか否かを逐次検査し、当該巡回カウンターが同一の値を有する場合には当該ロック状態としての制御を継続し、同一の値を有しない場合には、以後アンロック状態として制御する手段と、
    を有することを特徴とする、請求項5に記載のTS合成受信装置。
  7. 前記TS合成手段は、
    前記ロック状態の制御中、
    前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリの双方における先頭パケットがいずれもマーカーパケットでない間には交互に先頭パケットを取り出し前記TS出力手段に出力して外部に出力させる手段と、
    前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリの双方における先頭パケットがいずれもマーカーパケットであるときには、巡回カウンターの値が一致するか否かを判定し、巡回カウンターの値が一致する際には両方の当該先頭パケットを取り出し、その一方を前記TS出力手段に出力して外部に出力させ、巡回カウンターの値が異なる際には該巡回カウンターの値が小さい当該先頭パケットを廃棄し、以後前記アンロック状態として制御して前記TS出力手段への出力を待機する手段と、
    を有することを特徴とする、請求項6に記載のTS合成受信装置。
  8. 前記TS合成手段は、前記ロック状態の制御中、前記第1の先入先出メモリと前記第2の先入先出メモリのいずれか一方の先頭パケットがマーカーパケットであり、他方の先頭パケットがヌルパケットである際に、該ヌルパケットを廃棄することを特徴とする、請求項6又は7に記載のTS合成受信装置。
  9. 前記TS合成手段は、前記ロック状態の制御中、前記所定のTSに含まれるPATパケット又はPCRパケットを複製して生成し当該2つのマーカーパケットとして挿入されているときはいずれか一方を除去し、専用のマーカーパケットが生成されて当該2つのマーカーパケットとして挿入されているときは双方とも除去する手段を有することを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のTS合成受信装置。
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