JP6500634B2 - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚板間の狭幅の開先に対して肉盛り溶接を行う溶接装置及び溶接方法に関するものである。
母材間の開先を溶接付けする溶接方法として、横向き姿勢で開先内の肉盛り溶接を行う横向き溶接がある。
横向き溶接の場合、アークにより溶融された溶融金属が重力により垂下がり、下板側で溶接欠陥が発生し易い為、入熱量を増大させた高効率での施工が困難である。従って、従来の横向き溶接では、溶融金属が垂下がらない様溶接速度を速くし、低入熱量での施工とする必要があることから、積層パス数が増加し、処理時間が増大していた。
板厚の厚い母材を狭い開先(狭開先)で溶接を行う場合、従来ではV(レ)型開先による片面施工やX型開先による両面施工が行われている。然し乍ら、V(レ)型開先の場合には開先断面積や溶接変形が大きくなり、X型開先の場合には裏はつりや段取り替えの工数が増加し、処理時間が増大するという問題があった。
更に、横向き溶接の場合、溶融金属の垂下がりを計算した上で、溶接を行なう際の狙い位置、溶接トーチの角度、溶接速度等の各溶接条件を設定する必要があり、更に作業者の技量により品質に差が生じる。この為、一定の品質を確保できる様、溶接の自動化が求められている。然し乍ら、V(レ)型開先、X型開先の場合、パス毎に適正な溶接条件が大きく変動する為、溶接の自動化は極めて困難であった。
尚、特許文献1には、開先の上側領域では溶接ワイヤの加熱電流を減少させ、母材の過剰溶融と溶融池の垂れ下がりを抑制すると共に、開先の下側領域では溶接ワイヤの加熱電流を増加させ、母材の溶融を促進する構成、又揺動振幅の両端で一定時間停止させることで開先隅部の溶融を確保する構成が開示されている。
特開2001−79664号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、狭開先の溶接を自動化させる溶接装置及び溶接方法を提供するものである。
本発明は、横向き姿勢で母材間のI型開先の溶接を行う溶接装置であって、前記母材間の開先内にアークを発生させる溶接トーチと、該溶接トーチに溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部と、前記溶接ワイヤに電力を供給する電力供給部と、前記溶接トーチを前記開先に対して平行に走行させる走行駆動部と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間で往復移動させるウィービング駆動部と、前記ワイヤ供給部と前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する制御部とを具備し、該制御部は、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間でウィービングさせつつ前記開先に沿って移動させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行を停止させ、前記開先の上端部で前記溶接ワイヤの先端のウィービングを停止させると共に、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤに対する電力量を低下させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行速度、前記溶接ワイヤの先端のウィービング速度及び前記溶接ワイヤに対する電力量を上昇させる様前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する溶接装置に係るものである。
又本発明は、前記制御部は、前記溶接ワイヤの先端が、前記開先の下端部から上端部にウィービングする直前と、前記開先の上端部にウィービングした直後と、前記開先の上端部から下端部にウィービングする直前とで、予め設定した時間だけ前記溶接トーチの走行及び前記溶接ワイヤの先端のウィービングを停止させる様前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する溶接装置に係るものである。
又本発明は、前記溶接トーチは後退角付与手段を有し、該後退角付与手段により前記溶接ワイヤの先端が前記溶接トーチの回転軸心に対して外方に延出し、前記ウィービング駆動部は前記溶接ワイヤの先端を前記溶接トーチの回転軸心を中心とした半径で回転させる溶接装置に係るものである。
又本発明は、前記後退角付与手段は前記溶接ワイヤに後退角を付与し、溶融池に対して進行方向側から溶接ワイヤを供給する溶接装置に係るものである。
更に又本発明は、横向き姿勢で溶接トーチを開先に沿って走行させつつ溶接ワイヤの先端を母材間のI型開先の上端部と下端部との間で往復移動させて母材間の溶接を行う溶接方法であって、前記溶接トーチの走行を停止しつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部に向ってウィービングさせる第1工程と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部に位置させた状態で前記溶接トーチを前記開先に沿って移動させる第2工程と、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部に向ってウィービングさせる第3工程とを有し、前記第2工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を低下させ、前記第3工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を上昇させる溶接方法に係るものである。
本発明によれば、横向き姿勢で母材間のI型開先の溶接を行う溶接装置であって、前記母材間の開先内にアークを発生させる溶接トーチと、該溶接トーチに溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部と、前記溶接ワイヤに電力を供給する電力供給部と、前記溶接トーチを前記開先に対して平行に走行させる走行駆動部と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間で往復移動させるウィービング駆動部と、前記ワイヤ供給部と前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する制御部とを具備し、該制御部は、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間でウィービングさせつつ前記開先に沿って移動させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行を停止させ、前記開先の上端部で前記溶接ワイヤの先端のウィービングを停止させると共に、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤに対する電力量を低下させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行速度、前記溶接ワイヤの先端のウィービング速度及び前記溶接ワイヤに対する電力量を上昇させる様前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御するので、1パスで1層の溶接が可能であり、又前記開先の底部側から表面側迄の各パス毎の溶接条件を一定とすることができ、容易に溶接処理の自動化が図れ、作業性を向上させることができる。
又本願発明は、横向き姿勢で溶接トーチを開先に沿って走行させつつ溶接ワイヤの先端を母材間のI型開先の上端部と下端部との間で往復移動させて母材間の溶接を行う溶接方法であって、前記溶接トーチの走行を停止しつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部に向ってウィービングさせる第1工程と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部に位置させた状態で前記溶接トーチを前記開先に沿って移動させる第2工程と、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部に向ってウィービングさせる第3工程とを有し、前記第2工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を低下させ、前記第3工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を上昇させるので、1パスで1層の溶接が可能であり、又前記開先の底部側から表面側迄の各パス毎の溶接条件を一定とすることができ、容易に溶接処理の自動化が図れ、作業性を向上させることができるという優れた効果を発揮する。
本発明の実施例に係る溶接装置を示す側面図である。 本発明の実施例に係る溶接装置を示す背面図である。 (A)は開先内の溶接状態を示す側面図であり、(B)は開先内の溶接状態を示す下面図である。 開先内の溶接時に於けるオシレートパターンを示す説明図である。 (A)は溶接時のオシレートパターンに対応する台車の走行速度を示す説明図であり、(B)はオシレートパターンに対応するウィービング速度を示す説明図であり、(C)はオシレートパターンに対応する溶接電力を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
先ず、図1、図2に於いて、本発明の実施例に係る溶接装置について説明する。
溶接装置1は横向き溶接装置であり、板厚の厚い板材、例えば船舶や橋梁等に使用される板厚の厚い鋼板同士を上下で突合わせ、水平方向に溶接する際に用いられるものである。前記溶接装置1は、例えば開口幅が15mm程度の狭開先に対して肉盛り溶接が可能となっている。
図1、図2中、2a,2bは溶接される上板と下板を示し、該上板2a,下板2bを合わせて母材2とする。又、3は該母材2の前記上板2a,下板2b間に水平に形成された開先を示し、4は該開先3を覆う様前記上板2a,下板2bの裏面に取付けられた裏当てを示し、5は該裏当て4を保持する固定具を示している。尚、本実施例では、図2中前記開先3と平行な方向を左右方向とし、該開先3と直交する方向を上下方向とし、該開先3に対して近接離反する方向を前後方向とする。
又、図1中、6は母材支持フレームを示し、該母材支持フレーム6は前記母材2を保持する保持ビーム7と、該保持ビーム7と直交し前記母材支持フレーム6の両端から水平方向に延出する支持部材8,8を有する。
前記溶接装置1は、前記支持部材8,8に掛渡って設けられる。前記溶接装置1は、前記保持ビーム7(前記開先3)と平行な上枠部材9を有する。該上枠部材9は断面凹字状となっている。該上枠部材9の対向する両側壁9a,9aの上端に走行車輪11を介して上走行台車12が走行可能に軌乗している。該上走行台車12には溶接ワイヤ10(後述)が巻設されたワイヤスプール13が設けられている。
前記上枠部材9の下方には該上枠部材9と平行なレール14が設けられている。該レール14には走行自在に下走行台車15が設けられ、該下走行台車15と前記上走行台車12とは連結部材16により連結されており、前記上走行台車12と前記下走行台車15とは一体に移動する様になっている。前記下走行台車15には台車駆動モータ17が設けられ、該台車駆動モータ17により前記下走行台車15が前記レール14を走行する様になっている。尚、前記下走行台車15と前記台車駆動モータ17により走行駆動部が構成される。
前記下走行台車15の下面には、駆動モータを含むスライダユニット18が設けられ、該スライダユニット18より昇降シャフト19が垂下されている。前記スライダユニット18は第1駆動モータ(図示せず)、第2駆動モータ(図示せず)を有し、前記第1駆動モータは前記昇降シャフト19を前記上板2a,下板2bに対して近接離反させ、前記第2駆動モータは前記昇降シャフト19を上下方向に昇降させる様になっている。
尚、前記スライダユニット18にはスクリュー(図示せず)が螺合され、該スクリューにハンドル21が設けられており、該ハンドル21を回転することで、前記スライダユニット18の近接離反方向(前後方向)の微調整が可能となっている。
前記昇降シャフト19の下端部には枠部22が取付けられ、該枠部22に溶接装置本体部23とワイヤ供給装置であるワイヤフィーダ24が固着されている。前記溶接装置本体部23の前記開先3側には、即ち前記ワイヤフィーダ24の反対側には、前記開先3に向って水平方向に延出する溶接トーチ25が設けられている。該溶接トーチ25は該溶接トーチ25の軸心を中心に回転可能であり、前記溶接装置本体部23には前記溶接トーチ25を往復回転(ウィービング)させるウィービング駆動部である回転モータ26が設けられている。
前記溶接トーチ25にはホルダ27を介してシールドガスを噴出するシールドノズル28が取付けられており、該シールドノズル28はシールドガス源(図示せず)に接続されている。前記回転モータ26により、前記溶接トーチ25と前記シールドノズル28とが一体に回転する様になっている。
前記溶接装置本体部23と前記ワイヤフィーダ24は、ワイヤ供給パイプ29により連結されている。前記ワイヤフィーダ24は、前記ワイヤ供給パイプ29を介して前記ワイヤスプール13からの前記溶接ワイヤ10を前記溶接トーチ25に供給すると共に、前記溶接ワイヤ10の供給量を制御する。尚、前記ワイヤスプール13、前記ワイヤフィーダ24によりワイヤ供給部が構成される。
又、図1、図2中、31は制御部を示し、該制御部31は前記台車駆動モータ17、前記スライダユニット18、前記回転モータ26を制御し、前記溶接トーチ25を所定の速度で上下方向、左右方向、前後方向に移動可能であると共に、該溶接トーチ25を所定の速度で往復回転可能となっている。尚、前記制御部31は、前記台車駆動モータ17、前記スライダユニット18、前記回転モータ26をそれぞれ制御可能であると共に、同期制御可能となっている。
又、前記制御部31は、前記ワイヤフィーダ24及び図示しない電力供給部を制御し、前記溶接トーチ25に対する前記溶接ワイヤ10の供給量、電力量を制御可能となっている。更に、前記制御部31には、予め設定されたオシレートパターンが格納され、前記制御部31はオシレートパターンに基づき、前記溶接トーチ25を所定の速度で進行させ、所定の速度で往復回転させると共に、前記溶接トーチ25に所定の電力を供給する様になっている。
図3(A)、図3(B)は、前記溶接トーチ25の先端部を示している。
該溶接トーチ25は、トーチホルダ32に取付けられ、該トーチホルダ32は前記溶接トーチ25の回転軸の軸心上、或は略軸心上に位置している。前記溶接トーチ25の先端、即ち前記溶接ワイヤ10の先端は、前記溶接トーチ25の回転軸心に対して外方に向って延出しており、該溶接トーチ25が回転することで、前記溶接ワイヤ10の先端が前記溶接トーチ25の回転軸心を中心とした半径で回転する。
前記トーチホルダ32は、前記溶接トーチ25を保持する固定部材であると共に、該溶接トーチ25を前記開先3内の溶融池33に向って湾曲させる湾曲面を有し、前記溶接トーチ25に後退角を付与する後退角付与手段となっている。又、前記溶接トーチ25は、先端に設けられたコンタクトチップ34を有し、該コンタクトチップ34を介して電力供給部(図示せず)より前記溶接ワイヤ10に給電可能となっている。
前記ワイヤフィーダ24(図1参照)より前記ワイヤ供給パイプ29(図1参照)を通って前記溶接トーチ25に前記溶接ワイヤ10が供給されることで、該溶接ワイヤ10が前記トーチホルダ32の湾曲面に沿った状態で、即ち前記溶融池33に対して所定の後退角が付与された状態で、前記コンタクトチップ34より前記溶融池33に供給される様になっている。
尚、本実施例に於いては、前記溶接トーチ25の回転軸心が前記溶融池33よりも進行方向側に位置し、前記溶接ワイヤ10は反進行方向側に向って例えば40°〜60°傾斜した状態、即ち後退角が付与された状態で進行方向側から前記溶融池33に供給される。
又、前記シールドノズル28は前記溶融池33の直上に位置し、前記溶接ワイヤ10の軸心は、前記シールドノズル28の下方で該シールドノズル28の軸心と交差する。
次に、図4、図5に於いて、本実施例に於けるオシレートパターン、即ち前記溶接トーチ25の進行速度、回転速度及び給電量等の溶接条件について説明する。尚、図4中、35は前記溶接トーチ25の回転中心を示し、図5(A)は前記下走行台車15の進行速度を高速、低速、停止の3段階に分けた場合を示し、図5(B)は前記溶接ワイヤ10の先端のウィービング速度を高速、低速、停止の3段階に分けた場合を示し、図5(C)は前記コンタクトチップ34に対する給電量を高中低の3段階に分けた場合を示している。
又、本実施例では、前記母材2の上板2a、下板2bは、それぞれ30mm以上の厚みを有する鋼板であり、前記開先3は、例えば15mm程度の幅を有するI開先となっている。又、図4中、紙面に対して左側を進行方向とする。
前記開先3の溶接を行なう際には、先ず前記制御部31が前記台車駆動モータ17、前記スライダユニット18、前記回転モータ26を駆動させ、前記溶接トーチ25を溶接開始位置迄移動させる。この時、前記溶接ワイヤ10の先端は前記開先3の下端部の第1地点36に位置している。
次に、前記制御部31は、電力供給部より前記溶接ワイヤ10に電力を供給してアークを発生させ、該溶接ワイヤ10を所定の送り速度で供給する。前記回転モータ26を駆動させ、前記溶接トーチ25を回転角θ(図3(A)参照)の範囲でウィービングさせて、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第1地点36から前記開先3の上端部の第2地点37へと移動させる(図4中(1))。
第1工程では、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第1地点36から前記第2地点37へと移動(ウィービング)させる。第1工程では、前記下走行台車15は停止しており(図5(A)参照)、この状態で前記溶接トーチ25を低速でウィービングさせ(図5(B)参照)、又この時の前記溶接ワイヤ10に供給される電力量は中となっている(図5(C)参照)。
横向き溶接に於いては、前記上板2aに比べて前記下板2bが溶け難くなっており、前記下走行台車15を停止させた状態で、低速で前記溶接トーチ25をウィービングさせることで、前記下板2bに対して充分な入熱量が確保される。
次に、前記制御部31は、前記台車駆動モータ17を駆動させ、前記溶接トーチ25を前記開先3に沿って移動させ、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第2地点37から前記開先3の上端部の第3地点38へと移動させる(図4中(2))。
第2工程では、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第2地点37から前記第3地点38へと移動させる。第2工程では、前記溶接トーチ25のウィービングは停止しており(図5(B)参照)、この状態で前記下走行台車15を低速で走行させ(図5(A)参照)、又この時の前記溶接ワイヤ10に供給される電力量は低となっている(図5(C)参照)。
前記上板2aは前記下板2bよりも溶け易くなっており、又溶込み量過剰による溶融金属の垂下がりを防止する為、前記溶接ワイヤ10に供給する電力量を低とし、入熱量が確保できる様前記下走行台車15の走行速度を低速としている。
前記溶接ワイヤ10の先端を前記第3地点38へと移動させた後、前記制御部31は、前記台車駆動モータ17及び前記回転モータ26を駆動させ、前記溶接トーチ25を前記開先3に沿って移動させると共に回転させ、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第3地点38から前記開先3の下端部の第4地点39(第1地点36)へと移動させる(図4中(3))。
第3工程では、前記溶接ワイヤ10の先端を前記第3地点38から前記第4地点39へと移動(ウィービング)させる。第3工程では、前記下走行台車15の速度を高速とし(図5(A)参照)、前記溶接トーチ25のウィービング速度を高速とし(図5(B)参照)、前記溶接ワイヤ10に供給する電力量を高としている。
前記開先3は狭幅のI開先であり、前記第1地点36〜前記第3地点38間の溶接を行う過程で、前記開先3内には前記溶接トーチ25の進行方向に溶融金属が流れる溶融池の先行が生じている。従って、前記下走行台車15の速度を高速とし、前記溶接トーチ25のウィービング速度を高速とすることで、前記溶接ワイヤ10の先端が先行した溶融金属を追越すことができ、アークの熱が溶融金属で遮られて前記下板2bが溶込み不足となるのを防止できると共に、前記溶接ワイヤ10に供給する電力量を高とすることで、短時間で充分な入熱量を確保できる。
前記溶接ワイヤ10の先端を前記第4地点39へと移動させた後は、該第4地点39を前記第1地点36とし、第1工程〜第3工程を再度繰返すことで、前記開先3内の肉盛り溶接が順次行われる。
第1工程〜第3工程を1周期のオシレートパターンとし、該開先3の一端から他端まで、オシレートパターンを所定周期繰返すことで、1パスで1層分の溶接を行うことができる。更に、該開先3内で凝固したビードの上から同様に肉盛り溶接を行い、ビードを積層させていくことで、前記母材2の前記上板2aと前記下板2bの溶接が行われる。
尚、図4中では、溶接を開始した際の最初のオシレートパターンのみ、前記第2工程を省略している。第2工程が省略されることで、前記上板2aでの溶融金属量が低減され、溶融金属が前記溶接トーチ25の逆側に流れ出るのを抑制することができる。
上述の様に、本実施例では、前記上板2aと前記下板2b間の前記開先3が、狭幅のI開先であり、1パスで1層の溶接が可能であるので、前記上板2aと前記下板2bの表面に近づくにつれて1層毎のパス数が増加することなく、V(レ)型開先の場合と比べてパス数を1/3〜1/4程度迄低減させることができ、処理時間の短縮を図ることができる。
又、前記開先3がI開先であることから、該開先3の底部から前記上板2aと前記下板2b迄の各パス毎の溶接条件を一定とすることができるので、溶接処理を容易に自動化することができ、作業性を向上させることができる。
又、本実施例の様なオシレートパターンとすることで、前記溶接ワイヤ10に供給される電力量の平均値を増大させることができるので、溶接処理の作業効率を向上させることができる。
又、溶接処理が自動化されることで、従来では熟練の技術が必要であった横向き溶接について、人手作業が不要となり、溶接の品質が作業者の熟練度に左右されることがなくなり、溶接の品質向上を図ることができる。
又、本実施例では、前記溶接トーチ25が前記トーチホルダ32の湾曲面に沿って湾曲し、前記溶接ワイヤ10の先端が前記溶接トーチ25の回転軸心から外方に向って延出し、該溶接トーチ25を回転軸心とした半径で回転する様になっているので、該溶接トーチ25を回転させるだけで前記溶接ワイヤ10の先端をウィービングさせることができ、狭幅の前記開先3内でも容易にウィービングさせることができる。
又、前記トーチホルダ32により前記溶接ワイヤ10に後退角が付与され、該溶接ワイヤ10が進行方向側から供給されているので、進行方向へと流れようとする溶融金属をアークにより後方へと押戻すことができ、溶融金属が進行方向へと流れることを抑制する。この為、溶融金属が進行方向へと流れることにより生じる溶接欠陥を防止することができる。
更に、前記ワイヤスプール13が前記下走行台車15と一体に移動する様設けられ、又前記ワイヤフィーダ24が前記溶接装置本体部23を挾んで前記溶接トーチ25の逆側に設けられているので、前記溶接ワイヤ10の供給の安定化を図ることができる。
尚、本実施例では、第1工程〜第3工程の3つの工程を繰返すことで、前記開先3内の溶接を行っているが、前記第1地点36、前記第2地点37、前記第3地点38に於いて、前記下走行台車15の走行及び前記溶接ワイヤ10の先端のウィービングを停止させ、前記溶接ワイヤ10に電力のみを供給するよう停止時間を設定する様にしてもよい。前記第1地点36〜前記第3地点38の各地点に於いて設定時間だけ前記下走行台車15の走行及び前記溶接ワイヤ10の先端のウィービングを停止させることで、第1工程〜第3工程と、前記第1地点36〜前記第3地点38の停止工程の計6工程のオシレートパターンとすることができるので、より細かな制御が可能となり、溶接品質を更に向上させることができる。
1 溶接装置 2 母材
3 開先 10 溶接ワイヤ
12 上走行台車 14 レール
15 下走行台車 17 台車駆動モータ
23 溶接装置本体部 24 ワイヤフィーダ
25 溶接トーチ 26 回転モータ
31 制御部 32 トーチホルダ

Claims (5)

  1. 横向き姿勢で母材間のI型開先の溶接を行う溶接装置であって、前記母材間の開先内にアークを発生させる溶接トーチと、該溶接トーチに溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部と、前記溶接ワイヤに電力を供給する電力供給部と、前記溶接トーチを前記開先に対して平行に走行させる走行駆動部と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間で往復移動させるウィービング駆動部と、前記ワイヤ供給部と前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する制御部とを具備し、該制御部は、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部と下端部との間でウィービングさせつつ前記開先に沿って移動させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行を停止させ、前記開先の上端部で前記溶接ワイヤの先端のウィービングを停止させると共に、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤに対する電力量を低下させ、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部へとウィービングさせる過程で前記溶接トーチの走行速度、前記溶接ワイヤの先端のウィービング速度及び前記溶接ワイヤに対する電力量を上昇させる様前記電力供給部と前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御することを特徴とする溶接装置。
  2. 前記制御部は、前記溶接ワイヤの先端が、前記開先の下端部から上端部にウィービングする直前と、前記開先の上端部にウィービングした直後と、前記開先の上端部から下端部にウィービングする直前とで、予め設定した時間だけ前記溶接トーチの走行及び前記溶接ワイヤの先端のウィービングを停止させる様前記走行駆動部と前記ウィービング駆動部とを制御する請求項1に記載の溶接装置。
  3. 前記溶接トーチは後退角付与手段を有し、該後退角付与手段により前記溶接ワイヤの先端が前記溶接トーチの回転軸心に対して外方に延出し、前記ウィービング駆動部は前記溶接ワイヤの先端を前記溶接トーチの回転軸心を中心とした半径で回転させる請求項1又は請求項2に記載の溶接装置。
  4. 前記後退角付与手段は前記溶接ワイヤに後退角を付与し、溶融池に対して進行方向側から溶接ワイヤを供給する請求項3に記載の溶接装置。
  5. 横向き姿勢で溶接トーチを開先に沿って走行させつつ溶接ワイヤの先端を母材間のI型開先の上端部と下端部との間で往復移動させて母材間の溶接を行う溶接方法であって、前記溶接トーチの走行を停止しつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の下端部から上端部に向ってウィービングさせる第1工程と、前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部に位置させた状態で前記溶接トーチを前記開先に沿って移動させる第2工程と、前記溶接トーチを走行させつつ前記溶接ワイヤの先端を前記開先の上端部から下端部に向ってウィービングさせる第3工程とを有し、前記第2工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を低下させ、前記第3工程では前記溶接ワイヤに対する電力量及び前記溶接トーチの走行速度を上昇させることを特徴とする溶接方法。
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