JP6495355B2 - 給液装置 - Google Patents

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本発明は、貯留した液体や水を効率よく吐出して供給する給液装置に関する。
近年、大規模な震災が多発しており、各地で避難生活を余儀なくされる人が多くなっている。また、今後もこのような大規模な地震等の発生が予想されており、然るべき準備をすることが極めて重要である。避難生活においてライフラインを確保するのは非常に重要であるが、中でも特に水の確保が重要である。日本の場合には、都心部においては地震発生から割と短い時間である程度の市販の飲料水等を確保することができるようになっているものの、洗面用の大量の水を確保するには時間が掛かってしまい、避難生活における衛生面で不安が生じてしまう。
また、地方や山間部などでは、ライフラインが止まってしまうと水を確保すること自体が難しく、震災発生後は、しばらく飲料用や洗面用の水を大量に確保することができない状況である。
震災等が発生した場合に、被災地に水を給水するための給水装置として、図14に示すような給水装置が知られている。図14の給水装置は、「平成28年熊本地震」の際に実際に使用されたものであり、洗面水や飲料水として使用可能な水をタンク内に貯水し、タンクの下方に取り付けられた取水口から水道管を通して蛇口に水を供給するものである。
また、災害発生時などに水を供給する技術として、例えば特許文献1に示すような技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、取水口と、浄水排出口及び濃縮水排水口とを箱形の本体に有する浄水装置であって、浄水装置内には、取水手段、第1浄化手段、第1原水路、第1水質計測手段、第1圧力計測手段、第2浄化手段、第2原水路、加圧手段、第2圧力計測手段、浄水路、第2水質計測手段、第1濃縮水路、第2濃縮水路、流量可変手段、浄水装置の運転を自動制御する制御装置を備え、制御装置は、第1水質計測手段、第2水質計測手段、第1圧力計測手段及び第2圧力計測手段による計測値に基づいて、原水から浄水を抽出する自動運転を制御するものである。
特開2015−188767号公報
図14に示す給水装置は、極めて簡素化された構成で使い勝手もよく、被災者の評判も非常にいいものであったが、蛇口の位置で取水するためには、タンクをある程度の高さで維持する必要があり、設置するのに非常に大掛かりな作業になってしまうという課題を有する。また、余震が続く中でタンクをある程度の高さに保った場合は転倒の可能性があり、安全性の面で不安であるという課題を有する。
特許文献1に示す技術は、タンクが下方に配置されており、持ち運びや安全性の面で効果を有する技術であるが、取水するためにはポンプなどで水を持ち上げる必要があり、また、いくつかのセンサ等を備える構成であるため、電力等のエネルギーを要するものとなり、震災直後のライフラインが完全に停止している被災地などで使用するには困難性を有するものである。
本発明は、非常に簡単な構成で安全に、且つ、震災等があった直後であっても迅速に水やその他の液体を給液することが可能な給液装置を提供する。
本発明に係る給液装置は、液体を貯留タンクに貯留すると共に、貯留された前記液体を吐出して前記貯留タンクから取出するために底面より高い位置に配設された吐出口を有する貯留手段と、前記貯留手段の容積を前記貯留手段の底面全体を少なくとも当該底面の前記吐出口が配設される側面側で垂直に持ち上げて可変する容積可変手段とを備え、前記吐出口が前記容積可変手段の最大可変状態における前記貯留手段の底面位置に対応して配設されており、前記容積可変手段が可変した前記容積の変化により、前記貯留手段に貯留された前記液体の液位が前記吐出口の位置よりも高い位置となるものである。
このように、本発明に係る給液装置においては、液体が貯留された貯留手段の容積を変化させることで液位の位置を吐出口の位置よりも高い位置とするため、貯留槽内の液体がある程度使用されて液位が吐出口より下がった場合であっても、貯留手段自体を高い位置に上げることなく、容積を変化させることで液位のみを上げて、液体を吐出可能にすることができ、非常に簡素化された構造で且つ簡易的な動作で安全に給液することが可能になるという効果を奏する。
また、容積可変手段が、貯留手段の底面を垂直方向に持ち上げるため、底上げをすることで液位を上げ、安全に液体を吐出することができるという効果を奏する。
本発明に係る給液装置は、前記貯留手段の底面が当該貯留手段の上部に配設されている滑車又は輪軸を介して錘に接続され、当該錘の上下移動に伴って前記貯留手段の底面が垂直方向に上下動するものである。
このように、本発明に係る給液装置においては、貯留手段の底面が当該貯留手段の上部に配設されている滑車又は輪軸を介して錘に接続されているため、貯留されている液体が減っていくと、錘の重力により自然と貯留手段の底上げがなされ、簡単で且つ安全に液位を上げて液体の吐出を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る給液装置は、少なくとも前記貯留手段を覆う外枠筐体を備え、前記貯留手段と前記外枠筐体の間に断熱材が配設されているものである。
このように、本発明に係る給液装置においては、少なくとも前記貯留手段を覆う外枠筐体を備え、前記貯留手段と前記外枠筐体の間に断熱材が配設されているため、貯留手段を袋状やゴム状の可撓性を有する使い捨て可能な材料を用いた場合であっても、形状を外枠筐体で維持し、液体を安定して供給することができると共に、断熱材により内部の液体の温度変化を抑えることができるという効果を奏する。
本発明に係る給液装置は、前記外枠筐体の一部が前記容積可変手段を操作する操作部に対応する位置で切り欠いているものである。
このように、本発明に係る給液装置においては、外枠筐体の一部が前記容積可変手段を操作する操作部に対応する位置で切り欠いているため、例えば、貯留槽の底面をジャッキで上げるような場合には、その操作を外枠筐体の外から行うことが可能になるという効果を奏する。すなわち、外枠筐体の外側から容積可変手段を操作することができる。
本発明に係る給液装置は、前記外枠筐体の側面のうちの少なくとも一面が開閉可能に配設されているものである。
このように、本発明に係る給液装置においては、外枠筐体の側面のうちの少なくとも一面が開閉可能に配設されているため、貯留槽のメンテナンスや取り替え時に、側面を開くことで作業しやすくすると共に、例えば、貯留手段をジャッキ機能付きの台車等で運ぶような場合は、開口した側面から貯留手段を挿入し、そのまま側面を閉じることで極めて容易に使用準備を整えることができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る給液装置の第1の構成において水を貯留している状態を示す図である。 第1の実施形態に係る給液装置の第1の構成において水を供給した後の状態を示す図である。 液装置水を貯留している状態を示す第1の参考図である。 液装置水を供給した後の状態を示す第1の参考図である。 第1の実施形態に係る給液装置の第の構成において水を貯留している状態を示す図である。 第1の実施形態に係る給液装置の第の構成において水を供給した後の状態を示す図である。 液装置水を貯留している状態を示す第2の参考図である。 液装置水を供給した後の状態を示す第2の参考図である。 液装置仕切板を移動可能とした場合の構成を示す参考図である。 液装置の上参考図である。 化システムの第1の構成を示す参考図である。 化システムの第2の構成を示す参考図である。 浄化システムの第3の構成を示す参考図である。 従来使用されている給水装置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る給液装置について、図1ないし図6を用いて説明する。本実施形態に係る給液装置は、低位置に貯留されている液体の容積を変えることで液位を吐出口よりも高い位置に保ち、液体を高位置に持ち上げなくても安全に吐出するものである。特に、震災などが発生した際の給水装置として利用することが有効的であり、余震などで地盤が不安定な状態であっても安全性を保って給水することが可能となる。なお、以下の本実施形態においては、給液装置で供給する液体を水として説明するが、ガソリン、石油、薬液、廃液、飲料、浄化液等の様々な液体で適用することが可能である。
図1及び図2は、本実施形態に係る給液装置の第1の構成を示す図である。図1は水を貯留している状態を示し、図2は水を供給した後の状態を示している。図1及び図2において、給液装置1は、水等の液体を貯留し容積を可変とする貯留タンク10と、貯留タンク10の底面11を持ち上げて貯留タンク10の容積を変化させるジャッキ12と、ジャッキ12の上下移動を操作する操作部13と、貯留タンク10内に貯留されている水が吐出する吐出口14と、吐出口14から連結し、当該吐出口14から取水用の蛇口15までを連通する水道管16と、貯留タンク10及びジャッキ12を覆う外枠筐体17と、貯留タンク10に水を注入するための注入口18とを備える。
まず、地面に設置された給液装置1の貯留タンク10に供給用の水を注入口18から注入する。このとき、ジャッキ12は最下部まで下がっており、貯留タンク10の容積は最大となっている。供給用の水は、事前に浄化処理されているものであり、そのままの状態でも洗面用や飲料用として利用することができるものであってもよいし、事前にある程度の水処理がなされており、最終処理として塩素等による浄化を貯留タンク10内で行うようにしてもよい。貯留タンク10は衛生面を考慮して使い捨てにしてもよいし、内部を洗浄して乾燥できるものであってもよい。
供給用の水が注入口18から十分に注入されると、図1のような状態になる。この状態で蛇口15を開放すれば、吐出口14より上に貯留されている水は自重により水道管16に伝わり、開放された蛇口15から水を供給することができる。しばらく使用を続けると、次第に貯留されている水の水位が下がり、最終的に水位が吐出口14の位置になった時点で蛇口15を開放しても水が供給されなくなってしまう。そこで、図2に示すように、操作部13を上下運動させることでジャッキ12を上げ、それに伴い貯留タンク10の底面を上昇させる。
貯留タンク10の少なくとも吐出口14から底面11までの側面は、可撓性を有する変形自在な素材(例えば、内壁面が撥水性を有する布地、ゴム等の弾性体、ビニール等)で形成されており、例えば、図1及び図2においては、蛇腹状で上下方向に折りたたみ自在の構造となっている。すなわち、図2に示すように、ジャッキ12により底面11が上昇すると、それに伴って貯留タンク10の蛇腹状の側面が折畳まれ、貯留タンク10の容積が小さくなると共に底上げがなされる。そうすると、貯留タンク10内の水の水位が上昇し、吐出口14よりも上の位置になることで、再び蛇口15から水を供給することが可能となる。
このように、貯留タンク10自体を常に吐出口14の位置よりも高い位置に設置しなくても、水の使用に応じて水位のみを上昇させることで、安全で且つシンプルな構成で給水を行うことが可能となる。
なお、水の注入の際は、予めジャッキ12の位置を最下部まで下げておくが、貯留タンク10自体は、注水された水により容積が膨らむ構造(例えば、ゴム状の風船のように膨らむ構造)であってもよいし、ジャッキ12の動きに同期して容積が変化するような構造であってもよい。
また、ジャッキ12の操作は、初期状態において吐出口14よりも上部に貯められていた水がなくなってから、一気に上昇可能な最大限の位置まで上昇させるようにしてもよいし、水の使用の度に所定の高さ分を持ち上げるようにしてもよい。具体的には、給液装置1を使用する際に、1回の使用ごとに使用者が操作部13をn回上下運動させる等のルールを設けることで、ポンプやコンプレッサ等の機器を一切使用することなく、貯留タンク10の水を安全に効率よく使用することが可能となる。
さらに、図1及び図2においては、貯留タンク10の底面に配設されたジャッキ12で底面を上昇させる構成としたが、これに限らず例えば、貯留タンク10を上下方向から挟み込んで、その間隔を狭めることで貯留タンク10の底面を上昇させるような構成であってもよい。
さらにまた、操作部13については、後述する図3及び図4に示すようなハンドルによる回動操作でジャッキ12を上げるようにしてもよい。
図3及び図4は、給液装置の一の参考例における構成を示す第1の参考図である。図3は水を貯留している状態を示し、図4は水を供給した後の状態を示している。図3及び図4において、図1及び図2の場合と異なるのは、ジャッキ12が外枠筐体17の側面の内壁面に設置されており、操作部13としてのハンドルを回動することで、ジャッキ12を広げて貯留タンク10の側壁面を吐水口14の反対側から当該吐水口14に向けて移動させることである。
図3及び図4において、貯留タンク10の側面は水平方向に折りたたみ可能な蛇腹状の構造となっており、ジャッキ12で側壁面を押圧することで貯留タンク10を水平方向に折畳みながら、貯留タンク10の容積を小さくする。貯留タンク10の容積が小さくなるのに伴い、図4に示すように貯留タンク10内の水位が上昇し、水の量が減った場合であっても水位を吐出口14より高い位置に維持して蛇口15から水を供給することが可能となる。
なお、図3及び図4においては、外枠筐体17と貯留タンク10との間にジャッキ12を配設することで、貯留タンク10の容積を可変する構成としたが、これに限らず例えば、貯留タンク10の対向する側面を相互に挟み込んで、その間隔を狭めることで貯留タンク10の容積を可変するようにしてもよい。
また、操作部13については、図3及び図4に示すようなハンドルによる回動操作でもよいし、図1及び図2に示したようなレバーによる上下運動の操作でもよい。
さらに、図1及びにおいて、外枠筐体17の一側面を開閉可能にしてもよい。すなわち、外枠筐体17の一側面を開閉可能にすることで、貯留タンク10のメンテナンスや取り付け、取り外しの作業等を行いやすくすることができる。また、例えば、ジャッキ機能付きの台車を用いることで、別の場所で貯留タンク10に水を注入し、それをジャッキ機能付き台車で外枠筐体17の設置位置まで運び、開放された側面からそのまま台車ごと外枠筐体17に搬入することで、貯留タンク10への水の注入を様々な場所で行った場合であっても、容易に外枠筐体17に運ぶことが可能になると共に、貯留タンク10のメンテナンスや取り替えを極めて効率よく行うことが可能となる。
図5及び図6は、本実施形態に係る給液装置の第の構成を示す図である。図5は水を貯留している状態を示し、図6は水を供給した後の状態を示している。図5及び図6において、図1及び図2の場合と異なるのは、貯留タンク10の底面をジャッキ12ではなく輪軸19を介して接続される錘20により上昇させることである。
具体的には、輪軸19が外枠筐体17の上部に固定されており、一端側が貯留タンク10の底面に配設されているフック21に固定され、他端側に錘20が固定された紐22が、輪軸19に取り付けられている。すなわち、錘20の重さにより輪軸19が回動し、貯留タンク10の底面11が上昇する。それに伴って、貯留タンク10内の水位が上昇する。このとき、底面11が地面と平行を保ったまま上昇させるために、紐22が底面11の複数個所(例えば、四隅)に配設された複数のフック21(図示しない)に固定されるようにしてもよいし、底面11が傾かないようにガイド(図示しない)を設けるようにしてもよい。
貯留タンク10に水が貯まった状態では、水の重量が重いため底面11が上昇することはないが、貯留タンク10内の水が使用されると、内部の重量が次第に軽くなり、錘20の下降に伴い底面11が上昇を始める。輪軸19にはロック機能(図示しない)が付設されており、錘20が所定の距離だけ下降すると輪軸19がロックされ動かなくなる。そして、さらに貯留タンク10内の水が使用されて軽くなると、再び輪軸19のロックが解除され、所定の距離だけ錘20が下降した後に再度ロックが掛かる。このような動作を繰り返し、最終的には図6のような状態になって、水を効率よく供給することが可能となる。
なお、輪軸19のロック解除及びロックは、手動で行ってもよいし、貯留タンク10に取り付けられた重量センサの値に基づいて自動で行うようにしてもよい。また、上述したように、使用者自らが水を使用する度に輪軸19のロック解除及びロックを行うようにしてもよい。
また、用意される錘20の重量と、貯留タンク10のサイズに応じて、図及び図に示すような輪軸19を用いてもよいし、滑車を用いるようにしてもよい。
さらに、輪軸19の回動速度はトルクによって調整可能としてもよい。そうすることで、錘20の急激な下降を防止して、安全性を保つことができる。
さらにまた、本実施形態において、外枠筐体17と貯留タンク10との間の間隙に断熱材を備える構成としてもよい。そうすることで、貯留タンク10内の温度維持を促進することが可能となる。
さらにまた、本実施形態において、容積を可変する方法としてジャッキ12を用いた方法を説明したが、これに限らず、例えば貯留タンク10を外側から段階的に締め付けることで内部の容積を小さくする等、外部からの力により容積を可変する方法であれば適用可能である。
さらにまた、図1ないし図6において、吐出口14を密閉する弁を取り付けておくことで、貯留タンク10の水がある程度使用され、貯留タンク10の容積を元の状態に戻す(容積を増やす)場合に、吐出口14の弁を閉じ、注入口18を密閉状態(給水用のホースは接続済み)にして容積を増やすことで、貯留タンク10内を負圧にして次の水を吸入することが可能となる。すなわち、貯留タンク10に次回使用する水を供給する際に、その元となる水を高い位置に上げることなく、貯留タンク10の圧力により吸い上げてタンク内に供給することが可能になる。
給液装置の他の参考例
参考例に係る給液装置について、図7ないし図9を用いて説明する。本参考例に係る給液装置は、前記第1の実施形態の場合のように、貯留タンク10の形状を変化させて容積を小さくするのではなく、エアバッグを膨張させることで貯留タンク10の容積を小さくして、貯留タンク10内の液体の液位を上げるものである。なお、本参考例において前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。また、本参考例においても、給液装置1で供給する液体を水として説明する。
図7及び図8は、本参考例に係る給液装置の第の構成を示す参考図である。図7は水を貯留している状態を示し、図8は水を供給した後の状態を示している。図7及び図8において、給液装置1は、水等の液体を貯留し容積を可変にする貯留タンク10と、貯留タンク10内で外部から注入された気体(例えば、空気)により膨張するエアバッグ23と、エアバッグ23に空気を送り込むためのエア注入路24と、注入されたエアの流出を防止するための逆止弁25と、貯留タンク10に水を注入する水注入路26と、貯留タンク10内に貯留されている水が吐出する吐出口14と、吐出口14から連結し、当該吐出口14から取水用の蛇口15までを連通する水道管16と、貯留タンク10を覆う外枠筐体17とを備える。
また、貯留タンク10は、エアバッグ23の膨張により容積が小さくなる容積調整部10aと、容積調整部10aから流入する水を一旦貯留し、吐出口14から吐出する送液部10bと、容積調整部10a及び送液部10bを区分けする仕切板10cとを有している。仕切板10cは、貯留タンク10の高さに対して短くなっており、容積調整部10aの下方と送液部10bの下方とで、それぞれ水が流通できる開放部10dを形成するように配設されている。
送液部10bの水平方向の断面積は、容積調整部10aの水平方向の断面積に比べて大きくなっている。これは、エアバッグ23による上方向からの圧力が弱い場合であっても、容積調整部10aに貯留している水を容易に送液部10bに送り込むことができるためである。エアバッグ23は、エア注入路24から注入される空気により容積調整部10aの側面に沿って上方から下方に向かって膨張する。注入される空気は、例えば、コンプレッサや電動ポンプ等の機器を利用してもよいし、手動によるポンプを利用してもよい。
貯留されている水が使用されると、次第に水位が下がり、水位が吐出口14以下となった時点で蛇口15から水を取水できなくなる。そこで、エアバッグ23に空気を注入して膨張させると、容積調整部10aに貯留されていた水がエアバッグ23の押圧力により開放部10dを流通して送液部10bに送られ、送液部10bにおける水位を上昇させる。このとき、上述したように、送液部10bの水平方向の断面積が容積調整部10aの水平方向の断面積に比べて大きくなっているため、エアバッグ23による容積調整部10a内の水への圧力が弱くても、容積調整部10a内の水を容易に送液部10bに送り込んで、送液部10bの水位を上げることができる。すなわち、エアバッグ23に空気を注入する際に弱いエネルギーであっても容易に注入することが可能となり、省エネを実現することができる。
なお、コンプレッサや電動ポンプなどを無制限に使用することが可能な環境であれば、必ずしも送液部10bの水平方向の断面積を容積調整部10aの水平方向の断面積より大きくする必要はない。
また、図7及び図8においては、一体的な貯留タンク10を仕切板10cにより容積調整部10aと送液部10bとに区切る構成としたが、容積調整部10aと送液部10bとを別体として、その間の下方部分をパイプ等の導管で連通する構成であってもよい。
さらに、仕切板10cを可動式にすることで、図9に示すように、エアバッグ23を水平方向にも膨張させるようにしてもよい。こうすることで、貯留タンク10内の水を最大限に利用することが可能となる。また、仕切板10cの可動は、貯留タンク10内の水の量に応じて可動するようにしてもよい。すなわち、貯留タンク10内の水の量が多い場合は、送液部10bの水位を上げるために大きな力を必要とするため、容積調整部10aの水平方向の断面積を出来るだけ小さくしておき、貯留タンク10内の水の量が減少するに連れて、送液部10bの水位を上げるために必要な力が弱くなるため、容積調整部10の水平方向の断面積が次第に大きくなるように仕切板10cの位置が調整されてもよい。
図10は、本参考例に係る給液装置の構成を示す参考図であり、ここでは給液装置の上面図を示している。図7ないし図9の構成と異なるのは、貯留タンク10が複数の容積調整部10aと1つの送液部10bとを有し、それぞれの容積調整部10aごとにエアバッグ23を備えることである。個々の容積調整部10aの水平方向の断面積は、送液部11bの水平方向の断面積よりも小さくなっており、上記と同様に少ないエネルギーで個々のエアバッグ23を膨張させることができ、送液部11bの水位を容易に上昇させることが可能となる。この場合、1つのエアバッグ23から順次膨張するように給気してもよいし、複数のエアバッグ23を並列に膨張するように給気してもよい。
浄化システムの参考例
参考例に係る浄化システムについて、図11ないし図13を用いて説明する。本参考例に係る浄化システムは、汚染された原水を凝集処理する原水槽と、凝集処理された水を濾過処理する濾過槽と、濾過された水を浄化して供給する浄化槽とを備えており、原水槽や浄化槽が上記第1の実施形態や上記参考例に係る給液装置からなるものである。
図11は、本参考例に係る浄化システムの第1の構成を示す参考図である。図11において、浄化システム100は、汚染された原水と共に凝集剤112が投入され、攪拌することで凝集処理を行う原水槽110と、凝集された水が投入されると共に砂濾過により濾過処理が行われる濾過槽120と、濾過された水を貯留し、塩素等で最終的な浄化処理を行う浄化槽130とを備える。図11においては、原水槽110及び浄化槽130は、上記第1の実施形態に示す図1の給液装置と同じ構造となっている。
すなわち、原水槽110の底面をジャッキ12で持ち上げることで原水槽110内の水位を上昇させ、原水槽110で凝集処理された水を濾過槽120に送出する。また、浄化槽130の底面をジャッキ12で持ち上げることで浄化槽130内の水位を上昇させ、浄化された水を吐出口14から出水する。
また、図11においては、原水槽110及び濾過槽120を地面に配置し、浄化槽130を地面よりも低い位置に配設している。これは、濾過槽120で濾過された水をそのまま浄化槽130に送出するためである。環境によっては、浄化槽130を設置するために所定の深さで穴を掘り、そこに埋設するように浄化槽130を設置する。このとき、浄化槽130のジャッキ12の操作や取水等ができる程度の空間が確保されているものとする。
なお、図11は、原水槽110及び浄化槽130を図1に示したものと同じ構成としたが、図3、図5、図7又は図9のいずれの構成であってもよい。また、図11では外枠筐体17の記載を省略している。
原水槽110では、原水に対して凝集処理が行われるため、凝集剤と原水とを攪拌する必要がある。攪拌は人手により行われもよいが、原水槽110の内壁面に螺旋状に原水の流れをガイドするガイド部材111を備えるようにしてもよい。原水を投入する際には、このガイド部材111に沿うように投入することで、原水の投入と同時に攪拌することが可能となり、又は、投入時にある程度渦が発生することから攪拌動作をサポートすることができ、作業の手間を省くことができる。
また、原水槽110の底面には、凝集剤112を回収するための開閉可能な回収孔114が設けられており、使用した凝集剤112はこの回収孔114から回収される。回収された凝集剤112は洗浄されて再度新たな原水を凝集処理するための凝集剤112として再利用される。
濾過槽120では、原水槽110で凝集された水の上澄み部分が投入され、砂濾過の処理がなされる。砂濾過の濾過材121は、例えば、大き目の礫122、小さ目の礫123、大き目の砂124、小さ目の砂125という順番で上から積層されており、各層間にはそれぞれの材料の混合を防止するためにフィルタの膜を挿入してもよい。砂濾過を通過した水は下方に貯留されながら、浄水槽130に送出される。濾過槽120から浄化槽130への水の送出は、位置関係から自然流下で行われる。
なお、砂濾過の濾過材121は、それぞれ水を透過可能な容器に入れられており、パッケージ化されて一体化している。そして、濾過槽120は、このパッケージ化された濾過材121の取り付け及び取り外しが容易にできる構造となっている。すなわち、濾過材121のメンテナンスは、濾過材121のパッケージを濾過槽120から取り外し、それを洗浄又は交換し、再度パッケージで濾過槽120に取り付けることで一括して行うことが可能となり、濾過材121のメンテナンス作業を極めて効率よく行うことができる。
浄化槽130は、濾過槽120で砂濾過された水が投入され貯留される。ここでは、最終的に塩素などで浄化処理が行われる。浄化された水がある程度使用されると、ジャッキ12により水位を上げることで、自然流下による出水を可能とするものである。
図12は、本参考例に係る浄化システムの第2の構成を示す参考図である。図12において、図11の場合と異なるのは、浄化槽130が、原水槽110や濾過槽120と同じ高さに設置されており、濾過槽120から浄化槽130への水の送出が、原水槽110で加圧された圧力を利用して行われることである。このとき、原水槽110から浄化130までの空間を密閉状態にすることが可能であり、原水槽110では圧力をシステム全体に利用することができる。また、図12の場合は、浄化槽130まで加圧する必要があることから、ジャッキ12とエアバック23とを組み合わせて、双方から圧力が利用できるようにしてもよい。
図12において、予め一連の浄化処理が完了した後で、浄化槽130に浄化された水が十分に貯留されている状態とし、その状態で原水槽110で凝集処理を行う。凝集処理が完了すると、システム全体を密閉状態とし、エアバッグ23への給気及び/又はジャッキ12の上昇による容積圧縮を行う。システム全体が密閉されているため、原水槽110が圧縮されると、その圧力により凝集された水が濾過槽120に送出される。濾過槽120に送出された水は、そのまま圧力を受けながら濾過材121を通過し、浄化槽130へと送出される。浄化槽130では圧力を受けた状態で浄化された水が貯留されており、吐出口14を開くと、その水圧で水を取水することができる。このとき、図12に示すように、浄化槽130にもジャッキ12やエアバッグ23(図示しない)を配設し、さらに圧力を掛ける構成としてもよい。このような構成にすることで、全ての層の水平に並べて使用することができる。
図13は、本参考例に係る浄化システムの第3の構成を示す参考図である。図13において、図11の場合と異なるのは、濾過槽120から浄化槽130に送出される水の流通路に水車131が備えられており、また、原水槽110内に攪拌用の攪拌羽113が備えられており、水車131の回動に連動して攪拌羽113が回動することである。このような構成にすることで、水車131のエネルギーを利用して凝集処理を行うことが可能となり、手間を省いて省エネルギーを実現することが可能となる。
なお、本参考例において、濾過槽120と浄化槽130とを一体化し、上段側に濾過槽120を配置し、下段側に浄化槽130を配置する構成としてもよい。この場合、濾過槽120の底面と浄化槽130の上面とが連通しており、濾過された水がそのまま浄化槽130に貯留される構成としてもよい。
1 給液装置
10 貯留タンク
10a 容積調整部
10b 送液部
10c 仕切板
10d 開放部
11 底面
12 ジャッキ
13 操作部
14 吐出口
15 蛇口
16 水道管
17 外枠筐体
18 注入口
19 輪軸
20 錘
21 フック
22 紐
23 エアバッグ
24 エア注入路
25 逆止弁
26 水注入路
100 浄化システム
110 原水槽
111 ガイド部材
112 凝集剤
113 攪拌羽
114 回収孔
120 濾過槽
121 濾過材
122 大き目の礫
123 小さ目の礫
124 大き目の砂
125 小さ目の砂
130 浄化槽
131 水車

Claims (5)

  1. 液体を貯留タンクに貯留すると共に、貯留された前記液体を吐出して前記貯留タンクから取出するために底面より高い位置に配設された吐出口を有する貯留手段と、
    前記貯留手段の容積を前記貯留手段の底面全体を少なくとも当該底面の前記吐出口が配設される側面側で垂直に持ち上げて可変する容積可変手段とを備え、
    前記吐出口が前記容積可変手段の最大可変状態における前記貯留手段の底面位置に対応して配設されており、前記容積可変手段が可変した前記容積の変化により、前記貯留手段に貯留された前記液体の液位が前記吐出口の位置よりも高い位置となることを特徴とする給液装置。
  2. 請求項1に記載の給液装置において、
    前記貯留手段の底面が当該貯留手段の上部に配設されている滑車又は輪軸を介して錘に接続され、当該錘の上下移動に伴って前記貯留手段の底面が垂直方向に上下動することを特徴とする給液装置。
  3. 請求項1又は2に記載の給液装置において、
    少なくとも前記貯留手段を覆う外枠筐体を備え、
    前記貯留手段と前記外枠筐体の間に断熱材が配設されていることを特徴とする給液装置。
  4. 請求項3に記載の給液装置において、
    前記外枠筐体の一部が前記容積可変手段を操作する操作部に対応する位置で切り欠いていることを特徴とする給液装置。
  5. 請求項3又は4に記載の給液装置において、
    前記外枠筐体の側面のうちの少なくとも一面が開閉可能に配設されていることを特徴とする給液装置。
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